JP5082249B2 - 抵抗スポット溶接方法 - Google Patents

抵抗スポット溶接方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5082249B2
JP5082249B2 JP2006023141A JP2006023141A JP5082249B2 JP 5082249 B2 JP5082249 B2 JP 5082249B2 JP 2006023141 A JP2006023141 A JP 2006023141A JP 2006023141 A JP2006023141 A JP 2006023141A JP 5082249 B2 JP5082249 B2 JP 5082249B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plate
welding
nugget
thick
electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006023141A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007203319A (ja
Inventor
泰明 沖田
倫正 池田
守章 小野
功一 安田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2006023141A priority Critical patent/JP5082249B2/ja
Publication of JP2007203319A publication Critical patent/JP2007203319A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5082249B2 publication Critical patent/JP5082249B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Resistance Welding (AREA)

Description

本発明は、重ね合わせられた鋼板を抵抗スポット溶接する方法に関するものである。
一般に、重ね合わせられた鋼板同士の接合には、重ね抵抗溶接法の一種である抵抗スポット溶接法が用いられている。例えば、自動車の製造にあたっては1台あたり数千点ものスポット溶接がなされている。この溶接法は、2枚以上の鋼板を重ね合わせ、その表面を直接、上下の電極で挟み加圧力を加えながら、上下電極間に大電流の溶接電流を短時間通電して接合する方法である。大電流の溶接電流を流すことで発生する抵抗発熱を利用して、点状の溶接部が得られる。この点状の溶接部は、ナゲットと呼ばれ、両鋼板に電流を流した際に両鋼板の接触箇所で両鋼板が溶融し、凝固した部分であり、これにより両鋼板が点状に接合される。
抵抗スポット溶接部の接合強度は、ナゲット径により左右されるため、自動車部品等の高い接合強度を必要とする場合にはとくに、所定の径以上のナゲット径を確保することが重要となってくる。一般に、加圧力、通電時間を一定とした場合には、ナゲット径は、溶接電流の増加にしたがって徐々に増加するが、ある値以上になると鋼板間に溶融金属が飛散する散りという現象が生じる。散りの発生は、危険である上に、溶接部周辺に散りが付着し外観を悪化させ、ナゲット径や継手引張強度にばらつきを生じさせ、継手部の品質が不安定になる。
また、自動車の部品構造をみると、例えばセンターピラーでは、アウターとインナーとの間にリインフォースメントを挟み込んだ構造が採用されている。この構造では、単純な二枚重ねの鋼板をスポット溶接する場合と異なり、3枚以上の鋼板を重ね合わせてスポット溶接することが要求される。
さらに、最近では、車体の衝突安全性の更なる向上要求にともない、リインフォースメントなどの高強度化、厚肉化が進み、外側に板厚の薄いアウター(薄板)を配置し、内側に板厚の厚いインナー、リインフォースメント(厚板)を組み合わせた板組みをスポット溶接することが必要となる場合が多い。なお、ここでは、薄板とは板組みされた鋼板のうち、板厚が相対的に小さい鋼板を薄板と記載し、板厚の相対的に大きい鋼板を厚板と記載することとし、以下も同様の記載とする。
このような板厚比(=板組みの全体厚/一番薄い板の板厚)の大きな板組みにおいて、従来のような、加圧力、溶接電流を一定の値としたままにするスポット溶接を行った場合には一番外側(電極チップと接触する側)の薄板と厚板の間に必要なサイズのナゲットが形成されにくいことが知られている。とくに板厚比が5を超えるような板組みでは、この傾向が強い。
これは、電極チップによる冷却によって一番外側の薄板と厚板の間では温度が上がりにくいことが原因である。ナゲットは、電極間の中央付近から鋼板の固有抵抗により体積抵抗発熱にて形成されるが、ナゲットが薄板にまで成長するまでに、電極間中央部に近い部分に位置する厚板と厚板間でのナゲットの成長が大きく、電極による加圧では抑えきれずに散りが発生するため、散り発生なく必要なサイズのナゲットを薄板・厚板間に得ることが困難となる。
また、一番外側に配置される薄板がアウターの場合には、強度よりも成形性が重要となるため、使用される鋼板は軟鋼となることが多い。一方、厚板は強度補強部材であり高張力鋼板が使用される場合が多い。このような板組みでは、発熱する位置は、固有抵抗の高い高張力鋼板側に偏るため、厚板−薄板(軟鋼)間にはさらにナゲットが形成されにくくなる。また、使用される鋼板がめっき鋼板となると、低温で溶融しためっき層が鋼板間の通電経路を拡大するため電流密度が減少し、薄板側でのナゲットの形成がさらに困難となる。
このような問題に対し、例えば、特許文献1では、重ねあわされた2枚の厚板にさらに薄板が重ねあわされた板厚比の大きな板組みにおいて、薄板の溶接すべき位置に部分的に一般部より一段高い座面を形成するとともに、薄板に対抗する電極は、先端を球面に形成し、溶接初期は低加圧力で、薄板の座面を押しつぶすようにして、薄板とこれと隣り合う厚板とを溶接し、その後、高加圧力で2枚の厚板同士を溶接することにより、薄板−厚板間にも必要なナゲットを得る技術が提案されている。
また、特許文献2では、剛性の高い2枚の厚板の上に剛性の低い薄板を重ね合わせたワークを、一対の電極チップにより挟んでスポット溶接する方法において、剛性が最も小さい薄板に当接する電極チップの先端径を、厚板と当接する電極チップの先端径よりも小さくすることによって、薄板と電極チップとの接触面積が、厚板と電極の接触面積よりも小さくなるようにすることにより,薄板−厚板間にもナゲットを得る技術が提案されている。
また、特許文献3では、板厚比の大きな被溶接体をスポット溶接する方法において、被溶接体に第1の加圧力を負荷して溶接電流を流した後、一旦通電を停止し、被溶接体を挟んだまま、上記第1の加圧力よりも大きな第2の加圧力を負荷して再び溶接電流を流すことにより、そして望ましくは、上記第1の工程における溶接電流の電流値を、第1段階〜第3段階の3段階に変化させるとともに、第2段階の電流値を第1段階および第3段階の電流値よりも小さくすることにより、板厚比の大きい被溶接体の接合強度を向上させるというスポット溶接方法が提案されている。
特開2003−071569号公報 特開2003−251468号公報 特開2004−358500号公報
しかしながら、特許文献1に記載の抵抗スポット溶接方法では、この場合ナゲットは形成されるが、薄板の溶接する部分に予め一般部より一段高い座面をプレスなどで形成する工程が必要となるという問題がある。
また、特許文献2に記載の抵抗スポット溶接方法では、剛性が最も小さい薄板に当接する電極チップの先端径を、厚板と当接する電極チップの先端径よりも小さくすることによって、薄板と電極チップとの接触面積が、厚板と電極の接触面積よりも小さくなるようにすることにより、薄板−厚板間にもナゲットを得ているが、薄板と電極チップとの接触面積が小さいことは電極により加圧される範囲が狭いことになり、厚板−厚板間に大きなナゲットを形成しようとすると散りが発生するという問題がある。
また、特許文献3に記載の抵抗スポット溶接方法では、加圧力や電流を多段に変更する必要があり、これを可能とするためには制御装置が複雑で高価なものが必要となると考えられる。また、制御する項目が多いために適正な溶接条件の決定が困難になると考えられ、管理も困難になる。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、重ね合わせた2枚以上の厚板の少なくとも一方に薄板を重ね合わせた板厚比の大きな板組みを抵抗スポット溶接する場合に、適正電流範囲(散りを発生させることなく必要な径を有するナゲットをすべての鋼板間に形成できる電流の範囲)が広い抵抗スポット溶接を簡易に行うことが可能な抵抗スポット溶接方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を達成するため、抵抗スポット溶接におけるナゲット形成に及ぼす各種要因について鋭意検討した。重ね合わせた2枚以上の厚板の一方に薄板を重ね合わせた板厚比の大きな場合のスポット溶接において、薄板とそれと隣り合う厚板との間および厚板と厚板の間ともに必要なサイズのナゲットを形成するにあたり問題となるのは、薄板−厚板間にナゲットを形成することであり、そのためには溶接初期の加圧力は小さくし、溶接中に加圧力を増加させることが有効であることを知見した。そして、その手段として、溶接中の電極チップの位置を固定することが有効であることを見出した。
すなわち、溶接初期から高加圧力で加圧した場合、薄板−厚板間、厚板−厚板間の通電面積が広くなり、電流密度が低くなるため、発熱し難く、さらに板厚比が大きな板組みの場合、薄板−厚板間は電極に近いために冷却され、より発熱し難い状態となる。このため、厚板−厚板間には必要なサイズのナゲットが形成されても、薄板−厚板間にはナゲットが形成されない。薄板−厚板間にナゲットが形成されるまで電流をあげると、厚板−厚板間で散りが発生する。したがって、板厚比が大きな場合は散り発生なく、薄板−厚板間、厚板−厚板間両方に必要なナゲットを散り発生なく形成できる適正電流範囲は狭くなる。
一方、溶接初期に低い加圧力で溶接した場合は、薄板−厚板間、厚板−厚板間の通電面積が小さくなり、低い電流でも電流密度が高く発熱しやすくなり、薄板−厚板間も高温に加熱されるが、低加圧力のままでは加圧範囲が狭くなるため、ナゲットが小さい状態で散りが発生する。よって、散り発生なく必要なサイズのナゲットが得られる適正電流範囲が狭くなる。
そこで、低加圧力で溶接を開始し、溶接中に加圧力を増加させることで、上記の問題を解決し、板厚比が大きい板組みでも広い適正電流範囲を持つ溶接が可能となる。溶接初期に低加圧力で通電することにより、薄板−厚板間、厚板−厚板間の両方が高温に加熱される。その後加圧力を増加させることにより通電面積が拡大し、薄板−厚板間での電流密度は減少するが、高温に加熱されていたことで鋼板の固有抵抗が大きく増加しているため、発熱しやすく、薄板−厚板間にまでナゲットが成長しやすくなっている。加えて、加圧力が大きいことにより、電極による加圧面積も広がり、ナゲットが大きく成長しても散りが発生しにくい。
以上により、板厚比が大きな板組みにおいても、薄板−厚板間、厚板−厚板間のそれぞれに必要なサイズのナゲットを散りの発生がなく得ることができる適正電流範囲の広い抵抗スポット溶接が可能となるが、更に検討を重ねて、溶接中の加圧力の増加を複雑な制御システムを用いずとも簡易に上記の考え方を実施することが可能な方法を見出した。具体的には、二つの電極で試験片を挟み、通電を開始する時点での可動電極の位置を固定し、電極間距離の変化を抑制する手法を用いる。これは、通電を開始し鋼板が加熱されるときには熱膨張が生じるが、この熱膨張を電極間距離を固定することにより抑制することで、板組みにかかる真の加圧力が増加することを利用するものである。
本発明は、上記の考え方に基づいて想到されたものであり、以下のような特徴を有している。
[1]重ね合わせた2枚以上の高張力鋼の厚板の少なくとも一方に軟鋼の薄板を重ね合わせた板組みを一対の電極によって挟み加圧力を加えながら抵抗スポット溶接をするにあたり、前記一対の電極のそれぞれの先端を曲面とし、加圧力が設定した値Pまで達した時点で前記一対の電極の位置を固定し、その電極位置の固定によって通電開始後の板組みの熱膨張を抑制することで加圧力を増加させ、その始めの設定加圧力Pおよび加圧力の最大値Pmが、
6.5kN≧Pm≧1.5×P
P≦4kN
となるよう高い剛性を持つ抵抗溶接ガンを使用して溶接することを特徴とする抵抗スポット溶接方法。
[2]厚板側の電極の先端を薄板側の電極の先端よりも大きな曲率半径とすることを特徴とする前記[1]に記載の抵抗スポット溶接方法。
本発明によると、重ね合わせた2枚以上の厚板の少なくとも一方に薄板を重ね合わせた板厚比の大きな板組みを抵抗スポット溶接する場合でも、適正電流範囲(散りを発生させることなく必要な径を有するナゲットをすべての鋼板間に形成できる電流の範囲)が広い抵抗スポット溶接を簡易に行うことが可能となる。
本発明の実施の形態を以下に述べる。
本発明においては、例えば、図1、図2に示すように、重ね合わせた2枚の厚板12、13の上面に薄板11を重ね合わせた板厚比の大きな板組みを、一対の電極(電極チップ)16、17で挟んで加圧力を加えながら抵抗スポット溶接する場合に、加圧力が設定した値Pまで達した時点で電極チップ16、17の位置を固定するものであり、その電極チップ16、17の位置の固定によって通電開始後の板組みの熱膨張を抑制することで加圧力を増加させ、その加圧力の最大値Pmが、Pm≧1.5×Pとなるようにしている。
このようにして、低加圧力で溶接を開始し、溶接中に加圧力を増加させることで、板厚比が大きい板組みでも適正電流範囲(散りを発生させることなく、薄板11−厚板12間、厚板12−厚板13間のそれぞれに必要なナゲット径14、15を確保できる電流の範囲)の広い溶接が可能になるとともに、複雑な制御システムを用いる必要がなく簡易に実施することができる。
なお、この電極の位置を固定する手法としては、可動側の電極(例えば、電極16)を固定する位置に機械的なストッパーを設けて行えばよいが、電極加圧機構がサーボモータ加圧式であれば、サーボモータにおける電極16先端の位置情報をフィードバックする手法も考えられる。電極位置の固定も電極16が全く動かないようにする必要はなく、電極間距離の増加を抑制できればよい。また、可動側の電極16の位置を固定しても、電極間距離はガンのアーム部等の剛性により変化するため、ガンのアーム部等の剛性により加圧力の増加量も変化する。高い剛性をもつガンであることが望ましいが、実際に溶接を行い、始めの設定加圧力Pに対して溶接中の加圧力増加による加圧力の最大値Pmが、Pm≧1.5×Pを満足し、かつP≦4kNを満足していればよい。P>4kNにおいては初期の加圧力が大きいために薄板‐厚板間の通電面積が広くなり、かつ、電極との接触径が広がることにより電極による冷却の影響が大きくなるために、溶接電流を増加させても、薄板−厚板間を十分に加熱することが困難になる。また、Pm<1.5×Pでは加圧力増加による散り発生の抑制効果が小さい。
さらに、薄板11側の電極チップ16の先端を曲面とし、厚板13側の電極チップ17の先端を厚板12−厚板13間に必要なナゲット径程度の径を持つ平面あるいは薄板11側の電極チップ16よりも大きな曲率半径をもつ曲面とすることがより好ましい。薄板11側の電極チップ16の先端を曲面とし、厚板13側の電極チップ17の先端をより平坦にすることにより、低加圧力では薄板11の変形が小さく抑制でき、通電面積が狭くなることから、薄板11−厚板12間の電流密度が高くなり、薄板11−厚板12間までナゲット15が成長しやすくなる。また、薄板11側の電極16の先端を曲面とすることにより、溶接途中で加圧力を増大させることで、薄板11側の電極チップ16が加圧力を加えられる範囲が増大し、散り発生が抑制され、厚板12−厚板13間に必要な径を持つナゲット15を形成することが可能になる。
ちなみに、本発明において用いる溶接装置は、通電中の電極間距離の変動を抑制する加圧機構を有していることを必要とするが、一対の上下の電極チップで溶接する部分を挟み、加圧、通電するものであれば、加圧機構の種類(エアシリンダによるもの、サーボモータによるもの)や形状(定置式、ロボットガン)、電源の種類(単相交流、交流インバータ、直流インバータ)など特に限定されるものではない。
また、溶接される鋼板は、強度レベル(軟鋼、強張力鋼板)や表面処理の有無(表面処理なし、めっき鋼板)にかかわらず適用可能であり、その板組みも、単純な3枚重ねはもちろん、板厚比が5を超えるような場合においても適用可能である。
本発明の実施例1として、本発明の効果を確認するために、定置式のサーボモータ加圧式スポット溶接装置を用いて、本発明を実施した(本発明例)。また、比較のために、定置式のエア加圧式スポット溶接装置を用いて、電極間距離の制御を行わない溶接を行った(比較例)。対象とした板組みは、図3(a)および表1に示す板組みA(薄板11+厚板12+厚板13)である。そして、本発明例と比較例における適正電流範囲の違いを調査した。ここで、適正電流範囲は、溶接時に散りが発生せず、かつ、ナゲットの断面を観察し、隣り合う2枚の鋼板のうち薄い方の鋼板の板厚をtとして、ナゲット径が4√t以上であることを満足するナゲットが得られる溶接電流範囲とした。板厚比は7.6となる。通電時間は20cycles(50Hz)とした。電極はDR型(先端径10mm、R40)を用いた。本発明例では、加圧力は溶接開始時における設定加圧力Pを3.4kNとし、溶接中の加圧力増加による最大加圧力Pmを6.3kNとした。比較例では、本発明例の最大加圧力Pm(6.3kN)を設定加圧力とした。
図4に本発明例における電極変位の時間的変化を、図5に本発明例における溶接電流7kAでの溶接中の加圧力の時間的変化を、図6に本発明例における溶接電流とナゲット径の関係をそれぞれ示す。一方、図7に比較例における電極変位の時間的変化を、図8に比較例における溶接電流8kAでの溶接中の加圧力の時間的変化を、図9に比較例における溶接電流とナゲット径の関係をそれぞれ示す。
比較例では、薄板11と厚板12の間にナゲットを形成するために高い電流を必要とし、4√t以上のサイズのナゲットを散り発生せずに得ることはできない。一方、本発明例では薄板11と厚板12の間にも低い電流でナゲットが形成され、1kA以上の広い適正電流範囲を持つことがわかる。
さらに、本発明の実施例2として、対象とする板組みを拡大して本発明例と比較例を実施した。その板組みは、図3(a)〜(d)および表1に示す板組みである。すなわち、板組みA、B、Cは(薄板11+厚板12+厚板13)の3枚重ねであり、それぞれ厚板12、13が異なっている。また、板組みDは、(薄板11+厚板12+厚板13+薄板14)の4枚重ねである。なお、それぞれの場合における、上下の電極チップの形状、通電時間、溶接開始時の加圧力P、最大加圧力Pmは表2に示すものであった。
そして、それぞれの場合における適正電流範囲ΔIを調査し評価した結果を表2に示す。ちなみに、その評価は、溶接時に散りが発生せず、かつ、ナゲットの断面を観察し、隣り合う2枚の鋼板のうち薄い方の鋼板の板厚をtとして、ナゲット径が4√t以上であることを満足するナゲットが得られる溶接電流範囲を適正電流範囲ΔIとし、この適正電流範囲ΔIが1kA以上存在するものを良好(○)とし、適正電流範囲ΔIが1kA未満のものを不良(×)とした。
その結果、本発明例では、適正電流範囲ΔIが1kA以上で、良好な溶接となっているが、比較例では、適正電流範囲ΔIが1kA未満となり、実用に適さない。これにより、本発明の有効性が確認できる。
なお、ここでは適正電流範囲ΔIを4√t以上のサイズのナゲットが散り発生がなく得られる範囲と定義したが、これに限るものではなく、基準となるナゲット径は使用者の基準に合わせて3√tでも5√tでもよい。また、本発明は板厚比の大きな板組みの抵抗スポット溶接において薄板−厚板間にもナゲットを容易に形成する手法を提案するものであり、散りを発生させながら溶接しても本発明を外れるものではない。
Figure 0005082249
Figure 0005082249
本発明の実施形態における板組みの例を示す図である。 本発明の実施形態における溶接状態を説明する図である。 本発明の実施例1、2における板組みを示す図である。 本発明の実施例1における本発明例の説明図である。 本発明の実施例1における本発明例の説明図である。 本発明の実施例1における本発明例の説明図である。 本発明の実施例2における比較例の説明図である。 本発明の実施例2における比較例の説明図である。 本発明の実施例2における比較例の説明図である。
符号の説明
11 一枚目の鋼板(薄板)
12 二枚目の鋼板(厚板)
13 三枚目の鋼板(厚板)
14 四枚目の鋼板(薄板)
15 ナゲット
16 ナゲット
17 上電極チップ
18 下電極チップ

Claims (2)

  1. 重ね合わせた2枚以上の高張力鋼の厚板の少なくとも一方に軟鋼の薄板を重ね合わせた板組みを一対の電極によって挟み加圧力を加えながら抵抗スポット溶接をするにあたり、前記一対の電極のそれぞれの先端を曲面とし、加圧力が設定した値Pまで達した時点で前記一対の電極の位置を固定し、その電極位置の固定によって通電開始後の板組みの熱膨張を抑制することで加圧力を増加させ、その始めの設定加圧力Pおよび加圧力の最大値Pmが、
    6.5kN≧Pm≧1.5×P
    P≦4kN
    となるよう高い剛性を持つ抵抗溶接ガンを使用して溶接することを特徴とする抵抗スポット溶接方法。
  2. 厚板側の電極の先端を薄板側の電極の先端よりも大きな曲率半径とすることを特徴とする請求項1に記載の抵抗スポット溶接方法。
JP2006023141A 2006-01-31 2006-01-31 抵抗スポット溶接方法 Active JP5082249B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006023141A JP5082249B2 (ja) 2006-01-31 2006-01-31 抵抗スポット溶接方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006023141A JP5082249B2 (ja) 2006-01-31 2006-01-31 抵抗スポット溶接方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007203319A JP2007203319A (ja) 2007-08-16
JP5082249B2 true JP5082249B2 (ja) 2012-11-28

Family

ID=38483237

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006023141A Active JP5082249B2 (ja) 2006-01-31 2006-01-31 抵抗スポット溶接方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5082249B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3196105A4 (en) * 2014-08-29 2018-05-02 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Joining structure

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107931811B (zh) * 2017-11-23 2019-10-22 西北工业大学 电阻点焊熔核直径预测方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3598683B2 (ja) * 1996-10-24 2004-12-08 日産自動車株式会社 スポット溶接電極の最適位置制御方法
JP3613934B2 (ja) * 1997-06-09 2005-01-26 日産自動車株式会社 スポット溶接制御装置
JP3894544B2 (ja) * 2002-03-05 2007-03-22 本田技研工業株式会社 スポット溶接方法
JP4327508B2 (ja) * 2003-06-04 2009-09-09 ダイハツ工業株式会社 スポット溶接方法およびスポット溶接装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3196105A4 (en) * 2014-08-29 2018-05-02 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Joining structure
US10435081B2 (en) 2014-08-29 2019-10-08 Nippon Steel Corporation Joining structure

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007203319A (ja) 2007-08-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6108030B2 (ja) 抵抗スポット溶接方法
JP5999293B1 (ja) 抵抗スポット溶接方法および抵抗スポット溶接継手の製造方法
JP5599553B2 (ja) 抵抗スポット溶接方法
JP5293227B2 (ja) 高強度薄鋼板の抵抗スポット溶接方法
JP2007268604A (ja) 抵抗スポット溶接方法
JP4543823B2 (ja) 抵抗スポット溶接方法
JP5960655B2 (ja) スポット・レーザ複合溶接継手
JP3922263B2 (ja) 抵抗スポット溶接継手の製造方法
JP5045238B2 (ja) 抵抗スポット溶接方法
JP5261984B2 (ja) 抵抗スポット溶接方法
EP3342524B1 (en) Resistance spot welding method and method for manufacturing welded member
JP5609966B2 (ja) 抵抗スポット溶接方法
JP6094079B2 (ja) 抵抗スポット溶接方法
JP6160581B2 (ja) 抵抗スポット溶接方法
KR102276817B1 (ko) 저항 스폿 용접 조인트의 제조 방법
JP5082249B2 (ja) 抵抗スポット溶接方法
CN115335176A (zh) 金属材料的接合方法
JP2011230129A (ja) 薄鋼板のスポット溶接方法
JP6060579B2 (ja) 抵抗スポット溶接方法
JP5906618B2 (ja) 抵抗スポット溶接方法
KR20240006445A (ko) 알루미늄 또는 알루미늄 합금재의 스폿 용접 방법 및용접 조인트
JP2024008814A (ja) アルミニウム又はアルミニウム合金材のスポット溶接方法及び溶接継手
JPH1147946A (ja) 鋼板とアルミニウム合金板からなるテーラードブランク材の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080925

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110203

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110215

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110418

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111129

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120126

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20120321

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20120327

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120807

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120820

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5082249

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150914

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250