JP5089518B2 - 補修塗装方法 - Google Patents

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Description

本発明は、被塗物、例えば、自動車ボディー外板の塗装における中塗塗膜の補修工程を含む光輝性複合塗膜の形成方法に関する。特に、本発明は、被塗物上に設けられた、電着塗膜、L値が70〜95になるように調整された白色系中塗塗膜、パール顔料を含有するベースコート塗膜及びクリヤコート塗膜からなる複層塗膜における中塗塗膜の補修方法に関する。
自動車生産ラインにおける光輝性複合塗膜の形成は、一般に、電着塗膜及び中塗塗膜を形成せしめ、焼付乾燥後、光輝性ベース塗膜及び上塗クリヤ塗膜をウェット・オン・ウェット方式で塗装することにより行なわれる。ウェット・オン・ウェット方式は、未加熱乾燥状態の塗膜上に次工程で使用する塗料を塗布して未加熱乾燥状態の複合塗膜を形成する塗膜形成方法である。この自動車生産ラインにおいて、中塗塗膜に付着した塵埃を除去する必要が生じたり、タレ、ピンホール、くぼみ等の塗装欠陥が生じた場合には、その部分の塗膜の補修作業が必要となる。
具体的には、例えば、中塗塗膜に対してサンディング処理を施して研ぎだし部を形成せしめ、その研ぎだし部に補修用塗料を塗布して補修を行った後、ベース塗膜及びクリヤ塗膜を形成させる。
補修は、通常、手吹きエアスプレー等のスプレー塗装で行われるが、このようにして補修された補修部分の塗膜は、当然のことながら非補修部分の塗膜と同一の外観を呈することが要求される。
上記の補修部分では、補修用塗料塗膜、ベース塗膜及びクリヤ塗膜の三層塗膜となり、三層の混層が発生して、塗装面が不均一となって、塗面平滑性が不良となり、仕上り外観が不良となるという問題があった。特に、ベースコート塗膜が水性である場合、この不具合が顕著となる傾向がある。
また、光輝性顔料を含有するベース塗膜において、塗膜中での光輝性顔料の配向状態が、静電塗装により塗装された非補修部分と手吹きエアスプレー等により塗装された補修部分で異なるため、補修部分の塗膜において、非補修部分の塗膜と同一の外観が得られず、色相がずれること等により異なる外観を呈するという問題があった。
中塗塗膜の補修工程を含む光輝性複合塗膜の補修塗装方法に関し、上記配向状態の違いによる外観の差異を解決しようとするものとして、光輝性ベース塗料から顔料の全部または光輝性顔料を除いた塗料を用い、焼付乾燥せずに補修用塗膜を形成せしめ;次に、補修用塗膜上及び非補修部分の中塗り塗膜上に、光輝性ベース塗膜等を形成せしめるという塗膜補修方法が提案されている(特許文献1)。
しかしながら、上記の方法は、光輝性ベース塗料が水性の場合には適しておらず、また、光輝性ベース塗料が水性である場合においては補修用塗料塗膜、ベース塗膜及びクリヤ塗膜の三層塗膜の混層による仕上り外観不良という問題を解消することができない。
特開2002−239454号公報
本発明の目的は、被塗物に形成された、電着塗膜、L値が70〜95になるように調整された白色系中塗塗膜、パール顔料を含有する水性ベースコート塗膜及びクリヤコート塗膜からなる複層塗膜における中塗塗膜を、補修工程におけるウェット・オン・ウェット塗装での混層による仕上り外観の不具合を生じることがなく、且つまた、補修部分と非補修部分におけるベースコート塗膜中の光輝性顔料の配向状態の違いによる外観の差異が生じることがなく、同一の外観を呈するように補修することができる補修塗装方法を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、今回、被塗物に、電着塗膜、L値が70〜95になるように調整された白色系中塗塗膜、パール顔料を含有する水性ベースコート塗膜及びクリヤコート塗膜からなる複層塗膜を形成せしめる塗装ラインにおける中塗塗膜形成工程で中塗塗膜に生じる欠陥を補修塗装するにあたり、ケイ素含有無機系増粘剤及び水に易溶性の高沸点の溶剤を特定量含有する、中塗塗膜と同等の白色度の溶剤型補修塗料を補修部分に塗装し、次いでパール顔料を含有する水性ベースコート塗料塗装し、さらに該水性ベースコート塗料塗膜上に溶剤型クリヤコート塗料を塗装し、上記三層塗膜を同時に加熱硬化せしめて複層塗膜を形成せしめることにより、上記の目的を達成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして、本発明は、
隠蔽膜厚以上の膜厚で塗装したときにCIE等色関数に基づく白色度のL値が70〜95の範囲内の塗膜を形成し得る中塗塗料を用いて、電着塗膜(A)上に形成されたL値が70〜95の中塗塗膜(B)を、
隠蔽膜厚以上の膜厚で塗装したときにCIE等色関数に基づく白色度のL値が70〜95の範囲内の塗膜を形成し得る溶剤型補修塗料(C)により補修塗装し、
次いで、パール顔料を含有する水性ベースコート塗料(D)を膜厚5〜15μmで塗装し、
さらに、水性ベースコート塗料(D)塗膜上に溶剤型クリヤコート塗料(E)を塗装し、
塗料(C)、(D)及び(E)の塗膜を同時に加熱硬化せしめる
ことにより複層塗膜を形成する方法であって、
補修塗料(C)が、補修塗料(C)中の樹脂固形分総量を基準にして、ケイ素含有無機系増粘剤を0.5〜3質量%及び水に易溶性の沸点200℃以上の溶剤を5〜60質量%含有することを特徴とする補修塗装方法を提供するものである。
本発明の補修塗装方法によれば、中塗補修部の焼付乾燥を非補修部の上塗塗膜(水性ベースコート塗膜及び溶剤型クリヤコート塗膜)の焼付乾燥と同時に行なうことが可能となるので、補修塗装工程での焼付工程を削減することができる。
本発明の補修塗装方法において使用される溶剤型補修塗料はケイ素含有無機系増粘剤を含有していることにより、補修塗料の膨潤が抑制され、その結果、補修用塗料塗膜、ベース塗膜及びクリヤ塗膜の三層塗膜の混層を抑制することができるため、補修部の三層塗膜の混層による仕上り外観の低下が発生することがなく、補修部においても良好な仕上り外観を得ることができる。
また、本発明の補修塗装方法において使用される溶剤型補修塗料は水に易溶性の高沸点溶剤を含有することにより、水性ベース塗膜と補修塗料塗膜との親和性が向上し、補修部分と非補修部分とのパール顔料の配向状態の差異を軽減させることができるため、補修部
と非補修部が違和感なく同一の外観を呈するという効果を奏することができる。
以下、本発明の補修塗装方法(以下、「本方法」ということがある)についてさらに詳細に説明する。
発明を実施するための形態
被塗物:
本方法により補修塗装し得る被塗物は、特に限定されるものではないが、例えば、自動車、二輪車、コンテナ等の各種車両の車体であるのが好ましい。また、これら車体に加工するための、例えば、冷延鋼板、亜鉛メッキ鋼板、亜鉛合金メッキ鋼板、ステンレス鋼板、錫メッキ鋼板などの鋼板、アルミニウム板、アルミニウム合金板などの金属基材;各種プラスチック素材などであってもよい。また、該被塗物は、上記車体や金属基材の金属表面に、リン酸塩処理、クロメート処理、複合酸化物処理などの表面処理が施されたものであってもよい。
電着塗膜(A):
本方法において、上記被塗物に適用される電着塗膜は、特に限定されるものではなく、それ自体既知の任意の電着塗料から形成される電着塗膜であることができる。
使用し得る電着塗料としては、カチオン型樹脂系のものであっても、アニオン型樹脂系のものであってもよく、また、水溶性型であっても分散型であってもよい。自動車塗装においては、現在、防食性等の観点から、カチオン型樹脂系のものが一般的であり、本方法においてもカチオン型のものを好適に使用することができる。
カチオン型樹脂系電着塗料としては、具体的には例えば、水酸基及びカチオン性基を有する基体樹脂とブロックポリイソシアネ−ト化合物とを含有するカチオン電着塗料を挙げることができる。
上記基体樹脂において、水酸基はブロックポリイソシアネ−ト化合物との架橋反応に関与し、カチオン性基は安定な水分散液を形成させるためのものであり、基体樹脂として、例えばつぎのものを挙げることができる。
(i):ポリエポキシ樹脂とカチオン化剤との反応生成物。
(ii):ポリカルボン酸とポリアミンとの重縮合物(米国特許第2450940号明細書参照)を酸でプロトン化したもの。
(iii):ポリイソシアネ−ト化合物及びポリオ−ルとモノ又はポリアミンとの重付加物を酸でプロトン化したもの。
(iv):水酸基及びアミノ基含有アクリル系またはビニル系モノマ−の共重合体を酸でプロトン化したもの(特公昭45−12395号公報、特公昭45−12396号公報参照)。
(v):ポリカルボン酸樹脂とアルキレンイミンとの付加物を酸でプロトン化したもの(米国特許第3403088号明細書参照)。
これらのカチオン性樹脂の具体例及び製造方法については、例えば、特公昭45−12395号公報、特公昭45−12396号公報、特公昭49−23087号公報、米国特許第2450940号明細書、米国特許第3403088号明細書、米国特許第3891529号明細書、米国特許第3963663号明細書などに記載されているので、ここではこれらの引用を以って詳細な説明に代える。
また、上記架橋剤として使用されるブロックポリイソシアネート化合物としては、特に制限されることなく、ブロック剤によりイソシアネート基がブロックされた通常の既知のブロックポリイソシアネート化合物を使用することができる。
カチオン型樹脂系電着塗料において、基体樹脂とブロックポリイソシアネ−ト化合物との構成比率は、特に制限されないが、該両成分の合計固形分重量に基づいて、基体樹脂は一般に40〜90%、特に50〜80%の範囲内、そしてブロックポリイソシアネ−ト化合物は一般に60〜10%、特に50〜20%の範囲内が好ましい。
カチオン型樹脂系電着塗料は、基体樹脂中のカチオン性基を酢酸、ギ酸、乳酸、りん酸などの酸性化合物で中和し、ブロックポリイソシアネ−ト化合物と共に水に分散混合することにより製造することができ、その水分散液は通常3〜9、特に5〜7の範囲内のpHを有することが好ましく、樹脂固形分濃度は通常5〜30重量%、特に10〜25重量%の範囲内が適している。
電着塗装は、電着塗料がカチオン型樹脂系塗料である場合には、被塗物をカソードとし、別にアノードを設けて電気析出させることによる公知の方法によって行うことができ、また、アニオン型樹脂系塗料の場合には、カチオン型樹脂系塗料の場合と電極を反対に、被塗物をアノードとし、別にカソードを設けて電気析出させることにより行なうことができる。より具体的には例えば、カチオン型樹脂系塗料の場合、被塗物をカソ−ド、炭素板をアノ−ドとし、浴温20〜35℃、電圧100〜400V、電流密度0.01〜5A、通電時間1〜10分で行うことができる。電着塗装は、加熱硬化後の塗装膜厚が通常10〜40μm、好ましくは15〜30μmの範囲内となるようにして行うことができる。加熱硬化は通常約140℃〜2約10℃の温度で10〜40分間程度加熱することにより行なうことができる。
本方法では、かくして形成される電着塗膜(A)上に中塗塗膜(B)が形成される。中塗塗料は未硬化の電着塗膜(A)上塗装することもできるが、通常、電着塗膜(A)を硬化させてから塗装することが好ましい。
中塗塗膜(B):
電着塗膜(A)上に塗装される中塗塗料は、本方法により形成される複層塗膜の平滑性、鮮映性、光沢などを向上させるために塗装されるものであり、本方法においては、隠蔽膜厚以上の膜厚で塗装したときにCIE等色関数に基づく白色度のL値が70〜95、好ましくは80〜93、さらに好ましくは85〜92の範囲内にある白色系塗膜を形成するように調整されたものが使用される。中塗塗料は、該L値が上記範囲内にある塗膜を形成することができるものであれば、特に限定されず、それ自体既知の中塗塗料を使用することができる。
上記条件を満たす中塗塗料としては、例えば、樹脂成分、溶媒及びチタン白顔料を含有し、さらに必要に応じて、他の着色顔料、体質顔料、その他の塗料用添加剤などを配合してなる熱硬化性塗料を好適に使用することができる。
上記樹脂成分としては、熱硬化性樹脂組成物が好ましく、具体的には例えば、水酸基などの架橋性官能基を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂などの基体樹脂と、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリイソシアネ−ト化合物(ブロック体も含む)などの架橋剤とを併用したものを挙げることができる。中塗塗料は、これら成分を溶媒(有機溶剤及び/又は水)に溶解または分散することにより調製することができる。
上記チタン白顔料は、二酸化チタンを主成分とする白色顔料であり、一般に、その粒径が0.2〜0.35μm、特に0.25〜0.30μmの範囲内にあるものが好ましい。
中塗塗膜(B)は、加熱硬化せしめた又は未硬化の電着塗膜(A)上に、上記の如く調整された中塗塗料を隠蔽膜厚以上の硬化塗膜に基づく膜厚でL値が70〜95となるよう塗装し、加熱硬化することにより形成させることができる。
本明細書において、「隠蔽膜厚」とは、JIS K5600−4−1の4.1.2に規定される白黒の市松模様の隠蔽率試験紙を、軟鋼板に貼り付けた後、膜厚が連続的に変わるように塗料を傾斜塗りし、乾燥又は硬化させた後、拡散昼光の下で塗面を目視で観察し、隠蔽率試験紙の市松模様の白黒の境界が見えなくなる最小の膜厚を電磁式膜厚計で測定した値である。
本方法で使用される中塗塗料は、隠蔽膜厚が一般に45μm以下、特に20〜35μm、さらに特に25〜30μmの範囲内であることが好ましい。
中塗塗料の隠蔽膜厚は、例えば、顔料濃度及び使用する顔料の種類を選択することにより調整することができる。隠蔽膜厚以上の膜厚で塗装したときにCIE等色関数に基づく白色度のL値が70〜95の範囲内にある塗膜を形成する中塗塗料と調製するためには、例えば、チタン白顔料を使用する場合、中塗塗料の樹脂成分の固形分100質量部あたり通常50〜200質量部、特に80〜150質量部、さらに特に80〜120質量部の範囲内になるような割合で使用することが好ましい。
中塗塗膜の厚さは、硬化塗膜に基いて、一般に10〜60μm、特に20〜40μmの範囲内であることが好ましく、中塗塗膜は通常約100〜約170℃の温度で20〜40分間程度加熱することにより架橋硬化させることができる。
中塗塗料の塗装方法は、特に限定されるものではなく、常法により行なうことができ、例えば、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、回転霧化塗装、カーテンコート塗装などが挙げることができる。これらの塗装方法は、必要に応じて、静電印加してもよい。この中でも特に静電印加による回転霧化塗装が好ましい。また、塗装は所望の膜厚となるように1回ないし数回に分けて行うことができる。
上記のようにしてL値が70〜95の範囲内の白色度に調整された中塗塗膜(B)が形成され、この中塗塗膜(B)の塗面上に、次いでパール顔料を含有する水性ベースコート塗料(D)が塗装され、それによってホワイトパール調の真珠光沢感などのすぐれた複層塗膜を形成せしめることができる。
中塗塗膜(B)のL値が70〜95の範囲から逸脱すると、形成される複層塗膜の色味安定性や高白度真珠光沢感などが低下するので好ましくない。
本発明の補修塗装方法は、電着塗膜(A)上に形成された加熱硬化後のL値が70〜95の範囲内にある中塗塗膜(B)中に生じたゴミ、ブツなどによる塗装欠陥部分を、パール顔料を含有する水性ベースコート塗料(D)の塗装を行なう前に、研磨により除去し、その部分に中塗塗膜と同等の白色度の塗膜を形成する溶剤型補修塗料(C)を塗装し、補修することを特徴とするものである。
中塗塗膜(B)のゴミ、ブツなどによる塗装欠陥部分の除去は、研磨紙または研磨布を手動により、またはこれらを器具に取り付けたもの(サンダー)を使用して、塗膜を研削することによって行うことができる。具体的には、例えば、まず、#400〜600程度の比較的粗い粒子の研磨材を含む研磨紙または研磨布を使用して塗装欠陥部分を研削・除去し、ついで#1000〜1500程度の細かい粒径の研磨材を含む研磨紙または研磨布を使用して研削表面を平滑にすることが、複層塗膜の仕上り外観を良好にするために好ま
しい。そして、研削によって生じる塗膜の粉などを除去するために、ガソリンなどの有機溶剤で塗面を拭き、それにより同時に脱脂しておくことが好ましい。この研削は、中塗塗膜(B)のうち上記の塗装欠陥部分とその周辺部のみで行う、いわゆるスポット的な範囲で行なうことができ、あるいは中塗塗膜全体を研磨することもできる。
また、研削する深さは、ゴミ、ブツの大きさ、程度などによって適宜選択することができるが、通常50μm以内、特に10〜30μm程度であることが好ましい。この研削は、中塗塗膜(B)のみならず、その下層の電着塗膜(A)にまで及ぶことがある。
本方法では、中塗塗膜(B)の塗装欠陥部分の除去及び養生を行なった後、塗装欠陥部分に溶剤型補修塗料(C)が塗装される。
溶剤型補修塗料(C):
本発明における溶剤型補修塗料(C)は、ゴミ、ブツなどの塗装欠陥部分を除去するために研削された中塗塗膜(B)の研削部分に塗装される塗料であり、隠蔽膜厚以上の膜厚で塗装したときにCIE等色関数に基づく白色度のL値が70〜95の範囲内の塗膜を形成するよう調整された塗料である。
溶剤型補修塗料(C)は、塗装時において、補修塗料(C)中の樹脂固形分総量を基準にして、ケイ素含有無機系増粘剤を0.5〜3質量%含有し、且つ水に易溶性の沸点200℃以上の溶剤を5〜60質量%含有することが必要である。
上記条件を満たす溶剤型補修塗料としては、例えば、樹脂成分、チタン白顔料、ケイ素含有無機系増粘剤及び水に易溶性の沸点200℃以上の溶剤を含んでなり、必要に応じて、さらに、他の着色顔料、体質顔料、その他の塗料用添加剤などを配合してなる熱硬化性塗料を好適に使用することができる。
上記樹脂成分としては熱硬化性樹脂組成物が好ましく、具体的には例えば、水酸基などの架橋性官能基を有するポリエステル樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂などの基体樹脂、特にポリエステル樹脂またはアクリル樹脂と、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリイソシアネート化合物(ブロック体も含む)などの架橋剤とを併用したものを挙げることができる。これら基体樹脂及び架橋剤はそれぞれ単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記ポリエステル樹脂としては、通常、多塩基酸と多価アルコールとをエステル化反応させることによって製造されるものを使用することができる。多塩基酸は、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する化合物であり、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘット酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸及びこれらの無水物などを挙げることができる。多価アルコールは、1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物であり、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、水素化ビスフェノールA、トリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトーなどを挙げることができる。
また、ポリエステル樹脂として、あまに油脂肪酸、やし油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ゴマ油脂肪酸、エノ油脂肪酸、麻油脂肪酸、トール油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸などの(半)乾性油脂肪酸などで変性した脂肪酸変性ポリエステル樹脂も使用することができる。これらの脂肪酸の変性量は一般に油長で30重量%以下であることが
適している。また、安息香酸などの一塩基酸を一部反応させたものであってもよい。
ポリエステル樹脂は一般に1000〜50000、特に2000〜20000の範囲内の数平均分子量、一般に20〜200mgKOH/g、特に50〜150mgKOH/gの範囲内の水酸基価、及び一般に0〜100mgKOH/g、特に0〜70mgKOH/gの範囲内の酸価を有するものが好ましい。
水酸基及びカルボキシル基はポリエステル樹脂骨格に直接的又は間接的に結合していることができ、例えば1分子中に3個以上のカルボキシル基及び水酸基を有する多塩基酸及び多価アルコールなどを併用することにより樹脂に導入することができる。
上記アクリル樹脂は、重合性単量体を常法により(共)重合することによって製造されるものを使用することができる。具体的には例えば、水酸基含有重合性単量体、カルボキシル基含有重合性単量体及びアクリル系単量体を含有する重合性単量体成分を通常の条件で共重合せしめることによって製造することができる。アクリル樹脂は、一般に1000〜100000、特に5000〜80000の範囲内の数平均分子量、一般に20〜200mgKOH/g、特に50〜150mgKOH/gの範囲内の水酸基価、及び一般に0〜100mgKOH/g、特に0〜70mgKOH/gの範囲内の酸価を有するものが好ましい。
水酸基含有重合性単量体は、1分子中に水酸基及び重合性不飽和結合をそれぞれ少なくとも1個有する化合物であり、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの炭素数2〜20のグリコ−ルと(メタ)アクリル酸とのモノエステル化物などを挙げることができる。
カルボキシル基含有重合性単量体は、1分子中にカルボキシル基及び重合性不飽和結合をそれぞれ少なくとも1個有する化合物であり、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、メサコン酸及びこれらの無水物やハーフエステル化などを挙げることができる。
アクリル系単量体には(メタ)アクリル酸と炭素数1〜22の1価アルコ−ルとのモノエステル化物が包含され、具体的には例えば、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘキシルメタクリレート、オクチルアクリレート、オクチルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートなどを挙げることができる。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」はアクリレート又はメタアクリレートを、そして「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。
アクリル樹脂の製造にあたり、上記の水酸基含有重合性単量体、カルボキシル基含有重合性単量体及びアクリル系単量体以外に、その他の重合性単量体を併用することもできる。
その他の重合性単量体としては、例えば、メトキシブチルアクリレート、メトキシブチルメタクリレート、メトキシエチルアクリレート、メトキシエチルメタクリレートなどの(メタ)アクリル酸と炭素数2〜18のアルコキシエステル;N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルア
ミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N−t−ブチルアミノエチルアクリレート、N−t−ブチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレートなどのアミノアクリル系単量体;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N−ジメチルアクリルアミド、N−ジメチルメタクリルアミドなどのアクリルアミド系単量体;グリシジルアクリレ−ト、グリシジルメタクリレ−トなどのグリシジル基含有単量体;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニルなどを挙げることができる。
上記メラミン樹脂としては、具体的には例えば、ジ−、トリー、テトラ−、ペンタ−もしくはヘキサ−メチロールメラミン、それらのアルキルエーテル化物(アルキルとしてはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、2−エチルヘキシルアルコールなどが挙げられる)及びそれらの縮合物などを挙げることができ、その具体例としては、例えば、三井サイテックインダストリーズ社製のサイメル254などのサイメルシリーズ、三井化学社製のユーバン20SBなどのユーバンシリーズなどを挙げることができる。
また、メラミン樹脂を架橋剤として使用する場合は、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸などのスルホン酸、及びこれらのスルホン酸とアミンとの塩などを触媒として使用することができる。
上記ブロックポリイソシアネート化合物には、1分子中に少なくとも2個の遊離のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物のイソシアネート基をブロック剤でブロックしたブロックポリイソシアネート化合物が包含され、該ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート類、これらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物及びイソシアヌレート環付加物;イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4−(もしくは−2,6−)ジイソシアネート、1,3−(もしくは1,4−)ジ(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,2−シクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート類、これらのポリイソシアネ−トのビュ−レットタイプ付加物及びイソシアヌレート環付加物;キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネ−ト、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、(m−もしくはp−)フェニレンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトフェニル)スルホン、イソプロピリデンビス(4−フェニルイソシアネート)などの芳香族ジイソシアネート化合物、これらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物及びイソシアヌレート環付加物;水添MDI及び水添MDIの誘導体;トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエン、4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネートなどの1分子中に少なくとも3個のイソシアネ−ト基を有するポリイソシアネート類、これらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物及びイソシアヌレート環付加物;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ジメチロールプロピオン酸、ポリアルキレングリコール、トリメチロールプロパン
、ヘキサントリオールなどのポリオールの水酸基にイソシアネート基が過剰量となる比率でポリイソシアネート化合物を反応させてなるウレタン化付加物、これらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物及びソシアヌレート環付加物などを挙げることができる。
これらのポリイソシアネート化合物のイソシアネート基をブロックするためのブロック剤としては、例えば、フェノール、ε−カプロラクタム、プロピルアルコール、メチルエチルケトオキシム、マロン酸ジエチル、3,5−ジメチルピラゾールなどを挙げることができる。
溶剤型補修塗料の樹脂成分における基体樹脂と架橋剤との構成比率は、特に制限されないが、該両成分の合計固形分重量を基準にして、基体樹脂は通常40〜90%、特に50〜80%、そして架橋剤は通常60〜10%、特に50〜20%の範囲内であることが好ましい。
溶剤型補修塗料に配合されるチタン白顔料は、二酸化チタンを主成分とする白色顔料であり、その粒径が一般に0.2〜0.35μm、特に0.25〜0.30μmの範囲内にあるものが好ましい。
本方法で使用される溶剤型補修塗料は、隠蔽膜厚以上の膜厚で塗装したときにCIE等色関数に基づく白色度のL値が70〜95、好ましくは80〜93、さらに好ましくは85〜92の範囲内の塗膜を形成するよう調整されていることが必要である。
本方法で使用される溶剤型補修塗料は、隠蔽膜厚が45μm以下、特に20〜35μm、さらに特に25〜30μmの範囲内にあるのが好ましい。
溶剤型補修塗料の隠蔽膜厚は、例えば、顔料濃度及び使用する顔料の種類などにより調整することができる。
隠蔽膜厚以上の膜厚で塗装したときにCIE等色関数に基づく白色度のL値が70〜95の範囲内の溶剤型補修塗料を調製するためには、チタン白顔料を使用する場合、チタン白顔料を、溶剤型補修塗料樹脂成分の固形分100質量部あたり、通常40〜200質量部、特に80〜150質量部、さらに特に80〜120質量部の範囲内となるような割合で使用することが好ましい。
溶剤型補修塗料は、上記L値範囲の白色度を逸脱しない限度において、必要に応じて、チタン白顔料以外の着色顔料及び体質顔料を含有することもできる。
チタン白顔料以外の着色顔料としては、例えば、亜鉛華、カーボンブラック、カドミウムレッド、モリブデンレッド、クロムエロー、酸化クロム、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリン顔料、スレン系顔料、ペリレン顔料などの無機もしくは有機系の着色顔料などを挙げることができ、体質顔料としては、例えば、タルク、クレー、カオリン、バリタ、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナホワイトなどを挙げることができる。
着色顔料、体質顔料などの配合は、必要に応じて、前記した基体樹脂成分の一部を使用してペーストをつくり、これを残りの樹脂成分に他の成分と共に添加することにより行なうことができる。ペーストの作製にあたっては、必要に応じて、消泡剤、分散剤、表面調整剤などの慣用の添加剤を使用することができる。
溶剤型補修塗料に配合されるケイ素含有無機系増粘剤としては、例えば、金属ケイ酸塩、モンロリロナイト、有機モンモリロナイト、シリカ微粒子などを挙げることができる。上記のうち、金属ケイ酸塩は、例えば、ヘクトライト、ベントナイトなどの粘土鉱物を精製するか、既知の方法で合成することにより容易に得ることができ、金属としてはナトリウム、マグネシウム、リチウムなどを挙げることができる。
溶剤型補修塗料にケイ素含有無機系増粘剤を含有させることによって、溶剤型補修塗料にチキソトロピー性を付与することができ、これにより、スプレー塗装時などの高剪断応力が加わるような場合に十分に粘度が下がって容易にスプレー塗装作業を行うことができるようになり、一方、補修塗面に塗着してからの低剪断応力が加わるような場合に、見かけ上の粘度を高くすることが可能となる。特に、焼付時の熱が加わったときに、その粘度を保持することができるのが特徴である。その結果、後でベース塗膜及びクリヤ塗膜が形成されることにより、補修用塗料塗膜、ベース塗膜及びクリヤ塗膜の三層塗膜となった時に、補修用塗料塗膜の膨潤が抑制されて、補修用塗料塗膜、ベース塗膜及びクリヤ塗膜の三層塗膜の混層を抑制することができることから、補修部の三層塗膜の混層による仕上り外観の低下が生じることがなく、補修部においても良好な仕上り外観を得ることができる。
上記ケイ素含有無機系増粘剤としては、例えば、ベントナイト、モンロリロナイト、有機モンモリロナイト、シリカ微粒子及びこれらの誘導体等を好適に使用することができる。具体的には、ベントナイトとしては、例えば、「Bentone 27」、「Bentone34」、「Bentone 38」、「Bentone SD−1」、「Bentone SD−2」、「Bentone SD−3」、「Bentone52」、「Bentone 57」(以上いずれもRheox社製、商品名)、「Tixogel VP」、「Tixogel TE」、「Tixogel UN」、「Tixogel EZ100」、「Tixogel MP100」、「Tixogel MP250」(以上いずれもSud Chemical社製、商品名)などを挙げることができる。
モンロリロナイトとしては、例えば、「Claytone 40」、「Claytone 34」、「Claytone HT」、「Claytone APA」、「Claytone AF」、「Claytone HY」(以上いずれもSouthern Clay Products社製、商品名)などを挙げることができる。
シリカ微粒子はシリカ(SiO)の微粒子であり、その粒子表面にシラノール基をもつものが一般的であるが、必要に応じて、変性により粒子表面をオクチルシランやジメチルシリコーンオイルで疎水化したものも使用することができる。 シリカ微粒子は1次粒子の平均粒子径が小さいもの(通常20nm以下)が好ましく、具体的には例えば、「Aerosil RX200」、「Aerosil R812」、「Aerosil R805」、「AerosilRY200」、「Aerosil R202」(以上いずれも日本アエロジル株式会社製、商品名)などを挙げることができる。
これらは主として粉末状であり、そのまま溶剤型補修塗料に添加することができる微細なものもあるが、通常は機械的に分散しながら混合することが好ましい。
上記ケイ素含有無機系増粘剤の含有量は、その種類などによって異なるが、溶剤型補修塗料樹脂成分固形分総量に対して、0.5〜3質量%、好ましくは1〜3質量%、特に好ましくは2〜3質量%の範囲内とすることができる。
溶剤型補修塗料には、必要に応じて、上記ケイ素含有無機系増粘剤以外の増粘剤、例えばポリエチレンワックス系、アマイド系などのそれ自体既知の増粘剤を併用することもで
きる。
本方法において、溶剤型補修塗料は、さらに、水に易溶性の沸点が200℃以上、好ましくは200〜260℃、さらに好ましくは210〜250℃の範囲内の溶剤を、塗料中の樹脂固形分総量を基準にして、5〜60質量%、好ましくは20〜60質量%、さらに好ましくは30〜50質量%の範囲内で含有することができる。ここで、「水に易溶性」とは、室温(20℃)において、蒸留水と相分離を生じることなく任意の割合で混和し、透明な溶液を形成することを意味する。
溶剤型補修塗料に上記水に易溶性の高沸点溶剤を含有させることによって、補修部における水性ベース塗膜と補修塗料塗膜との親和性が向上し、パール顔料の配向状態の非補修部分との差異を軽減させることができ、その結果、補修部と非補修部が違和感なく同一の外観を呈するように補修仕上げを行うことができる。
水に易溶性の沸点200℃以上の溶剤としては、例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(例えば、ハイモールPM(東邦化学工業社製、商品名))、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル;トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル(例えば、ハイソルブMPM(東邦化学工業社製、商品名))、テトラエチレングリコールジメチルエーテルなどのグリコールジエーテル;ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート;1,3−ブチレングリコールなどを挙げることができる。
上記のうち、グリコールエーテルを好適に使用することができる。これらの溶剤はそれぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
使用する水に易溶性の溶剤の沸点が200℃未満であると、パール顔料の配向状態の非補修部分との差異の軽減効果が低下する場合がある。また、水に易溶性の沸点200℃以上の溶剤の含有量が5質量%未満であると、パール顔料の配向状態の非補修部分との差異の軽減効果が不十分な場合があり、また、60質量%を越えると塗膜のタレ性が低下する場合がある。
溶剤型補修塗料(C)には、上記以外の溶剤も必要に応じて含有させることができる。
溶剤型補修塗料(C)には、その他必要に応じて、硬化触媒、紫外線吸収剤、光安定剤、その他表面調整剤、劣化防止剤、沈降防止剤、消泡剤などの塗料分野で通常用いられるものを適宜含有させることができる。
溶剤型補修塗料(C)は、以上に述べた各成分を配合し、均一に混合することによりを調製することができる。
溶剤型補修塗料(C)の塗装時における不揮発分濃度は、通常20〜50質量%とすることができる。大気汚染防止や省資源の観点からは、有機溶剤量の少ないハイソリッドタイプであることが好ましい。
溶剤型補修塗料(C)は、塗料粘度を、20℃において、フォードカップNo.4を用いて、通常10〜20秒、好ましくは12〜16秒の範囲内に調整し、エアスプレー、エアレススプレー、静電塗装などにより、ゴミ、ブツなどの塗装欠陥部を除去するために研
削された中塗塗面の研削部分を中心にしてスポット的に塗装するのが好ましい。その塗装膜厚は、研削によって除去された中塗り塗膜部分を充填する程度であることが好ましい。
本発明の補修塗装方法では、溶剤型補修塗料(C)を中塗塗面の研削部分を中心にしてスポット的に、又は場合によって全体的に塗装した後、この溶剤型補修塗料(C)の塗膜を加熱硬化させることなく、必要に応じて常温で1〜20分間放置してから、この未硬化の塗面及び溶剤型補修塗料(C)が塗装されていない中塗塗面に、パール顔料を含有する水性ベースコート塗料(D)が塗装される。
水性ベースコート塗料(D):
水性ベースコート塗料(D)は、樹脂成分、パール顔料及び溶媒を含んでなり、さらに必要に応じて着色顔料、体質顔料、その他の塗料用添加剤などを配合してなる水性塗料であり、未硬化の溶剤型補修塗料(C)塗装部分(補修部)及び溶剤型補修塗料(C)が塗装されていない中塗塗面(非補修部)に塗装される。
上記樹脂成分としては熱硬化性樹脂組成物が好ましく、具体的には例えば、水酸基などの架橋性官能基を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂ウレタン樹脂などの基体樹脂をメラミン樹脂、尿素樹脂、ポリイソシアネ−ト化合物(ブロック体も含む)などの架橋剤と併用したものが挙げられ、これらは有機溶剤及び/又は水に溶解もしくは分散して使用することができる。
上記パール顔料は、塗膜に真珠光沢感を付与する鱗片状顔料であり、例えば、雲母、酸化チタン被覆雲母、酸化鉄被覆雲母、雲母状酸化鉄などを挙げることができ、これらのうち、酸化チタン被覆雲母を好適に使用することができる。酸化チタン被覆雲母は、一般にホワイトマイカまたはシルバーマイカと称されているものであり、干渉マイカとは区別される。
酸化チタン被覆雲母は、燐片状雲母粉末の表面を酸化チタンで被覆したものである。
これらのパール顔料は長手方向が1〜30μm及び厚さが0.0.5〜1μm程度であることが好ましい。パール顔料の含有量は、樹脂成分固形分量総量を基準にして、通常5〜30質量%の範囲内が適している。
酸化チタン被覆雲母の場合、その最大直径が一般に5〜60μm、特に5〜25μmであり、且つ厚さが一般に0.25〜1.5μm、特に0.5〜1μmの範囲内にあるものが好ましい。
特に複層塗膜をホワイトパール調又はシルバーパール調に仕上げるためには、酸化チタン被覆雲母の表面を被覆する酸化チタン層の厚さが光学的厚さを基準にして一般に90〜160nm、特に100〜150nm、そして幾何学的厚さを基準にして一般に40〜70nm、特に45〜65nmの範囲内であることが好ましい。
酸化チタン被覆雲母を使用する場合、その配合量は、厳密に制限されるものではないが、樹脂成分固形分総量を基準にして、通常5〜30質量%、特に7〜20質量%程度であることが好ましい。
水性ベースコート塗料(D)は、白色真珠光沢感を損なわない程度に、必要に応じて、上記パール顔料以外の光輝性顔料、着色顔料などを含有することができる。
上記パール顔料以外の光輝性顔料としては、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル合金
、ステンレスなどの鱗片状金属顔料、表面を金属酸化物で被覆した鱗片状金属顔料、表面に着色顔料を化学吸着させた鱗片状金属顔料、表面に酸化還元反応を起こさせることにより酸化アルミニウム層を形成させた鱗片状アルミニウム顔料、アルミニウム固溶盤状酸化鉄顔料、ガラスフレーク顔料、表面を金属酸化物で被覆したガラスフレーク顔料、表面に着色顔料を化学吸着させたガラスフレーク顔料、表面を二酸化チタンで被覆したグラファイト顔料、表面を二酸化チタンで被覆したシリカフレークやアルミナフレーク顔料などを挙げることができる。
着色顔料としては、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、塩基性硫酸鉛、鉛酸カルシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸カルシウム、紺青、群青、コバルトブルー、銅フタロシアニンブルー、インダンスロンブルー、黄鉛、合成黄色酸化鉄、透明べんがら(黄)、ビスマスバナデート、チタンイエロー、亜鉛黄(ジンクエロー)、クロム酸ストロンチウム、シアナミド鉛、モノアゾイエロー、ジスアゾイエロー、イソインドリノンイエロー、金属錯塩アゾイエロー、キノフタロンイエロー、イソインドリンイエロー、ベンズイミダゾロンイエロー、べんがら、透明べんがら(赤)、鉛丹、モノアゾレッド、無置換キナクリドンレッド、アゾレーキ(Mn塩)、キナクリドンマゼンダ、アンサンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ペリレンマルーン、キナクリドンマゼンダ、ペリレンレッド、ジケトピロロピロールクロムバーミリオン、塩基性クロム酸鉛、酸化クロム、塩素化フタロシアニングリーン、臭素化フタロシアニングリーン、ピラゾロンオレンジ、ベンズイミダゾロンオレンジ、ジオキサジンバイオレット、ペリレンバイオレットなどを挙げることができる。
水性ベースコート塗料(D)の塗装時における不揮発分濃度は、通常15〜35質量%程度とすることができる。
水性ベースコート塗料(D)は、塗料粘度を20℃において、フォードカップNo.4を用いて、通常20〜70秒、好ましくは30〜60秒の粘度に調整して、未硬化の溶剤型補修塗料塗装面(補修部)及び溶剤型補修塗料(C)が塗装されていない中塗塗面(非補修部)に塗装される。
塗装方法は、特に限定されるものではなく、常法により行なうことができ、例えば、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、回転霧化塗装、カーテンコート塗装などが挙げることができる。これらの塗装方法は、必要に応じて、静電印加してもよい。この中でも特に静電印加による回転霧化塗装が好ましい。また、塗装は所望の膜厚となるように1回ないし数回に分けて行うことができる。
水性ベースコート塗料(D)の塗装膜厚は、硬化塗膜に基いて一般に5〜20μm、特に5〜15μm、さらに特に7〜12μmの範囲内であることが好ましい。
水性ベースコート塗料(D)の塗膜それ自体は、約100〜約170℃の温度で20〜40分間程度加熱することにより架橋硬化させることができるが、本発明の補修塗装方法では、架橋硬化させることなく、その塗面上に溶剤型クリヤコート塗料(E)が塗装される。
溶剤型クリヤコート塗料(E):
溶剤型クリヤコート塗料(E)としては、樹脂成分及び溶剤を含んでなり、さらに必要に応じて、塗膜の透明感を損なわない程度で着色顔料及びその他の塗料用添加剤などを配合してなる液状塗料を使用することができる。
クリヤコート塗料(E)に使用し得る樹脂成分としては熱硬化性樹脂組成物が好ましく
、具体的には例えば、水酸基のような架橋性官能基を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂などの基体樹脂を、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリイソシアネート化合物(ブロック体も含む)などの架橋剤と併用したものを挙げることができる。
クリヤコート塗料(E)は、未硬化の水性ベースコート塗料(D)の塗面に、例えば、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、回転霧化塗装、カーテンコート塗装等の方法で塗装することができ、これらの塗装方法は、必要に応じて、静電印加してもよい。この中でも特に、静電印加によるエアスプレー塗装が好ましい。また、塗装は、所望の膜厚となるように1回ないし数回に分けて行うことができる。
塗装膜厚は、硬化塗膜に基いて一般に20〜80μm、特に25〜65μm、さらに特に30〜50μmの範囲内とするのが好ましい。クリヤコート塗料(E)塗膜は通常約100〜約170℃の温度で20〜40分間程度加熱することにより架橋硬化させることができる。
本発明の補修塗装方法では、溶剤型補修塗料(C)、水性ベースコート塗料(D)及び溶剤型クリヤコート塗料(E)のすべてを塗装した後に、上記塗料(C)、(D)及び(E)の塗膜を同時に加熱硬化させることにより、欠陥部分の補修塗装が行なわれる。
加熱硬化は通常約100〜約160℃の温度で20〜40分間程度加熱することにより行うことができる。
また、上記塗料(C)、(D)及び(E)の塗装後、溶媒の揮散を促進させるため、必要に応じて予備乾燥を行うこともできる。予備乾燥は通常約50〜約100℃の温度で3〜10分間程度行なうのが好ましい。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下、「部」及び「%」はいずれも質量基準によるものであり、また、塗膜の膜厚は硬化塗膜に基くものである。
(製造例1〜15)溶剤型補修塗料(C)の製造
顔料分散ペースト(不揮発分50%のアクリル樹脂溶液(注1)34.7部、酸化チタン130部及びキシレン23部を混合してボールミル分散することにより得た顔料分散ペースト)187.7部に、不揮発分50%のアクリル樹脂溶液(注1)105.3部及びスーパーベッカミンL−127−75b(大日本インキ(株)社製、商品名、メラミン樹脂、固形分75%)40部ならびに表1に示す量の増粘剤及び溶剤を加えて混合し、さらに、スワゾール1000(コスモ石油社製、商品名、炭化水素系溶剤)を添加して、塗料粘度を20℃において、フォードカップNo.4を用いて、14秒に調整することにより、各溶剤型補修塗料(C−1)〜(C−15)を得た。
(注1)アクリル樹脂溶液
メチルメタクリレート37.5部、エチルアクリレート17部、n−ブチルアクリレート17部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート7部、プラクセルFM−3(ダイセル化学(株)製、商品名、2−ヒドロキシエチルメタクリレート1molにε−カプロラクトンを3mol開環重合した化合物)20部及びアクリル酸1.5部の共重合体、重量平均分子量55000、不揮発分50%)。
なお、表1中の増粘剤及び溶剤の量は、補修塗料(C)中の樹脂固形分総量を基準とした質量%(増粘剤については固形分)を表わし、表1中の注はそれぞれ以下の意味を有す
る。
(注2)Aerosil 200: 日本アエロジル株式会社製、商品名、ケイ素含有無機系増粘剤。
(注3)Bentone 27: Rheox社製、商品名、ケイ素含有無機系増粘剤。(注4)ディスパロン6900−20X: 楠本化成社製、商品名、アマイド系増粘剤。(注5)バリタ100: 堺化学社製、商品名、硫酸バリウム。
(注6)ジエチレングリコールモノブチルエーテル: 溶剤、沸点230℃、水に易溶。(注7)トリプロピレングリコールモノメチルエーテル: 溶剤、沸点242℃、水に易溶。
(注8)エチレングリコールモノブチルエーテル: 溶剤、沸点171℃。
(注9)ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル: 溶剤、沸点212℃、水に易溶でない。
なお、各溶剤型補修塗料はすべて、隠蔽膜厚が27μmであり、隠蔽膜厚以上の膜厚で塗装したときにCIE等色関数に基づく白色度のL値が91であった。
Figure 0005089518
その他の塗料
(1)電着塗料(A): 「エレクロン9400HB」、関西ペイント社製、商品名、エポキシ樹脂ポリアミン系カチオン樹脂に硬化剤としてブロックポリイソシアネート化合物を配合したもの。
(2)中塗塗料(B): 「ルーガベーク中塗りホワイト」、隠蔽膜厚:27μm、隠蔽膜厚以上の膜厚で塗装したときにCIE等色関数に基づく白色度のL値:91、関西ペイント社製、商品名、ポリエステル樹脂・メラミン樹脂系、有機溶剤型。
(3)パール顔料を含有する水性ベースコート塗料(D): 水酸基含有アクリル樹脂(注10)65部、ウレタン樹脂(注11)15部及びメラミン樹脂(注12)20部からなる樹脂組成物の水性エマルションの樹脂固形分100重量部あたり、「イリオジン103R」(メルク社製、商品名、酸化チタン被覆燐片雲母、最大直径10〜20μm、厚さ0.5〜1μm、酸化チタンの光学的厚さ約140nm、幾何学的厚さ約60μm)10部を加え、固形分含有率を20%に調整した水性塗料。
(注10)水酸基含有アクリル樹脂: 平均粒径が0.1μmで水酸基価が35のアクリルエマルション、ジメチルエタノールアミンで中和。
(注11)ウレタン樹脂: 水伸長エマルション。トリエチルアミンで中和。
(注12)メラミン樹脂: ユ−バン28SE(三井東圧化学社製、商品名、疎水性メラミン樹脂)。
(4)クリヤコート塗料(E): ルーガベーククリヤ、関西ペイント(株)製、商品名、アクリル樹脂・アミノ樹脂系塗料、有機溶剤型。
実施例1〜7及び比較例1〜8
脱脂及びりん酸亜鉛処理をした鋼板(JISG 3141、大きさ400×300×0.8mm)に、カチオン電着塗料(A)を常法により膜厚20μmになるように電着塗装し、170℃で20分間加熱して架橋硬化させてから、該電着塗面に、中塗塗料(B)を膜厚35μmになるように塗装し、140℃で30分間加熱して架橋硬化させた。
この中塗塗面の一部を粗さ#600の耐水研磨紙で研磨した。研磨範囲は直径約40mmの円状で、研磨は、円状研磨部の中心部が最も深く、円周部が最も浅くなるよう傾斜をつけて行なった。研磨部分の最大深さは約30μmである。
つぎに、各溶剤型補修塗料C−1〜15を中塗塗面の研磨部分に塗装した。この塗装は中塗塗膜が研磨により除去された部分を充填するように行い、塗装後において、補修塗料が塗装されたその硬化塗面と未塗装の中塗塗面とが凹凸なく平滑になっているように塗装することが望ましい。
この補修塗膜を加熱硬化させることなく、室温で5分間放置してから、パール顔料を含有する水性ベースコート塗料(D)をベル型回転式静電塗装機を用い、ブース温度25℃、ブース湿度75%で塗装膜厚10μmとなるように全面に塗装した。
熱風循環式乾燥炉内において80℃で5分間加熱してから、この塗膜面にクリヤコート(E)を、ベル型回転式静電塗装機を用い、ブース温度25℃、ブース湿度75%で塗装膜厚35μmとなるように塗装した。室内で3分間放置してから、熱風循環式乾燥炉内において140℃で30分間加熱して、溶剤型補修塗料(C)、水性ベースコート塗料(D)及びクリヤコート塗料(E)からなる各複層塗膜を同時に架橋硬化せしめた。
評価結果
上記塗料により得られた複層塗膜の色一致性及び塗膜ワレにつき、以下の基準に従い評価を行なった。
色一致性:
補修部と非補修部の色差(ΔE)により下記の基準により評価した。ΔE値が小さいほど色一致性は良好である。ΔEは以下の式で求めた。
ΔE=(非補修部のE値)−(補修部のE値)
E値の測定はコニカミノルタ製CR400(商品名、三刺激値直読式色彩計 D65光源 2°視野 拡散照明垂直受光(d/0))を用いて行なった。なお、上記E値はCIE 1976 L表色系に基づく値である。
○:ΔE<0.5、
△:0.5≦ΔE<1、
×:1≦ΔE。
塗膜ワレ:
パール顔料を含有する水性ベースコート塗料(D)により形成された塗膜にワレ(クラック)が発生しているかどうかを目視で評価を行なった。
○:ワレが発生しておらず良好、
×:ワレ(クラック)が発生しており不良。
評価結果を下記表2に示す。
Figure 0005089518

Claims (1)

  1. 隠蔽膜厚以上の膜厚で塗装したときにCIE等色関数に基づく白色度のL値が70〜95の範囲内の塗膜を形成し得る中塗塗料を用いて、電着塗膜(A)上に形成されたL値が70〜95の中塗塗膜(B)を、
    隠蔽膜厚以上の膜厚で塗装したときにCIE等色関数に基づく白色度のL値が70〜95の範囲内の塗膜を形成し得る溶剤型補修塗料(C)により補修塗装し、
    次いで、パール顔料を含有する水性ベースコート塗料(D)を膜厚5〜15μmで塗装し、
    さらに、水性ベースコート塗料(D)塗膜上に溶剤型クリヤコート塗料(E)を塗装し、
    塗料(C)、(D)及び(E)の塗膜を同時に加熱硬化せしめる
    ことにより複層塗膜を形成する方法であって、
    補修塗料(C)が、補修塗料(C)中の樹脂固形分総量を基準にして、ケイ素含有無機系増粘剤を0.5〜3質量%及び水に易溶性の沸点200℃以上の溶剤を5〜60質量%含有することを特徴とする補修塗装方法。
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