JP5072490B2 - レーザ加工装置 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザビームを用いて被加工物の加工を行うレーザ加工装置に関する。
レーザビームは、単色性、指向性に優れ、大きなエネルギを有しているため、レーザビームを点状に集束することにより、レーザ溶接、レーザ切断等のレーザ加工に使用されている。近年では、大きな出力のレーザ発振器から出射されたレーザビームを光ファイバで伝送し、被加工物に照射する直前で点状に集束して、レーザ溶接やレーザ切断等のレーザ加工を行うレーザ加工装置が知られている。
特許第3855563号公報
レーザ発振器や光ファイバの個体差に起因して、レーザ発振器や光ファイバから出射されたレーザビームの拡がり角にはバラツキがみられる。従って、光ファイバを伝送したレーザビームを用いて、レーザ加工を行う際には、以下のような影響があることが考えられ、所望のレーザ加工を実施できないおそれがある。
(1)レーザ溶接やレーザ切断において、デフォーカス設定で加工を行う場合、同一のデフォーカス設定であっても、使用するレーザ発振器、光ファイバにより、ビーム径に差異が生じる。
(2)複数のレーザビームを重ね合わせる場合、そのラップ量が変化してしまう。
(3)レンズ面における透過径が異なり、熱レンズ発生時には焦点位置シフト量に差異が生じる。
現在、特許文献1に示すように、集束したレーザビームの分布調整を行うレーザ加工装置は提案されているが、レーザ発振器や光ファイバの個体差に起因するレーザビームの拡がり特性を考慮して、その拡がり角を調整できるレーザ加工装置は未だに提案されていない。
本発明は上記課題に鑑みなされたもので、レーザビームの拡がり角を調整できるレーザ加工装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する第の発明に係るレーザ加工装置は、
レーザ発振器から射出されたレーザビームを、光ファイバを用いて光学ヘッドへ伝送して、被加工物に照射するレーザ加工装置において、
前記レーザ発振器から射出されたレーザビームの拡がり角を調整する調整手段を、前記光ファイバの入射側直前に設け、
前記調整手段は、前記光ファイバの許容開口数以下となる拡がり角であり、かつ、前記光ファイバから出射される前記レーザビームの拡がり角が常に一定となるように、前記光ファイバに入射する前記レーザビームの拡がり角を調整することを特徴とする。
上記課題を解決する第の発明に係るレーザ加工装置は、
レーザ発振器から射出されたレーザビームを、複数の光ファイバを用いて複数の光学ヘッドへ伝送した後、複数のレーザビームの一部を互いに重ね合わせて、被加工物に照射するレーザ加工装置において、
前記レーザ発振器から射出されたレーザビームの拡がり角を調整する調整手段を、前記複数の光ファイバの入射側直前に各々設け、
前記調整手段は、前記光ファイバの許容開口数以下となる拡がり角であり、かつ、前記光ファイバから出射される前記レーザビームの拡がり角が、全ての前記光ファイバで一定となるように、前記光ファイバに入射する前記レーザビームの拡がり角を調整することを特徴とする。
上記課題を解決する第の発明に係るレーザ加工装置は、
上記第の発明に記載のレーザ加工装置を、管体の溶接部分の外周面に複数のレーザビームを照射することにより管体の残留応力を改善する管体の残留応力改善装置に適用することを特徴とする。
上記課題を解決する第の発明に係るレーザ加工装置は、
上記第1〜第のいずれかの発明に記載のレーザ加工装置において、
前記光学ヘッドは、前記被加工物に照射するレーザビームを、前記被加工物の加工面において、前記光学ヘッドに入射されたレーザビームより拡大して照射するものであることを特徴とする。
なお、被加工物に照射するレーザビームを拡大して照射する際には、光学ヘッドに入射されたレーザビームを、レンズ等を用いて、そのまま拡大するようにしてもよいし、一旦集光した後、拡大するようにしてもよい。
上記課題を解決する第の発明に係るレーザ加工装置は、
上記第1〜第のいずれかの発明に記載のレーザ加工装置において、
前記光学ヘッドは、前記被加工物に照射するレーザビームをデフォーカス設定にて使用するものであることを特徴とする。
上記課題を解決する第の発明に係るレーザ加工装置は、
上記第1〜第のいずれかの発明に記載のレーザ加工装置において、
前記光学ヘッドは、前記被加工物に照射するレーザビームを均質化するライトパイプを有することを特徴とする。
本発明によれば、光ファイバで伝送したレーザビームを用いるレーザ加工装置において、光ファイバに入射するレーザビームの拡がり角を調整して、光ファイバから出射されるレーザビームの拡がり角を一定としたので、被加工物のレーザ加工を行う際、レーザ発振器や光ファイバの個体差による拡がり角のバラツキの影響を排除して、常に一定のレーザ加工結果を得ることができる。これは、レーザビームを拡げて(又は、デフォーカス設定にして)レーザ加工を行うときに特に有効であり、被加工物におけるビーム径を常に一定にすることができ、複数のレーザビームを重ね合わせてレーザ加工を行う際にも、そのラップ量を常に一定にすることができ、その結果、加工結果を常に一定とすることができる。
又、熱レンズ現象が発生しても、その影響を常に一定にすることができ、熱レンズ現象によるレーザ加工のバラツキを排除することができる。
更に、光ファイバから出射してくるレーザビームの拡がり角を適度な角度に調整することにより、レンズとの距離を離したり、大径のレンズを使用したりする必要が無くなるため、光学ヘッドの大きさの小型化を図ることができる。又、光学ヘッドにライトパイプを設けた場合には、レーザビームの均質化を常に一定とすることができる。
以下、図1〜図8を参照して、本発明に係るレーザ加工装置の実施形態を説明する。
図1は、本発明に係るレーザ加工装置を説明する概略構成図であり、図1(a)は、像倍率が小さいときの構成であり、図1(b)は、像倍率が大きいときの構成である。
図1に示すように、本発明に係るレーザ加工装置は、レーザビームB1を出射するレーザ発振器1と、レーザ発振器1の出射側に設けられ、レーザ発振器1から出射されたレーザビームB1の像倍率を調整する調整機構2と、調整機構2の出射側に設けられ、調整機構2から入射されたレーザビームB1を伝送する光ファイバ4と、光ファイバ4の出射側に設けられ、光ファイバ4から出射されたレーザビームB2を最終的に調整し、レーザビームB3として、被加工物に入射させる光学ヘッド6とを有し、制御装置(図示省略)により、レーザ発振器1,調整機構2、光学ヘッド6を制御して、所望のレーザ加工を行うものである。
調整機構2は、例えば、図1に示すように、1枚、若しくは、複数のレンズからなる移動前群2aと、同じく、1枚、若しくは、複数のレンズからなる移動後群2bとを有し、互いの位置を移動させることにより、像倍率を変化させている。この調整機構2は、像倍率を変化させるものであるが、本発明においては、光ファイバ4の入射部3へ出射するレーザビームB1の拡がり角θ2が制御対象であり、レーザ発振器1から入射されたレーザビームB1の拡がり角θ1に応じて、所望の拡がり角θ2となるように、移動前群2a、移動後群2bの位置を調整している。例えば、拡がり角θ1が一定である場合、拡がり角θ2を更に小さくしたい場合には、図1(b)に示すように、移動前群2a、移動後群2bの位置を移動して、倍率を増大させることで、拡がり角θ2を小さくすればよい。
又、レーザ発振器1の固体差により、拡がり角θ1がばらつく場合には、図2のグラフに示すように、レーザビームB1の出射開口数(以降、出射NAと呼ぶ。)が、ターゲットの出射NAとなるように、レーザビームB1の入射開口数(以降、入射NAと呼ぶ。)に応じて、移動前群2a、移動後群2bの位置を調整すればよい。例えば、出射NA=Tnaに調整したいとき、入射NA=Ina1(Ina1<Ina2<Ina3)である場合には、調整機構2の調整量はa1となり、入射NA=Ina2である場合には、調整機構2の調整量はa2となり、入射NA=Ina3である場合には、調整機構2の調整量はa3となる。
このとき、調整機構2からのレーザビームB1の出射NA(光ファイバ4へのレーザビームB1の入射NA)は、光ファイバ4の許容NA以下でなければならない。これは、光ファイバ4へのレーザビームB1の入射NAが許容NA以下であれば、光ファイバ4からのレーザビームB2の出射NAが、光ファイバ4の伝送後も、光ファイバ4へのレーザビームB1の入射NAに対応して出射される傾向を持っているからであり、この特性を利用し、光ファイバ4の許容NA以下となるように、調整機構2からのレーザビームB1の出射NAを一定に調整することにより、光ファイバ4伝送後のレーザビームB2の出射NAが常に一定となるように、つまり、拡がり角θ3が常に一定となるようにしている。このことは、本発明者等の知見によるものである。この結果、常に一定の拡がり角θ3を持って、レーザビームB2が光学ヘッド6に入射することになり、一定のプロファイルに調整されたレーザビームB3を用いて、常に一定のレーザ加工結果を得ることができる。
実施例1においては、レーザ発振器1によるレーザビームB1の拡がり角θ1のバラツキの影響を排除するため、調整機構2を用いて、調整機構2からのレーザビームB1の出射NA(光ファイバ4へのレーザビームB1の入射NA)を調整するようにしているが、光ファイバ4の個体差によるレーザビームB2の拡がり角θ3のバラツキも全くないわけではないため、更に望ましくは、光ファイバ4からのレーザビームB2の出射NA(拡がり角θ3)を確認し、その出射NAが常に一定となるように、調整機構2からのレーザビームB1の出射NA(拡がり角θ2)を調整するようにしてもよい。
これは、光ファイバ4は、その使用状態や製造時の個体差によって、その特性が異なることがあり、このような光ファイバ4に影響を受けて、伝送されるレーザビームB2の特性も変化するからである。従って、実施例1の図1に示したレーザ加工装置において、ファイバ4からのレーザビームB2の出射NA(拡がり角θ3)を確認し、その出射NAが常に一定となるように、調整機構2からのレーザビームB1の出射NA(拡がり角θ2)を調整することにより、使用状態等により生じた光ファイバ4によるバラツキを吸収することができ、常に一定の拡がり角を持ったレーザビームB2を光学ヘッド6へ伝送することができ、その結果、常に一定のレーザ加工結果を得ることができる。
なお、出射NA(拡がり角θ3)の確認方法としては、レーザビームB2をレンズで集光し、レーザビームB2のデフォーカス位置におけるビームプロファイルを計測することにより、集光角、発散角を把握して、拡がり角θ3を確認するようにしてもよいし、レーザビームB2をレンズで平行光とし、その径を測定することにより、拡がり角θ3を算出して、確認するようにしてもよい。
本発明は、被加工物に最終的に照射するレーザビームB3のプロファイルに応じて、様々な応用例があるが、特に、レーザビームB3を拡げて(又は、デフォーカス設定にして)レーザ加工を行うときに好適となるものである。以降、上述した実施例1、2をベースとする応用例を、実施例3〜実施例7(図3〜図7)に示して、その説明を行う。
本実施例は、被加工物に最終的に照射するレーザビームB3を拡げると共に、拡げたレーザビームB3を複数用い、隣り合うレーザビームB3同士の一部を重ね合わせて被加工物に照射することを目的としている。そのため、本実施例の場合、例えば、図1(a)のレーザ加工装置の光学ヘッド6を複数並列に配置する構成とし、光学ヘッド6をレーザビームB3を拡大する光学系6Aとしている。なお、後述する実施例8(図8)には、更に具体的な適用例を示して説明している。
従来は、図3(a)、(b)に示すように、レーザ発振器1、光ファイバ4の個体差により、光ファイバ4の出射部5から出射されるレーザビームB2a、B2bの拡がり角θ3a、θ3bにバラツキがあり、光学系6Aを透過したレーザビームB3a、B3bは、各々異なるビーム径へ拡大され、又、複数のレーザビームB3a同士、B3b同士が重なるラップ量La、Lbも各々異なるものとなっていた。
これに対して、図3(c)に示すように、実施例1、2と同様に、光ファイバ4の出射部5から出射されるレーザビームB2cの拡がり角θ3cを確認し、それが常に一定となるように、調整機構2からのレーザビームB1の出射NA(拡がり角θ2)を調整することにより、レーザ発振器1、光ファイバ4の個体差によるバラツキを吸収することができ、常に一定の拡がり角θ3cを持ったレーザビームB2cを光学系6Aへ入射することができる。従って、光学系6Aを透過したレーザビームB3cを、全て同じビーム径へ拡大することができ、複数のレーザビームB3c同士のラップ量Lcも常に一定とすることができ、その結果、レーザ発振器1、光ファイバ4の個体差に左右されることなく、常に一定のレーザ加工結果を得ることができる。
本実施例は、レーザ切断やレーザ溶接において、被加工物に最終的に照射するレーザビームB3をデフォーカス設定で被加工物に照射することを目的としている。そのため、本実施例の場合、その構成は、図1(a)に示すようなレーザ加工装置であればよく、光学ヘッド6は、デフォーカス設定の光学系6Bとしている。
従来は、図4(a)、(b)に示すように、レーザ発振器1、光ファイバ4の個体差により、光ファイバ4の出射部5から出射されるレーザビームB2a、B2bの拡がり角θ3a、θ3bにバラツキがあり、光学系6Bを透過したレーザビームB3a、B3bは、所定の焦点位置P1でのビーム径が同等でも、被加工物への照射位置となるデフォーカス位置P2におけるビーム径Da、Dbが各々異なるものとなっていた。
これに対して、図4(c)に示すように、実施例1、2と同様に、光ファイバ4の出射部5から出射されるレーザビームB2cの拡がり角θ3cを確認し、それが常に一定となるように、調整機構2からのレーザビームB1の出射NA(拡がり角θ2)を調整することにより、レーザ発振器1、光ファイバ4の個体差によるバラツキを吸収することができ、常に一定の拡がり角θ3cを持ったレーザビームB2cを光学系6Bへ入射することができる。従って、光学系6Bを透過したレーザビームB3cを、所定の位置P1において焦点を合わせることにより、デフォーカス位置P2におけるビーム径Dcを常に一定とすることができ、その結果、レーザ発振器1、光ファイバ4の個体差に左右されることなく、常に一定のレーザ加工結果を得ることができる。
レーザ加工装置においては、高出力のレーザを使用することが多く、そのレーザビームのエネルギ量、エネルギ密度が高いため、レーザビームが透過するレンズにおいて、熱レンズ現象が発生することがある。この熱レンズ現象は、レーザビームの焦点位置をシフトさせるため、レーザ加工のバラツキを生む1つの要因となっていた。本実施例では、光学ヘッド6に入射するレーザビームB2の拡がり角θ3を常に一定に調整することにより、熱レンズ現象によるレーザビームB3の焦点位置のシフト量を常に一定にすることを目的としている。そのため、本実施例の場合、その構成は、図1(a)に示すようなレーザ加工装置であればよく、光学ヘッド6は、集光系又はデフォーカス設定の光学系6Cが好適である。
従来は、図5(a)、(b)に示すように、レーザ発振器1、光ファイバ4の個体差により、光ファイバ4の出射部5から出射されるレーザビームB2a、B2bの拡がり角θ3a、θ3bにバラツキがあり、光学系6Cに入射されるレーザビームB2a、B2bは、光学系6Cのレンズ面において、そのレンズ透過径Ta、Tbが各々異なるものとなっていた。その結果、光学系6Cで発生する熱レンズ現象の影響も各々異なり、レーザビームB3の焦点位置のシフト量Sa、Sbも各々異なるものとなっていた。
これに対して、本実施例においては、図5(b)を参照して説明すると、実施例1、2と同様に、光ファイバ4の出射部5から出射されるレーザビームB2bの拡がり角θ3bを確認し、それが常に一定となるように、調整機構2からのレーザビームB1の出射NA(拡がり角θ2)を調整することにより、レーザ発振器1、光ファイバ4の個体差によるバラツキを吸収することができ、光学系6Cに入射されるレーザビームB2bのレンズ透過径Tbを常に一定にして、熱レンズ現象の影響、つまり、レーザビームB3の焦点位置のシフト量Sbを常に一定にしている。このとき、図5(b)に示すように、レーザビームB2bの拡がり角θ3bがより大きい方が、レーザビームB3の焦点位置のシフト量Sbがより小さくなるため、拡がり角θ3bをより大きくすることが望ましい。従って、光学系6Cを透過したレーザビームB3bの焦点位置のシフト量Sbを低減することができると共に、その焦点位置を常に一定とすることができ、その結果、レーザ発振器1、光ファイバ4の個体差に左右されることなく、常に一定のレーザ加工結果を得ることができる。
本実施例も、実施例5と同様に、熱レンズ現象の影響を低減すると共に、その影響の大きさを常に一定にすることを目的としている。本実施例の場合、その構成は、図1(a)に示すようなレーザ加工装置であればよく、光学ヘッド6は、任意のものでよい。なお、図6では、一例として、平行光を形成するコリメータレンズ6Dを図示して説明している。
実施例5でも説明したように、高出力のレーザが使用されるレーザ加工装置においては、レーザビームが透過するレンズにおいて、熱レンズ現象が発生するため、そのエネルギ密度を低下させて、その影響を低減することが望ましい。特に、レンズ面に施す反射防止膜や全反射、半透過のコーティング膜の耐久性の問題から、エネルギ密度を低下させる必要があった。
ところが、図6(a)に示すように、従来は、レーザビームB2aの拡がり角θ3aを調整していないため、拡がり角θ3aが小さい場合には、1番目のレンズとなるコリメータレンズ6Dのレンズ面において、レーザビームB2aのレンズ透過径が小さくなり、そのエネルギ密度が高くなってしまうことがあった。このような場合、エネルギ密度を低下させるには、そのレンズ透過径を大きくする必要があり、図6(b)に示すように、出射部5からコリメータレンズ6Dまでの距離Fbを、図6(a)における距離がFaより大きくする方法しかなく、コリメータレンズ6Dを有する光学ヘッド6が大型化する要因となっていた。
これに対して、本実施例においては、実施例1、2と同様に、光ファイバ4の出射部5から出射されるレーザビームB2bの拡がり角θ3bを確認し、それがより大きくかつ常に一定になるように、調整機構2からのレーザビームB1の出射NA(拡がり角θ2)を調整することにより、出射部5からコリメータレンズ6Dまでの距離Fcを大きくすることなく、コリメータレンズ6Dに入射されるレーザビームB2bのレンズ透過径をより大きくし、そのエネルギ密度を低下させて、熱レンズ現象の影響を低減している。このように、距離Fcを小さくすることができ、コリメータレンズ6Dを有する光学ヘッド6の小型化を図ることができ、光学ヘッド6の小型化とレンズ面でのエネルギ密度の低減とを両立させることができる。加えて、レーザビームB3bのビーム径Dbは、図6(b)におけるレーザビームB3aのビーム径Daと同じ大きさとすることもでき、小型化されても、そのビーム径の調整幅が制限されることはない。当然ながら、本実施例の構成においても、レーザビームB3bのビーム径Dbを常に一定することができ、その結果、レーザ発振器1、光ファイバ4の個体差に左右されることなく、常に一定のレーザ加工結果を得ることができる。
このように、レーザ発振器1からのレーザビームB1の拡がり角θ1が小さく、光ファイバ4から出射してくるレーザビームB2の拡がり角θ3も小さい場合には、その拡がり角θ3を適度に大きくすることにより、光学系(レンズ等)との距離を短くして、光学ヘッド6の大きさの小型化を図ることもできる。逆に、レーザ発振器1からのレーザビームB1の拡がり角θ1が大きく、光ファイバ4から出射してくるレーザビームB2の拡がり角θ3も大きい場合には、その拡がり角θ3を適度に小さくすることにより、大きな口径のレンズ等を用いる必要が無くなり、この点においても、光学ヘッド6の大きさの小型化を図ることができる。特に、レーザビームB2の拡がり角θ3が大き過ぎる場合には、レーザビームB2がレンズ等の光学部品からはみだしてしまい、意図しない場所にレーザビームB2が照射されて、構成部品等が損傷してしまうことも想定されるが、本発明のように、レーザビームB2の拡がり角θ3を調整することにより、このような事態も確実に避けることができる。
本実施例は、被加工物に最終的に照射するレーザビームB3において、ライトパイプを用いて、そのビームプロファイルを均質化して被加工物に照射することを目的としている。そのため、本実施例の場合、その構成は、図1(a)に示すようなレーザ加工装置であればよいが、光学ヘッド6としては、少なくとも、ライトパイプ6Eを有する光学系としている。
従来は、図7(a)に示すように、レーザ発振器1、光ファイバ4の個体差により、光ファイバ4の出射部5から出射されるレーザビームB2aの拡がり角θ3aにバラツキがあり、ライトパイプ6Eを透過したレーザビームB3aの均質化にバラツキがあった。しかも、拡がり角θ3aが小さい場合には、ライトパイプ6E内での反射回数(図中のR1)が少なくなってしまい、ライトパイプ6Eを透過したレーザビームB3aの均質化を十分に図ることができないおそれがあった。
これに対して、図7(b)に示すように、実施例1、2と同様に、光ファイバ4の出射部5から出射されるレーザビームB2bの拡がり角θ3bを確認し、それが常に一定となるように、調整機構2からのレーザビームB1の出射NA(拡がり角θ2)を調整することにより、レーザ発振器1、光ファイバ4の個体差によるバラツキを吸収することができ、常に一定の拡がり角θ3bを持ったレーザビームB2bをライトパイプ6Eへ入射することができる。加えて、図7(b)に示すように、レーザビームB2bの拡がり角θ3bをより大きくすることにより、ライトパイプ6E内での反射回数(図中のR1〜R3)を多くして、ライトパイプ6Eを透過したレーザビームB3bの均質化を十分に図ることができる。このように、レーザビームB2bの拡がり角θ3bを一定かつ大きくすることにより、ライトパイプ6E内での反射回数を一定かつ多くすることができ、ライトパイプ6Eを透過したレーザビームB3bの均質化を図ると共に常に一定とすることができ、その結果、レーザ発振器1、光ファイバ4の個体差に左右されることなく、常に一定のレーザ加工結果を得ることができる。
図8は、実施例3(図3)に示したレーザ加工装置を、管体の残留応力改善装置に適用した例を示す概略構成図である。
図8に示すように、本実施例のレーザ加工装置である残留応力改善装置11は、円筒状の管体である配管12の外周を周回移動可能に配置され、周方向移動速度を制御可能な回転駆動装置13と、回転駆動装置13に支持されると共に配管12の軸方向に延設され、配管12の周囲を配管12と同軸に周回可能なアーム部14と、アーム部14に保持され、配管12の溶接部Wの外周面の所定領域にレーザビーム20を照射する複数の光学ヘッド19と、レーザ発振器15からのレーザビームを複数の光学ヘッド19へ伝送する複数の光ファイバ17と、回転駆動装置13、レーザ発振器15等を制御する制御部21とを有するものである。
なお、回転駆動装置13は、配管12の外周に脱着可能なものであり、残留応力を改善したい箇所、例えば、溶接部W等の周囲に自由に設置可能である。又、回転駆動装置13は、その内周側が配管12を保持し、アーム部14を支持する外周側が周回可能であればどのような構成でもよい。
光学ヘッド19、光ファイバ17、レーザ発振器15は、加熱光学系を構成しており、配管12の軸方向に沿ってアーム部14に配置された複数の光学ヘッド19により、複数のレーザビーム20を配管12の外周面の所定領域に照射し、所定領域を均一に加熱するようにしている。光学ヘッド19においては、光学ヘッド19を調整することにより、周方向照射幅、軸方向照射幅を調整して、所望の加熱領域を調整している。なお、光ファイバ17、光学ヘッド19や照射されるレーザビーム20の数は、照射条件によって適宜に変更可能である。
図8に示す本実施例の残留応力改善装置において、図1のレーザ加工装置に示した調整機構2は、レーザ発振器15の内部に収容され、各々の光ファイバ17に対して設けられている。又、図8における符号16、18は、それぞれ、光ファイバ17の入射部、出射部であり、各々の光学ヘッド19において、レーザビームの拡がり角(θ3)が確認されて、それが常に一定となるように、レーザ発振器15内部の調整機構を用いて、光ファイバ17に入射されるレーザビーム拡がり角(θ2)が調整されている。その結果、図3(c)に示すように、光学ヘッド19を透過したレーザビーム20を、全て同じビーム径へ拡大することができ、複数のレーザビーム20同士のラップ量(Lc)も常に一定とすることができ、その結果、レーザ発振器15、光ファイバ17の個体差に左右されることなく、常に一定のレーザ加工結果を得ることができる。
残留応力を改善する際には、具体的には、本実施例の残留応力改善装置11において、予め、各光学ヘッド19の調整により加熱領域を調整し、制御部21により、レーザ発振器15の出力を制御すると共に回転駆動装置13を所定の移動速度に制御して周回移動させることで、各光学ヘッド19から照射されるレーザビーム20が、配管12の外周を周回移動しながら配管12の外周面の所定領域に照射され、配管12の外周面の所定領域が加熱されることになる。このとき、加熱時に発生する配管12の内外面温度差を利用し、内面を引張降伏させることにより、冷却後の内面の残留応力を低減若しくは圧縮応力に改善している。周回数としては、1回の周回でもよいが、複数の周回としてもよく、複数の周回の場合は、始終端の位置を変更するようにしてもよい。又、加熱温度としては、材料に悪影響を及ぼさない温度とすればよい。
本発明は、ファイバ伝送したレーザビームを用いるレーザ溶接、レーザ切断、レーザ表面処理等の加工全般に適用可能である。特に、ファイバ伝送したレーザビームを拡げて使用するレーザ加工、例えば、外面にレーザ照射して内部の応力を緩和する残留応力改善装置等に好適である。
本発明に係るレーザ加工装置を説明する概略構成図であり、(a)は、像倍率が小さいときの構成、(b)は、像倍率が大きいときの構成である。 図1に示すレーザ加工装置の調整機構において、レーザビームの出射NAに対する入射NAと調整量の関係を示すグラフである。 図1に示すレーザ加工装置の応用例の一例を説明する図である。 図1に示すレーザ加工装置の応用例の他の一例を説明する図である。 図1に示すレーザ加工装置の応用例の他の一例を説明する図である。 図1に示すレーザ加工装置の応用例の他の一例を説明する図である。 図1に示すレーザ加工装置の応用例の他の一例を説明する図である。 図3に示すレーザ加工装置の具体的な適用例となる管体の残留応力改善装置を示す概略構成図である。
符号の説明
1 レーザ発振器
2 調整機構
3 入射部
4 光ファイバ
5 出射部
6 光学ヘッド

Claims (6)

  1. レーザ発振器から射出されたレーザビームを、光ファイバを用いて光学ヘッドへ伝送して、被加工物に照射するレーザ加工装置において、
    前記レーザ発振器から射出されたレーザビームの拡がり角を調整する調整手段を、前記光ファイバの入射側直前に設け、
    前記調整手段は、前記光ファイバの許容開口数以下となる拡がり角であり、かつ、前記光ファイバから出射される前記レーザビームの拡がり角が常に一定となるように、前記光ファイバに入射する前記レーザビームの拡がり角を調整することを特徴とするレーザ加工装置。
  2. レーザ発振器から射出されたレーザビームを、複数の光ファイバを用いて複数の光学ヘッドへ伝送した後、複数のレーザビームの一部を互いに重ね合わせて、被加工物に照射するレーザ加工装置において、
    前記レーザ発振器から射出されたレーザビームの拡がり角を調整する調整手段を、前記複数の光ファイバの入射側直前に各々設け、
    前記調整手段は、前記光ファイバの許容開口数以下となる拡がり角であり、かつ、前記光ファイバから出射される前記レーザビームの拡がり角が、全ての前記光ファイバで一定となるように、前記光ファイバに入射する前記レーザビームの拡がり角を調整することを特徴とするレーザ加工装置。
  3. 請求項に記載のレーザ加工装置を、管体の溶接部分の外周面に複数のレーザビームを照射することにより管体の残留応力を改善する管体の残留応力改善装置に適用することを特徴とするレーザ加工装置。
  4. 請求項1から請求項のいずれかに記載のレーザ加工装置において、
    前記光学ヘッドは、前記被加工物に照射するレーザビームを、前記被加工物の加工面において、前記光学ヘッドに入射されたレーザビームより拡大して照射するものであることを特徴とするレーザ加工装置。
  5. 請求項1から請求項のいずれかに記載のレーザ加工装置において、
    前記光学ヘッドは、前記被加工物に照射するレーザビームをデフォーカス設定にて使用するものであることを特徴とするレーザ加工装置。
  6. 請求項1から請求項のいずれかに記載のレーザ加工装置において、
    前記光学ヘッドは、前記被加工物に照射するレーザビームを均質化するライトパイプを有することを特徴とするレーザ加工装置。
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