JP5095291B2 - 皮革様シートおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、皮革様シートに関するものである。さらに詳しくは、軽量でかつスポーツ靴等のハードな使用に耐え得る強度を持ち、かつ、ソフトな風合いを有する皮革様シートであって、靴・鞄などに応用できる皮革様シートに関するものである。
柔軟な風合いや充実感のある風合いを有すると共に高級感を有する外観をも付与できることから各種皮革様シートが前記の各用途において好適に使用されている。最近要望されるのは柔軟な風合いを維持しながらも、最低限の機械的物性ではなくより優れた機械的物性を備えていること、またその軽さも大きな要求点としてクローズアップされている。
従来一般的に得ることのできる皮革様シートの中でも、特に不織布構造を有する繊維質シート基材から得られた皮革様シートは、天然皮革に比べて機械的物性に優れ、かつ軽量である点が最大の特徴である。従来からより軽量な皮革様シートに関する提案が種々なされてきたが、機械的物性はもちろんのこと、柔軟性と充実感のある風合いを有しながら、より軽量にすることは非常に困難なことであった。例えば、海島繊維の不織布にバインダー樹脂を含浸させる前、または、バインダー樹脂を含浸させ、多孔質状態にした後、海島繊維の海成分を抽出除去することにより極細繊維化して得られる皮革様シートの場合、厚さを維持したまま軽量にすることは即ち見掛け密度を下げることである。その簡便な手段としては、皮革様シート単位面積あたりの、繊維もしくは樹脂の質量を単に減らす方法が考えられる。この方法は、例えば、海島繊維や樹脂の質量を減らしたり、海島繊維の質量はそのままで島成分の比率を下げたりすることにより、極めて容易に達成される。しかしながら、そのような方法では、減らした質量分だけ皮革様シートの骨格構造を減らすことに他ならず、各種の処理を経て製造される皮革様シートでは骨格構造が減った分だけ形態変化がより大きくなり、特に厚さ方向への潰れが顕著になり、結局は従来と同等の見掛け密度で単に薄いだけの皮革様シートになってしまう。
このような問題点を解消するために、従来、不織布を構成する主繊維として中空繊維が極めて一般的に用いられている(例えば、特許文献1、2および3を参照)。中空繊維は、海島繊維などから得られる極細繊維よりも、同じ繊維質量であれば単繊度がより大きいので、皮革様シートを厚さ方向へ潰れにくくすることができる。さらに、繊維断面が中空構造であるので、同じ繊維質量の非中空繊維と比べてより大きな見掛け嵩高さを有する不織布構造を得ることができる。
一般的に知られている中空繊維には、製造方法の観点からは、中空繊維専用口金を使用して直接得られる中空繊維、芯鞘複合繊維の芯成分を抽出除去して得られる中空繊維があり、また、繊維断面構造の観点からは、一本の繊維の断面に一個の孔が空いている単孔中空繊維、一本の繊維の断面に複数個の孔が空いている多孔中空繊維がある。また、繊維の断面形状、孔の断面形状などにも多様な種類が知られている。また、中空繊維は、単独使用、あるいは非中空繊維との混合使用など、様々な態様で使用される。
何れの中空繊維を使用するにしても、不織布構造、ひいては皮革様シートの軽量化に実質的に寄与するためには、繊維断面における中空率(繊維断面(中空部分も含む)の全面積に対する中空部分の面積の比率)を極力高くする必要がある。高中空率を実現する方法についての提案が種々なされており、40%を越える高中空率を有するポリエステル系中空繊維を用いた皮革様シートなどが提案されている(例えば、特許文献4参照)。しかしながら、中空率が40%を越える中空繊維は、製糸工程で潰れるだけでなく、皮革様シートの製造工程においても、種々の外力により潰れてしまう。結局は不織布構造中の多くの中空繊維は潰れて扁平化してしまうか、さらには中空繊維自体が裂けてしまい、理想的な中空状態が維持できないという欠点がある。中空状態を維持するためには、中空繊維が外力でも潰れないよう硬くするか、あるいは潰れても弾性回復出来るようにすることが考えられる。しかし、不織布構造を構成する繊維は、ある程度の硬さがないと嵩高さが得られないので、十分な弾性回復性を付与することは望ましくなく、また、繊維が屈曲する部分での潰れは避けられない。ある程度の硬さを有する中空繊維は、ストローのように一旦潰れたら弾性回復不能となる。中空繊維が潰れると、不織布構造は高い嵩高性を維持できず、特に厚さ方向に潰れ、不織布構造の見掛け密度は、設計上の見掛け密度よりも大幅に高くなり、結局は従来の皮革様シートと全く変わらないか、若干軽量化された皮革様シートしか得られていない。さらには、高中空率を保つにはノズル構造を複雑にする必要がある。また、中空繊維の見掛け上の繊度がかなり大きくなるため、非常に風合いが硬い上に充実感のない皮革様シートしか得られない。また、その風合いは極細繊維を使用した皮革様シートとは比べるべくもないものであった。
このように、従来の技術では、極細繊維を使用した場合、必要な機械的物性、柔軟な風合いを有する皮革様シートを得ることができたが、軽量化は極めて困難であった。また、中空繊維を使用すると、極細繊維を使用した場合に比べて少しは軽量化出来るが、かなり硬い風合いの皮革様シートしか得らなかった。また、製造直後は低見掛け密度であっても、使用中に嵩高さが失われて高見掛密度になってしまう。このように、従来技術では、機械的物性、柔軟で充実感のある風合い、軽量性のすべてを併せ持つ皮革様シートは得られていなかった。
特開平11―081153号公報(第1〜2頁) 特開2000―239972号公報(第1〜2頁) 国際公開第00/022217号パンフレット(第2〜5頁) 特開平11―100780号公報(第1〜2頁)
本発明の目的は、軽量で、スポーツ靴等のハードな使用に耐え得る強度を持ち、かつ、ソフトな風合いを有する皮革様シートを提供することである。
上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に至った。すなわち、平均単繊維繊度0.5デシテックス以下の極細長繊維を含む極細長繊維束からなる極細長繊維不織布の内部に高分子弾性体が付与されてなる皮革様シートであって、
(1)極細長繊維束が5〜70本の極細長繊維を含み、かつ、極細長繊維束の平均繊度が3デシテックス以下である、
(2)極細長繊維不織布の見掛け密度が0.1〜0.2g/cm3である、
(3)皮革様シートの見掛け密度が0.2〜0.35g/cm3である、および
(4)高分子弾性体の100%モジュラスが100kg/cm2以上であり、かつ、多孔質状態で連続して極細長繊維不織布の内部に存在している
ことを満足する皮革様シートに関する。
さらに本発明は、
(1)0.5デシテックス以下の極細長繊維を5〜70本含み、かつ、平均繊度が3デシテックスである極細長繊維束を極細長繊維発生型繊維を紡糸し、長繊維ウェブを得る工程、
(2)前記長繊維ウェブを絡合して見掛け密度が0.25g/m3以下の絡合不織布を得る工程、
(3)前記絡合不織布に100%モジュラスが100kg/cm2以上である高分子弾性体を付与し、該高分子弾性体を多孔質かつ連続した状態に凝固させる工程、
(4)前記極細長繊維発生型繊維を極細化して絡合不織布を極細長繊維不織布にし、プレ皮革様シートを得る工程、
(5)前記プレ皮革様シートに油剤を付与する工程、および
(6)前記油剤を付与したプレ皮革様シートを長さ方向に0.5〜5%収縮させ、かつ、幅方向に1〜10%伸長して、極細長繊維不織布の見掛け密度を0.1〜0.2g/cm3、かつ、皮革様シートの見掛け密度を0.2〜0.35g/cm3する工程
を含む皮革様シートの製造方法に関する。
本発明の皮革様シートは、軽量でかつスポーツ靴等のハードな使用に耐え得る強度を持ち、ソフトな風合いを有し、靴・鞄などに好適である。
以下、本発明について詳述する。本発明の皮革様シートを構成する極細繊維は長繊維であれば特に限定されるものではない。本発明において長繊維とは、紡糸で得られた連続繊維をカットすることなくそのまま用いることを意味する。より具体的には、長繊維とは、繊維長が通常3〜80mm程度である短繊維よりも長い繊維長を有する繊維であり、短繊維のように意図的に切断されていない繊維をいう。例えば、極細化する前の長繊維の繊維長は100mm以上が好ましく、技術的に製造可能であり、かつ、物理的に切れない限り、数m、数百m、数kmあるいはそれ以上の繊維長であってもよい。本発明の効果を損なわない限り、例えば後述する絡合時のニードルパンチや、皮革様シート表面のバフィングにより一部の長繊維が切断されて短繊維になっていてもよい。
本発明の皮革様シートを構成する極細長繊維の平均単繊維繊度は0.5デシテックス以下、好ましくは0.0001〜0.5デシテックス、より好ましくは0.001〜0.2デシテックスである。0.5デシテックス以下であると、ハンドリング性が良好であり、天然皮革様の柔軟性や風合い、スムーズな銀付き調表面、およびスエード調の手触り感が得られる。極細長繊維の平均単繊維繊度が0.5デシテックスを超えると風合いが硬くなる。
本発明の皮革様シートを構成している不織布は、平均単繊維繊度0.5デシテックス以下の極細長繊維を5〜70本含む平均繊度3デシテックス以下の極細長繊維束により構成される。極細長繊維束の繊度が3デシテックスを超えると不織布の緻密性が得られ難く、得られる皮革様シートが伸びやすくなる。極細長繊維束の平均繊度は0.2〜3デシテックスであるのが好ましく、0.5〜2デシテックスであるのがより好ましい。該極細長繊維束を構成する極細長繊維が5本未満では皮革様シートが伸びやすくなる。70本より多くなると逆に極端に伸びにくくなる傾向があり、靴等に成形するのが困難であり、また、着用時に足に馴染まず着用感が悪くなる欠点がある。
このような極細長繊維束は、相溶性を有しない2種以上のポリマーを混合し溶融して紡糸口金から吐出する混合紡糸方法、または、該ポリマーを別々に溶融して溶融物を紡糸口金で合流させて吐出する複合紡糸方法により極細長繊維発生型繊維いわゆる海島型繊維を紡糸し、海成分を溶解または分解除去することによって得られる。海島型繊維の島数は10〜100であるのが好ましく、海成分と島成分の質量比は10:90〜70:30であるのが好ましい。長繊維からなるウェブを効率よく得るためには、種々の方法が採用されるが、スパンボンド法が好ましく用いられる。すなわち、紡糸口金から吐出された溶融ポリマーをエアージェットノズルのような吸引装置により2000〜5000m/分の速度で牽引細化した後、開繊させながら移動式の捕集面上に堆積させて長繊維ウェブまたは長繊維ウェブの積層体を形成する方法である。
本発明の極細長繊維は、先述した海島型繊維の島成分に相当する。島成分としては、アクリル系ポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンなどが用いられ、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612等のポリアミド類、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル類等が好ましく、より好ましくはナイロン6が用いられる。また海島型繊維の海成分としては、ポリエチレン、ポリスチレン、共重合ポリエステル、熱可塑性ポリビニルアルコールなどが挙げられる。
スポンボンド方式によって得られた長繊維ウェブを、所望の目付けに重ねた後にニードルパンチ処理や高圧水流などにより3次元絡合し、絡合不織布を得る。絡合不織布の目付けには限定がないが、200〜2000g/m2が好ましい。目的の目付けを有する長繊維ウェブをネット上に直接捕集することもできるが、絡合不織布の目付けムラを小さくするために、例えば20〜50g/m2程度の長繊維ウェブを捕集し、それをクロスラップなどの方法により目的の目付けに重ね合わせる方法が好ましい。ニードルパンチ処理は、両面から同時または交互に少なくとも1つ以上のバーブが貫通する条件で行う。パンチング密度は、300〜5000パンチ/cm2の範囲が好ましく、より好ましくは500〜3500パンチ/cm2の範囲である。得られた絡合不織布には、必要に応じて加熱ロールによるプレスなどによって、表面の平滑化及び密度調整を行ってもよい。
極細長繊維不織布と高分子弾性体からなる本発明の皮革様シートの見掛け密度を0.2〜0.35g/cm3、極細長繊維不織布の見掛け密度を0.1〜0.2g/cm3にするためには、高分子弾性体含浸前かつ極細繊維化前の絡合不織布の見掛け密度を0.25g/cm3以下とする必要があり、0.22g/cm3以下とすることが好ましい。下限は工程通過性(工程が目的とする処理が首尾よく行われ、不都合を生じることなく被処理物が次の工程に送られること)の観点から0.12g/cm3以上とすることが好ましい。絡合不織布は、その形成以降の工程において形態変化を受け、高密度化する。複合繊維を極細繊維化して極細長繊維束にする工程およびその後の工程において、絡合不織布および極細長繊維不織布は種々の方向から作用する力、特に、厚さ方向への非常に強い圧縮力により形態が変化し見掛け密度が増大する。そのため、高分子弾性体含浸前かつ極細繊維化前の絡合不織布の見掛け密度が0.25g/cm3を超える場合には、極細繊維束が高強度であって極細長繊維不織布が高い形態維持性を発揮したとしても、皮革様シートの見掛け密度を0.35g/cm3以下にすることはできない。
絡合不織布には、続いて高分子弾性体が含浸される。高分子弾性体を絡合不織布内部に含浸する方法としては、本発明においては、高分子弾性体の有機溶媒溶液または有機溶媒分散液を含浸した後に湿式凝固させる方法が好ましく用いられる。皮革様シートの見掛け密度が0.35g/cm3以下といった極めて疎な状態を得るためには、高分子弾性体が絡合不織布全体に比較的均一、かつ、疎な状態で分布している必要がある。従って、絡合不織布の絡合空間を完全に充填することは好ましくなく、高分子弾性体の固形分濃度が5〜15質量%の低濃度の溶液または分散液を含有させてこれを凝固させるのが好ましい。このようにして含浸、凝固させることによって、高分子弾性体は絡合不織布中に疎な状態で均一に分布し、しかも実質的に連続した多孔構造となる。この高分子弾性体の実質的に連続した多孔構造が低密度な極細長繊維不織布の形状を維持し、かつ、ソフトかつ適度な弾性回復性を付与し、良好な風合いが得られる。
前記高分子弾性体としては、特に限定されず、ポリウレタン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルの共重合体、シリコンゴム等が例示できるが、良好な風合が得られる点でポリウレタンが最も好ましい。ポリウレタンのソフトセグメントは、皮革様シートの用途に応じてポリエステル単位、ポリエーテル単位、ポリカーボネート単位の中から1種類または複数種類選択される。
高分子弾性体の100%モジュラスは、100kg/cm2以上であり、120kg/cm2以上が好ましく、130kg/cm2以上がより好ましい。100%モジュラスの上限は、ソフト感を得る点で250kg/cm2以下が好ましい。100kg/cm2未満の柔らかいものでは、先に述べた極細繊維化する工程およびその後の工程において種々の方向から作用する力、特に、厚さ方向への非常に強い圧縮力により形態が変化し見掛け密度が増大することになり、目的とする軽量化は得られない。高分子弾性体の100%モジュラスを100kg/cm2以上とするには、公知の方法、例えばポリウレタンの場合、ポリウレタン中のハードセグメントの構成比を増すことにより100%モジュラスを高めることが好ましい。2種以上の高分子弾性体を併用してもよく、必要に応じて、顔料、染料、凝固調節剤、安定剤などと併用してもよい。
高分子弾性体の溶液または分散液を調整するための有機溶媒としては、アセトン、メチルエチケトン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられ、ポリウレタンの良溶媒で、湿式凝固性に優れる点でN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)が特に好ましい。絡合不織布に含浸させた高分子弾性体の溶液または分散液は、70〜100℃で熱水処理、または、100〜200℃でスチーム処理により湿式凝固するのが好ましい。このようにすることにより、実質的に多孔質で連続する凝固高分子弾性体が得られる。
皮革様シートを構成する極細長繊維と高分子弾性体との質量比は、伸長時の回復力と風合いの観点から好ましくは40/60〜60/40の範囲内であり、さらに好ましくは、50/50〜60/40の範囲内である。極細長繊維の比率が低くなりすぎると、ゴムライクな風合いとなる傾向にあるため好ましくない。極細長繊維の比率が高くなりすぎると、不自然な折れしわが発生し好ましくない。
次に極細長繊維化処理を行い極細長繊維不織布を得る。極細長繊維化は、例えば、極細長繊維発生型繊維が海島型繊維の場合、極細繊維成分(島成分)および高分子弾性体の非溶剤であり、かつ、海成分の溶剤または分解剤である液体を使用し、好ましくは70〜150℃で処理して、海島型繊維を極細長繊維を変成する。例えば高分子弾性体がポリウレタン、島成分がナイロンまたはポリエチレンテレフタレート、海成分がポリエチレンである場合には、溶剤としてトルエン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンなどが使用される。また、極細繊維成分(島成分)がナイロンまたはポリエチレンテレフタレートであり、海成分が易アルカリ分解性の変性ポリエステルである場合には、分解剤として苛性ソーダ水溶液などが使用される。このような処理により、海島型繊維から海成分が除去されて、海島型繊維が極細長繊維束に変成され、極細長繊維不織布が得られる。なお、極細長繊維化処理は高分子弾性体付与前に行ってもよい。
必要に応じて、極細長繊維不織布に繊維間の滑剤となる油剤を付与してもよい。油剤としては、シリコン系のものが好ましく用いられる。付与方法としては、油剤の水溶液または水分散液をディップ・ニップし強制的に極細長繊維不織布に含浸する方法、スプレー等で噴霧し浸透させる方法、バーコーター、ナイフコーター、コンマコーター等で極細長繊維不織布に刷り込み浸透させる方法、これらの方法の組み合わせが用いられる。付与量は油剤固形分として極細長繊維不織布に対して好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは1〜5質量%である。この範囲内であると、適度な繊維間のすべり効果が得られ、高い引き裂き強力、剥離強力等の機械物性が得られ、さらにソフトな風合いと適度な伸びが得られる。
その後、乾燥機にて乾燥する。乾燥時あるいは乾燥後に、極細長繊維不織布を長さ方向(MD)に0.5〜5%収縮させ、かつ、幅方向(TD)に1〜10%伸長させることにより、見掛け密度が0.1〜0.2g/cm3の極細長繊維不織布を有し、見掛け密度が0.2〜0.35g/cm3である本発明の皮革様シートが得られる。例えば、極細長繊維不織布を長さ方向にオーバーフィード(収縮)させながら幅を伸長し、皮革様シートの長さ方向と幅方向の方向比を調整する。具体的には長さ方向に0.5〜5%収縮させ、かつ、幅方向に1〜10%伸長する。好ましくは、長さ方向に1〜3%収縮させ、かつ、幅方向に3〜9%伸長することが工程中のドラフトによるひずみを取り除き、適正な方向比(長さ方向に配列した繊維と幅方向に配列した繊維の比)を得る点で好ましい。処理温度は80〜130℃であることが熱セット性の点で好ましい。絡合不織布および極細長繊維不織布は、高分子弾性体の含浸、極細長繊維束への変性、油剤の含浸等の工程で長さ方向に緊張した状態で処理される。その結果、長さ方向に配列した繊維が増加し、長さ方向の伸長率の低下、破断強力の増加が見られるようになる。そこで、オーバーフィードすることで長さ方向に収縮させ、さらに幅方向に伸長することで、繊維を両方向にバランスよく配列させることができ、方向比の小さい皮革様シートが得られる。
上記のようにして得られる本発明の皮革様シートの見掛け密度は0.2〜0.35g/cm3、厚みは好ましくは0.3〜3mm、目付は好ましくは200〜800g/m2である。極細長繊維束の周囲は実質的に多孔質状態で連続した高分子弾性体で覆われているのが好ましい。
本発明の皮革様シートに造面することにより銀付調皮革様シートを得ることができる。造面法としては、例えば、離型紙上に形成した高分子弾性体を主とする樹脂膜を接着剤(例えば、ポリウレタン接着剤)にて皮革様シートの表面に接着させた後、離型紙を剥離するいわゆるラミネート法、バーコーター、ナイフコーター、コンマコーター等で皮革様シート表面に高分子弾性体溶液を塗布して膜を形成し、エンボス等で型押しして目的の外観を形成する方法、または、よりソフトな触感を得るために皮革様シート表面に多孔膜を形成する方法が用いられる。多孔膜は、例えば、高分子弾性体溶液を皮革様シート表面に塗布した後、ジメチルホルムアミド(DMF)水溶液又は水のみからなる凝固槽に浸漬し凝固させる方法、高分子弾性体溶液に熱膨張粒子を加え、これを塗布する方法、または、高分子弾性体溶液を機械攪拌した後、皮革様シートに塗布することにより形成することができる。発泡率や発泡状態は、例えば、高分子弾性体溶液の濃度、凝固液中のDMF濃度および凝固液温度などの湿式凝固条件、熱膨張粒子の添加量、高分子弾性体溶液の攪拌条件等を適宜選択することによって調節することができる。
銀面層の厚みは無孔膜の場合には10〜100μmの範囲が好ましい。上記範囲内であると、良好な表面強度を有する軽量銀付調皮革様シートを得ることができる。多孔膜の場合は、50〜200μmの範囲が好ましい。上記範囲内であると、ソフトな触感を有する軽量銀付調皮革様シートを得ることができる。また、厚ぼったくゴム感が強くなることを防ぐことができ、天然皮革様の風合いを有する銀付調皮革様シートを得ることができる。
銀面層を形成するための高分子弾性体溶液には、公知の添加物、例えば、増粘剤、硬化促進剤、増量剤、充填剤、耐光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、蛍光剤、防黴材、難燃剤、浸透剤、界面活性剤、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースなどの水溶性高分子化合物、染料、顔料、接着剤等を配合することができる。
銀面層および接着剤に用いられる高分子弾性体はポリウレタンが最も好適に用いられる。公知のポリウレタンを用いれば良く、適宜他の樹脂を混合しても良い。近年多くの用途で耐久性が要求されていることから、ポリエーテル系あるいはポリカーボネート系などの耐久性に優れたポリウレタンを用いることがより好ましい。ポリウレタンの硬さの目安である100%伸張時のモジュラスは10〜150kg/cm2であることが好ましい。上記範囲内であると、ポリウレタンの機械強度が充分であり柔軟性も良好であるので、ソフトな風合いを有し、不自然で粗いシワを生じることがない銀付調皮革様シートが得られる。また、薄い膜厚で高い磨耗強度等を得るために、シリコン変性樹脂あるいは架橋構造を有する樹脂も好ましく用いられる。
銀面層を形成する前、または形成した後、必要に応じて揉み処理し、柔軟性をさらに良好にし、天然皮革ライクな揉みシワを付与するのが好ましい。揉み処理は、高圧液体流染色機、ウインス、タンブラー、および機械的な揉み機等公知の手段を用いることができ、これらの手段を組み合わせてもよい。いずれの方法を用いても、柔軟性をさらに良好にし、天然皮革ライクな揉みシワの付与が可能である。銀面層を形成後さらに機械的な揉み処理を行うことにより柔軟性が良好で天然皮革並みの揉みシワを有する銀付調皮革様シートを得ることができる。
次に本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の部及び%はことわりのない限り質量に関するものである。
各種物性は以下の方法により測定した。
(1)極細長繊維の平均単繊維繊度、極細長繊維束中の極細長繊維本数およびの極細長繊維束の繊度
皮革様シートの厚さ方向と並行な任意の断面を走査型電子顕微鏡(100〜300倍程度)で観察した。観察視野から断面に対してほぼ垂直に配向した極細長繊維束を20個、万遍なく、かつ、無作為に選び出した。次いで選び出した個々の極細長繊維束の断面を1000〜3000倍程度の倍率に拡大して、極細長繊維の断面積の平均値を求めた。該平均断面積と極細長繊維を構成するポリマーの比重から平均単繊維繊度を求めた。また同様にして、極細長繊維束中の極細長繊維の本数を求めた。
また、前記の方法により測定した極細長繊維の断面積および極細長繊維の本数から20個の極細長繊維束の各断面積を計算により求めた。最大の断面積および最小の断面積を削除し、残った18個の断面積を算術平均した。得られた平均断面積と極細長繊維を構成するポリマーの比重から極細長繊維束の平均繊度を求めた。
(2)皮革様シートの厚さおよび見掛け密度測定
それぞれ、JIS L 1096:1999 8.5、JIS L 1096:1999 8.10.1に規定の方法により測定した。
(3)皮革様シート中の極細長繊維不織布の見掛け密度
1cm角、厚みT(cm)の資料からナイロンに非溶媒でかつ高分子弾性体の良溶媒(高分子弾性体がポリウレタンであればDMF)を用いて高分子弾性体を溶解除去した。得られた不織布の質量W(g)を測定し、下記式により見掛け密度を計算した。
極細長繊維不織布の見掛け密度(g/cm3)=W/T
実施例1
ナイロン−6とポリエチレンをそれぞれ1軸押し出し機中で溶融し、紡糸ノズルから質量比50:50、25島の海島繊維を複合紡糸した。口金から吐出される繊維を3500m/分の空気流で捕集ネットに吹き付け長繊維ウェブを得た。得られた長繊維ウェブの目付けは30g/m2であり、海島型繊維の単繊維繊度は4デシテックスであった。クロスラッピングにより目付けが407g/m2となるようにウェブを重ね、1400パンチ/cm2のニードルパンチを経た後に熱プレスし、目付け374g/m2、厚み1.87mm、見掛け密度0.20g/cm3の海島型繊維からなる絡合不織布を得た。次いで、絡合不織布に100%モジュラス150kg/cmのポリエステル系ポリウレタンの13.5%ジメチルホルムアミド(DMF)溶液を含浸し、水中で多孔質状に湿式凝固させた後、海島型繊維の海成分(ポリエチレン)を95℃のトルエンで抽出除去して極細長繊維不織布を得た。シリコン系油剤の水分散液を用いて、油剤を極細長繊維不織布に対して1.8%付与した。次いで、長さ方向に2%収縮(オーバーフィード)し、幅方向に8%伸長して極細長繊維不織布を120℃で乾燥、セットして皮革様シートを得た。得られた皮革様シートの特徴を以下に示す。
厚み:1.20mm
目付:385g/m2
見掛け密度:0.32g/cm3
極細長繊維の平均単繊維繊度:0.08デシテックス
極細長繊維束の繊度:2.0デシテックス
極細長繊維束の極細長繊維の本数:25本
極細長繊維不織布の見掛け密度:0.15g/cm3
極細長繊維と高分子弾性体の質量比:48/52
実質的に多孔質状態で連続した高分子弾性体が極細長繊維束の周囲を覆っていた。
この皮革様シートの片側に次の条件にて乾式造面を行った。
離型紙:DE−123
塗布液の組成
表皮層
100部:NY−214(大日本インキ化学工業(株)製シリコン変性ポリエーテル系ポリウレタン)
30部:DUT−4790(大日精化工業(株)製黒顔料)
35部:DMF
ウェット塗布量:90g/m2
接着層
100部:UD−8310(大日精化工業(株)製ポリエーテル系ポリウレタン)
10部:D−110N(武田薬品工業(株)製架橋剤)
1.5部:QS(武田薬品工業(株)製架橋促進剤)
10部:DMF
20部:酢酸エチル
ウェット塗布量:100g/m2
乾式造面後に60℃で48時間キュアリングを行った。離型紙を剥がした後に揉み加工を行い、厚さ50μmの銀面層を有する黒色の銀付調皮革様シートを得た。このシートは、軽量でスポーツ靴等のハードな使用に耐え得る強度を持ち、かつ、ソフトな風合いを有するものであって、靴・鞄などに応用できる皮革様シートであった。
実施例2
海島繊維の島数を12島に変えた以外は実施例1と同様にして、目付け410g/m2、厚み2.05mm、見掛け密度0.20g/cm3の海島型繊維からなる絡合不織布を得た。以降は実施例1と同様にして皮革様シートを得た。得られた皮革様シートの特徴を以下に示す。
厚み:1.40mm
目付:400g/m2
見掛け密度:0.29g/cm3
極細長繊維の平均単繊維繊度:0.03デシテックス
極細長繊維束の繊度:2.0デシテックス
極細長繊維束の極細長繊維の本数:12本
極細長繊維不織布の見掛け密度:0.14g/cm3
極細長繊維と高分子弾性体の質量比:48/52
実質的に多孔質状態で連続した高分子弾性体が極細長繊維束の周囲を覆っていた。
この皮革様シートの片側に実施例1と同様に乾式造面を行い、厚さ50μmの銀面層を有する黒色の銀付調皮革様シートを得た。このシートは、軽量でスポーツ靴等のハードな使用に耐え得る強度を持ち、かつ、ソフトな風合いを有するものであって、靴・鞄などに応用できる皮革様シートであった。
実施例3
絡合不織布に100%モジュラス180kg/cmのポリエーテル・ポリエステル共重合系ポリウレタンの14.0%DMF溶液を含浸した以外は、実施例1と同様にして皮革様シートを得た。得られた皮革様シートの特徴を以下に示す。
厚み:1.20mm
目付:400g/m2
見掛け密度:0.33g/cm3
極細長繊維の平均単繊維繊度:0.03デシテックス
極細長繊維束の繊度:0.75デシテックス
極細長繊維束の極細長繊維の本数:25本
極細長繊維不織布の見掛け密度:0.14g/cm3
極細長繊維と高分子弾性体の質量比:48/52
実質的に多孔質状態で連続した高分子弾性体が極細長繊維束の周囲を覆っていた。
この皮革様シートの片側に実施例1と同様に乾式造面を行い、厚さ50μmの銀面層を有する黒色の銀付調皮革様シートを得た。このシートは、軽量でスポーツ靴等のハードな使用に耐え得る強度を持ち、かつ、ソフトな風合いを有するものであって、靴・鞄などに応用できる皮革様シートであった。
比較例1
海成分としてポリエチレン50部および島成分として6−ナイロン50部を同一溶融系で溶融紡糸して、平均島数約4000、単繊維繊度10デニールの海島型繊維を製造した。この海島型繊維を3.0倍に延伸し、捲縮した後、繊維長51mmに切断した。ステープルをカードで解繊した後、クロスラッピングおよび1500パンチ/cm2のニードルパンチを経た後に熱プレスして目付約450g/m2、厚み1.50mm絡合不織布を得た。
以降、絡合不織布に100%モジュラス90kg/cmのポリエステル系ポリウレタンの18%DMF溶液を含浸した以外は実施例1と同様にして皮革様シートを得た。得られた皮革様シートの特徴を以下に示す。
厚み:1.0mm
目付:400g/m2
見掛け密度:0.40g/cm3
極細繊維の平均単繊維繊度:0.0004デシテックス
極細繊維束の繊度:1.7デシテックス
極細繊維束の極細繊維の本数:4000本
極細繊維不織布の見掛け密度:0.24g/cm3
極細繊維と高分子弾性体の質量比:56/44
この皮革様シートの片側に実施例1と同様に乾式造面を行い、厚さ50μmの銀面層を有する黒色の銀付調皮革様シートを得た。このシートは、スポーツ靴等のハードな使用に耐え得る強度を持ち、ソフトな風合いを有するものであるが、軽量性が重要なポイントであるランニング靴などに使用するには軽量性が不十分であった。
比較例2
島数を100、かつ、海島型繊維の単繊維繊度を5デシテックスに変更した以外は実施例1と同様にして、目付け360g/m2、厚み2.00mm、見掛け密度0.18g/cm3の海島型繊維からなる絡合不織布を得た。次いで、長さ方向に1%収縮(オーバーフィード)した以外は実施例1と同様にして皮革様シートを得た。得られた皮革様シートの特徴を以下に示す。
厚み:1.35mm
目付:400g/m2
見掛け密度:0.30g/cm3
極細長繊維の平均単繊維繊度:0.025デシテックス
極細長繊維束の繊度:2.5デシテックス
極細長繊維束の極細長繊維の本数:100本
極細長繊維不織布の見掛け密度:0.13g/cm3
極細長繊維と高分子弾性体の質量比:45/55
この皮革様シートの片側に実施例1と同様に乾式造面を行い、厚さ50μmの銀面層を有する黒色の銀付調皮革様シートを得た。このシートは軽量であるが、必要以上に伸びにくく、靴・鞄等に成形しにくかった。また極細長繊維束が太いためにラフな触感であり、着用感もよくなかった。
比較例3
目付け513g/m2、厚み1.90mm、見掛け密度0.27g/cm3の海島型繊維からなる絡合不織布を用いた以外は実施例1と同様にして皮革様シートを得た。得られた皮革様シートの特徴を以下に示す。
厚み:1.20mm
目付:440g/m2
見掛け密度:0.37g/cm3
極細長繊維の平均単繊維繊度:0.08デシテックス
極細長繊維束の繊度:2.0デシテックス
極細長繊維束の極細長繊維の本数:25本
極細長繊維不織布の見掛け密度:0.21g/cm3
極細長繊維と高分子弾性体の質量比:58/42
実質的に多孔質状態で連続した高分子弾性体が極細長繊維束の周囲を覆っていた。
この皮革様シートの片側に実施例1と同様に乾式造面を行い、厚さ50μmの銀面層を有する黒色の銀付調皮革様シートを得た。このシートは、スポーツ靴用等のハードな使用に耐え得るものであるが、風合いが硬く、軽量とは言えず、従来品と差がないものであった。
比較例4
目付け374g/m2、厚み1.87mm、見掛け密度0.20g/cm3の海島型繊維からなる絡合不織布を用い、これに100%モジュラスが70kgのエーテル系ポリウレタンの13%DMF溶液を含浸した以外は実施例1と同様にして皮革様シートを得た。得られた皮革様シートの特徴を以下に示す。
厚み:1.00mm
目付:440g/m2
見掛け密度:0.44g/cm3
極細長繊維の平均単繊維繊度:0.08デシテックス
極細長繊維束の繊度2.0デシテックス
極細長繊維束の極細長繊維の本数:25本
極細長繊維不織布の見掛け密度:0.26g/cm3
極細長繊維と高分子弾性体の質量比:58/42
実質的に多孔質状態で連続した高分子弾性体が極細長繊維束の周囲を覆っていた。
この皮革様シートの片側に実施例1と同様に乾式造面を行い、厚さ50μmの銀面層を有する黒色の銀付調皮革様シートを得た。このシートは、スポーツ靴用等のハードな使用に耐え得るものであるが、風合いがゴムに近い不自然な風合いであり、さらに軽量とは言えないものであった。
本発明の皮革様シートは、自然で天然皮革に近いソフトな風合いを有し、軽量でかつスポーツ靴等のハードな使用に耐えうる強度を持つために靴・鞄などの素材として有用である。

Claims (6)

  1. 平均単繊維繊度0.5デシテックス以下の極細長繊維を含む極細長繊維束からなる極細長繊維不織布の内部に高分子弾性体が付与されてなる皮革様シートであって、
    (1)極細長繊維束が5〜70本の極細長繊維を含み、かつ、極細長繊維束の平均繊度が0.5〜2デシテックスである、
    (2)極細長繊維不織布の見掛け密度が0.1〜0.2g/cm3である、
    (3)皮革様シートの見掛け密度が0.2〜0.35g/cm3である、および
    (4)高分子弾性体の100%モジュラスが130kg/cm 2 以上250kg/cm 2 以下であり、かつ、多孔質状態で連続して極細長繊維不織布の内部に存在している
    ことを満足する皮革様シート。
  2. 前記高分子弾性体が極細長繊維束の周囲を覆っている請求項1に記載の皮革様シート。
  3. 請求項1に記載の皮革様シートの少なくとも一表面に銀面層を形成してなる銀付調皮革様シート。
  4. (1)細長繊維発生型繊維を紡糸し、長繊維ウェブを得る工程、
    (2)前記長繊維ウェブを絡合して見掛け密度が0.25g/m3以下の絡合不織布を得
    る工程、
    (3)前記絡合不織布に100%モジュラスが130kg/cm 2 以上250kg/cm 2 以下である高分子弾性体を付与し、該高分子弾性体を多孔質かつ連続した状態に凝固させる工程、
    (4)前記極細長繊維発生型繊維を極細化して絡合不織布を極細長繊維不織布にし、プレ皮革様シートを得る工程、
    (5)前記プレ皮革様シートに油剤を付与する工程、および
    (6)前記油剤を付与したプレ皮革様シートを長さ方向に0.5〜5%収縮させ、かつ、幅方向に1〜10%伸長して、極細長繊維不織布の見掛け密度を0.1〜0.2g/cm3、かつ、皮革様シートの見掛け密度を0.2〜0.35g/cm3 とする工程
    含み、
    前記極細長繊維不織布を構成する極細長繊維束は、平均単繊維繊度0.5デシテックス以下の極細長繊維を5〜70本含み、かつ、平均繊度が0.5〜2デシテックスである皮革様シートの製造方法。
  5. 前記極細長繊維不織布を構成する極細長繊維束が、スパンボンド法を経て得られたものである請求項1に記載の皮革様シート。
  6. 前記長繊維ウェブをスパンボンド法により得る請求項4に記載の皮革様シートの製造方法。
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