JP5094760B2 - 動画像符号化装置 - Google Patents
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Description
上記の国際標準映像符号化方式を採用する動画像符号化装置から出力された動画像圧縮データであるビットストリームを復号する場合も、マクロブロック単位に復号処理を実施し、最終的に1画像全部のマクロブロックを復号した後、復号画像として出力する。
即ち、国際標準映像符号化方式ITU−T H.264では、色差信号の量子化幅を輝度信号の量子化幅からの差分値で符号化する方式を規格化している。
即ち、この動画像符号化装置では、輝度信号や色差信号の分散や平均値からの差分絶対値和を画素単位で計算することで、輝度信号の変化量が小さく、色差信号の変化量が大きい場合には、色差信号の量子化幅を小さくするようにしている。
したがって、色差を重視して符号化する場合には、色差信号の量子化幅を小さくすることができるため、画質の向上を図ることができる。
また、輝度信号や色差信号の分散や平均値からの差分絶対値和を画素単位で計算するなどの前処理が必要であるため、演算の処理量が多く、リアルタイム処理に不向きである課題もあった。
図1はこの発明の実施の形態1による動画像符号化装置と動画像復号装置からなるシステムを示す構成図である。
図1において、動画像符号化装置1は例えばH.264/AVCの符号化方式を採用しており、ディジタル映像信号である動画像データと、符号化の設定内容を示す符号化設定情報とを入力すると、その動画像データの各ピクチャをマクロブロック単位(所定の単位領域)に分割し、マクロブロック毎に圧縮符号化を実施して、その符号化設定情報が示す符号化の設定内容を満足する動画像圧縮データをビットストリームとして出力する処理を実施する。
動画像復号装置2は動画像符号化装置1から出力されたビットストリームをマクロブロック単位に復号して、最終的に1画像全部のマクロブロックを復号した後、復号画像として表示動画像データを出力する処理を実施する。
図2の例では、符号化の設定内容として、ビットレート、フレームレート、画像解像度、符号化ピクチャタイプ(I/P/Bピクチャ)、符号化モード情報(画質重視であるのか、動き重視であるのかを示す情報)、GOP構成、ピクチャタイプ符号量比が示されている。
このような符号化設定情報は、一般に広く知られている情報である。
図3において、クロマQPオフセット決定部11は符号化設定情報が示す符号化の設定内容に応じて、動画像データにおける輝度信号の量子化幅に対する色差信号の量子化幅のオフセット値を決定する処理を実施する。
以下、輝度信号の量子化幅に対する色差信号の量子化幅のオフセット値を「クロマQPオフセット」と称する。
「クロマQPオフセット」は、色差のQPを輝度のQPとの差分値で示している情報であり、H.264/AVC符号化規格に記載されている「chroma_qp_index_offset」と「second_chroma_qp_index_offset」のことである。この値は、“−12”から“+12”の範囲の値をとることがH.264/AVC符号化規格で定められている。
ここで、「クロマ」は色差を意味し、「QP」は量子化幅を意味する。
なお、クロマQPオフセット決定部11はオフセット値決定手段を構成している。
H.264/AVCエンコードコア部12は、一般のH.264/AVCエンコーダと同様に、マクロブロックを一単位として、イントラ画素予測/動き探索/補償技術や、直交変換/変換係数量子化/可変長符号化技術に基づいて、圧縮符号化を実施するものである。
ただし、ITU−T H.264では、輝度信号と色差信号の量子化幅を異なる値に設定することが可能な方式を採用しているが、一般のH.264/AVCエンコーダでは、クロマQPオフセットを“0”として符号化している。
これに対して、H.264/AVCエンコードコア部12では、マクロブロック毎に圧縮符号化を実施する際、クロマQPオフセット決定部11により決定されたクロマQPオフセットに応じて、動画像データにおける輝度信号及び色差信号に割り当てる符号量を設定して、各マクロブロックをH.264/AVC符号化している。
なお、H.264/AVCエンコードコア部12は圧縮符号化手段を構成している。
図4において、マクロブロック平均符号量算出部11aは符号化設定情報が示す符号化の設定内容に含まれているビットレート、フレームレート及び画像解像度からマクロブロック平均符号量(単位領域当りの符号量)の期待値として、マクロブロック平均符号量avg_code_per_MBを算出する処理を実施する。
即ち、クロマQPオフセット算出部11bはマクロブロック平均符号量avg_code_per_MBに対する閾値処理を実施することで、マクロブロック平均符号量avg_code_per_MBが小さい場合には、大きな値のクロマQPオフセットを算出し、マクロブロック平均符号量avg_code_per_MBが大きい場合には、小さな値のクロマQPオフセットを算出する。
図5はクロマQPオフセット算出部11bにおける閾値処理の一例を示す説明図である。
クロマQPオフセット決定部11は、外部から符号化設定情報が与えられると、その符号化設定情報が示す符号化の設定内容に応じて、クロマQPオフセットを決定する。
即ち、クロマQPオフセット決定部11のマクロブロック平均符号量算出部11aは、下記の式(1)に示すように、符号化設定情報が示す符号化の設定内容に含まれているビットレート、フレームレート及び画像解像度からマクロブロック平均符号量の期待値として、マクロブロック平均符号量avg_code_per_MBを算出する。
=bit_rate
/((width/16)×(height/16)×frame_rate)
(1)
ただし、bit_rate:ビットレート(bits/sec)
frame_rate:フレームレート(frames/sec)
width,height:画像解像度(pixels)
このため、式(1)の計算は、H.264/AVCエンコードコア部12がH.264/AVC符号化を開始する前に、外部から符号化設定情報が与えられたときに、1回だけ実施すれば十分であり、クロマQPオフセット算出部11bにおける演算の処理量として、極めて少ないものとなる。
マクロブロック平均符号量avg_code_per_MBが閾値Th1以上であるが、閾値Th2未満であれば、クロマQPオフセットを“+6”に決定する。
同様に、マクロブロック平均符号量avg_code_per_MBが閾値Th2以上であるが、閾値Th3未満であれば、クロマQPオフセットを“0”に決定し、マクロブロック平均符号量avg_code_per_MBが閾値Th3以上であるが、閾値Th4未満であれば、クロマQPオフセットを“−6”に決定する。
また、マクロブロック平均符号量avg_code_per_MBが閾値Th4以上であれば、クロマQPオフセットを“−12”に決定する。
ここでは、クロマQPオフセット算出部11bが5段階の閾値処理を実施するものについて示したが、これは一例に過ぎず、例えば、より細かな25段階の閾値処理を実施するようにしてもよい。
ただし、H.264/AVCエンコードコア部12は、マクロブロック毎に圧縮符号化を実施する際、クロマQPオフセット決定部11により決定されたクロマQPオフセットに応じて、動画像データにおける輝度信号及び色差信号に割り当てる符号量を設定して、各マクロブロックをH.264/AVC符号化する。
一方、クロマQPオフセット決定部11により決定されたクロマQPオフセットの値が小さい場合(マクロブロック平均符号量avg_code_per_MBが大きい場合)、与えられる大きな符号量を色差にも十分に割り振るようにする。これにより、マクロブロック平均符号量avg_code_per_MBが大きい場合には、色差信号にも十分な符号量が割り当てられることになり、その結果、主観画質が向上する利点が得られる。
図6はこの発明の実施の形態2による動画像符号化装置1を示す構成図であり、図において、図3と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
クロマQPオフセット決定部13は図3のクロマQPオフセット決定部11と同様に、符号化設定情報が示す符号化の設定内容に応じてクロマQPオフセットを決定する処理を実施する。
ただし、クロマQPオフセットの決定方法が、図3のクロマQPオフセット決定部11と相違している。
なお、クロマQPオフセット決定部13はオフセット値決定手段を構成している。
図7において、クロマQPオフセット算出部13aは符号化設定情報が示す符号化の設定内容に含まれているピクチャタイプに応じてクロマQPオフセットを算出する処理を実施する。
ただし、上記実施の形態1と比較して、図3のクロマQPオフセット決定部11の代わりに、クロマQPオフセット決定部13が設けられた点以外は同様であるため、クロマQPオフセット決定部13の動作のみを説明する。
具体的には、下記のようにして、クロマQPオフセットを決定する例が考えられる。
例えば、符号化ピクチャタイプがIピクチャの場合には、クロマQPオフセットを“0”に決定する。
また、符号化ピクチャタイプがPピクチャや参照Bピクチャの場合には、クロマQPオフセットを“+6”に決定し、符号化ピクチャタイプが非参照Bピクチャの場合には、クロマQPオフセットを“+12”に決定する。
つまり、IピクチャでクロマQPオフセットを“0”として、色差信号を輝度信号と同等に扱って符号化しておくことにより、PピクチャやBピクチャで、クロマQPオフセットを“+6”や“+12”として色差信号を軽視したとしても、その参照元であるIピクチャで符号化された色差信号を参照しつつ間接的に引き継ぐことが可能であり、結果として、全体の主観画質を向上する効果が得られる。
図8はこの発明の実施の形態3による動画像符号化装置1を示す構成図であり、図において、図3と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
クロマQPオフセット決定部14は図3のクロマQPオフセット決定部11と同様に、符号化設定情報が示す符号化の設定内容に応じてクロマQPオフセットを決定する処理を実施する。
ただし、クロマQPオフセットの決定方法が、図3のクロマQPオフセット決定部11と相違している。
なお、クロマQPオフセット決定部14はオフセット値決定手段を構成している。
図9において、クロマQPオフセット算出部14aは符号化設定情報が示す符号化の設定内容に含まれている符号化モード情報(画質重視であるのか、動き重視であるのかを示す情報)に応じてクロマQPオフセットを算出する処理を実施する。
ただし、上記実施の形態1と比較して、図3のクロマQPオフセット決定部11の代わりに、クロマQPオフセット決定部14が設けられた点以外は同様であるため、クロマQPオフセット決定部14の動作のみを説明する。
具体的には、下記のようにして、クロマQPオフセットを決定する例が考えられる。
例えば、符号化モード情報が画質重視である旨を示していれば、クロマQPオフセットを“0”に決定し、その符号化モード情報が動き重視である旨を示していれば、クロマQPオフセットを“+12”に決定する。
このような場合、画質を保ちながら、コマ落としを行うことで、小さいビットレートを維持する際には、「画質重視」である旨を示す符号化モード情報を含む符号化設定情報が動画像符号化装置1に与えられ、逆に、画質を落としてでも、フレームレートを維持する際には、「動き重視」である旨を示す符号化モード情報を含む符号化設定情報が動画像符号化装置1に与えられるのが一般的である。
図10はこの発明の実施の形態4による動画像符号化装置1を示す構成図であり、図において、図3と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
シーンチェンジ検出部15は動画像データを監視してシーンチェンジを検出し、シーンチェンジの有無を示すシーンチェンジ情報を出力する処理を実施する。
クロマQPオフセット決定部16は符号化設定情報が示す符号化の設定内容と、シーンチェンジ検出部15から出力されるシーンチェンジ情報とに応じて、クロマQPオフセットを決定する処理を実施する。
なお、クロマQPオフセット決定部16はオフセット値決定手段を構成している。
図11において、クロマQPオフセット算出部16aは符号化設定情報が示す符号化の設定内容に含まれているピクチャタイプと、シーンチェンジ検出部15から出力されるシーンチェンジ情報とに応じて、クロマQPオフセットを算出する処理を実施する。
ただし、上記実施の形態1と比較して、図3のクロマQPオフセット決定部11の代わりに、クロマQPオフセット決定部16が設けられ、動画像符号化装置1の外部にシーンチェンジ検出部15が設けられている点で相違している。
ただし、シーンチェンジの検出処理は公知の技術であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
具体的には、下記のようにして、クロマQPオフセットを決定する例が考えられる。
例えば、シーンチェンジ検出部15から出力されたシーンチェンジ情報が「シーンチェンジあり」を示し、かつ、符号化ピクチャタイプが「Iピクチャ以外」であれば、クロマQPオフセットを“+12”に決定し、シーンチェンジ情報が「シーンチェンジなし」を示し、あるいは、符号化ピクチャタイプが「Iピクチャ」であれば、クロマQPオフセットを“0”に決定する。
また一般に、IピクチャとPピクチャとBピクチャの切り替えは、例えば、符号化順でIBBPBBPBBPBBPBBIBBPBBPBBPBBPBBIBBPBB…などのように、単に画像の順番だけで決定される場合が多くある。
しかし、シーンチェンジが何処にあるのか一般には分からないため、シーンチェンジがたまたまIピクチャになる可能性は極めて低い。
PピクチャやBピクチャにシーンチェンジがあたると、一般には想定された割り当て符号量より突発的に大きな符号量が発生するため、その後でビットレートを保つためのコマ落ちが発生し易くなってしまう。
このようなシーンチェンジを要因とする急激な符号量の発生を防ぐためには、「シーンチェンジあり」かつ「ピクチャタイプがIピクチャ以外」の場合に、クロマQPオフセットを“+12”として出力すればよい。
図12はこの発明の実施の形態5による動画像符号化装置1を示す構成図であり、図において、図3と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
クロマQPオフセット決定部17は符号化設定情報が示す符号化の設定内容に含まれているビットレート及びフレームレート等から、その設定内容に含まれているピクチャタイプの符号量の期待値を算出し、その符号量の期待値とH.264/AVCエンコードコア部12から出力されたビットストリーム(1つ前のピクチャの動画像圧縮データ)の符号量とに応じて、クロマQPオフセットを決定する処理を実施する。
なお、クロマQPオフセット決定部17はオフセット値決定手段を構成している。
図13において、ピクチャ平均符号量算出部17aは符号化設定情報が示す符号化の設定内容に含まれているビットレート及びフレームレート等から、その設定内容に含まれているピクチャタイプの符号量の期待値として、ピクチャ平均符号量を算出する処理を実施する。
クロマQPオフセット算出部17bはピクチャ平均符号量算出部17aにより算出されたピクチャ平均符号量と、H.264/AVCエンコードコア部12から出力されたビットストリーム(1つ前のピクチャの動画像圧縮データ)の符号量とを比較して、クロマQPオフセットを算出する処理を実施する。
ただし、上記実施の形態1と比較して、図3のクロマQPオフセット決定部11の代わりに、クロマQPオフセット決定部17が設けられた点以外は同様であるため、クロマQPオフセット決定部17の動作のみを説明する。
=((1+np+nb)×bit_rate)
/((wi+np・wp+nb)×frame_rate)
・ avg_code_per_PIC_P
=avg_code_per_PIC_B×wp
・ avg_code_per_PIC_I
=avg_code_per_PIC_B×wi
(2)
ただし、bit_rate:ビットレート(bits/sec)
frame_rate:フレームレート(frames/sec)
np:1GOPに含まれるPピクチャ数
nb:1GOPに含まれるBピクチャ数
wi,wp:I/P/B各ピクチャのピクチャ符号量期待値比
例えば、ビットストリームの符号量CVが、ピクチャ平均符号量avg_code_per_PIC_Xより一定値α1以上小さい場合、クロマQPオフセットの値を現ピクチャのクロマQPオフセットより小さい値に決定する。
CV+α1 < avg_code_per_PIC_X
→ クロマQPオフセットの値を小さくする
CV > avg_code_per_PIC_X+α2
→ クロマQPオフセットの値を大きくする
なお、ビットストリームの符号量CVが、ピクチャ平均符号量avg_code_per_PIC_Xより一定値α1以上小さくなく、ビットストリームの符号量CVが、ピクチャ平均符号量avg_code_per_PIC_Xより一定値α2以上大きくもない場合、クロマQPオフセットの値を現ピクチャのクロマQPオフセットと同じ値に決定する。
ただし、最初の符号化ピクチャのクロマQPオフセットについては、例えば、初期値として“0”を設定し、次の符号化ピクチャのクロマQPオフセットから、上記のように比較して決定する。
これに対して、この実施の形態5では、例えば、実際の発生符号量が小さい場合、符号量に余裕があることに鑑みて、クロマQPオフセットの値を現ピクチャのクロマQPオフセットより小さくしているので、次のピクチャの色差符号量を増やすことになる。その結果、次のピクチャの発生符号量の期待値がピクチャ平均符号量に近づくようになる。
逆に、実際の発生符号量が大きい場合、符号量に余裕がないことに鑑みて、クロマQPオフセットの値を現ピクチャのクロマQPオフセットより大きくしているので、次のピクチャの色差符号量を減らすことになる。その結果、次のピクチャの発生符号量の期待値がピクチャ平均符号量に近づくようになる。
図14はこの発明の実施の形態6による動画像符号化装置1を示す構成図であり、図において、図3及び図10と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
クロマQPオフセット決定部18は符号化設定情報が示す符号化の設定内容に含まれているビットレート、フレームレート及び画像解像度からマクロブロック平均符号量avg_code_per_MBを算出するとともに、その設定内容に含まれているビットレート及びフレームレート等から、その設定内容に含まれているピクチャタイプのピクチャ平均符号量avg_code_per_PIC_Xを算出し、そのマクロブロック平均符号量avg_code_per_MB、そのピクチャ平均符号量avg_code_per_PIC_X、その設定内容に含まれている符号化モード情報(画質重視であるのか、動き重視であるのかを示す情報)、シーンチェンジ検出部15から出力されたシーンチェンジ情報及びH.264/AVCエンコードコア部12から出力されたビットストリーム(1つ前のピクチャの動画像圧縮データ)の符号量に応じて、クロマQPオフセットを決定する処理を実施する。
なお、クロマQPオフセット決定部18はオフセット値決定手段を構成している。
クロマQPオフセット算出部18aはマクロブロック平均符号量算出部11aにより算出されたピクチャ平均符号量avg_code_per_MB、ピクチャ平均符号量算出部17aにより算出されたピクチャ平均符号量avg_code_per_PIC_X、符号化モード情報(画質重視であるのか、動き重視であるのかを示す情報)、シーンチェンジ検出部15から出力されたシーンチェンジ情報及びH.264/AVCエンコードコア部12から出力されたビットストリーム(1つ前のピクチャの動画像圧縮データ)の符号量に応じて、クロマQPオフセットを算出する処理を実施する。
クロマQPオフセット決定部18におけるクロマQPオフセット算出部18aの処理は、下記のステップ1〜3で構成されている。
ステップ1:クロマQPオフセットのベース値CQPOFF1の算出処理
ステップ2:クロマQPオフセットのピクチャタイプ依存変動幅CQPOFF2の算出
処理
ステップ3:クロマQPオフセットのピクチャタイプ更新幅CQPOFF3の算出処理
[ステップ1]
ステップ1の処理は、外部から符号化設定情報が与えられたとき1回だけ実行される。
まず、クロマQPオフセット算出部18aは、クロマQPオフセットのピクチャタイプ更新幅CQPOFF3を“0”に初期化する。
次に、クロマQPオフセット算出部18aは、マクロブロック平均符号量算出部11aにより算出されたピクチャ平均符号量avg_code_per_MBに対する閾値処理を実施することで、マクロブロック平均符号量avg_code_per_MBが小さい場合には、大きな値のクロマQPオフセットのベース値CQPOFF1を算出し、マクロブロック平均符号量avg_code_per_MBが大きい場合には、小さな値のクロマQPオフセットのベース値CQPOFF1を算出する。
ただし、クロマQPオフセット算出部18aは、画質重視の場合、色差を軽視しないようにするために、符号化モード情報(画質重視/動き重視)を加味して、クロマQPオフセットのベース値CQPOFF1を算出する。
図16の例では、画質重視の場合、マクロブロック平均符号量avg_code_per_MBが閾値Th3未満であれば、クロマQPオフセットのベース値CQPOFF1を“0”に決定する。
また、マクロブロック平均符号量avg_code_per_MBが閾値Th3以上であるが、閾値Th4未満であれば、クロマQPオフセットのベース値CQPOFF1を“−6”に決定し、マクロブロック平均符号量avg_code_per_MBが閾値Th4以上であれば、クロマQPオフセットのベース値CQPOFF1を“−12”に決定する。
マクロブロック平均符号量avg_code_per_MBが閾値Th1以上であるが、閾値Th2未満であれば、クロマQPオフセットのベース値CQPOFF1を“+6”に決定する。
同様に、マクロブロック平均符号量avg_code_per_MBが閾値Th2以上であるが、閾値Th3未満であれば、クロマQPオフセットのベース値CQPOFF1を“0”に決定し、マクロブロック平均符号量avg_code_per_MBが閾値Th3以上であるが、閾値Th4未満であれば、クロマQPオフセットのベース値CQPOFF1を“−6”に決定する。
マクロブロック平均符号量avg_code_per_MBが閾値Th4以上であれば、クロマQPオフセットのベース値CQPOFF1を“−12”に決定する。
また、符号化モード情報が、画質重視であるのか、動き重視であるのかを示す情報であるものについて示したが、「画質重視」と「動き重視」の2段階ではなく、例えば、「やや画質重視」や「やや動き重視」などを含めて、数多くの段階に分ける符号化モード情報を入力して、クロマQPオフセットのベース値CQPOFF1をきめ細かく決定するようにしてもよい。
ステップ2の処理は、ステップ1の処理の後、各ピクチャの符号化前に1回実行される。
クロマQPオフセット算出部18aは、シーンチェンジ検出部15から出力されたシーンチェンジ情報と、符号化ピクチャタイプと、符号化モード情報(画質重視/動き重視)とに応じて、クロマQPオフセットのピクチャタイプ依存変動幅CQPOFF2を算出する。
図17はクロマQPオフセット算出部18aにおけるピクチャタイプ依存変動幅CQPOFF2の算出処理の一例を示す説明図である。
シーンチェンジなしの場合、動き重視であれば、上記実施の形態2と同様の考え方であり、符号化ピクチャタイプがIピクチャであれば、ピクチャタイプ依存変動幅CQPOFF2を“0”、符号化ピクチャタイプがPピクチャ又は参照Bピクチャであれば、ピクチャタイプ依存変動幅CQPOFF2を“+6”、符号化ピクチャタイプが非参照Bピクチャであれば、ピクチャタイプ依存変動幅CQPOFF2を“+12”に決定する。
画質重視であれば、色差を軽視しないようにするために、符号化ピクチャタイプにかかわらず、ピクチャタイプ依存変動幅CQPOFF2を一律に“0”に決定する。
画質重視であれば、シーンチェンジと言えども、ピクチャタイプによるクロマQPオフセットの変動幅をできるだけ抑えて、色差を軽視しないようにするため、Iピクチャ、Pピクチャ又は参照Bピクチャであれば、ピクチャタイプ依存変動幅CQPOFF2を“0”、符号化ピクチャタイプが非参照Bピクチャであれば、ピクチャタイプ依存変動幅CQPOFF2を“+6”に決定する。
ステップ3の処理は、ステップ2の処理の後(各ピクチャの符号化後)に1回実行され、その後、ステップ2の処理に戻る。
クロマQPオフセット算出部18aは、ピクチャ平均符号量算出部17aにより算出されたピクチャ平均符号量avg_code_per_PIC_Xと、H.264/AVCエンコードコア部12から出力されたビットストリーム(1つ前のピクチャの動画像圧縮データ)の符号量とに応じて、クロマQPオフセットのピクチャタイプ更新幅CQPOFF3を決定する。
例えば、ビットストリームの符号量CVが、ピクチャ平均符号量avg_code_per_PIC_Xより一定値α3以上小さい場合、ピクチャタイプ更新幅CQPOFF3を現ピクチャのピクチャタイプ更新幅CQPOFF3より小さい値に決定する。
CV+α3 < avg_code_per_PIC_X
→ CQPOFF3=CQPOFF3−1
CV > avg_code_per_PIC_X+α4
→ CQPOFF3=CQPOFF3+1
なお、ビットストリームの符号量CVが、ピクチャ平均符号量avg_code_per_PIC_Xより一定値α3以上小さくなく、ビットストリームの符号量CVが、ピクチャ平均符号量avg_code_per_PIC_Xより一定値α4以上大きくもない場合、ピクチャタイプ更新幅CQPOFF3を現ピクチャのピクチャタイプ更新幅CQPOFF3と同じ値に決定する。
Claims (3)
- ディジタル映像信号の各ピクチャを所定の単位領域に分割し、単位領域毎に圧縮符号化を実施して、外部から与えられる符号化の設定内容を満足するビットストリームを出力する圧縮符号化手段を備えた動画像符号化装置において、上記符号化の設定内容に含まれている符号化のモード情報である画質と動きのいずれを重視するかを示す情報に応じてオフセット値を決定するオフセット値決定手段を設け、上記圧縮符号化手段が単位領域毎に圧縮符号化を実施する際、上記オフセット値決定手段により決定されたオフセット値に応じて、上記輝度信号及び上記色差信号に割り当てる符号量を設定することを特徴とする動画像符号化装置。
- ディジタル映像信号の各ピクチャを所定の単位領域に分割し、単位領域毎に圧縮符号化を実施して、外部から与えられる符号化の設定内容を満足するビットストリームを出力する圧縮符号化手段を備えた動画像符号化装置において、上記符号化の設定内容に含まれているピクチャタイプと、外部から与えられるシーンチェンジの有無を示すシーンチェンジ情報とに応じてオフセット値を決定するオフセット値決定手段を設け、上記圧縮符号化手段が単位領域毎に圧縮符号化を実施する際、上記オフセット値決定手段により決定されたオフセット値に応じて、上記輝度信号及び上記色差信号に割り当てる符号量を設定することを特徴とする動画像符号化装置。
- ディジタル映像信号の各ピクチャを所定の単位領域に分割し、単位領域毎に圧縮符号化を実施して、外部から与えられる符号化の設定内容を満足するビットストリームを出力する圧縮符号化手段を備えた動画像符号化装置において、上記符号化の設定内容に含まれているビットレート、フレームレート及び解像度から単位領域当りの符号量の期待値を算出するとともに、上記設定内容に含まれているビットレート及びフレームレートから、上記設定内容に含まれているピクチャタイプの符号量の期待値を算出し、上記単位領域当りの符号量の期待値、上記ピクチャタイプの符号量の期待値、上記設定内容に含まれている符号化のモード情報である画質と動きのいずれを重視するかを示す情報、外部から与えられるシーンチェンジの有無を示すシーンチェンジ情報及び圧縮符号化手段から出力されたビットストリームの符号量に応じて、オフセット値を決定するオフセット値決定手段を設け、上記圧縮符号化手段が単位領域毎に圧縮符号化を実施する際、上記オフセット値決定手段により決定されたオフセット値に応じて、上記輝度信号及び上記色差信号に割り当てる符号量を設定することを特徴とする動画像符号化装置。
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