JP5095058B2 - エッチング処理装置における耐プラズマ性高分子材料からなる膜の厚さの決定方法 - Google Patents

エッチング処理装置における耐プラズマ性高分子材料からなる膜の厚さの決定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプラズマ処理装置に係り、特に試料に高い高周波バイアス電圧を印加してプラズマ処理するのに好適なプラズマ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のプラズマ処理装置としては、特開2001−57361号公報に記載のような装置が知られている。この装置は、プラズマ処理室上部に電磁波を放射するアンテナを設け、プラズマ処理室下部に試料としてのウエハを載置する下部電極を設け、アンテナから放射する電磁波と磁場形成手段による磁場との相互作用により、プラズマ処理室内部に導入された処理ガスをプラズマ化し、下部電極に接続したバイアス電源からのバイアス電力によりプラズマ中のイオンやラジカルを制御して、ウエハにエッチング処理を行うようになっており、処理ガスとしてフッ化炭素系のガスを含む混合ガスを用い、シリコン酸化膜をエッチングする。このとき、プラズマ処理室の内壁にポリエーテルイミド等の樹脂層でなる、厚み2mmの側壁スリ−ブを取り外し可能に配設し、プラズマ処理室を構成する金属側面からの金属汚染を防止するとともに、樹脂層への炭素系堆積物を安定に堆積させ異物発生を抑制するようになっている。
【0003】
また、汚染防止のために樹脂を用いたものとして、特公平4−621170号公報に記載のものが挙げられる。この公報には、内部表面の少なくともある程度がポリアリーレート重合体で被覆された反応容器内にウエハをマウントしてエッチング処理すること、および被覆の厚さは約16分の1インチにすると有利であることが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の各従来技術では、プラズマ処理室のアース電極としての働きの点について充分な配慮がされていなかった。すなわち、シリコン酸化膜のエッチングのように高エネルギーイオンの入射が不可欠なプロセスでは、下部電極に大きな高周波バイアス電力を印加することになる。このとき、プラズマの生成とウエハへのプラズマ中のイオンの入射エネルギを独立に制御する装置、言い換えると、上述のような高周波電力の電磁波を放射するアンテナと、アンテナに対向して配置されバイアス電圧が印加される下部電極とをプラズマ処理室内に有する装置、または、高周波電力が供給される上部電極と、上部電極に対向して配置されバイアス電圧が印加される下部電極とをプラズマ処理室内に有する装置では、下部電極に印加されたバイアス用の高周波電力に対しては、対向するアンテナまたは上部電極がアース電極として働くように構成されている。しかしながら、このように構成された装置においても、電気的に接地されたプラズマ処理室の内壁面がプラズマによりエッチングされてしまう。これは、下部電極に対向するアンテナや上部電極が高周波電力に対する完全なアースにはならず、電気的に接地されたプラズマ処理室とプラズマとの間にシースが形成され、プラズマ処理室も高周波電力に対するアース電極となるためである。
【0005】
プラズマ処理室の内壁が削られると、例えば、プラズマ処理室がステンレス系の合金からなる場合は、鉄、クロムおよびニッケル等の金属がプラズマ中に放出され、その結果、半導体素子用のウエハ表面にも堆積し、配線不良の原因となる。また、プラズマ処理室がアルミ系の合金からなる場合は、エッチングに使用するフッ素系のガスと結合して弗化アルミ等の化合物がプラズマ中に放出され、その結果、半導体素子用のウエハ表面にも堆積し、配線不良の原因となる。
【0006】
これを防止するために、上記前者の従来技術(特開2001−57361号公報)のようにプラズマ処理室の内壁面に樹脂層でなる側壁スリーブを設けることが提案されている。しかしながら、この側壁スリーブの厚みは2mmと厚く、高周波電力に対してもプラズマ処理室とプラズマとの間の抵抗体となり、プラズマ処理室がアース電極としてその効果を損なうものとなっている。その結果、側壁スリーブの表面はプラズマプロセスで使用するガスの成分からなるデポ物で覆われてしまう。
【0007】
また、上記従来技術の樹脂層でなる側壁スリーブはその取り外しの容易性のために、側壁スリーブの外径をプラズマ処理室側の内径より0.1mm小さくしてある。このため、プラズマ処理室側の内壁面と側壁スリーブとの間には僅かな隙間を有することになり、温調されたプラズマ処理室側の温度が充分に伝わらず、温度制御が難しくなる。
【0008】
上記後者の従来技術(特公平4−621170号公報)のようにプラズマ処理室内をポリアリーレート重合体で被覆した場合は、プラズマ処理室内壁がプラズマのアースとして機能しないため、プラズマはアースを求めて拡散することになり、エッチングに使用するプラズマは薄い低密度のプラズマとなる。また、アース電位が決まらないため、プラズマ処理室内に生成されたプラズマは拡散し、エッチング処理するウエハ上のプラズマ密度が薄くなり、ウエハのエッチング速度が低下してしまうという問題がある。
【0009】
本発明の目的は、アース電極として作用させるプラズマ処理室からの金属汚染を防止するとともにプラズマに曝される面の温度制御を容易に行うことのできるプラズマ処理装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、処理室内部に配置された試料台と、この試料台に配置された電極に高周波電力を供給する電力とを備え、前記試料台上に載せられたウエハをこの処理室内に形成したプラズマを用いてエッチング処理するエッチング処理装置において、導電体の金属により構成されて接地され前記処理室の内側壁面を構成する部材の前記プラズマと接する面上を被覆する耐プラズマ性高分子材料からなる膜を備え、この膜の比誘電率kεと厚さt(μm)との比t/kεが前記プラズマにより前記プラズマと接する面上に形成されるシースの抵抗の1/2より小さくすることにより、達成される。
【0011】
また、耐プラズマ性高分子材料は円筒状ライナーに形成し、円筒状ライナーの外径をプラズマ処理室の内面の径よりも大きくしたものである。
【0012】
また、円筒状ライナーの外周面にシリコンを配置し、プラズマ処理室内面にシリコンを介して円筒状ライナーを密着させて取り付けたものである。
【0013】
また、耐プラズマ性高分子材料は吹き付けもしくは塗布によりプラズマ処理室内面に形成されたものである。
【0014】
また、上記目的は、エッチング処理装置において、前記処理室内に形成されるプラズマの密度が1×10 10 個/cm 以上であって前記プラズマ性高分子材料からなる膜の比誘電率kεと厚さt(μm)とがt/kε<300であることにより、達成される。
【0016】
さらに、上記目的は、プラズマ生成と試料へのイオンの入射エネルギ制御とを独立に行うプラズマ処理装置において、アースに接地された導電体の金属でなりプラズマ処理室内でプラズマと接触する面に、導電材料を含有する耐プラズマ性高分子材料を被覆することにより、達成される。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明は、プラズマ処理室の内壁を、エッチング等のプラズマ処理が行われるウエハの上に汚染あるいは異物等が飛散せず且つプラズマに対してプラズマ処理室が基準電位を与えるアースの働きをする材料で構成するものである。プラズマ処理室は、プラズマに接触する材料が汚染源あるいは異物源にならないこと、およびプラズマ接触面がアースとして機能することが重要である。そのために、プラズマ中で使用する材料として汚染や異物等の発生源とならない材料は、エッチングプロセスに使用するガスおよび被エッチング材料を構成する元素から構成される部材である必要がある。さらに、プラズマ処理室内のプラズマに接触する部分を、高分子重合体で被覆してもプラズマに対するアースと作用するように電気的に抵抗値が低い構造にしなければならない。
【0018】
本発明のプラズマ処理装置では、プラズマ処理室内のプラズマ接触面の材料に耐プラズマ性の樹脂、例えば、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリベンゾイミダゾール等の高分子材料(比誘電率kεは約2.1〜4.2)を用いることで、プラズマ接触面から鉄、クロム、ニッケル等の金属および弗化アルミ等の金属化合物は発生しなくなる。
【0019】
また、このような耐プラズマ性材料をプラズマ処理室の内側に配置することで、プラズマによって表面が削られても容易に交換することができる。例えば、耐プラズマ性材料をプラズマ接触面に配置し被覆する方法としては、材料自体の張力によって密着・固定する方法と、金属からなるプラズマ処理室表面に噴霧あるいは塗布し密着させて設ける方法がある。どちらの場合も、プラズマ処理室、すなわち、真空室を形成する金属が直接にプラズマに曝されることがなくなり、壁から金属等の飛散はなくなる。これにより、半導体素子用のウエハ表面にも堆積することがなく配線不良の原因となることもない。また、耐プラズマ性材料がプラズマ処理室内壁面に密着して設けられるので、温調されたプラズマ処理室の場合、熱の伝導が良くなるので内壁面の温度制御性が良くなり、狭い温度範囲であっても堆積物の付着を容易に防止することが可能となる。
【0020】
さらに、上記耐プラズマ性材料を所定の厚さ以下に設定することでプラズマ処理室にアース機能を持たせることが可能となる。従来技術ではプラズマ処理室内壁にプラズマカバーを配置しており、カバー材の厚さに関しては規定があるものの、材料の物性値までは配慮されていなかった。プラズマに対してプラズマ処理室内壁がアースになるかどうかは材料の厚さと比誘電率とで決まり、比誘電率kεと厚さt(μm)との関係(t/kε)の値が重要であることが分かった。特に高分子材料の場合は、混合する原料および連鎖状態さらには温度によって比誘電率は変化するため、上記比誘電率kεと厚さt(μm)の値を規定することが重要であることが分かった。
【0021】
プラズマが生成されているプラズマ処理室の内壁の壁付近には、壁面の材料によらずプラズマのシースが存在する。エッチングに使用するプラズマの場合、シースの厚さはプラズマ密度によって決まり、プラズマ密度は使用するガスの組成と投入するRF出力によって決まる。例えば、生成されたプラズマの密度が1×1010個/cmとすればシースの厚さは約600μm程度である。プラズマ中の比誘電率kεは約1.0であり、600/1.0=600をプラズマと壁の間にあるシース部の抵抗として考えることが可能である。シースから導体である壁までの間に、樹脂やアルミアルマイトの層からなる抵抗体を挿入する場合、実験結果によるとシースによる抵抗の1/2程度(約300)までの抵抗体をシースと壁の間に挿入しても、プラズマから見ると壁をアースとみなすことができる。これによると、導体からなる金属壁とプラズマとの間に抵抗体からなるポリイミド樹脂(比誘電率3.55)を設置した場合は、約1065μm厚さまでのものを挿入してもアースとみなすことが可能であり、ポリテトラフルオロエチレン(比誘電率2.1)の場合は630μm厚さ程度までのものを挿入してもアースとみなすことが可能である。すなわち、使用する材料の比誘電率をkε、厚さをt(mm)とした場合、t/kε<300の条件を満たす条件であれば、これらの材料で覆われたプラズマ処理室の導体からなる壁は、プラズマ処理室中に生成するプラズマに対するアースとして作用させることが可能である。
【0022】
また、プラズマと接触する材料として、上記耐プラズマ性材料を選択する際に、エッチング等を行う場合に異物とならないような、例えば、シリコンや炭素等の導電材料を含有させることにより、プラズマのアースとして機能させることもできる。この場合、プラズマ処理室の被覆材が導電材料を含むことでアースとして作用するため、プラズマがプラズマ処理室から広く拡散することはない。
【0023】
さらに、上記耐プラズマ性材料は、主に炭素、酸素、水素等の元素から構成されており、プラズマに接触して削れても、半導体素子用のウエハ表面に堆積し、異物として検出されることはない。
【0024】
これによって、プラズマ処理するウエハ上の異物及び汚染量を低減することが可能となり、プラズマ処理したウエハの不良率を低減することができる。したがって、本発明の耐プラズマ性材料をプラズマ処理室内のプラズマ接触面に配置することにより、プラズマ処理装置自体の生産性を向上させることができる。
【0025】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図1により説明する。
【0026】
図1は本発明を適用したプラズマエッチング装置を示すもので、ここでは、電磁波をアンテナより放射し、磁場との相互作用によってプラズマを生成するECR方式のプラズマエッチング装置を示す。プラズマ処理室、この場合、エッチング処理室8は図示を省略した温調手段によりその内壁面を20〜100℃の温度範囲で温度調整可能となっている。エッチング処理室8の上部にはアンテナ21が配置され、エッチング処理室8とアンテナ21との間には電磁波を透過可能な誘電体17が設けられている。アンテナ21には、導波管2およびマッチングボックス18を介して、この場合、UHF電磁波を発生させる高周波電源1が接続されている。エッチング処理室8の外周部には、エッチング処理室8内に磁場を形成するための磁場コイル3が巻装されている。エッチング処理室8内のアンテナ21の下方にはウエハ5を配置するための試料台としての下部電極6が設けられている。下部電極6には、試料としてのウエハ5へのプラズマ中のイオンの入射エネルギを与えるための高周波バイアス電源7と、ウエハ5を下部電極6に静電吸着させるための直流電源10とが接続されている。
【0027】
エッチング処理室8は金属製でアースに接地されており、内壁面には耐プラズマ性高分子材料から成る樹脂層22が被覆してある。樹脂層22は、この場合、厚さ630μmのポリテトラフルオロエチレンの円筒状ライナーでなり、樹脂層22の外径はエッチング処理室8の内径よりも0.2〜0.3mm程度大きくして、エッチング処理室8内に嵌め込んだときに樹脂層22がエッチング処理室8の内壁に密着するようにする。このとき、さらに密着性を良くするために、樹脂層22の外面に柔らかく熱伝導率の高いシリコンを配置して、エッチング処理室8内に嵌め込むとさらに密着性が良くなり、樹脂層22とエッチング処理室8の内壁の温度差は小さくなる。樹脂層22は貼り替えの頻度を考えると膜厚を厚くし、頻度を少なくすることが望ましく、このためできるだけ比誘電率kεは高いものを使用する方が良い。
【0028】
また、樹脂層22の厚さが薄く円筒状ライナーに形成できない場合には、樹脂を溶剤に溶かしスプレーで吹き付け、例えば、吹き付け回数によって膜厚を管理しエッチング処理室8内に樹脂層22を形成することができる。この場合は、エッチング処理室8の内壁面に完全に密着するので、熱の伝導は問題はない。
【0029】
なお、樹脂層22の厚さが500μm程度を超えるものは、円筒状ライナーで形成することが可能で、スプレー方式で形成する場合には200μm程度までの厚さのものができ、さらにスプレー方式の場合、シリコン、カーボン等の導電性材料を含有させることにより600μm程度以上の厚さのものまで形成可能である。
【0030】
上述のように構成した装置では、高周波電源1から出力されたUHF電磁波は、マッチングボックス18、導波管2および誘電体17を介して、アンテナ21部からエッチング処理室8に供給される。一方、エッチング処理室8周囲の磁場コイル3による磁界がエッチング処理室8内に形成され、電磁波の電界と磁場コイルの磁界との相互作用によって、エッチング処理室8内に導入されたエッチングガスが効率良くプラズマ化される。このプラズマ9により、エッチング電極6上のウエハ5に所定のエッチング処理が施される。このような処理に用いられるプラズマとしては、エッチング処理速度を上げるために密度が約1×1010個/cm以上のプラズマが用いられる。また、エッチング処理に当たっては、ウエハ5に入射するプラズマ中のイオンの入射エネルギを高周波バイアス電源7によって制御し、所望のエッチング形状が得られるよう設定される。シリコン酸化膜等の絶縁膜のエッチング処理のように高いバイアス電圧を必要とするプロセスでは、高周波バイアス電源7からのRF出力は1KW以上の出力が必要とされる。
【0031】
一方、エッチング処理室8内へのプラズマ9の発生および高周波バイアス電源7による高周波電力印加によって、アース接地,高周波バイアス電源7,下部電極6,プラズマ9,アンテナ21およびエッチング処理室8,アース接地の間で電気回路が形成される。このとき、エッチング処理室8とプラズマ9との間にもイオンシースが生じ、プラズマ9中のイオンがエッチング処理室8の内壁に入射する。
【0032】
例えば、シリコン酸化膜をCF系ガス(C、C等)を用いてエッチング処理する場合、プラズマ9にはCxFyイオンが生成され、CxFyイオンがエッチング処理室8側に引っ張られる。このとき、エッチング処理室8内壁面には樹脂層22が設けてあるので、CxFyイオンは樹脂層22に入射する。高分子材料でなる樹脂層22はCHF系でなり、プラズマ中のイオン成分と同成分を有したものとなっているので、プラズマ中のイオンと樹脂層とが反応してできる反応生成物およびイオンによってスパッタされた樹脂層22の成分もCF系のものであり、エッチングプロセスへの悪影響を防ぐことができる。このようにプロセスガスとしてCF系ガスを用いるプロセスには、本実施例の樹脂層は有効である。
【0033】
また、樹脂層22はその比誘電率kεを2.1とすると、t/kε<300となる樹脂層22の厚さは630μmとなり、本実施例による材料、すなわち、ポリテトラフルオロエチレンの円筒状ライナーを用いれば、エッチング処理室8をアースとして作用させることが可能であり、プラズマ9の電位を安定させることができ、必要なバイアス電圧を高周波バイアス電源7によりウエハ5に印加して所望のエッチング処理を行うことができる。
【0034】
なお、シリコン酸化膜等のエッチング処理の中でウエハ5に高いバイアス電圧を印加する必要がないプロセスでは、エッチング処理室8とプラズマ9とのシース電圧も小さくなるので、樹脂層22の厚さも薄くする必要がある。
【0035】
以上、本実施例によれば、プラズマ生成とウエハへのイオンの入射エネルギ制御とを独立に行うようにしており、イオンの入射エネルギ制御に影響されることなく、必要な密度のプラズマを安定に生成することが出来る。このようなエッチング処理装置において、アースに接地されたエッチング処理室8の内壁面を、比誘電率kεと厚さt(μm)との関係がt/kε<300となる耐プラズマ性高分子材料で被覆することにより、エッチング処理室8をアースと見なすことが可能となり、安定したプラズマ電位を与えることができるので、シリコン酸化膜等のエッチング処理のようにプラズマ中のイオンのウエハへの大きな入射エネルギを必要とする、1KW以上の高周波出力によるバイアス電圧を下部電極6に印加し、ウエハ5を所望の形状にエッチング加工する場合、プラズマ中のイオンによってエッチング処理室8の内壁面が反応およびスパッタされてエッチングされても、処理ガス系と同成分を含む耐プラズマ性高分子材料によってエッチング処理室8の内壁面を保護しているので、エッチング処理室8からの金属汚染を防止でき、且つその内壁面からの反応生成物やスパッタ成分が処理ガス系と同成分となっているためプロセスに悪影響を及ぼすことはない。これにより、エッチング処理するウエハの不良率を低減することができ、エッチング装置の生産性を向上させることができる。また、耐プラズマ性高分子材料をエッチング処理室8の内壁面に被覆しているので、温調されたエッチング処理室の熱が効率よく耐プラズマ性高分子材料に伝わるので、プラズマに曝される面の温度を容易に制御することができる。
【0036】
また、本実施例によれば、樹脂層をエッチング処理室内壁面に密着させて設けることができるので、樹脂層の内表面の温度を温度調節されたエッチング処理室の温度と等しくすることができ、エッチング処理室の壁面温度を約80℃以上に温調することにより、シリコン酸化膜のエッチング処理中に発生する反応生成物のエッチング処理室内壁面への堆積を防止することができる。
【0037】
また、本実施例によれば、樹脂層をエッチング処理室内壁面に密着させて設けることができるので、樹脂層の内表面の温度を温度調節されたエッチング処理室の温度と等しくすることができ、エッチング処理室の壁面温度を約40℃以下に温調することにより、シリコン酸化膜のエッチング処理中に発生する反応生成物のエッチング処理室内壁面への堆積を、強固に密着した反応生成物の堆積とすることができるので、堆積した付着物の剥がれを防止することが可能であり、反応生成物が原因となる異物の飛散によるウエハへの付着を防ぐことができる。
【0038】
また、耐プラズマ性高分子材料に導電材料を含有させることで、樹脂層自体はプラズマによって削れ易くなるが、導電性を有するので厚さを厚くしてもアースの作用を持たせることが可能であり、また樹脂層の厚さも容易に厚くすることができるので、バイアス電圧の低いプロセスを用いる装置への適用に有効である。
【0039】
なお、上記実施例は、エッチング処理室8の内壁面を樹脂層22によって被覆したものについて述べたが、図2に示すように下部電極6の下方に、アースに接地された電極カバー12を設け、電極カバー12の外周面に前記実施例と同様の樹脂層23をスプレーにより吹き付けるか、ハケ等を用いて塗布しても良い。これにより、下部電極の下方に回り込むプラズマによる金属部品の削れを防止できるとともに、アース電極の面積拡大によってよりプラズマ電位に安定性を持たせられる。なお、ここで、符号11は下部電極6の外周部を囲む絶縁物によるカバーである。
【0040】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明は、アース電極として作用させるプラズマ処理室からの金属汚染を防止するとともにプラズマに曝される面の温度制御を容易に行うことができるという効果を奏する。また、プラズマ処理室の内壁面を覆う材料の板厚を、材料の比誘電率kεと厚さt(μm)との関係においてt/kε<300に設定することで、プラズマ処理室表面をプラズマに対してアースとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるプラズマエッチング装置を示す縦断面図である。
【図2】本発明の他の実施例であるプラズマエッチング装置の下部電極部を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1…高周波電源、2…導波管、3…磁場コイル、4…ガス供給系、5…ウエハ(試料)、6…下部電極(試料台)、7…高周波バイアス電源、8…エッチング処理室(プラズマ処理室)、9…プラズマ、10…直流電源、11…絶縁カバー、12…電極カバー、17…誘電体、18…マッチングボックス、21…アンテナ、22,23…樹脂層。

Claims (5)

  1. 処理室内部に配置された試料台と、この試料台に配置された電極に高周波電力を供給する電力とを備え、前記試料台上に載せられたウエハをこの処理室内に形成したプラズマを用いてエッチング処理するエッチング処理装置において、導電体の金属により構成されて接地され前記処理室の内側壁面を構成する部材の前記プラズマと接する面上を被覆する耐プラズマ性高分子材料からなる膜を備え、この膜の比誘電率kεと厚さt(μm)との比t/kε前記プラズマにより前記プラズマと接する面上に形成されるシースの抵抗の1/2より小さく設定することを特徴とするエッチング処理装置における耐プラズマ性高分子材料からなる膜の厚さの決定方法
  2. 請求項1記載のエッチング処理装置における耐プラズマ性高分子材料からなる膜の厚さの決定方法において、前記耐プラズマ性高分子材料は吹き付けもしくは塗布により、前記処理室内面に形成されることを特徴とするエッチング処理装置における耐プラズマ性高分子材料からなる膜の厚さの決定方法
  3. 請求項1記載のエッチング処理装置における耐プラズマ性高分子材料からなる膜の厚さの決定方法において、前記耐プラズマ性高分子材料は円筒状ライナーに形成し、前記円筒状ライナーの外径を前記プラズマ処理室の内面の径よりも大きく設定することを特徴とするエッチング処理装置における耐プラズマ性高分子材料からなる膜の厚さの決定方法
  4. 請求項3記載のエッチング処理装置における耐プラズマ性高分子材料からなる膜の厚さの決定方法において、前記円筒状ライナーの外周面にシリコンを配置し、前記プラズマ処理室内面にシリコンを介して前記円筒状ライナーを密着させて取り付けることを特徴とするエッチング処理装置における耐プラズマ性高分子材料からなる膜の厚さの決定方法
  5. 請求項1乃至4の何れかに記載のエッチング処理装置における耐プラズマ性高分子材料からなる膜の厚さの決定方法において、前記処理室内に形成されるプラズマの密度1×1010個/cm以上に設定し、前記プラズマ性高分子材料からなる膜の比誘電率kεと厚さt(μm)とt/kε<300に設定することを特徴とするエッチング処理装置における耐プラズマ性高分子材料からなる膜の厚さの決定方法
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