JP5072341B2 - 部材接続方法、同方法により接続された複合部材 - Google Patents

部材接続方法、同方法により接続された複合部材 Download PDF

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Description

本発明は、第1の部材に形成された円筒状の筒部内に、型を用いた鋳造または鍛造により成型した第2の部材に軸状に形成された軸部を挿入して両部材を接続する部材接続方法、同接続方法により接続された複合部材に関する。
一般に、自動車などの車両に採用されるサスペンション機構やステアリング機構においては、各構成要素を互いに連結するためにリンク部材が用いられている。このようなリンク部材の1つとして、例えば、下記特許文献1に示すような自動車のサスペンション機構に用いられるサスペンションアームがある。
特開平11−93997号公報
このサスペンションアームは、主として、筒状に形成されたアーム部材と、鋳造により成型された第1軸受部材および第2軸受部材とから構成されている。具体的には、第1軸受部材および第2軸受部材にそれぞれ形成された軸状の軸状連結部をアーム部材の両端部にそれぞれ挿入した状態で、アーム部材の各端部をかしめ加工(プレス加工)により塑性変形させて、アーム部材と第1軸受部材および第2軸受部材とを一体的に接続している。
しかしながら、鋳造により成型される第1軸受部材および第2軸受部材においては、鋳型の合せ面部分に所謂鋳ばりが生じるとともに、湯口部分に除去された湯口の一部分が凸状に残存する場合がある。このため、第1軸受部材および第2軸受部材における各軸状連結部をアーム部材に挿入する際には、予め、これらの鋳ばりや残存した湯口の一部を完全に除去する必要があり、煩雑な作業となっていた。
本発明は上記問題に対処するためなされたもので、その目的は、第1の部材に形成された円筒状の筒部内に、型を用いた鋳造または鍛造により成型された第2部材の軸部を挿入して接続する際に、第2部材の軸部に生じたばりなどを除去する作業を必要としない部材接続方法、同接続方法により接続された複合部材を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、第1の部材に形成された円筒状の筒部内に、型を用いた鋳造または鍛造により成型した第2の部材に軸状に形成された軸部を挿入して、第1の部材と第2の部材とを接続する部材接続方法において、第2の部材における軸部の表面であって、鋳造または鍛造によってばりが生じる部分に、同ばりに沿って凹んだ形状の逃げ部を形成しておき、軸部が挿入された筒部を逃げ部の形状に対応する形状に形成したプレス型によるプレス加工を用いて塑性変形させることにより、第1の部材と第2の部材とを接続することにある。

この場合、前記鋳造または鍛造に用いられる前記型は、2つ以上の型から構成され、前記2つ以上の型を互いに組み合わせた境界部分に対応する前記軸部の表面に、逃げ部を形成するとよい。また、これに代えて、またはこれに加えて、前記鋳造における湯口部分に対応する前記軸部の表面に、逃げ部を形成してもよい。
このように構成した本発明の特徴によれば、第1の部材の筒部内に挿入される第2の部材の軸部の外周面であってばりが生じる部分に逃げ部を形成している。このため、第2の部材の軸部を第1の部材の筒部内に挿入する際、ばりの影響を受けることなく、同軸部を同筒部内に挿入することができる。これにより、第2の部材の軸部表面にばりが生じている場合であっても、同ばりを軸部から除去するための加工が不要となり、第1の部材と第2の部材とが接続された複合部材を効率良く製作することができる。なお、ここで第2部材の軸部表面に生じるばりは、型の合せ面部分によって生じるばりや、鋳造における湯口や各種湯道部分を除去した際に、鋳物に取り残された湯口や各種湯道の一部分も含むものである。
また、本発明の特徴は、軸部が挿入された筒部をプレス加工を用いて塑性変形させることにより、前記第1の部材と前記第2の部材とを接続したことにある。これによれば、プレス加工により、第1の部材の内周面を逃げ部の形状に沿って塑性変形させる。これにより、第1の部材に接続された第2の部材における軸線回りの結合強度が向上し、第1の部材に対する第2の部材の回転変位が防止される。

また、本発明の特徴は、プレス加工に用いるプレス型の形状を、逃げ部の形状に対応する形状に形成したことにある。これによれば、第1の内周面をより逃げ部に密着するように塑性変形させることができる。これにより、第1の部材に接続された第2の部材における軸線回りの結合強度が更に向上する。
また、この場合、軸部に形成された逃げ部に対応する筒部表面を押圧してプレス加工を行うとよい。これによれば、第1の内周面をより逃げ部に密着するように塑性変形させることができる。これにより、第1の部材に接続された第2の部材における軸線回りの結合強度が更に向上する。
また、本発明の他の特徴は、前記部材接続方法において、前記逃げ部を、平面状に形成したことにある。これによれば、前記逃げ部は平面状に形成されているため、第2の部材の軸部上に複雑な加工を施すことなく簡単に逃げ部を形成することができる。
また、本発明は部材の接続方法として実施できるばかりでなく、同接続方法を用いて接続される複合部材の発明、および同複合部材の製造方法の発明としても実施できるものである。
以下、本発明に係る部材接続方法の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る部材接続方法を用いて製造されたスタビライザーリンクSLの全体を示す正面図である。ここで、スタビライザーリンクとは、自動車に採用されるサスペンション機構において、スタビライザーとサスペンションアームとを連結するリンク部材であり、車体の走行安定性を図るための部材である。
スタビライザーリンクSLは、円筒状に形成されたアーム部材10の一端部に略凸状に形成されたボールジョイント20を図示上向きに固着するとともに、同アーム部材10の他端部にボールジョイント20と同一な構成のボールジョイント30を図示下向きに固着して構成されている。アーム部材10は、アルミニウム合金を引き抜き加工によりパイプ状に形成した部材であり、本発明に係る第1の部材に相当する。なお、図においては、アーム部材10の中央部を省略して示している。
ボールジョイント20は、図2(A),(B)に示すように、ボールスタッド21、軸受部材22,ベアリングシート23,プラグ24およびダストカバー25から構成されている。これらのうち、ボールスタッド21は、鉄鋼材により構成されており、略円柱状に形成されたスタッド部21aの一端部に球状のボール部21bが形成されるとともに、スタッド部21aの他端部に鍔部21cを介して雄ねじ部21dが形成されている。
軸受部材22は、詳しくは図3(A)〜(C)に示すように、円筒状に形成されたソケット部22aと、同ソケット部22aから水平方向に延びて形成された軸部22bとから構成されている。この軸受部材22は、アルミニウム合金を鋳造して成型されており、その外周面には、鋳造に用いる2つの鋳型の合せ面に沿って鍔状に突出した形状の所謂鋳ばり22cが形成されている。ソケット部22aは、その円筒内に前記ボールスタッド21におけるボール部21bを収容する部分であり、軸部22bは、軸受部材22、すなわち、ボールジョイント20をアーム部材10に接続する部分である。軸部22bの先端部には、軸受部材22がアーム部材10に接続される接続部22dが略円柱状に形成されているとともに、その外周面が軸方向に沿って蛇腹状に形成されている。この接続部22dの外径φは、接続部22dがアーム部材10の円筒内にガタツキのない適当な嵌め合いで挿入される程度でアーム部材10の内径φより小さく形成されている。
また、接続部22dにおける幅方向の外周面、換言すれば、鋳ばり22cが形成される接続部22dの外周面には、平面状に成型された逃げ部22e,22fが形成されている。逃げ部22e,22fは、接続部22d上に形成される鋳ばり22cによって接続部22dがアーム部材10の円筒内に挿入不能となることを防止するために設けられる。したがって、逃げ部22e,22fは、接続部22dにおける幅方向の厚さと逃げ部22e,22fにそれぞれ形成される鋳ばり22cの各突出量とを合計した長さLが、接続部22dの外径φより小さくなるように形成される。なお、本実施形態においては、鋳ばり22cの突出量は、0.3〜0.5mmを想定している。
軸受部材22のソケット部22aの内部におけるソケット部22aの内壁とボールスタッド21のボール部21bとの間にはベアリングシート23が設けられている。ベアリングシート23は、合成樹脂材にて構成されており、軸受部材22のソケット22a内においてボールスタッド21のボール部21bを回動自在に保持する。このベアリングシート23は、鉄鋼材により構成された略凹形状のプラグ24によってソケット22a内に保持されている。また、軸受部材22のソケット部22aの上部には、ボールスタッド21のスタッド部21aを覆う状態で、ゴム材により構成されたダストカバー25が設けられている。なお、ボールジョイント30は、ボールジョイント20と同一な構成であるため、その説明は省略する。また、これらボールジョイント20またはボールジョイント30が、本発明に係る第2の部材に相当する。
このように構成されたスタビライザーリンクSLを製造する過程におけるアーム部材10とボールジョイント20,30との接続方法について説明する。なお、ボールジョイント20とボールジョイント30とは同一の構成であるため、アーム部材10とボールジョイント20との接続方法についてのみ説明し、アーム部材10とボールジョイント30との接続方法については省略する。
まず、作業者は、ボールジョイント20を構成する部品であるボールスタッド21、軸受部材22,ベアリングシート23,プラグ24およびダストカバー25をそれぞれ用意する。この場合、軸受部材22は、図3(A)〜(C)に示すように、接続部22dに逃げ部22e,22fがそれぞれ形成された状態で鋳造により一体的に成型される。また、軸受部材22の外周面には、鋳造に用いる鋳型の合せ面に沿って鋳ばり22cが形成されている。すなわち、接続部22dの逃げ部22e,22f上に鋳ばり22cがそれぞれ形成されている。作業者は、ボールスタッド21、軸受部材22,ベアリングシート23,プラグ24およびダストカバー25を所定の作業工程に基づいて組み付けてボールジョイント20を完成させる。このボールジョイント20を完成させるための所定の作業工程は、本発明に直接関わらないため、その説明は省略する。
次に、作業者は、スタビライザーリンクSLを構成する部材であるアーム部材10を用意する。そして、図4(A),(B)に示すように、アーム部材10の一端部(図示左側の端部)にボールジョイント20の接続部22dを挿入する。この場合、逃げ部22e,22f上には鋳ばり22cが形成されているが、逃げ部22e,22fにそれぞれ形成される鋳ばり22cの各先端部間の長さLは、接続部22dの外径φよりも小さい、すなわち、アーム部材10の内径φよりも小さいため、接続部22dは支障なくアーム部材10内に挿入される。
次に、作業者は、図示しないプレス装置を用いてアーム部材10とボールジョイント20とを接続する。プレス装置は、アーム部材10の端部表面における接続部22dが挿入されている部分を圧縮変形させてアーム部材10とボールジョイント20とを接続するための加工装置であり、2つのプレス型40,50を備えている。
プレス型40は、アーム部材10における接続部22dが挿入されている部分を載置するための不動の静金型である。プレス型40におけるアーム部材10が載置されるプレス面41には、アーム部材10の外周面に沿った半円形状に形成された外周プレス面42と、外周プレス面42(またはアーム部材10)の円周方向に沿って外周プレス面42から凸状に突出したカシメ凸部43がプレス型40の長手方向に沿って3つ設けられている。ここで、カシメ凸部43は、蛇腹状に形成された接続部22dにおける小径部に対応するアーム部材10の外周面を押圧する部分であり、同小径部の間隔に対応した間隔でそれぞれ設けられている。一方、プレス型50は、プレス型40に対して進退可能な状態で配置される動金型である。このプレス型50には、プレス型40に対応するプレス面51,外周プレス面52およびカシメ凸部53がそれぞれ形成されている。
作業者は、接続部22dがアーム部材10内に挿入された状態のアーム部材10およびボールジョイント20をプレス装置のプレス型40上にセットする。この場合、作業者は、接続部22dの逃げ部22e,22fがプレス型40,50に対抗するようにアーム部材10およびボールジョイント20をセットする。そして、作業者は、プレス装置を作動させることにより、接続部22dが挿入されているアーム部材10の外周面を圧縮変形させてアーム部材10とボールジョイント20とを接続する。これにより、図5(A)〜(C)に示すように、アーム部材10の端部の外周面は、プレス型40,50のプレス面41,51の形状に沿って塑性変形する。この場合、図5(C)に示すように、アーム部材10の端部の外周面におけるプレス型40とプレス型50との間の部分は、それぞれ外側に向かって塑性変形する。また、アーム部材10の端部の内周面は、接続部22dの外周面の形状に沿って塑性変形する。
次に、作業者は、ボールジョイント20が接続されたアーム部材10をプレス装置から取り出し、ボールジョイント20と同様な手順によってボールジョイント30をアーム部材10の他端部に接続する。これにより、アーム部材10の両端部にボールジョイント20およびボールジョイント30がそれぞれ接続され、スタビライザーリンクSLが略完成する。スタビライザーリンクSLを完成させるための他の工程は、本発明に直接関係しないため、その説明は省略する。
上記接続方法の説明からも理解できるように、上記実施形態によれば、アーム部材10の円筒内に挿入される接続部22dの外周面であって鋳ばり22cが生じる部分に、平面状の逃げ部22e,22fを形成している。この場合、逃げ部22e,22fは、鋳ばり22cの各先端部間の長さLが、接続部22dの外径φよりも小さくなるように形成されている。このため、接続部22dをアーム部材10の円筒内に挿入する際、鋳ばり22cの影響を受けることなく、接続部22dをアーム部材10内に挿入することができる。これにより、接続部22dに鋳ばり22cが生じている場合であっても、同鋳ばり22cを接続部22dから除去するための加工作業が不要となり、効率良くスタビライザーリンクSLを製作することができる。
また、プレス加工により、アーム部材10の内周面を平面状に形成された逃げ部22e,22fの形状に沿って塑性変形させている。これにより、アーム部材10に接続されたボールジョイント20における軸線回りの結合強度が向上し、アーム部材10に対するボールジョイント20の回転変位が防止される。
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
上記実施形態においては、ボールジョイント20の軸受部材22を鋳造により成型したが、成型品の表面にばりが生じる成型法であれば、すなわち、型を用いた製造方法であれば、これに限定されるものではない。例えば、ダイカストや鍛造により軸受部材22を成型するようにしてもよい。これによっても、上記実施形態と同様の効果が期待できる。
また、上記実施形態においては、鋳造による鋳型の合せ面に起因して接続部22dの表面に生じる鋳ばり22cに対応して逃げ部22e,22fを形成したが、逃げ部を形成する位置は、これに限定されるものではない。例えば、鋳型における湯口部分が接続部22dに繋がっている場合においては、同湯口部分が繋がっている接続部22dの表面に逃げ部を形成してもよい。すなわち、鋳型における湯口部分が接続部22dに繋がっている場合、鋳造後の接続部22dには湯口部分に対応する不要な鋳物が繋がって形成される。したがって、このような不要部分を接続部22dから除去する必要があるが、不要部分の一部が接続部22dの表面に凸状に残存する場合がある。このため、湯口部分が繋がっている接続部22dの表面に逃げ部を形成しておけば、逃げ部上に不要部分の一部が残存した場合であっても上記実施形態と同様に、残存部分の影響を受けることなく、接続部22dをアーム部材10内に挿入することができる。なお、湯口部分に逃げ部を設ける場合には、同湯口に対応する1つの逃げ部を設ければよい。また、湯口以外の不要部分、例えば、湯上がり、押し湯口、ガス抜き孔などの各種湯道にも同様に適用することができる。
また、上記実施形態においては、接続部22dの外周面の形状を蛇腹状に形成したが、これに限定されるものでない。上記実施形態においては、アーム部材10に接続されるボールジョイント20の軸線方向に対する結合強度を向上させるために、接続部22dの外周面を蛇腹状に形成した。したがって、ボールジョイント20の軸線方向に対する結合強度に着目しなければ、接続部22dの外周面の形状を蛇腹以外の形状、例えば、単純な円柱状に形成しても、上記実施形態と同様な効果が期待できる。
また、上記実施形態においては、アーム部材10に接続されたボールジョイント20における軸線回りの結合強度を向上させるために、逃げ部22e,22fに対抗する方向からアーム部材10の外周面を押圧するプレス加工を行った。しかし、ボールジョイント20における軸線回りの結合強度に着目しなければ、アーム部材10の外周面を押圧する方向は、上記実施形態とは異なる方向、例えば、上記実施形態における押圧方向に直交する方向からアーム部材10の外周面を押圧してもよい。これによっても、上記実施形態と同様の効果が期待できる。
また、上記実施形態においては、プレス型40,50におけるカシメ凸部43,53の形状を円弧状に形成した。しかし、図6に示すように、これらのカシメ凸部43,53の形状の一部を逃げ部22e,22fの形状に対応する形状、すなわち、平面状に形成することもできる。これによれば、アーム部材10の外周面をプレス加工することにより、アーム部材10の内周面が逃げ部22e,22fに更に密着した状態で塑性変形する。この結果、アーム部材10に接続されたボールジョイント20における軸線回りの結合強度を更に向上させることができる。
また、上記実施形態においては、接続部22dに平面状の逃げ部22e,22fを形成した。しかし、逃げ部22e,22fの形状は、接続部22d上に生じる鋳ばり22cが接続部22dをアーム部10の円筒内に挿入する障害とならない形状であれば、これに限定されるものではない。すなわち、接続部22d上に生じる鋳ばり22cに沿って凹んだ形状であればよく、例えば、図7に示すように、逃げ部22e,22fの形状を球面状に凹んだ形状に形成してもよい。これによっても、上記実施形態と同様の効果が期待できる。なお、この場合、上記変形例のように、プレス型40,50におけるカシメ凸部43,53の形状を逃げ部22e,22fの形状に対応する形状にするとよい。これによれば、アーム部材10の内周面が逃げ部22e,22fに密着した状態で塑性変形され、上記変形例より更に、アーム部材10に接続されたボールジョイント20における軸線回りの結合強度を向上させることができる。
また、上記実施形態においては、接続部22d上に形成される逃げ部22e,22fを、鋳ばり22cの各先端部間の長さLが、接続部22dの外径φよりも小さくなるように形成した。これは、接続部22dをアーム部材10の円筒内に挿入する際、鋳ばり22cの影響を受けることなく、接続部22dをアーム部材10内に挿入するためである。しかし、一般的に鋳造される製品が小さいほど鋳造により生じる鋳ばりも小さく薄い。したがって、必ずしも鋳ばり22cの各先端部間の長さLが接続部22dの外径φよりも小さくなるように、逃げ部22e,22fを形成する必要はない。すなわち、逃げ部22e,22fは、鋳ばり22cの影響を受けることなく、接続部22dをアーム部材10内に挿入できる程度に形成すればよい。
例えば、鋳ばり22cの各先端部間の長さLがアーム部材10の内径φよりも小さければ、上記実施形態と同様に鋳ばり22cの影響を受けることなく、接続部22dをアーム部材10内に挿入することができる。また、鋳ばり22cの各先端部間の長さLがアーム部材10の内径φよりも若干大きくなるように逃げ部22e,22fを形成することもできる。この場合、接続部22dに生じた鋳ばり22cの一部をアーム部材10の挿入口で破壊しながら接続部22dをアーム部材10の円筒内に挿入することになる。
また、上記実施形態においては、アーム部材10とボールジョイント20,30とをプレス加工により接続したが、アーム部材10とボールジョイント20,30とを接続できる接続方法であれば、これに限定されるものではない。例えば、アーム部材10とボールジョイント20,30とを溶接により接続するようにしてもよい。これによっても、アーム部材10とボールジョイント20,30とを接続することができる。
また、上記実施形態においては、軸受部材22をアルミニウム合金により構成したが、型を用いた製造方法、例えば、鋳造、鍛造等により成型できれば他の材料、例えば、鉄鋼材、ステンレス材、樹脂材などであってもよい。これによっても、上記実施形態と同様の効果が期待できる。
また、上記実施形態においては、スタビライザーリンクSLにおけるアーム部材10とボールジョイント20,30の接続について本発明を適用したが、これに限定されるものではない。本発明は、型を用いた鋳造または鍛造等により成型された軸を円筒内に挿入して固定する接続方法に広く適用できるものである。例えば、自動車のサスペンション機構に用いられるサスペンションアームや、ステアリング機構に用いられるタイロッドエンド、ラックエンド、これらに用いられるインナーボールジョイントなどにも適用することができる。また、自動車以外の分野、例えば、各種ロボットを構成する各種部品や、プラモデル等の玩具を構成する各種部品にも適用することができる。さらに、同接続方法により接続された複合部材、および同複合部材の製造方法の発明としても広く適用できるものである。
本発明の一実施形態に係る接続方法を用いて製作されたスタビライザーリンクの全体を示す正面図である。 (A)は図1のスタビライザーリンクのボールジョイントを示す平面図であり、(B)は同ボールジョイントを示す一部破断正面図である。 (A)は図1のスタビライザーリンクの軸受部材を示す平面図であり、(B)は同軸受部材を示す正面図であり、(C)は同軸受部材を示す右側面図である。 (A),(B)は、アーム部材にボールジョイントを挿入してアーム部材とボールジョイントとをプレス加工する状態を示す説明図であり、(A)は一部破断平面図であり、(B)は一部破断正面図である。 (A)〜(C)は、アーム部材とボールジョイントとをプレス加工した状態を示す説明図であり、(A)は一部破断平面図であり、(B)は正面図であり、(C)は(A)に示すA−A断面図である。 本発明の変形例であって、2つのプレス型を用いてアーム部材と軸受部材とをプレスする状態を示す断面図である。 本発明の他の変形例であって、2つのプレス型を用いてアーム部材と軸受部材とをプレスする状態を示す断面図である。
符号の説明
SL…スタビライザーリンク、10…アーム部材、20,30…ボールジョイント、21…ボールスタッド、22…軸受部材、22a…ソケット部、22b…軸部、22c…鋳ばり、22d…接続部、22e,22f…逃げ部、23…ベアリングシート、24…プラグ、25…ダストカバー、40,50…プレス型、41,51…プレス面、42,52…外周プレス面、43,53…カシメ凸部。

Claims (11)

  1. 第1の部材に形成された円筒状の筒部内に、型を用いた鋳造または鍛造により成型した第2の部材に軸状に形成された軸部を挿入して、前記第1の部材と前記第2の部材とを接続する部材接続方法において、
    前記第2の部材における前記軸部の表面であって、前記鋳造または鍛造によってばりが生じる部分に、同ばりに沿って凹んだ形状の逃げ部を形成しておき、
    前記軸部が挿入された前記筒部を前記逃げ部の形状に対応する形状に形成したプレス型によるプレス加工を用いて塑性変形させることにより、前記第1の部材と前記第2の部材とを接続することを特徴とする部材接続方法。
  2. 請求項1に記載した部材接続方法において、
    前記逃げ部を、平面状に形成した部材接続方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載した部材接続方法において、
    前記鋳造または鍛造に用いられる前記型は、2つ以上の型から構成され、
    前記2つ以上の型を互いに組み合わせた境界部分に対応する前記軸部の表面に、前記逃げ部を形成した部材接続方法。
  4. 請求項1または請求項2に記載した部材接続方法において、
    前記鋳造における湯口部分に対応する前記軸部の表面に、前記逃げ部を形成した部材接続方法。
  5. 請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載した部材接続方法において、
    前記軸部に形成された前記逃げ部に対応する前記筒部表面を押圧して前記プレス加工を行う部材接続方法。
  6. 第1の部材に形成された円筒状の筒部内に、型を用いた鋳造または鍛造により成型した第2の部材に軸状に形成された軸部を挿入して、前記第1の部材と前記第2の部材とを接続した複合部材において、
    前記第2の部材における前記軸部の表面であって、前記鋳造または鍛造によってばりが生じる部分に、同ばりに沿って凹んだ形状の逃げ部形成されており、
    前記軸部が挿入された前記筒部を前記逃げ部の形状に対応する形状に形成したプレス型によるプレス加工を用いて塑性変形させることにより、前記第1の部材と前記第2の部材とを接続することを特徴とする複合部材。
  7. 請求項に記載した複合部材において、
    前記逃げ部を、平面状に形成した複合部材。
  8. 請求項または請求項に記載した複合部材において、
    前記鋳造または鍛造に用いられる前記型は、2つ以上の型から構成され、
    前記2つ以上の型を互いに組み合わせた境界部分に対応する前記軸部の表面に、前記逃げ部を形成した複合部材。
  9. 請求項または請求項に記載した複合部材において、
    前記鋳造における湯口部分に対応する前記軸部の表面に、前記逃げ部を形成した複合部材。
  10. 請求項6ないし請求項9のうちのいずれか1つに記載した複合部材において、
    前記軸部に形成された前記逃げ部に対応する前記筒部表面を押圧して前記プレス加工を行う複合部材
  11. 第1の部材に形成された円筒状の筒部内に、型を用いた鋳造または鍛造により成型した第2の部材に軸状に形成された軸部を挿入して、前記第1の部材と前記第2の部材とを接続した複合部材の製造方法において、
    前記第2の部材における前記軸部の表面であって、前記鋳造または鍛造によってばりが生じる部分に、同ばりに沿って凹んだ形状の逃げ部を形成しておき、
    前記軸部が挿入された前記筒部を前記逃げ部の形状に対応する形状に形成したプレス型によるプレス加工を用いて塑性変形させることにより、前記第1の部材と前記第2の部材とを接続することを特徴とする複合部材の製造方法。

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