JP5073119B1 - 耐震避難室の屋根構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 コンクリート破片等の重量物の落下の衝撃に耐えることができる、低コストで短期間に構築可能な耐震避難室の屋根構造を提供する。
【解決手段】 対向する2辺が、垂直面内で中高状に湾曲または屈曲した矩形状の屋根板2と、前記屋根板2を上縁部に支持するとともに、下縁部が前記耐震避難室の天井梁9上に支持される複数の隔壁板14と、隣合う隔壁板14の下縁部間を塞ぐ天井パネル15とを備えている。屋根板2と天井パネル15及び両側の隔壁板14によって囲まれたそれぞれの空間内には、無収縮モルタル等の質量増加材16が満たされおり、地震発生時の落下物の衝撃を質量増加材16の大きな質量で吸収する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、建物内部に設置して地震発生時に避難する耐震避難室の屋根構造に関するものであり、特に、工場や図書館等の長年使用され続けて老朽化が進んだ鉄筋コンクリートや煉瓦造りの建物の内部に設置する耐震避難室に好適な屋根構造に関する。
近年において、1995年1月17日に発生した兵庫県南部地震によって引き起こされた阪神淡路大震災や、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震によって引き起こされた東日本大震災等、各地で巨大地震による大災害が発生している。
現在建築されている高層ビル等の大多数は、このような巨大地震を想定した耐震構造や免震構造が取り入れられており、また、既存の建物においても、耐震補強を施したり、免震装置を付加する等によって地震対策が行われている。
一方、既存の建物の室内に、耐震避難室や地震用シェルターを設置して、地震発生時にこれらの中に避難する提案もなされている。例えば、特許文献1に記載されている耐震用の室内シエルターは、周囲に耐火性外装材が張り付けられ、鉄骨から枠組み一体化された床フレームと、出入口を除く周囲全体に耐火性壁材が張り付けられ、鉄骨から枠組み一体化された室フレームと、上面に耐火性屋根材が張り付けられ、鉄骨から枠組み一体化された天井フレームから構成されている。
前記室内シエルターの天井フレームは、室フレームの支柱上端に圧縮バネ等で付勢されて伸縮自在に設けられた、ショック吸収用昇降ロッドによって支持されていて、地震発生時に、天井フレームの上に落下物が衝突した時の衝撃を緩衝できる構造になっているとともに、天井フレームには、棟部に沿って落下物を破砕するための刃物が設けられている。
また、この室内シエルターは、木造住宅等の室内に据え置いて使用するためのものであり、木造住宅が震災時に火災を発生しやすいことから、ジュラルミンプレート等の耐火性屋根材や耐火性壁材が用いられている。
特許2750682号公報
ところで、築年数を経た工場や公共の図書館、体育館等のコンクリートや煉瓦造りの建物は、近年発生しているような巨大地震に耐えられるような耐震構造になっておらず、また、後から耐震補強を行うことも技術面やコスト面から極めて困難な場合が多い。
このような、老朽化した建物が巨大地震の発生時に損壊した場合には、コンクリート片のような重量物が建物のフロアに落下して極めて危険な事態となることが予想される。そこで、前述したような、耐震避難室あるいは地震用シェルターを建物内に設置して、地震が発生した時にその中に避難することが考えられる。
従来提案されている、既設の建物の中に据え置いて使用するタイプの耐震避難室あるいは地震用シェルターの多くは、前述した特許文献1に記載されているもののように、木造住宅等の室内に設置することを前提としている。
しかしながら、コンクリート等の建物が損壊したときの落下物の重量は大きく、前述した特許文献1に記載されているもののような屋根構造では、落下物の衝突によって破壊されてしまう恐れがあった。
そこで、本発明は、前述したような従来技術における問題を解消し、コンクリート破片等の重量物の落下の衝撃に耐えることができる、低コストで短期間に構築可能な耐震避難室の屋根構造を提供することを目的とする。
前記目的のために提供される本発明の耐震避難室の屋根構造は、鉄骨組立構造の耐震避難室の屋根構造であって、対向する2辺が、垂直面内で中高状に湾曲または屈曲した矩形状の屋根板と、前記屋根板下方に、前記垂直面に対してそれぞれが平行になるように相互に間隔をあけて当該垂直面と直交する方向に配列され、当該屋根板を上縁部に支持するとともに、下縁部が前記耐震避難室の天井梁上に支持される複数の隔壁板と、隣合う隔壁板の下縁部間を塞ぐ天井パネルとを備え、前記屋根板と天井パネル及び両側の隔壁板によって囲まれたそれぞれの空間内が質量増加材で満たされていることを特徴としている。
本発明の耐震避難室の屋根構造においては、天井パネルと隔壁板は一体に組み立てられた複数の分割ユニットから構成され、各分割ユニットは締結部材で一体に結合されているとともに、それぞれの分割ユニットが、耐震避難室の天井梁に締結部材で固定されていることが望ましい。
また、本発明の耐震避難室の屋根構造においては、質量増加材として無収縮モルタルが用いられているとともに、屋根板と天井パネル及び両側の隔壁板によって囲まれたそれぞれの空間内には、前記無収縮モルタルを補強する鉄筋が組み込まれていることも望ましい。
請求項1に記載された発明に係る耐震避難室の屋根構造によれば、隣合う隔壁板と屋根板及び天井パネルによって包囲形成されたそれぞれの空間内に、質量増加材が充填されている構造によって、地震発生時に、耐震避難室が設置されている建物が損壊して、重量のあるコンクリート破片等の落下物が当該耐震避難室の屋根板の上に落下してきた場合に、屋根板に作用する過大な衝撃力が、質量増加材の大きな質量で吸収されるため、落下物による屋根板の破壊や変形を回避することができる。
請求項2に記載された発明に係る耐震避難室の屋根構造によれば、分割ユニットを、耐震避難室の設置現場と比較して作業環境が整っている工場内で製作することができるため、隔壁板や天井パネルの加工や組立の精度を高めることができ、耐震避難室の品質と耐久性を向上することができる。
また、耐震避難室に用いる全ての天井パネルと隔壁板は、複数の分割ユニットに分けて、耐震避難室を設置する建物内へ運び込むことができるため、当該建築物の出入口が狭い場合にも容易に搬入することができる。
さらに、各分割ユニットがボルト・ナット等の締結部材で一体に結合され、且つ、それぞれの分割ユニットが、耐震避難室の天井梁に締結部材で固定される構造であるため、分割ユニットを耐震避難室の天井梁に組み付ける作業を容易且つ短時間で行うことができる。
請求項3に記載された発明に係る耐震避難室の屋根構造によれば、地震発生時に、落下物や周囲の倒壊物が、屋根板の上に載ったままになった場合に、鉄筋で補強された無収縮モルタルが、屋根板に瞬間的に作用する衝撃力を吸収するだけでなく、持続的に作用するこれらの落下物や倒壊物の重量を支えることができるため、屋根板の変形を防ぐことができる。
本発明の1実施形態における耐震避難室の斜視図である。 本発明の1実施形態における耐震避難室の正面側から見た内部構造図である。 本発明の1実施形態における耐震避難室の右側面側から見た内部構造図である。 本発明の1実施形態における耐震避難室の上部構造を示す部分斜視図である。 隔壁板の斜視図である。 隔壁板の断面図である。 図2のa部の拡大図である。 図7のA−A断面図である。 屋根鋼板の形状を示す斜視図である。 耐震避難室の天井梁の上に隔壁板を設置した状態を示す部分断面図である。 耐震避難室の天井梁の上に天井パネルを取り付けた状態を示す部分断面図である。 隔壁板に屋根板を取り付けた状態を示す部分断面図である。 屋根板の内側に無収縮モルタルを充填する工程を示す部分断面図である。 無収縮モルタル内に鉄筋を組み込んだ実施形態を示す部分断面図である。 本発明のさらに別の実施形態における耐震避難室の上部構造を示す部分断面図である。 図15のB−B断面図である。 分割ユニットの構造を示す斜視図である。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の屋根構造を備えた耐震避難室の外観を示す斜視図であって、同図に示す耐震避難室1は、鉄筋コンクリート造りの工場建物内の床面に設置して、地震発生時に工場内にいる作業者を、建物の損壊によって落下してくるコンクリート破片等の重量物から守るためのものである。
前記耐震避難室1は、堅牢な鉄骨組立構造の枠組みを有し、その上部に対向する2辺が垂直面内で中高状に緩やかに湾曲した矩形状の屋根板2を備えている。本実施形態のものにおいては、この屋根板2は複数枚の矩形状の屋根鋼板2Aを並べて構成されている。
また、耐震避難室1の正面の中央には、出入口となる開口部3が設けられている。
この耐震避難室1には、さらに、背面の中央にも前記開口部3と同様な開口部が設けられている。なお、以下の記載においては、耐震避難室1の向きをその正面側が前、背面側が後とする。
また、耐震避難室1の正面と背面の開口部3の両側部分と、左右の両側面は、それぞれ波板鋼板を用いた壁板4、5によって覆われている。さらに、耐震避難室1の内部の床面は、表面に滑り止めパターンを有する床板鋼板6によって構成されている。
なお、図1に示す耐震避難室1には設けられていないが、耐震避難室1の室内には、地震発生時に揺れによる転倒を防止するために、電車の車内に設けられるような、立ち席用のつかみ棒を一本ないし複数本設置しておくことが望ましい。
図2は、耐震避難室1の正面側から見た内部構造図、図3は、その右側面側から見た内部構造図であって、これらの図においては、図1に示す壁板4、5や床板鋼板6の図示は省略してある。また、図4は、耐震避難室1の上部構造を示す部分斜視図であって、同図においては、屋根板2や壁板4、5の図示は省略してある。
これらの図に示すように、耐震避難室1は、鉄骨構造の土台枠7や支柱8、天井梁9等が直方体状に枠組みされ、相互に溶接されて一体に組み立てられている。なお、前述した床板鋼板6(図1参照)は、土台枠7に取り付けられている複数の鋼鉄製の根太10(図2参照)の上面に固定されている。
また、土台枠7の下部は、工場建物内のコンクリートの床面Fに、ケミカルアンカーを用いて固定されていて、耐震避難室1を設置した後に、工場内のレイアウト変更が必要になった場合には、その設置場所を移し換えることができるようにしてある。
また、耐震避難室1の各支柱8は、肉厚の角形鋼管によって形成されており、この実施形態のものにおいては、耐震避難室1の4隅にそれぞれ1本ずつ、正面側と背面側のそれぞれの開口部の両側にそれぞれ1本ずつ、左右の側面の中央部にそれぞれ1本ずつ、合計10本配置されている。
図2及び図3に示すように、耐震避難室1の4隅に配置されている各支柱8と、当該耐震避難室1の各側面の室内から見て左側に隣合っている支柱8との間は、連結梁11やブレース12を介して連結されて、耐震避難室1全体の剛性や強度を高めてある。
また、耐震避難室1の正面と背面に設けられている開口部3の位置を除き、隣合う各支柱8の間には、両端を土台枠7と天井梁9にそれぞれ連結された、鋼鉄製の細い縦桟13が配置されていて、図1に示す壁板4や壁板5は、内側がこれらの縦桟13と支柱8に固定されている。
天井梁9は、それぞれ前後一対の縦梁9Aと、これらの縦梁9Aの両端部とそれぞれ隅部の支柱8を介して連結されている左右一対の横梁9Bによって、平面視が矩形枠状に構成されている。
なお、本実施形態のものにおいては、これらの縦梁9Aと横梁9Bはそれぞれ、長手方向に支柱8の上端部を挟んで分割された複数の部分から構成されていて、それぞれの部分どうしは各支柱8の上端部と溶接されて、当該支柱8を介して一体に結合されている。
また、前記一対の横梁9Bの間には、これらと並行するように、2つの横梁9Cが設けられている。縦梁9Aと、横梁9B、9Cは、同一断面形状のH型鋼で形成されていて、それぞれの横梁9Cの両端は支柱8の上端部に溶接されて、これらの支柱8を介して縦梁9Aと一体に結合されている。
また、図2及び図4に示すように、横梁9Bと横梁9Cの間、及び、横梁9Cどうしの間には、これらの横梁9B、9Cと並行するように、補助梁9Dが設けられている。これらの補助梁9Dは、縦梁9Aや、横梁9B、9Cよりも、サイズの小さいH型鋼によって形成されていて、縦梁9Aや、横梁9B、9Cと上面の高さを揃えて、両端をそれぞれ対向する縦梁9Aの側面に溶接して結合されている。
また、横梁9B、9C、及び、補助梁9Dのそれぞれの上面には、鋼鉄製の隔壁板14が立設されている。これらの隔壁板14は、図5に示すように、円弧状の上縁部14Aと直線状の下縁部4Bを有している。なお、上縁部14Aの輪郭は、図1に示す屋根板2の湾曲形状に適合する形状としてある。
これらの隔壁板14は、上縁部14Aを、下縁部14Bを含む残りの部分とは別に製作して両者を溶接して一体化しており、図6に示すように、上縁部をリブ状に両側に突出するT字状の横断面とすることにより、隔壁板14の剛性と強度を高めている。
次に、図7は図2のa部の拡大図であって、この拡大図に示すように、隔壁板14の下縁部14Bは、横梁9Cの上面に溶接して固定されている。なお、詳細な図示はしないが、横梁9Bや補助梁9Dに対しても、同様にして隔壁板14の下縁部14Bが固定されている。
また、隔壁板14の上縁部14Aの上面には、左右両側の屋根鋼板2Aの縁部がそれぞれ溶接されている。なお、耐震避難室1の左右両端にそれぞれ配置されている横梁9B上に立設されている隔壁板14の上縁部14Aには、その幅全体に亘って、端に位置する一枚の屋根鋼板2Aの縁部が重ねられて溶接されている。
隣合う隔壁板14の下縁部14Bの間には、それぞれ、細長い矩形状の鋼板で形成された天井パネル15が配置されている。それぞれの天井パネル15の両側の長辺の縁部はそれぞれ、横梁9Bと補助梁9D、あるいは、横梁9Cと補助梁9Dの上面に溶接固定されており、実質的に隣合う隔壁板14の下縁部14Bどうしの間が天井パネル15によって塞がれている。
また、図8に示すように、天井パネル15の両側の短辺はそれぞれ、一対の縦梁9Aの上面と、屋根鋼板2Aの両側の短辺の両方に溶接されている。また、屋根鋼板2Aと天井パネル15、及び、両側の隔壁板14に囲まれた空間の内部には、質量増加材としての無収縮モルタル16が充填されている。
図9に示すように、それぞれの屋根鋼板2Aには、中央部分に正方形状の充填孔2Bが形成されていて、無収縮モルタル16は、この充填孔2Bから前記空間内に充填される。なお、前記充填孔2Bは、無収縮モルタル16の充填完了後に、図8に示すように、鋼板製の蓋板2Cを屋根鋼板2Aに溶接することによって密閉される。
前述した耐震避難室1の屋根部分を構築する場合には、先ず、図4及び図10に示すように、天井梁9を含む下方部分の組立が完了している耐震避難室1の横梁9B、9C、及び、補助梁9Dのそれぞれの上面に、隔壁板14を下縁部14Bで溶接して垂直に固定する。
次に、図11に示すように、各隔壁板14の間に天井パネル15を配置して、それぞれの天井パネル15の4辺の縁を、天井梁9を構成している一対の縦梁9Aと、横梁9B、9Cや補助梁9Dの上面にそれぞれ溶接する。こうして、天井梁9の上面を天井パネル15によって塞いだ後、図12に示すように、それぞれの隔壁板14の上縁部14Aの上面に屋根鋼板2Aを配置して溶接固定する。
なお、本実施形態のものにおいては、屋根板2を隣合う隔壁板14間にそれぞれ固定される複数の屋根鋼板2Aから構成しているが、これに限定するものではなく、例えば、一枚の鋼板で製作された屋根板を用いて、その屋根板の下面をそれぞれの隔壁板14の上縁部14Aに溶接固定するようにしてもよい。
また、本実施形態のものにおいては、屋根板2を対向する2辺が、垂直面内で中高状に湾曲した形状としているが、これに代えて、中央部が山型に屈曲した形状とし、また、隔壁板の上縁部も屋根板の形状に適合する形状としてもよい。
また、ここでは、質量増加材として無収縮モルタル16を用いているが、質量増加材はこれに限定するものではなく、例えば、砂のように、比較的重量があり、充填時に流動性を有し且つ充填後に経時的な体積変化を起こしにくいものであればよい。
次に、図14は、前述した実施形態の一部を変更した例を示すものであって、同図に示す実施形態においては、無収縮モルタル16の内部に縦横に格子状に組んだ鉄筋17を埋設してある。
前記鉄筋17は、図11に示すように天井パネル15の設置が完了した時点で、それぞれの隔壁板14間に配置し、その後、屋根鋼板2Aを取付けてから、無収縮モルタルを充填し、鉄筋17を内部に埋設した状態で無収縮モルタルを固化させる。
次に、図15は、本発明のさらに別の実施形態における耐震避難室の上部構造を示す部分断面図、図16は、図15のB−B断面図であって、これらの図に示す耐震避難室1’は、天井梁9’が、前述した耐震避難室1と同様に一対の縦梁9Aを有しているとともに、これらの縦梁9Aの間に、さらに縦梁9’Aが配置されている。
前記縦梁9’Aは、両側の2つの縦梁9Aと断面形状やサイズは同じである。また、これらの図中で、図2及び図3と同符号を用いている横梁9B、9C、補助梁9D、支柱8等は、前述した耐震避難室1に用いられているものと同じ構成である。
本実施形態における耐震避難室1’においては、天井梁9’の上に配置される隔壁板14’a〜14’eと天井パネル15’は、図17に示すような分割ユニット18として、あらかじめ組み立てられたものを、耐震避難室1’の設置現場に搬入して天井枠9’にボルト・ナット等の締結部材19で取り付ける構造になっている。
分割ユニット18は、天井梁9’の上に設けられる14’a〜14’eと天井パネル15’の全体を前後左右4つの部分に分割して、各部分毎に製作されており、前後左右の向きが異なる4種類で一組となっている。
図17の分割ユニット18は、4種類の中の1つを示すもので、残りの3つはそれぞれ、同図の分割ユニット18とは前後が対称な構造、左右が対称な構造、及び、前後と左右の両方が対称な構造をしている。
分割ユニット18は、隔壁板14’aと、その片側の側面に直交するように溶接された、隔壁板14’b、14’c、14’d、14’eと、これらの隔壁板14’a〜14’eのそれぞれの、幅広に形成された下縁部に周縁部を溶接された矩形状の天井パネル15’から構成されている。
4つ一組の分割ユニット18は、図16に示す垂直な分割面P1に対して前後対称に、且つ、図15に示す垂直な分割面P2に対して左右対称になるように、天井梁9’上に設置される。
この際、図16に示されているように、各分割ユニット18の隔壁板14’aの下縁部は、天井梁9’の中央に配置された縦梁9’Aに、複数の締結部材19で固定される。また、図15に示されているように、隔壁板14’bと隔壁板14’dの下縁部はそれぞれ天井梁9’の補助梁9Dに、また、隔壁板14’cと隔壁板14’eの下縁部はそれぞれ横梁9Cと横梁9Bに複数の締結部材19で固定される。
さらに、分割面P1、P2で隣合う分割ユニット18の隔壁板14’aどうしと、隔壁板14’bどうしは、それぞれ複数の締結部材20によって一体に結合される。なお、この実施形態においては、これらの締結部材19、20に高張力のボルトとナットを用いている。
なお、分割ユニット18を製作する際に、これらの隔壁板14’a〜14’eの下縁部に、ボルト孔を形成した後、ボルトを上方から差し込んで溶接しておくことで、耐震避難室1’の設置現場において、天井梁9’上に各分割ユニット18を組み付ける際に、天井梁9’側に形成したボルト孔(図示せず)に、これらの隔壁板14’a〜14’eから下方に突出したボルトを落とし込んで容易に位置決めすることができ、作業効率を高めることができる。
また、この実施形態のものにおいては、前述したように、各分割ユニット18を結合して天井梁9’上に固定した後、屋根板2’を構成する屋根鋼板2’Aの周縁部を、図示していないビスによって、隔壁板14’b〜14’eの幅広に形成された上縁部の上面に、適宜間隔で複数箇所ビス止めする。
また、図17に示すように、それぞれの屋根鋼板2’Aには、隔壁板14’a寄りに、充填口2’Bが形成されており、分割ユニット18に屋根鋼板2’Aをビスで取り付けた後、これらの充填口2’Bから質量増加材としての無収縮モルタル16をその内側の空間内に充填し、蓋体2’Cを溶接して密閉する。なお、先に説明した図14に示す実施形態のように、無収縮モルタル16の中に鉄筋を埋設してもよい。
なお、この実施形態のものでは、天井梁9’上に設けられる各隔壁板14’a〜14’e及び各天井パネル15’を、縦横の分割面P1、P2によって、4つの分割ユニット18に分割しているが、分割数や分割面の位置は、耐震避難室の規模や形状に応じて、適宜変更することが可能である。
本発明の耐震避難室の屋根構造は、築年数を経て老朽化したコンクリート造りや煉瓦造りの工場や図書館、公民館、体育館等の公共で使用する建物内に設置する耐震避難室の屋根構造として、特に有効に利用することができる。
1、1’耐震避難室
2、2’屋根板
2A、2’A 屋根鋼板
2B、2’B 充填口
2C、2’C 蓋体
3 開口部
4、5 壁板
6 床板鋼板
7 土台枠
8 支柱
9、9’天井梁
9A、9’A 縦梁
9B、9C 横梁
9D 補助梁
10 根太
11 連結梁
12 ブレース
13 縦桟
14、14’a、14’b、14’c、14’d、14’e 隔壁板
14A 上縁部
14B 下縁部
15、15’ 天井パネル
16 無収縮モルタル(質量増加材)
17 鉄筋
18 分割ユニット
19、20 締結部材
P1、P2 分割面
F 床面

Claims (3)

  1. 鉄骨組立構造の耐震避難室の屋根構造であって、
    対向する2辺が、垂直面内で中高状に湾曲または屈曲した矩形状の屋根板と、
    前記屋根板下方に、前記垂直面に対してそれぞれが平行になるように相互に間隔をあけて当該垂直面と直交する方向に配列され、当該屋根板を上縁部に支持するとともに、下縁部が前記耐震避難室の天井梁上に支持される複数の隔壁板と、
    隣合う隔壁板の下縁部間を塞ぐ天井パネルとを備え、
    前記屋根板と天井パネル及び両側の隔壁板によって囲まれたそれぞれの空間内が質量増加材で満たされていることを特徴とする耐震避難室の屋根構造。
  2. 天井パネルと隔壁板は一体に組み立てられた複数の分割ユニットから構成され、各分割ユニットは締結部材で一体に結合されているとともに、それぞれの分割ユニットが、耐震避難室の天井梁に締結部材で固定されていることを特徴とする請求項1に記載の耐震避難室の屋根構造。
  3. 質量増加材として無収縮モルタルが用いられているとともに、屋根板と天井パネル及び両側の隔壁板によって囲まれたそれぞれの空間内には、前記無収縮モルタルを補強する鉄筋が組み込まれていることを特徴とする請求項1又は2に記載の耐震避難室の屋根構造。
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