JP5079948B2 - 転写部材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴム組成物を用いた転写部材に関し、詳しくは、複写機、プリンター、ファクシミリ等の画像形成装置の転写機構に用いられる転写部材に用いられるものである。
【0002】
【従来の技術】
複写機やプリンター等の画像形成装置で画像が形成される場合、まず、感光ドラム上に静電潜像が形成される。次いで、感光ドラム上にトナーが供給され、トナー像が形成される。このトナー像は、感光ドラムから転写部材上の被転写体に直接転写されて定着される場合と、中間転写ベルトの様に、一旦中間転写体にトナーを転写させ、然る後、被転写体へ転写され定着される場合とがある。このようにして、所望の画像が印刷される。
【0003】
従来、上記のような転写機構に用いられる転写部材は、その電気抵抗値を制御することにより、転写部材としての性能を管理しており、材料の体積固有抵抗値(体積抵抗率)や製品状態での電気抵抗値に着目し、必要とされる転写電流が得られるように、画像の品質向上を目的とした導電性ゴム組成物やゴムローラが開発されている。
【0004】
例えば、特開平8−63014号において、本出願人は、体積固有抵抗値が低いゴム材料に導電性充填剤を配合し、ローラの抵抗値を規定することで、印加電圧の変化や環境変動に対して安定な導電性ローラを提案している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、転写部材としての安定した性能を得るために、近時において、種々の材料・配合が転写部材に適用されるようになり、従来のように、電気抵抗値を制御するだけでは、転写特性を予測・管理することができないことが判明した。実際に、同じ電気抵抗値を有する転写ローラにおいても、用いる材料やその配合によっては転写部材に分極が生じ転写特性が異なり、電気抵抗値が低くても、トナーの被転写体への転写効率が悪くなり、画像ムラが発生し、鮮明な画像が得られないという問題がある。
【0006】
また、本出願人が提案した特開平8−63014号の導電性ゴムローラにおいても、ローラの電気抵抗値を規定することで、印加電圧の変化や環境変動に対して安定した性能を発揮してはいるものの、安定して転写効率を高めるまでには至らず、画像の品質向上が十分とはいえず、未だ改良の余地がある。
【0007】
本発明は上記した問題に鑑みてなされたものであり、使用する材料によらず、一元的に転写部材の転写特性を予測・管理可能とし、トナーやインクの被転写体への転写効率を向上させ、画像のかすれやムラのない鮮明な画像を得られる、転写性能に優れた転写ローラ、転写ベルト等の転写用部材を提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、液状アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)とエチレンープロピレンージエンゴム(EPDM)とからなるゴム成分のうち、イオン導電性ゴムである前記NBRの割合をEPDMより多くし、前記ゴム成分100重量部に対して、導電性充填剤のカーボンブラックが15重量部以上25重量部以下、硫黄粉末、テトラメチルチウラムモノスルフィドとジベンゾチアジルジスルフィドからなる加硫促進剤が2重量部以上4重量部以下で配合されたゴム組成物からローラまたはベルトの弾性層として成形され、誘電正接が0.07以上1.1以下、電気抵抗値が10 6 Ω以上10 7.2 Ω以下とされ、
被転写体にトナーあるいはインクを転移させる転写用のロールまたはベルトからなる画像形成装置の転写部材を提供している。
【0009】
本発明では、被転写体を帯電させる転写部材用ゴム組成物の誘電正接が転写部材の転写特性に大きな影響を及ぼし、転写部材用ゴム組成物の誘電正接が0.05以上、好ましくは0.08以上であれば体積抵抗率(電気抵抗値)によらず、良好な転写特性を示すことを見出した。即ち、誘電正接とは、電圧をかけた時の分極のしにくさを示しており、誘電正接が大きいと電気(電荷)を通しやすく分極は進みにくいが、逆に誘電正接が小さいと、電気(電荷)を通しにくく分極が進むことになる。従って、誘電正接を上記範囲とすることで、転写部材における分極を抑制することができ、被転写体へ速やかに電荷を注入できるため、電気抵抗の値に関わらず、転写効率を向上できることを見出した。
【0010】
前記のように、転写部材用ゴム組成物の誘電正接の値は0.0以上1.1以下としている。これにより、トナーやインクの被転写体への転写効率が向上し、画像にかすれやムラがなく、きれいで鮮明な画像を形成することができる。
上記範囲としているのは、誘電正接が0.0より小さいと転写効率が悪くなるためである。また、誘電正接が1.1より大きいとトナーの逆転移現象がおきるという問題があるためである。
【0011】
体積抵抗率は10Ω・cm以上1010Ω・cm以下、好ましくは10Ω・cm以上10Ω・cm以下としている。このように、誘電正接が上記範囲であり、かつ、体積抵抗率を上記範囲とすると、より高い転写効率を得ることができる。
上記範囲としているのは、体積抵抗率が10Ω・cmより小さいと異常画像の原因となるためであり、体積抵抗率が1010Ω・cmより大きいと、十分な導電性が得られず実用に適さなくなるという問題があるためである。
【0012】
上記ゴム成分には導電性充填剤が分散していることが好ましい。誘電正接は体積抵抗率と誘電率の比でその値が決まるが、ベースポリマー及び導電性充填剤によって体積抵抗率だけでなく誘電率も制御することができる。ベースポリマーと充填剤の種類と量を適当に選択することで所定の誘電正接を持つ製品を作成できる。
【0013】
上記導電性充填剤としては、誘電正接を増加させ、かつ低電気抵抗を実現すると共にゴムに対する補強効果が大きいカーボンブラックを用いている。
【0014】
前記のように、導電性充填剤としてカーボンブラックの添加量は、ゴム成分100重量部に対して、5重量部以上25重量部以下としている
上記範囲としているのは、上記範囲より小さいと電気抵抗値が大きくなり導電性が低下するためであり、上記範囲より大きいと誘電正接の値が小さくなり転写効率が悪くなるためである。
【0015】
カーボンブラックの粒径は、5nm以上500nm以下、好ましくは10nm以上300nm以下が良い。これによりカーボンブラックの分散性を高めることができる。
上記範囲より小さいとローラの接触による紙汚れという問題があり、上記範囲より大きいと電気抵抗の低下が不十分となるためである。
【0016】
カーボンブラックとしては、アセチレン法、ファーネス法、ランプ法、サーマル法等の従来公知の方法により製造されたものが使用可能であり、アセチレンブラック、ファーネスブラック等が好適に用いられ、必要に応じて、2種以上組み合わせて使用しても良い。
【0017】
上記ゴム成分として、前記のように、液状アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)とエチレンープロピレンージエンゴム(EPDM)を用いている。上記液状アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)はイオン導電性ゴムである。イオン導電性ゴムとは、組成物中に極性基を持つゴム材料を指す。
【0018】
上記イオン導電性ゴムは、ゴム成分の全重量に対して5重量%以上100重量%以下、好ましくは10重量%以上100重量%以下配合するのが良い。このように、イオン導電性ゴムの重量割合を大きくすると、誘電正接が1.00以上となるような非常に転写効率の優れたゴム組成物を得ることができる。
【0019】
イオン導電性ゴム成分として液状NBRを用いている。これにより、ポリマー鎖が動きやすいため、加工性にも優れ、かつ、イオンの輸送効率も高くなるので電気抵抗を低減することができる。更に、NBRとしては、高分子量NBRと液状NBRの混合物が、ゴム組成物の物性を良好に保つことができるため好ましい。
【0020】
NBRの中でも、特にアクリロニトリル含量が高いものは、混練後、あるいは押し出し時のゴム肌を良好にする効果が非常に高く、また、加硫物の硬度を下げる効果も大きいので、非常に好適である。このようなゴムの例としては、中ニトリル、中高ニトリル、高ニトリル、極高ニトリルの各種NBRが挙げられる。
【0021】
前記のように、耐候性の点からはEPDMを用い、EPDMはゴム成分の全重量に対して1重量%以上70重量%以下、好ましくは5重量%以上40重量%以下配合するのが良い。
EPDMは主鎖が飽和炭化水素からなり、主鎖に二重結合を含まない。このため、高濃度オゾン雰囲気、光線照射等の環境下に長時間曝されても、分子主鎖切断が起こりにくい。従って、複写機等の画像形成装置内でオゾンが発生してもオゾンによる劣化を低減することができ、得られる転写部材用ゴム組成物の耐候性を高めることができる。
【0022】
EPDMとしては、そのジエン成分に特に限定はなく、エチリデンノルボルネン(ENB)、ジクロロペンタジエン(DCPD)等が使用可能である。
【0023】
また、製品にイオン導電性を付与する添加剤として帯電防止剤、電荷制御剤等のイオン性導電材がある。このようなイオン性導電材を個々に、あるいは、それぞれ混合して、配合することで体積抵抗を下げつつ、誘電正接を高くすることが可能である。
【0024】
帯電防止剤としては、従来静電潜像現像用トナーに用いられている任意のものを用いることができる。負帯電性の帯電防止剤としては、2:1型含金属アゾ染料、芳香族オキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸の金属錯体、銅フタロシアニン染料のスルホニルアミン誘導体や銅フタロシアニンのスルホンアミド誘導体染料等を挙げることができる。正帯電性の帯電防止剤としては、第4級アンモニウム化合物、アルキルピリジニウム化合物、アルキルピコリニウム化合物のほか、種々のニグロシン系染料等を挙げることができる。
このような帯電防止剤は、ベースポリマー(ゴム成分)100重量部に対して、0.1重量部以上10重量部以下、好ましくは0.3重量部以上5重量部以下配合するのが良い。
【0025】
また、電荷制御剤としては、他の有機金属錯体、金属塩、キレート化合物で、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、ヒドロキシカルボン酸金属錯体、ポリカルボン酸金属錯体、ポリオール金属錯体等が挙げられる。その他には、第4級アンモニウム塩、カルボン酸の金属塩、カルボン酸無水物、エステル類等のカルボン酸誘導体や芳香族系化合物の縮合体等も挙げられる。また、ビスフェノール類、カリックスアレーン等のフェノール誘導体等も用いられる。
このような電荷制御剤は、ベースポリマー(ゴム成分)100重量部に対して、0.1重量部以上15重量部以下、好ましくは0.3重量部以上10重量部以下配合するのが良い。
なお、上記帯電防止剤、電荷制御剤は単独でも複数組み合わせても使用可能である。
【0026】
本発明の転写部材を成形するゴム組成物には、粉末硫黄からなる加硫剤を配合している
加硫剤の添加量は、ゴム成分100重量部に対して、0.5重量部以上が好ましい
【0027】
また、加硫促進剤を配合している。該加硫促進剤として、テトラメチルチウラムモノスルフィドとジベンゾチアジルジスルフィドからなる有機加硫促進剤を用いている。
加硫促進剤の添加量は、ゴム成分100重量部に対して、2重量部以上4重量部以下としている
【0028】
上記硫黄(S)/ジベンゾチアジルジスルフィド(DM)/テトラメチルチウラムモノスルフィド(TS)の加硫系を用いると、ゴム成分を効率良く架橋することができる。
【0029】
また、加硫促進助剤として、亜鉛華などの金属化合物や、ステアリン酸、オレイン酸、綿実脂肪酸等の脂肪酸を用いてもよい。
【0030】
軟化剤として、オイルや可塑剤を配合するのが好ましい。オイルとしては、パラフィン系、ナフテン系、芳香族系等の鉱物油や炭化水素系オリゴマーからなるそれ自体公知の合成油、またはプロセスオイル等を用いることができる。合成油としては、例えば、α−オレフィンのオリゴマー、ブテンのオリゴマー、エチレンとα−オレフィンのオリゴマー等を挙げることができ、特にエチレンとα−オレフィンとの非晶質オリゴマーが好ましい。可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルセパケート(DOS)、ジオクチルアジペート(DOA)等を用いることができる。
軟化剤の添加量は、ゴム成分100重量部に対して、5重量部以上30重量部以下、好ましくは10重量部以上20重量部以下が良い。
【0031】
EPDMには、ゴム成分のみからなる非油展タイプのEPDMと、ゴム成分と共に親展油を含む油展タイプのEPDMとが存在するが、いずれのタイプのものも使用可能である。ただし、油展タイプのEPDM中の親展油の重量は、軟化剤の重量(オイル量)として扱う。
【0032】
その他、誘電正接に影響を及ぼさない範囲において、必要に応じて、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、二塩基性亜リン酸塩、(DLP)、塩基性炭酸マグネシウム、アルミナ等の充填剤、及び、老化防止剤、ワックス等を配合することができる。老化防止剤としては、例えば、2−メルカプトベンゾイミダゾールなどのイミダゾール類、フェニル−α−ナフチルアミン、N,N−ジ−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミンなどのアミン類などが挙げられる。
【0033】
本発明の転写部材を成形するゴム組成物は、ゴム成分及び各種配合剤を混練し、該混練物を加硫することにより製造される。混練は公知の方法で行うことができ、例えば、オープンロール、バンバリーミキサー、ニーダー等の公知のゴム混練装置を用いて60℃〜120℃で、5〜30分間混練するのが良い。
【0034】
混練物の加硫も公知の方法で行うことができる。即ち、混練物を電気プレス機、缶加硫等により、150℃〜180℃で、5〜60分間加硫すると良い。また、電子線の照射により加硫を行っても良い。
【0035】
本発明の転写部材を成形するゴム組成物は、転写効率に優れているため、被転写体の表面にトナーあるいはインクを転移させる画像形成装置の種々の転写部材として好適に用いることができ、鮮明な画像を得ることができる。
具体的には、転写ベルトに電荷を与えたり、被転写体の裏面に当接させ紙送り機能を備えたローラであって転写プロセスにおいて電極のような役割を果たす転写ローラ、あるいは、紙送り機構と転写機構とを備えておりトナー像を被転写体に転写する役割を果たす転写ベルトとしている
【0036】
発明の転写部材は、シャフトと、該シャフトの外周に一層以上の弾性層とを備え、上記弾性層が上記ゴム組成物からなる転写部材としている。これにより、被転写体の裏面側に配置し、あるいは被転写体の裏面に当接させ、被転写体を帯電することで、被転写体の表面にトナーあるいはインクを転移させる画像形成装置の転写部材に好適に用いることができ、転写部材の分極を抑制し転写効率を高めることができる。
【0037】
また、上記のような本発明の転写部材の電気抵抗値は10 6 Ω以上10 7.2 Ω以下としている。このように、誘電正接が上記範囲であるような本発明の転写部材用ゴム組成物を用い、かつ、電気抵抗値を上記範囲とすると、より高い転写効率を得ることができる。
上記範囲としているのは、電気抵抗値が10 Ωより小さいと異常画像の原因となるためであり、電気抵抗値が10 7.2 Ωより大きいと、十分な導電性が得られず実用に適さなくなるという問題があるためである。
【0038】
本発明の転写部材は、転写ローラまたは転写ベルトからなる。転写ローラは以下のようにして成形することができる。
(1)加硫後に成形する場合は、軸芯穴は後行程で挿入する金属シャフトよりも、やや小さい内径の貫通穴を有し、その外径が所望の外径よりも大きめに成形する。金属シャフト挿入後、該シャフトを軸芯として外側を研磨し、所望の外径に整える。成形方法としては、押し出し成形が使用可能である。
(2)加硫と同時に成形する場合は、予め所望の外径が得られるようにしておく。成形同時加硫方法としては、割型、インジェクション、トランスファー、加熱押し出し等が使用可能である。
(3)加硫前の成形方法としては、押し出し成形が使用可能で、押し出し後は、電子照射、加硫缶、オーブン等、非接触で加熱を行い加硫し、所望の成形品を得る。転写ベルトとしては、シート状に成形後、ジョイントしてベルトにしても良いし、また、押し出し成形でシームレスベルトに仕上げても良い。
【0039】
また、転写部材として用いられる転写ベルトは、例えば、連続溶融押出成形法、射出成形法、ブロー成形法等の公知の方法により成形することができ、転写部材用ゴム組成物を筒状に成形することで得ることができる。上記転写ベルトは、ベルト単独で使用する他、ドラムあるいはローラ等に巻き付けたり、被覆したりして使用しても良い。
【0040】
なお、転写部材用ゴム組成物に種々の発泡剤を配合して、発泡ローラ等として用いてもよい。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
本発明の実施形態の転写部材用ゴム組成物は、NBRを80.0重量部、EPDMを15.0重量部、カーボンブラック(デンカブラック)を21.0重量部、加硫剤(粉末硫黄)を5.0重量部、加硫促進剤1(テトラメチルチウラムモノスルフィド)を0.5重量部、加硫促進剤2(ジベンゾチアジルジスルフィド)を1.5重量部の割合で配合している。
【0042】
上記配合からなる転写部材用ゴム組成物を単軸押出機でチューブ状に予備成形し、この予備成形品を160℃、10〜60分加硫したのち、芯金を挿入し表面を研磨した後、所要寸法にカットして、転写ローラ1としている。図1に示すように、上記転写ローラ1は、略円筒形状であり、その内周にはシャフト2が挿入されいる。
【0043】
誘電正接が1.1である上記の転写部材用ゴム組成物からなる転写ローラ1の電気抵抗値は106.0Ωである。
これにより、転写部材用ゴム組成物の分極を防ぎ、転写効率の高い転写部材(転写ローラ)を得ることができ、画像にかすれやムラがなく、きれいな画像を形成することができる。
【0044】
転写ローラが用いられる画像形成装置として、図2に示すように、中間転写ベルトを用いたカラープリンター用の構造が挙げられる。このカラー用画像形成装置は、転写ローラ1、帯電ローラ11、感光体12、中間転写ベルト13、定着ローラ14、4色のトナー15(15a、15b、15c、15d)、鏡16を備えている。
【0045】
このカラー用画像形成装置によって画像が形成される場合、まず、感光体12が図中の矢印の方向に回転し、帯電ローラ11によって感光体12が帯電された後に、鏡16を介してレーザー17が感光体12上に露光される。その後、4色のトナー15がそれぞれ必要に応じて感光体12上に供給され、トナー像が現像される。次に、感光体12と転写ローラ1との間を通過する中間転写ベルト13にトナー像が一次転写され、中間転写ベルト13が回転し、中間転写ベルト13上のトナー像が、中間転写ベルト13と転写ローラ1との間を通過する紙18に二次転写される。その後、紙18が図中の矢印の向きに搬送され、定着ローラ14にてトナー像が紙に定着される。
【0046】
また、転写ローラが用いられる画像形成装置として、図3に示すように、中間転写ベルトを用いず、転写ローラのみを用いたモノクロ(白黒)プリンター用の構造も挙げられる。このモノクロ用画像形成装置は、転写ローラ1′、帯電ローラ21、感光体22、定着ローラ24、トナー25、鏡26を備えている。
【0047】
このモノクロ用画像形成装置によって画像が形成される場合、まず、感光体22が図中の矢印の方向に回転し、帯電ローラ21によって感光体22が帯電された後に、鏡26を介してレーザー27が感光体22上に露光される。その後、トナー25がそれぞれ必要に応じて感光体22上に供給され、トナー像が現像される。次に、感光体22上に現像されたトナー像が感光体22と共に回転し、感光体22と転写ローラ1′との間を通過する紙28に転写される。その後、紙28が図中の矢印の向きに搬送され、定着ローラ24にてトナー像が紙28に定着される。
【0048】
以下、本発明の転写部材用ゴム組成物からなる転写ローラの実施例1、2及び比較例1、2について詳述する。
【0049】
実施例1、2及び比較例1、2について下記の表1に記載の配合からなる材料をニーダに投入し、100℃で、1〜20分程度混練りした後、ゴム混練装置より押し出した。
次いで、予備成形体を160℃、30分加硫した後、金属製のシャフト(シャフト径φ6)を挿入し、研磨、カットして転写ローラ(外径φ12、長さ220mm)を作成した。
【0050】
【表1】
Figure 0005079948
【0051】
NBRとしてニッポールDN401LL(日本ゼオン(株)製)を用い、EPDMとしてエスプレン505A(住友化学工業(株)製)を用い、カーボンブラックとしてデンカブラック(三菱化学製)を用い、加硫促進剤(ACC−TS)(テトラメチルチウラムモノスルフィド)としてノクセラーTS(大内新興化学工業(株)製)を用い、加硫促進剤(ACC−DM)(ジベンゾチアジルジスルフィド)としてノクセラーDM(大内新興化学工業(株)製)を用いた。
【0052】
上記実施例1、2及び、比較例1、2の転写ローラについて、それぞれ、後述する方法により、電気抵抗値、誘電正接を測定した。また、転写効率についての評価を行った。各測定、評価結果を上記表1の下欄に示す。
【0053】
(ローラの電気抵抗値の測定)
図4に示すように、ゴムローラ51を載置している金属板53とシャフト52とを電極とし、ゴムローラ51及びシャフト52を固定し、ゴムローラ51に1000Vの電圧を印加した時の電気抵抗の値を微小電流計(アドバンテスト製)により測定した。
なお、表1には、電気抵抗値を常用対数値で示している。
【0054】
(誘電正接の測定)
図5に示すように、ゴムローラ51を載置している金属板53とシャフト52とを電極とし、ゴムローラ51に100Hz〜100kHzの交流電圧を印加し、LCRメータ(AG−4311B、安藤電気製)にて、R(抵抗)成分とC(コンデンサー)成分を分離して測定した。このRとCの値から、以下の式により、誘電正接やインピーダンス、位相角度等を求めた。測定温度は23℃〜24℃(室温)で行った。
誘電正接(tanδ)=G/(ωC)
G=1/R
このように、誘電正接は、1本のローラの電気特性を、ローラの抵抗成分とコンデンサー成分の2種の並列等価回路としてモデル化した際に、G/ωCとして求まる値である。誘電正接の測定値を表1に示す。
【0055】
(転写効率の測定)
実施例及び比較例の転写ローラをプリンターに装着し、印刷テストを行い、印字の色濃度を反射型濃度計(大日本スクリーン(株)製)で測定した。測定した色濃度から転写効率を測定した。転写効率が80%以下では、印字の薄いことが肉眼でも判別でき、転写不良と判断される。評価結果を表1に示す。
【0056】
表1に示すように、実施例1、2の転写ローラは、誘電正接の値が0.07、1.1であり、共に0.05以上であるため、転写効率がそれぞれ90%、95%と非常に高い結果となり、印字テストの結果、非常にきれいで、鮮明な画像が得られた。
一方、比較例1,2の転写ローラは誘電正接の値が0.03、0.04であり、共に0.05より小さいため、転写効率がそれぞれ70%、75%となり、印字が薄く、画像ムラが発生した。
【0057】
また、実施例1と比較例1とは、電気抵抗値が同じであるが、誘電正接の値が異なり、誘電正接の値が大きい実施例1の方が転写効率に優れる結果となった。実施例2と比較例2についても同様に、電気抵抗値が同じであるが、誘電正接の値が大きい実施例2の方が転写効率に優れる結果となった。以上より、誘電正接が0.05以上の転写ローラでは、高い転写効率を得られることが確認できた。
【0058】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、1種または複数種のゴム成分を配合し、誘電正接を0.05以上としているため、ゴム組成物の分極を防ぐことができ、電気抵抗の制御では実現できなかった、高い転写性能を有する転写部材用ゴム組成物を得ることができる。よって、使用する材料によらず、一元的に転写部材の転写特性を予測・管理することが可能となる。
【0059】
このように、本発明の転写部材用ゴム組成物は、トナーやインクの被転写体への転写効率を非常に向上させているため、複写機やプリンター等の画像形成装置の転写部材として好適に用いることができる。中でも、カラー用、高画質用等、特に、鮮明なトナー像を必要とされる場合に好適であり、画像のかすれやムラのないきれいな画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の転写部材用ゴム組成物を用いている転写ローラの概略図である。
【図2】 カラー用画像形成装置の模式的正面図である。
【図3】 モノクロ用画像形成装置の模式的正面図である。
【図4】 ローラの電気抵抗値の測定方法を示す図である。
【図5】 誘電正接の測定方法を示す図である。
【符号の説明】
1 転写ローラ
2 シャフト
11 帯電ローラ
12 感光体
13 中間転写ベルト
14 定着ローラ
15 トナー

Claims (1)

  1. 液状アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)とエチレンープロピレンージエンゴム(EPDM)とからなるゴム成分のうち、イオン導電性ゴムである前記NBRの割合をEPDMより多くし、前記ゴム成分100重量部に対して、導電性充填剤のカーボンブラックが15重量部以上25重量部以下、硫黄粉末、テトラメチルチウラムモノスルフィドとジベンゾチアジルジスルフィドからなる加硫促進剤が2重量部以上4重量部以下で配合されたゴム組成物からローラまたはベルトの弾性層として成形され、誘電正接が0.07以上1.1以下、電気抵抗値が10 6 Ω以上10 7.2 Ω以下とされ、
    被転写体にトナーあるいはインクを転移させる転写用のロールまたはベルトからなる画像形成装置の転写部材
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