JP5082016B1 - カーボン導電膜及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 導電性が良好に確保され、且つ電解液等の浸透性の高いカーボン導電膜及びその製造方法の提供。
【解決手段】 CMCナトリウム塩、CMCアンモニウム塩、及びカーボンを含有してなり、前記CMCナトリウム塩のエーテル化度が約1.2〜約1.5であり、前記CMCアンモニウム塩のエーテル化度が約0.4〜約1.0であり、前記カーボンの含有量が総量に対して重量比で約91%以上約97%以下であり、前記CMCナトリウム塩と前記CMCアンモニウム塩を合わせた含有量が、総量に対して重量比で約3%以上約9%以下であり、前記CNTの含有量が前記カーボンの総含有量に対して重量比で約30%以上であり、前記CMCナトリウム塩の含有量が前記カーボンの総含有量に対して重量比で約1%以上であり、前記CMCアンモニウム塩の含有量が前記CNTの含有量に対して重量比が約2%以上であるカーボン導電膜。
【選択図】 図1
【解決手段】 CMCナトリウム塩、CMCアンモニウム塩、及びカーボンを含有してなり、前記CMCナトリウム塩のエーテル化度が約1.2〜約1.5であり、前記CMCアンモニウム塩のエーテル化度が約0.4〜約1.0であり、前記カーボンの含有量が総量に対して重量比で約91%以上約97%以下であり、前記CMCナトリウム塩と前記CMCアンモニウム塩を合わせた含有量が、総量に対して重量比で約3%以上約9%以下であり、前記CNTの含有量が前記カーボンの総含有量に対して重量比で約30%以上であり、前記CMCナトリウム塩の含有量が前記カーボンの総含有量に対して重量比で約1%以上であり、前記CMCアンモニウム塩の含有量が前記CNTの含有量に対して重量比が約2%以上であるカーボン導電膜。
【選択図】 図1
Description
本発明は、太陽電池等の電極に用いられるカーボン導電膜及びその製造方法に関し、特に、カーボン導電膜の導電性及び浸透性の向上に関する。
従来、導電性に加え、更に、浸透性、剥離強度、柔軟性、又は熱伝導性など所望の特性を向上させるべく、CNT(カーボンナノチューブ)を含有し、SBR(スチレン・ブタジエンゴム)やCMC(カルボキシメチルセルロース)等をバインダとして使用したカーボン導電膜が提供されている。
しかしながら、CNTを30重量%以上含有する電極膜では、その組織に凝集・二次粒子化が発生することによって密度が低下し、導電性の向上が図れない他、電解液等の浸透性も著しく低下するという問題があった(下記特許文献参照)。
しかしながら、CNTを30重量%以上含有する電極膜では、その組織に凝集・二次粒子化が発生することによって密度が低下し、導電性の向上が図れない他、電解液等の浸透性も著しく低下するという問題があった(下記特許文献参照)。
本発明は上記実情に鑑みて成されたものであって、導電性が良好に確保され、且つ電解液等の浸透性の高いカーボン導電膜及びその製造方法の提供を目的とする。
上記課題を解決する為になされた本発明によるカーボン導電膜は、以下の通りである。
即ち、CMCナトリウム塩、CMCアンモニウム塩、及びカーボンを含有したものであって、前記カーボンにCNTを含有することを要する。
エーテル化度の要件にあっては、前記CMCナトリウム塩のエーテル化度が約1.2〜約1.5であり、前記CMCアンモニウム塩のエーテル化度が約0.4〜約1.0である。
配合比率の要件にあっては、前記カーボンの含有量が総量に対して重量比で約91%以上約97%以下であり、バインダとして、前記CMCナトリウム塩と前記CMCアンモニウム塩を合わせた含有量が、総量に対して重量比で約3%以上約9%以下である。
以上の要件を満たした上で、更に、前記CNTの含有量が前記カーボンの総含有量に対して重量比が約30%以上であり、前記CMCナトリウム塩の含有量が前記カーボンの総含有量に対して重量比で約1%以上であり、前記CMCアンモニウム塩の含有量が前記CNTの含有量に対して重量比が約2%以上であることを要件とする。
即ち、CMCナトリウム塩、CMCアンモニウム塩、及びカーボンを含有したものであって、前記カーボンにCNTを含有することを要する。
エーテル化度の要件にあっては、前記CMCナトリウム塩のエーテル化度が約1.2〜約1.5であり、前記CMCアンモニウム塩のエーテル化度が約0.4〜約1.0である。
配合比率の要件にあっては、前記カーボンの含有量が総量に対して重量比で約91%以上約97%以下であり、バインダとして、前記CMCナトリウム塩と前記CMCアンモニウム塩を合わせた含有量が、総量に対して重量比で約3%以上約9%以下である。
以上の要件を満たした上で、更に、前記CNTの含有量が前記カーボンの総含有量に対して重量比が約30%以上であり、前記CMCナトリウム塩の含有量が前記カーボンの総含有量に対して重量比で約1%以上であり、前記CMCアンモニウム塩の含有量が前記CNTの含有量に対して重量比が約2%以上であることを要件とする。
CMCナトリウム塩は、カーボン導電膜の結着性に大きく寄与し、CMCアンモニウムにあっても同様の作用を奏することから、CMCナトリウム塩の配合量は、カーボンの総含有量で決まり、CMCアンモニウム塩にあっては、図9構造式のCH2COOHの作用でCNTの凝集を抑制するので、その配合量は、CNTの含有量で決まる。
尚、前記カーボン材の含有量は、総重量に対して重量比で約0%以上約68%以下であり、カーボン成分の100%が前記CNTとしてもよい(図6参照)。一方、バインダは、前記CMCナトリウム塩と前記CMCアンモニウム塩の双方を、前記重量比を満たして配合する必要がある。前記CMCナトリウム塩はカーボン導電膜の結着性に大きく寄与し、前記CMCアンモニウム塩は凝集の抑制に寄与するからである。
尚、前記カーボン材の含有量は、総重量に対して重量比で約0%以上約68%以下であり、カーボン成分の100%が前記CNTとしてもよい(図6参照)。一方、バインダは、前記CMCナトリウム塩と前記CMCアンモニウム塩の双方を、前記重量比を満たして配合する必要がある。前記CMCナトリウム塩はカーボン導電膜の結着性に大きく寄与し、前記CMCアンモニウム塩は凝集の抑制に寄与するからである。
本発明によれば、カーボン導電膜の組織の凝集・二次粒子化が回避されることによって、カーボン導電膜におけるカーボンのネットワーク形成が顕著となり、CNTの含有量を増やした場合にあっても良好な導電性を得ることができることとなる。
更に、CMCのエーテル化度を調整することによって、剥離強度も高まることとなり、光変換素子、二次電池、電気二重層キャパシタ、ハイブリッドキャパシタ、又は配線等として良質なカーボン導電膜を提供することができる。
更に、CMCのエーテル化度を調整することによって、剥離強度も高まることとなり、光変換素子、二次電池、電気二重層キャパシタ、ハイブリッドキャパシタ、又は配線等として良質なカーボン導電膜を提供することができる。
以下、本発明によるカーボン導電膜の実施の形態を図面に基づき説明する。
本発明によるカーボン導電膜は、形成箇所となる基板の表面に当該カーボン電極膜のペースト(以下、導電ペーストと記す。)を約5μmから約50μm、好ましくは、約5μmから約10μm程度の均等な厚さに定着(印刷又は塗布等)し、乾燥の過程で導電ペーストからガスが噴出する程度の温度下で高温乾燥することにより形成する。
本発明によるカーボン導電膜は、形成箇所となる基板の表面に当該カーボン電極膜のペースト(以下、導電ペーストと記す。)を約5μmから約50μm、好ましくは、約5μmから約10μm程度の均等な厚さに定着(印刷又は塗布等)し、乾燥の過程で導電ペーストからガスが噴出する程度の温度下で高温乾燥することにより形成する。
前記導電ペーストは、水等の溶媒に、カーボンと、エーテル化度約1.2から約1.5のCMCナトリウム塩、及びエーテル化度約0.4から約1.0のCMCアンモニウム塩(バインダ)を入れて混合したものである。前記カーボンは、CNT(導電助剤)と、溶質の総重量に対して約0重量%から約68重量%のカーボン材を含む。
CH2COONH4を含む上記導電ペーストは、前記高温乾燥によりカーボン導電膜となる過程において、空孔を形成しつつアンモニウムガス(NH3)を発生し、電解液等の液体が浸透しやすい多孔組織を形成する。同時に酸(CH2COOH)が形成され、CNTの親水性が向上し凝集・二次粒子化が抑制されることとなる(図8(A)及び図9参照)。
以下、前記カーボン電極膜を形成し得る、前記カーボン材、CMCアンモニウム塩、CMCナトリウム塩、及びCNTの好適な配合割合と、CMCアンモニウム塩及びCMCアンモニウム塩のエーテル化度について検討する。尚、図1乃至図4並びに図6及び図7のCMCナトリウム塩及びCMCアンモニウム塩は、各々エーテル化度が約1.2〜約1.5、及び約0.4〜約1.0を満たすものである。
[カーボン材−導電性、凝集、剥離強度(結着性)]
当該例では、カーボン材として天然黒鉛、活性炭、人造黒鉛の三種類を用い、カーボン材:CNT:CMCアンモニウム塩:CMCナトリウム塩=70:30:0.6:X(重量比)%で配合し、CMCナトリウム塩の重量比Xが異なる複数のサンプルについて、電気抵抗率、CNTの凝集(顕微鏡観察)、及び結着性について観察した。図1乃至図3は、その結果を、X=11,10,9.5,2.5,2,1,0.5,0についてまとめたものである。尚、結着性については、カーボン導電膜の表面にテープを貼り付け、後に剥がす手法を採った。
当該例では、カーボン材として天然黒鉛、活性炭、人造黒鉛の三種類を用い、カーボン材:CNT:CMCアンモニウム塩:CMCナトリウム塩=70:30:0.6:X(重量比)%で配合し、CMCナトリウム塩の重量比Xが異なる複数のサンプルについて、電気抵抗率、CNTの凝集(顕微鏡観察)、及び結着性について観察した。図1乃至図3は、その結果を、X=11,10,9.5,2.5,2,1,0.5,0についてまとめたものである。尚、結着性については、カーボン導電膜の表面にテープを貼り付け、後に剥がす手法を採った。
検討の結果、導電性の面では、人造黒鉛−天然黒鉛−活性炭の順で良好であるという結果を得たが、いずれも、CMCナトリウム塩の重量比:Xを10から9.5(総量に対するCMCナトリウム塩とCMCアンモニウム塩を合わせた含有量及びカーボンの総含有量が重量比で各々9.17%及び90.8%となる)以下に下げた結果において比較的大きな改善が観られる。
一方、結着性については、いずれも、CMCナトリウム塩の重量比:Xを2から2.5(総量に対するCMCナトリウム塩とCMCアンモニウム塩を合わせた含有量及びカーボンの総含有量が重量比で各々3.01%及び97.0%となる)以上に上げた結果において剥離が生じないことが観察される。
CNTの凝集については、いずれも凝集は観られない。
一方、結着性については、いずれも、CMCナトリウム塩の重量比:Xを2から2.5(総量に対するCMCナトリウム塩とCMCアンモニウム塩を合わせた含有量及びカーボンの総含有量が重量比で各々3.01%及び97.0%となる)以上に上げた結果において剥離が生じないことが観察される。
CNTの凝集については、いずれも凝集は観られない。
[CMCアンモニウム塩の量−凝集、剥離強度(結着性)]
次に、CNT(ここではカーボンの総含有量):CMCアンモニウム塩=100:Y(重量比)として、CMCアンモニウム塩の重量比Yが異なる複数のサンプルについて、CNTの凝集(顕微鏡観察)、及び結着性について観察した。図4(A)は、その結果を、Y=0,1,2,5,10,15についてまとめたものである。
次に、CNT(ここではカーボンの総含有量):CMCアンモニウム塩=100:Y(重量比)として、CMCアンモニウム塩の重量比Yが異なる複数のサンプルについて、CNTの凝集(顕微鏡観察)、及び結着性について観察した。図4(A)は、その結果を、Y=0,1,2,5,10,15についてまとめたものである。
CNTの凝集化は、CMCアンモニウム塩の重量比:Yを1から2以上に上げた結果において改善が観られる。
一方、結着性については、CMCアンモニウム塩の重量比:Yを15以上に上げた結果において剥離が生じないことが観察される。
一方、結着性については、CMCアンモニウム塩の重量比:Yを15以上に上げた結果において剥離が生じないことが観察される。
[CMCナトリウム塩とCMCアンモニウム塩の併用−剥離強度(結着性)]
CNTの含有量(ここではカーボンの総含有量)を100(重量比)として、CMCアンモニウム塩の含有量を、CNTの凝集が生じない2(重量比)とした上でCMCナトリウム塩を併用し、CNT:CMCアンモニウム塩:CMCナトリウム塩=100:2:Z(重量比)として、CMCナトリウム塩の重量比Zが異なる複数のサンプルについて、電気抵抗率、CNTの凝集(顕微鏡観察)、及び結着性について観察した。図4(B)は、その結果を、Z=8,7,3,1,0.5,0についてまとめたものである。
CNTの含有量(ここではカーボンの総含有量)を100(重量比)として、CMCアンモニウム塩の含有量を、CNTの凝集が生じない2(重量比)とした上でCMCナトリウム塩を併用し、CNT:CMCアンモニウム塩:CMCナトリウム塩=100:2:Z(重量比)として、CMCナトリウム塩の重量比Zが異なる複数のサンプルについて、電気抵抗率、CNTの凝集(顕微鏡観察)、及び結着性について観察した。図4(B)は、その結果を、Z=8,7,3,1,0.5,0についてまとめたものである。
CMCアンモニウム塩の重量比:Yを2としてあるので、凝集化は観られない。
導電性については、CMCナトリウム塩の重量比:Zを8から7以下に下げた結果において比較的大きな改善が観られる。
一方、結着性については、CMCナトリウム塩の重量比:Zを1以上に上げた結果において剥離が生じないことが観察される。
CMCナトリウム塩とCMCアンモニウム塩を合わせた含有量に基づいて検討すれば、(Y+Z)が3(総量に対する重量比で2.9%)以上9(総量に対する重量比で8.3%)以下の場合において、導電性と剥離強度の両面を満足することが観察できる。
導電性については、CMCナトリウム塩の重量比:Zを8から7以下に下げた結果において比較的大きな改善が観られる。
一方、結着性については、CMCナトリウム塩の重量比:Zを1以上に上げた結果において剥離が生じないことが観察される。
CMCナトリウム塩とCMCアンモニウム塩を合わせた含有量に基づいて検討すれば、(Y+Z)が3(総量に対する重量比で2.9%)以上9(総量に対する重量比で8.3%)以下の場合において、導電性と剥離強度の両面を満足することが観察できる。
[CMCナトリウム塩のエーテル化度−剥離強度(耐薬品性)、柔軟性]
この例は、CMCナトリウム塩のエーテル化度が異なる複数のサンプルについて、エーテル化度に対する剥離強度及び柔軟性の検討を行ったものである。ここでは、剥離強度の検証の一つとして耐薬品性を採用し、アセトニトリルに三日間漬けた後の膜の剥離状態を観察するものとした。一方、柔軟性の検討には、二つ折りにして割れが生じるか否かを観察するものとした。図5(A)は、その結果を、エーテル化度、1.1,1.2,1.4,1.5,1.6についてまとめたものである。
この例は、CMCナトリウム塩のエーテル化度が異なる複数のサンプルについて、エーテル化度に対する剥離強度及び柔軟性の検討を行ったものである。ここでは、剥離強度の検証の一つとして耐薬品性を採用し、アセトニトリルに三日間漬けた後の膜の剥離状態を観察するものとした。一方、柔軟性の検討には、二つ折りにして割れが生じるか否かを観察するものとした。図5(A)は、その結果を、エーテル化度、1.1,1.2,1.4,1.5,1.6についてまとめたものである。
CMCナトリウム塩のエーテル化度が1.2から1.5の範囲にある場合において、カーボン導電膜に剥離が生じず、二つ折りにしても割れが生じない柔軟性を得ることができる。
[CMCアンモニウム塩のエーテル化度−剥離強度(塗膜状態)、液浸透性]
この例は、CMCアンモニウム塩のエーテル化度が異なる複数のサンプルについて、エーテル化度に対する剥離強度及び液浸透性の検討を行ったものである。ここでは、剥離強度の検証方法の一つとして塗膜状態の観察を採用し、結着性低下による剥離とガスによる剥離の有無を観察するものとした。一方、液浸透性の検討には、カーボン導電膜上にプロピレンカーボネート1ccを滴下し、二秒後の広がり面積(浸透面積)を測定した。図5(B)は、その結果を、エーテル化度、0.3,0.4,0.7,1.0,1.1についてまとめたものである。
この例は、CMCアンモニウム塩のエーテル化度が異なる複数のサンプルについて、エーテル化度に対する剥離強度及び液浸透性の検討を行ったものである。ここでは、剥離強度の検証方法の一つとして塗膜状態の観察を採用し、結着性低下による剥離とガスによる剥離の有無を観察するものとした。一方、液浸透性の検討には、カーボン導電膜上にプロピレンカーボネート1ccを滴下し、二秒後の広がり面積(浸透面積)を測定した。図5(B)は、その結果を、エーテル化度、0.3,0.4,0.7,1.0,1.1についてまとめたものである。
CMCアンモニウム塩のエーテル化度が0.4から1.0の範囲にある場合において、カーボン導電膜に剥離が生じず、約2cm2から約9cm2に至る浸透性を観ることができる。
[結着に必要なCMCナトリウム塩の量]
図6によれば、カーボンの総含有量100に対する前記CMCナトリウム塩の含有量が1.0以上(重量比)であるものについて、剥離がないカーボン導電膜が認められている。これは、CNTのみをカーボンとして含有したものであっても、CNTとカーボン材の双方を含有したものであっても相違のない傾向である。
図6によれば、カーボンの総含有量100に対する前記CMCナトリウム塩の含有量が1.0以上(重量比)であるものについて、剥離がないカーボン導電膜が認められている。これは、CNTのみをカーボンとして含有したものであっても、CNTとカーボン材の双方を含有したものであっても相違のない傾向である。
[CNTの含有量に対する導電性、凝集、結着性]
カーボンは、図1乃至図3に見られる様に、カーボンの総含有量100に対するCMCナトリウム塩の含有量が重量比で9.5(カーボンの総量に対する含有量約91%)と10(カーボンの総量に対する含有量約90%)との間で電気抵抗率が上昇していることに鑑みれば、最低でも総量に対して重量比で約91%は要求されるところである。
そして、凝集を回避し、且つ結着性を確保するために最低限必要なバインダの量(カーボンの総含有量(略総量)に対して重量比で約3%以上約9%未満)を加味すれば、カーボンの総含有量は総量に対して重量比で約97%以下であることが必要となる。
そこで、更に図7によれば、前記カーボンの総量(CNTと人造黒鉛の量を加えたもの)105に対して30(重量比)のCNTを含有するものが、カーボンの総量100に対して30のCNTを含有するものに比べて、電気抵抗率が大きいことが認められる。
カーボンは、図1乃至図3に見られる様に、カーボンの総含有量100に対するCMCナトリウム塩の含有量が重量比で9.5(カーボンの総量に対する含有量約91%)と10(カーボンの総量に対する含有量約90%)との間で電気抵抗率が上昇していることに鑑みれば、最低でも総量に対して重量比で約91%は要求されるところである。
そして、凝集を回避し、且つ結着性を確保するために最低限必要なバインダの量(カーボンの総含有量(略総量)に対して重量比で約3%以上約9%未満)を加味すれば、カーボンの総含有量は総量に対して重量比で約97%以下であることが必要となる。
そこで、更に図7によれば、前記カーボンの総量(CNTと人造黒鉛の量を加えたもの)105に対して30(重量比)のCNTを含有するものが、カーボンの総量100に対して30のCNTを含有するものに比べて、電気抵抗率が大きいことが認められる。
以上より、CMCナトリウム塩、CMCアンモニウム塩、及びCNTを含むカーボンを含有してなるカーボン導電膜については、前記CMCナトリウム塩のエーテル化度が約1.2〜約1.5であり、前記CMCアンモニウム塩のエーテル化度が約0.4〜約1.0であって、前記カーボンの含有量が総量に対して重量比で約91%以上約97%以下であり、前記CMCナトリウム塩と前記CMCアンモニウム塩を合わせた含有量が、総量に対して重量比で約3%以上約9%以下であり、前記CNTの含有量が前記カーボンの総含有量に対して重量比で約30%以上であり、前記CMCナトリウム塩の含有量が前記カーボンの総含有量に対して重量比で約1%以上であり、且つ前記CMCアンモニウム塩の含有量が前記CNTの含有量に対して重量比が約2%以上であるカーボン導電膜が、導電性、電解液等の浸透性、及び導電膜の種々の剥離強度において、総合的に望ましいことが検証できた。
Claims (2)
- カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、カルボキシメチルセルロースアンモニウム塩、及びカーボンを含有してなり、
前記カルボキシメチルセルロースナトリウム塩のエーテル化度が1.2〜1.5であり、
前記カルボキシメチルセルロースアンモニウム塩のエーテル化度が0.4〜1.0であり、
前記カーボンの含有量が総量に対して重量比で91%以上97%以下であり、
前記カルボキシメチルセルロースナトリウム塩と前記カルボキシメチルセルロースアンモニウム塩を合わせた含有量が、総量に対して重量比で3%以上9%以下であり、
前記カーボンナノチューブの含有量が前記カーボンの総含有量に対して重量比で30%以上であり、
前記カルボキシメチルセルロースナトリウム塩の含有量が前記カーボンの総含有量に対して重量比で1%以上であり、
前記カルボキシメチルセルロースアンモニウム塩の含有量が前記カーボンナノチューブの含有量に対して重量比が2%以上であるカーボン導電膜。 - カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、カルボキシメチルセルロースアンモニウム塩、及びカーボンを含有してなり、
前記カルボキシメチルセルロースナトリウム塩のエーテル化度が1.2〜1.5であり、
前記カルボキシメチルセルロースアンモニウム塩のエーテル化度が0.4〜1.0であり、
前記カーボンの含有量が総量に対して重量比で91%以上97%以下であり、
前記カルボキシメチルセルロースナトリウム塩と前記カルボキシメチルセルロースアンモニウム塩を合わせた含有量が、総量に対して重量比で3%以上9%以下であり、
前記カーボンナノチューブの含有量が前記カーボンの総含有量に対して重量比で30%以上であり、
前記カルボキシメチルセルロースナトリウム塩の含有量が前記カーボンの総含有量に対して重量比で1%以上であり、
前記カルボキシメチルセルロースアンモニウム塩の含有量が前記カーボンナノチューブの含有量に対して重量比が2%以上である導電ペーストを、
絶縁基板上に5μmから50μm厚で定着する工程と、前記導電ペーストからガスが噴出する程度の温度下で高温乾燥する工程を経ることを特徴とするカーボン導電膜の製造方法。
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