JP5075590B2 - 母線地絡保護継電装置および順序遮断方法 - Google Patents

母線地絡保護継電装置および順序遮断方法 Download PDF

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Description

本発明は、電力系統の母線および母線に接続された配電線などの回線の地絡事故発生時の順序遮断を効率よく、迅速に行い、不要な停電範囲を縮小することを可能にする母線地絡保護継電装置および順序遮断方法に関する。
従来、母線や母線に接続された送電回線の事故発生時の保護の技術が提案されている。たとえば、特許文献1には、高抵抗接地系の回線やその母線の事故時に、母線に接続された回線を、予め決められた平常時の電流の小さい回線順に遮断して事故箇所を切り離す順序遮断機能において、地絡事故による大地に流れる零相電流を測定し、その大きい順に順序遮断を実行して停電範囲を小さくし、迅速に事故箇所を切り離す技術が提案されている。
特許文献2には、母線に関係する各種の事故時に、母線に接続された回線の電流を測定して、その大きい順に回線を遮断していき、迅速に事故箇所を切り離す技術が提案されている。
また、特許文献3には、電力系統での事故などの際の周波数の安定化処理において、系統に接続されている負荷や発電機を、周波数の変動に応じた安定化の電気量を計算して周波数低下レベルの小さいものから順に遮断していく、系統安定化技術が提案されている。
特開2004−297967号公報 特開2004−297968号公報 特開平6−121451号公報
以下、図10〜図12を用いて従来の母線地絡保護継電装置を具体的に説明する。
図10は、母線地絡保護継電装置が使用される一般的な変電所の電力系統図の一例であり、図12は、従来の母線地絡保護継電装置の整定表である。また、図11は、従来の母線地絡保護継電装置99の機能構成図である。
図10の電力系統は、配電線用の変圧器33を中心に、一次側遮断器21を介して上位母線(110kV)31に接続され、下位の母線(22kV)32とは、二次側遮断器22を介して接続される。また、変圧器33には、中性点接地抵抗(NGR)34により接地されている。下位母線32には、複数の配電線A、B、C、D線35a、35b、35c、35dが、それぞれ遮断器23a,23b、23c、23dを介して接続されている。下位母線32の母線地絡保護継電装置99は、計器用変圧器41を介して下位母線32に装備されている。そして、各配電線35a、35b、35c、35dには、地絡保護用として回線地絡保護継電装置2a、2b、2c、2dがそれぞれ計器用変圧器42a、42b、42c、42dを介して装備されている。
従来の母線地絡保護継電装置99は、図11に示すように計器用変圧器41から入力して地絡を検出する地絡検出手段11と、その出力により各遮断器の遮断順序を決める整定表と呼ぶ遮断順序データベース(DB)12と、このデータベースに従って該当する遮断器21,22,23a、・・・23dに出力する遮断指令出力手段13とで構成される。図10の電力系統において、図12に示す母線地絡保護継電装置99の遮断順序DB(整定表)12は、変圧器33に関係する母線を含む回線31、32,35a、35b、35c、35dの各遮断器21,22,23a、23b、23c、23dの地絡検出時の遮断順序に関係する動作時間を設定している。この図12では、各回線の遮断順序に従い、遮断時限を設定されている。たとえば、A線35aは、遮断順序が1番であり、その遮断器23aのデバイス(機器識別情報)が52T2であり、地絡を検出後の動作するまで遅延時間である動作時限が3.0秒と設定されている。この遮断順序DB(整定表)12の状態で、たとえば、配電線のB線35bに地絡事故が発生したとする。この配電線35bの装備された回線地絡保護継電装置2bと母線地絡保護継電装置99の両方がこの地絡を検出し、通常前者の回線地絡保護継電装置2bが、母線地絡保護継電装置99の最初の遮断をするA線の3秒より先に動作するよう動作時間が整定されているため、この回線地絡保護継電装置2bにより配電線35bの遮断器23bが遮断される。
しかし、この回線地絡保護継電装置2bが不良で不動作した場合、後備保護として、母線地絡保護継電装置99は、まず、遮断順序DB12より遮断順序1のA線35aの遮断器23a(デバイス番号52T2)を地絡検出3秒後に遮断指令出力手段13より出力して遮断する。この遮断により母線地絡保護継電装置99の地絡検出手段11が、地絡を検出しなければこの動作で終了するが、この場合まだ地絡を検出しているので、母線地絡保護継電装置99は、次の遮断順序2であるB線35bの遮断器23b(デバイス番号52T1)を地絡検出から5秒後に遮断することにより、地絡の検出がなくなるので動作を終了する。すなわち、母線地絡保護継電装置99は、上記のような順序遮断動作で地絡が解消されるまで遮断順序DB12の動作時限に従って対象遮断器の順序遮断を行っている。
しかしながら、上記の従来技術では、平常時あるいは事故時の電流量のみで母線に接続された回線の遮断順序を変更しており、その回線の使用状態や重要度などの条件に関係ないため、不要な停電を行う可能性もある。
本発明は上述のかかる事情に鑑みてなされたものであり、電力系統の母線や母線に接続された回線での地絡事故発生時に、できる限り停電範囲を小さくし、必要な箇所のみを迅速に遮断することのできる母線地絡保護継電装置および順序遮断方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、配電線などの回線が接続されている母線関連の地絡事故における順序遮断機能を有する母線地絡保護継電装置であって、各回線の遮断器の遮断順序を保存する遮断順序データベースと、各回線の使用状態と各回線に装備された回線地絡保護継電装置の使用状態とを入力する機器状態入力手段と、前記機器状態入力手段によって入力された状態情報を保存する機器状態データベースと、該機器状態データベースに保存されている事故発生時の各回線と回線地絡保護継電装置の状態情報に基づいて、前記遮断順序データベースに保存されている遮断順序を変更する遮断順序変更手段と、前記変更された遮断順序に従って、各遮断器に対して遮断指令を出力する遮断指令出力手段と、を備えたことを特徴とする。
好ましくは、遮断順序変更手段は、前記遮断順序データベースに保存されている各回線の遮断順序について、回線地絡保護継電装置が不良等によって使用状態に無い回線の遮断順序を早くし、停電中の回線の遮断順序を相対的に遅くする。
本発明では、ある回線に地絡事故が発生し、この回線に装備された回線地絡保護継電装置の稀な故障による事故回線の切り離しができない場合、この母線地絡保護継電装置を後備保護として機能させ、回線地絡保護継電装置不良の回線を最優先に遮断することにより事故の回避を迅速に行うことができる。これとともに対象となる回線の作業停電や運用停電中の遮断器の遮断順序を最後尾にすることで、不要な遮断動作を後にして事故回線をより早く切り離すことができる。
本発明に係わる母線地絡保護継電装置は、さらに、各回線の負荷電流値を入力する電流入力手段と、該電流入力手段により入力された電流値を保存する負荷電流データベースとを備え、前記遮断順序変更手段は、前記機器状態データベースにより変更した遮断順序に加えて、負荷電流データベースからの電流の大きさに基づいて、電流の小さい順に遮断順序を更に変更することを特徴とする。
本発明では、さらに事故発生直前の負荷電流の情報も加味して遮断順序を変更するため、柔軟性の高く、順序遮断による停電範囲と停電時間が縮小できる。
また、本発明に係わる母線地絡保護継電装置は、付加データベースとして、回線や機器の予想される負荷電流を保存する負荷電流データベースと、回線や機器の信頼性の情報を持つ信頼性データベースと、契約者との供給信頼性に基づく契約データベースと、のうち少なくともいずれか一つを具備し、この付加データベースを用いて遮断順序の初期値を決定することを特徴とする。
本発明では、設備の信頼性により事故の可能性の低いものを後に遮断し、あるいは、需要家との供給契約のレベルの高い回線は後に遮断することや、負荷電流に小さい停電範囲が小さい順に回線を遮断していくため、事故箇所の分離が迅速に、しかも需要家への影響を最小限にしながら行うことができる。
本発明に係わる母線保護における順序遮断方法は、地絡事故における遮断器の順序遮断方法であって、予想負荷電流、回線あるいは機器の信頼性、または、電力供給信頼性レベルに基づいて遮断順序データベースの遮断順序の初期値を決定するステップと、各回線の使用状態と各回線に装備された回線地絡保護継電装置の使用状態とを入力するステップと、地絡事故発生時に、前記遮断順序データベースの遮断順序をもとに、前記各回線地絡保護継電装置の使用状態が不良等によって不使用である回線の遮断器の遮断順序を早くする一方、前記回線が停電中の場合は遮断順序を遅くすることによって遮断順序の初期値を変更するステップと、変更後の遮断順序に従って各遮断器へ遮断指令を出力するステップと、を有することを特徴とする。
本発明では、まず、予想負荷電流や機器の信頼性等に基づいて、遮断順序の初期値を決めておき、地絡事故時の回線や回線地絡保護継電装置の使用状態によって、その初期値を変更して事故の可能性の高いものから順に遮断指令を出力する。
本発明によれば、母線地絡保護継電装置に、保護に関係する設備状態の現在情報や需要家との契約情報などを入力することにより、母線関連の地絡事故発生時の順序遮断による事故点の分離による停電時間を少なくし、また停電範囲を小さくすることなどにより需要家への影響を軽減することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図10の電力系統を例に説明する。
図1は、一実施の形態による母線地絡保護継電装置1の機能構成図である。ここで、母線地絡保護継電装置1は、従来の構成による地絡検出手段11と遮断順序DB12と遮断指令出力手段13に加えて、遮断の対象となる回線の運用状態Sと、変圧器33に接続されている回線に装備されている図10に示す回線地絡保護継電装置2a、2b、2c、2dなどの装置状態Rを入力する機器状態入力手段15aと、その入力を保存する機器状態DB15と、地絡検出手段11と遮断順序DB12の間に設けられ遮断順序を前記機器状態DB15のデータにより後述の手順で変更する遮断順序変更手段14とで構成される。遮断順序変更手段14の変更手順は、まず、ある回線の回線地絡保護継電装置の装置状態Rが不良の場合、この回線を最優先に遮断するように遮断順序を変更し、次に、対象の回線の運用状態Sが作業や不良で停電中であれば、遮断順序の最後にするよう遮断順序DB12を変更するものである。
図2は、順序遮断の対象となる回線A、B,・・・Gの各回線の処理用データベース(DB)である。処理用DBは、回線識別情報をキーとして次の複数のDBから構成されている。すなわち、各回線に流れる負荷電流の予測値を保存する負荷電流DB16yと、この予測負荷電流DB16yの小さい順に順序遮断するよう初期設定した初期遮断順序DB12sと、事故時の前記回線地絡保護継電装置の装置状態Rと、回線の運用状態Sを保存している機器状態DB15と、事故時の事故時遮断順序DB12gで構成されている。初期遮断順序DB12sと事故時遮断順序DB12gは、前記遮断順序DB12に保存されている。
次に、本実施の形態の作用を図1〜図3を用いて説明する。
地絡事故が発生すると図3のフローチャートに示す図1の母線地絡保護継電装置1は、地絡検出手段11によりこれを検出し(S101)、遮断順序変更手段14は、機器状態DB15より遮断の対象とする回線の回線地絡保護継電装置の装置状態Rを抽出し、不良中(Ry不良)の回線地絡保護継電装置があれば(S102「発生中」)、この回線地絡保護継電装置の回線の遮断順序を最優先の1番になるように遮断順序DB12を変更する(S103)。一方、ステップS102で不良中の回線地絡保護継電装置が無ければ(S102「発生なし」)、次の処理に進む。次に同じく遮断順序変更手段14は、機器状態DB15より、対象となる回線の運用状態Sを抽出し、停電中の機器があれば(S104「有り」)、遮断順序が最後になるように遮断順序DB12を変更する(S105)。停電中の機器がなければ、遮断順序DB12を変更せずに次へ進む(S104「なし」)。そして、この遮断順序DB12に従い遮断指令出力手段13は、対象の遮断器を順次遮断していく(S107)。
この手順により図2に示す初期遮断順序DB12sは、予測の負荷電流DB(16y)の小さい順に設定されたA回線から順にB,C、D、・・・Gとしていたものを、事故時遮断順序DB12gに示すように、機器状態DB15のD回線の回線地絡保護継電装置(RY)が不良中のため、遮断順序4番目から最優先の1番目に変更され、また停電中のC回線とF回線の遮断順序は、3番と6番を最後尾の6番と7番に変更される。なお、複数の回線が停電中など同一状態により夫々順序が変更される場合は変更前の相対的順序が維持されるようにする。その他の回線は、初期設定の順に、A回線とB回線に1番と2番は、2番と3番線に繰り下がり、E回線とF回線の5番と7番は、停電中の回線より早い4番と5番に繰り上がった遮断順序に変更される。
この実施の形態によれば、ある回線に地絡事故が発生し、この回線に装備された回線地絡保護継電装置の稀な故障による事故回線の切り離しができない場合でも、この母線地絡保護継電装置1が後備保護として働く際に、回線地絡保護継電装置不良の回線を最優先に遮断することにより事故の回避を迅速に行うことができる。これとともに対象となる遮断器回線の作業停電や運用停電中の遮断器の遮断順序を後ろに回すことで、不要な遮断動作を後にして運用中の事故回線をより早く切り離すことができる。
次に、図4を用いて上記一実施の形態の変形例を説明する。図4は、本変形例の母線地絡保護装置1の機能構成図であり、上記の一実施の形態の機能構成に加えて、前記回線の実際の負荷電流を入力する電流入力手段16aと、この出力を記憶している負荷電流DB16、外部にある電力系統の設備を管理している設備管理DB(図示せず)から手動または伝送により取り込んだ設備の信頼性を示す「高絶縁型」、「通常絶縁型」などの設備仕様を記憶した信頼性DB17、回線に接続される需要家との供給の信頼性の契約レベルである契約DB18を設けた。その他の構成は図1と同様であるため、同一機能には同一符号を付して説明を省略する。なお、各DB16〜18は、それぞれ単独あるいは他のDBと任意に組み合わせて設けることも可能である。
次に、図4〜図6を用いて、この一実施の形態の一変形例(変形例1)による母線地絡保護継電装置1の動作を説明する。図5は、図2の処理用DBに、更に、実負荷電流DB16gを加えたものである。機器状態DB15による変更手順は、上記の一実施の形態と同様であり、電流入力手段16aにより入力する事故発生直前の実負荷電流DB16gを前記遮断順序変更手段14に入力して遮断順序を決める。この実負荷電流16gによる手順は、事故直前に流れていた実負荷電流の小さい順、すなわち、停電範囲が小さい順に遮断し、前記の機器状態DBでの変更を優先にし、次にこの手順を追加して変更する。
図5では、各回線A,B,C,・・・Gの予測負荷電流DB16yは、それぞれ10,20,30,・・・70Aとなっているが、実負荷電流DB16gは、それぞれ40,20,30,・・・70Aとなっている。すなわち、予測負荷電流DB16yと異なる回線は、A回線とE回線とする。この場合、図6のフローチャートに示すように、まず、初期の遮断順序DB12sは、予測負荷電流DB16yの小さい順にA回線、B回線、・・・G回線の順に設定する(S10,S11)。この状態で地絡事故が発生すると、機器DB15による遮断順序の変更は、図3と同じ手順で行われ(S102〜S105)、この変更処理後、実負荷電流16gにより、予測負荷電流DB16yと関係なく、事故直前の実負荷電流DB16gの小さい順に遮断順序DB12の初期順序DB12sの順序データを事故時順序DB12gのように並び替える(S106)。このため、図5に示す事故時遮断順序12gは、RY不良中のD回線は1番になり、停電中のC回線とF回線は、6番と7番となる。残るA回線,B回線,E回線の実負荷電流16gは、それぞれ40,20,30Aのため、最も小さいB回線が2番になり、次のE回線が3番に、A回線が4番になる。このように遮断順序変更手段14により遮断順序DB12gの内容が変更される。
本変形例1によれば、上述の本実施の形態の効果に加え、さらに、実負荷電流の小さい順の遮断によって停電範囲と停電時間を縮小することができる。
次に、本実施の形態の他の変形例(変形例2)を説明する。母線地絡保護継電装置1の機能構成は、図4と同様であり、変形例1の初期遮断順序DB12sを設定する時に、負荷電流DB16からの予測負荷電流16yだけでなく、前記回線の信頼性を表す信頼性DB17も加味して、このDB17の信頼性の低い順に優先的に並べ、その後、同一の信頼性レベルでグルーピングした各信頼性グループ内を上記予測負荷電流16yの小さい順に並べることが上記変形例1と異なる点である。そして、事故発生時の遮断順序変更手段14による変更手順としては、上述した一実施の形態での機器状態DBでの変更手順については同一手順で処理し、次に前記信頼性DB17によってグループ化されたグループ内を予測負荷電流16yで並べた初期遮断順序DB12sを、実負荷電流16gの小さい順に並べ替えた事故時遮断順序DB12gを作成する。
図7は、図5の処理用DBの内容に信頼性DB17を加えたデータベースであり、図9はこのフローチャートである。図7は、初期遮断順序12sの設定を、予測負荷電流DB16yに回線の信頼性DB17を加味したものである。図9のフローチャートを用いて初期遮断順序12sを設定する手順を説明する。まず信頼性DB17により信頼性の低い順にグループ化して並べる(S11a)。次に、各グループ内を予測負荷電流16yの小さい順に並べる(S11)。図7では、信頼性に係わる絶縁性能に、通常絶縁と高絶縁のタイプがあり、各回線は、相対的に事故の確率が高い信頼性の低い通常絶縁のグループのA,C,D,G回線を先に、信頼性の高い高絶縁のグループのB,E,F回線の遮断順を後に大別する(S11a)。次に予測負荷電流DB16yの負荷電流値(停電範囲)の小さい順に通常絶縁グループ内の遮断順序を決め、高絶縁グループ内も同じ手順で遮断順序を決める(S11)。この手順により図7に示すように通常絶縁のグループ内で、A回線が最小予測負荷電流が10Aのため初期遮断順序DB12sでの順位が1番になり、これと反対に高絶縁のグループ内で最大予測負荷電流が60AのF回線は最後の遮断順序の7番になる。この状態で地絡事故発生すると、図9において機器状態DB15による変更処理までは上述の図3および図6の手順と同様である(S102〜S105)。そして、各信頼性グループ内の遮断順序について、この実負荷電流16gにより事故時遮断順序DBを変更する(S106)。この結果、図7に示すように、RY故障中のD回線は、1番に、停電中のC回線とF回線は、それぞれ6番,7番であるが、信頼性DB17の通常絶縁グループ内のA回線とG回線の1番,4番は、実負荷電流16gの大小の順位は変わらないので一番ずつ繰り下がって2番,3番の遮断順序になる。また、高絶縁グループのB回線とE回線の予測負荷電流16yによる順位は5,6番であるが、B回線,E回線の実負荷電流16gは40,30Aと大小が逆転しているため、遮断順序も入れ替わって5番,4番となる。
この変形例2によれば、上記変形例1の効果に加え、更に各回線の信頼性データを用いて、事故の可能性が高く、停電範囲が小さい順に回線を遮断していくため、電力系統への影響を最小限にしながら事故箇所の分離を行うことができる。
次に、さらに他の変形例(変形例3)について説明する。母線地絡保護継電装置1の装置機能構成は、上記と同じ図4であり、初期遮断順序DB12sを設定する時に、変形例2の予測負荷電流DB16yと信頼性DB17に加えて、需要家との供給信頼性となる契約DB18のデータを加味することが上記変形例2と異なる。事故発生時の遮断順序変更手段14による変更手順は、前記信頼性DB17を更に契約DB18によってグループ化されたグループ内の遮断順序を、実負荷電流DB16gの小さい順に並べ替えるものである。
図8は、変形例3の処理データベースであり、図9はこのフローチャートである。図8は、初期遮断順序DB12sの設定に、上記変形例2における予測負荷電流DB16yと信頼性DB17で並べたものに、各回線の契約の供給信頼性レベルの低い順にC,B,Aとランク付けした契約DB18を加味したものである。
図9のフローチャートより初期遮断順序DB12sの設定を説明する。まず、初期遮断順序DB12sは、変形例2と同様、信頼性DB17により信頼性の低い順にグループ化して並べる(S11a)。次に契約DB18により、更に細分化して、契約レベルの低い順に初期遮断順序DB12sは、並び替えられ(S11b)、次に上記各グループ内を予測負荷電流16yの小さい順に更に並べ替えられる(S11)。図8では、契約DB18は、信頼性DB17に関係するため通常絶縁の回線は、Cランクになり、高絶縁の回線内にAとBランクがあることを示している。信頼性DB17による遮断順序の並び替え(S11a)は、上記変形例2と同じなので説明を割愛する。その次の契約DBによる初期遮断順序DB12sの並び替えとして、通常絶縁と契約レベルCランクは、同じであるため変更はなく、高絶縁内のB回線のAランクと、E,F回線のBランクは、Bランクを早い順に並べ替える(S11b)。次に予測負荷電流16yの小さい順に各グループ内の順番が決められる(S11)。この手順により変形例2では、B回線が高絶縁グループ内では、最小の予測負荷電流16yのため最も遮断順序が早い5番であったが、このB回線の契約レベルがAランクのため、高絶縁内では、予測負荷電流16yが最小であっても最も遅い遮断順序になる。これ以降の地絡事故発生時の機器状態DBによる変更処理は、上記変形例2と同じ処理であり、異なる点は、初期遮断順序DB12sの各信頼性と契約グループ内の回線を、この実負荷電流DB16gにより遮断順序を変更することである(S106)。この結果、図8に示すようにRY不良中のD回線は1番に、停電中のC回線とF回線は、6,7番に変更されるが、次の信頼性の通常絶縁でしかも契約レベルがCランクのグループ内のA回線とG回線の1番、4番は、事故時負荷電流の大小の順位は変わらないで繰り下がって、2番,3番の遮断順序になる。また、B回線とE回線の7番,5番は、B回線,E回線の実負荷電流では後先が変わらず、契約レベルに従って遮断順序は繰り上がって5番,4番になる。
この変形例3によれば、上記変形例2の効果に加えて、さらに事故の可能性と契約に基づく需要家での影響を防ぎ、また停電範囲が小さい順に回線を遮断していくため、事故箇所の分離が、電力系統への影響を最小限にしながら行うことができる。
以上、本実施の形態によれば、母線保護継電装置に、これに関係する機器の状態や負荷電流および、設備の信頼性や需要家との契約レベルの情報を取り込むことによって、事故箇所の迅速な分離と停電への影響を小さくすることが可能となる。
本発明は、電力系統における地絡事故の保護に利用することができる。
本発明の一実施の形態による母線地絡保護継電装置の機能構成図である。 図1の母線地絡保護継電装置の処理用データベースである。 図1の母線地絡保護継電装置の作用説明用のフローチャートである。 本発明の母線地絡保護継電装置の変形例の機能構成図である。 図4の母線地絡保護継電装置の変形例1の処理用データベースである。 図4の母線地絡保護継電装置の変形例1の作用説明用のフローチャートである。 図4の母線地絡保護継電装置の変形例2の処理用データベースである。 図4の母線地絡保護継電装置の変形例3の処理用データベースである。 図4の母線地絡保護継電装置の変形例2,3の作用説明用のフローチャートである。 従来および本発明による母線地絡保護継電装置が使用される電力系統図である。 従来の母線保護継電装置の機能構成図である。 図10の母線保護地絡継電装置の遮断順序DB(整定表)である。
符号の説明
1,99 母線地絡保護継電装置
2a、2b、2c、2d 回線地絡保護継電装置
11 地絡検出手段
12 遮断順序データベース
13 遮断指令出力手段
14 遮断順序変更手段
15a 機器状態入力手段
15 機器状態データベース
16 負荷電流データベース
16a 電流入力手段
17 信頼性データベース
18 契約データベース
21,22,23a、23b、・・・2n 遮断器
31,32 母線
33 変圧器
34 中性点接地抵抗
35a、35b、・・配電線(回線)
41,42a、42b、42c、42d 計器用変圧器

Claims (5)

  1. 配電線などの回線が接続されている母線関連の地絡事故における順序遮断機能を有する母線地絡保護継電装置であって、
    各回線の遮断器の遮断順序を保存する遮断順序データベースと、
    各回線の使用状態と各回線に装備された回線地絡保護継電装置の使用状態とを入力する機器状態入力手段と、
    前記機器状態入力手段によって入力された状態情報を保存する機器状態データベースと、該機器状態データベースに保存されている事故発生時の各回線と回線地絡保護継電装置の状態情報に基づいて、前記遮断順序データベースに保存されている遮断順序を変更する遮断順序変更手段と、
    前記変更された遮断順序に従って、各遮断器に対して遮断指令を出力する遮断指令出力手段と、
    を備えたことを特徴とする母線地絡保護継電装置。
  2. 遮断順序変更手段は、前記遮断順序データベースに保存されている各回線の遮断順序について、回線地絡保護継電装置が不良等によって使用状態に無い回線の遮断順序を早くし、停電中の回線の遮断順序を遅くすることを特徴とする請求項1記載の母線地絡保護継電装置。
  3. 各回線の負荷電流値を入力する電流入力手段と、
    該電流入力手段により入力された電流値を保存する負荷電流データベースと、を備え、
    前記遮断順序変更手段は、前記機器状態データベースの状態情報に基づいて変更した遮断順序に対し、さらに、同一状態の回線については負荷電流データベースの電流値に基づいて、電流の小さい順に遮断順序を変更することを特徴とする請求項2記載の母線地絡保護継電装置
  4. 前記回線や機器の予想される負荷電流値を保存する負荷電流データベースと、前記回線や機器の信頼性の情報を保存する信頼性データベースと、電力供給信頼性に基づく契約データベースと、のうち少なくともいずれか一つを具備し、
    前記遮断順序データベースの遮断順序の初期値は、前記具備するデータベースのデータに基づいて定められていることを特徴とする請求項1または2に記載の母線地絡保護継電装置。
  5. 地絡事故における遮断器の順序遮断方法であって、
    予想負荷電流、回線あるいは機器の信頼性、または、電力供給信頼性レベルに基づいて遮断順序データベースの遮断順序の初期値を決定するステップと、
    各回線の使用状態と各回線に装備された回線地絡保護継電装置の使用状態とを入力するステップと、
    地絡事故発生時に、前記遮断順序データベースの遮断順序をもとに、前記各回線地絡保護継電装置の使用状態が不良等によって不使用である回線の遮断器の遮断順序を早くする一方、前記回線が停電中の場合は遮断順序を遅くすることによって遮断順序の初期値を変更するステップと、
    変更後の遮断順序に従って各遮断器へ遮断指令を出力するステップと、
    を有することを特徴とする順序遮断方法。
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