JP5095355B2 - 壁面ブロック及び補強土壁構造物並びに補強土壁の構築方法 - Google Patents

壁面ブロック及び補強土壁構造物並びに補強土壁の構築方法 Download PDF

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Description

本発明は、補強土壁工法の壁面材に用いられる壁面ブロックと、この壁面ブロックを利用した補強土壁構造物と、補強土壁を構築するための方法と、に関するものである。
近年、都市部における道路等の構造物を建設するにあたって、用地の制約などから通常の盛土よりも急勾配の盛土を建設する必要が生じており、この場合には通常の盛土やコンクリート擁壁にかえて、補強土壁工法を用いる場合が増えている。
補強土壁工法とは、壁面材、補強材及び盛土材を用いた盛土工法であって、壁面材に作用する土圧力と、盛土材中に敷設し壁面材に接続した補強材の引抜き抵抗力を釣り合わせることによって垂直または垂直に近い、急勾配の壁面を形成することが出来るという特徴を有する。
補強土壁の壁面材として用いられるコンクリートパネルまたはコンクリートブロックと補強材との接続方法としては、壁面材に埋めこんだ埋設金物に横棒を通し、補強材を横棒に巻き付け固定する方法、補強材を壁面材に直接埋め込む方法、壁面材の間に補強材を挟みこんで固定する方法等、種々の方法が用いられている。
壁面材に埋めこんだ埋設金物に横棒を通し、補強材を横棒に巻き付け固定する方法は、U字型、コの字型、L字型等の比較的単純な形状の金物を用いて接続できる方法であるが、横棒にかかる補強材からの引張力が大きくなると横棒が変形して補強材の引張力が壁面材に十分伝わらず、補強土壁が不安定化したり、壁面に歪みが発生する恐れがある。
補強材を壁面材に直接埋め込む方法は、補強材と壁面材とが直接接続されており、確実な応力の伝達が可能であるが、壁面材の製造作業及び輸送作業が煩雑となる問題がある。
壁面材の間に補強材を挟みこんで固定する方法は、比較的作業が容易であるが、挟み込んだ部分に応力が集中するため、補強材の切断が起きる恐れがある。
また、盛土を補強する構造として、例えば特許文献1に記載された盛土補強構造が提案されている。この技術は、コンクリート壁面材の内部に横棒を埋設すると共にこの横棒に縦棒を一体化させて該縦棒の先端に形成した円状部を露出させておき、一方、盛土にはエキスパンドメタル等の網目状の補強部材を埋設しておき、この補強部材の網目に縦棒の円状部を嵌め込み、更に、円状部に横桟を差し込むことで両者を連結している。この技術では、盛土に沈下が生じた場合でも、補強部材が切断されるようなことがないという特徴を有するが、接続に特殊形状の金具を壁面材に埋め込む必要があり、コスト的に不利である。
また、特許文献2に記載された技術は、土留壁と盛土補強材とを接続する接続装置に関するものであり、コンクリート製の壁パネルの背面に連結金網を突出させておき、端部に盛土補強材の接続端部を重ね合わせ、各々の網目に接続装置の係止部を挿通させて係止ピンを挿通することで、壁パネルと盛土補強材とを接続している。この技術では、土留壁と盛土補強材とを容易に接続することが可能であるが、接続に特殊形状の金具を用いる必要があり、コスト的に不利である。また、連結金網の壁パネルから引抜き強度を確保するため、連結金網を壁パネル中に深く埋め込む必要があり、壁パネルの厚みを薄くすることが出来ない。
更に、補強土壁の構築において、補強土壁の完成後は、壁面材に作用する土圧力と盛土材に敷設した補強材の引抜き抵抗力のバランスにより安定化するが、補強土壁構築過程においては、従来の直方体状の壁面ブロックは、一般的に不安定であり、積み重ねた壁面ブロックの転倒を防ぐための工事管理上の細心の注意が必要であった。
特開2005−68897号公報 特開2005−194748号公報
本発明の目的は、補強材との応力伝達を確実にすることができ、積み上げたときに安定性を発揮することができ、更に、壁パネルの薄手化が可能で、施工しやすく、かつ製造コストの低い壁面ブロックと、この壁面ブロックを利用した補強土壁構造体と、補強土壁構造物の構築方法を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る壁面ブロックは、壁部と底板と控部とを有し、所定の高さまで積み上げて使用する壁面ブロックであって、底板に格子体を埋設すると共に該格子体の一部を底板の後端面から、該壁面ブロックの高さの0.1〜0.5倍の長さで、露出させて補強材との接続部とすることを特徴とする。
上記壁面ブロックに於いて、格子体の、前記壁面ブロック表面に平行な方向のピッチが、20mm以上130mm以下であることが好ましい。
また上記何れかの壁面ブロックに於いて、格子体が多数の鋼線を予め設定されたピッチで配置すると共に、該鋼線に対して直交方向に配置された鋼線に溶接されている溶接金網であることが好ましい。
また本発明に係る補強土壁構造体は、コンクリート基礎上に請求項1乃至3の何れかに記載した壁面ブロックを複数並べると共に高さ方向に設置してなり、夫々の壁面ブロックは底板の後端面から露出した格子体に盛土中に敷設された補強材が接続されているものである。
また本発明に係る補強土壁構造物の構築方法は、予め構築されたコンクリート基礎上に請求項1乃至3の何れかに記載した壁面ブロックを複数並べて設置し、該壁面ブロックの底板の後端面から露出した格子体に補強材を接続して盛土上に敷設し、敷設された補強材の上に盛土材を敷き均し、転圧し、その後順次、壁面ブロックの上部に新たな壁面ブロックを設置すると共に該壁面ブロックの後端面から露出した格子体に対する補強材の接続、補強材の敷設、盛土材の敷き均し、転圧を繰り返し、壁面ブロックを所定の高さまで積み上げることを特徴とするものである。
本発明に係る壁面ブロックでは、底板と控部とを有するため、施工時に既に設置した壁面ブロックの上部に新たな壁面ブロックを積層する際に高い安定性を発揮することができる。また、底板に格子体を埋設して一部を該底板の後端面から露出させたので、この露出した格子体に補強材を接続することができる。このため、施工性が向上し、円滑な作業を行うことができる。更に、壁面ブロックの厚みを薄くしても、このような安定性、施工性を維持することができる。
また格子体の、壁面ブロック表面と平行な方向のピッチが20mm以上130mm以下に設定されることによって格子体を構成する底板の後端面から突出する鋼材の数を多くすることができる。このため、底板から露出している格子体に盛土中に敷設された補強材を介して曲げ力が作用した場合でも、格子体が作用する曲げ力に対抗することができると共に、確実な引張応力の伝達が可能である。
また格子体が多数の鋼線を予め設定されたピッチで配置し且つ該鋼線に対して直交方向に配置された鋼線を溶接した溶接金網とした場合には、比較的簡単な工程で壁面パネルを製造する事ができると共に、底板から露出した溶接金網に容易に補強材を接続することができる。
また本発明に係る補強土壁構造物では、コンクリート基礎上に上記した何れかの壁面ブロックを横方向に並べると共に高さ方向に設置し、各壁面ブロックが底板の後端面から露出した格子体に盛土中に敷設された補強材が接続されているので、積層された壁面ブロックは補強材を介して個々に地盤に固定されるため、安定した補強土壁構造物とすることができる。
また本発明に係る補強土壁構造物の構築方法では、コンクリート基礎上に、上記した何れかの壁面ブロックを複数並べて配置し、個々の壁面ブロックの底板の後端面から露出した格子体に補強材を接続して盛土上に敷設し、敷設された補強材の上に盛土材を敷き均し、転圧し、その後、前記壁面ブロックに新たな壁面ブロックを設置して同様の作業を施しつつ、順次既に設置された壁面ブロックの上部に新たな壁面ブロックを設置して所定の高さまで積層したとき、目的の補強土壁構造物を構築することができる。
特に、壁面ブロックに対する補強材の接続部位が、該壁面ブロックの底板から突出している格子体のみとすることができ、この場合には、1段の壁面ブロックに対し、1枚の補強材を接続すれば良いこととなり、作業性の向上をはかることができる。
以下本発明に係る壁面ブロックの構成について図を用いて説明する。図1は壁面ブロックの構成を説明する三面図である。図2は図1に示す壁面ブロックの斜視図である。
図1、2に示す壁面ブロックAは予め設定された寸法を持った鉄筋コンクリートブロックとして構成されている。壁面ブロックAは、壁部1と、壁部1の下端部分から裏面1b側に略90度で形成された底板2と、壁部1の裏面1bから底板2の上面2aに対し略垂直に突出して形成された控部3と、を有しており、底板2には格子体4が埋設されている。
なお、壁面ブロックとしては、鉄筋コンクリートブロックの他、無筋のコンクリートブロックを用いることができる。また、繊維強化コンクリートブロック、軽量コンクリートブロック等も用いることができる。
壁部1は、積み上げられたとき露出する表面1aと、裏面1bと、他の壁面ブロックAを設置する設置面となる上端面1cと、基礎コンクリート或いは既に設置されている壁面ブロックAに設置される面である下端面1dとを有しており、幅方向の一方の側面には突部1eが形成され、他方の側面には突部1eを嵌合する凹部1fが形成されている。
また壁部1の上端面1cの所定位置には壁面ブロックAを積み上げる際に上下の壁面ブロックAどうしを円滑に接続するためのガイドピン5を嵌合するための孔1gが形成されており、下端面1dの所定位置にもガイドピン5を嵌合させるための孔1hが形成されている。また裏面1bの幅方向の両側には並べて設置された壁面ブロックAどうしを連結させる接続プレート6を固定するためのインサート1iが設けられている。
表面1aは、特に処理をしていないものを用いることもできるが、セラミック貼り、タイル貼り、石貼り、カラーモルタル塗り、型枠による凹凸模様付け、天然石(玉石・割石・特殊岩石等)埋込み、塗装などの化粧仕上げをしたものを用いることができる。
底板2には格子体4が埋設されている。この格子体4の表面1a側の端部はL字型に上方に折り曲げられ、壁部中に埋設されており、その反対側の一部が底板2の後端面2bから該底板2と平行な方向(壁部1の裏面1bに対し略垂直な方向)に突出している。
このように、格子体は、壁部補強用の鉄筋と接続せずに、壁面ブロック中に埋め込むだけでもよいが、壁部補強用の鉄筋と接続してもよい。格子体と鉄筋との接続は、溶接または結束によって行ってもよいし、格子体を鉄筋に引っ掛けることによって行っても良い。
格子体としては、多数の鉄筋を予め設定されたピッチで配置すると共に、該鉄筋に対して直交方向に配置された鉄筋に溶接されている溶接金網もしくは鉄筋格子が好ましく用いられる。
格子体4は、壁面1に対し直角方向に配置された多数の縦鉄筋4aと、縦鉄筋4aに対し直交方向に配置された横鉄筋4bと、を有して構成されており、底板2の後端面2bからは縦鉄筋4aの端部と、該端部に一体化させた横鉄筋4bとが突出している。格子体4の底板2の後端面2bからの突出長さは特に限定するものではないが、後述する補強材を接続する際の作業性を考慮すると長い方が好ましく、また搬送時に他の物体との衝突による損傷の虞をなくすこと等を考慮すると短い方が好ましい。これらの点から格子体4の突出長さは120mmを中心として、プラスマイナス80mm程度であることが好ましく、プラスマイナス40mm程度であることが更に好ましい。
格子体4を構成する縦鉄筋4aのピッチは20mm以上130mm以下に設定されている。縦鉄筋4aのピッチが前記値よりも小さいと、補強土壁を構築する際に砕石を投入する作業を阻害したり、補強材を接続する際の作業が繁雑になる虞が生じ、またピッチが前記値よりも大きいと、接続された補強材を介して曲げ力が伝えられたとき曲がりが生じる虞がある。これの点から縦鉄筋4aのピッチは前記した20mm以上130mm以下が好ましく、25mm以上100mm以下程度がより好ましく、30mm以上70mm以下であることが望ましい。
一方、横鉄筋のピッチは、縦鉄筋のピッチと同じとして、正方形状の網目とすることもでき、片方のピッチを大きくして、長方形状の網目としてもよいが、横鉄筋のピッチを縦鉄筋のピッチより大きくした長方形状の網目が好ましく用いられる。また、それぞれのピッチは全て等間隔である必要はなく、例えば横鉄筋のピッチを、ブロック中と露出部で異ならせることもできる。また、補強材との接続部の横鉄筋のピッチを、他の部分のピッチより大きくしたり、小さくすることもできる。
また、格子体の露出部は壁面ブロックに対して直角に配置することもできるが、壁面ブロックと直角以外の角度をつけて突出させることができ、露出部において、屈曲させることもできる。接続作業を容易にするため、格子体の露出部の縦鉄筋を壁面ブロックに対して直角に突出させ、後端部を斜め上方に屈曲させた形状が好ましい。
格子体としては、上記した溶接金網、鉄筋格子以外に、平織金網等の金属格子体や、樹脂格子状体等、線状材料を縦横に配置した材料を用いることができる。金属格子体の表面は、盛土中での腐食を防ぐため、メッキ処理または、ポリマー被覆処理、樹脂塗装等を行うのが好ましい。
格子体4は、壁面ブロックAの底板2に上記ピッチで複数の縦鉄筋4aを埋設して後端部を後端面2bから突出させておき、この突出端部に横鉄筋4bを一体的に取り付けて構成することが可能である。この場合、現場作業が必要となり、良好な作業性を確保することが困難となる虞がある。このため、予め複数の縦鉄筋4aと横鉄筋4bとを格子状に配置して溶接により一体化させた溶接金網とし、この溶接金網を底板2に埋設すると共に一部を後端面2bから突出させるように構成することが好ましい。
なお、壁面ブロックには、上記の底面に埋設した格子体による補強材との接続部の他に、補強材との接続のための、補助的な接続部を設けることもできる。補助的な接続部としては、接続用金具、格子体等を壁面または控部に埋め込んだものを用いることができ、特に、最上段に設置されたブロックには補助的な接続部を設けるのが好ましい。
底板2のブロック裏面での突出長さは、壁面ブロックを積上げた場合の安定性を確保し、格子状体の埋め込み長さを確保し、かつ、施工時の重量、コストを考慮してきめられるべきであり、ブロック高さの0.1倍〜0.5倍で、50mm〜300mmの範囲とするのが好ましい。
壁面ブロックの壁部のサイズは、通常、高さ、横幅それぞれ300mm〜3000mmの範囲であるが、施工時の安定性を確保するために、高さが横幅より小さいことが好ましく、高さが500mm〜700mm、横幅が1500mm〜2500mmであることが更に好ましい。
壁面ブロックの壁面の厚さは、盛土の土圧およびその上に設置されたブロックの重力に抗するために、厚さが必要であるが、軽量化し、容易に施工するためには、薄くした方がよく、25〜200mmの範囲が好ましく、30〜120mmの範囲が更に好ましい。本発明の壁面ブロックは、底板と控部とを有し、底板に格子体を埋設すると共に該格子体の一部を底板の後端面から露出させて補強材との接続部としているため、施工時の安定性と性能を維持しつつ壁面の厚さを薄くし、軽量化することができる。
控部3は壁部1の裏面側の2箇所に形成されており、上端面3aは壁部1の上端面1cと同一面内に形成され、後端面3bは底板2の後端面2bと同一面内に形成されている。このため、壁面ブロックの側面視は縦方向に長い長方形となる。そして、控部3がこのように形成されるため、既に設置された壁面ブロックAの上部に新たな壁面ブロックAを設置する際に、底板2の底面が壁面1の上端面1cと控部3の上端面3aに対し安定した状態を保持することが可能である。尚、控部3は1箇所又は3箇所以上形成することも可能であり、必要に応じて、長方形以外の形状としても良い。
上記の如く構成された壁面ブロックAでは、幅方向に隣接させて並べる際には、一方の壁面ブロックAの側面に形成された突部1eを隣接する他方の壁面ブロックAの凹部1fに嵌合させて隙間なく並べることが可能である。
また既に並べられている壁面ブロックAの上端面1cに形成された孔1gにガイドピン5を挿通して起立させておき、この壁面ブロックAの上部に新たな壁面ブロックAを配置して底面に形成した孔1hに起立したガイドピン5を挿通することで、容易に積み上げることが可能である。
次に、上記の如く構成された壁面ブロックAを利用した補強土壁構造物の構成を説明し、合わせてこの補強土壁構造物の構築方法について説明する。図3〜図5は補強土壁構造物を構築する方法の手順を説明する図である。図7は構築された補強土壁構造体を説明する図である。
先ず、図3(a)に示すように、目的の補強土壁構造物を構築する際に壁面ブロックAを設置すべき部位に基礎コンクリート11を構築しておく、このとき、基礎コンクリート11を構築する方法は限定するものではなく、一般的に行われている方法を採用することが可能である。
次に、同図(b)に示すように、基礎コンクリート11上に複数の壁面ブロックAを互いの突部1eを隣接する壁面ブロックAの凹部1fに嵌合させながら並べてゆく。このとき、隣接した壁面ブロックAどうしを裏面1bに形成したインサート1iと接続プレート6を利用して互いに連結してゆく。また壁面ブロックAの裏面側の地面を掘削して整地し、基礎コンクリート11と整地した地盤12の間を埋め戻しておく。
基礎コンクリート11上に対し所定数の壁面ブロックAを並べ、隣接する壁面ブロックAどうしを接続プレート6を利用して連結した後、同図(c)に示すように、壁面ブロックAの底板2の後端面から突出している格子体4に補強材15を接続する。
格子体4と補強材15との接続構造は特に限定するものではなく、補強材15の構造に応じて適宜設定することが好ましい。例えば、補強材15が網状に構成されたものである場合、この網の端部を格子体4の縦鉄筋4aと横鉄筋4bとによって構成された格子の目を通過させ、通過した網に図示しないバーを通すことで、該バーを格子体4に係合させて接続することが可能であり、また補強材15の端を180度折返して上下に重ねた横一列の網目に第一の連結棒を上下から交互に挿通すると共に、補強材の折返し端を格子体の後端の横鉄筋の下側から、縦鉄筋の後端部の間を通して該後端部の上側へ引出し、補強材の折返し端の内側に挿通した第二の連結棒を縦鉄筋の後端部の上側から係止させて接続することも可能である。
格子体4に接続された補強材15の自由端は地盤12に沿って延長され、杭等の固定具16によって地盤12に固定される。これにより、補強材15を敷設し、且つ敷設した補強材15を介して壁面ブロックAが地盤12に接続されることになる。
次に、図4(a)に示すように、補強材15を敷設した地盤12上に盛土材13を敷き込むと共に均等に均す。盛土材13としては、通常の盛土用の土等を用いることが可能である。
盛土材13の均しが終了した後、同図(b)に示すように、均した盛土材13を転圧機械19によって転圧する。この転圧が終了したとき、盛土材13からなる盛土13の天端レベルは、コンクリート基礎11に設置した壁面ブロックAの壁部1、控部3の上端面1c、3aのレベルと略等しくなる。
上記した一連の作業が終了したとき、第1段目の壁面ブロックAの積み上げと、積み上げた壁面ブロックAに対する補強材15の接続、補強材の敷設、盛土材の敷き均し及び転圧が終了し、次の段の作業に移る。
先ず、図5(a)に示すように、既に設置された壁面ブロックAの上端面1cに形成された孔1gにガイドピン5を挿通して上端側を起立させておき、新たな壁面ブロックAを上方から降下させつつ、該壁面ブロックAの底面に形成した孔1hにガイドピン5を挿通することで位置決めしつつ設置してゆく。また既に設置された壁面ブロックAに設置された壁面ブロックAどうしを接続プレート6を利用して連結してゆく。
上記の如くして既に設置された壁面ブロックAの上部に新たな壁面ブロックAを設置したとき、設置された壁面ブロックAは既に設置されている壁面ブロックAの壁部1の上端面1c、控部3の上端面3aに接触して設置されることとなる。このため、接触面積を大きく確保することが可能であり、且つ設置面がΠ字状となるため、安定した設置状態を確保することが可能となる。
そして、既に設置された壁面ブロックAの全長にわたって新たな壁面ブロックA(2段目に配置された壁面ブロックA)を設置した後、同図(b)に示すように、2段目に配置された壁面ブロックAの底板2の後端面から突出している格子体4に補強材15を接続する。このときの接続作業は前述した通りの作業で行われる。そして格子体4に接続された補強材15の自由端を盛土13に沿って延長し、固定具16によって盛土13に固定することで補強材15を敷設する。
盛土13に補強材15を敷設した後、補強材15を敷設した盛土13上に新たな盛土材13を敷き込むと共に均す。盛土材13の均しが終了した後、均した盛土材13を転圧機械(図4(b)参照)によって転圧する。この転圧が終了したとき、盛土13の天端レベルは、2段目の壁面ブロックAの壁部1、控部3の上端面1c、3aのレベルと略等しくなる。
上記作業を順次進行させて既に設置した壁面ブロックAの上部に新たな壁面ブロックAを設置してゆき、図6に示すように、壁面ブロックAが予め設定された段数まで積み上げられた目的の補強土壁構造物が構築される。
なお、排水対策として、壁面ブロックと盛土材の間に砕石層を設けたり、ドレーン材を設置することが好ましく行われる。砕石層を設ける場合、盛土材と砕石層の間に不織布、金網等の仕切りを入れてもよい。
また、盛土材の敷き込み、均し、転圧は、上記のように壁面ブロックを一段積む毎に、壁面ブロック高さに対応して各々一回で実施することもできるが、壁面ブロックを一段積む毎に、各々の作業を複数回で実施することもできる。例えば、壁面ブロックの略半分の高さとなるように盛土材の敷き込み、均し、転圧を行い、更に、残りの高さ分の敷き込み、均し、転圧を行って、壁面ブロックAの壁部1、控部3の上端面1c、3aのレベルと略等しくなるようにすることができる。
また、壁面ブロックの連結部には、吸出し防止のために、不織布等を設けることも好ましく用いられる。
本発明の壁面ブロックは盛土の法面を補強する壁面を構成する際に利用して有利である。また本発明の補強土壁構造物は盛土の法面を合理的に補強することが可能となり有利である。更に、本発明の補強土壁構造体の構築方法は、前記補強土壁構造体を構築する際に利用して有利である。
壁面ブロックの構成を説明する三面図である。 図1に示す壁面ブロックの斜視図である。 補強土壁構造物を構築する方法の手順を説明する図である。 補強土壁構造物を構築する方法の手順を説明する図である。 補強土壁構造物を構築する方法の手順を説明する図である。 構築された補強土壁構造体を説明する図である。
符号の説明
A 壁面ブロック
1 壁部
1a 表面
1b 裏面
1c 上端面
1d 下端面
1e 突部
1f 凹部
1g、1h 孔
1i インサート
2 底板
2a 上面
2b 後端面
3 控部
3a 上端面
3b 後端面
4 格子体
4a 縦鉄筋
4b 横鉄筋
5 ガイドピン
6 接続プレート
11 基礎コンクリート
12 地盤
13 盛土材
14 砕石
15 補強材
16 固定具
19 転圧機械

Claims (5)

  1. 壁部と底板と控部とを有し、所定の高さまで積み上げて使用する壁面ブロックであって、底板に格子体を埋設すると共に該格子体の一部を底板の後端面から、該壁面ブロックの高さの0.1〜0.5倍の長さで、露出させて補強材との接続部とすることを特徴とする壁面ブロック。
  2. 前記格子体の、前記壁面ブロック表面に平行な方向のピッチが、20mm以上130mm以下である請求項1に記載壁面ブロック。
  3. 前記格子体が多数の鋼線を予め設定されたピッチで配置すると共に、該鋼線に対して直交方向に配置された鋼線に溶接されている溶接金網である請求項1又は2に記載壁面ブロック。
  4. コンクリート基礎上に請求項13のいずれか1項に記載壁面ブロックを複数並べると共に高さ方向に設置してなり、夫々の壁面ブロックは底板の後端面から露出した格子体に盛土中に敷設された補強材が接続されていることを特徴とする補強土壁構造物。
  5. 予め構築されたコンクリート基礎上に請求項13のいずれか1項に記載壁面ブロックを複数並べて設置し、該壁面ブロックの底板の後端面から露出した格子体に補強材を接続して盛土上に敷設し、敷設された補強材の上に盛土材を敷き均し、転圧し、その後順次、壁面ブロックの上部に新たな壁面ブロックを設置すると共に該壁面ブロックの後端面から露出した格子体に対する補強材の接続、補強材の敷設、盛土材の敷き均し、転圧を繰り返し、壁面ブロックを所定の高さまで積み上げることを特徴とする補強土壁構造物の構築方法。
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