JP5081712B2 - 成膜装置 - Google Patents

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Description

本発明は、基板を長手方向に所定の搬送経路で真空中を搬送しながら、基板の表面に有機層を形成し、この有機層上に無機層を形成する成膜装置に関し、特に、膜質が良好な有機層および無機層を、高い生産効率で成膜することができる成膜装置に関する。
現在、液晶ディスプレイおよび有機ELディスプレイなどの表示装置、光学素子、半導体装置、または薄膜太陽電池など、各種の装置に、ガスバリアフィルム、保護フィルム、光学フィルタ、反射防止フィルム等の光学フィルムなど、各種の機能性フィルム(機能性シート)が利用されている。
また、これらの機能性フィルムの製造に、スパッタリング法またはプラズマCVD法等の真空成膜法(気相成膜法)による成膜(薄膜形成)が利用されている。
真空成膜法によって、効率良く、高い生産性を確保して成膜を行なうためには、長尺な基板に連続的に成膜を行なうのが好ましい。
このような成膜を実施する成膜装置としては、長尺な基板(ウェブ状の基板)をロール状に巻回してなる供給ロールと、成膜済の基板をロール状に巻回する巻取りロールとを用いる、いわゆるロール・ツー・ロール(Roll to Roll)の成膜装置が知られている。このロール・ツー・ロールの成膜装置は、プラズマCVDによって基板に成膜を行なう成膜室を通過する所定の経路で、供給ロールから巻取りロールまで長尺な基板を挿通し、供給ロールからの基板の送り出しと、巻取りロールによる成膜済基板の巻取りとを同期して行いつつ、成膜室において、搬送される基板に連続的に成膜を行なう。
ガスバリアフィルムまたは保護フィルム等の機能性フィルムは、単層であるとは限らず、例えば、プラスチックフィルム等の基板上に、ポリマーを主成分とする有機層を形成し、その上に無機物からなる無機層が成膜された機能性フィルムも知られている。この構成の機能性フィルムを製造する成膜装置も提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1には、同一の真空槽を用いて、透明基材フィルムの片面または両面にガスバリア性有機薄膜層およびガスバリア性無機薄膜層を形成する透明ガスバリア性フィルムの製造装置が開示されている。
特許文献1の透明ガスバリア性フィルムの製造装置においては、同一の真空槽の内部に、一方の巻取りロールから他方の巻取りロールにわたりメインロールおよび2つの補助ロールを介して、透明基材フィルムが掛け渡されている。
このメインロールの周囲の所定の位置には、気化有機材料塗布部が設けられており、この気化有機材料塗布部には、真空引配管を介して真空槽の外部に配置されている真空ポンプが連結されている。真空引配管および真空ポンプにより、真空槽の内部よりも低い圧力にされる。メインロールから巻取りロール側の補助ロールとの間に対応する位置には、紫外線ランプユニットが配置されている。真空槽の底部には、無機材料蒸発源として電子ビーム発生器が配置されている。この上にハースが配置されている。電子ビーム発生器とは別に、圧力勾配型プラズマガンが配置されている。
特許文献1において、ガスバリア性有機薄膜層は、ガスバリア性有機薄膜層形成材料を気化して発生した蒸気を、真空槽内の圧力よりも低い雰囲気圧力条件下で透明基材フィルムに接触させて塗膜を形成し、紫外線ランプユニットにより塗膜を硬化して透明ガスバリア性有機薄膜層を形成する。
真空槽内での塗膜形成する際、真空槽内の圧力よりも低い雰囲気圧力条件下で蒸気を透明基材フィルムに接触させている。この真空槽内の圧力よりも低い雰囲気条件下は、例えば、真空槽の真空引きとは別に設けた真空ポンプにより実現される。
また、ガスバリア性無機薄膜層は、電子ビームをガスバリア性無機薄膜層形成材料に照射して、気化された形成材料を、圧力勾配型プラズマガンによって発生されるプラズマを利用して活性化させて、透明基材フィルムの上にガスバリア性無機薄膜層を形成する。
特開2007−230115号公報
しかしながら、特許文献1においては、真空槽内の圧力よりも低い雰囲気圧力条件下で有機薄膜層を形成しても、ガスバリア性有機薄膜層形成材料を気化して発生した蒸気が、メインロールのガスバリア性無機薄膜層を形成する領域に混入して、コンタミネーションが生じてしまう。さらには、ガスバリア性無機薄膜層の形成の際にも、電子ビームにより気化された形成材料が、気化有機材料塗布部に混入し、コンタミネーションが生じてしまう。同一真空槽内で、有機薄膜層および無機薄膜層を形成している特許文献1では、有機薄膜層および無機薄膜層の形成時のいずれでもコンタミネーションが発生するため、膜質が低下する虞がある。
また、特許文献1においては、1つのドラム(メインローラ)上で、有機薄膜層と無機薄膜層とを形成している。このため、有機薄膜層と無機薄膜層との最適成膜温度が異なる場合、有機薄膜層および無機薄膜層の少なくともいずれか一方の膜質が低下してしまうとういう問題点もある。
更には、無機薄膜層の形成に、スパッタリング法またはプラズマCVD法等の成膜方法を用いた場合、これらの成膜方法は、比較的成膜速度が遅い。このため、フィルムの搬送速度を無機薄膜層の成膜速度に合わせる必要がある。このことから、フィルムの搬送速度を速くする場合、無機薄膜層を形成する無機薄膜成膜ゾーンのドラム回転方向における長さを長くする必要がある。しかしながら、同一ドラム上で有機薄膜層を形成しているため、無機薄膜成膜ゾーンの長さを長くすることは制約を受けるという問題点がある。このため、特許文献1においては、フィルムの搬送速度をあまり速くすることができず、生産性を高くすることができない。
本発明の目的は、前記従来技術に基づく問題点を解消し、膜質が良好な有機層および無機層を、高い生産効率で成膜することができる成膜装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の態様は、長尺の基板を長手方向に所定の搬送経路で搬送しながら、前記基板の表面に有機層を形成し、前記有機層上に無機層を形成する成膜装置であって、前記基板を長手方向に所定の搬送経路で搬送する搬送手段と、前記有機層を前記基板の表面に形成する第1の成膜手段が設けられた第1の成膜室と、前記第1の成膜室の前記搬送経路の下流側に配置されるとともに前記有機層上に前記無機層を形成する第2の成膜手段が設けられた第2の成膜室と、前記第1の成膜室内、および前記第2の成膜室内を所定の圧力に減圧する真空排気手段とを有することを特徴とする成膜装置を提供するものである。
本発明において前記第1の成膜手段は、フラッシュ蒸着法を用いて前記有機層を形成するものであり、前記第2の成膜手段は、スパッタリング法またはプラズマCVD法を用いて前記無機層を形成するものであることが好ましい。
また、本発明において、前記第1の成膜室には、前記基板の搬送方向と直交する幅方向に回転軸を有し、前記搬送手段より搬送された基板が巻き掛けられる、回転可能な円筒状の第1のドラムが設けられており、前記第1のドラムに前記基板が巻き掛けられた状態で、前記第1の成膜手段により前記基板の表面に前記有機層が形成され、前記第2の成膜室には、前記基板の搬送方向と直交する幅方向に回転軸を有し、搬送された、前記有機層が形成された基板が巻き掛けられる、回転可能な円筒状の第2のドラムが設けられており、前記第2のドラムに前記基板が巻き掛けられた状態で、前記第2の成膜手段により前記有機層の表面に前記無機層が形成されることが好ましい。
さらに、本発明において、前記第2のドラムは、前記第1のドラムよりも直径が大きいことが好ましい。
また、本発明において、前記第1のドラムおよび前記第2のドラムには、それぞれ温度調節手段が設けられており、前記第1のドラムと前記第2のドラムとが独立して温度制御されることが好ましい。
また、本発明において、さらに、前記搬送経路において前記第1の成膜室と前記第2の成膜室との間に差圧室が設けられており、前記基板は、前記第1の成膜室、前記差圧室および前記第2の成膜室の順で搬送されることが好ましい。
また、本発明において、前記差圧室内の圧力は、前記第1の成膜室内および前記第2の成膜室内のいずれの圧力よりも高いことが好ましい。
また、本発明において、前記差圧室に、その内部に不活性ガスを供給するガス供給手段が設けられている。
さらに、本発明において、前記差圧室内の圧力は、前記第1の成膜室内および前記第2の成膜室内のいずれの圧力よりも低いことが好ましい。
また、本発明において、前記差圧室に、その内部の圧力を調整する圧力調節手段が設けられていることが好ましい。
本発明の成膜装置によれば、基板の表面に有機層を形成する第1の成膜手段が設けられた第1の成膜室と、この第1の成膜室の搬送経路の下流側に配置されるとともに有機層上に無機層を形成する第2の成膜手段が設けられた第2の成膜室とを設けることにより、第1の成膜室と第2の成膜室とは同一の成膜室ではなく、別れているため、例えば、第1の成膜室内で使用した有機層形成用の有機物質が第2の成膜室に混入してコンタミネーションを起したり、第2の成膜室で発生した無機層形成用の原料ガスまたはターゲット材料粒子などが第1の成膜室に混入してコンタミネーションを起したりすることがなくなる。このため、有機層および無機層の膜質の低下を抑制することができる。
また、第1のドラムおよび第2のドラムに、それぞれ温度調節手段を設けた場合、第1の成膜室と第2の成膜室とが分かれているため、互いの影響を与えることなく、第1の成膜手段による有機層の成膜温度および第2の成膜手段による無機層の成膜温度を独立して変えることができる。
このため、有機層の成膜温度および無機層の成膜温度を、それぞれ最適な温度とすることができ、有機層および無機層の膜質の低下を抑制することができる。
さらには、第1の成膜室と第2の成膜室とが分かれており、第1の成膜手段と第2の成膜手段とが相互に独立していることから、第2の成膜手段の成膜能力を、第1の成膜手段から独立して高くすることができる。このため、第2の成膜手段による無機層の成膜速度が遅い場合でも、有機層の成膜速度が、これに律速されることがなくなり、高い生産効率で成膜することができる。
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明の成膜装置を詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る成膜装置を示す模式図である。
図1に示す本発明の実施形態に係る成膜装置10は、長尺の基板Z(ウェブ状の基板Z)に連続で成膜を行うロール・ツー・ロール(Roll to Roll)の成膜装置であり、基板Zを長手方向に所定の搬送経路で真空中を搬送しながら、基板Zの表面Zfに有機層bを形成し、さらに有機層bの表面に、所定の機能を有する無機層fを形成するものである。この成膜装置10は、例えば、光学フィルム、またはガスバリアフィルム等の機能性フィルムFの製造に利用される。
本実施形態の成膜装置10は、基本的に、長尺な基板Zを供給する供給室12と、長尺な基板Zの表面Zfに有機層bを形成する有機層成膜室(第1の成膜室)13と、この有機層b上に無機層fを形成する無機層成膜室(第2の成膜室)14と、無機層fが形成された長尺な基板Zを巻き取る巻取り室16と、真空排気部(真空排気手段)32と、制御部36とを有する。制御部36により、成膜装置10における各要素の動作が制御される。
また、成膜装置10においては、供給室12と有機層成膜室13とを区画する壁15、有機層成膜室13と無機層成膜室14とを区画する壁15、および無機層成膜室14と巻取り室16とを区画する壁15には、基板Zが通過するスリット状の開口15cが形成されている。
成膜装置10においては、供給室12、有機層成膜室13、無機層成膜室14および巻取り室16には、真空排気部32が配管34を介して接続されている。この真空排気部32により、供給室12、有機層成膜室13、無機層成膜室14および巻取り室16の内部が所定の圧力に減圧される。すなわち、この真空排気部32により、所定の真空度にされる。
なお、配管34においては、供給室12に接続されるものには第1のバルブ35aが設けられており、有機層成膜室13に接続されるものには第2のバルブ35bが設けられている。また、配管34においては、無機層成膜室14に接続されるものには第3のバルブ35cが設けられており、巻取り室16に接続されるものには第4のバルブ35dが設けられている。
第1のバルブ35a〜第4のバルブ35dは、それぞれ、例えば、大気開放(ベント)する機能、およびオリフィスなどの排気量を調節する機能を有するものである。各第1のバルブ35a〜第4のバルブ35dは、それぞれ制御部36に接続されており、大気開放(ベント)および排気量の調節は、制御部36により制御される。
なお、各第1のバルブ35a〜第4のバルブ35dは、1つのバルブにより構成されることなく、例えば、大気開放(ベント)する機能を有するバルブ、および排気量を調節する機能を有するバルブより構成されていてもよい。
真空排気部32は、供給室12、有機層成膜室13、無機層成膜室14および巻取り室16の内部を排気して所定の圧力に減圧し、減圧した圧力(真空度)に保つものであり、ドライポンプおよびターボ分子ポンプなどの真空ポンプを有するものである。
また、有機層成膜室13には内部の圧力を測定する第1圧力センサ38aが設けられ、無機層成膜室14には内部の圧力を測定する第2圧力センサ38bが設けられている。図示はしないが、供給室12および巻取り室16にも内部の圧力を測定する圧力センサが設けられている。
第1圧力センサ38a、第2圧力センサ38bおよび各圧力センサ(図示せず)には、真空容器内の圧力を測定する公知のものを用いることができる。
なお、真空排気部32による供給室12、有機層成膜室13、無機層成膜室14および巻取り室16の到達圧力(到達真空度)には、特に限定はなく、実施する成膜方法等に応じて、十分な圧力(真空度)を保てればよい。この真空排気部32は、制御部36により制御される。
供給室12は、長尺な基板Zを供給する部位であり、基板ロール20およびガイドローラ21が設けられている。
基板ロール20は、長尺な基板Zを連続的に送り出すものであり、例えば、反時計回りに基板Zが巻回されている。
基板ロール20は、例えば、駆動源としてモータ(図示せず)が接続されている。このモータによって基板ロール20が基板Zを巻き戻す方向rに回転されて、本実施形態では、時計回りに回転されて、基板Zが連続的に送り出される。
ガイドローラ21は、基板Zを所定の搬送経路で有機層成膜室13に案内するものである。このガイドローラ21は、公知のガイドローラにより構成される。
本実施形態の成膜装置10においては、ガイドローラ21は、駆動ローラまたは従動ローラでもよい。また、ガイドローラ21は、基板Zの搬送時における張力を調整するテンションローラとして作用するローラであってもよい。
なお、本発明の成膜装置において、基板Zは、特に限定されるものではなく、気相成膜法による膜の形成が可能な各種の基板が全て利用可能である。基板Zとしては、例えば、PETフィルム、PENフィルム等の各種の樹脂フィルム、またはアルミニウムシートなどの各種の金属シート等を用いることができる。
巻取り室16は、後述するように、無機層成膜室14で、有機層b上に無機層fが形成された基板Z(機能性フィルムF)を巻き取る部位であり、巻取りロール30、およびガイドローラ31が設けられている。
巻取りロール30は、有機層b上に無機層fが形成された基板Z(機能性フィルムF)をロール状に、例えば、時計回りに巻き取るものである。
この巻取りロール30は、例えば、駆動源としてモータ(図示せず)が接続されている。このモータにより巻取りロール30が回転されて、有機層b上に無機層fが形成された基板Z(機能性フィルムF)が巻き取られる。
巻取りロール30においては、モータによって基板Zを巻き取る方向Rに回転されて、本実施形態では、時計回りに回転されて、有機層b上に無機層fが形成された基板Z(機能性フィルムF)を連続的に、例えば、時計回りに巻き取る。
ガイドローラ31は、先のガイドローラ21と同様の構成であり、無機層成膜室14から搬送された基板Zを、所定の搬送経路で巻取りロール30に案内するものである。このガイドローラ31は、公知のガイドローラにより構成される。なお、供給室12のガイドローラ21と同様に、ガイドローラ31も、駆動ローラまたは従動ローラでもよい。また、ガイドローラ31は、テンションローラとして作用するローラであってもよい。
有機層成膜室13は、内部が所定の圧力、すなわち、所定の真空度の状態で、基板Zを搬送しつつ連続的に、基板Zの表面Zfにポリマーを主成分とする有機層bを、後述するように、例えば、フラッシュ蒸着法により形成する部位である。
有機層成膜室13には、2つのガイドローラ50、54と、円筒状の第1のドラム52と、有機層形成部60とを有する。
ガイドローラ50と、ガイドローラ54とが、所定の間隔を設けて対向して、平行に配置されており、また、ガイドローラ50、およびガイドローラ54は、基板Zの搬送方向Dに対して、その長手方向を直交させて配置されている。
ガイドローラ50は、供給室12に設けられたガイドローラ21から搬送された基板Zを第1のドラム52に搬送するものである。このガイドローラ50は、例えば、基板Zの搬送方向Dと直交する方向(以下、軸方向という)に回転軸を有し回転可能であり、かつガイドローラ50は、軸方向の長さが、基板Zの長手方向と直交する幅方向における長さ(以下、基板Zの幅という)よりも長い。
ガイドローラ54は、第1のドラム52に巻き掛けられた基板Zを無機層成膜室14に設けられたガイドローラ24に搬送するものである。
ガイドローラ54は、例えば、軸方向に回転軸を有し回転可能であり、かつガイドローラ54は、軸方向の長さが基板Zの幅よりも長い。
また、ガイドローラ50、ガイドローラ54は、上記構成以外は、供給室12に設けられたガイドローラ21と同様の構成であるため、その詳細な説明は省略する。
第1のドラム52は、ガイドローラ50と、ガイドローラ54との間の空間hの下方に設けられている。第1のドラム52は、その長手方向を、ガイドローラ50およびガイドローラ54の長手方向に対して平行にして配置されている。
この第1のドラム52は、例えば、円筒状を呈し、回転軸(図示せず)を有し、この回転軸に対して回転方向に回転可能なものである。かつ第1のドラム52は、軸方向における長さが基板Zの幅よりも長い。第1のドラム52は、その表面52a(周面)に基板Zが巻き掛けられて、回転方向ωに回転することにより、基板Zを所定の成膜位置に保持しつつ、搬送方向Dに基板Zを搬送するものである。
なお、第2のドラム26の回転方向ωの進行方向側、すなわち、基板Zが搬送される側が、下流側であり、この下流側の反対側が上流側である。
また、第1のドラム52には、温度を調節するために、例えば、第1のドラム52の中心にヒータ(図示せず)および第1のドラム52の温度を測定する温度センサ(図示せず)が設けられている。
さらに、第1のドラム52の内部には、冷媒を循環させるための配管(図示せず)が設けられており、この冷媒を循環させるためのポンプ(図示せず)も備えている。この配管、冷媒およびポンプにより冷却手段が構成される。
ヒータ、ポンプおよび温度センサは、第1温度調節部56に接続されている。この第1温度調節部56は、制御部36に接続されており、制御部36により、第1温度調節部56を介して、第1のドラム52の温度が調節され、第1のドラム52の温度は所定の温度に保持される。ヒータ(図示せず)、冷却手段、温度センサ(図示せず)および第1温度調節部56により、温度調節手段が構成される。
この温度調節手段により、第1のドラム52が、形成する有機層bの組成などに応じて、適切な温度に冷却される。これにより、更に一層品質の良い有機層bを得ることができる。
有機層形成部60は、第1のドラム52に巻き掛けられた基板Zの表面Zfに有機層bを、フラッシュ蒸着法によって成膜するものであり、ポリマーノズル62およびUV照射装置64を有する。ポリマーノズル62が上流側、UV照射装置64が下流側に、第1のドラム52の表面52aに対向して、第1のドラム52の回転方向ωに沿って所定の間隔を設けて配置されている。
本実施形態のフラッシュ蒸着法は、モノマー中の溶存酸素を低下させる効果を有し、重合率を高めることができるため特に有用である。
有機層bを形成する際には、有機層成膜室13内は、真空排気部32によって所定の圧力に減圧される。さらには、第1温度調節部56により、第1のドラム52が所定の温度に冷却されている。
モノマーノズル62は、このような減圧下において、基板Zの表面に、予め調製した後述するモノマーを含む塗料を塗布するものである。これにより、基板Zの表面Zfにフラッシュ蒸着による塗膜が成膜される。
UV照射装置64は、フラッシュ蒸着した塗膜にUV光(紫外線)を照射することにより、モノマーを重合させて、有機層bを成膜するものである。
なお、利用可能な光源、および照射エネルギーは、後述のとおりである。さらに、モノマーの重合法も、本実施形態のUV照射に限定はされず、各種の方法が利用可能である。
本実施形態においては、第1のドラム52を冷却した状態で、有機層bを成膜することにより、膜厚を均一にすることができる。
また、本実施形態においては、有機層bを、真空中で有機層を形成することができれば、フラッシュ蒸着法に限定されるものではない。
ここで、有機層bは、ポリマーを主成分とする膜である。
有機層bに用いるポリマーとしては、具体的には、ポリエステル、アクリル樹脂、メタクリル樹脂(以下、アクリル樹脂およびメタクリル樹脂を併せてアクリレート重合物ともいう)、メタクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリスチレン、透明フッ素樹脂、ポリイミド、フッ素化ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、セルロースアシレート、ポリウレタン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、脂環式ポリオレフィン、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、フルオレン環変性ポリカーボネート、脂環変性ポリカーボネート、フルオレン環変性ポリエステル、アクリロイル化合物、などの熱可塑性樹脂、あるいはポリシロキサン、その他有機珪素化合物の膜である。
有機層bは単独の材料からなっていても混合物からなっていてもよい。2層以上の有機層を積層してもよい。この場合、各層は同じ組成でも異なる組成であってもよい。また、米国公開特許2004−46497号明細書に開示してあるように無機層との界面が明確で無く、組成が膜さ方向で連続的に変化する膜であってもよい。
有機層bは、平滑で、膜硬度が高いことが好ましい。有機層bの平滑性は10μm角の平均粗さ(Ra値)として10nm以下であることが好ましく、2nm以下であることがより好ましい。
有機層bの膜硬度はある程度以上の硬さを有することが好ましい。好ましい硬さとしては、ナノインデンテーション法で測定したときの押し込み硬度として100N/mm2以上が好ましく、200N/mm2以上がより好ましい。また、鉛筆硬度としてはHB以上の硬さを有することが好ましく、H以上の硬さを有することがより好ましい。
有機層bの厚さについては特に限定はないが、薄すぎると膜の均一性を得ることが困難となるし、厚すぎると外力によりクラックを発生し、バリア性能が低下する。かかる観点から、有機層bの厚みは、10nm〜2μmが好ましく、100nm〜1μmがさらに好ましい。
なお、有機層bの形成方法としては、特に限定されるものではなく、真空成膜法等を用いることもできる。
真空成膜法としては、特に制限はないが、蒸着、プラズマCVD等の成膜方法が好ましい。また、フラッシュ蒸着法においても、米国特許第4842893号、米国特許第4954371号、米国特許第5032461号の各明細書に記載の方法が、特に好ましい。
本発明において、有機層bの形成方法としては、ポリマーを溶液塗布して形成しても良いし、特開2000−323273号、特開2004−25732号の各公報に開示されているような無機物を含有するハイブリッドコーティング法を用いてもよい。
さらには、有機層bの形成方法としては、ポリマーの前駆体、例えば、モノマーを成膜後、重合することによりポリマー層を形成する方法でも良い。
本発明において、有機層bの形成に用いることができる好ましいモノマーとしては、アクリレートおよびメタクリレート、市販の接着剤が挙げられる。すなわち、本発明において、有機層bは、エチレン性不飽和結合を有するアクリレートモノマーおよび/またはメタクリレートモノマーを重合してなるポリマーを主成分とするのが好ましい。特に、後述する真空中での不都合を回避できる等の理由で、アクリレートモノマーおよび/またはメタクリレートモノマーを用いる場合には、分子量が700以下、中でも特に150〜600の物を用いるのが好ましい。
市販の接着剤としては、ナガセケムテックス製XNR−5000シリーズ等が挙げられる。
アクリレートおよびメタクリレートの好ましい例としては、例えば、米国特許第6083628号、米国特許第6214422号の各明細書に記載の化合物が挙げられる。
モノマーの重合法には特に限定はないが、加熱重合、光(紫外線、可視光線)重合、電子ビーム重合、プラズマ重合、あるいはこれらの組み合わせが好ましく用いられる。加熱重合を行う場合、基板Bは相応の耐熱性を有する必要がある。この場合、少なくとも、加熱温度よりも基板Bのガラス転移温度(Tg)が高いことが必要である。
光重合を行う場合は、光重合開始剤を併用するのが好ましい。光重合開始剤としてはチバ・スペシャルティー・ケミカルズ社から市販されているイルガキュア((登録商標) Irgacure)シリーズ(例えば、イルガキュア651、イルガキュア754、イルガキュア184、イルガキュア2959、イルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア379、イルガキュア819など)、ダロキュア((登録商標) Darocure)シリーズ(例えば、ダロキュアTPO、ダロキュア1173など)、クオンタキュア((登録商標) Quantacure)PDO、サートマー(Sartomer)社から市販されているエサキュア((登録商標) Esacure)シリーズ(例えば、エサキュアTZM、エサキュアTZTなど)、同じくオリゴマー型のエサキュアKIPシリーズ等が挙げられる。
UV照射装置64において、照射する光は、通常、高圧水銀灯もしくは低圧水銀灯による紫外線である。照射エネルギーは0.5J/cm以上が好ましく、2J/cm以上がより好ましい。
なお、アクリレートやメタクリレートは、空気中の酸素によって重合阻害を受ける。従って、本発明において、有機層bとしてこれらを利用する場合には、重合時の酸素濃度もしくは酸素分圧を低くすることが好ましい。窒素置換法によって重合時の酸素濃度を低下させる場合、酸素濃度は2%以下が好ましく、0.5%以下がより好ましい。減圧法により重合時の酸素分圧を低下させる場合、全圧が1000Pa以下であることが好ましく、100Pa以下であることがより好ましい。また、100Pa以下の減圧条件下で2J/cm以上のエネルギーを照射して紫外線重合を行うのが特に好ましい。
本発明において、モノマーの重合率は80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。ここでいう重合率とはモノマー混合物中の全ての重合性基(例えばアクリレートやメタクリレートであれば、アクリロイル基およびメタクリロイル基)のうち、反応した重合性基の比率を意味する。
ここで、有機層bとして、アクリレート系モノマー、および/または、メタクリレート系モノマーを重合してなる有機層bを成膜する場合には、重合時の酸素濃度を低くすることが好ましいのは、前述のとおりである。
なお、有機層bは、単層に限定はされず、2層以上でもよい。この場合、各有機層bが、同じ組成であっても異なる組成であってもよい。また、有機層bを2層以上形成する場合は、各々の有機層bが前述の好ましい範囲内となるようにするのが好ましい。
有機層成膜室13内で有機層bを成膜された基板Zは、次いで、無機層成膜室14内に搬送される。
無機層成膜室14は、基板Zを搬送しつつ連続的に、基板Zの表面Zfに形成された有機層b上に、気相成膜法のうち、後述するように、例えば、プラズマCVD法によって、無機層fを形成する部位である。
本実施形態においては、有機層成膜室13と無機層成膜室14とが別々に設けられている。有機層成膜室13と無機層成膜室14は、例えば、ステンレス、アルミニウムまたはアルミニウム合金など、各種の真空チャンバで利用されている材料を用いて構成されている。
無機層成膜室14には、2つのガイドローラ24、28と、第2のドラム26と、成膜部40とが設けられている。
ガイドローラ24と、ガイドローラ28とが、所定の間隔を設けて対向して、平行に配置されており、また、ガイドローラ24、およびガイドローラ28は、基板Zの搬送方向Dに対して、その長手方向を直交させて配置されている。
ガイドローラ24は、供給室12に設けられたガイドローラ21から搬送された基板Zを第2のドラム26に搬送するものである。このガイドローラ24は、例えば、軸方向に回転軸を有し回転可能であり、かつガイドローラ24は、軸方向の長さが、基板Zの幅よりも長い。
ガイドローラ28は、第2のドラム26に巻き掛けられた基板Zを巻取り室16に設けられたガイドローラ31に搬送するものである。このガイドローラ28は、例えば、軸方向に回転軸を有し回転可能であり、かつガイドローラ28は、軸方向の長さが基板Zの幅よりも長い。
また、ガイドローラ24、ガイドローラ28は、上記構成以外は、供給室12に設けられたガイドローラ21と同様の構成であるため、その詳細な説明は省略する。
第2のドラム26は、ガイドローラ24と、ガイドローラ28との間の空間Hの下方に設けられている。第2のドラム26は、その長手方向を、ガイドローラ24およびガイドローラ28の長手方向に対して平行にして配置されている。さらには、第2のドラム26は接地されている(図示せず)。
この第2のドラム26は、例えば、円筒状を呈し、回転軸(図示せず)を有し、この回転軸に対して回転方向に回転可能なものである。かつ第2のドラム26は、軸方向における長さが基板Zの幅よりも長い。第2のドラム26は、その表面26a(周面)に基板Zが巻き掛けられて、回転方向ωに回転することにより、基板Zを所定の成膜位置に保持しつつ、搬送方向Dに基板Zを搬送するものである。
なお、第2のドラム26の回転方向ωの進行方向側、すなわち、基板Zが搬送される側が、下流側であり、この下流側の反対側が上流側である。
なお、基板ロール20、ガイドローラ21、ガイドローラ50、第1のドラム52、ガイドローラ54、ガイドローラ26、第2のドラム26、ガイドローラ28、ガイドローラ31および巻取りロール30により、本発明の搬送手段が構成される。
また、第2のドラム26には、温度を調節するために、例えば、第2のドラム26の中心にヒータ(図示せず)および第2のドラム26の温度を測定する温度センサ(図示せず)が設けられている。
また、第2のドラム26の内部には、冷媒を循環させるための配管(図示せず)が設けられており、この冷媒を循環させるためのポンプ(図示せず)も備えている。この配管、冷媒およびポンプにより冷却手段が構成される。
ヒータ、ポンプおよび温度センサは、第2温度調節部49に接続されている。この第2温度調節部49は、制御部36に接続されており、制御部36により、第2温度調節部49を介して、第2のドラム26の温度が調節され、第2のドラム26の温度は所定の温度に保持される。ヒータ(図示せず)、冷却手段、温度センサ(図示せず)および第2温度調節部49により、温度調節手段が構成される。
この温度調節手段により、第2のドラム26が、形成する無機層fの組成などに応じて、適切な温度に加熱される。これにより、更に一層品質の良い無機層fを得ることができる。
なお、本実施形態においては、有機層成膜室13の第1のドラム52の直径dよりも、無機層成膜室14の第2のドラム26の直径dの方が大きい。
図1に示す成膜部40は、基板Zが第2のドラム26に巻き掛けられた状態で、第2のドラム26が回転して、基板Zが搬送方向Dに搬送されつつ、基板Zの表面Zfに形成された有機層b上に無機層fを形成するものである。
成膜部40は、気相成膜方法のうち、例えば、プラズマCVD法により膜を形成するものである。このプラズマCVD法としては、例えば、容量結合型プラズマCVD法(CCP−CVD法)が用いられる。
この成膜部40は、成膜電極42a〜42d、高周波電源44および原料ガス供給部46を有する。制御部36により、成膜部40の高周波電源44および原料ガス供給部46が制御される。
成膜部40においては、複数の成膜電極42a〜42dが設けられている。各成膜電極42a〜42dは、例えば、平面視長方形の平板状の電極板により構成されていて、広い面に複数の穴(図示せず)が等間隔で形成されており、一般的にシャワー電極と呼ばれるものである。
各成膜電極42a〜42dは、長手方向を第2のドラム26の回転軸と平行にして、かつ広い面を第2のドラム26の表面26aに向けて、第2のドラム26の表面26aと所定の隙間Sをあけて、第2のドラム26の表面26aを囲むように回転方向ωに沿って配置されている。例えば、各成膜電極42a〜42dは、第2のドラム26の表面26aの同心円上の接線に一致されている。
本実施形態において、各成膜電極42a〜42dと第2のドラム26との表面26aとの隙間Sの間隔は同じであり、各隙間Sで間隔に、ばらつきがあっても、例えば、20%以内であることが好ましい。
各成膜電極42a〜42dは、高周波電源44と接続されており、この高周波電源44により、各成膜電極42a〜42dの各成膜電極42a〜42dに高周波電圧が印加される。この高周波電源44は、印加する高周波電力(RF電力)を変えることができる。
また、各成膜電極42a〜42dと高周波電源44とは、必要に応じて、インピーダンス整合をとるためのマッチングボックスを介して接続してもよい。
なお、各成膜電極42a〜42dは、導通していてもよい。この場合、例えば、長手方向の端部で導通されている。各成膜電極42a〜42dは、導通する位置は、導通が保たれていれば、特に限定されるものではない。
原料ガス供給部46は、例えば、配管47を介して、各成膜電極42a〜42dの複数の穴を通して隙間Sに、無機層fを形成する原料ガスを供給するものである。第2のドラム26の表面26aと各成膜電極42a〜42dとの隙間Sがプラズマの発生空間になる。
本実施形態においては、原料ガスは、無機層fとして、例えば、SiO膜を形成する場合、TEOSガス、および活性種ガスとして酸素ガスが用いられる。また、無機層fとして、窒化珪素膜を形成する場合、SiHガス、NHガス、およびNガスが用いられる。
原料ガス供給部46は、CCP−CVD装置などで用いられている各種のガス導入手段が利用可能である。
また、原料ガス供給部46においては、原料ガスのみならず、アルゴンガスまたは窒素ガスなどの不活性ガス、および酸素ガス等の活性種ガス等、CCP−CVD法などで用いられている各種のガスを、原料ガスと共に、隙間Sに供給してもよい。このように、複数種のガスを導入する場合には、各ガスを同じ配管で混合して、各成膜電極42a〜42dの複数の穴を通して隙間Sに供給してもよく、各ガスを異なる配管から各成膜電極42a〜42dの複数の穴を通して隙間Sに供給してもよい。
さらに、原料ガスまたはその他、不活性ガスおよび活性種ガスの種類または導入量も、形成する膜の種類、または目的とする成膜レート等に応じて、適宜、選択/設定すればよい。
なお、高周波電源44は、プラズマCVDによる成膜に利用される公知の高周波電源を用いることができる。また、高周波電源44は、最大出力等にも、特に限定はなく、形成する膜または成膜レート等に応じて、適宜、選択/設定すればよい。
次に、本実施形態の成膜装置10による成膜方法について説明する。
成膜装置10は、供給室12から有機層成膜室13および無機層成膜室14を経て巻取り室16に至る所定の経路で、供給室12から巻取り室16まで長尺な基板Zを通して搬送しつつ、有機層成膜室13および無機層成膜室14で、基板Zの表面Zfに有機層bを形成し、その上に無機層fを形成するものである。
成膜装置10においては、長尺な基板Zが、例えば、反時計回り巻回された基板ロール20からガイドローラ21を経て、有機層成膜室13に搬送される。
有機層成膜室13においては、ガイドローラ50、第1のドラム52、ガイドローラ54を経て、無機層成膜室14に搬送される。このとき、第1のドラム52は、温度調節手段により、形成する有機層bの組成などに応じて、適切な温度に冷却されている。
無機層成膜室14においては、ガイドローラ24、第2のドラム26、ガイドローラ28を経て、巻取り室16に搬送される。このとき、第2のドラム26は、温度調節手段により、形成する無機層fの組成などに応じて、適切な温度に加熱されている。
巻取り室16においては、ガイドローラ31を経て、巻取りロール30に、長尺な基板Zが巻き取られる。長尺な基板Zを、この搬送経路で通した後、供給室12、有機層成膜室13、無機層成膜室14および巻取り室16の内部を真空排気部32により排気して減圧し、所定の真空度(圧力)に保つ。
この状態で、有機層成膜室13内では、有機層形成部60のモノマーノズル62を用いて、冷却された第1のドラム52上の基板Zの表面Zfにフラッシュ蒸着法による塗膜を形成し、その後、UV照射装置64により塗膜を硬化させて有機層bを形成する。
次に、無機層成膜室14に搬送し、この無機層成膜室14内では成膜部40の高周波電源44に、高周波電源44から高周波電圧を印加するとともに、原料ガス供給部46から配管47を介して、各成膜電極42a〜42dの表面に形成された複数の貫通孔から隙間Sに無機層fを形成するための原料ガスを供給する。
各成膜電極42a〜42dの周囲に電磁波を放射させると、隙間Sで、各成膜電極42a〜42dの近傍に局在化したプラズマが生成され、原料ガスが励起・解離され、無機層fとなる反応生成物が生成される。この反応生成物が堆積し、無機層成膜室14内で基板Zの表面Zfの有機層b上に、所定の無機層fが形成される。
そして、順次、長尺な基板Zが反時計回り巻回された基板ロール20をモータにより時計回りに回転させて、長尺な基板Zを連続的に送り出し、有機層成膜室13において第1のドラム54に基板Zに巻き掛けた状態で、基板Zの表面Zfに有機層bを形成し、その後、第2のドラム26で基板Zをプラズマが生成される位置に保持しつつ、第2のドラム26を所定の速度で回転させて、成膜部40により連続的に無機層fを有機層b上に形成する。
このようにして、基板Zの表面Zfに有機層bおよび無機層fが積層して形成されてなる機能性フィルムFが製造される。そして、表面Zfに有機層bおよび無機層fが積層された基板Zが、ガイドローラ28、およびガイドローラ31を経て、巻取りロール30に、成膜された長尺な基板Z(機能性フィルムF)が巻き取られる。
以上のように、本実施形態の成膜装置10の成膜方法においては、表面Zfに有機層bおよび無機層fが積層して形成された基板Z、すなわち、機能性フィルムFが製造される。
本実施形態の成膜装置10においては、有機層成膜室13内で有機層bを形成し、無機層成膜室14内で無機層fを形成しており、別々の成膜室で形成している。このため、有機層bの形成に用いられるモノマーなどの有機物質が無機層成膜室14に混入してコンタミネーションを起すことがない。また、無機層fを形成する際に無機層成膜室14内に供給される原料ガスおよび成膜時に生成する反応生成物などが有機層成膜室13に混入してコンタミネーションを起すことがない。このことから、有機層bおよび無機層fの膜質の低下を抑制することができる。これにより、本実施形態の成膜装置10により得られた最終的に得られる機能性フィルムFは、有機層bおよび無機層fの膜質が良いため、得られる機能性フィルムも、例えば、ガスバリアフィルムであれば、ガスバリア性能が良いものとなる。
また、有機層bを形成するための第1のドラム52に第1温度調節部56を設け、無機層fを形成するための第2のドラム26に第2温度調節部49を設けることにより、互いの影響を与えることなく、有機層bの成膜温度および無機層fの成膜温度を独立して変えることができる。このため、有機層bの成膜温度および無機層fの成膜温度を、それぞれ最適な温度にでき、有機層bおよび無機層fの膜質の低下を抑制することができる。
また、本実施形態においては、無機層fをプラズマCVD法により成膜しており、成膜速度がフラッシュ蒸着法による有機層bの成膜速度よりも遅い。このため、成膜装置10における基板Zの搬送速度は、無機層fの成膜速度に律速される。
そこで、成膜速度が遅い無機層fの形成に律速されることを抑制し、生産効率を高くするためには、無機層fを成膜する成膜ゾーンを多くする必要がある。本実施形態においては、有機層成膜室13の第1のドラム52の直径dよりも、無機層成膜室14の第2のドラム26の直径dの方を大きくすることにより、それを実現している。
しかも、本実施形態においては、有機層成膜室13および無機層成膜室14が別々であるため、第2のドラム26の直径dの大きさを、独立して変えることができる。
なお、第1のドラム52の直径dおよび第2のドラム26の直径dの大きさは、例えば、有機層bの成膜速度、および無機層fの成膜速度により決定される。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図2は、本発明の第2の実施形態に係る成膜装置を示す模式図である。
なお、本実施形態においては、図1に示す第1の実施形態の成膜装置と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図2に示すように、本実施形態の成膜装置10aは、第1の実施形態の成膜装置10(図1参照)に比して、有機層成膜室13と、無機層成膜室14との搬送経路における間に差圧室70が設けられている点が異なり、それ以外の構成は、第1の実施形態の成膜装置10と同様の構成であるため、その詳細な説明は省略する。
本実施形態の差圧室70は、有機層bが形成された基板Zが搬送されるものである。
この差圧室70は、真空排気部32が配管34を介して接続されており、この配管34にはバルブ(圧力調節手段)37が設けられている。このバルブ37は、第1のバルブ35a〜第4のバルブ35dと同様の構成である。バルブ37も、大気開放(ベント)する機能、および排気量を調節する機能を有する。また、バルブ37も、大気開放(ベント)する機能を有するバルブと、排気量を調節する機能を有するバルブとから構成されていてもよい。
また、差圧室70には、内部の圧力を測定する第3圧力センサ38cが設けられている。この第3圧力センサ38cは、第1圧力センサ38a、第2圧力センサ38bと同様の構成である。
さらに、差圧室70には、配管74を介してガス供給部72が接続されている。このガス供給部72は、差圧室70内に、成膜への影響が小さいガス、例えば、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガスを供給するものである。
ガス供給部72は、配管74を介して、所定の圧力、所定の流量で、不活性ガスを差圧室70内に供給することができれば、その構成は、特に限定されるものではない。
本実施形態の成膜装置10aにおいては、バルブ37を調節して真空排気部32による排気量を、有機層成膜室13の第2のバルブ35bおよび無機層成膜室14の第3のバルブ35cよりも少なくすることにより、差圧室70内の圧力を、有機層成膜室13内の圧力および無機層成膜室14内の圧力よりも高くすることができる。
これ以外にも、差圧室70内にガス供給部72から不活性ガスを供給することにより、成膜への影響を小さくしつつ、差圧室70内の圧力を有機層成膜室13内の圧力および無機層成膜室14内の圧力よりも高くすることができる。
なお、差圧室70内の圧力が有機層成膜室13内の圧力および無機層成膜室14内の圧力よりも高いとは、例えば、差圧室70内の圧力が10%以上高いことである。これは、有機層成膜室13を例にすれば、差圧室70内の圧力(Pa)/有機層成膜室13の圧力(Pa)≦0.9である。
本実施形態の成膜装置10aにおいて、差圧室70内の圧力を有機層成膜室13内の圧力および無機層成膜室14内の圧力よりも高くすることにより、差圧室70から有機層成膜室13への流れが生じるとともに、差圧室70から無機層成膜室14への流れが生じる。このような差圧室70の押し出す作用により、有機層bの形成に用いられるモノマーなどの有機物質が無機層成膜室14に混入してコンタミネーションを起すことがない。また、無機層fを形成する際に無機層成膜室14内に供給される原料ガスおよび成膜時に生成する反応生成物などが有機層成膜室13に混入してコンタミネーションを起すこともない。これにより、無機層fを、より一層クリーンな環境で成膜することができ、より一層良好な性能を有する機能性フィルムFが得られる。
なお、差圧室70内に不活性ガスを供給することにより、形成された有機層bへの影響も小さくすることができる。
なお、本実施形態においては、差圧室70内の圧力は、有機層成膜室13内の圧力および無機層成膜室14内の圧力よりも低くてもよい。
この場合、差圧室70のバルブ37を調節して真空排気部32による排気量を、有機層成膜室13の第2のバルブ35bおよび無機層成膜室14の第3のバルブ35cよりも大きくすることにより、差圧室70内の圧力を、有機層成膜室13内の圧力および無機層成膜室14内の圧力よりも低くすることができる。
これ以外にも、差圧室70内だけを排気する真空ポンプ等の排気手段(圧力調節手段)を設けて、差圧室70内の圧力を有機層成膜室13内の圧力および無機層成膜室14内の圧力よりも低くするようにしてもよい。
本実施形態の成膜装置10aにおいて、差圧室70内の圧力を有機層成膜室13内の圧力および無機層成膜室14内の圧力よりも低くすることにより、有機層成膜室13から差圧室70への流れが生じるとともに、無機層成膜室14から差圧室70への流れが生じる。このような差圧室70の吸い上げる作用により、有機層bの形成に用いられるモノマーなどの有機物質が無機層成膜室14に混入してコンタミネーションを起すことがない。また、無機層fを形成する際に無機層成膜室14内に供給される原料ガスおよび成膜時に生成する反応生成物などが有機層成膜室13に混入してコンタミネーションを起すことがない。これにより、無機層fを、より一層クリーンな環境で成膜することができ、より一層良好な性能を有する機能性フィルムFが得られる。
なお、本実施形態の成膜装置10aにおいては、上記本実施形態の効果以外にも、第1の実施形態の成膜装置10と同様の効果を得ることができる。
次に、本実施形態の成膜装置10aの成膜方法について説明する。
本実施形態の成膜装置10aの成膜方法は、第1の実施形態の成膜装置10の成膜方法に比して、基板Zの表面Zfに有機層bを形成した後、基板Zを、差圧室70内を通過させて無機層成膜室14に搬送する点が異なるだけであり、それ以外の成膜工程は、第1の実施形態の成膜装置10による成膜方法と同様の工程であるため、その詳細な説明は省略する。
以下、差圧室70内の圧力が有機層成膜室13内の圧力および無機層成膜室14内の圧力よりも高い場合を例にして説明する。
本実施形態の成膜方法においては、真空排気部32および第1のバルブ35a〜第4のバルブ35dにより、供給室12内の圧力、有機層成膜室13内の圧力、無機層成膜室14内の圧力および巻取り室16内の圧力を、それぞれ所定の圧力にして保持する。また、差圧室70内にガス供給部72から不活性ガスを供給し、差圧室70内の圧力を高くする。この状態で、基板ロール20からガイドローラ21を経て有機層成膜室13に搬送された長尺な基板Zの表面Zfに、有機層成膜室13の有機層形成部60により有機層bを形成する。
次に、表面Zfに有機層bが形成された状態で基板Zを、差圧室70に搬送し、無機層成膜室14に搬送する。この差圧室70は、内部に不活性ガスが供給されており、有機層成膜室13内の圧力および無機層成膜室14内の圧力よりも高い。
このため、差圧室70よりも圧力が低い有機層成膜室13内から、有機層bの形成に用いられるモノマーなどの有機物質が無機層成膜室14に混入してコンタミネーションを起すこと、および無機層fを形成する際に無機層成膜室14内に供給される原料ガスおよび成膜時に生成する反応生成物などが有機層成膜室13に混入してコンタミネーションを起すことがない。
無機層成膜室14内では各成膜電極42a〜42dの表面に形成された複数の貫通孔から隙間Sに原料ガスを供給し、プラズマを生成させて、基板Zに形成された有機層b上に無機層fを成膜する。上述のように、コンタミネーションを起すことがないため、より一層クリーンな環境で、無機層fを成膜することができる。
表面Zfに有機層bおよび無機層fが積層された基板Z(機能性フィルムF)が、ガイドローラ28、およびガイドローラ31を経て、巻取りロール30に巻き取られる。
このようにして、本実施形態の成膜装置10aにより得られた機能性フィルムFは、第1の実施形態の成膜装置10による機能性フィルムFと同様に、例えば、ガスバリアフィルムであれば、ガスバリア性能が良いものとなる。
なお、本実施形態においては、差圧室70内の圧力を、有機層成膜室13内の圧力および無機層成膜室14内の圧力よりも低くて、表面Zfに有機層bおよび無機層fが積層された基板Z(機能性フィルムF)を形成することができる。
上述のいずれの実施形態においても、例えば、機能性フィルムとして、ガスバリアフィルム(水蒸気バリアフィルム)を製造する際には、無機層fとして、窒化ケイ素膜、酸化アルミニウム膜、酸化ケイ素膜等の無機層を形成する。
また、機能性フィルムとして、有機ELディスプレイおよび液晶ディスプレイのような表示装置などの各種のデバイスまたは装置の保護フィルムを製造する際には、無機層fとして、酸化ケイ素膜等を成膜する。
さらに、機能性フィルムとして、光反射防止フィルム、光反射フィルム、各種のフィルタ等の光学フィルムを製造する際には、無機層fとして、目的とする光学特性を有する無機層、または目的とする光学特性を発現する材料からなる無機層を形成する。
さらに、形成する無機層fは、単層に限定はされず、複数層であってもよい。無機層fを複数層形成する場合には、各層は、同じものであっても、互いに異なるものであってもよい。
本実施形態の成膜装置10においては、プラズマCVDを例にして、説明したが、プラズマCVDに限定されるものではない。本発明の成膜部は、気相成膜法を用いるものであれば、各種の物理的気相成長法(PVD:Physical Vapor Deposition)、スパッタリング法、蒸着法またはイオンプレーティング法などを用いることもできる。
以上、本発明の成膜装置について詳細に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいのは、もちろんである。
本発明の第1の実施形態に係る成膜装置を示す模式図である。 本発明の第2の実施形態に係る成膜装置を示す模式図である。
符号の説明
10 成膜装置
12 供給室
13 有機層成膜室
14 無機層成膜室
16 巻取り室
20 基板ロール
21,24,28,31 ガイドローラ
30 巻取りロール
32 真空排気部
36 制御部
40 成膜部
42 成膜電極
44 高周波電源
46 原料ガス供給部
42a〜42d 成膜電極板
26a,52a 表面
b 有機層
D 搬送方向
f 無機層
ω 回転方向
Z 基板
Zf 表面

Claims (6)

  1. 長尺の基板を長手方向に所定の搬送経路で搬送しながら、前記基板の表面に有機層を形成し、前記有機層上に無機層を形成する成膜装置であって、
    前記基板を長手方向に所定の搬送経路で搬送する搬送手段と、
    前記基板の搬送方向と直交する幅方向に回転軸を有し、前記搬送手段より搬送された基板が巻き掛けられる、回転可能な円筒状の第1のドラム、および、フラッシュ蒸着法を用いて前記有機層を前記基板の表面に形成する第1の成膜手段が設けられており、前記第1のドラムに前記基板を巻き掛けた状態で、前記第1の成膜手段により前記基板の表面に前記有機層を形成する第1の成膜室と、
    前記第1の成膜室の前記搬送経路の下流側に配置されるとともに、前記基板の搬送方向と直交する幅方向に回転軸を有し、搬送された、前記有機層が形成された基板が巻き掛けられる、回転可能な円筒状の第2のドラム、および、スパッタリング法またはプラズマCVD法を用いて前記有機層上に前記無機層を形成する第2の成膜手段が設けられており、前記第2のドラムに前記基板が巻き掛けた状態で、前記第2の成膜手段により前記有機層の表面に前記無機層を形成する第2の成膜室と、
    前記第1の成膜室内、および前記第2の成膜室内を所定の圧力に減圧する真空排気手段と、
    前記第1の成膜室および第2の成膜室とは独立して、その内部に不活性ガスを供給するガス供給手段、ならびに、前記第1の成膜室および第2の成膜室とは独立して、その内部の排気を調整可能な真空排気手段が設けられた、前記搬送経路において前記第1の成膜室と前記第2の成膜室との間に設けられる差圧室とを有し、
    かつ、前記搬送手段は、前記基板を、前記第1の成膜室、前記差圧室および前記第2の成膜室の順で搬送することを特徴する成膜装置。
  2. 前記差圧室に設けられた真空排気手段およびガス供給手段を制御する制御手段を有し、この制御手段は、前記差圧室の圧力が、前記第1の成膜室内および前記第2の成膜室内のいずれの圧力よりも、高くなるように、もしくは、低くなるように、前記差圧室の真空排気手段およびガス供給手段を制御する請求項1に記載の成膜装置。
  3. 前記第2のドラムは、前記第1のドラムよりも直径が大きい請求項1または2に記載の成膜装置。
  4. 前記基板の搬送方向に、前記第2の成膜手段を、複数、有する請求項3に記載の成膜装置。
  5. 前記第2の成膜手段は、プラズマCVD法によって前記無機膜の形成を行うものであり、かつ、全ての前記第2の成膜手段に対して、同じ高周波電源から高周波電圧を印加し、また、同じ原料ガス供給部から原料ガスを供給する請求項4に記載の成膜装置。
  6. 前記第1のドラムおよび前記第2のドラムには、それぞれ温度調節手段が設けられており、前記第1のドラムと前記第2のドラムとが独立して温度制御される請求項1〜5のいずれかに記載の成膜装置。
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