以下、本発明に係る弾球遊技機の実施の形態として、遊技場等に設置されるパチンコ機を図面に沿って説明する。図1は、本発明の実施の形態におけるパチンコ機の外部構造を示す正面図である。
パチンコ機1は、図1に示すように、発射ハンドル2の操作による発射装置(図示せず)の作動で遊技球(所謂パチンコ玉)を遊技盤3の遊技領域3aに向かって打ち出しつつ遊技を行うもので、所謂確率変動等の大当たりが発生した状態でアタッカー5に入球した遊技球に対応する数の遊技球を払い出すように構成されている。上記確率変動当たり(「確変当たり」とも言う)とは、抽選の結果、確変モードの大当たりが当選したとき、少なくとも当該確変モードによる遊技状態において次なる大当たりを引くまでの間、遊技者に有利な付加価値を付与し得る特殊状態を意味する。これに対し、当該特殊状態にならない大当たりとして「通常当たり」がある。
本パチンコ機1は、開口を有する枠体状の筐体6と、遊技盤3を支持した形で筐体6に開閉可能に支持された前扉7とを有しており、前扉7の前面には、透明ガラス9を有するガラス枠10が開閉可能に取り付けられている。透明ガラス9の奥側には、遊技盤3が配設されている。前扉7における遊技盤3の左右には演出用照明装置11が配設されており、前扉7における上部左右、及び下部の皿ユニット16の左右には、スピーカ(図示せず)を有する放音装置12がそれぞれ配設されている。なお、筐体6及び前扉7等により遊技機本体が構成されている。
また、ガラス枠10における中央部右方には、前扉7を筐体6側に施錠又は解放し、或いは、ガラス枠10を前扉7側に施錠又は解放するための施錠装置13が配設されている。なお、図1中の符号14は、不図示の発射装置によって打ち出された遊技球を遊技領域3aに案内するガイドレールを示している。本パチンコ機1には、遊技中に遊技領域3aにて入賞することなく落下してアウト口(図示せず)に進入した遊技球をパチンコ機背面側に導くアウト球通路(図示せず)が設けられている。
そして、前扉7における下部中央には皿ユニット16が設けられており、皿ユニット16における右上部には、賞球及び貸球を含む遊技球が供給される球供給口17が設けられ、皿ユニット16における右上部壁面には、球貸ボタン19a及びプリペイドカード返却ボタン19bが設けられている。皿ユニット16の中央部左方には、該皿ユニット16上の遊技球を発射装置(図示せず)付近から皿ユニット下部の球排出口(図示せず)を通して下方に排出するための第1球抜きボタン20aが配設されており、皿ユニット16の中央部下方には、皿ユニット16上の遊技球を球供給口17付近から上記球排出口を通して下方に排出するための第2球抜きボタン20bが配設されている。
また、前扉7における皿ユニット16の右側下方には、上記発射装置を操作して遊技球を遊技盤3に向けて打ち出すための発射ハンドル2が設けられている。更に、皿ユニット16の下部左方には、台座部15と灰皿21とが配設されており、該台座部15には、中央部に遊技参加ボタン22が配設され、かつ該参加ボタン22の左右に選択ボタン18a,18bがそれぞれ配設されている。
遊技領域3aの中央部分には、ステージSを有するセンター飾り(センター役物)23が配設されている。該センター飾り23の左右下方には、大当たり抽選に寄与しない一般の入賞が行われる入賞口25,26が配設されており、センター飾り23の中央下方には、始動チャッカー27と、アタッカー5とが順次配設されている。
始動チャッカー27は、大当たり抽選実行の契機となり得る入賞が行われるものであり、開放位置と閉止位置とに開閉動作するように始動チャッカー開閉ソレノイド70(図7参照)によって作動させられる。始動チャッカー27の直上方には、所謂命釘としての一対の障害釘30が打ち込まれている。
アタッカー5は、大当たり発生時に開放され、遊技盤3の遊技領域3aに打ち出されて転動落下する遊技球を入賞させるものであり、大当たり発生中、例えば、1回の開放で9個の入球を完了した時点で閉じ、当該開閉動作を15回(つまり、15ラウンド)繰り返すように構成される。なお、これらの入球数並びに開閉動作の回数は、9個や15回に限定されることはなく、必要に応じて適宜設定され得るものである。
遊技領域3aには、センター飾り23の四方に風車31がそれぞれ配設されており、ステージSの下方における始動チャッカー27の左側には、スルーゲート32が配設されている。該スルーゲート32は、始動チャッカー27を開閉動作させるための普通図柄抽選の契機となる遊技球通過が行われる役物である。
遊技領域3aにおけるスルーゲート32、入賞口25,26及び始動チャッカー27等の周囲には、センター飾り23のステージSから零れた遊技球や、発射されてからステージSに関与せずに落下してくる遊技球を適宜散らし、或いは入球に導くようにするための障害釘33を含む多数の障害釘が打ち込まれている。
上記センター飾り23は、遊技領域3aにて弾球遊技をサポートするように配置されたセンター役物を構成しており、その中央部に、遊技盤3側に配設された画像表示装置35に設けられた画面を露出する開口36を有し、左上部にワープ導入口37を有し、開口36の下側にステージSを有し、開口36の右側に演出役物55を有している。更にセンター飾り23は、ステージSの下側に、ステージS上で転動して該ステージSの所定位置の落下孔(図示せず)に落下した遊技球を始動チャッカー27に向け放出する放出口49を有している。ワープ導入口37には、これに対向するように一対の障害釘39が打ち込まれている。ワープ導入口37の周囲や上方側にも、遊技球を適宜散らし、或いは入球に導くようにするための多数の障害釘(図示せず)が打ち込まれている。このような本パチンコ機1では、遊技領域3aに打ち出された遊技球Baを始動チャッカー27等に、ステージSを介して入球させ又はステージSを介さず直接入球させ得るように遊技が進められる。
なお、上記「ワープ」という語句は、遊技領域3aに打ち出された遊技球を、当該遊技領域3aの比較的下側に位置する不図示の道釘等を経ることなく、始動チャッカー27の上に導くことを意味する概念である。また、上記「道釘」とは、遊技領域3aにおいて始動チャッカー27の左右に打ち込まれた複数本の障害釘(図示せず)の列を意味するもので、上方から転動落下してきた遊技球を始動チャッカー27方向に導く役割を担っている。
次いで、本パチンコ機1の背面構造について図2を参照して説明する。同図は、本パチンコ機1の背面構造を示す背面図である。
すなわち、図2に示すように、パチンコ機1の前扉背面における上部左方には、賞球タンク43が取り付けられており、該賞球タンク43の下方に、副制御基板38、主制御基板40、及び払出し制御基板51がこの順に配設されている。また、前扉背面における上部右方には、外部端子板52が取り付けられており、該外部端子板52の下方に、整列待機通路45、賞球装置46、賞球排出通路47、電源ユニット41、及び発射装置(図示せず)用の発射制御基板53がこの順に配設されている。パチンコ機1の前扉背面における左側部には、施錠装置13が配設されている。
次いで、本発明の特徴部分となる演出役物55について図3ないし図6を参照して説明する。なお、図3は被反射部材56をミラー部材57,58で挟んだ合わせ鏡の状態を一部断面した形で示す側面図、図4はミラー部材57,58の初期状態を一部断面した形で示す側面図、図5はミラー部材58の駆動構造を示す平面図、図6は被反射部材56の連続する多数の反射像58bを示す正面図である。
演出役物55は、センター飾り23におけるステージSの後方(即ち、センター飾り23の奥側)に設けられた台座部54上に配置されている。該演出役物55は、図3ないし図6に示すように、ロウソク状に形成された被反射部材56と、該被反射部材56の像を反射する2枚のミラー部材57,58と、該ミラー部材58を演出上の所定の契機で初期位置(図4に示す位置)から移動させることで、被反射部材56をミラー部材57,58で挟んだ合わせ鏡の状態にして、該被反射部材56を連続する多数の反射像58bとして遊技領域3aの前側(即ち、パチンコ機1に対座した遊技者側)から視認可能な状態(演出状態)にする駆動装置50とを備えている。ミラー部材57,58は、それぞれ反射面57a,58aを有している。
被反射部材56は、ミラー部材57,58が上記合わせ鏡の状態になった際に発光するように制御されるLED(発光体)56aを有しており、ミラー部材57,58間における中間部分に配置されている。なお、本実施形態では、該LED56aは、ミラー部材57,58が合わせ鏡の状態になった際に発光するものとして説明するが、発光のタイミングはこれに限らず、他のタイミングであっても良いことは勿論である。
ミラー部材57は、台座部54上のステージ前後方向(同図の上下方向)の後側にてステージSの左右幅方向に沿うように配置され、ミラー部材58は、二点鎖線で示す最も矢印C方向に移動した状態の初期位置から上記演出状態に移動可能に構成されている。これらミラー部材57,58は、いずれも正面視四角形状に構成され、台座部54からの高さは、演出状態にて遊技者がミラー部材57側を良好に覗き込めるように、ミラー部材58がミラー部材57よりやや低くなるように形成されている(図3,図6参照)。なお、図3中の符号eは、遊技者の眼を示すと共にその視線の方向を概念的に示している。
台座部54には、演出状態においてミラー部材58をミラー部材57と略々平行に対向した状態にするための無底状の案内溝59が上下方向に貫通して形成されており、該案内溝59には、ミラー部材58の下面から突出する案内バー部材61が摺動自在に挿入され、かつ該案内バー部材61の中程には円柱状の抜止め部材60が固定されている。案内バー部材61の下方側には、ステージSの前方向に突出する係合部材62が固定されている。
台座部54には、上記案内溝59に沿って該台座部54の左右幅方向に延びるようにラックギヤ63が移動自在に配置されている。該ラックギヤ63は、長手方向が上記案内溝59よりやや長くなるように形成されており、台座部54の下方における複数箇所に回転自在に配置された支持ローラ69によって、案内溝59に隣接した状態で該案内溝59に沿って矢印B方向(図5参照)に自在に移動されるように支持される。該ラックギヤ63は、ステージSの前方向にギヤ部63aを有すると共に、該ギヤ部63aの背面側(ステージSの奥側)における一端部(図5の左端部)に上記係合部材62が固定されている。
駆動装置50は、台座部54の下面に周知の支持部材(図示せず)を介して固定され、かつ上方を向いた回転軸65aにピニオン64が嵌着固定されたモータ65を有している。該ピニオン64は、ラックギヤ63のギヤ部63aに噛合しており、該ラックギヤ63とでラックアンドピニオン(rack and pinion)を構成している。また、モータ65は、ステッピングモータからなり、演出制御手段90(図7参照)からの駆動信号に応答して、該駆動信号のステッピングパルス数に対応する回転角だけ+方向、−方向に選択的に駆動する。これにより、ミラー部材58は、係合部材62を介してラックギヤ63とともに移動することで、図5に実線で示すミラー部材57との平行状態(演出状態)から、図5に二点鎖線で示すように回動移動して上記初期位置に復帰する。同様に、該ミラー部材58は、該初期位置から上記演出状態に移動する。
台座部54には、ミラー部材58の上記移動を可能にするように無底状の案内溝66が形成されており、該案内溝66は、図5に示すミラー部材57の右端部と、被反射部材56を挟んで所定距離離間する案内溝59の右端部とを連絡するように円弧状に形成されている。ミラー部材58は、その一端部の支持ローラ69を案内溝59に案内支持された状態で、他端部の下面に軸部材67(図4参照)で支持された支持ローラ68を案内溝66に案内支持されており、従って、上記モータ65の駆動時のラックギヤ63の移動力を受けて演出状態の位置と初期位置との間を円滑に移動する。
次に、本実施形態におけるパチンコ機1の制御系を図7に沿って説明する。なお、同図は本パチンコ機の制御系を示すブロック図である。
すなわち、本制御系は、遊技制御装置80と、該遊技制御装置80に電気的に接続された、始動チャッカー開閉ソレノイド70、アタッカー開閉ソレノイド71、放音装置12、演出用照明装置11、画像表示装置35、及び、モータ65とLED56aを含む演出役物55を備えている。
遊技制御装置80は、図2に示した主制御基板40や副制御基板38等から構成されている。主制御基板40は、本パチンコ機1の動作全体を統括的に管理するものであり、当該パチンコ機1の動作全体を管理するシステムプログラム及び遊技用の実行プログラムが予め記憶された半導体メモリ等からなる記憶部(図示せず)と、これらのプログラムを実行する不図示のマイクロプロセッサ(MPU)とを備えている。また、副制御基板38は、主に画像表示、効果音等の演出、効果光等の表示制御を行うように構成されている。
遊技制御装置80は、入賞判定手段81、入賞信号出力手段82、抽選手段83、普通図柄抽選手段85、遊技制御手段86、保留手段87、作動制御手段88、演出制御手段90、及び表示制御手段91を備えている。
入賞判定手段81は、発射ハンドル2の操作で作動する発射装置(図示せず)によって遊技領域3aに打ち出された遊技球が始動チャッカー27、入賞口25,26、アタッカー5等の何れかに入賞したとき、当該入賞があった旨を判定する。
入賞信号出力手段82は、入賞判定手段81によって入賞が判定されたとき、対応する始動チャッカー27、入賞口25,26、アタッカー5等に入賞した旨の入賞信号を出力する。
抽選手段83は、入賞信号出力手段82からの始動チャッカー27に対応する入賞信号の入力時、最大保留球数(例えば4個)未満での入賞を契機として、乱数値を取得して大当たり抽選を実行する。そして抽選手段83は、大当たり抽選で確率変動当たりに当選した場合には、変動の結果「333」や「777」等の装飾図柄が画像表示装置35の画面上の大当たり有効ライン上で最終的に揃う旨の変動パターンを決定し、その旨の変動パターン信号を出力する。なお、上記「大当たり有効ライン」は、大当たりを得るため装飾図柄が一列に並ぶべき位置(ライン)を意味する。
また抽選手段83は、大当たり抽選で通常大当たりに当選した場合には、変動の結果「222」や「444」等の装飾図柄が大当たり有効ライン上で最終的に揃う旨の変動パターンを決定し、その旨の変動パターン信号を出力する。更に抽選手段83は、大当たり抽選で外れた場合には、変動の結果「258」や「585」等の装飾図柄が大当たり有効ライン上で最終的に揃う旨の変動パターンを決定し、その旨の変動パターン信号を出力する。
普通図柄抽選手段85は、始動チャッカー27を開閉動作させるか否かの普通図柄抽選を、この普通図柄抽選の保留球数(例えば4個)の範囲内で、スルーゲート32への入球を契機として実行する。
遊技制御手段86は、放音装置12、演出用照明装置11に放音、発光駆動等の演出をさせる契機となる指令を演出制御手段90に送る。また遊技制御手段86は、演出役物55のモータ65とLED56aに回転駆動、発光駆動の演出をさせる契機となる指令を演出制御手段90に送る。更に、遊技制御手段86は、予め設定された演出データや、抽選手段83での抽選結果に応じて画像表示装置35に表示すべき大当たり抽選に関連する演出内容に関する信号を表示制御手段91に送る。
保留手段87は、抽選手段83から出力された変動パターン信号を入力し、変動パターンを、始動チャッカー27への入賞の都度に行われた抽選の結果となる保留球として順次記憶する。当該記憶状況は、不図示の大当たり抽選保留表示装置に、最大4個の保留球となるように点灯表示される。保留手段87は、保留球数が4個になっているか否かを常時判定し、保留球数が4個表示されている間は、始動チャッカー27への入賞に拘わらず大当たり抽選は行わない。なお、保留球として点灯表示される保留球数は上記「最大4個」に限らず、例えば3個以下、又は5個以上として適宜設定することも可能である。
作動制御手段88は、所定のタイミングで始動チャッカー開閉ソレノイド70に駆動信号を送って該ソレノイド70を作動させ、始動チャッカー27を開閉動作させる。また、作動制御手段88は、所定のタイミングでアタッカー開閉ソレノイド71に駆動信号を送り、アタッカー5を例えば15ラウンドだけ開閉動作させるように制御する。
演出制御手段90は、遊技制御手段86の指令に応答して、放音装置12を放音駆動し、演出用照明装置11を発光駆動して遊技者の聴覚や視覚に訴える演出を行う。また演出制御手段90は、遊技制御手段86の指令に応答して、演出役物55のモータ65を回転駆動し、LED56aを発光駆動して遊技者の視覚に訴える演出を行う。
ついで、本実施の形態のパチンコ機1における作用について、図8を併せて参照しつつ説明する。なお、図8は、本実施形態のパチンコ機1による作用を説明するためのフローチャートである。
すなわち、本パチンコ機1に対面して着座した遊技者が発射ハンドル2を握り、適宜の角度に回動操作すると(ステップS1)、発射装置の作動で遊技球が所定の時間間隔で遊技領域3aに向けて連続的に発射される。すると、遊技領域3aに打ち出されて転動落下する多数の遊技球は、始動チャッカー27や入賞口25,26に適時入賞し、或いは、これらに関与せずに転動落下して、遊技領域3a最下部のアウト口(図示せず)から遊技盤3背面側に排出される。
遊技領域3aに打ち出された多数の遊技球のうちの一部がワープ導入口37に入球すると、その遊技球は、ステージS上に放出され、不図示の案内口に導入されると、放出口49から放出されて、高い入賞確率(略100%)で始動チャッカー27に入賞する。
ところで、始動チャッカー27や入賞口25,26の何れかに遊技球が入賞した場合には、入賞判定手段81が当該入賞を判定し、かつ入賞信号出力手段82が入賞信号を出力する(ステップS2)。この際、保留手段87は、保留している変動パターンに係る信号を、遊技制御手段86を介して表示制御手段91に順次送信し、変動パターン信号の送信に応じて保留球数を1デクリメントする。また保留手段87は、当該保留球の消費に応じて、抽選手段83で行われる始動チャッカー27への入賞に応じた特別遊技抽選の結果を保留球として記憶し、保留球数を1インクリメントする。
ステップS3において、大当たり抽選(特別遊技抽選)で当選した場合、抽選手段83が当たりフラグをオンすると、演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、確率変動当たりか通常当たりのいずれかに対応する変動パターンが決定される。
これにより、ステップS4において、画像表示装置35に表示されるべき当たり図柄がセットされ、抽選手段83は、その旨の変動パターン信号を出力すると共に、当該変動パターン信号に基づく演出表示が終了するまでは次の変動パターン信号を送信しないようにするために図柄変動禁止フラグをオンし、当該オンした図柄変動禁止フラグを解除する時間を計測するための図柄変動タイマをセットし、変動パターン信号の送信に応じて保留球数を1デクリメントする。一方、特別遊技抽選で外れた場合には、演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、外れに対応する図柄が最終的に揃う旨の変動パターンが決定される。これにより、画像表示装置35に表示される外れ図柄がセットされ、抽選手段83は、その旨の変動パターン信号を出力すると共に、図柄変動禁止フラグをオンし、図柄変動タイマをセットし、変動パターン信号の送信に応じて保留球数を1デクリメントする。
以上のようにして、遊技制御手段86が、画像表示装置35に表示すべき演出内容に関する信号を、表示制御手段91に送信することに基づき、該表示制御手段91は、画像表示装置35を適時駆動し、特別遊技抽選の結果に関する内容等を、遊技者の視覚に訴えるように演出表示する(ステップS5)。
該演出表示時において、遊技制御手段86から演出制御手段90に指令が送られている場合には、演出制御手段90は、該指令に応答して、例えば保留球に対応する演出が画像表示装置35に表示されるタイミング(所定の契機)でモータ65を回転駆動すると共に、初期位置(図4参照)にあるミラー部材58が該回転駆動で演出状態(図3参照)に移行するタイミングでLED56aを発光駆動させ、遊技者の視覚に訴える演出を行う。
すなわち、ラックギヤ63が図5の最も左側に移動した状態の初期位置から、ミラー部材58を演出状態にするべくモータ65が駆動されると、ラックギヤ63の左方への移動に伴ってミラー部材58が図5二点鎖線で示す位置から実線位置に向けて(つまり、矢印Cと逆の方向)に滑らかに移動する。これにより、ミラー部材58が被反射部材56を挟んでミラー部材57と平行に対向する演出状態になると、それまではミラー部材58が対向しないミラー部材57に被反射部材56が単に映っていた状態が、ミラー部材58が被反射部材56の前側に回り込み且つLED56aが発光することで、ミラー部材58の上部から覗き込む遊技者の眼(図3のe)には、図6に示すように、対向するミラー部材57,58それぞれの反射面57a,58aが被反射部材56を交互に映し出すことで生じる現象、つまり、ミラー部材57に映り込む多数の反射像58b…が鮮明に飛び込むことになる。
この際、演出制御手段90は、遊技制御手段86からの指令が、大当たりの信頼度があまり高くない演出に係るものである場合には、ミラー部材58を、図5における実線位置のやや手前の段階で停止させる。これにより、連続する反射像58bが折れ曲がる形になってその個数が減少するため、ミラー部材58の上部から覗き込む遊技者の眼には、図6に示す反射像58b…より少ない個数の反射像58bが飛び込むことになる。
そして、上記演出を視認しながら弾球遊技する中で、画像表示装置35の画面上に表れた抽選結果が大当たり決定である場合、作動制御手段88は、所定のタイミングでアタッカー開閉ソレノイド71に駆動信号を送り、当該ソレノイド71を作動させてアタッカー5を開放し、所定数入賞が終了する(又は所定時間が経過する)毎に閉塞する動作を所定ラウンドだけ繰り返させる。これにより、アタッカー5に入賞した遊技球に対応する多量の遊技球が、球供給口17から皿ユニット16に払い出されることとなる(ステップS6)。
以上説明した本実施形態によれば、初期位置では多数の反射像58bを視認し得ない状態としておくことで、演出上の所定の契機で合わせ鏡の形になるミラー部材57,58にて被反射部材56を連続する多数の反射像58bとして前側から視認し得る状態にすることができる。このため、演出前は何の演出をする演出役物かを遊技者に気づかせないようにしておき、演出中の例えばリーチがかかったときを所定の契機としてミラー部材58を初期位置から移動させ、被反射部材56を多数の反射像58bとして遊技者に見せることで、意外性のある展開で演出を開始して興趣の高い演出にすることができると共に、2枚のミラー部材57,58を用いるだけの簡素な構成にて奥行き感を出すことができる。
また本実施形態では、被反射部材56が、少なくともミラー部材57,58が合わせ鏡の状態になると発光するLED56aを有するので、多数の反射像58bを遊技者に見せる場合に、該反射像58bを発光させることで、ミラー部材57,58を用いた演出を、より一層印象深いものとして遊技者に視認させることができる。そして、弾球遊技中に遊技者が最も注目するセンター飾り23に演出役物55が配置されるので、ミラー部材57,58による演出を、見逃すことなく集中して遊技者に見て貰うことができ、演出性をより向上させることができる。
ついで、前述した本実施形態の構成を一部変更した変形例について、図9を参照して説明する。同図は、本変形例におけるミラー部材57に映り込んだ多数の反射像58bを示す正面図である。
すなわち、本変形例においては、図6等に示したLED56aを備えた被反射部材56ではなく、特定の意味をなす文字として「大当たり」の文字を描いた被反射部材72を、ミラー部材57,58間に挟んだ形で演出を実施するように構成されている。このため、演出役物55の前述した演出状態にあって、ミラー部材58の上部から覗き込む遊技者の眼には、図9に示すようにミラー部材57に映り込む多数の反射像58b…が飛び込むことになる。この反射像58bは全て「大当たり」が連続することから、当該演出は、画像表示装置35に大当たり決定の画面表示が出る前に大当たり確定を遊技者に知らせる大当たり確定演出として活用することができる。これにより、反射像58bとして連続する「大当たり」の文字を遊技者が見ることで、大当たりした際の遊技者の喜悦感が一層盛り上がることになる。
なお、前述した実施形態及び変形例では、演出役物55が2枚のミラー部材57,58を用いて多数の反射像58bを映し出すように演出するものとして説明したが、これに限らず、図10及び図11に示すような別の変形例として構成することもできる。
すなわち、当該別の変形例では、両図に示すように、3枚のミラー部材73,74,75が図示する角度で互いに位置して被反射部材56を取り囲む演出状態と、例えばミラー部材75が被反射部材56から離反するように移動した初期位置とに切り換えるように構成する。この場合、演出状態にあっては、被反射部材56の像は、ミラー部材75の反射面75aで入射角と等しい出射角で反射し、ミラー部材74の反射面74aで同様に反射し、ミラー部材73の反射面73aで同様に反射する。従って、矢印Dと反対方向に覗き込む遊技者の眼には、反射面75a,74aにそれぞれ映り込んだ複数の反射像を反射面73aを通して見る形で該反射像が飛び込むことになり、従って、図6や図9に示した反射像58bよりも個数は少ないと共に、見え方も図6や図9の場合とは異なる。
以上の別の変形例によっても、先の実施形態と略々同様の効果を得ることが可能である。なお、図10及び図11中の符号aは、反射面73a,74a,75aそれぞれでの法線を示している。
なお、本実施形態及び変形例では、演出役物55を遊技領域3aのセンター飾り23に配置した例について説明したが、該演出役物55は、これに限らず、筐体6及び前扉7等から構成される遊技機本体のいずれかの部位に配置されていても良く、その場合も略々同様の効果を得ることができる。具体的には、例えば前扉7の上部における放音装置12,12の間に配置することもできる。
以上、本発明をその好適な実施形態及び変形例に基づいて説明したが、本発明の弾球遊技機は、上記実施形態及び変形例の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態及び変形例の構成から種々の修正及び変更を施した弾球遊技機も、本発明の範囲に含まれる。