JP5071904B2 - 電磁結合給電可変アンテナ - Google Patents

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Description

この発明は、周波数特性あるいは指向性の異なる複数のアンテナを電気的に切換えることでアンテナ自体を交換することなく、複数の周波数帯あるいは複数の指向性を選択することができる電磁結合給電可変アンテナに関している。
通信の発展に伴い様々な通信サービスが出現している。その傾向は今後ますます加速し、それを実現するため様々な機能が端末に要求されると考えられる。
そのような様々な機能を実現可能とするアンテナ技術として、例えば可変指向性がある。これによって、方向推定やSDMA(空間分割多元接続)等が実現可能となる。
また、小型、軽量、低コスト、低消費電力等の特徴を備えた可変指向性アンテナとして、バラクタを用いるエスパアンテナが研究、開発されている。このエスパアンテナは図22に示すような構造を有し、バラクタを無給電素子に装荷し、そのリアクタンス値によって、ビームを制御するものである。その高周波信号給電系には直接可変デバイスが装荷されないので給電構造が簡単になる。また、ビームは空間結合により合成されるため、回路損失が少なく、高ダイナミックレンジが得られる。
しかし、現状では約10dBiを越えるような高利得なアンテナは実現されていない。高利得化には、例えばアレー素子数の増加が必要である。
そこで、特許文献7(特願2007−262094)では図23に示すように、複数の八木宇田アンテナを放射器を共通にして向きを変えて配置し、ビームを形成しようとする八木宇田アンテナ以外の導波器と反射器を電気的に透明化することによりビームを切換えるアンテナが提案されている。この場合、エスパアンテナと異なり、各ダイポール素子は導波器、反射器の役割が明確になっている。それぞれの素子寸法は各素子の配置位置によって異なる。
また、ビームの切換えは、リアクタンス値による連続制御でも、スイッチによる切換えでも、行うことができる。単体の八木宇田アンテナでは素子数を増やすことによる高利得化が可能であるので、それを複数重ね合わせればその高利得を実現できる。また、それに用いる八木宇田アンテナの数を増やせば、セクタビームの方向を細かい角度間隔で設定することができるようになる。また、八木宇田アンテナ単体を広帯域に設計すれば、セクタアンテナも広帯域にすることができる。すなわち、素子数が多くなっても、八木宇田アンテナ単体を所望の特性を満たすように設計すれば良い。つまり、アンテナ設計が容易と言う利点が有る。しかし、アンテナが立体構造であるため、機械的安定度、量産性、小型化に難点が有る。
本発明の電磁結合給電可変アンテナは、複数のサブアレーアンテナを配置したアンテナであるが、例えば、複数の周波数帯をカバーできることからマルチバンドアンテナに、また、複数の指向性を提供できることからセクタアンテナに、適用することができるので、以下により詳しく説明する。
<マルチバンドアンテナ>
携帯電話などの小型無線装置では、複数のバンドの電波を送受信するためのマルチバンドアンテナが用いられる。携帯電話には、携帯に便利なサイズに上限があるにもかかわらず、GPS受信器、テレビ受像機、カメラ等の機能が追加され、また液晶画面が大型化されるなど、多様化や小形化が求められ、また搭載されるアンテナも、より一層の小型化、省スペース化が求められている。さらに、ヨーロッパ・アジア・アメリカ等の各地で使用できるマルチバンド対応の携帯電話が求められているため、アンテナ内蔵式の携帯電話を実現できるマルチバンドアンテナの実現が待たれている。
マルチバンドアンテナとしては、例えば、UWB帯で使われるOFDM方式通信用の連続した複数バンドに渡る周波数帯用のものと、上記した複数国で使用できる携帯電話の様に、離間した複数の周波数帯で使用できるものと、がある。本発明は、後者に係わるものであり、例えば次のようなマルチバンドアンテナが開示されている。
特許文献1(特開2004−172912号公報)に逆F型の小型のマルチバンドアンテナが開示されている。また、特許文献2(特開平9−199939号公報)に複数の小形のチップアンテナで構成したマルチバンドアンテナが開示されている。また、特許文献3(特開2004−194331号公報)に、並列にガルバーニ電気接続した少なくとも2つの放射子、及び接地面を有するキャリヤーを備えるマルチバンドアンテナが開示されている。また、特許文献4(特開2005−94078号公報)に、マルチバンドに対応した平板状アンテナが開示されている。
しかし、これらの特許文献1から4に記載されたマルチバンドアンテナは、アンテナを電気的に切換えることによってマルチバンド化したものではない点において、本発明とは相異している。
<セクタアンテナ>
移動体通信においては、無線通信領域をそれぞれが小さい領域であるセルに分割して各セルに基地局を設置したり、基地局からみた角度で各セルを複数のセクタにさらに分割したりして、周波数資源の有効利用が図られている。セクタアンテナは、後者の方式において用いられるものである。隣接領域との干渉なしにセクタ数を増やすために、あるいは、マルチパスフェージングなどの影響を抑制するために、指向性の高いセクタアンテナが求められている。
セクタアンテナとして、(1)全体では放射状の指向性をもつ多数のアンテナからひとつを選択して用いるものや、(2)能動素子や受動素子を多数配置して、それぞれの放射特性の合成としてのアンテナ特性をもつアレーアンテナ、などが知られている。
例えば、特許文献5(特開2001−127540号公報)には、屋内無線通信に用いられる水平面内の全周を複数の指向性ビームで網羅するセクタアンテナに関し、アンテナ装置の直径を小さく構成することの可能な棒状セクタアンテナの実現を目的とするアンテナ装置が開示されている。これは、水平面内の全周を複数の指向性ビームで網羅するように構成されたセクタアンテナであって、給電素子を具備すると共に、該給電素子を中心とする円周上に少なくとも2本以上の棒状導体を配置し、該棒状導体は、それぞれ、少なくとも2個の長さの異なる短い棒状導体をスイッチング素子を介して連接して1本の棒状導体とした構造であって、前記スイッチング素子を駆動するための制御部への接続手段を有し、制御部が任意の前記スイッチング素子を駆動して当該スイッチング素子を開閉する手段を設けることにより構成するものである。
また、特許文献6(特開2001−24431号公報)には、従来技術に比較して構成が簡単であって製造コストを大幅に軽減でき、しかも指向特性の制御が容易であることを目的とするアレーアンテナ装置が開示されている。このアレーアンテナ装置においては、無線信号が給電される放射素子と、放射素子から所定の間隔だけ離れて設けられ、無線信号が給電されない少なくとも1個の非励振素子とを備えて構成され、非励振素子に可変リアクタンス素子が接続される。ここで、可変リアクタンス素子のリアクタンス値を変化させることにより、アレーアンテナ装置の指向特性を変化させる。このアレーアンテナ装置においては、無給電可変リアクタンス素子AA1乃至AA6が導波器又は反射器として有効に機能する旨記載されている。
上記のアンテナ装置は、給電素子あるいは放射素子を中心とする1つの円周上に、複数の非給電素子を配置したものである。したがって、上記のアンテナ装置で八木宇田アンテナと等価になるように構成する場合、利用できる反射器と導波器はそれぞれ最大1つずつである。これに対して、図23のような構成では、導波器の数を増やせるので、高利得化が可能である。
本発明の電磁結合給電可変アンテナは、図9に示す立体的アンテナであるか、図10のように各サブアレーアンテナを平面状に配置したアンテナである。平面形状になるように,複数の八木宇田アンテナをアンテナ面の高さと向きを変えて配置した場合に問題になるのは、図23のように給電素子である放射器を共通にできない点である。
本発明では、八木宇田アンテナをサブアレーアンテナに用いた場合、図9あるいは図10に示すように放射器を各サブアレーアンテナごとに別々に設置する。この場合、各放射器は近接して設置されることになる。したがって、スイッチで給電する放射器を切換えても、相互結合によって、直接給電しない放射器が給電されることが起こる。
そこで、各放射器にインダクタを装荷し、その値の適切な切換えを行い、給電を行わない素子は電気的透明化を図る。この制御を、放射器の切換えにも利用する。すなわち、図7に示すように、電磁結合により各放射器を励振できる状態にしておく。また、各放射器では、そのインダクタンス値を切換えて、その放射器が短絡状態になる/適切な値のインダクタンス装荷状態になる、を切換えるスイッチをさらに装荷する。ビームを形成しようとする素子は短絡状態にし、それ以外はインダクタンス装荷状態に切換え電気的に透明な状態にする。ここで、電気的に透明な状態とは、アンテナとして動作しないだけでなく、他のアンテナの動作に電気的影響をほとんど与えない状態を意味する。つまりは、提案アンテナは導波器、反射器だけでなく、放射器を電気的透明化することによって、励振する八木宇田アンテナを切換えるものである。
給電は図12のように、それ自身からは放射の無い小型の給電電極を用いる。それぞれの放射器どうしは、それぞれの導波器や反射器に比べて、非常に接近している。また、各放射器は非並行に配置することになるので、平衡電流が流れるため、完全に電気的に透明化することは難しいと考えられる。また、電磁結合用給電電極と各放射器との間隔hや相対角度βを全て同じにできないので、対称にビームを制御できない場合もある。
しかし、本発明では、八木宇田アンテナを別々に離して配置した場合より、専有面積を小さくすることが可能であり、また、給電素子までの配線長を短くできるので給電回路損失を小さくできる。
特開2004−172912号公報 特開平9−199939号公報 特開2004−194331号公報 特開2005−94078号公報 特開2001−127540号公報 特開2001−24431号公報 特願2007−262094号
周波数特性あるいは指向性を容易に変更可能であるアンテナを提供する。
本発明の電磁結合給電可変アンテナを用いることによって、周波数帯や指向特性を容易に変更できるようになるので、移動体無線通信におけるマルチパスフェージングや混信による通信品質の悪化を容易に抑制することができる。
本発明を概観すると、異なる周波数特性あるいは指向特性を有する複数のアンテナを並べ、所望の特性以外のアンテナは用いる周波数帯における透明化を図ることにより、電気的にアンテナ特性を可変にするものである。電気的に透明な状態に切り換える機構は、各アンテナに設ける。また、複数のアンテナを電磁結合で給電するための、共通の給電電極を備える。電気的化により、給電しようとしないアンテナに給電しないだけでなく、給電したアンテナの特性に影響を与えないようにするする。
本発明の電磁結合給電可変アンテナは、少なくとも1つのアンテナ素子を含むサブアレーアンテナを複数配置したアンテナである。上記アンテナ素子の少なくとも1つは、予め決められた周波数の電波に対して、有効になる状態と透明になる状態とを切換えるアンテナ機能切換え手段を備えた切換え手段付アンテナ素子である。また、少なくとも1つの上記サブアレーアンテナに備えられた上記切換え手段付アンテナ素子の1つに、電磁結合によって給電する共通の給電電極を備える。さらに、複数の上記サブアレーアンテナから1つを選択して、選択された上記サブアレーアンテナは上記周波数の電波に対して有効である状態にし、他の上記サブアレーアンテナは上記周波数の電波に対して透明である状態にする制御器を備える。また、上記給電電極の共振周波数は、上記の周波数とは異なるようにしておく事で、上記給電電極のアンテナ特性への擾乱を防止する。
上記アンテナ機能切換え手段は、サブアレーアンテナを構成するアンテナ素子のリアクタンスを変更する可変リアクタで実現することができる。
すべての上記のアンテナ素子の長手方向は、同一平面に沿って配置する平面状の電磁結合給電可変アンテナである。
上記給電電極は、上記サブアレーアンテナを構成する給電アンテナ素子の近傍に設けた平面導電体で実現することができる。
また、例えば、上記サブアレーアンテナは面状八木宇田アンテナである。
この場合は、導波器、反射器、および放射器にアンテナ機能切換え手段を設け、さらに、前記放射器に近接する位置に給電電極対を設け、上記給電電極対のそれぞれにあらかじめ決められた位相差の信号対を印加する。
上記アンテナ機能切換え手段は、例えば、上記切換え手段付アンテナ素子のリアクタンスを変更する可変リアクタである。
また、上記給電電極は、例えば、上記切換え手段付アンテナ素子の近傍に設けた平面導電体である。
また、上記給電電極は、円弧状の1対の平面導電体であってもよい。
平面状の電磁結合給電可変アンテナは、多層基板上の導体で構成することができる。
また、上記給電電極を、上記多層基板の表面側と裏面側の両方に設けて、同電位の電極とすることによって、給電電極と上記切換え手段付アンテナ素子との電磁結合のばらつきを抑制することができる。
以下に、この発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の説明においては、同じ機能あるいは類似の機能をもった装置に、特別な理由がない場合には、同じ符号を用いるものとする。
図1は、八木宇田アンテナをサブアレーアンテナに用いて、指向性を選択できる電磁結合給電可変アンテナを構成した例を示す。導波器2あるいは反射器3に設けられた可変デバイス1は、用いる周波数帯が比較的狭い場合に、省略することも可能である。図2は、それらを省略し、多層基板を用いて構成した層ごとのパターン例を示す。この場合、図1の構成は、図2(a)から(e)までのパターンを用いて、それぞれのサブアレーアンテナを、放射器の中心が概略共通の点上になるように重ねて構成することができる。ここで、放射器は、それぞれの層で形成することができることは当然であるが、図2(c)に示す様に、まとめて形成することもできる。また、給電電極8は、例えば、(b)あるいは(d)の層に形成する。
また、給電のし易さを考えると、給電電極8は、最も外側にある方が都合がよい。この場合は、例えば、図2(c)のパターンの裏面に給電電極8を設け、その上に、その他のパターンを順に積層するようにする。
また、図1に示す様に、それぞれの導波器、反射器および放射器にはスイッチあるいは調整器でインピーダンスを変えることができる可変デバイスを装荷し、所望指向方向(ただし整合周波数)以外の素子を電気的に透明化することによりビーム方向を切換える。この場合も、可変デバイスを例えば図5あるいは図6に示す可変リアクタで構成することができる。
放射器については、その構成例を図3に示す。例えば、図1(a)のサブアレーアンテナの放射器は、可変デバイス9を点対称中心とする両側の1対の棒状の導体であり、他のサブアレーアンテナについても同様である。また、図3(2)に示す様に、この1対の棒状の導体に近接して、可変デバイス9に対称となるように1対の給電電極8を設けている。この1対の給電電極8には、送信時には、逆相の信号を印加する。また、受信時には、逆相の信号出力が得られる。
その他の放射器への給電についても、図3(2)に示す様に、図1(a)のサブアレーアンテナの放射器と共通の給電電極になるように、それぞれの1対の棒状の導体に容量性または誘導性結合を示す程度に近接するようにして、給電電極8としている。この給電電極8は、給電部自体は波長に比べ短くし、素子自体では共振しないようにする。つまり、給電電極8は、放射素子として機能しないようにする。
図1(a)から(e)までのサブアレーアンテナからいずれかを選択する際に、上記の様に、導波器あるいは反射器に設けた可変デバイスを用いるが、放射器についても同様に可変デバイスを用いて選択する。つまり、図4は、可変デバイス9の内部構成を示す図であるが、上記の1対の棒状の導体を可変リアクタを介して高周波的に接続することで選択する構成になっている。例えば、(a)の放射器に対応する可変リアクタはZaである。この可変リアクタとしては、例えば図5に示すような可変リアクタ、あるいは図6に示すようなスイッチを用いることができる。
図7に、サブアレーアンテナに用いる八木宇田アンテナの例を示す。また、具体的なサイズ例を図8に示す。この例では、導波器と反射器との間隔は、放射器の長さよりも長い。この様に、放射器と導波器や反射器との重なりが無い構成が可能であることが分かる。
次に、ビーム切換え動作について、計算機シミュレーションの結果をもとに説明する。本発明は、上記の様に平板構造である。この場合、実際には放射器は誘電体に設置されることになるが、簡単のため、自由空間に平面形状の八木宇田アンテナが配置されるモデルで、モーメント法(IE3D)を用いてシミュレーションを行なった。
その際、電磁結合給電可変アンテナは、図10(a)の平面図と図10(b)の断面図をもつものであり、それぞれの八木宇田アンテナ単体は、6素子アレー構造とし、そのサイズを図14(a)に示すものとする。Lはダイポール長、Wはダイポールの太さ、Rは放射器からの距離を表す。また、4つの八木宇田アンテナを22.5°の角度間隔で配置し、4セクタで90°の角度をカバーできる構成とした。構造上の対称性を得るため、高さの中央(まる3)に給電電極を配置する。中央よりの2セクタの八木宇田アンテナは素子の重なりが強く相互結合が強いと考えられるため、高さ方向には一番上(まる1)と一番下(まる5)に配置する。図12に示すように、給電電極は、自身からの放射が無いように、約4分の1波長以下の寸法とした。ここで、まる1からまる5は、層の高さ方向の順位である。
計算は、6GHzで行った。また、単体の入力インピーダンスZinは、24.34−j58.89Ωであり、50Ωに整合はとれていない。得られた、単体の絶対利得指向性Ga(90,φ)を図15に示す。この構造で、高い指向性利得Gd(12.65dBi)が得られる。
電磁結合給電の影響を示すために、1つの八木宇田アンテナに対して電磁結合給電した場合の入力インピーダンス、Rin+jXinおよび指向性利得Gd、とE面の動作利得指向性、Gw(90,φ)を、それぞれ図14(b)と図16に示す。(1)八木宇田アンテナの向きに対する給電電極の回転角度βと(2)放射電極と給電電極との間隔hとをパラメータとしている。
これらの結果から、電磁結合によっても、直接給電する場合とほぼ同じ指向性が得られている事が分かる。例えば、上記回転角βが大きくなると、指向性が崩れ、指向性利得も劣化する。しかし、β=33.75°でも11dBi以上の指向性利得が得られる。また、間隔hが0.016波長以下のとき、間隔hに対する指向性の依存性は大きくないことが分かる。整合の間隔hに対する依存性も大きくはないが、間隔が大きくなるほど整合が劣化し、動作利得が下がる傾向にある。
ここで、各放射器を電気的に透明化するのに適したインダクタンス値を図17に示す。これは、6GHzにおいて指向性への影響が最小となる値として計算で求めたものである。
次に指向性の切換えについて説明する。図11に示すパターン番号を用いて、図10(a)、図11に示すように、八木宇田アンテナを22.5°間隔で、上から%3、%1、%5、%4、%2のパターンの順序になるように重ね、1つ以外の八木宇田アンテナを構成するアンテナ素子を全て電気的に透明化した場合について記す。
まず、インダクタを与えた場合と、代わりに開放した場合の、E面動作利得指向性Gw(90,φ)(指向性利得−導体損−不整合損)を図18に、指向性利得Gdの値と整合特性を図19に示す。図18あるいは図19から、インダクタ装荷するあるいは開放する八木宇田アンテナを切換えることにより、ビーム方向を切換えられることが分かる。
また、
(1)切換えに開閉スイッチのみを用いた場合は、指向性利得が約8dBiに止まり、整合もとれないことが分かる。
(2)一方、切換えにインダクタ装荷を用いた場合は、指向性利得Gdが12dBiを越え、単体状態の12.65dBiと同等のビームが形成されていることが分かる。
このことから、インダクタンス装荷により、他の導波器、反射器のみならず放射器による電気的影響を抑えられることが分かる。また、給電電極近傍の放射器も電気的透明化できることが確認できる。整合もvswr(Voltage Standing Wave Ratio:定在波比、ここでは50Ωに対するもの)が2以下となり、単体の場合のvswr=2.39より良い整合が得られている。これにより、−45°〜45°の角度範囲で10.7dBi以上の動作利でカバーすることが可能である事が分かる。
本発明の電磁結合給電可変アンテナは、サブアレーアンテナとなる八木宇田アンテナの重ね順依存性を持つので、次に、これについて説明する。
上記では、上から%3、%1、給電電極、%4、%2のパターンの順序になるように重ね合わせた。この配置法は、%2と%3の間隔を広く取ると同時に、%2と%1および%3と%4の間隔も広く取るものである。その効果を見るため,%1と%4を交換し、上から%3、%4、%5、%1、%2のパターンの順序になるように重ね合わせた場合の特性を調べた。1つの八木宇田アンテナ以外の八木宇田アンテナに図17のインダクタを与えた場合のE面動作利得指向性Gw(90,φ)を図20に、指向性利得Gdの値と整合特性を図21に示す。
指向性利得とパターンは、比較対象である、上から%3、%1、%5、%4、%2のパターンの順序の場合とほとんど同じであるが、整合特性が劣化することが分かる。その結果は、なるべく高利得になるようにアンテナ切換えを行なうとしても、90°の角度範囲内で任意の方向に注目すると、動作利得の最低値は、上記比較対象の10.7dBiから、9.2dBiに低下してしまう。以上のことから、向きの近い放射器どうしはなるべく引き離すようにすることが望ましく、また、八木宇田アンテナの重ねる順序は重要であることが分かる。
上記の例では、給電電極は、上記の多層基板の表面あるいは裏面の一方に設ける例であるが、図13に示す様に、給電電極8a、8bを多層基板の表面および裏面の両方に設けてもよい。これによって、放射器と給電電極との距離が変わっても、その電磁結合が不均一になることを抑制することができる。
本発明を適用し、サブアレーアンテナとして八木宇田アンテナを用いたセクタアンテナを構成した場合について、それぞれの方向毎に異なる周波数特性や異なる指向性を持った八木宇田アンテナを用いたセクタアンテナを実現する旨説明したが、部分的にあるいは全て同じ周波数特性や同じ指向性をもった八木宇田アンテナを用いてセクタアンテナを構成してもよい。
外周の導波器は間隔が離れる上、向きが指向性の弱い軸方向を向くため、相互結合が弱い。そこで、外周の導波器は、可変デバイスの装荷を省略し、固定の短絡状態としてもよい。
以上の説明で、サブアレーアンテナとした構成単位のアンテナは、多素子で無く1素子であってもよい。すなわち、サブアレーアンテナはアレー構造でなく、例えばダイポールアンテナでもよい。また、全てのサブアレーアンテナが同じ構造である場合に限る必要は無く、それぞれ異なったものでもよいことは明らかである。
サブアレーアンテナに宇田八木アンテナ型を用いた電磁結合給電可変アンテナの例を示す図である。 宇田八木アンテナ型を用いた電磁結合給電可変アンテナを多層基板を用いて構成する場合の各層のパターン例を示す図である。 電磁結合給電可変アンテナの放射器の詳細を示す図である。 電磁結合給電可変アンテナの放射器に用いる可変デバイスの構成例を示す図である。 可変リアクタの例を示す図である。 可変リアクタの例を示す図である。 サブアレーアンテナに用いる八木宇田アンテナの例を示す図である。 サブアレーアンテナに用いる八木宇田アンテナの、具体的なサイズ例を示す図である。 本発明の立体的な電磁結合給電可変アンテナ例を示す図である。 シミュレーションに用いた電磁結合給電可変アンテナの、(a)平面図と(b)断面図を示す。 シミュレーションに用いた電磁結合給電可変アンテナの、多層構造のそれぞれのパターンを示す図である。 給電電極を示す図である。 給電電極を多層基板の表面および裏面の両方に設ける例を示す図である。 それぞれの八木宇田アンテナ単体は、6素子アレー構造とし、そのサイズを(a)に示し、(b)に1つの八木宇田アンテナに対して電磁結合給電した場合の入力インピーダンス、Rin+jXinと指向性利得Gd、を示す図である。 図12の八木宇田アンテナ単体の絶対利得指向性Ga(90,φ)を示す図である。 1つの八木宇田アンテナに対して電磁結合給電した場合のE面の動作利得指向性、Gw(90,φ)を示す図である。 1つの八木宇田アンテナ以外の八木宇田アンテナに設定するインダクタ例を示す図である。 (a)インダクタを与えた場合と、(b)代わりに開放した場合の、E面動作利得指向性Gw(90,φ)(指向性利得−導体損−不整合損)を示す図である。 (a)インダクタを与えた場合と、(b)代わりに開放した場合の、指向性利得Gdの値と整合特性を示す図である。 1つの八木宇田アンテナ以外に図17のインダクタを与えた場合のE面動作利得指向性Gw(90,φ)を示す図である。 1つの八木宇田アンテナ以外に図17のインダクタを与えた場合の指向性利得Gdの値と整合特性を示す図である。 エスパアンテナの構造を示す図である。 複数の八木宇田アンテナを放射器を共通にして向きを変えて配置し、ビームを形成しようとする八木宇田アンテナ以外の導波器と反射器は電気的に透明化することによりビームを切換えるアンテナを示す図である。
符号の説明
1 可変デバイス
2 導波器
3 反射器
4 放射器
5 可変リアクタ
7 給電電極
8、8a、8b 給電電極
9 可変デバイス
10 絶縁体層

Claims (9)

  1. 少なくとも1つのアンテナ素子を含むサブアレーアンテナを複数配置したアンテナであって
    上記アンテナ素子の少なくとも1つは、予め決められた周波数の電波に対して、有効になる状態と透明になる状態とを切換えるアンテナ機能切換え手段を備えた切換え手段付アンテナ素子であり、
    少なくとも1つの上記サブアレーアンテナに備えられた上記切換え手段付アンテナ素子の1つに、電磁結合によって給電する共通の給電電極と、
    複数の上記サブアレーアンテナから1つを選択して、選択された上記サブアレーアンテナは上記周波数の電波に対して有効である状態にし、他の上記サブアレーアンテナは上記周波数の電波に対して透明である状態にする制御器と、を備え、
    上記給電電極の共振周波数は、上記の周波数とは異なる事を特徴とする電磁結合給電可変アンテナ。
  2. すべての上記のアンテナ素子の長手方向は、同一平面に沿って配置されたものであることを特徴とする請求項1に記載の電磁結合給電可変アンテナ。
  3. 上記サブアレーアンテナは、八木宇田アンテナであることを特徴とする請求項1あるいは2のいずれかに記載の電磁結合給電可変アンテナ。
  4. 上記八木宇田アンテナの導波器、放射器、および反射器にアンテナ機能切換え手段を設け、
    さらに放射器に近接する位置に給電電極対を設け、上記給電電極対のそれぞれにあらかじめ決められた位相差の信号対を印加する事を特徴とする請求項3に記載の電磁結合給電可変アンテナ。
  5. 上記アンテナ機能切換え手段は、上記切換え手段付アンテナ素子のリアクタンスを変更する可変リアクタである事を特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の電磁結合給電可変アンテナ。
  6. 上記給電電極は、上記切換え手段付アンテナ素子の近傍に設けた平面導電体である事を特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の電磁結合給電可変アンテナ。
  7. 上記給電電極は、円弧状の1対の平面導電体である事を特徴とする請求項6に記載の電磁結合給電可変アンテナ。
  8. 多層基板上の導体で構成したことを特徴とする請求項7に記載の電磁結合給電可変アンテナ。
  9. 上記給電電極は、上記多層基板の表面側と裏面側の両方に同電位の電極を設けたものであることを特徴とする請求項8に記載の電磁結合給電可変アンテナ。
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