JP5090284B2 - 粉末射出成形体用バインダーおよび粉末射出成形体の脱脂方法 - Google Patents
粉末射出成形体用バインダーおよび粉末射出成形体の脱脂方法 Download PDFInfo
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また、溶解法では、有機溶剤を用いて粉末射出成形体から有機バインダーを抽出する方法や、超臨界流体を用いる方法が知られている。有機溶剤を用いる方法では、熱分解法に比べて処理時間の大幅な短縮が可能であるが、しかし、有機溶剤を使用するため、安全面、環境面からの制約を受ける等で問題を残している。
(1)超臨界流体を用いて脱脂を行う粉末射出成形体用のバインダーであって、ワックス成分および/または潤滑性付与成分とプラスチックス成分と植物油の合計量100体積%に対し、前記ワックス成分をパラフィンワックスまたはマイクロクリスタリンワックスとし、前記潤滑性付与成分をステアリン酸またはステアリン酸ステアリルとし、該ワックス成分および/または潤滑性付与成分を30〜45体積%と、前記プラスチックス成分をポリプロピレン、ポリエチレンのいずれかとし該プラスチックス成分を30〜50体積%と、前記植物油がひまし油と、落花生油、オリーブ油、サラダ油のうちから選ばれた1種とからなり該植物油を5〜40体積%と、を配合することを特徴とする粉末射出成形体用バインダー。
(3)(2)において、前記界面活性付与成分が、脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールのいずれかであることを特徴とする粉末射出成形体用バインダー。
(4)(1)ないし(3)のいずれかにおいて、前記粉末射出成形体用が、金属粉末射出成形体用であることを特徴とする粉末射出成形体用バインダー。
(7)(6)において、前記吸着剤が、活性炭であることを特徴とする粉末射出成形体の脱脂方法。
(8)(5)ないし(7)のいずれかにおいて、前記粉末射出成形体が、金属粉末射出成形体であることを特徴とする粉末射出成形体の脱脂方法。
本発明のバインダーは、ワックス成分および/または潤滑性付与成分と、プラスチックス成分とさらに植物油とを配合したバインダーである。
なお、ワックス成分の全部に代えて、潤滑性付与成分を配合する場合は、潤滑性付与成分とプラスチックス成分と植物油の合計量100体積%に対し、全量ワックス成分配合の場合と同様に、潤滑性付与成分を、30〜45体積%の範囲に限定した。潤滑性付与成分が30%未満では、射出成形時に流動性が低下し、成形体の充填不足等の欠陥が生じる。一方、45%を超えると、プラスチックス成分の配合量が少なくなり、脱脂処理後の成形体の強度が低下し、成形体の変形や、ハンドリング時の破損等の不具合が生じる。このようなことから、潤滑性付与成分の配合量を、潤滑性付与成分とプラスチックス成分と植物油の合計量100体積%に対し、30〜45体積%の範囲に限定した。
配合するプラスチックス成分は、超臨界流体に溶解度が低く、脱脂処理時に溶出せず、射出成形体内に残留して、成形体の強度を確保できるものであればよいが、ポリプロピレンまたはポリエチレンとすることが成形性と製造コストの観点から好ましい。
まず、金属または合金の粉末、あるいはセラミックスの粉末を原料粉末とする。そして、上記した配合となるように調整されたバインダー用原料をミキサー等で、100〜200℃の温度で溶融撹拌し、混合しバインダーとする。
混練工程では、これらバインダーと、原料粉末と混合し、好ましくは100〜200℃の温度で混練して、射出成形用コンパウンドとする。また、粉砕工程では、該コンパウンドを冷却固化したのち、粉砕機で粉砕する。なお、粉砕されたコンパウンドは、必要に応じてペレタイザーによりペレットとしてもよい。また、成形工程では、粉砕されたコンパウンドを金属粉末射出成形機のホッパー内に投入し、好ましくはシリンダ温度:100〜200℃で可塑化したのち、所定の圧力で所定形状の金型に射出成形し、粉末射出成形体とする。
脱脂媒体を超臨界二酸化炭素とする、粉末射出成形体の脱脂処理に好適な、脱脂装置の一例を図2に示す。図2に示す脱脂装置を用いて、本発明のバインダーを用いて得られた粉末射出成形体の脱脂処理を行う場合を例にして、粉末射出成形体の脱脂方法について説明する。
(実施例1)
低炭素鋼粉(質量%で、0.28%C−0.25%Si−0.70%Mn−1.00%Cr−0.22%Mo−残部Feおよび不可避的不純物)を原料粉末として用いた。また、表1に示す配合のバインダー用原料を混合し、100〜200℃の温度で溶融撹拌して、各種バインダーとした。原料粉末と各種バインダーとを混合し、100〜200℃の温度で混練する混練工程により、射出成形用コンパウンドとした。そして、これらコンパウンドは、冷却固化されたのち、粉砕機で粉砕する粉砕工程と、粉砕されたコンパウンドを粉末射出成形機のホッパー内に供給し、シリンダ温度:100〜200℃で可塑化したのち、所定の圧力(90MPa)で所定形状の金型に射出する成形工程により、図3に示す形状の金属射出成形体(試験片)とした。
つぎに、得られた金属射出成形体を、図2に示す脱脂装置を用いて超臨界二酸化炭素を脱脂媒体とする脱脂処理を行った。なお、脱脂条件は、圧力:25MPa、温度:65℃、時間:6hとし、抽出されたバインダーの吸着剤として活性炭を用いた。なお、従来例として、一部の粉末射出成形体については、溶剤(塩化メチレン)による脱脂処理(時間:8h)を行った。
また、脱脂処理後の粉末射出成形体(試験片)について、保形性を確認した。保形性は、脱脂処理後の試験片を、ハイトケージ機で測定し、図4に示すように、基準面に対する変形量を測定した。変形量が0.3mm未満の場合を○、0.3mm以上の場合を×として評価した。
また、ワックス成分の配合の少ないバインダーNo.22(比較例)では、ウェルドラインが発生し、成形性が低下している。また、プラスチックス成分の配合が多いバインダーNo.24(比較例)では、ウェルドラインが発生し、成形性が低下し、さらにプラスチックス成分が多いことによる、バインダ起因の残留C量が多くなっている。また、界面活性付与成分が本発明範囲を外れるバインダーNo.29(比較例)では、さらに界面活性付与成分が過多となり、バインダ起因の残留C量が多くなっている。
(実施例2)
低炭素鋼粉(質量%で、0.28%C−0.25%Si−0.70%Mn−1.00%Cr−0.22%Mo−残部Feおよび不可避的不純物)を原料粉末とし、原料粉末と表1に配合量のバインダーNo.1と用い、実施例1と同様の条件の混練工程、成形工程を経て、図3に示す形状の金属粉末射出成形体(試験片)とした。
得られた結果を表3に示す。
2 高圧液体ポンプ
3 冷却装置
4 抽出容器
5 加熱ヒータ
6 保持容器
7 減圧バルブ
8 流量計
Claims (8)
- 超臨界流体を用いて脱脂を行う粉末射出成形体用のバインダーであって、ワックス成分および/または潤滑性付与成分とプラスチックス成分と植物油の合計量100体積%に対し、前記ワックス成分をパラフィンワックスまたはマイクロクリスタリンワックスとし、前記潤滑性付与成分をステアリン酸またはステアリン酸ステアリルとし、該ワックス成分および/または潤滑性付与成分を30〜45体積%と、前記プラスチックス成分をポリプロピレン、ポリエチレンのいずれかとし該プラスチックス成分を30〜50体積%と、前記植物油がひまし油と、落花生油、オリーブ油、サラダ油のうちから選ばれた1種とからなり該植物油を5〜40体積%と、を配合することを特徴とする粉末射出成形体用バインダー。
- 前記植物油の一部に代えて、界面活性付与成分を、0.1〜5体積%配合することを特徴とする請求項1に記載の粉末射出成形体用バインダー。
- 前記界面活性付与成分が、脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールのいずれかであることを特徴とする請求項2に記載の粉末射出成形体用バインダー。
- 前記粉末射出成形体用が、金属粉末射出成形体用であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の粉末射出成形体用バインダー。
- 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の粉末射出成形体用バインダーを使用して得られた粉末射出成形体の脱脂処理を行う粉末射出成形体の脱脂方法であって、前記脱脂処理が、脱脂媒体として超臨界二酸化炭素を使用し、圧力:10〜30MPa、温度:35〜80℃で行い、前記粉末射出成形体からバインダーの一部の成分を前記脱脂媒体中に抽出する処理とすることを特徴とする粉末射出成形体の脱脂方法。
- 前記脱脂媒体から抽出された成分を、吸着剤を用いて吸着し、分離することを特徴とする請求項5に記載の粉末射出成形体の脱脂方法。
- 前記吸着剤が、活性炭であることを特徴とする請求項6に記載の粉末射出成形体の脱脂方法。
- 前記粉末射出成形体が、金属粉末射出成形体であることを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載の粉末射出成形体の脱脂方法。
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