JP5087983B2 - 炭化珪素半導体結晶膜形成装置および炭化珪素半導体結晶膜形成方法 - Google Patents

炭化珪素半導体結晶膜形成装置および炭化珪素半導体結晶膜形成方法 Download PDF

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Description

この発明は、半導体結晶膜を形成する半導体結晶膜形成装置および半導体結晶膜形成方法に関し、特に、炭化珪素(SiC)の単結晶膜を形成する炭化珪素半導体結晶膜形成装置および炭化珪素半導体結晶膜形成装置に関する。
従来、炭化珪素の単結晶膜を形成する方法として、化学気相蒸着(Chemical Vapor Deposition:CVD)によるエピタキシャル成長方式が知られている。図8は、従来技術による半導体結晶膜形成装置の構造を示す説明図である。また、図9は、図8に示す半導体結晶膜形成装置の線分D−D’に沿った断面を示す断面図である。
図8に示す半導体結晶膜形成装置100は、横型高温壁誘導加熱式の半導体結晶膜形成装置である。半導体結晶膜形成装置100は、石英管104の内側に、断熱材103を介してホットウォール102を有する。ホットウォール102は、グラファイト(黒鉛)で形成されている。ホットウォール102の内壁面は、炭化珪素でコーティングされていてもよい。また、断熱材103は、カーボンフェルトによって形成されている。また、石英管104の外側には、コイル101が設けられている。
半導体結晶膜形成装置100で炭化珪素の結晶膜を形成する場合、まず、ホットウォール102の上にウエハー106を載せる。つぎに、コイル101に電流を流して、ホットウォール102を誘導加熱する。そして、石英管104の中に反応ガス105を注入する。反応ガス105は、モノシランやプロパンなどの前駆体ガスや、水素などのキャリアガスを混合したガスである。ウエハー106および反応ガス105は、ホットウォール102からの伝熱および熱輻射によって加熱される。それによって、反応ガス105が熱化学反応を起こし、ウエハー106のおもて面に炭化珪素の結晶膜が成長する。
このような半導体結晶膜形成装置として、サセプタ(図8のホットウォールに相当する部材)の内壁面の全面、またはウエハーと対峙する面を、炭化タンタル(TaC)などの金属炭化物でコーティングした半導体結晶膜形成装置が知られている(下記特許文献1〜3参照。)。
特表2005−508097号公報 特開2006−028625号公報 特開2005−109408号公報
しかしながら、上述した従来技術では、半導体結晶膜形成装置内のウエハーの温度にムラが生じ、半導体結晶膜の膜厚に偏りが生じてしまうという問題点がある。半導体結晶膜形成装置の設計にあたっては、加熱時のウエハーの温度分布が重要な意味を持つ。たとえば、炭化珪素は結晶の積層構造に応じて多くの結晶多形(ポリタイプ)を有するが、これらの結晶多形の中で、パワーデバイスの製造に用いられるのは、バンドギャップが大きい4H型のSiC(以下、「4H−SiC」という)である。4H−SiCを低温で成長させると結晶膜の表面に積層欠陥が生じてしまう。このため、4H−SiCの結晶膜を形成する場合、半導体結晶膜形成装置内の温度を1500℃以上と比較的高温にしなければならない。
半導体結晶膜形成装置内のウエハーは、ホットウォールの内壁の上面(ウエハーおもて面が対峙する面)、下面(ウエハー裏面が接する面)、側面から熱輻射、および下面からの熱伝導によって加熱される。ホットウォールの中央部では、ホットウォールの上面と下面から熱輻射、および下面からの熱伝導によってウエハーが加熱される。一方、ホットウォールの側面に近い領域では、ホットウォールの上面と下面から熱輻射、および下面からの熱伝導に加え、ホットウォールの側面からの熱輻射によってウエハーが加熱される。よって、ホットウォールの側面に近い領域に位置するウエハーは、ホットウォールの中央部と比較して温度が高くなる。ウエハーの温度は、半導体結晶膜の成長に大きな影響を与える。このため、半導体結晶膜形成装置内のウエハーの温度にムラが生じると、半導体結晶膜の膜厚に偏りが生じてしまう。
ウエハーの温度にムラが生じるのを避けるためには、ホットウォールの側面から離れた領域にウエハーを配置する方法が考えられる。しかし、ウエハーの口径が大きい場合や、複数のウエハーを同時に処理する場合などは、ホットウォールのサイズを大きくしなければ側面から離れた領域にウエハーを配置することができない。また、ホットウォールのサイズを大きくすると、半導体結晶膜形成装置本体が大型化してしまうという問題点がある。さらに、ホットウォールのサイズを大きくすると、ホットウォールの熱容量が増加するため、ホットウォールの昇降温速度が低下してしまうという問題点がある。
また、上述した特許文献1〜3にかかる半導体結晶膜形成装置のように、ホットウォールの全面やウエハーと対峙する面を金属炭化物でコーティングすると、金属炭化物でコーティングされた面からの熱輻射量が小さくなる。このため、ウエハーの裏面は下面からの熱伝導で加熱されるのに対して、ウエハーおもて面は冷たい反応ガスによって冷やされ、ウエハーとホットウォールとの間に大きな温度差が生じる。この温度差によって、ホットウォールのコーティング材がウエハー裏面に蒸着し、ホットウォールのコーティングが剥がれたり、ウエハー裏面が汚染されてしまうという問題点がある。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、ウエハーの温度が均一となるようにウエハーを加熱して、膜厚が均一な半導体結晶膜を形成することができる炭化珪素半導体結晶膜形成装置および炭化珪素半導体結晶膜形成装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、第1の発明にかかる炭化珪素半導体結晶膜形成装置は、コイルによって誘導加熱されるホットウォールによって囲まれるガス流路内にガスを供給して当該ガス流路内に置かれたウエハーの表面に炭化珪素半導体結晶膜を形成する炭化珪素半導体結晶膜形成装置であって、前記ホットウォールはグラファイトで形成されており、前記ホットウォールの内壁面のうち、前記ウエハーが設置される面および前記ウエハーのおもて面と対向する面以外の面は、炭化タンタルで被覆されており、前記ウエハーが設置される面および前記ウエハーのおもて面と対向する面は、前記炭化タンタルで被覆されていないことを特徴とする。
また、第2の発明にかかる炭化珪素半導体結晶膜形成装置は、コイルによって誘導加熱されるホットウォールによって囲まれるガス流路内にガスを供給して当該ガス流路内に置かれたウエハーの表面に炭化珪素半導体結晶膜を形成する炭化珪素半導体結晶膜形成装置であって、前記ホットウォールはグラファイトで形成されており、前記ホットウォールの内壁面のうち、前記ウエハーが設置される面および前記ウエハーのおもて面と対向する面以外の面は、グラファイトで形成され炭化タンタルで被覆された板状部材が設置されており、前記ウエハーが設置される面および前記ウエハーのおもて面と対向する面は、前記板状部材が設置されていないことを特徴とする。
また、第3の発明にかかる炭化珪素半導体結晶膜形成装置は、第1または第2の発明において、前記ホットウォールの内壁面のうち、前記ウエハーが設置される面および前記ウエハーのおもて面と対向する面は、グラファイトで形成され炭化珪素で被覆された板状部材または炭化珪素からなる板状部材が設置されていることを特徴とする。
また、第4の発明にかかる炭化珪素半導体結晶膜形成装置は、コイルによって誘導加熱されるホットウォールによって囲まれるガス流路内にガスを供給して当該ガス流路内に置かれたウエハーの表面に炭化珪素半導体結晶膜を形成する炭化珪素半導体結晶膜形成装置であって、グラファイトで形成され炭化珪素で被覆された前記ウエハーを設置するための板状部材を備え、前記ホットウォールはグラファイトで形成されており、前記ホットウォールの内壁面のうち、前記ウエハーが設置された板状部材と平行な面には、グラファイトで形成され炭化珪素で被覆された板状部材または炭化珪素からなる板状部材が設置されており、前記ホットウォールの内壁面のうち、前記ウエハーが設置された板状部材と平行な面以外の面には、グラファイトで形成され炭化タンタルで被覆された板状部材が設置されていることを特徴とする。
また、第5の発明にかかる炭化珪素半導体結晶膜形成装置は、第4の発明において、前記ウエハーを設置するための板状部材が複数設けられていることを特徴とする。
また、第6の発明にかかる炭化珪素半導体結晶膜形成方法は、コイルによって誘導加熱されるホットウォールによって囲まれるガス流路内にガスを供給して当該ガス流路内に置かれたウエハーの表面に炭化珪素半導体結晶膜を形成する炭化珪素半導体結晶膜形成方法であって、前記ホットウォールはグラファイトで形成されており、前記ホットウォールの内壁面のうち、前記ウエハーが設置される面および前記ウエハーのおもて面と対向する面以外の面は、炭化タンタルで被覆されており、前記ウエハーが設置される面および前記ウエハーのおもて面と対向する面は、前記炭化タンタルで被覆されておらず、前記ホットウォール内にガスを供給して前記ウエハーの表面に炭化珪素半導体結晶膜を形成することを特徴とする。
この第1〜6の発明によれば、ホットウォールの内壁面のうち、ウエハーのおもて面または裏面と接触または対する面以外の面、すなわちホットウォールの側面は、炭化タンタルで被覆され、または炭化タンタルで被覆された板状部材が設置されている。炭化タンタルの熱輻射率は、グラファイトや炭化珪素の熱輻射率よりも低い。このため、ホットウォール側面から輻射される熱を抑え、ガス流路内の幅方向の温度分布を均一にすることができる。
また、第4または5の発明によれば、ウエハーへの成膜処理をおこなう度に板状部材を交換することができる。これにより、パーティクルやコーティングの剥げの影響を低減し、安定した品質の半導体結晶膜を形成することができる。また、半導体結晶膜の成膜後、ウエハーを並べた板状部材ごと装置から取り出すようにすれば、板状部材の熱容量が小さいため、短時間で冷却することができ、成膜プロセスを短時間で終了させることができる。さらに、第5の発明によれば、ウエハーを設置するための板状部材が複数設けられているため、1回の処理で複数のウエハーに半導体結晶膜を形成することができる。
本発明にかかる炭化珪素半導体結晶膜形成装置および炭化珪素半導体結晶膜形成方法によれば、ウエハーの温度が均一となるようにウエハーを加熱して、膜厚が均一な半導体結晶膜を形成することができる。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる炭化珪素半導体結晶膜形成装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1にかかる半導体結晶膜形成装置の構造を示す説明図である。また、図2は、図1に示す半導体結晶膜形成装置の線分A−A’に沿った断面を示す断面図である。図1に示す半導体結晶膜形成装置10は、コイル1、ホットウォール2、断熱材3、石英管4によって構成されている。半導体結晶膜形成装置10で半導体結晶膜を形成する場合は、ホットウォール2の上にウエハー6を載せて、コイル1に電流を流し、ホットウォール2を誘導加熱する。この場合、ホットウォールはサセプタを兼ねている。ホットウォールとは別にサセプタを設けてもよい。そして、石英管4の中に反応ガス5を導入して、ウエハー6のおもて面に半導体結晶膜をエピタキシャル成長させる。
ここで、ホットウォール2の内壁面のうち、側面(ウエハー6が設置される面およびウエハー6のおもて面と対向する面以外の面)は、炭化タンタル(TaC)によってコーティングされている(炭化タンタルコート7)。この炭化タンタルコート7によって、ホットウォール2の側面からの熱輻射を抑え、ウエハー6の温度にムラが生じるのを抑えることができる。
炭化タンタルは、ホットウォール2全体をコーティングしている炭化珪素よりも熱輻射率が低い。たとえば、1500℃における炭化珪素の熱輻射率は0.82、グラファイトの熱輻射率は0.72である。一方、1500℃における炭化タンタルの熱輻射率は0.08である。また、炭化タンタルは、1500℃以上の高温でも安定しており、かつ高温の水素に対する耐性を有する。このように、炭化タンタルは、ホットウォール2の側面をコーティングするのに適した素材である。
図3は、半導体結晶膜形成装置で加熱したウエハーの温度分布を示すグラフである。図3において、縦軸はウエハーの温度(℃)、横軸はホットウォールの幅方向(線分A−A’または線分D−D’に沿った方向)の中心からの相対位置(mm)である。また、図3中黒丸(●)は、実施の形態1にかかる半導体結晶膜形成装置10で加熱したウエハーの温度、図3中白四角(□)は、図8に示す従来技術にかかる半導体結晶膜形成装置で加熱したウエハーの温度をそれぞれ示す。
図3に示すように、従来技術にかかる半導体結晶膜形成装置で加熱したウエハーの温度は、ホットウォールの中心付近では均一である。しかし、ホットウォールの側面に近づくにつれ、側面からの輻射加熱の影響を受けて、ウエハーの温度が上昇している。一方、実施の形態1にかかる半導体結晶膜形成装置10で加熱したウエハーは、従来技術にかかる半導体結晶膜形成装置で加熱したウエハーと比較して、温度が均一な領域が60%以上増加している。よって、実施の形態1にかかる半導体結晶膜形成装置10は、従来技術にかかる半導体結晶膜形成装置と比較して、口径が大きいウエハーに半導体結晶膜を形成することができる。
つぎに、実施の形態1にかかる半導体結晶膜形成装置10で形成した半導体結晶膜の膜厚分布と、図8に示す従来技術にかかる半導体結晶膜形成装置で形成した半導体結晶膜の膜厚分布とを比較した結果について説明する。なお、両方の半導体結晶膜形成装置のホットウォールは、横幅10mm、高さ40mmのガス流路を有する。また、従来技術にかかる半導体結晶膜形成装置のホットウォールの内壁は、炭化珪素のみで全面をコーティングされている。
半導体結晶膜を以下のように形成した。まず、ガス流路内に直径3インチのウエハーを配置する。つぎに、キャリアガスとして流量20smlの水素ガスを流す。つづいて、80Torrの減圧雰囲気で1600℃に加熱する。そして、流量6.3sccmのモノシランガスおよび流量1.8sccmのプロパンガスを、それぞれ1時間に流す。
このような処理によってウエハー6の表面に炭化珪素の半導体結晶膜を形成した。そして、膜厚分布の標準偏差を膜厚の平均値で除した値(標準偏差/平均値)を算出した。従来技術にかかる半導体結晶膜形成装置では、半導体結晶膜の標準偏差/平均値は30%であった。これに対して、実施の形態1にかかる半導体結晶膜形成装置では、半導体結晶膜の標準偏差/平均値は10%に改善された。
また、実施の形態1にかかる半導体結晶膜形成装置10は、ウエハー6が設置される面およびウエハー6のおもて面と対向する面には炭化タンタルコート7がなされていない。このため、ウエハー6は、裏面への熱伝導および熱輻射に加え、おもて面への熱輻射によって加熱される。このため、ウエハー6とホットウォール2との温度差を小さくすることができ、ウエハー6とホットウォール2との温度差に起因するホットウォールのコーティング材の剥がれや、ウエハー6裏面の汚染を低減することができる。
なお、炭化タンタルは炭化珪素パーティクルとの密着性が高くない。このため、ホットウォール2の内壁の上面(ウエハー6のおもて面と対向する面)を炭化タンタルでコーティングすると、炭化珪素パーティクルがウエハー6のおもて面に落下しやすくなってしまう。よって、ホットウォール2の内壁の上面は、炭化タンタルでコーティングされていないのが望ましい。
また、図4に示すように、炭化タンタルコート7に代えて、炭化タンタルでコーティングされたグラファイト板(以下、「TaCグラファイト板」という)8でホットウォールの側面を覆うこととしてもよい。図4は、実施の形態1にかかる半導体結晶膜形成装置の変形例を示す説明図である。TaCグラファイト板8は取り外しが可能であるため、パーティクルが付着した場合や、炭化タンタルのコーティングが剥がれた場合などは、TaCグラファイト板8を交換することができる。これにより、半導体結晶膜形成装置内の状態を一様に保つことができるので、安定した品質の半導体結晶膜を形成することができる。
(実施の形態2)
図5は、実施の形態2にかかる半導体結晶膜形成装置の構造を示す説明図である。また、図6は、図5に示す半導体結晶膜形成装置の線分B−B’に沿った断面を示す断面図である。また、図7は、図6に示す断面図の領域Cを拡大した説明図である。図5に示す半導体結晶膜形成装置20は、図1に示す半導体結晶膜形成装置10と同様に、コイル1、ホットウォール2、断熱材3、石英管4によって構成されている。また、ホットウォール2の側面は、炭化タンタルでコーティングされたTaCグラファイト板8で覆われている。
また、ホットウォール2の上面および下面はSiCグラファイト板9で覆われており、その間のガス流路には、上面および下面を覆うSiCグラファイト板9と平行(縦方向)に複数のSiCグラファイト板9が並べられている。SiCグラファイト板9は、グラファイト板の表面を炭化珪素でコーティングしたものである。SiCグラファイト板9は、たとえば図7に示すように、TaCグラファイト板8の表面に形成された凹凸によって支えられている。
半導体結晶膜形成装置20で半導体結晶膜を形成する場合は、それぞれのSiCグラファイト板9(ホットウォール2の上面および下面を覆う板を除く)にウエハー6を載せて、コイル1に電流を流し、ホットウォール2を誘導加熱する。そして、石英管4の中に反応ガス5を注入して、ウエハー6のおもて面に半導体結晶膜をエピタキシャル成長させる。このように、半導体結晶膜形成装置20は、実施の形態1にかかる半導体結晶膜形成装置10と比較して、一度の処理で複数のウエハー6に半導体結晶膜を形成することができる。
なお、ウエハー6を並べる板としてSiCグラファイト板9を用いる理由は、第1に炭化珪素の熱輻射率が高いためであり、第2に炭化珪素のパーティクルとの密着性が高いためである。また、図5および図6は、3枚のSiCグラファイト板9にウエハー6を並べて同時に処理をおこなう構成を示したが、SiCグラファイト板9の枚数を調整することによって、同時に処理できるウエハーの枚数は適宜調整することができる。
以上説明したように、実施の形態2にかかる半導体結晶膜形成装置20は、ホットウォール2の側面をTaCグラファイト板8で、ホットウォール2の上面および下面をSiCグラファイト板9で覆っている。これにより、ホットウォール側面からの熱輻射を避けつつ、ホットウォール上面および下面からの熱輻射を有効に利用して、ウエハーの温度分布を均一にすることができる。
また、ホットウォール2の各面を覆うグラファイト板は取り外し可能であるため、成膜をおこなう度に交換することができる。これにより、パーティクルやコーティングの剥げの影響を低減し、安定した品質の半導体結晶膜を形成することができる。さらに、半導体結晶膜の成膜後、ウエハー6を並べたSiCグラファイト板9ごと装置から取り出すようにすれば、SiCグラファイト板9の熱容量が小さいため、短時間で冷却することができ、成膜プロセスを短時間で終了させることができる。なお、本実施例では、SiCグラファイト板を用いたが、炭化珪素からなる板で代用しても同様の効果が得られる。
以上のように、本発明にかかる炭化珪素半導体結晶膜形成装置および炭化珪素半導体結晶膜形成方法は、膜厚が均一な半導体結晶膜を形成するのに有用であり、特に、パワーデバイスの製造に用いられる4H−SiCの結晶膜の形成に適している。
実施の形態1にかかる半導体結晶膜形成装置の構造を示す説明図である。 図1に示す半導体結晶膜形成装置の線分A−A’に沿った断面を示す断面図である。 半導体結晶膜形成装置で加熱したウエハーの温度分布を示すグラフである。 実施の形態1にかかる半導体結晶膜形成装置の変形例を示す説明図である。 実施の形態2にかかる半導体結晶膜形成装置の構造を示す説明図である。 図5に示す半導体結晶膜形成装置の線分B−B’に沿った断面を示す断面図である。 図6に示す断面図の領域Cを拡大した説明図である。 従来技術による半導体結晶膜形成装置の構造を示す説明図である。 図8に示す半導体結晶膜形成装置の線分D−D’に沿った断面を示す断面図である。
符号の説明
1 コイル
2 ホットウォール
3 断熱材
4 石英管
5 反応ガス
6 ウエハー
7 炭化タンタルコート
8 TaCグラファイト板
9 SiCグラファイト板
10,20 半導体結晶膜形成装置

Claims (6)

  1. コイルによって誘導加熱されるホットウォールによって囲まれるガス流路内にガスを供給して当該ガス流路内に置かれたウエハーの表面に炭化珪素半導体結晶膜を形成する炭化珪素半導体結晶膜形成装置であって、
    前記ホットウォールはグラファイトで形成されており、
    前記ホットウォールの内壁面のうち、前記ウエハーが設置される面および前記ウエハーのおもて面と対向する面以外の面は、炭化タンタルで被覆されており、前記ウエハーが設置される面および前記ウエハーのおもて面と対向する面は、前記炭化タンタルで被覆されていないことを特徴とする炭化珪素半導体結晶膜形成装置。
  2. コイルによって誘導加熱されるホットウォールによって囲まれるガス流路内にガスを供給して当該ガス流路内に置かれたウエハーの表面に炭化珪素半導体結晶膜を形成する炭化珪素半導体結晶膜形成装置であって、
    前記ホットウォールはグラファイトで形成されており、
    前記ホットウォールの内壁面のうち、前記ウエハーが設置される面および前記ウエハーのおもて面と対向する面以外の面は、グラファイトで形成され炭化タンタルで被覆された板状部材が設置されており、前記ウエハーが設置される面および前記ウエハーのおもて面と対向する面は、前記板状部材が設置されていないことを特徴とする炭化珪素半導体結晶膜形成装置。
  3. 前記ホットウォールの内壁面のうち、前記ウエハーが設置される面および前記ウエハーのおもて面と対向する面は、グラファイトで形成され炭化珪素で被覆された板状部材または炭化珪素からなる板状部材が設置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の炭化珪素半導体結晶膜形成装置。
  4. コイルによって誘導加熱されるホットウォールによって囲まれるガス流路内にガスを供給して当該ガス流路内に置かれたウエハーの表面に炭化珪素半導体結晶膜を形成する炭化珪素半導体結晶膜形成装置であって、
    グラファイトで形成され炭化珪素で被覆された前記ウエハーを設置するための板状部材を備え、
    前記ホットウォールはグラファイトで形成されており、
    前記ホットウォールの内壁面のうち、前記ウエハーが設置された板状部材と平行な面には、グラファイトで形成され炭化珪素で被覆された板状部材または炭化珪素からなる板状部材が設置されており、
    前記ホットウォールの内壁面のうち、前記ウエハーが設置された板状部材と平行な面以外の面には、グラファイトで形成され炭化タンタルで被覆された板状部材が設置されていることを特徴とする炭化珪素半導体結晶膜形成装置。
  5. 前記ウエハーを設置するための板状部材が複数設けられていることを特徴とする請求項4に記載の炭化珪素半導体結晶膜形成装置。
  6. コイルによって誘導加熱されるホットウォールによって囲まれるガス流路内にガスを供給して当該ガス流路内に置かれたウエハーの表面に炭化珪素半導体結晶膜を形成する炭化珪素半導体結晶膜形成方法であって、
    前記ホットウォールはグラファイトで形成されており、
    前記ホットウォールの内壁面のうち、前記ウエハーが設置される面および前記ウエハーのおもて面と対向する面以外の面は、炭化タンタルで被覆されており、前記ウエハーが設置される面および前記ウエハーのおもて面と対向する面は、前記炭化タンタルで被覆されておらず、
    前記ホットウォール内にガスを供給して前記ウエハーの表面に炭化珪素半導体結晶膜を形成することを特徴とする炭化珪素半導体結晶膜形成方法。
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