JP5076436B2 - 燃料電池 - Google Patents

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Description

この発明は、燃料電池に係り、特に燃料電池の構造に関する。
従来、特開2003−249243号公報に開示されているように、発電に伴う生成水などの燃料電池内部の水を利用して、電解質膜の加湿を行う燃料電池が知られている。上記従来の燃料電池は、その内部に電解質膜を有している。電解質膜の一方の面側には、水素が流通するアノードガス流路が形成されたセパレータが設けられ、他方の面側には、空気が流通するカソードガス流路が形成されたセパレータが設けられる。
これらのセパレータは、アノードのガス流路の入口側とカソードのガス流路の出口側、および、アノードのガス流路の出口側とカソードのガス流路の入口側が、それぞれ電解質膜を介して対向するように設けられている。また、上記従来の技術における燃料電池では、電解質膜の上述した各ガス流路が対向する部位には電極触媒層が設けられていない(電解質膜が露出している)状態とされ、かつ、各ガス流路の出口部分を冷却する冷却系を備えている。
燃料電池が発電する際には、カソードに水が生成する。カソードガス流路の空気は、この生成水を含みながら流れる。このため、カソードガス流路の出口側の空気は相対的に湿度が高くなり、当該位置ではカソードとアノードの間の湿度差が大きくなる。カソードとアノードの間に湿度差があると、湿度の低い側へと電解質膜を介して水が移動する。このため、上記従来の燃料電池では、カソードガス流路の出口側からアノードのガス流路の入口側へと電解質膜を介して水が移動することになる。
アノードガス流路の入口側へと移動してきた水は、当該位置を流れる水素に持ち去られる。換言すれば、アノードガス流路の入口側へ移動してきた水により、水素の加湿が行われる。加湿された水素はアノードへと流れ込み、当該水素に含まれる水分が電解質膜へと供給される。
アノードガス流路内の水素もアノードの水を含みながら流れるので、アノードガス流路の出口側は相対的に湿度が高くなる。このため、アノードガス流路の出口側においても、アノードとカソードの湿度差が大きくなる。その結果、アノードガス流路の出口側からカソードガス流路の入口側へと水が移動し、カソードガス流路の入口部分で空気が加湿される。その結果、加湿された空気がカソードに流れ込み、当該空気の水分が電解質膜に供給される。このように、上記従来の技術によれば、燃料電池内部の水を利用してアノードとカソードのガスを加湿し、電解質膜の加湿を行うことができる。
また、上記従来の技術における燃料電池は、冷却系が各ガス流路の出口部分のガスを冷却することで、ガス中の水分を凝縮し、当該位置に多くの液体の水を供給できるという利点や、電解質膜の露出部分を設けることで、電解質膜の表面に触れるガス量を増加させることができるという利点も有している。
特開2003−249243号公報 特開2002−25584号公報 国際公開WO00/14819号パンフレット 特開2005−267904号公報
しかしながら、上記従来の技術においては、アノードのガス流路とカソードのガス流路のうち、一方のガス流路の出口側から他方のガス流路の入口側へと電解質膜を介して移動してくる水の量が少ないと、当該他方のガス流路を流れるガスを加湿する効果が低下してしまう。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、アノードとカソードのうち一方を流れるガスの水分を他方を流れるガスに供給してガスの加湿を行う際に、このガスの加湿を促進することができる燃料電池を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、燃料電池であって、
電解質膜の両側に触媒層を備える平面体と、前記平面体の一方の面に接して設けられた第1ガス流路と、前記平面体の他方の面に接して設けられた第2ガス流路とを有し、前記第1ガス流路のガスの入口部と前記第2ガス流路のガスの出口部とが前記平面体を挟んで対向している燃料電池において、
前記平面体の前記第1ガス流路の入口部と前記第2ガス流路の出口部とに挟まれた特定部位は、前記電解質膜の少なくとも一方の面にイオン交換樹脂を含む多孔質体によって形成され触媒含有量が実質的に零である層を直接積層されてなることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記第1ガス流路のガスの出口部と前記第2ガス流路のガスの入口部とが前記平面体を挟んで対向しており、
前記平面体の前記第1ガス流路の出口部と前記第2ガス流路の入口部とに挟まれた特定部位は、前記電解質膜の少なくとも一方の面にイオン交換樹脂を含む多孔質体によって形成され触媒含有量が実質的に零である層を直接積層されてなることを特徴とする。
また、第3の発明は、第2の発明において、
前記イオン交換樹脂を含む多孔質体によって形成され触媒含有量が実質的に零である層に、燃料電池の劣化を促進する物質を除去する物質が含有されていることを特徴とする。
また、第4の発明は、上記の目的を達成するため、燃料電池であって、
電解質膜の両側に触媒層を備える平面体と、前記平面体の一方の面に接して設けられた第1ガス流路と、前記平面体の他方の面に接して設けられた第2ガス流路とを有し、前記第1ガス流路のガスの入口部と前記第2ガス流路のガスの出口部とが前記平面体を挟んで対向している燃料電池において、
前記平面体の前記第1ガス流路の入口部と前記第2ガス流路の出口部とに挟まれた特定部位は、前記触媒層の触媒含有量を他の部位よりも相対的に少なくされていることを特徴とする。
また、第5の発明は、第4の発明において、
前記第1ガス流路のガスの出口部と前記第2ガス流路のガスの入口部とが前記平面体を挟んで対向しており、
前記平面体の前記第1ガス流路の出口部と前記第2ガス流路の入口部とに挟まれた特定部位は、前記触媒層の触媒含有量を他の部位よりも相対的に少なくされていることを特徴とする。
また、第6の発明は、第4の発明において、
前記第1ガス流路がアノードのガス流路であり、前記第2ガス流路がカソードのガス流路であることを特徴とする。
第1の発明によれば、第2ガス流路の出口部分から第1ガス流路の入口部分への、水の移動を促進することができる。これにより、第1ガス流路の入口部分を流れるガスを、効率よく加湿することができる。
第2の発明によれば、第1の発明において更に、第1のガス流路の出口部分から第2ガス流路の入口部分への水の移動量を増加させることができる。その結果、第1ガス流路と第2ガス流路を通って燃料電池内部を循環するような水の移動を促進することができ、燃料電池内部の水を電解質膜の加湿に無駄なく利用することができる。
第3の発明によれば、燃料電池内に存在する水を、当該燃料電池内部で循環するように移動させる際に、燃料電池の劣化を促進する物質の濃度が上昇するのを防ぐことができる。
第4の発明によれば、第2ガス流路の出口部分から第1ガス流路の入口部分への、水の移動を促進することができる。これにより、第1ガス流路の入口部分を流れるガスを、効率よく加湿することができる。
第5の発明によれば、第4の発明において更に、第1のガス流路の出口部分から第2ガス流路の入口部分への水の移動量を増加させることができる。その結果、第1ガス流路と第2ガス流路を通って燃料電池内部を循環するような水の移動を促進することができ、燃料電池内部の水を電解質膜の加湿に無駄なく利用することができる。
第6の発明によれば、カソードガス流路の出口部分からアノードガス流路の入口部分への水の移動量を増加させることができる。これにより、アノードガス流路の入口部分を流れる水素を、効率よく加湿することができる。
実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
図1は、本発明の実施の形態1の燃料電池の構成を説明するための図である。図1(a)は、実施の形態1の燃料電池をアノード側から見た図であり、便宜上、その構造の一部を透視および省略したものである。
実施の形態1の燃料電池は、アノード側にセパレータ10を有している。図1(a)では、セパレータ10の中央部分を透視し、更に、セパレータ10の紙面裏面側に位置するガス拡散層を省略して図示している。その結果、アノードの電極触媒層20、および当該電極触媒層20の紙面裏面側に位置する電解質膜22が目視できるように図示されている。
電解質膜22のアノード側の面には、電極触媒層20が設けられている。電極触媒層20は、イオン交換樹脂(アイオノマーとも称される)と、カーボンの粉末に触媒を担持させたものとを混合し、これを電解質膜22上に塗布し、乾燥させることにより形成される。なお、燃料電池に用いられる電極触媒層の構造、製法に関しては既に公知のため、その詳細な説明は省略する。
電解質膜22のアノード側の面の一方の端側には、多孔質体層24が設けられる。多孔質体層24は、イオン交換樹脂を含む多孔質体により、電解質膜22上に層状に形成される。具体的には、多孔質体層24は、電極触媒層20に用いられるイオン交換樹脂と、同じく電極触媒層20に用いられるカーボンの粉末であって触媒を担持させていないものとを混合し、電解質膜22上に層状に形成したものである。
このため、多孔質体層24は、電極触媒層20と同じくイオン交換樹脂、多孔質体を用いて形成されているものの、実質的に触媒を含まない点で電極触媒層20と相違する。多孔質体層24は、電極触媒層20と同様の製法を用いて形成することができる。従って、多孔質体層24を形成する際にも、燃料電池の電極触媒層に関する種々の公知の技術を利用することができる。
セパレータ10の紙面裏面側の面には、紙面横方向にガスが流通するようにアノードガス流路が形成されている(図1(a)では当該部分を透視しているため図示せず)。従って、実施の形態1の燃料電池をアノード側から見た場合には、セパレータ10、アノードガス流路(図示せず)、ガス拡散層(図示せず)、電極触媒層20および多孔質体層24、電解質膜22が順次位置することになる。
セパレータ10は、紙面右側の端部に水素入口マニホールド12を、紙面左側の端部に水素出口マニホールド14を、それぞれ有する。水素入口マニホールド12、水素出口マニホールド14は、それぞれ、アノードガス流路に連通している。このような構成によれば、水素入口マニホールド12からアノードガス流路の入口に水素が流入し、この水素がアノードガス流路を紙面左側に向かって流れた後、アノードガス流路の出口から水素出口マニホールド14へと流れる。
よって、アノード内部の水素は図1の紙面左側に向かって流れることとなり(図1(a)の実線矢印)、アノードガス流路の入口が紙面右側に位置し、アノードガス流路の出口が紙面左側に位置することになる。水素は、アノードガス流路内を入口から出口へと流れる過程で、電極触媒層20と多孔質体層24の上方を通過する。水素が電極触媒層20の上方を流れる際には、この水素がガス拡散層を介して電極触媒層20へと至り、発電に寄与する。
図1(b)は、図1(a)におけるA−A線に沿う断面図である。図1(b)において、電解質膜22の紙面下側がアノード、紙面上側がカソードとなっており、アノードの構造とカソードの構造が略対称となるように構成されている。具体的には、実施の形態1の燃料電池は、電解質膜22を介して電極触媒層20、多孔質体層24と対向する位置に、カソードの構造として電極触媒層30、多孔質体層34を有している。
図1(b)では、図1(a)において図示が省略されたアノードガス流路16が矢印を用いて簡略に示されている。そして、アノードガス流路16が電極触媒層20および多孔質体層24の上方に位置し、かつ、その内部で水素が紙面左方に流れる様子が表されている。なお、実際には、電極触媒層20および多孔質体層24上にガス拡散層が積層され、更に、アノードガス流路16が形成されたセパレータ10が取り付けられる構成となる。
電極触媒層30と多孔質体層34の上には、更に、カソードのガス拡散層(図示せず)、空気を流通させるカソードガス流路36が形成されたセパレータ(図示せず)が順次設けられる。カソードガス流路36は、アノードガス流路16と同様に、図1の紙面横方向にガスが流れるように形成される。従って、実施の形態1の燃料電池をカソード側から見た場合には、カソード側のセパレータ(図示せず)、カソードガス流路36、ガス拡散層(図示せず)、電極触媒層30および多孔質体層34、電解質膜22が順次位置することになる。
図1(b)では、アノードガス流路16と同様に、カソードガス流路36を、矢印を用いて簡略に示している。図1(b)では、カソードガス流路が電極触媒層30および多孔質体層34の上方に位置し、かつ、その内部で空気が紙面右方に流れる様子が表されている。
カソードのセパレータは、紙面左側の端部に空気入口マニホールドを、紙面右側の端部に空気出口マニホールドを、それぞれ有する。空気入口マニホールドと空気出口マニホールドは、それぞれカソードガス流路36に連通している。このような構成では、カソードガス流路36内部を紙面右側に向かって空気が流れ(図1の点線矢印)、カソードガス流路36の入口が紙面左側に位置し、カソードのガス流路の出口が紙面右側に位置することになる。空気は、カソードガス流路36内を入口から出口へと流れる過程で、電極触媒層30と多孔質体層34の上方を通過する。空気が電極触媒層30の上方を流れる際には、この空気がガス拡散層を介して電極触媒層30へと至り、発電に寄与する。
以上説明した構成によれば、実施の形態1の燃料電池では、アノードガス流路16の入口側とカソードガス流路36の出口側、および、アノードガス流路16の出口側とカソードガス流路36の入口側が、それぞれ電解質膜22を介して対向することになる。そして、アノードガス流路16の入口側とカソードガス流路36の出口側との間には、多孔質体層24、34が位置する状態となる。
[実施の形態1の動作]
実施の形態1の燃料電池が発電を行う際には、アノードに水素、カソードに空気がそれぞれ供給される。その結果、電気化学的反応により電力が発生し、これに伴いカソードに水が生成する。カソードガス流路36を流れる空気は、この生成水を含みながら流れる。よって、カソードガス流路36の下流側の空気は相対的に湿度が高くなり、多孔質体層34付近には多くの水が存在することとなる。
多孔質体層34は、イオン交換樹脂を含む多孔質体で形成されている。従って、多孔質体層34は、ガスとの接触表面積が大きく、かつ、イオン交換樹脂を含むことで多孔質体層内の水の経路(水パス)が確保される構造となっている。このような構造によれば、アノードガス流路16の出口近傍に存在する空気中の水分を、効率よく多孔質体層34に取り込むことができる。
実施の形態1の燃料電池は、電解質膜22を介して、アノードとカソードの構造が対称となるように形成されている。よって、電解質膜22を介して、カソードの多孔質体層34とアノードの多孔質体層24とが対向する位置に存在する。カソードとアノードの間に湿度差があると電解質膜を介した水の移動が生ずるため、カソードの多孔質体層34に取り込まれた水は、電解質膜22を介して、反対側のアノードの多孔質体層24へと移動することになる。
アノードの多孔質体層24も、イオン交換樹脂を含む多孔質体で形成されている。従って、多孔質体層24も、ガスとの接触表面積が大きく、かつ、イオン交換樹脂を含むことで多孔質体層内の水の経路(水パス)が確保される構造となっている。このような構造によれば、電解質膜22から多孔質体層24に移動した水分を、アノードガス流路16側へと効率よく蒸散させることができる。
図1に示すように、多孔質体層24は、セパレータ10の水素入口マニホールド12側、すなわち、アノードガス流路16の入口側に設けられている。このような構成によれば、多孔質体層24から蒸散した水が、アノードガス流路16の入口部分を通過する水素に含まれる。その結果、ガス流路内を水素が流れる過程で水素中の水分が電解質膜22へと供給され、電解質膜22が加湿されることになる。すなわち、実施の形態1では、多孔質体層24、電解質膜22、多孔質体層34が、アノードガス流路16入口で水素を加湿する加湿部を形成していると言うこともできる。
以上説明したように、実施の形態1の燃料電池によれば、多孔質体層24および多孔質体層34を、イオン交換樹脂を含む多孔質体により形成することで、多孔質体層24、34に挟まれた位置における電解質膜を介した水の移動を促進することができる。これにより、実施の形態1の燃料電池では、カソードガス流路36の出口側からアノードガス流路16の入口側へ向かう水の流れを促進することができる。その結果、カソードの生成水を用いたアノードの水素の加湿を十分に行うことができ、電解質膜22の加湿を効率よく行うことができる。
尚、上述した実施の形態1では、電解質膜22が前記第1の発明における「電解質膜」に、電極触媒層20、30が、前記第1の発明における「触媒層」にそれぞれ相当し、電解質膜22、電極触媒層20、30が一体となって、前記第1の発明における「平面体」に相当する膜電極接合体を形成している。
また、実施の形態1では、セパレータ10が有するアノードガス流路16が、前記第1の発明の「第1ガス流路」に、カソードのセパレータ(図示せず)が有するカソードガス流路36が、前記第1の発明における「第2ガス流路」に、多孔質体層24、34が、前記第1の発明における「イオン交換樹脂を含む多孔質体層によって形成され触媒含有量が実質的に零である層」にそれぞれ相当している。
[実施の形態1の燃料電池における多孔質体層の効果]
(水の移動量に関する実験結果)
以下、図2乃至3を用いて、実施の形態1の多孔質体層24の効果に関する実験結果を説明する。図2は、多孔質体層24の効果の測定に用いられた系を説明するための図である。図2の系で測定されたサンプル40は、電解質膜42の両面に多孔質体層44、46を備える構造である。多孔質体層44、46は、実施の形態1の多孔質体層24と同様に、イオン交換樹脂を含む多孔質体によって形成されている。
このようなサンプル40に対して、多孔質体層44側に乾燥した窒素を、多孔質体層46側に高湿度の窒素を供給する。具体的には、多孔質体層44側には、0%R.H.(乾燥状態)、40%R.H.(59℃)、80%R.H.(75℃)の窒素をそれぞれ1[L/min]で供給し、多孔質体層46側には常に100%R.H.以上の窒素(95℃)を1[L/min]で供給する。更に、多孔質体層46側を流れる窒素の温度が、多孔質体層46通過後に、80℃に低下するような状態とする。このような条件で、0、40、80%R.H.のそれぞれについて、湿度計Hを用いて多孔質体層44を通過する前後の窒素の湿度を計測する。
計測された多孔質体層44通過前後の湿度変化に基づいて、多孔質体層46側から電解質膜42を介して多孔質体層44側へと移動した水の量を求める。また、図示しないが、比較のために、電解質膜42のみに対して同様の測定を行う。これにより、電解質膜42のみの状態における水移動量を求める。
図3は、図2の系を用いて行われた実験の結果を説明するための図である。図3の縦軸は、電解質膜42を介した水の移動量(単位面積当たり)である。図3の横軸は、多孔質体層44側の窒素と多孔質体層46側の窒素との間の湿度差(電解質膜42のみを用いた測定の場合には、一方の面側の窒素と他方の面側の窒素との間の湿度差)を示している。
図3中に、サンプル40について得られた測定値を三角(▲)で示している。例えば、湿度差が20%の場合(具体的には、多孔質体層46の窒素が100%R.H.の状態で、多孔質体層44の窒素が80%R.H.の場合)における水の移動量は、約0.35[L/min]となっている。これに対し、電解質膜42のみの場合について得られた測定値を、四角(■)で示している。両者を比較することにより、実施の形態1の多孔質体層を設けた場合のほうが、電解質膜42のみの場合よりも、より多くの水移動が生ずることがわかる。
(実施の形態1の多孔質体層のその他の効果)
実施の形態1の多孔質体層34の触媒含有量は、実質的に零となっている。これにより、多孔質体層34の位置では発電が生じないため、発電に伴う発熱反応も生じない。その結果、多孔質体層34は、電極触媒層30が形成されている側に比べて、相対的に温度が低くなる。これにより、多孔質体層34の位置ではガスの温度が低下し、多孔質体層34近傍のガスの湿度が十分に高い状態であれば、ガス中の水分が凝縮して液体の水となる。このような場合には、液体の水が多孔質体層34へと供給されることとなり、ガス中の水分を効率よく回収することができる。
また、多孔質体層24、34に触媒が含まれているとすると、多孔質体層24、34でも発電反応が生じる。前述したように、多孔質体層24、34には水が多量に含まれている。このため、多孔質体層24、34に触媒が含まれているとすると、いわゆるフラッディングが生じている状態で発電反応が生ずる場合がある。
従来、フラッディング状態で発電反応が生ずると、電極触媒層の劣化を招くことが知られている。多孔質体層24、34は電極触媒層と同様にイオン交換樹脂を含む多孔質体で形成されているため、フラッディング状態で発電反応が生ずると電極触媒層と同様に劣化を招くおそれがあり、好ましくない。この点、実施の形態1では、多孔質体層24、34の触媒含有量を実質的に零としているため、これらの現象が同時に生ずるのを回避することができる。
また、多孔質体層24、34の触媒含有量を実質的に零とすることで、次のような効果も得られる。燃料電池の電気化学的発電反応の際には、水素イオンがアノードからカソードへ水を伴って移動する。従って、アノードとカソードとの間の湿度差による水移動とは別に、燃料電池の発電中には、アノードからカソードへの水移動が生じる。
多孔質体層24、34に触媒が含まれると、多孔質体層24、34で発電が生じる。この場合には、電解質膜22のうち多孔質体層24、34に挟まれた部分で、上述したような水素イオンの移動が生じる。このような水素イオンの移動に伴う水移動は、カソードガス流路36の出口部分からアノードガス流路16の入口部分への水の移動とは逆向きとなる。
そのため、当該位置のアノードへの水の移動が妨げられてしまい、アノードガス流路16入口における水素の加湿効率を低下させる要因となる。この点、実施の形態1では、多孔質体層24、34の触媒含有量を実質的に零としているため、このような水の流れが生ずるのを避け、アノードガス流路16入口における水素の加湿効率が低下するのを防止することができる。
なお、上記の説明に基づいて、多孔質体層24、34の触媒含有量が実質的に零である状態とは、多孔質体層24、34の触媒含有量が、その発電量がほぼ零となるような量である状態とも言うことができる。換言すれば、微量の触媒が含まれていたとしても、多孔質体層24、34の位置において実質的に発電が生じていなければ、本発明における「触媒含有量が実質的に零である状態」に相当する。
また、特開2002−25584号公報には、カーボン粒子を4フッ化エチレン樹脂のバインダーで結着した層を、電解質膜上に形成する思想が開示されている。この思想は、カーボン粒子と水の経路(水パス)として機能しない4フッ化エチレン樹脂とを混合させている点で、本発明と大きく相違する。4フッ化エチレン樹脂を用いた場合には、水の経路が確保されないため水の移動が円滑に行われず、水が電解質膜へと効率よく移動できない。この点、本発明では、イオン交換樹脂を用いることにより水の経路を確保しているので、電解質膜への水の移動を円滑に行うことができる。
[実施の形態1の変形例]
(第1変形例)
実施の形態1では、カソードガス流路36の出口側に多孔質体層34を、アノードガス流路16の入口側に多孔質体層24を設けている。しかしながら、本発明はこれに限られるものではない。実施の形態1の燃料電池において、多孔質体層24と多孔質体層34のいずれか一方のみを備える構成としてもよい。
その場合には、カソードガス流路36の出口部分とアノードガス流路16の入口部分のうち多孔質体層を有さない部分が、電解質膜22の露出部分となっていても良い。或いは、多孔質体層を有さない部分に、電極触媒層が設けられているような構成でもよい。例えば、実施の形態1の変形例として、多孔質体層24のみを有する構成とし(多孔体層34を有さない構成とし)、多孔体層34の位置まで電極触媒層30が設けられているような構成とすることができる。
(第2変形例)
図1で示すように、実施の形態1の燃料電池は、その外形が長方形である。そして、内部を流れるガスの方向が、燃料電池の長辺と並行な方向となるように構成されている。しかしながら、本発明における燃料電池内部のガスの流通方向は、これに限られない。図4は、本発明の実施の形態1の第2変形例を説明するための図である。図4は、第2変形例の燃料電池をアノード側から見た図であり、図1と同様に、その構造の一部を透視、省略して示している。
第2変形例の燃料電池は、実施の形態1と同様に外形が長方形であるものの、その内部を流れるガスの方向が、燃料電池の短辺と平行な方向(図4における紙面縦方向)となるように構成されている。具体的には、セパレータ60は、その表面に、紙面縦方向にガスが流れるようにガス流路(図4では当該位置を透視しているため、図示せず)が形成されている。そして、セパレータ60、紙面下側に水素入口マニホールド62を有し、紙面上側に水素出口マニホールド64を有している。
第2変形例の燃料電池は、その内部に、電極触媒層70、電解質膜72、多孔質体層74を有している。そして、第2変形例の場合には、多孔質体層74を、水素入口マニホールド62側の位置、すなわち、図4の紙面下側に設ける。このように、燃料電池内のガス流路の形状に対応させて、適宜、多孔質体層の位置などを定めることができる。
なお、実施の形態1および上述したその第2変形例では、燃料電池の一方の端部から他方の端部へ向かって一方向にガスが流れるように、ガス流路が形成されている。しかしながら、本発明はこれに限られるものではない。例えば、面内を蛇行するように設けられたガス流路など種々の形状のガス流路を有する燃料電池について、本発明を適用することができる。
また、アノードの水素の流れとカソードの空気の流れは、その流通方向が完全に対向するように構成されていなくともよい。カソードガス流路とアノードガス流路とが完全に対称の構成となっていなくともよく、一方のガス流路の出口と他方のガス流路の入口とが電解質膜を介して対向するような構成であれば、本発明を用いることが可能である。
また、電解質膜を介して各ガス流路の入口部分と出口部分とが対向する際には、それらの位置が完全に重なるような構成でなくともよい。一方のガス流路の出口部分と他方のガス流路の入口部分とが電解質膜を介して一部重なっていれば、一方のガス流路の出口側から他方のガス流路の入口側へと向かう水の移動が生ずることとなる。従って、このような水移動が生ずる位置に、本発明の多孔質体層を設けることとすればよい。
(第3変形例)
実施の形態1では、電極触媒層20と多孔質体層24との間で、同じイオン交換樹脂および同じ多孔質体(カーボン粉体)を用いて、多孔質体層24を形成した。しかしながら、本発明はこれに限られるものではない。すなわち、多孔質体層24の材料を、電極触媒層20と同じイオン交換樹脂、多孔質体としなくともよい。
例えば、多孔質体層24の多孔質体として、カーボン等の導電性材料に限らず、SiOやTiOなどの非導電性材料を用いることができる。また、イオン交換樹脂についても、適宜、好適な材料を選択することができる。これらの材料を用いて多孔質体層を形成する場合も、従来の電極触媒層を形成する場合と同様に、イオン交換樹脂と多孔質体とを混合し、電解質膜に塗布、乾燥する手法を用いることができる。
(第4変形例)
実施の形態1の説明で述べたように、カソードガス流路36の出口側およびアノードガス流路16の出口側は、湿度が高くなっている。そこで、実施の形態1の燃料電池に、当該位置を冷却するような冷却系(冷却水流路)を設けることにより、当該位置のガス中の水分を凝縮することができる。これにより、液体の水を多孔質体層に供給することができる。
なお、このような冷却系を設けることにより、凝縮された水分は、温度が低い状態になっている。従って、カソードガス流路34出口とアノードガス流路16入口に挟まれた特定部位には、低温の水が供給されることになる。実施の形態1と異なり、当該部位を単に電解質膜22の露出部分などとしたような場合には、この水は、電解質膜22を透過してアノードガス流路16側に移動するものの、低温のため蒸発しにくい。これに起因して、アノードガス流路16入口を流れる水素に対し十分な水分が供給されなくなる恐れがある。
この点、実施の形態1では、アノードガス流路16入口に多孔質体層24を有しているため、低温の水も効果的に蒸散し、水素の加湿を十分に行うことができる。
なお、図1、4、5に示した燃料電池においては、電極触媒層と多孔質体層との間に間隔が設けられている。しかしながら、本発明はこれに限られず、電極触媒層と多孔質体層とが接するように形成されていてもよい。
また、上述した実施の形態1およびその変形例では、多孔質体層24、34が電解質膜22上の所定の領域に連続して設けられる構成とした。しかしながら、本発明はこれに限られない。多孔質体層24、34が電解質膜22の表面に層として形成されていればよく、電解質膜22上の所定の領域に不連続に設けられている構成としてもよい。具体的には、島状や、ストライプ状などに形成されてもよい。
実施の形態2.
[実施の形態2の構成]
図5は、本発明の実施の形態2を説明するための図である。実施の形態2は、実施の形態1とほぼ同様の構成を有している。図5(a)は、実施の形態2の燃料電池をアノード側から見た図であり、図1(a)の場合と同様に、一部の構造を透視、省略している。図5(b)は、図5(a)のB−B線に沿う断面図であり、図1(b)同様にガス拡散層やセパレータを省略して図示したものである。その他、実施の形態1と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
図5(a)、(b)に示すように、実施の形態2の燃料電池は、アノードガス流路16の出口側に多孔質体層84を、カソードガス流路36の入口側に多孔質体層94を有する点で、実施の形態1の燃料電池に相違する。多孔質体層84、94は、多孔質体層24、34と同様に、イオン交換樹脂を含む多孔質体により、電解質膜22上に層状に形成される。
[実施の形態2の動作]
前述したように、カソードを流れる空気がカソード内の水を含みながら流れるため、カソードガス流路36の出口側(即ち多孔質体層34近傍)は湿度が高くなる。これと同様に、アノードを流れる水素もアノード内の水を含みながら流れるため、アノードガス流路16の出口側(即ち多孔質体層84近傍)の湿度が高くなる。その結果、実施の形態2の燃料電池では、アノードガス流路16出口部分からカソードガス流路36入口部分へ向かうような水の移動が生ずる。
実施の形態2の燃料電池は、このような水移動が生じる位置に、多孔質体層84、94を有している。多孔質体層84、94は多孔質体層24、34と同様にイオン交換樹脂を含む多孔質体により形成されているため、当該位置においても電解質膜を介した水移動が促進される。その結果、カソードガス流路36の入口部分を流れる空気を、効率よく加湿することができる。
多孔質体層24、34がカソードからアノードへの水移動を、多孔質体層84、94がアノードからカソードへの水移動を、それぞれ促進することにより、燃料電池内部を循環するような水の流れを促進することができる。その結果、燃料電池内部の水を、電解質膜の加湿に無駄なく利用することができる。
尚、上述した実施の形態2では、電解質膜22のアノードガス流路16出口とカソードガス流路36入口に挟まれた部位が、前記第2の発明における「前記第1ガス流路の出口部と前記第2ガス流路の入口部とに挟まれた特定部位」に相当している。
実施の形態3.
[実施の形態3の構成]
図6は、実施の形態3の燃料電池の構成を説明するための図である。実施の形態3の燃料電池は、図5に示した実施の形態2と同様の構造を有している。実施の形態3は、多孔質体層24のかわりに多孔質体層124を、多孔質体層84のかわりに多孔質体層184を有している点で、実施の形態2と相違する。なお、その他の構造で実施の形態2と同一のものは、同一の符号を付して、その説明を省略する。
多孔質体層124、184は、多孔質体層24、84と同様に、イオン交換樹脂とカーボン粉末を用いて形成される。多孔質体層124および多孔質体層184は、それらの材料に加え、燃料電池の劣化を促進する物質を吸着または分解する材料を含んでいる。具体的には、実施の形態3では、HとFとを燃料電池の劣化(電解質膜やセパレータなど種々の構成要素の劣化)を促進する物質と判断し、多孔質体層124、184に、H分解材としてCe(POとCe(COを、F吸着材としてCe(OH)とCaCOを混入させている。
多孔質体層124、184を形成する際には、イオン交換樹脂、カーボン粉末および上記列挙したH分解材とF吸着材とを混合した後、これを電解質膜22上に塗布し、乾燥させる。
[実施の形態3の動作]
実施の形態3においても、実施の形態2と同様に、アノードとカソードを通って燃料電池内を循環するような水の流れが生ずる。燃料電池内部に存在する水に種々の物質が含まれている場合、前述した燃料電池内部を循環するような水の流れに伴って、徐々に、その濃度が上昇することになる。それらの物質の中に燃料電池の劣化を促進する物質が含まれている場合は、これらの物質が燃料電池内を循環するように流れる水の中に濃縮することとなる。その結果、燃料電池の劣化を促進する物質が高濃度で存在する水が、燃料電池内部を循環することとなり、好ましくない。
そこで実施の形態3では、多孔質体層124、184に、燃料電池の劣化を促進する物質を吸着または分解する物質を混入している。これにより、多孔質体層124を通ってカソードからアノードへと水が移動する際、および、多孔質体層184を通ってアノードからカソードへと水が移動する際に、それらの水に含まれる前述した物質を、多孔質体層に吸着し、または除去することができる。その結果、燃料電池の劣化を促進する物質の濃度が燃料電池内部を流れる水中で上昇するのを回避することができる。
尚、上述した実施の形態3では、Ce(PO、Ce(CO、Ce(OH)、CaCOが前記第3の発明における「燃料電池の劣化を促進する物質を除去する物質」に相当している。
[実施の形態3の変形例]
(第1変形例)
実施の形態3では、多孔質体層124、184に、H分解剤とF吸着剤を混入した。しかしながら、多孔質体層に含ませる材料はこれらに限定されるものではない。燃料電池の劣化を促進する物質を除去し、燃料電池内部を循環するように流れる水の中で当該物質の濃度が上昇するのを防ぐ機能を有する材料を、適宜、多孔質体層124、184に混入することができる。
すなわち、多孔質体層124、184に含ませる材料は、燃料電池の劣化を促進する物質の濃度上昇を防ぐ機能を有していればよく、当該物質を吸着して捕捉する機能、当該物質を分解して燃料電池にとって無害な物質にする機能、あるいは付加反応により当該物質から燃料電池にとって無害な物質を生成する機能などを有する材料であればよい。
また、HとF以外の種々の物質(例えば、ラジカルや種々の金属イオン等)についても、適宜、燃料電池の劣化を促進する物質として判断することができる。例えば、燃料電池にガスを供給する配管などから溶け出した金属イオン(例えば鉄イオンなど)を燃料電池の劣化を促進する物質と判断し、これに対処するために、適当なキレート剤を多孔質体層124、128に含ませることができる。
(第2変形例)
実施の形態3では、多孔質体層124、184に、前述したような分解剤、吸着剤を混入した。しかしながら、本発明はこれに限られるものではない。多孔質体層124と多孔質体層184のいずれか一方のみに、前述したような分解剤、吸着剤を混入することとしてもよい。また、図示しない紙面裏面側に設けられる多孔質体層に対して、前述したような分解剤、吸着剤を混入することとしてもよい。
実施の形態4.
図7は、本発明の実施の形態4の燃料電池の構成を説明するための図である。図7は、実施の形態4の燃料電池をアノード側から見た図であり、図1(a)と同様に構造の一部を透視、省略している。なお、実施の形態1と同一の構造には、同一の符号を付している。
実施の形態4は、実施の形態1とほぼ同様の構成を有している。実施の形態1と同様に、電解質膜22の紙面裏面側には図示しないカソードの構成が設けられており、電解質膜22を介してアノードとカソードの構造が対称となっている。実施の形態4は、多孔質体層24、34の位置にも電極触媒層を設け、当該位置の触媒の量を他の位置の触媒の量よりも少なくしている点で、実施の形態1に相違している。
具体的には、実施の形態4では、アノードガス流路の入口側、すなわち実施の形態1で多孔質体層24を設けた位置に、電極触媒層224を設けている。そして、電極触媒層224の触媒量を電極触媒層220の触媒量よりも少なくする。また、図示しない紙面裏面側のカソードの電極触媒層についても、カソードガス流路の出口部分に、触媒量が相対的に少ない領域を設ける。
電極触媒層における触媒量が相対的に少ない部分では、発電量が低下する。発電量が低下することで、当該位置の発熱量が他の位置に比して少なくなる。その結果、当該位置近傍のガス中の水分が、凝縮しやすくなる。そして、当該位置のガスの湿度が十分に高い状況下では、当該位置に多くの液体の水が供給されることとなり、アノードとカソードの間の湿度差が増大し、当該位置での水移動が促進されることとなる。
また、実施の形態1で述べたように、電極触媒層における触媒量が相対的に少ない部分では発電量が低下し、発電時の水素イオンの移動に伴う水移動が減少する。そのため、実施の形態4の構成によれば、カソードガス流路の出口部分からアノードガス流路の入口部分への水移動量を、増加させることができる。
尚、上述した実施の形態4では、電解質膜22が前記第4の発明における「電解質膜」に、電極触媒層220、224および図示しないカソードの電極触媒層が、前記第4の発明における「触媒層」に、セパレータ10に設けられたアノードガス流路が、記第4の発明における「第1ガス流路」に、図示しないカソードのセパレータに設けられたカソードガス流路が前記第4の発明における「第2ガス流路」に、それぞれ相当している。そして、電極触媒層224の位置が、前記第4の発明における「前記第1ガス流路の入口部と前記第2ガス流路の出口部とに挟まれた特定部位」に相当している。
[実施の形態4の変形例]
(第1変形例)
実施の形態4では、カソードガス流路の出口部分とアノードガス流路の入口部分とに挟まれた部位のみに、触媒量が相対的に少ない部分を設けた。しかしながら、本発明はこれに限られるものではない。実施の形態2と同様に、カソードガス流路の入口部分とアノードガス流路の出口部分に挟まれた部位に、触媒量が相対的に少ない部分を設けることとしても良い。
本発明の実施の形態1の燃料電池の構成を説明するための図である。 実施の形態1の燃料電池における多孔質体層の効果を説明する図である。 実施の形態1の燃料電池における多孔質体層の効果を説明する図である。 実施の形態1の変形例を説明するための図である。 本発明の実施の形態2の燃料電池の構成を説明するための図である。 本発明の実施の形態3の燃料電池の構成を説明するための図である。 本発明の実施の形態4の燃料電池の構成を説明するための図である。
符号の説明
セパレータ 10、60
水素入口マニホールド 12、62
水素出口マニホールド 14、64
電極触媒層 20、70、220、224
電解質膜 22、72
多孔質体層 24、34、74、84、94、124、184

Claims (6)

  1. 電解質膜の両側に触媒層を備える平面体と、前記平面体の一方の面に接して設けられた第1ガス流路と、前記平面体の他方の面に接して設けられた第2ガス流路とを有し、前記第1ガス流路のガスの入口部と前記第2ガス流路のガスの出口部とが前記平面体を挟んで対向している燃料電池において、
    前記平面体の前記第1ガス流路の入口部と前記第2ガス流路の出口部とに挟まれた特定部位は、前記電解質膜の少なくとも一方の面にイオン交換樹脂を含む多孔質体によって形成され触媒含有量が実質的に零である層を直接積層されてなることを特徴とする燃料電池。
  2. 前記第1ガス流路のガスの出口部と前記第2ガス流路のガスの入口部とが前記平面体を挟んで対向しており、
    前記平面体の前記第1ガス流路の出口部と前記第2ガス流路の入口部とに挟まれた特定部位は、前記電解質膜の少なくとも一方の面にイオン交換樹脂を含む多孔質体によって形成され触媒含有量が実質的に零である層を直接積層されてなることを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
  3. 前記イオン交換樹脂を含む多孔質体によって形成され触媒含有量が実質的に零である層に、燃料電池の劣化を促進する物質を除去する物質が含有されていることを特徴とする請求項1又は2記載の燃料電池。
  4. 電解質膜の両側に触媒層を備える平面体と、前記平面体の一方の面に接して設けられた第1ガス流路と、前記平面体の他方の面に接して設けられた第2ガス流路とを有し、前記第1ガス流路のガスの入口部と前記第2ガス流路のガスの出口部とが前記平面体を挟んで対向している燃料電池において、
    前記平面体の前記第1ガス流路の入口部と前記第2ガス流路の出口部とに挟まれた特定部位は、前記触媒層の触媒含有量を他の部位よりも相対的に少なくされていることを特徴とする燃料電池。
  5. 前記第1ガス流路のガスの出口部と前記第2ガス流路のガスの入口部とが前記平面体を挟んで対向しており、
    前記平面体の前記第1ガス流路の出口部と前記第2ガス流路の入口部とに挟まれた特定部位は、前記触媒層の触媒含有量を他の部位よりも相対的に少なくされていることを特徴とする請求項4記載の燃料電池。
  6. 前記第1ガス流路がアノードのガス流路であり、前記第2ガス流路がカソードのガス流路であることを特徴とする請求項4記載の燃料電池。
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