JP5096395B2 - 異常診断方法、及びガス濃度測定装置 - Google Patents

異常診断方法、及びガス濃度測定装置 Download PDF

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Description

本発明は、内燃機関の燃焼制御に使用されるガス濃度測定装置、及びそのガス濃度測定装置における異常診断方法に関する。
ガソリンエンジン等の内燃機関の燃焼制御においては、内燃機関に供給する空気と燃料との混合気の空燃比を制御して、排気ガス中のCO、NOx、及びHCを低減するために、排気ガス中の所定ガスのガス濃度に応じて、燃料供給量をフィードバック制御する燃焼制御方式が知られている。
このような空燃比の制御に用いられるガスセンサとしては、例えば、ジルコニア等を主成分とする固体電解質体の両面に電極を備えたセル(酸素検知セル)を備えて、被測定ガスに含まれる特定成分(酸素など)を検知する酸素センサがある。また、他のガスセンサとしては、ジルコニア等を主成分とする固体電解質体の両面に電極を備えた2つのセル(酸素濃度検知セルおよび酸素ポンプセル)を測定室を挟むように配置し、測定室に拡散抵抗体を介して被測定ガスを導入して被測定ガスに含まれる特定成分(酸素など)を検知する全領域空燃比センサ(以下、UEGOセンサともいう)がある。さらに、2つのセル(酸素濃度検知セルおよび酸素ポンプセル)に加えてもう1つのセルを配置することによって構成されるガスセンサとして、NOxガス濃度を検知するNOxセンサなどが知られている。
近年の自動車では、それらのガスセンサを使用したエンジンの燃焼制御中に、ガスセンサ及びガスセンサの制御装置の異常診断を自動的に行う(所謂、オンボード自己診断)ガス濃度測定装置が用いられている。異常状態としては、ガスセンサ及び制御装置の接続点がグランドライン(基準電位ライン)に接続されてしまう短絡異常がある。
そして、そのようなガス濃度測定装置における異常診断の方法として、ガスセンサとそのガスセンサの制御装置との接続点を介して各セルに異常診断のための電流を通電し、該電流供給時に検出された各接続点の電位に基づいて短絡異常を診断する方法が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
具体的に、特許文献1,2では、異常診断のための電流を通電した際に各セルに発生する電圧が、被測定ガスの酸素濃度によって各セルに発生する電圧よりも大きくなるように構成し、異常診断のための電流を通電した際の上記各接続点の電圧(電位)の大小を比較して、何れの接続点で短絡異常が生じているか否かを診断する。つまり、例えばガスセンサの温度が高い場合にはそのガスセンサのインピーダンス(セルのインピーダンス)は小さくなり、その結果各セルに発生する電圧は小さくなって、各接続点の短絡異常の判定が困難なものとなっていた。そこで、短絡異常の判定ができる程度に、異常診断のための電流を別途通電するようにしていた。
このような診断方法を実現するため、上記特許文献1,2では、ガスセンサの制御装置において、異常診断用の電流を各セルに通電するための回路が設けられている。尚、制御装置は、特定用途向集積回路(ASIC:Application Specific IC)として実現されている。
特開2006−047278号公報 特開2006−208363号公報
ところで、近年では、ガス濃度測定装置を実現するための特定用途向集積回路のより一層の小型化・小規模化や、回路を複雑化せずにできるだけ安価に構成したガス濃度測定装置の提供が望まれている。
特許文献1,2の場合では、異常診断用の電流を各セルに通電するための回路を備えているが、このような要求に対応したものとは言い難い側面がある。
本発明は、こうした点に鑑みなされたもので、ガス濃度測定装置における異常診断を、なるべく小規模の回路構成にて行うことができるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の異常診断方法は、拡散抵抗体を介して被測定ガスが導入される測定室、第1固体電解質体及び該第1固体電解質体に設けられた一対の電極を備え、該一対の電極のうち一方の電極が測定室に面して配置され、他方の電極が基準酸素分圧雰囲気に設定される基準酸素室に配置されて、その測定室と基準酸素室との間の酸素分圧差に応じた電圧を発生する酸素濃度検知セル、及び、第2固体電解質体及び該第2固体電解質体に設けられた一対の電極を備え、該一対の電極のうち一方の電極が測定室に面して配置されて、自身に流れる駆動電流に応じて測定室内に導入された被測定ガスに対する酸素の汲み出しまたは汲み入れを行う酸素ポンプセル、を有するガスセンサと、酸素濃度検知セルの一対の電極のうち測定室に面していない電極(以下、第1検知電極と言う)と接続する第1端子、酸素濃度検知セル及び酸素ポンプセルそれぞれの一対の電極のうち、測定室に面して配置される電極のそれぞれ(以下、酸素濃度検知セルにおいて測定室に面して配置される電極を第2検知電極と言う)に共用化されて接続する第2端子、及び酸素ポンプセルの一対の電極のうち測定室に面していない電極と接続する第3端子を備え、酸素濃度検知セルの出力電圧が一定値となるように駆動電流の電流制御を行って、その駆動電流に基づき被測定ガス中の特定ガスの濃度を測定する測定手段と、を備えたガス濃度測定装置の異常を診断するものである。
上記のガス濃度測定装置において、測定手段は、測定室から基準酸素室に酸素を汲み入れるための定電流を第1端子を介して酸素濃度検知セルに供給する定電流供給手段と、第2端子の電位を基準電位に設定するとともに定電流よりも大きい電流(例えば定電流の10〜1000倍程度の電流)を供給可能な基準電位設定手段と、を備えている。この定電流供給手段、及び基準電位設定手段は、ガスセンサの制御のために必要な構成として従来より備えられる趣旨のものである。尚、定電流供給手段により供給される定電流は、微小な大きさ(例えば15〜20[μA])のものである。
そして、本異常診断方法では、第1端子の電位及び第2端子の電位を検出して、その第1端子の電位及び第2端子の電位の少なくとも何れか一方が予め定められた異常電位になると、測定手段の作動モードを、駆動電流の電流制御を行うモードであるガス濃度検出モードから、駆動電流の電流制御を行わないモードである異常時モードに移行させ、その異常時モードにおいて、定電流供給手段により定電流を酸素濃度検知セルに供給するとともにその定電流よりも大きい電流を基準電位設定手段により第2端子を介して酸素濃度検知セルに供給しつつ、第2端子の電位を予め定められた判定閾値と比較し、比較結果に基づき、第1端子及び第2端子の何れの短絡異常であるかを判定することを特徴としている。
ところで、例えば第2端子がグランドショートを起こして酸素濃度検知セルに定電流供給手段からの定電流が流れる場合、酸素濃度検知セルの両端電圧は、定電流(以下、Icpとも記載する)と酸素濃度検知セルのインピーダンス(以下、Rivsとも記載する)と酸素濃度検知セルの出力電圧(以下、Evsとも記載する)とを用いて、「IcpXRivs+Evs」で与えられる。
一方、第1端子がグランドショートを起こして酸素濃度検知セルに基準電位設定手段からの電流が流れる場合、酸素濃度検知セルの両端電圧は、基準電位設定手段からの電流(以下、Ivsとも記載する)と酸素濃度検知セルのインピーダンスRivsと酸素濃度検知セルの出力電圧Evsとを用いて、「IvsXRivs+Evs」で与えられる。
そして、例えば、ガスセンサの温度(各セルの温度)が高く、かつ被測定ガスが燃料供給不足(リーン)であるような状況下で排出される排気ガス(理論空燃比のときよりも酸素の割合が過剰である排気ガス)である場合は、前者のガスセンサの温度が高いことに起因してインピーダンスRivsは小さくなり、後者の酸素量が過剰であることに起因して酸素濃度検知セルの出力電圧Evsは小さい値となる。この場合、定電流Icp、電流Ivsの大きさによっては、酸素濃度検知セルの両端電圧は非常に小さなものとなってしまい、2つの端子の電位差が小さくなるため、グランドショートを起こしている端子の判別が難しくなる。つまり、2つの端子のうち一方がグランドショートすると他方の端子がほぼ同電位となるため、判別が難しい。
そこで、本発明の異常診断方法では、電流Ivsとして定電流Icpよりも大きい電流を供給することによって、第2端子が正常な場合には酸素濃度検知セルの両端電圧(第2端子に現れる電位)が大きくなるようにし、第2端子の電位に基づき、第1端子及び第2端子の何れが短絡異常(グランドショート)を起こしているかを判定するようにしている。
即ち、第1端子の電位及び第2端子の電位の少なくとも何れかが異常電位となり、その際に第2端子側から酸素濃度検知セルに比較的大きな電流Ivsを流すことで、第2端子の電位の傾向(大きさ)は、第2端子が正常で第1端子がグランドショートを起こしている場合と、第2端子がグランドショートを起こしており第1端子が正常な場合とで、酸素濃度測定セルのインピーダンスや被測定ガスの雰囲気に依らずに差異が出る。従って、第1端子の電位及び第2端子の電位の少なくとも何れかが異常電位となり、その際に第2端子側から酸素濃度検知セルに比較的大きな電流Ivsを流したときの当該第2端子の電位を判定閾値と比較することで、第1端子に短絡異常(グランドショート)が生じているか第2端子に短絡異常(グランドショート)が生じているかを容易に判別することができる。
しかも、ガス濃度測定装置が、ガスセンサの制御用として通常備える(或いは標準として備える)定電流供給手段、及び基準電位設定手段を用いて、上述のような構成を実現している。このため、ガス濃度測定装置の回路構成が大きくなってしまうことがなく、従来に比べて安価なガス濃度測定装置にすることができる。
このような本発明では、例えば、請求項2のように構成することによって、第1端子及び第2端子の短絡異常(グランドショート)を判別できる。
つまり、測定手段の作動モードが異常時モードである際に第2端子の電位を判定閾値と比較した結果に基づき、第2端子の電位が判定閾値より大きければ第1端子の短絡異常と判定し、第2端子の電位が判定閾値以下であればその第2端子の短絡異常と判定するようにすると良い。
前述のように、第1端子及び第2端子の少なくとも何れかに短絡異常(グランドショート)が生じている場合において、第1端子に短絡異常(グランドショート)が生じているか第2端子に短絡異常(グランドショート)が生じているかによって、第2端子の電位の大きさが変わる。第2端子に短絡異常(グランドショート)が生じていれば第2端子の電位は0となり、第2端子が正常であれば第2端子には比較的大きな電位が現れる。
つまり、第2端子の電位が判定閾値より大きければ第2端子は正常、ひいては第1端子にグランドショートが生じていると分かり、第2端子の電位が判定閾値以下であれば第2端子にグランドショートが生じていると分かる。
したがって、請求項2のような構成により、第1端子及び第2端子の短絡異常(グランドショート)を判別するようにすればよいわけである。
ところで、上記のようなガス濃度測定装置においては、第3端子の短絡異常も診断するようにすると尚良い。つまり、請求項3に記載のように、第1〜第3端子の電位を検出して、その第1〜第3端子の電位の少なくとも何れかが予め定められた異常電位になると、測定手段の作動モードを異常時モードに移行させ、異常時モードにおいて、第3端子の電位を予め定めた第3端子用の判定閾値と比較して、その比較結果に基づき、第3端子の短絡異常を判定するようにすると良い。これによれば、第3端子における短絡異常も判別することができ、より好ましい。
また、ガス濃度測定装置に異常が生じた場合には、その異常が原因でガスセンサに異常電流が流れる虞があるため、請求項4のように構成すると良い。
具体的に、第1〜第3端子の電位の少なくとも何れかが予め定められた異常電位になると、測定手段の作動モードを、その測定手段とガスセンサとの間の第1〜第3端子を介した電気的な接続を遮断した遮断モードに移行させた後、その測定手段の作動モードを異常時モードに移行させるようにすれば良い。
これによれば、ガス濃度測定装置に異常が生じた場合に、ガスセンサに異常電流が継続して流れてしまうことを防止できる。このため、ガスセンサの破損を防止し得るようになる。
次に、請求項5に記載の発明は、拡散抵抗体を介して被測定ガスが導入される測定室、固体電解質体及び該固体電解質体に設けられた一対の電極を備え、該一対の電極のうち一方の電極が測定室に面して配置され、他方の電極が基準酸素分圧雰囲気に設定された基準酸素室に配置されて、その測定室と基準酸素室との間の酸素分圧差に応じた電圧を発生する酸素濃度検知セル、及び、固体電解質体及び該固体電解質体に設けられた一対の電極を備え、該一対の電極のうち一方の電極が測定室に面して配置されて、自身に流れる駆動電流に応じて測定室内に導入された被測定ガスに対する酸素の汲み出しまたは汲み入れを行う酸素ポンプセル、を有するガスセンサと、酸素濃度検知セルの一対の電極のうち測定室に面していない電極と接続する第1端子、酸素濃度検知セル及び酸素ポンプセルそれぞれの一対の電極のうち、測定室に面して配置される電極のそれぞれと接続する第2端子、及び酸素ポンプセルの一対の電極のうち測定室に面していない電極と接続する第3端子を介して電気的に接続され、酸素濃度検知セルの出力電圧が一定値となるように駆動電流の電流制御を行って、その駆動電流に基づき被測定ガス中の所定ガスの濃度を測定する測定手段と、を備えたガス濃度測定装置であって、測定手段は、基準酸素室の酸素濃度を一定に保つための定電流を第1端子を介して酸素濃度検知セルに供給する定電流供給手段と、第2端子の電位を基準電位に設定するとともに定電流よりも大きい電流を供給可能な基準電位設定手段と、第1端子の電位及び第2端子の電位を検出して、その第1端子の電位及び第2端子の電位の少なくとも何れか一方が予め定められた異常電位になると、当該測定手段の作動モードを、駆動電流の電流制御を行うモードであるガス濃度検出モードから、駆動電流の電流制御を行わないモードである異常時モードに移行させるモード切替手段と、当該測定手段の作動モードが異常時モードの状態において、定電流供給手段により定電流を酸素濃度検知セルに供給させるとともにその定電流よりも大きい電流を基準電位設定手段により第2端子を介して酸素濃度検知セルに供給させつつ、第2端子の電位を予め定められた判定閾値と比較し、比較結果に基づき、第1端子及び第2端子の何れの短絡異常であるかを判定する異常診断手段と、を備えていることを特徴とするガス濃度測定装置である。
このようなガス濃度測定装置によれば、請求項1について述べた効果と同じ効果を得ることができる。
ガス濃度測定装置1の構成図である。 電子制御ユニット5の概要を示す回路図である。 センサ素子駆動回路52の各作動モードにおけるスイッチの状態を示す図である。 マイクロコンピュータ7で実行される処理の流れを示す主フローチャートである。 Vs+端子及びCOM端子の端子電圧を説明する図である。
以下に、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図1は、本発明が適用されたガス濃度測定装置1の構成を示す概略図である。尚、本実施形態のガス濃度測定装置1は、内燃機関(エンジン)の排気ガス中に含まれる酸素濃度を測定するものである。
図1に示すように、本実施形態のガス濃度測定装置1は、ガスセンサ2及び電子制御ユニット(以下、ECUとも称する)5から構成されている。ECU5は、ガスセンサ2に電気的に接続され、被測定ガスの酸素濃度の測定等の機能を備える。尚、ECU5が特許請求の範囲における測定手段に相当する。
ガスセンサ2は、排気ガス中の被測定ガスの酸素濃度を検知するセンサ素子10、及び、センサ素子10を作動温度に保つためのヒータ70を備えて構成されている。
センサ素子10は全領域空燃比センサであり、酸素ポンプセル14、絶縁層15、酸素濃度検知セル24及び補強板30が、この順に積層されて構成されている。
酸素ポンプセル14は、薄板状の酸素イオン伝導性の固体電解質体13の表裏面に、一対の第一ポンプ電極12及び第二ポンプ電極16が配置されて構成されている。このうち、第一ポンプ電極12には、配線L3の一端が電気的に接続されている。また、第二ポンプ電極16には、配線L2の一端が電気的に接続されている。尚、各配線L3、L2の他端は、ECU5の第三接続端子T3及び第二接続端子T2に電気的に接続されている。
酸素濃度検知セル24は、酸素ポンプセル14と同様に、薄板状の酸素イオン伝導性の固体電解質体23の表裏面に、一対の第一検知電極22及び第二検知電極28が配置されて構成されている。このうち、第一検知電極22は、配線L2を介して上述の第二ポンプ電極16に電気的に接続されている。つまり、配線L2の一端には、第二ポンプ電極16及び第一検知電極22が共有化されて電気的に接続されている。また、第二検知電極28には、配線L1の一端が接続されている。尚、配線L1の他端は、ECU5の第一接続端子T1に電気的に接続されている。
ここで、各固体電解質体13、23は、ジルコニアを主体とする材料にて形成されている。また、第一ポンプ電極12、第二ポンプ電極16、第一検知電極22、及び第二検知電極28は、白金を主体とする材料にて多孔質状に形成されている。尚、固体電解質体13が特許請求の範囲における第2固体電解質体に相当し、固体電解質体23が特許請求の範囲における第1固体電解質体に相当する。
絶縁層15は、酸素ポンプセル14と酸素濃度検知セル24とを電気的に絶縁するために、酸素ポンプセル14と酸素濃度検知セル24との間に積層されている。この絶縁層15は、アルミナを主体とする材料にて形成されている。
酸素ポンプセル14と酸素濃度検知セル24との間には、絶縁層15が部分的にくり抜かれて中空の測定室20が形成されている。そして、酸素ポンプセル14の第二ポンプ電極16及び酸素濃度検知セル24の第一検知電極22は測定室20に面して配置されている。尚、絶縁層15の一部には、測定室20内に排気ガス中の被測定ガスを導入するために、被測定ガス側及び測定室20側に連通する多孔質拡散層18が形成されている。この多孔質拡散層18は、測定室20内に導入される被測定ガスの拡散律速を行うものであり、アルミナを主体とする材料にて多孔質状に形成されている。
補強板30は、酸素濃度検知セル24の測定室20側とは反対側の面に、第二検知電極28を挟み込むようにして密着して配設されている。これにより、センサ素子10全体の強度を確保している。
また、補強板30によって、酸素濃度検知セル24の第二検知電極28は外部と遮断され、第二検知電極28の周囲には密閉空間が形成される。このような素子構成において、酸素濃度検知セル24の第二検知電極28から第一検知電極22に向かう方向に微小な定電流Icpを流して、第二検知電極28側に測定室20内の雰囲気から酸素を汲み入れることにより、第二検知電極28内及び周囲の密閉空間には略一定濃度の酸素が蓄積されることとなる。この第二検知電極28内及び周囲の密閉空間に蓄積された酸素は、センサ素子10において被測定ガスの酸素濃度を検知する際の基準酸素となる。このため、第二検知電極28は自己生成基準電極とも称される。
尚、補強板30は、酸素ポンプセル14及び酸素濃度検知セル24を構成する各固体電解質体13、11cと略同じ大きさであると共にセラミックを主体とする材料にて板状に形成されている。
ヒータ70は平板状に形成され、センサ素子10の酸素ポンプセル14に対向して配置されている。ヒータ70はアルミナを主体とする材料にて形成され、その内部には白金を主体とする材料にて形成されたヒータ配線72を備えている。ヒータ70は、後述するヒータ制御回路60から供給される電力により、センサ素子10の温度が550〜900℃になるように制御される。また、ヒータ配線72の両端には、各配線L4、L5の一端が電気的に接続されている。尚、各配線L4、L5の他端は、ECU5のヒータ制御回路60に電気的に接続されている。
ECU5は、センサ素子10と電気的に接続されてそのセンサ素子10を制御するセンサ素子制御回路50、ヒータ70と電気的に接続されてそのヒータ70を制御するヒータ制御回路60、センサ素子制御回路50及びヒータ制御回路60を制御するマイクロコンピュータ7を備えて構成されている。
このうち、マイクロコンピュータ7は、図示は省略するが、中央演算装置であるCPUと、データやプログラム等を格納するRAM及びROMと、外部回路との信号の入出力を行う入力ポート及び出力ポートとを備えている。マイクロコンピュータ7では、CPUがROM等に格納されたプログラムを実行することにより、各種演算やデータ転送等の命令の実行が制御される。また、マイクロコンピュータ7では、入力ポートに入力された信号は、入力ポート用レジスタの内容に反映され、出力ポート用レジスタに格納された内容は、出力ポートに信号として出力される。
センサ素子制御回路50は、Vs+端子、COM端子、及び、Ip+端子を備えている。尚、Vs+端子が特許請求の範囲における第1端子に相当し、COM端子が特許請求の範囲における第2端子に相当し、Ip+端子が特許請求の範囲における第3端子に相当する。これら各端子は、ECU5の第一〜第三接続端子T1〜T3とそれぞれ電気的に接続されている。具体的に、センサ素子10の第二検知電極28は、配線L1及び第一接続端子T1を介して、Vs+端子に電気的に接続されている。また、センサ素子10の第二ポンプ電極16及び第一検知電極22は、配線L2及び第二接続端子T2を介して、COM端子に電気的に接続されている。更に、センサ素子10の第一ポンプ電極12は、配線L3及び第三接続端子T3を介して、Ip+端子に電気的に接続されている。
センサ素子10では、被測定ガス(排気ガス)が、測定室20内に、多孔質拡散層18を介して拡散する。このセンサ素子10は、エンジンに供給される混合気が理論空燃比に保たれている状態では、第一検知電極22が晒される雰囲気と、第二検知電極28が晒される雰囲気(基準酸素雰囲気)との酸素分圧差により、酸素濃度検知セル24に450[mV]の起電力を発生する特性を有する。即ち、第一検知電極22と第二検知電極28との間には、450[mV]の電位差が生じることとなる。
ところで、エンジンに供給される混合気の空燃比の変化に応じて、排気ガスに含まれる酸素濃度は変化し、これにより、センサ素子10の測定室20内の雰囲気に含まれる酸素濃度も変化する。そこで、本実施形態のガス濃度測定装置1では、後述のセンサ素子制御回路50によって第一検知電極22と第二検知電極28との間の電位差が450[mV]に保たれるように、酸素ポンプセル14に流れるIp電流が制御される。つまり、測定室20内の雰囲気が理論空燃比と同じ状態となるように、酸素ポンプセル14によって酸素のポンピングが行われる。そして、このIp電流に基づいて、被測定ガス中の酸素濃度が測定される。
次に、図2に基づいて、ECU5の構成及び動作について説明する。図2は、ECU5の概要を示す回路図である。
ECU5は、上述したように、センサ素子制御回路50と、ヒータ制御回路60と、マイクロコンピュータ7とを備えて構成されている。
センサ素子制御回路50は、センサ素子駆動回路52と、異常検出回路53と、端子電圧出力回路54とを備えて構成されている。
センサ素子駆動回路52は、センサ素子10を構成する酸素ポンプセル14及び酸素濃度検知セル24の駆動制御を行う。
異常検出回路53は、センサ素子10とセンサ素子駆動回路52との接続点であるVs+端子、COM端子の各端子電圧の何れかが所定の電圧範囲外の異常となったときに異常検出フラグDIAG1を、DIAG1=1(セット状態)としマイクロコンピュータ7に出力する。また、異常検出回路53は、COM端子の端子電圧が所定の範囲外の異常となったときに異常検出フラグDIAG2=1(セット状態)としてマイクロコンピュータに出力する。
より具体的に、異常検出フラグDIAG1は、Vs+端子、及びCOM端子の何れかの正常/異常を表すものであり、異常検出フラグDIAG2は、COM端子の正常/異常を表すものである。そして、Vs+端子及びCOM端子について、端子電圧が閾値1.2[V]以下になった場合に異常とされる。逆に、Vs+端子及びCOM端子について、端子電圧が閾値1.2[V]より大きい場合に正常とされる。
端子電圧出力回路54は、Vs+端子、COM端子、Ip+端子の各端子電圧をマイクロコンピュータ7に出力する。
センサ素子駆動回路52は、酸素ポンプセル14を駆動するIp電流を流すためのオペアンプ32、Ip電流の制御特性を改善するためのPID制御回路部56、第二検知電極28の酸素濃度を一定に保つために酸素濃度検知セル24に定電流Icpを流すための定電流源46、Ip電流の制御目標電圧を供給する定電圧源48、を備えている。尚、定電流源46が特許請求の範囲における定電流供給手段に相当する。
また、センサ素子駆動回路52は、そのセンサ素子駆動回路52とセンサ素子10とを接続するための端子であるVs+端子、COM端子、Ip+端子、PID制御回路部56の特性を決める素子を外付けするための端子であるP1端子、P2端子、Pout端子、マイクロコンピュータ7から出力された作動モード切り替え信号に応じてセンサ素子駆動回路52の作動モードを変更するためのスイッチ(以下、SWと記載する)1〜6を備えて構成されている。尚、Vs+端子、COM端子、Ip+端子は、それぞれ、第一接続端子T1、第二接続端子T2、第三接続端子T3と導通している。
酸素ポンプセル14を構成する一対のポンプ電極のうち第一ポンプ電極12は、Ip+端子に配線L3及び第三接続端子を介して接続されている。また、第二ポンプ電極16は、センサ素子10の共通基準電圧を与えるCOM端子に、配線L2及び第二接続端子T2を介して接続されている。また、酸素濃度検知セル24を構成する一対の検知電極のうち第二検知電極28は、Vs+端子に配線L1及び第一接続端子T1を介して接続され、第一検知電極22は、COM端子に配線L2及び第二接続端子T2を介して接続されている。
Ip+端子には、抵抗素子R7、抵抗素子R8、オペアンプ32が接続されている。
このうち、抵抗素子R7の一端はIp+端子に接続されており、抵抗素子R7の他端はSW5を介して電源(5V)に接続されている。また、抵抗素子R8の一旦はIp+端子に接続されており、抵抗素子R8の他端はSW6を介して接地されている。ここで、抵抗素子R7、R8の抵抗値は、センサ素子駆動回路52の作動モードが後述するアクティブモード時にリーク電流が流れることを防ぐため、50kΩ程度であることが好ましい。
オペアンプ32は、反転入力端子にPID制御回路部56が抵抗素子R2を介して接続され、非反転入力端子には、基準電圧3.6Vが印加され、また、出力端子はSW3を介してIp+端子に接続されており、これらによって、センサ素子10を制御する負帰還回路が構成されている。
COM端子には、PID制御回路部56、オペアンプ32、34が接続されている。このうち、PID制御回路部56は、制御目標電圧の450[mV]と酸素濃度検知セル24の出力電圧Vsとの偏差量ΔVsをPID演算し、上述の負帰還制御の制御特性を改善する機能を有している。このPID制御回路部56は、PID制御回路40、及び、P1端子及びP2端子に装着されPID制御回路部56の制御特性を決める抵抗素子R3〜R5とコンデンサC1〜C3とによって構成されている。そして、PID制御回路部56は、オペアンプ42を介してVs+端子に接続され、酸素濃度検知セル24の出力電圧VsがPID制御回路部56に入力される。また、PID制御回路40は、SW2を介してPout端子に接続されている。そして、Pout端子は、抵抗素子R2を介してCOM端子に接続され、最終的にオペアンプ32の反転入力端子に接続されている。尚、PID制御回路部56の出力は、SW2によってON/OFF制御されるようになっている。
定電圧源48はPID制御回路40に接続されている。この定電圧源48は、Ip電流を制御する制御目標となる電圧である450[mV]を、PID制御回路40に供給するための回路である。
更に、オペアンプ32は、自身の反転入力端子がCOM端子に接続されている。
また、COM端子には、オペアンプ34がSW1を介して接続されている。このオペアンプ34は、後述するように、センサ素子10の異常診断を行うために、異常識別用電流を供給するための回路でもある。尚、オペアンプ34が特許請求の範囲における基準電位設定手段に相当する。
Vs+端子には、定電流源46、オペアンプ42が接続されている。このうち、定電流源46は、SW4を介して、Vs+端子に接続されている。この定電流源46は、酸素濃度検知セル24の第二検知電極28周囲の酸素濃度を一定に保つために、酸素濃度検知セル24に流される定電流Icp(例えば、17μA)を供給する回路である。
また、オペアンプ42の非反転入力端子は、Vs+端子に接続されている。
このように構成されたセンサ素子駆動回路52においては、被測定ガスの酸素濃度の測定を行うためのアクティブモードにて、SW2、SW3、SW4をONとし、SW1、SW5、SW6をOFFとする(例えば、後述する図3参照)。このとき、被測定ガスが燃料供給過剰(リッチ)の状態の場合には、測定室20内の酸素濃度が理論空燃比での酸素濃度よりも小さくなり、酸素濃度検知セル24の出力電圧Vsが制御目標電圧である450[mV]よりも高くなる。従って、制御目標電圧と出力電圧Vsとの偏差量ΔVsが発生し、その偏差量ΔVsがPID制御回路部56によってPID演算され、オペアンプ32によってフィードバックされる。このため、不足分の酸素を酸素ポンプセル14により測定室20内に汲み込むためのIp電流が酸素ポンプセル14に流れることになる。
一方、被測定ガスが燃料供給不足(リーン)であるような状況下で排出される排気ガス(理論空燃比のときよりも酸素の割合が過剰である排気ガス)である場合は、測定室20内の酸素濃度が理論空燃比での酸素濃度よりも大きくなり、酸素濃度検知セル24の出力電圧Vsが制御目標電圧450[mV]よりも低くなるので、上述と同様にオペアンプ32によって偏差量ΔVsがフィードバックされて、過剰分の酸素を酸素ポンプセル14により測定室20内から汲み出すためのIp電流が酸素ポンプセル14に流れるようになる。
このようにして、本実施形態のガス濃度測定装置1では、酸素濃度検知セル24の出力電圧Vsが450[mV]となるように酸素ポンプセル14を制御するIp電流を制御するとともに、そのIp電流の値を測定することで、そのIp電流の大きさと方向に基づいて被測定ガス中の酸素濃度を測定することが可能となる。尚、本実施形態のガス濃度測定装置1では、酸素ポンプセル14に流れるIp電流を抵抗素子R2にて電圧変換し、抵抗素子R2の両端電圧(具体的には、COM端子とPout端子の両端電圧)が図示しない差動増幅回路を介して、マイクロコンピュータ7の入力ポートに出力されるように構成されている。そして、マイクロコンピュータ7で測定された酸素濃度に基づき、最終的にエンジンの燃焼制御が行われる。
次に、異常検出回路53は、ウィンドコンパレータ57、58とOR回路51で構成されている。ウィンドコンパレータ57、58の出力端子が並列にOR回路51の入力端子に接続されている。そして、図中では接続ラインが省略されているが、各コンパレータの入力端子は、Vs+端子、COM端子にそれぞれ接続されている。尚、COM端子がつながるウィンドコンパレータ58は、別途マイクロコンピュータ7にも接続されている。
各ウィンドコンパレータ57、58は、それぞれ、Vs+端子、COM端子の各端子電圧が所定の電圧範囲内であるとき(所定の閾値より大きいとき)にローレベル信号を出力し、各端子電圧が所定の電圧範囲外であるとき(所定の閾値以下であるとき)にハイレベル信号を出力するように構成されている。
Vs+端子の端子電圧は、通常、COM端子の基準電圧3.6Vに酸素濃度検知セル24の出力電圧Vs(450[mV])を加えた値である4.05Vに保たれている。ところが、Vs+端子に接続された配線L1等(Vs+ラインとも称する)が何らかの原因によりグランド電位に短絡すると、Vs+端子の端子電圧はグランド電位となる。すると、センサ素子10に過大な異常電流が流れ、センサ素子10が破損するおそれがある。そこで、ウィンドコンパレータ57は、Vs+端子の端子電圧と予め設定された閾値とを比較し、Vs+端子の端子電圧が閾値以下となったときにハイレベル信号を出力するように構成されている。具体的には、ウィンドコンパレータ57の閾値を1.2[V]に設定する。そして、Vs+端子の端子電圧が閾値の1.2[V]以下となったとき、ウィンドコンパレータ57は、ハイレベル信号を出力するように構成されている。
COM端子の端子電圧は、通常、オペアンプ32により基準電圧3.6Vになるように制御されている。ところが、COM端子に接続された配線L2等(COMラインとも称する)が何らかの原因によりグランド電位に短絡すると、Vs+端子と同様、COM端子の端子電圧はグランド電位となる。そこで、ウィンドコンパレータ58は、COM端子の端子電圧と予め設定された閾値とを比較し、COM端子の端子電圧が閾値以下となったときにハイレベル信号を出力するように構成されている。具体的には、ウィンドコンパレータ57と同様に、ウィンドコンパレータ58の閾値を1.2[V]に設定する。そして、COM端子の電位が閾値の1.2[V]以下となったときに、ウィンドコンパレータ58は、ハイレベル信号を出力するように構成されている。
OR回路51は、各ウィンドコンパレータ57、58からの信号の論理和を算出し、各ウィンドコンパレータ57、58の何れかからハイレベル信号が入力されたときに、異常検出フラグDIAG1をDIAG1=1(セット状態)としマイクロコンピュータ7に出力する。尚、Vs+端子、COM端子の各端子電圧が所定の電圧範囲内であるときは、異常検出回路53は異常検出フラグDIAG1及び異常検出フラグDIAG2を、DIAG1=0(リセット状態)及びDIAG2=0(リセット状態)としマイクロコンピュータ7に出力する。このように、異常検出回路53は、Vs+ライン、COMラインの何れかで短絡異常が発生して、Vs+端子、COM端子の端子電圧が閾値以下の異常電圧値となった場合(換言すれば、センサ素子10に異常が発生した場合)に、異常検出フラグDIAG1をDIAG1=1(セット状態)とする、或いは異常検出フラグDIAG2をDIAG2=1(セット状態)とする機能を有する。
端子電圧出力回路54は、マイクロコンピュータ7にVs+端子、COM端子、Ip+端子の各端子電圧を出力する回路である。尚、図中では接続ラインが省略されているが、端子電圧出力回路54の入力端子は、Vs+端子、COM端子、Ip+端子にそれぞれ接続されている。
マイクロコンピュータ7は、センサ素子駆動回路52、異常検出回路53、端子電圧出力回路54に接続される。詳細には、後述するセンサ素子駆動回路52の作動モードを切り替える切り替え信号(詳細には、各SW1〜SW6のON/OFF制御を行う制御信号)は、マイクロコンピュータ7の出力ポートから出力され、異常検出回路53の異常検出フラグDIAG1、DIAG2、端子電圧出力回路54の出力信号、抵抗素子R2の両端電圧は、マイクロコンピュータ7の入力ポートに入力されている。このため、マイクロコンピュータ7はセンサ素子駆動回路52の作動モードを制御することができると共に、センサ素子10に発生した異常の継続の有無、各端子の端子電圧及び被測定ガスの酸素濃度の測定値を得ることができる。また、マイクロコンピュータ7は、異常検出回路53、端子電圧出力回路54からの入力信号に基づき、センサ素子10の異常診断を行う。更に、マイクロコンピュータ7は、センサ素子10の温度が550〜900℃となるように、ヒータ制御回路60を制御する。
本実施形態では、各SW1〜SW6のON/OFFが切り替わることにより、センサ素子駆動回路52の作動モードが、アクティブモード、プロテクションモード、ノンアクティブモード、の何れかに切り替わる。
アクティブモードは、エンジンの燃焼制御(ガスの濃度検出)を行う場合の作動モードであり、センサ素子10に異常が発生していない正常の場合には、センサ素子駆動回路52をこの作動モードにする。尚、アクティブモードが特許請求の範囲におけるガス濃度検出モードに相当する。
この作動モードでは、図3に示すように、センサ素子駆動回路52において、SW2〜SW4がONとなり、SW1、SW5,SW6がOFFとなる。
このように、SW2〜SW4がONとなり、SW1、SW5,SW6がOFFとなると、上述のように、酸素濃度検知セル24の出力電圧Vsを負帰還電圧として、酸素ポンプセル14はオペアンプ32によって負帰還制御され、Ip電流を測定することで被測定ガス中の酸素濃度が測定される。そして、測定された酸素濃度に基づきエンジンの燃焼制御が行われる。
プロテクションモードは、Vs+端子、COM端子、Ip+端子の何れかの端子電圧が、所定の電圧範囲外となった場合に、センサ素子駆動回路52からセンサ素子10に対する出力を全てOFFにし(換言すれば、センサ素子駆動回路52とセンサ素子10とを電気的に遮断し)、センサ素子10を保護する作動モードである。尚、プロテクションモードが、特許請求の範囲における遮断モードに相当する。
この作動モードでは、図3に示すように、センサ素子駆動回路52のSW1〜SW6の全てがOFFとなるため、オペアンプ32,34、定電流源46からセンサ素子10に入力される信号はOFFとなり、センサ素子10とセンサ素子駆動回路52とは電気的に遮断される。従って、センサ素子10に異常電流が継続して流れることがなくなり、センサ素子10は電気的に保護されることとなる。
ノンアクティブモードは、センサ素子10に異常が発生したときに、異常が発生した端子を診断するための作動モードである。尚、ノンアクティブモードが、特許請求の範囲における異常時モードに相当する。
この作動モードでは、図3に示すように、センサ素子駆動回路52のSW1、SW4〜SW6がONとなり、SW2、SW3がOFFとなる。
このように、SW3がOFFであるため、酸素ポンプセル14を駆動しているオペアンプ32からは電流が供給されなくなり、また、SW2がOFFのためPID制御回路40からも電流が供給されなくなり、酸素ポンプセル14に対する電流制御は停止する。従って、酸素ポンプセル14の負帰還制御は行われなくなる。
そして、SW1、SW4〜SW6がONであるため、酸素ポンプセル14及び酸素濃度検知セル24には、オペアンプ34、定電流源46、電源(5V)から電流が供給されることとなる。
これらオペアンプ34、定電流源46、電源(5V)から出力される電流(以下、異常識別用電流とも称する)を各セル14、24に流したときに、各端子(Vs+端子、COM端子、Ip+端子)に発生する各端子電圧が、端子電圧出力回路54からマイクロコンピュータ7に入力され、また、異常検出回路53に入力される。
図4は、マイクロコンピュータ7において実行される処理の流れを表すフローチャートである。
マイクロコンピュータ7は、自動車の電源がONされると(より具体的に、自動車のイグニションスイッチがONされると)処理を開始し、まず、S110にて、ヒータ制御回路60を介してヒータ70への電源供給(つまり、ヒータ70への通電)を開始する。
次に、S120に進み、作動モードをアクティブモードに切り替える切替処理を実行する。具体的に、センサ素子駆動回路52に対し、作動モードをアクティブモードに切り替える信号(アクティブモード切替信号)を出力するようになっている。センサ素子駆動回路52にアクティブモード切替信号が入力されることにより、SW2,SW3,SW4がONし、SW1,SW5,SW6がOFFする。これにより、センサ素子駆動回路52の作動モードがアクティブモードに切り替わる。
次に、S130に進み、被測定ガス中の所定のガス濃度の測定処理(具体的には、酸素ポンプセル14に流れるIp電流に基づく酸素濃度の測定処理)が実行される。
次に、S140に進み、異常検出フラグDIAG1=1(セット状態)であるか否かを判定する。つまり、Vs+端子、COM端子、Ip+端子の何れかに短絡異常(GNDショート)が生じているか否かを判定する。尚、前述のように、センサ素子10の各端子電圧が所定の電圧範囲内であれば(センサ素子10に異常が発生していなければ)、異常検出フラグDIAG1=0(リセット状態)となり、逆に、センサ素子10の各端子電圧が所定の電圧範囲外であれば(センサ素子10に異常が発生していれば)、異常検出フラグDIAG1=1(セット状態)となる。
S140で異常検出フラグDIAG1=1(セット状態)でない(つまり、センサ素子10に異常が発生していない)と判定すると(S140:NO)、S290に移行し、異常回数Nをリセットする。
S290の後はS300に移行し、Ip+端子の端子電圧が所定電圧(例えば1.5[V])以下であるか否かを判定し、所定電圧以下であると判定すると(S300:YES)、後述するS150に移行する。
一方、S300でIp+端子の端子電圧が所定電圧以下でないと判定すると(S300:NO)、S130に戻る。
また、S140で異常検出フラグDIAG1=1(セット状態)である(つまり、センサ素子10に異常が発生している)と判定すると(S140:YES)、S150に移行する。
S150では、センサ素子駆動回路52の作動モードをプロテクションモードに切り替える。具体的に、センサ素子駆動回路52を介して、SW2,SW3,SW4をOFFする。これにより、センサ素子10とセンサ素子駆動回路52との電気的接続が遮断される。この場合、センサ素子10に異常電流が流れないようにできるため、センサ素子10が破損してしまうことを防止することができる。
次に、S160に進み、センサ素子駆動回路52の作動モードをノンアクティブモードに切り替える。具体的に、センサ素子駆動回路52を介して、SW1,SW4〜SW6をONする。尚、マイクロコンピュータ7及びマイクロコンピュータ7において実行されるS140及びS160の処理が特許請求の範囲におけるモード切替手段に相当する。
次に、S170に進み、異常検出フラグDIAG1=1(セット状態)であるか否かを判定する。つまり、Vs+端子、及びCOM端子の何れかの短絡異常(GNDショート)であるか否かを判定する。S170で異常検出フラグDIAG1=1(セット状態)でないと判定すると(S170:NO)、S180に移行する。
S180では、Ip+端子の端子電圧が所定電圧以下であるか否かを判定し、所定電圧以下でないと判定すると(S180:NO)、S190に移行し、図示しないタイマーをリセットする。そしてその後、S120に戻る。
一方、S180にて、Ip+端子の端子電圧が所定電圧以下であると判定すると(S180:YES)、S200に移行する。
S200では、図示しないタイマーがカウント動作中か否かを判定し、カウント動作中でないと判定すると(S200:NO)、S210に移行し、その図示しないタイマーをスタートする。そしてS220に移行する。
一方、S200において図示しないタイマーがカウント動作中であると判定すると(S200:YES)、S220に移行する。
S220では、図示しないタイマーのカウント値に基づき所定時間が経過したか否かを判定し、所定時間が経過していないと判定すると(S220:NO)、再びS120に戻る。
一方、S220にて所定時間が経過したと判定すると(S220:YES)、S230に移行し、Ip+端子の短絡異常(GNDショート)と判断し、その後当該処理を終了する。
また、S170で異常検出フラグDIAG1=1(セット状態)であると判定すると(S170:YES)、S240に移行し、異常回数Nをインクリメントする。
次に、S250に進み、異常回数Nが所定回数以上か否かを判定し、所定回数以上でないと判定すると(S250:NO)、S150に戻る。
一方、S250で異常回数Nが所定回数以上であると判定すると(S250:YES)、S260に移行する。
S260では、異常検出フラグDIAG2=1(セット状態)であるか否か(言い換えると、COM端子の端子電圧が所定電圧以下か否か)を判定し、異常検出フラグDIAG2=1(セット状態)である(COM端子の端子電圧が所定電圧以下である)と判定すると(S260:YES)、S270に移行してCOM端子のGNDショートと判断する。そしてその後、当該処理を終了する。尚、マイクロコンピュータ7が実行するS260の処理、及びそのマイクロコンピュータ7が特許請求の範囲における異常診断手段に相当する。
一方、S260にて異常検出フラグDIAG2=1(セット状態)でない(COM端子の端子電圧が所定電圧以下でない)と判定すると(S260:NO)、S280に移行してVs+端子のGNDショートと判断する。そしてその後、当該処理を終了する。
つまり、本実施形態では、Ip+端子の電圧が所定電圧以下(S180:YES)である状態が所定時間継続すれば(S220:YES)、Ip+端子がGNDショートを起こしていると判定する(S230)。
一方で、Vs端子、COM端子の何れかにおいてGNDショートが発生した場合に(S140:YES、S170:YES)、異常回数Nが所定回数以上となって異常が確定でき(S240→S250:YES)、さらに異常検出フラグDIAG2=1(セット状態)であれば(S260:YES)、COM端子がGNDショートを起こしていると判断し(S270)、異常検出フラグDIAG2=1(セット状態)でなければ(S260:NO)、Vs+端子がGNDショートを起こしていると判断する(S280)。
ここで、図5に示すが、COM端子が正常でVs+端子がGNDショートを起こしている場合(図5における(A))、酸素濃度検知セル24には電流Ivsが流れ、酸素濃度検知セル24の両端電圧は、「Ivs×Rivs+Evs」で与えられる。Rivsは酸素濃度検知セル24のインピーダンスであり、Evsは酸素濃度検知セル24の出力電圧である。尚、Vs+端子の端子電圧は0となる。
そして、電流Ivs、言い換えるとオペアンプ34から出力される異常識別用電流は、被測定ガスの酸素濃度によって変化する酸素ポンプセル14や酸素濃度検知セル24の出力電圧を考慮して、15mA程度と比較的大きなものとなっている。
そうすると、Vs端子、COM端子の何れかにおいてGNDショートが発生した場合に(S140:YES、S170:YES)、COM端子の端子電圧が所定電圧(例えば1.2[V])より大きいことで異常検出フラグDIAG2=1(セット状態)でなければ(S260:NO)、COM端子はGNDショートを起こしていない、つまりVs+端子がGNDショートを起こしていると判定することができる(S280)。
また、Vs+端子が正常でCOM端子がグランドショートを起こしている場合(図5における(B))、酸素濃度検知セル24には定電流Icpが流れ、酸素濃度検知セル24の両端電圧は、「Icp×Rivs+Evs」で与えられる。尚、COM端子の端子電圧は0となる。この場合、COM端子の端子電圧は確実に所定電圧(1.2[V])以下となる。
そして、Vs端子、COM端子の何れかにおいてGNDショートが発生した場合に(S140:YES、S170:YES)、COM端子の端子電圧が所定電圧(1.2[V])以下であることで異常検出フラグDIAG2=1(セット状態)であれば(S260:YES)、COM端子がGNDショートを起こしていると判定することができる(S270)。
尚、例えば、ガスセンサ2の温度(各セルの温度)が高く、かつ被測定ガスが燃料供給不足(リーン)であるような状況下で排出される排気ガス(理論空燃比のときよりも酸素の割合が過剰である排気ガス)である場合は、前者のガスセンサの温度が高いことに起因してインピーダンスRivsは小さくなり、後者の酸素量が過剰であることに起因して酸素濃度検知セル24の出力電圧Evsは所定の基準電圧よりも小さくなるようになっている。この場合、定電流Icp、電流Ivsの大きさによっては、酸素濃度検知セルの両端電圧は非常に小さなものとなってしまい、GNDショートを起こしている端子の判別が難しくなる。この点、本実施形態のガス濃度測定装置1では、定電流Icpよりも大きい電流Ivsを供給することによって、Vs+端子がGNDショートを起こしている場合とCOM端子がGNDショートを起こしている場合とで、COM端子の端子電圧に大きな差が生じるようにしている。したがって、COM端子の端子電圧に基づき、Vs+端子がGNDショートを起こしているのかCOM端子がGNDショートを起こしているのかを判別できるようになっている。
以上説明したように、本実施形態のガス濃度測定装置1では、センサ素子10とセンサ素子駆動回路52との各接続点(Vs+端子、COM端子)に異常電圧が発生したか否かを各ウィンドコンパレータ57、58で検出し、何れかの接続点で異常電圧が発生した場合、センサ素子駆動回路52の作動モードをプロテクションモードからさらにノンアクティブモードに切り替え、各端子の異常診断を行う。
具体的に、COM端子の端子電圧を所定電圧(例えば1.2[V])と比較することにより、COM端子及びVs+端子の短絡異常を診断する。例えば、ガスセンサ2の温度(各セルの温度)が高く、かつ被測定ガスが燃料供給不足(リーン)であるような状況下で排出される排気ガス(理論空燃比のときよりも酸素の割合が過剰である排気ガス)である場合は、既に述べたように、酸素濃度検知セル24の両端電圧は非常に小さなものとなり、GNDショートを起こしている端子を判別することは難しくなる。この点、本実施形態のガス濃度測定装置1では、前述したように、COM端子の端子電圧に基づき、Vs+端子及びCOM端子の何れにGNDショートが生じているかを判別することができるようになっている。
また、本実施形態のガス濃度測定装置1では、センサ素子10の異常診断時に、異常診断に必要となる異常識別用電流を所定の時間だけ通電することによって、センサ素子10を破損させずに異常診断を行うことが可能となっている。しかも、異常識別用電流を通電するための特別な回路を設けることなく、ガス濃度測定装置1における通常の機能(回路)を利用して、異常診断を行うことが可能となっている。このため、ガス濃度測定装置1の大きさやコストを抑えることができ有利である。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術範囲内において種々の形態をとることができる。
例えば、上記実施形態では、センサ素子10として全領域空燃比センサを取り上げたが、これに限られず、上記センサ素子10にもう一つのセルを追加して、二つの測定室を備えたNOxセンサに適用することも可能である。
また、上記実施形態において、図4のS250の処理で否定判定した後、S170の処理に戻るようにしても良い。
また、上記実施形態において、Vs+端子、COM端子及びIp+端子の正常/異常を判定する際の閾値としての1.2[V]、1.5[V]という数値は一例であり、他の値を用いても良い。また、他の数値についても一例であり、値を限定する趣旨のものではない。
1…ガス濃度測定装置、2…ガスセンサ、5…電子制御ユニット、7…マイクロコンピュータ、10…センサ素子、12…第一ポンプ電極、13…固体電解質体、14…酸素ポンプセル、15…絶縁層、16…第二ポンプ電極、18…多孔質拡散層、20…測定室、22…第一検知電極、23…固体電解質体、24…酸素濃度検知セル、28…第二検知電極、30…補強板、32,34…オペアンプ、40…PID制御回路、42…オペアンプ、46…定電流源、48…定電圧源、50…センサ素子制御回路、51…OR回路、52…センサ素子駆動回路、53…異常検出回路、54…端子電圧出力回路、56…PID制御回路部、57,58…ウィンドコンパレータ、60…ヒータ制御回路、70…ヒータ、72…ヒータ配線。

Claims (5)

  1. 拡散抵抗体を介して被測定ガスが導入される測定室、
    第1固体電解質体及び該第1固体電解質体に設けられた一対の電極を備え、該一対の電極のうち一方の電極が前記測定室に面して配置され、他方の電極が基準酸素分圧雰囲気に設定される基準酸素室に配置されて、その測定室と基準酸素室との間の酸素分圧差に応じた電圧を発生する酸素濃度検知セル、及び、
    第2固体電解質体及び該第2固体電解質体に設けられた一対の電極を備え、該一対の電極のうち一方の電極が前記測定室に面して配置されて、自身に流れる駆動電流に応じて前記測定室内に導入された前記被測定ガスに対する酸素の汲み出しまたは汲み入れを行う酸素ポンプセル、を有するガスセンサと、
    前記酸素濃度検知セルの一対の電極のうち前記測定室に面していない電極と接続する第1端子、前記酸素濃度検知セル及び前記酸素ポンプセルそれぞれの一対の電極のうち、前記測定室に面して配置される電極のそれぞれに共用化されて接続する第2端子、及び前記酸素ポンプセルの一対の電極のうち前記測定室に面していない電極と接続する第3端子を備え、前記酸素濃度検知セルの出力電圧が一定値となるように前記駆動電流の電流制御を行って、その駆動電流に基づき前記被測定ガス中の特定ガスの濃度を測定する測定手段と、
    を備えたガス濃度測定装置の異常を診断する異常診断方法であって、
    前記測定手段は、前記測定室から前記基準酸素室に酸素を汲み入れるための定電流を前記第1端子を介して前記酸素濃度検知セルに供給する定電流供給手段と、
    前記第2端子の電位を基準電位に設定するとともに前記定電流よりも大きい電流を供給可能な基準電位設定手段と、を備え、
    前記第1端子の電位及び前記第2端子の電位を検出して、その第1端子の電位及び第2端子の電位の少なくとも何れか一方が予め定められた異常電位になると、前記測定手段の作動モードを、前記駆動電流の前記電流制御を行うモードであるガス濃度検出モードから、前記駆動電流の前記電流制御を行わないモードである異常時モードに移行させ、その異常時モードにおいて、前記定電流供給手段により前記定電流を前記酸素濃度検知セルに供給するとともに、その定電流よりも大きい電流を前記基準電位設定手段により前記第2端子を介して前記酸素濃度検知セルに供給しつつ、前記第2端子の電位を予め定められた判定閾値と比較し、比較結果に基づき、前記第1端子及び前記第2端子の何れの短絡異常であるかを判定することを特徴とする異常診断方法。
  2. 前記測定手段の作動モードが異常時モードである際に前記第2端子の電位を前記判定閾値と比較した結果に基づき、前記第2端子の電位が前記判定閾値より大きければ前記第1端子の短絡異常と判定し、前記第2端子の電位が前記判定閾値以下であればその第2端子の短絡異常と判定することを特徴とする請求項1に記載の異常診断方法。
  3. 前記第1〜第3端子の電位を検出して、その第1〜第3端子の電位の少なくとも何れかが予め定められた異常電位になると、前記測定手段の作動モードを前記異常時モードに移行させ、
    異常時モードにおいて、前記第3端子の電位を予め定めた第3端子用の判定閾値と比較して、その比較結果に基づき、前記第3端子の短絡異常を判定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の異常診断方法。
  4. 前記第1〜第3端子の電位の少なくとも何れかが予め定められた異常電位になると、前記測定手段の作動モードを、その測定手段と前記ガスセンサとの間の前記第1〜第3端子を介した電気的な接続を遮断した遮断モードに移行させた後、前記測定手段の作動モードを前記異常時モードに移行させることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の異常診断方法。
  5. 拡散抵抗体を介して被測定ガスが導入される測定室、
    第1固体電解質体及び該第1固体電解質体に設けられた一対の電極を備え、該一対の電極のうち一方の電極が前記測定室に面して配置され、他方の電極が基準酸素分圧雰囲気に設定される基準酸素室に配置されて、その測定室と基準酸素室との間の酸素分圧差に応じた電圧を発生する酸素濃度検知セル、及び、
    第2固体電解質体及び該第2固体電解質体に設けられた一対の電極を備え、該一対の電極のうち一方の電極が前記測定室に面して配置されて、自身に流れる駆動電流に応じて前記測定室内に導入された前記被測定ガスに対する酸素の汲み出しまたは汲み入れを行う酸素ポンプセル、を有するガスセンサと、
    前記酸素濃度検知セルの一対の電極のうち前記測定室に面していない電極と接続する第1端子、前記酸素濃度検知セル及び前記酸素ポンプセルそれぞれの一対の電極のうち、前記測定室に面して配置される電極のそれぞれに共用化されて接続する第2端子、及び前記酸素ポンプセルの一対の電極のうち前記測定室に面していない電極と接続する第3端子を備え、前記酸素濃度検知セルの出力電圧が一定値となるように前記駆動電流の電流制御を行って、その駆動電流に基づき前記被測定ガス中の特定ガスの濃度を測定する測定手段と、
    を備えたガス濃度測定装置であって、
    前記測定手段は、
    前記測定室から前記基準酸素室に酸素を汲み入れるための定電流を前記第1端子を介して前記酸素濃度検知セルに供給する定電流供給手段と、
    前記第2端子の電位を基準電位に設定するとともに前記定電流よりも大きい電流を供給可能な基準電位設定手段と、
    前記第1端子の電位及び前記第2端子の電位を検出して、その第1端子の電位及び第2端子の電位の少なくとも何れか一方が予め定められた異常電位になると、当該測定手段の作動モードを、前記駆動電流の前記電流制御を行うモードであるガス濃度検出モードから、前記駆動電流の前記電流制御を行わないモードである異常時モードに移行させるモード切替手段と、
    当該測定手段の作動モードが異常時モードの状態において、前記定電流供給手段により前記定電流を前記酸素濃度検知セルに供給させるとともにその定電流よりも大きい電流を前記基準電位設定手段により前記第2端子を介して前記酸素濃度検知セルに供給させつつ、前記第2端子の電位を予め定められた判定閾値と比較し、比較結果に基づき、前記第1端子及び前記第2端子の何れの短絡異常であるかを判定する異常診断手段と、
    を備えていることを特徴とするガス濃度測定装置。
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