JP5088551B2 - 密封装置 - Google Patents

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Description

本発明は、密封装置に係り、更に詳しくは、軸に対する緊迫力増大のための金属スプリングを有さないゴムリップ単体シールに関するものである。本発明の密封装置は、自動車関連(エンジンフロント、リヤなど一方向回転部位)分野または汎用機械(上記同様一方向回転部位)の分野等において用いられる。
従来一般のリップシール(オイルシール)は、軸に対する緊迫力を増大するためにシールリップのリップ端にガータースプリング等の金属スプリングを組み付けており、よって輸送中や組込み時に金属スプリングが外れる不具合があり、また緊迫力が高いことから摺動トルクが大きい不具合がある。
また図10に示すように、金属スプリングを有さないゴムリップ単体シール51も開発されており、このシール51のシールリップ52の内周面には軸回転時に密封流体に対するポンピング作用をなすネジ部53がリップ先端縁54に達するように設けられている(特許文献1参照)。
したがってこのシール51によると、軸回転時に上記ポンピング作用によって優れた密封性能が発揮されるが、軸停止時に密封流体がネジ部53を伝って漏洩する虞がある。
米国特許第6921080B2号公報
本発明は以上の点に鑑みて、ネジ部のポンピング作用によって優れた密封性能を発揮することができ、しかも軸停止時に密封流体が漏洩することもない密封装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1による密封装置は、軸に対する緊迫力増大のための金属スプリングを有さないゴムリップ単体シールであって、一枚のシールリップに密封流体側リップ端および大気側リップ端を含む複数段のリップ端を設け、前記密封流体側リップ端に、軸回転時に密封流体に対するポンピング作用をなすネジ部をリップ先端縁に達するように設け、前記大気側リップ端は、全周に亙って軸に接触してシールダムをなし、前記密封流体側リップ端は、山谷ないしウェーブが周方向に繰り返し設けられる蛇腹形状を呈してその内周面に前記ネジ部が設定され、前記蛇腹形状は、前記大気側リップ端との間の部位からリップ先端縁にかけて山谷ないしウェーブの度合いが徐々に拡大しかつ軸の回転方向に一定の傾斜角度を備えていることを特徴とするものである。
本発明は、以下の効果を奏する。
すなわち上記構成の請求項1による密封装置においては、一枚のシールリップに密封流体側リップ端および大気側リップ端を含む複数段のリップ端が設けられ、密封流体側リップ端に、軸回転時に密封流体に対するポンピング作用をなすネジ部がリップ先端縁に達するように設けられるとともに大気側リップ端は全周に亙って軸に接触してシールダムをなすものとされている。したがって軸回転時にネジ部のポンピング作用によって優れた密封性能が発揮されるとともに、軸停止時にはネジ部を伝って流れる流体があってもこれを大気側リップ端のシールダムにて密封することが可能とされている。
またこれに加えて、請求項1による密封装置においては、密封流体側リップ端は、山谷ないしウェーブが周方向に繰り返し設けられる蛇腹形状とされ、この蛇腹形状は大気側リップ端との間の部位からリップ先端縁にかけて山谷ないしウェーブの度合いが徐々に拡大するものとされている。したがって密封流体側リップ端はその蛇腹による立体形状により軸方向の剛性が大きく設定されていることから、軸挿入時に所謂リップめくれが発生するのを抑制することが可能とされている。
尚、本発明には、以下の実施形態が含まれる。
(1)従来技術のゴムリップ単体シールは曲線を含む円盤形状のリップであり、スプリング入りリップタイプと比較すると相手軸に対する締めしろを大きく付与する必要があり、このために軸が内部密封対象物側からリップに挿入される場合はリップめくれに対する十分な配慮が必要であった。また、曲線を含むが円盤形状かつ軸に対する締めしろが大きなリップを軸装着時に押し広げて使用されるため、軸との接触面が広くなることで緊迫力に対する回転トルクの低下率は低かった。
(2)そこで、密封装置の構成を、連続的に微接触するリップ(大気側リップ)の更に内部密封対象物側にリップ(密封流体側リップ)を設け、そのリップ(密封流体側リップ)が円周方向にウェーブまたは山谷のギザギザ形状であり、かつそのウェーブまたは山谷のギザギザ形状が連続的に微接触するリップ(大気側リップ)との間の部位から軸の回転方向に一定の傾斜角度を持ち、徐々にウェーブまたは山谷のギザギザ形状の度合いが大きくなるものとする。
(3)上記(2)の密封装置によれば、以下の作用効果が発揮される。
(3−1)静止時の内部密封対象物は連続的に微接触するリップ(大気側リップ)で確実に密封される。
(3−2)リップ(密封流体側リップ)は形状的な理由から従来技術ほどの締めしろを有する必要はなく、傾斜角度はあるものの円周方向の蛇腹形状であり、軸方向の剛性は高いことから、軸が密封対象物側から挿入される場合でも従来技術ほどリップめくれに対する配慮は必要ない。
(3−3)リップ(密封流体側リップ)が円周方向にウェーブまたは山谷のギザギザ形状であり、かつそのウェーブまたは山谷のギザギザ形状が連続的に微接触するリップ(大気側リップ)との間の部位から軸の回転方向に一定の傾斜角度を持つことで、軸回転時にはリップ(密封流体側リップ)が密封対象物の押し戻し効果を発揮するため、回転中のリップ(密封流体側リップ)の負担は殆ど無い。
(3−4)リップ(密封流体側リップ)は形状的に相手軸とは部分接触となることから従来技術のような接触面大による回転トルクの増加は抑えられる。
(3−5)リップ(密封流体側リップ)の先端部のウェーブまたは山谷のギザギザ形状が摩滅するまで軸回転時のリップ(密封流体側リップ)による密封対象物の押し戻し効果が継続する(長寿命)。
(4)従来のオイルシールはバネ入りであるため、輸送中や組込み時にバネが外れる不具合がある。また、緊迫力も高いため、トルクアップとなる。
(5)そこで、本発明は、バネなしを特徴とする。またシール性を保つため、リップには、溝または突起を付加する。更に接触を安定させるため、2段リップとする。
(6)実施例としては、以下のとおりである。
すなわち、接触を安定させるため、2段リップとする。またシール性を保つため、主リップ(密封流体側リップ)には溝または突起を付加している。中間リップ(大気側リップ)にもバックアップとして、溝または突起を付加している。主リップ(密封流体側リップ)、中間リップ(大気側リップ)の溝、突起の組合せは自由であるが、主リップ(密封流体側リップ)が溝、中間リップ(大気側リップ)が突起の組合せがもっとも優れると思われる。中間リップ(大気側リップ)の突起は舟底型が望ましい。主リップ(密封流体側リップ)の溝または突起は先端まで貫通しているが、中間リップ(大気側リップ)の溝または突起は先端に達していない。中間リップ(大気側リップ)先端は軸に途切れなく接触しているため、静止時のシール性が保たれる。溝または突起は1条でも多条でもよい。
(7)上記(5)(6)の密封装置によれば、以下の作用効果が発揮される。
(7−1)バネなしであるため、バネが外れる心配はない。
(7−2)緊迫力も低く、低トルクである。
接触幅は、密封流体側リップ、大気側リップいずれも一般に、0.01〜2.0mmが好ましく、特に0.05〜1.0mmが好適である。
つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
第一実施例・・・
図1(A)は、本発明の第一実施例に係る密封装置の要部断面を示している。
当該実施例に係る密封装置1は、軸31に対する緊迫力を増大するためのガータースプリング等の金属スプリングを持たないゴムリップ単体タイプの密封装置(ゴムリップ単体シール)であって、一枚のシールリップ6に密封流体側リップ端10および大気側リップ端7を含む複数段のリップ端が設けられ、密封流体側リップ端10に、軸回転時に密封流体に対するポンピング作用(このポンピング作用は、シールリップ6の摺動部に浸入して来る密封流体を戻す方向に作用するものである)をなすネジ部17がリップ先端縁18に達するように設けられるとともに、大気側リップ端7は全周に亙って軸31に接触してシールダムをなすものとされている。
また、密封流体側リップ端10は、山12および谷15が周方向に繰り返し設けられる蛇腹形状11を呈してその内周面に上記ネジ部17が設定され、蛇腹形状11は、大気側リップ端7との間の部位(後記する段差部)9からリップ先端縁18にかけて山谷ないしウェーブの度合いが徐々に拡大しかつ軸31の回転方向に一定の傾斜角度θを備える構成とされている。
密封装置1全体としては、図示しないハウジングの軸孔内周に嵌合される取付部2に径方向部3を介してリップ保持部(シール部)5が設けられ、このリップ保持部5に第一のシールリップ(メインリップ)6が密封流体側Cに向けて設けられるとともに第二のシールリップ(サブリップ、ダストリップ)19が大気側Dに向けて設けられ、前者のメインリップ6に上記リップ端7,10の複数段構造が設けられている。メインリップ6およびサブリップ19は何れも斜め内方へ向けて設けられている。材質としてはゴム状弾性体の単体品よりなり、但し上記取付部2および径方向部3には補強のための金属環4が設けられている。
上記メインリップ6は、その基端から先端にかけて径寸法が徐々に縮小するテーパー状(円錐面状)に成形され、その最小径部に環状の大気側リップ端7が設けられ、引きつづき径寸法は一旦拡大してから再度徐々に縮小し、この再度の最小径部に環状の密封流体側リップ端10が設けられている。以下説明の便宜上、径寸法が一旦拡大した部位を段差部9とも称する。
上記蛇腹形状11はこの段差部9からリップ先端縁18にかけての、径寸法が再度徐々に縮小するテーパー部に設定されており、山(径方向外方へ向けての凸部)12および谷(径方向外方へ向けての凹部)15が周方向に所定ピッチで交互に並んだ形状を呈し、板厚は全周に亙って略一定とされ、山12の裏側(内周面側)の相対凹部(径方向内方へ向けての凹部)13がポンピング作用をなすスパイラル状の溝とされるとともに、谷15の裏側の相対凸部(径方向内方へ向けての凸部)16がポンピング作用をなすスパイラル状の突起とされている。山12および谷15の軸直角断面形状はそれぞれ段差部9からリップ先端縁18にかけて徐々に拡大(山12は高さが徐々に高くなり、谷15は深さが徐々に深くなってゆく)するよう設定され、これを請求項2では山谷の度合いが徐々に拡大すると表現している。尚、上記山谷の組み合わせは、所定ピッチの直線をジグザグ状に並べたものであるが、これに代えて、図1(B)に示すように所定ピッチの曲線(円弧)をジグザグ状に並べたウェーブ状のものとしても良い。
上記構成の蛇腹形状11は、軸31に装着されると図2に示すようになり、すなわち谷15の裏側の相対凸部(径方向内方へ向けての凸部)16が軸31の周面に接触するとともに山12の裏側(内周面側)の相対凹部(径方向内方へ向けての凹部)13は軸31の周面に接触せず、ここには円周上複数の空間14が形成されることになる。
また、軸31の周面に対するメインリップ6の接触状態を図解すると図3に示すようになり、図では接触部を点々を付して描いている。
すなわち先ず、密封流体側リップ端10については、上記したように谷15の裏側の相対凸部(径方向内方へ向けての凸部)16が軸31の周面に接触するので、その接触部10Sが谷15毎(凸部16毎)に描かれている。尚、相対凸部16はその軸方向全長に亙って軸31の周面に接触するのではなく、接触するのは、谷15の深さが十分に深くなった上記テーパー部のうちの先端部のみとされる。
また、大気側リップ端7は、上記したように全周に亙って軸31の周面に接触するので、接触部7Sがエンドレスの帯状に描かれている。また当該密封装置1には付随的構成として、大気側リップ端7の大気側斜面にも密封流体に対するポンピング作用(このポンピング作用は、シールリップ6の摺動部に浸入して来る密封流体を戻す方向に作用するものである)をなす突起状のネジ部8が設けられているので、このネジ部8の接触部8Sも同時に描かれている。
上記構成の密封装置1は、密封流体側リップ端10および大気側リップ端7を有するシールリップ6が軸31の周面に摺動自在に密接することにより密封流体をシールするものであって、上記構成により以下の作用効果を奏する点に特徴を有している。
すなわち先ず、上記構成の密封装置1においては、一枚のシールリップ6に密封流体側リップ端10および大気側リップ端7よりなる2段のリップ端構造が設けられ、一方の密封流体側リップ端10に、軸回転時に密封流体に対するポンピング作用をなすネジ部17がリップ先端縁18に達するように設けられるとともに、大気側リップ端7は全周に亙って軸31に接触してシールダムをなすものとされている。したがって、軸回転時にネジ部17のポンピング作用によって優れた密封性能が発揮されるとともに、軸停止時にはネジ部17を伝って流れる流体があってもこれを大気側リップ端7のシールダムにて密封することが可能とされている。したがって本発明所期の目的どおり、ネジ部17のポンピング作用によって優れた密封性能を発揮することができ、しかも軸停止時に密封流体が漏洩することもない密封装置1を提供することができる。
またこれに加えて、密封流体側リップ端10は、山谷(図1(A))ないしウェーブ(図1(B))が周方向に繰り返し設けられる蛇腹形状11とされ、この蛇腹形状11は大気側リップ端7との間の段差部9からリップ先端縁18にかけて山谷ないしウェーブの度合いが徐々に拡大するものとされている。したがって、密封流体側リップ端10はその蛇腹による立体形状により軸方向の剛性が大きく設定されていることから、軸挿入時に所謂リップめくれが発生するのを抑制することが可能とされている。
また、密封流体側リップ端10はその蛇腹による立体形状により軸31と円周上部分的に接触するものとされている。したがって、リップ端が全周に亙って接触する従来対比で、回転トルクを低減することができる。
第二実施例・・・
図4は、本発明の第二実施例に係る密封装置の要部断面を示している。
当該実施例に係る密封装置1は、軸31(図5参照)に対する緊迫力を増大するためのガータースプリング等の金属スプリングを持たないゴムリップ単体タイプの密封装置(ゴムリップ単体シール)であって、一枚のシールリップ6に密封流体側リップ端10および大気側リップ端7を含む複数段のリップ端が設けられ、密封流体側リップ端10に、軸回転時に密封流体に対するポンピング作用(このポンピング作用は、シールリップ6の摺動部に浸入して来る密封流体を戻す方向に作用するものである)をなすネジ部17がリップ先端縁18に達するように設けられるとともに、大気側リップ端7は全周に亙って軸31に接触してシールダムをなすものとされている。
また、大気側リップ端7の大気側斜面にも軸回転時に密封流体に対するポンピング作用(このポンピング作用は、シールリップ6の摺動部に浸入して来る密封流体を戻す方向に作用するものである)をなすネジ部8が設けられ、但しこのネジ部8は、大気側リップ端7が全周に亙って軸31に接触するよう大気側リップ端7に達しないように設けられている。
密封装置1全体としては、図示しないハウジングの軸孔内周に嵌合される取付部2に径方向部3を介してリップ保持部(シール部)5が設けられ、このリップ保持部5に第一のシールリップ(メインリップ)6が密封流体側Cに向けて設けられるとともに第二のシールリップ(サブリップ、ダストリップ)19が大気側Dに向けて設けられ、前者のメインリップ6に上記リップ端7,10の複数段構造が設けられている。メインリップ6およびサブリップ19は何れも斜め内方へ向けて設けられている。材質としてはゴム状弾性体の単体品よりなり、但し上記取付部2および径方向部3には補強のための金属環4が設けられている。
上記メインリップ6は、その基端から先端にかけて径寸法が徐々に縮小するテーパー状(円錐面状)に成形され、その最小径部に環状の大気側リップ端7が設けられ、引きつづき薄肉状のテーパー部20が延長方向に一体成形されてその最小径部に環状の密封流体側リップ端10が設けられ、その大気側斜面にスパイラル溝よりなるネジ部17が設けられている。一方、大気側リップ端7の大気側斜面に設けられるネジ部8は、舟底状のスパイラル突起よりなり、こちらのネジ部8は上記したように大気側リップ端7に達しないように設けられている(ネジ部8とリップ端7の間に所定の軸方向間隔dが設定されている)。
上記構成の密封装置1を軸31に装着すると図5に示すようになり、当該密封装置1は密封流体側リップ端10および大気側リップ端7を有するシールリップ6が軸31の周面に摺動自在に密接することにより密封流体をシールするものであって、上記構成により以下の作用効果を奏する点に特徴を有している。
すなわち先ず、上記構成の密封装置1においては、一枚のシールリップ6に密封流体側リップ端10および大気側リップ端7よりなる2段のリップ端構造が設けられ、一方の密封流体側リップ端10に、軸回転時に密封流体に対するポンピング作用をなすネジ部17がリップ先端縁18に達するように設けられるとともに、大気側リップ端7は全周に亙って軸31に接触してシールダムをなすものとされている。したがって、軸回転時にネジ部17のポンピング作用によって優れた密封性能が発揮されるとともに、軸停止時にはネジ部17を伝って流れる流体があってもこれを大気側リップ端7のシールダムにて密封することが可能とされている。したがって本発明所期の目的どおり、ネジ部17のポンピング作用によって優れた密封性能を発揮することができ、しかも軸停止時に密封流体が漏洩することもない密封装置1を提供することができる。
またこれに加えて、大気側リップ端7の大気側斜面にも軸回転時に密封流体に対するポンピング作用をなすネジ部8が設けられているために、万一、大気側リップ端7を漏洩する流体があってもこれがそのまま大気側へ流れ出るのを抑制することが可能とされている。したがってこの点からも、優れた密封性能を発揮する密封装置1を提供することができる。尚、上記したとおり金属スプリングを持たないゴムリップ単体シールは、回転トルクを低減できるものである。
第三・第四実施例・・・
図6は、本発明の第三実施例に係る密封装置の要部断面を示している。
当該実施例に係る密封装置1は、軸(図示せず)に対する緊迫力を増大するためのガータースプリング等の金属スプリングを持たないゴムリップ単体タイプの密封装置(ゴムリップ単体シール)であって、一枚のシールリップ6に密封流体側リップ端10および大気側リップ端7を含む複数段のリップ端が設けられ、密封流体側リップ端10に、軸回転時に密封流体に対するポンピング作用(このポンピング作用は、シールリップ6の摺動部に浸入して来る密封流体を戻す方向に作用するものである)をなすネジ部17がリップ先端縁18に達するように設けられるとともに、大気側リップ端7は全周に亙って軸に接触してシールダムをなすものとされている。
また、大気側リップ端7の大気側斜面にも軸回転時に密封流体に対するポンピング作用(このポンピング作用は、シールリップ6の摺動部に浸入して来る密封流体を戻す方向に作用するものである)をなすネジ部8が設けられ、但しこのネジ部8は、大気側リップ端7が全周に亙って軸に接触するよう大気側リップ端7に達しないように設けられている。
密封装置1全体としては、図示しないハウジングの軸孔内周に嵌合される取付部2に径方向部3を介してリップ保持部(シール部)5が設けられ、このリップ保持部5にベロー部21を介して第一のシールリップ(メインリップ)6が密封流体側Cに向けて設けられるとともに第二のシールリップ(サブリップ、ダストリップ)19が大気側Dに向けて設けられ、前者のメインリップ6に上記リップ端7,10の複数段構造が設けられている。メインリップ6およびサブリップ19は何れも斜め内方へ向けて設けられている。材質としてはゴム状弾性体の単体品よりなり、但し上記取付部2および径方向部3には補強のための金属環4が設けられている。
上記ベロー部21は、軸の偏心作動に対するメインリップ6の追随性を高めるために設けられており、軸方向部22、屈曲部23および径方向部24を有している。すなわち前記リップ保持部5から密封流体側Cへ向けて筒状の軸方向部22が一体成形され、この軸方向部22の先端に環状の屈曲部23が設定され、この屈曲部23すなわち軸方向部22の先端から径方向内方へ向けて環状の径方向部24が一体成形され、この径方向部24の内周端部にメインリップ6が設けられている。また、サブリップ19は、径方向部24の大気側端面に設けられている。
上記メインリップ6は、その基端から先端にかけて径寸法が徐々に縮小するテーパー状(円錐面状)に成形され、その最小径部に環状の大気側リップ端7が設けられ、引きつづき薄肉状のテーパー部20が延長方向に一体成形されてその最小径部に環状の密封流体側リップ端10が設けられ、その大気側斜面にスパイラル溝よりなるネジ部17が設けられている。一方、大気側リップ端7の大気側斜面に設けられるネジ部8は、舟底状のスパイラル突起よりなり、こちらのネジ部8は上記したように大気側リップ端7に達しないように設けられている(ネジ部8とリップ端7の間に所定の軸方向間隔が設定されている)。
尚、ネジ部8,17は4条ネジ等の多条ネジであっても良く、第四実施例として示す図7では、密封流体側リップ端10の大気側斜面に設けられるネジ部17が4条ネジ等の多条ネジとされている。
上記構成の密封装置1は、密封流体側リップ端10および大気側リップ端7を有するシールリップ6が軸の周面に摺動自在に密接することにより密封流体をシールするものであって、上記構成により以下の作用効果を奏する点に特徴を有している。
すなわち先ず、上記構成の密封装置1においては、一枚のシールリップ6に密封流体側リップ端10および大気側リップ端7よりなる2段のリップ端構造が設けられ、一方の密封流体側リップ端10に、軸回転時に密封流体に対するポンピング作用をなすネジ部17がリップ先端縁18に達するように設けられるとともに、大気側リップ端7は全周に亙って軸に接触してシールダムをなすものとされている。したがって、軸回転時にネジ部17のポンピング作用によって優れた密封性能が発揮されるとともに、軸停止時にはネジ部17を伝って流れる流体があってもこれを大気側リップ端7のシールダムにて密封することが可能とされている。したがって本発明所期の目的どおり、ネジ部17のポンピング作用によって優れた密封性能を発揮することができ、しかも軸停止時に密封流体が漏洩することもない密封装置1を提供することができる。
またこれに加えて、大気側リップ端7の大気側斜面にも軸回転時に密封流体に対するポンピング作用をなすネジ部8が設けられているために、万一、大気側リップ端7を漏洩する流体があってもこれがそのまま大気側へ流れ出るのを抑制することが可能とされている。したがってこの点からも、優れた密封性能を発揮する密封装置1を提供することができる。尚、上記したとおり金属スプリングを持たないゴムリップ単体シールは、回転トルクを低減できるものである。
また、リップ保持部5にベロー部21を介してメインリップ6が設けられているために、軸が偏心したときにベロー部21が変形することにより、軸の偏心に対するメインリップ6の追随性を高めることができる。
第五・第六実施例・・・
図8は、本発明の第五実施例に係る密封装置の要部断面を示している。
当該実施例に係る密封装置1は、軸(図示せず)に対する緊迫力を増大するためのガータースプリング等の金属スプリングを持たないゴムリップ単体タイプの密封装置(ゴムリップ単体シール)であって、一枚のシールリップ6に密封流体側リップ端10および大気側リップ端7を含む複数段のリップ端が設けられ、密封流体側リップ端10に、軸回転時に密封流体に対するポンピング作用(このポンピング作用は、シールリップ6の摺動部に浸入して来る密封流体を戻す方向に作用するものである)をなすネジ部17がリップ先端縁18に達するように設けられるとともに、大気側リップ端7は全周に亙って軸に接触してシールダムをなすものとされている。
また、大気側リップ端7の大気側斜面にも軸回転時に密封流体に対するポンピング作用(このポンピング作用は、シールリップ6の摺動部に浸入して来る密封流体を戻す方向に作用するものである)をなすネジ部8が設けられ、但しこのネジ部8は、大気側リップ端7が全周に亙って軸に接触するよう大気側リップ端7に達しないように設けられている。
密封装置1全体としては、図示しないハウジングの軸孔内周に嵌合される取付部2に径方向部3を介してリップ保持部(シール部)5が設けられ、このリップ保持部5にベロー部21を介して第一のシールリップ(メインリップ)6が密封流体側Cに向けて設けられるとともに第二のシールリップ(サブリップ、ダストリップ)19が大気側Dに向けて設けられ、前者のメインリップ6に上記リップ端7,10の複数段構造が設けられている。メインリップ6は斜め内方へ向けて設けられ、これに対してサブリップ19は軸方向一方(大気側D)へ向けて設けられ、装着時に変形させるタイプとされている。材質としてはゴム状弾性体の単体品よりなり、但し上記取付部2および径方向部3には補強のための金属環4が設けられている。
上記ベロー部21は、軸の偏心作動に対するメインリップ6の追随性を高めるために設けられており、屈曲部23および径方向部24を有している。すなわち前記リップ保持部5の密封流体側端面に環状の屈曲部23が設定され、この屈曲部23から径方向内方へ向けて環状の径方向部24が一体成形され、この径方向部24の内周端部にメインリップ6が設けられている。また、サブリップ19は、径方向部24の大気側端面に設けられている。
上記メインリップ6は、その基端から先端にかけて径寸法が徐々に縮小するテーパー状(円錐面状)に成形され、その最小径部に環状の大気側リップ端7が設けられ、引きつづき薄肉状のテーパー部20が延長方向に一体成形されてその最小径部に環状の密封流体側リップ端10が設けられ、その大気側斜面にスパイラル溝よりなるネジ部17が設けられている。一方、大気側リップ端7の大気側斜面に設けられるネジ部8は、舟底状のスパイラル突起よりなり、こちらのネジ部8は上記したように大気側リップ端7に達しないように設けられている(ネジ部8とリップ端7の間に所定の軸方向間隔が設定されている)。
尚、ネジ部8,17は4条ネジ等の多条ネジであっても良く、第六実施例として示す図9では、密封流体側リップ端10の大気側斜面に設けられるネジ部17が4条ネジ等の多条ネジとされている。
上記構成の密封装置1は、密封流体側リップ端10および大気側リップ端7を有するシールリップ6が軸の周面に摺動自在に密接することにより密封流体をシールするものであって、上記構成により以下の作用効果を奏する点に特徴を有している。
すなわち先ず、上記構成の密封装置1においては、一枚のシールリップ6に密封流体側リップ端10および大気側リップ端7よりなる2段のリップ端構造が設けられ、一方の密封流体側リップ端10に、軸回転時に密封流体に対するポンピング作用をなすネジ部17がリップ先端縁18に達するように設けられるとともに、大気側リップ端7は全周に亙って軸に接触してシールダムをなすものとされている。したがって、軸回転時にネジ部17のポンピング作用によって優れた密封性能が発揮されるとともに、軸停止時にはネジ部17を伝って流れる流体があってもこれを大気側リップ端7のシールダムにて密封することが可能とされている。したがって本発明所期の目的どおり、ネジ部17のポンピング作用によって優れた密封性能を発揮することができ、しかも軸停止時に密封流体が漏洩することもない密封装置1を提供することができる。
またこれに加えて、大気側リップ端7の大気側斜面にも軸回転時に密封流体に対するポンピング作用をなすネジ部8が設けられているために、万一、大気側リップ端7を漏洩する流体があってもこれがそのまま大気側へ流れ出るのを抑制することが可能とされている。したがってこの点からも、優れた密封性能を発揮する密封装置1を提供することができる。尚、上記したとおり金属スプリングを持たないゴムリップ単体シールは、回転トルクを低減できるものである。
また、リップ保持部5にベロー部21を介してメインリップ6が設けられているために、軸が偏心したときにベロー部21が変形することにより、軸の偏心に対するメインリップ6の追随性を高めることができる。
(A)は本発明の第一実施例に係る密封装置の要部断面図、(B)は蛇腹形状の他の例を示す説明図 同実施例における蛇腹形状の軸への装着状態を示す説明図 同実施例における蛇腹形状の軸への接触状態を示す説明図 本発明の第二実施例に係る密封装置の要部断面図 同密封装置の装着状態を示す要部断面図 本発明の第三実施例に係る密封装置の要部断面図 本発明の第四実施例に係る密封装置の要部断面図 本発明の第五実施例に係る密封装置の要部断面図 本発明の第六実施例に係る密封装置の要部断面図 従来例に係る密封装置の要部断面図
符号の説明
1 密封装置
2 取付部
3,24 径方向部
4 金属環
5 リップ保持部
6,19 シールリップ
7 大気側リップ端
8,17 ネジ部
9 段差部
10 密封流体側リップ端
11 蛇腹形状
12 山
13 相対凹部
14 空間
15 谷
16 相対凸部
18 リップ先端縁
20 薄肉状テーパー部
21 ベロー部
22 軸方向部
23 屈曲部
31 軸

Claims (1)

  1. 軸に対する緊迫力増大のための金属スプリングを有さないゴムリップ単体シールであって、
    一枚のシールリップに密封流体側リップ端および大気側リップ端を含む複数段のリップ端を設け、
    前記密封流体側リップ端に、軸回転時に密封流体に対するポンピング作用をなすネジ部をリップ先端縁に達するように設け、
    前記大気側リップ端は、全周に亙って軸に接触してシールダムをなし、
    前記密封流体側リップ端は、山谷ないしウェーブが周方向に繰り返し設けられる蛇腹形状を呈してその内周面に前記ネジ部が設定され、
    前記蛇腹形状は、前記大気側リップ端との間の部位からリップ先端縁にかけて山谷ないしウェーブの度合いが徐々に拡大しかつ軸の回転方向に一定の傾斜角度を備えていることを特徴とする密封装置。
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