JP5071313B2 - 車両用指示計器 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用指示計器に関する。
従来、零値を基準として設定される車両状態値を回転位置に応じて指示する指針について、ステップモータにより回転駆動するようにした車両用指示計器が知られている。こうした車両用指示計器の一種として特許文献1には、電気角に応じた交流の駆動信号をステップモータの界磁巻線へ印加することにより、指針の回転駆動を実現するものが開示されている。
この特許文献1の車両用指示計器では、車両状態値の零値を指示する零位置に帰零方向への回転により復帰する指針を、当該零位置においてストッパ機構により間接的に停止させている。ここで、指針の帰零方向への回転中は、ステップモータの界磁巻線に誘起電圧が発生する一方、指針が停止したときには、当該界磁巻線に発生の誘起電圧が低下する。そこで、界磁巻線に発生した誘起電圧を検出し、その検出結果が設定電圧以下となった場合には、指針の零位置に対応する電気角の零点にステップモータが到達して指針がストッパ手段により停止したものと判断し、当該零点を更新している。これによれば、ステップモータへの給電開始前において機械的振動等の外乱により指針が零位置から帰零方向の反対方向へずれていても、更新された正確な零点に基づいて駆動信号の制御が可能となるのである。
特開2002−267501号公報
さて、特許文献1の車両用指示計器では、一旦、指針を帰零方向の反対方向へ回転させて振り上げた後、当該指針を帰零方向へ回転させてストッパ手段により停止させるようにしている。これは、停止するまでの指針の回転範囲が狭い場合、指針を駆動するステップモータの回転速度が上昇しないことにより、界磁巻線に発生する誘起電圧が設定電圧を超えなくなることで、電気角の零点が誤って更新されるのを回避するためである。しかしながら、零点の更新精度を高めるために、指針について振上量を十分に大きくして回転範囲を拡げると、零点の更新に要する時間が長くなるため、車両の乗員が誤動作と勘違いする事態を招いて信頼性を低下させるおそれがあった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、信頼性が高い車両用指示計器を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、零値を基準として設定される車両状態値を回転位置に応じて指示し、零値を指示する零位置に帰零方向への回転により復帰する指針と、界磁巻線を有し、電気角に応じた交流の駆動信号が界磁巻線へ印加されることにより指針を回転駆動するステップモータと、帰零方向へ回転する指針を零位置において停止させるためのストッパ手段と、界磁巻線に発生する誘起電圧を検出する検出手段と、検出手段による誘起電圧の検出結果が設定電圧以下となる更新条件が成立した場合に、指針の零位置に対応する電気角の零点を更新する更新手段と、界磁巻線へ印加する駆動信号を更新手段により更新された零点に基づき制御する制御手段であって、帰零方向へ指針を回転駆動するための駆動信号である帰零駆動信号について、指針をストッパ手段により停止させてステップモータを強制脱調させるように制御した後、更新条件が正規に成立する電気角まで帰零駆動信号の制御を継続する制御手段と、を備えることを特徴とする。
以上の発明によると、ステップモータの界磁巻線へ印加される駆動信号のうち帰零方向へ指針を回転駆動するための帰零駆動信号については、まず、零値指示の零位置にて指針を停止させてストッパ手段によりステップモータを強制脱調させるように、制御される。故に、帰零駆動信号の制御開始前において零位置からの指針ずれがない場合には、指針がストッパ手段により停止してステップモータが強制脱調させられる。この強制脱調により指針は零点対応の零位置よりも帰零方向の反対方向へと回転し、脱調前の電気角に対して零点を挟んで360度位相のずれた電気角と見かけ上対応する位置に到達する。故に強制脱調後、ステップモータの界磁巻線に発生する誘起電圧の検出結果が設定電圧以下となる更新条件について、正規に成立する電気角までは帰零駆動信号の制御が継続されることで、指針の停止により誘起電圧が低下する零位置対応の零点を正確に更新できる。このような発明によれば、零点更新に伴う指針の回転範囲を拡げなくても零点更新の精度が高められるので、零点更新に要する時間を短縮して信頼性を高めることが可能となる。
請求項2に記載の発明によると、制御手段は、更新条件が正規に成立する電気角において当該更新条件が成立しない場合に、検出手段による誘起電圧の検出結果が設定電圧以下となるまで帰零駆動信号の制御を延長する。ここで、帰零駆動信号の制御開始前において零位置からの指針ずれが大きい場合には、ステップモータの強制脱調が生じないことに起因して、更新条件の正規成立の電気角まで帰零駆動信号を制御しても、界磁巻線に発生の誘起電圧が設定電圧以下とならない事態が生じ得る。故に、更新条件の正規成立の電気角において当該更新条件が成立しない場合には、誘起電圧の検出結果が設定電圧以下となるまで帰零駆動信号の制御が延長されることで、帰零駆動信号の制御開始前の指針ずれが大きい場合でも更新条件を確実に成立させて、零点を正確に更新できるのである。
請求項3に記載の発明によると、駆動信号の制御により制御手段は、指針の停止に先立って、零位置よりも帰零方向の反対方向へ指針を回転駆動して振り上げる。これによれば、ステップモータの強制脱調が生じないことに起因して、更新条件の正規成立の電気角まで帰零駆動信号を制御しても、界磁巻線に発生の誘起電圧が設定電圧以下とならない場合には、当該電気角までの指針の回転範囲が確保され得る。故に、この場合には、更新条件の正規成立の電気角にて当該更新条件を成立させることなく帰零駆動信号の制御を延長させて、零点を正確に更新することが可能となる。しかも、確保が必要な指針の回転範囲については、更新条件の正規成立の電気角にて当該更新条件を成立させないために最低限必要な範囲あればよいので、指針の振り上げ量を可及的に小さくして見栄えを向上させることも可能となる。
請求項4に記載の発明によると、制制御手段は、零点に対して180度位相ずれした電気角を零点側から跨ぐように帰零駆動信号を制御した後、更新条件が成立する電気角まで帰零駆動信号の制御を継続する。ここでステップモータの強制脱調は、ストッパ手段により指針を零位置に停止させながら、当該零位置対応の零点に対して180度位相ずれした点まで電気角を変化させることで、生じることになる。故に、零点に対して180度位相ずれした電気角を零点側から跨ぐように帰零駆動信号が制御されることによれば、指針がストッパ手段により零位置に停止した状態下、当該180度位相ずれの電気角まで確実に変化させて、零点更新に必要な強制脱調をステップモータに生じさせることができるのである。
請求項5に記載の発明によると、制御手段は、ステップモータの強制脱調後、零点に対して360度位相ずれした電気角まで帰零駆動信号の制御を継続する。ここで、回転位置に対応する電気角が強制脱調により見かけ上360度位相ずれした指針は、当該強制脱調後の帰零駆動信号の制御により電気角が零点から360度位相ずれした点へと変化することで、零位置まで回転することになる。故にこのときには、零位置において指針がストッパ手段により停止させられることで、界磁巻線に発生の誘起電圧が設定電圧以下となる。したがって、ステップモータの強制脱調後、零点に対して360度位相ずれした電気角まで帰零駆動信号の制御が継続されることによれば、誘起電圧の検出結果が設定電圧以下となる更新条件を確実に成立させて、零点を正確に更新できるのである。
請求項6に記載の発明によると、制御手段は、ステップモータの強制脱調後、零点に対して360度位相ずれした点に到達する前の電気角まで帰零駆動信号の制御を継続する。ここでステップモータの強制脱調後、帰零駆動信号の制御により電気角が零点に対して360度位相ずれした点に到達する前であっても、指針を駆動するステップモータの回転速度が上昇しないことにより、界磁巻線に発生の誘起電圧が設定電圧以下となる。そこで、ステップモータの強制脱調後、零点に対して360度位相ずれした点に到達する前の電気角まで帰零駆動信号の制御が継続されることによれば、誘起電圧の検出結果が設定電圧以下となる更新条件を当該到達前に成立させて、零点更新に要する時間を短縮できる。しかも、ステップモータの強制脱調により、脱調前の電気角に対して360度以上位相のずれた電気角と見かけ上対応する位置まで指針が回転したとしても、更新条件を成立させるまでの指針の回転範囲が狭められることにより、意図しないステップモータの脱調を回避できるのである。
請求項7に記載の発明によると、検出手段は、界磁巻線へ印加される駆動信号の電圧が零となる電気角としての検出点において、当該界磁巻線に発生する誘起電圧を検出し、制御手段は、ステップモータの強制脱調後、零点に対して360度位相ずれした点に到達する前の検出点まで帰零駆動信号の制御を継続する。これにより検出点においては、界磁巻線へ印加される駆動信号の電圧が零となるので、当該界磁巻線に発生する誘起電圧の高精度な検出を容易に実現できる。故に、ステップモータの強制脱調後、零点に対して360度位相ずれした点に到達する前の検出点まで帰零駆動信号の制御が継続されることによれば、零点を短時間に、しかも正確に更新できるのである。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する。
(第一実施形態)
図1は、本発明の第一実施形態による車両用指示計器1を示している。車両用指示計器1は、車速計として車両内の運転席前方に設置されている。
図1〜3に示すように車両用指示計器1は、計器板10、指針20、回動内機30、基板40及び制御ユニット50を備えている。
図1,2に示す計器板10は、その表示面10aを運転席側へ向けて配置されており、車両状態値として車速値を表示する車速表示部11を有している。車速表示部11は複数の車速値を、その基準として設定された零値(0km/h)から上限値(180km/h)にかけて、円弧状に表示している。
指針20は、回動内機30の指針軸30bに基端部21側にて連結されており、計器板10の表示面10aに沿って回転可能となっている。これにより、車速表示部11に表示される車速値のうち回転位置に応じた値を指示する指針20は、零値を指示する零位置に帰零方向X(図1参照)への回転によって復帰可能となっている。
回動内機30は、内機本体30a、指針軸30b及びケーシング30cを備えている。内機本体30aは、計器板10に略平行な基板40の背面側に配置されている。内機本体30aは、図4に示す二相式ステップモータM、減速歯車列G及びストッパ機構Sを、ケーシング30cに内蔵してなる。指針軸30bは、基板40の背面に固定されたケーシング30cによって支持されており、基板40及び計器板10を貫通して指針20の基端部21を支持している。したがって、内機本体30aは、ステップモータMの回転に伴う減速歯車列Gの減速回転により、当該減速歯車列Gの出力段歯車34と同軸上の指針軸30b、ひいては指針20を回転駆動可能となっている。
図4,5に示すようにステップモータMは、ステータMs及びマグネットロータMrを組み合わせてなる。ステータMsは、ヨーク31及び二相の界磁巻線32,33を有している。ヨーク31は、ポール状を呈する一対の磁極31a,31bを形成しており、磁極31aにはA相の界磁巻線32が巻装される一方、磁極31bにはB相の界磁巻線33が巻装されている。マグネットロータMrは、減速歯車列Gの回転軸35aに同軸上に固定されている。ヨーク31の各磁極31a,31bの先端面との間に隙間をあけるマグネットロータMrの外周面には、磁極としてのN,S極が周方向に交互に形成されている。
このような構成のステップモータMにおいてA相の界磁巻線32には、図6の如く電気角に対して電圧が余弦関数状に交番する交流のA相駆動信号が、印加される。一方、B相の界磁巻線33には、図6の如く電気角に対して電圧が正弦関数状に交番する交流のB相駆動信号が、印加される。このように互いに位相が90度ずれたA,B各相の駆動信号が界磁巻線32,33に印加されることで、それら各巻線32,33に発生する交流磁束がヨーク31及びマグネットロータMrの磁極間を通過することになる。したがって、マグネットロータMrの回転位置が、電気角に応じたA,B各相の駆動信号の電圧変化に従って変化することになるのである。
図4に示すように減速歯車列Gは、出力段歯車34、入力段歯車35及び中間歯車36,37を有している。出力段歯車34は、指針軸30bに同軸上に連結されている。入力段歯車35は、ケーシング30cに固定された回転軸35aにより同軸上に支持されている。中間歯車36,37は、ケーシング30cに固定された回転軸36aにより同軸上に支持されることで、一体に回転可能となっている。中間歯車36は出力段歯車34と噛合している一方、中間歯車37は入力段歯車35と噛合している。
このような構成により減速歯車列Gは、入力段歯車35に回転軸35aを介して接続されたステップモータMのマグネットロータMrの回転を減速し、出力段歯車34に指針軸30bを介して接続された指針20へと当該減速回転を伝達する。したがって、電気角に応じたA,B各相の駆動信号の変化に従ってマグネットロータMrの回転位置が変化することにより、指針20の回転位置も変化することになる。そして、特に本実施形態では、図1に示す指針20の零位置について、図6に示す電気角の零点θ0(0度)と正確に対応するように、予め調整されている。
図4に示すようにストッパ機構Sは、当接部材38及びストッパ部材39を有している。当接部材38は、出力段歯車34から突出する短冊板状に形成されており、当該歯車34と一体に回転可能となっている。ストッパ部材39は、ケーシング30cから内部へ突出するL字状に形成されており、当該突出側の先端部39aが当接部材38の回転軌道上に位置している。これにより、当接部材38がストッパ部材39の先端部39aに当接して係止されるときには、指針20が図1の零位置に復帰し、指針20の帰零方向Xへの回転が停止することになる。このように本実施形態では、帰零方向Xへ回転して零位置に復帰した指針20が、ストッパ機構Sにより間接的に停止するようになっている。
図2に示す制御ユニット50はマイクロコンピュータを主体に構成されて、基板40に実装されている。制御ユニット50は、図3に示す内蔵のメモリ52に記憶されたコンピュータプログラムを給電下にて実行することで、所定の作動を実現可能となっている。
制御ユニット50は、車両のドアセンサ60、イグニッションスイッチIG及びバッテリ電源Bと電気接続されている。制御ユニット50は、ドアセンサ60により車両のドアの開放が検出された場合に、バッテリ電源Bからの直接的な給電によって始動する。始動した制御ユニット50は、設定時間(例えば2分)が経過するまでにイグニッションスイッチIGがオンされた場合、バッテリ電源Bからの給電によって作動状態を維持し、その後にイグニッションスイッチIGがオフされることによって作動停止する。また一方、始動した制御ユニット50は、設定時間が経過するまでにイグニッションスイッチIGがオンされない場合には一旦作動停止し、その後にイグニッションスイッチIGがオンされた場合には再始動して、イグニッションスイッチIGのオフによって作動停止する。尚、一度始動した後の制御ユニット50の再始動については、イグニッションスイッチIGのオンに応答して行う以外にも、例えば車両のドアの開放や、ブレーキペダルの踏み込み等に応答して行うようにしてもよい。
制御ユニット50は、さらにステップモータMの各界磁巻線32,33と電気接続されており、それら界磁巻線32,33への給電を作動状態において実施する。そして、特に本実施形態の制御ユニット50は、後に詳述する帰零処理として、ステップモータMの各界磁巻線32,33へ印加するA,B両相の駆動信号を制御しつつ、それら界磁巻線32,33に発生する誘起電圧を検出する。
ここで、A,B各相の駆動信号について信号電圧が零(0V)より大きくなる電気角では、スイッチング機能により、対応する界磁巻線32,33へ信号印加するための経路を電気接続する共に、当該対応巻線に発生の誘起電圧を検出するための経路を遮断する。一方、A,B各相の駆動信号について信号電圧が零(0V)となる電気角では、スイッチング機能により、対応する界磁巻線32,33へ信号印加するための経路を遮断すると共に、当該対応巻線に発生の誘起電圧を検出するための経路を電気接続する。したがって、A,B各相の駆動信号が電気角に応じて余弦関数状及び正弦関数状に交番する本実施形態では、図6に黒丸で示す零点θ0並びに当該零点θ0から90度ずつ位相のずれた電気角が、誘起電圧の検出点θdに設定されている。即ち、本実施形態では、誘起電圧の検出間隔Δθdが電気角で90度の位相幅に設定されているのである。尚、制御ユニット50のスイッチング機能については、例えば、制御ユニット50を構成するマイクロコンピュータ内でのスイッチング処理により経路の接続及び遮断を行うものであってもよいし、当該マイクロコンピュータの入出力ポートをスイッチングすることにより経路の接続及び遮断を行うものであってもよい。
制御ユニット50は、さらに車両の車速センサ62と電気接続されている。帰零処理後の作動状態において制御ユニット50は、メモリ52に記憶されている電気角の零点θ0に基づいてA,B両相の駆動信号を制御することにより、車速センサ62の検出車速値を指針20に指示させる。ここで、メモリ52に記憶の零点θ0については、後に詳述するように、帰零処理によって更新される最新のものが利用される。
以下、第一実施形態の帰零処理を制御ユニット50によって実施するための制御フローを、図7を参照しつつ詳細に説明する。尚、この制御フローは、制御ユニット50が始動することによってスタートするものであり、当該始動による界磁巻線32,33への給電開始前に生じている指針20の零位置からのずれを、以下では、「給電前指針ずれ」というものとする。
まず、制御フローのS1では、A,B各相の初期駆動信号として、電気角の零点θ0に対応する電圧の駆動信号をA,B各相の界磁巻線32,33へ印加し、続くS2において、現在の電気角を基準点θbに設定する。その結果、給電前指針ずれによる電気角の位相ずれが零点θ0に対して180度よりも小さい場合には、電気角の零点θ0への変化によって指針20が零位置へと回転駆動され、当該零点θ0が基準点θbに設定される。一方、給電前指針ずれによる電気角の位相ずれが零点θ0に対して180度よりも大きい場合には、零点θ0から360度ずつ位相ずれした電気角のうちいずれかに対応する位置まで指針20が回転駆動され、当該いずれかの電気角が基準点θbに設定される。
次にS3では、同期サブ処理を実施する。この同期サブ処理では、A,B各相の同期駆動信号として、帰零方向Xへの指針20の回転駆動により電気角とマグネットロータMrの磁極とを同期させるための駆動信号を、A,B各相の界磁巻線32,33へ印加する。さらに同期サブ処理では、A,B各相のリターン駆動信号として、帰零方向Xとは反対となる反帰零方向Y(図1参照)への指針20の回転駆動により電気角を基準点θbに戻すための駆動信号を、A,B各相の界磁巻線32,33へ印加する。
続くS4では、A,B各相の振上駆動信号として、指針20を反帰零方向Yへ回転駆動して振り上げるための駆動信号を、A,B各相の界磁巻線32,33へ印加する。このとき、指針20の振上量R(図8〜10参照)としては、電気角換算で180度未満とすることが好ましく、本実施形態では90度に設定されている。
さらに続くS5では、A,B各相の帰零駆動信号として、基準点θbから180度位相のずれた電気角を基準点θb側から跨ぐようにして指針20を帰零方向Xへ回転駆動するための駆動信号を制御し、それらの信号をA,B各相の界磁巻線32,33へ印加する。ここで、上記S1,2によって基準点θbが零点θ0と一致している場合に帰零駆動信号は、当該零点θ0に対して180度位相のずれた臨界点θth(図8〜10参照)を零点θ0側から跨ぐように、制御されたものとなる。したがって、その場合には、まず、電気角が零点θ0まで変化して指針20がストッパ機構Sにより零位置に停止し、さらに当該停止状態下、零点θ0から180度位相ずれした臨界点θthまで電気角が確実に変化することで、ステップモータMの強制脱調が生じるのである。このような強制脱調によって指針20は、臨界点θthに対して零点θ0を挟んで360度位相のずれた電気角と見かけ上対応する位置まで、回転することとなる。
この後のS6では、A,B各相の帰零駆動信号を界磁巻線32,33に継続して印加し、続くS7において、基準点θbから360度位相ずれした検出点θdに電気角が到達したか否かを判定する。その結果、否定判定がなされた場合には、S6へと戻って当該S6及び後続のS7を繰り返すことで、帰零駆動信号の印加制御をさらに継続する一方、肯定判定がなされた場合には、S8へ移行する。
S8では、A,B各相の界磁巻線32,33のうち、基準点θbから360度位相ずれした現在の検出点θdにおいて帰零駆動信号の電圧が零となる検出対象巻線(ここでは界磁巻線33)の誘起電圧を検出し、その検出結果が設定電圧以下となる更新条件の成立を判定する。その結果、肯定判定がなされた場合にはS9へ移行する一方、否定判定がなされた場合にはS10へ移行する。
更新条件が成立した場合のS9では、指針20が零位置に復帰したものとして、基準点θbから360度位相ずれした現在の検出点θdにより零点θ0を更新し、その更新結果をメモリ52に記憶する。これに対し、更新条件が成立していない場合のS10では、指針20は零位置に復帰しておらず、検出対象巻線の誘起電圧が設定電圧を上回る回転状態にあるとして、A,B各相の帰零駆動信号を延長して界磁巻線32,33へ印加する。そして続くS11では、直前の誘起電圧の検出点θdからさらに90度位相ずれした検出点θdに電気角が到達したか否かを、判定する。ここで、直前の誘起電圧の検出点θdとは、上記S8並びに後述するS12のうち実行時が最も近い処理によって、誘起電圧を検出したときの電気角をいう。このような判定の結果、否定判定がなされた場合には、S10へと戻って当該S10及び後続のS11を繰り返すことで、帰零駆動信号の印加制御をさらに延長する一方、肯定判定がなされた場合には、S12へと移行する。
S12では、A,B各相の界磁巻線32,33のうち、直前のS11により到達判定された現在の検出点θdにおいて帰零駆動信号の電圧が零となる検出対象巻線の誘起電圧を検出し、その検出結果が設定電圧以下となる更新条件の成立を判定する。その結果、否定判定がなされた場合には、S10へと戻って当該S10及び後続のS11,S12を繰り返すことで、帰零駆動信号の印加制御をさらに延長する。一方、肯定判定がなされた場合には、指針20が零位置に復帰したものとしてS13へと移行し、零点θ0を現在の検出点θdにより更新且つその更新結果をメモリ52に記憶する。
尚、S9,S13により零点θ0の更新並びに記憶がなされた後のS14においては、補正サブ処理を実施する。この補正サブ処理は、ストッパ機構Sにより零位置に停止された指針20の回転位置と、車速表示部11に表示される零値との間にずれが存在している場合において、メモリ52に記憶の特性データに基づき当該ずれを補正するために、実施される。そして、補正サブ処理の終了時には、電気角が最新の零点θ0に設定されるようになっており、以上にて本制御フローが終了することとなる。
以下、第一実施形態の帰零処理によって実現される作動例を、図8〜10を参照しつつ説明する。尚、図8〜10において、一点鎖線グラフは、電気角の時間変化を表したものであり、また実線グラフは、指針20の回転位置の時間変化をそれに対応する電気角の時間変化にて表したものである。
(作動例I)
図8は、給電前指針ずれによる電気角の位相ずれが180度よりも小さい90度の場合を示している。この場合において制御ユニット50が始動すると、基準点θbとなる零点θ0まで電気角が変化して、指針20が零位置まで回転駆動される(t1)。続いて、同期サブ処理が実施された(t1〜t2)後、指針20が零位置よりも反帰零方向Yへ振上量Rにて振り上げられる(t2〜t3)。
次に、図11に示す如き帰零駆動信号の制御により、まず、電気角が基準点θbとしての零点θ0まで変化して指針20が帰零方向Xの零位置まで回転駆動されることで、ストッパ機構Sが当該零位置にて指針20を停止させる(t4)。さらに、ストッパ機構Sによる指針20の停止状態下、図11に示す如き帰零駆動信号の制御により、零点θ0から臨界点θthまでの180度位相がずれるように電気角が変化してステップモータMの強制脱調が生じる(t5)ことにより、指針20が反帰零方向Yへ回転する。その結果、指針20の回転位置は、臨界点θthから零点θ0を挟んで360度位相のずれた電気角に見かけ上対応する位置、即ち零点θ0から臨界点θthとは反対側へ180度位相のずれた電気角と見かけ上対応する位置となる。尚、電気角が零点θ0から臨界点θthに変化するまでの間において本実施形態の指針20は、その弾性変形等に起因して、図8の如く零位置から帰零方向Xへ僅かにずれるようになっている。
この後、図11に示す如き帰零駆動信号の制御により、基準点θbとしての零点θ0から360度位相ずれした検出点θdまで電気角が変化する、即ち強制脱調時の臨界点θthから180度位相ずれした検出点θdまで電気角が変化する(t6)。これにより、先の強制脱調時には臨界点θthから360度位相のずれた電気角の対応位置まで回転している指針20が、零点θ0に対応する零位置まで回転駆動され、当該零位置にてストッパ機構Sから停止作用を受ける。このとき本実施形態では、A,B各相の界磁巻線32,33のうち検出対象巻線の誘起電圧が設定電圧以下となるので、更新条件が最初の判定時に確実に成立して、零点θ0から360度位相ずれした当該成立時の検出点θdが最新の零点θ0として更新される。尚、この更新後には、補正サブ処理(t6〜t7)が実施されることになるが、それ以外にも、例えば補正サブ処理の終了時(t7)に零点θ0を実施するようにしてもよい。
このように第一実施形態では、給電前指針ずれによる電気角の位相ずれが180度よりも小さい場合において、ステップモータMの強制脱調後に指針20が零位置まで回転することによって更新条件を正規に成立させる電気角θdを、零点θ0として正しく更新できる。これによれば、指針20の反帰零方向Yへの振上量Rを十分に大きくして零点更新に必要な指針20の回転範囲を拡げるようにしなくても、零点θ0の更新精度が高められ得る。したがって、零点θ0の更新に要する時間を短縮して信頼性を高めることができると共に、見栄えを高めることもできるのである。
(作動例II)
図9は、給電前指針ずれによる電気角の位相ずれが180度よりも大きい270度の場合を示している。この場合において制御ユニット50が始動すると、零点θ0から360度位相ずれした基準点θbまで電気角が変化して、零位置よりも反帰零方向Yにて当該基準点θbと対応する位置まで指針20が回転駆動される(t1)。続いて、同期サブ処理が実施された(t1〜t2)後、指針20が基準点θbの対応位置よりも反帰零方向Yへ振上量Rだけ振り上げられて、電気角が零点θ0から(360+R)度位相のずれた状態となる(t2〜t3)。
この後、帰零駆動信号の制御により電気角が変化して指針20が帰零方向Xへ回転駆動されるが、更新条件の最初の判定時までの電気角変化量は(360+R)度となるので、ステップモータMの強制脱調を生じさせる臨界点θthには電気角が到達しない。また、最初の判定時までの電気角変化量が(360+R)度となることで、指針20は零位置まで回転駆動されてストッパ機構Sにより停止させられる(t6)。このとき本実施形態では、A,B各相の界磁巻線32,33のうち検出対象巻線の誘起電圧が設定電圧以下となるので、更新条件の成立により、当該成立時の検出点θdである零点θ0が最新の零点θ0として更新される。尚、この更新後には、補正サブ処理(t6〜t7)が実施されることになる。
このように第一実施形態では、給電前指針ずれによる電気角の位相ずれに起因してステップモータMの強制脱調が生じない状況にあっても、零点θ0の更新精度を高めることができるのである。
(作動例III)
図10は、給電前指針ずれによる電気角の位相ずれが180度よりも大きい630度の場合を示している。この場合において制御ユニット50が始動すると、電気角が零点θ0から720度位相ずれした基準点θbまで変化して、零位置よりも反帰零方向Yにて当該基準点θbと対応する位置まで指針20が回転駆動される(t1)。続いて、同期サブ処理が実施された(t1〜t2)後、指針20が基準点θbの対応位置よりも反帰零方向Yへ振上量Rだけ振り上げられて、電気角が零点θ0から(720+R)度位相のずれた状態となる(t2〜t3)。
この後、帰零駆動信号の制御により電気角が変化して指針20が帰零方向Xへ回転駆動されるが、更新条件の最初の判定時までにおいては、電気角変化量が(360+R)度となり、ステップモータMの強制脱調を生じさせる臨界点θthに電気角が到達しない。また、最初の判定時までにおいては、電気角変化量が(360+R)度となることで、指針20の回転位置が零点θ0から360度位相のずれた電気角と対応する位置となる(t6)。このとき本実施形態では、指針20の振上量Rの適切な設定により、指針20を駆動するステップモータMの回転速度が十分に上昇しているため、A,B各相の界磁巻線32,33のうち検出対象巻線の誘起電圧が設定電圧を上回り、最初の判定時には更新条件が不成立となる。
そこで本実施形態では、最初の判定時において更新条件が不成立になると、帰零駆動信号の制御が延長される。これにより、電気角が変化して指針20が帰零方向Xへ回転駆動されるが、電気角は、ステップモータMの強制脱調を生じさせる臨界点θthよりも前に零点θ0へと到達することになる。また、電気角が零点θ0へ到達するまでは、ステップモータMの回転速度が十分に上昇していることにより、A,B各相の界磁巻線32,33のうち検出対象巻線の誘起電圧が設定電圧を上回ることになる。したがって、電気角が零点θ0へ到達することで零位置に復帰した指針20がストッパ機構Sにより停止する(t8)と、検出対象巻線の誘起電圧が設定電圧以下となって更新条件が成立し、当該成立時の検出点θdである零点θ0が最新の零点θ0として更新される。尚、この更新後には、補正サブ処理(t6〜t7)が実施されることになる。
以上、第一実施形態では、給電前指針ずれによる電気角の大きな位相ずれに起因してステップモータMの強制脱調が生じない状況にあっても、帰零駆動信号の延長制御によって零点θ0の更新精度を高めることができるのである。
尚、ここまでの第一実施形態では、ストッパ機構Sが「ストッパ手段」に相当し、制御フローのS7,S8,S11,S12を実行する制御ユニット50が「検出手段」に相当し、制御フローのS8,S9,S12,S13を実行する制御ユニット50が「更新手段」に相当し、制御フローのS1〜S14を実行する制御ユニット50が「制御手段」に相当している。
(第二実施形態)
図12に示すように、本発明の第二実施形態は第一実施形態の変形例である。第二実施形態の制御フローでは、S6により帰零駆動信号の印加を継続させた状態下、続くS207において、基準点θbから360度位相ずれした点に到達する直前の検出点θdである特定検出点θds、即ち基準点θbから270度位相ずれした特定検出点θdsに電気角が到達したか否かを判定する。その結果、否定判定がなされた場合には、S6へと戻って当該S6及び後続のS207を繰り返すことで、帰零駆動信号の印加制御をさらに継続する一方、肯定判定がなされた場合には、S208へ移行する。
S208では、A,B各相の界磁巻線32,33のうち、特定検出点θdsにて帰零駆動信号の電圧が零となる検出対象巻線(ここでは界磁巻線32)の誘起電圧を検出し、その検出結果が設定電圧以下となる更新条件の成立を判定する。その結果、否定判定がなされた場合にはS10へ移行する一方、肯定判定がなされた場合にはS209へ移行する。
S209では、特定検出点θdsに検出間隔Δdを加えた電気角θcal、即ち基準点θbから360度位相ずれした電気角θcalを算出し、指針20が零位置に復帰する最新の零点θ0を当該電気角θcalに更新してメモリ52に記憶する。尚、本実施形態では、S209の実行後にS14へ移行して補正サブ処理を実施することにより電気角が最新の零点θ0に設定され、制御フローが終了することとなる。
以下、第二実施形態の帰零処理によって実現される作動例を、図13〜15を参照しつつ説明する。尚、図13〜15においても、一点鎖線グラフは、電気角の時間変化を表したものであり、また実線グラフは、指針20の回転位置の時間変化をそれに対応する電気角の時間変化にて表したものである。
(作動例I)
図13は、給電前指針ずれによる電気角の位相ずれが180度よりも小さい90度の場合を示している。この場合においては、制御ユニット50の始動直後(t1)に基準点θbとなる零点θ0の対応位置へと回転駆動された指針20の回転位置が、当該零点θ0を挟んで臨界点θthから360度位相のずれた電気角に見かけ上対応する回転位置となる(t5)まで、第一実施形態の作動例Iと同様の作動となる。
そしてこの後、基準点θbとしての零点θ0から360度位相ずれした電気角の直前となる特定検出点θds、即ち零点θ0から270度位相ずれした特定検出点θdsまで、電気角が帰零駆動信号の制御により変化することで、指針20が帰零方向Xへ回転駆動される。その結果、指針20は、特定検出点θdsから零点θ0を挟んで360度位相のずれた電気角と見かけ上対応する位置、即ち零点θ0から90度位相ずれした電気角と見かけ上対応する位置まで回転駆動される(t6)。故に指針20は、ストッパ機構Sによっては停止しないものの、強制脱調されたステップモータMの回転速度が特定検出点θdsまでには十分に上昇し得ないことにより、A,B各相の界磁巻線32,33のうち検出対象巻線の誘起電圧が設定電圧以下となる。これにより、特定検出点θdsにおける最初の判定時には更新条件が正規に成立することになるので、指針20が零位置まで復帰するときの電気角θcalを当該復帰よりも前に特定検出点θdsに基づき算出して、零点θ0を当該電気角θcalに正しく更新し得る。尚、この更新後には、補正サブ処理(t6〜t7)が実施されることになる。
このような第二実施形態によれば、指針20の反帰零方向Yへの振上量Rを十分に大きくして零点θ0の更新に必要な指針20の回転範囲を拡げるようにしなくても、零点θ0の更新精度が高められ得る。したがって、零点θ0の更新に要する時間を飛躍的に短縮して信頼性を高めることができる。しかも、ステップモータMの強制脱調により、臨界点θthから360度以上位相のずれた電気角と見かけ上対応する位置まで指針20が回転したとしても、その回転位置から電気角換算で180度の位相幅内となる特定検出点θdにて、零点θ0の更新が完了する。即ち、強制脱調後において零点θ0の更新が完了するまでの指針20の回転範囲は、その電気角換算で、ステップモータMに意図しない脱調が生じる位相幅180度よりも小さくなるので、そうした意図しない脱調を回避できるのである。
(作動例II)
図14は、給電前指針ずれによる電気角の位相ずれが180度よりも大きい270度の場合を示している。この場合においては、制御ユニット50の始動直後(t1)に零点θ0から360度位相ずれした基準点θbの対応位置に回転駆動された指針20の回転位置が、振り上げにより零点θ0から(360+R)度位相のずれた電気角の対応位置となる(t3)まで、第一実施形態の作動例IIと同様な作動となる。
そしてこの後、帰零駆動信号の制御により電気角が変化して指針20が帰零方向Xへと回転駆動されるが、更新条件の最初の判定時までの電気角変化量は(270+R)度となる。故に、最初の判定時までには、電気角が臨界点θthへ到達することによるステップモータMの強制脱調は生じず、当該判定時には、指針20の回転位置が零点θ0から90度位相のずれた特定検出点θdsの対応位置となる(t6)。このとき、指針20の振上量Rが第一実施形態よりも90度の位相分大きな第二実施形態では、指針20を駆動するステップモータMの回転速度が十分に上昇し得た状態となる。故に、A,B各相の界磁巻線32,33のうち検出対象巻線の誘起電圧が設定電圧を上回るので、最初の判定時には更新条件が不成立となる。
そこで第二実施形態では、最初の判定時において更新条件が不成立となると、帰零駆動信号の制御が延長される。これにより、電気角が変化して指針20が帰零方向Xへ回転駆動されるが、電気角が零点θ0となって指針20が零位置に復帰するまでは、ステップモータMの強制脱調は生じず、またA,B各相の界磁巻線32,33のうち検出対象巻線にの誘起電圧は設定電圧を上回ることとなる。したがって、電気角が零点θ0となることで零位置に復帰した指針20がストッパ機構Sにより停止する(t8)と、検出対象巻線の誘起電圧が設定電圧以下となって更新条件が成立するので、当該成立時の検出点θdである零点θ0が最新の零点θ0として更新される。尚、この更新後には、補正サブ処理(t6〜t7)が実施されることになる。
このような第二実施形態では、給電前指針ずれによる電気角の位相ずれに起因してステップモータMの強制脱調が生じない状況にあっても、帰零駆動信号の延長制御によって零点θ0の更新精度を高めることができるのである。
(作動例III)
図15は、給電前指針ずれによる電気角の位相ずれが180度よりも大きい630度の場合を示している。この場合においては、以下の相違点を除き、本実施形態の作動例IIと同様な作動となる。ここで相違点の一つは、制御ユニット50の始動直後(t1)に零点θ0から720度位相ずれした基準点θbの対応位置に指針20が回転駆動されることにある。相違点の別の一つは、振り上げによる指針20の回転位置が零点θ0から(720+R)度位相のずれた電気角の対応位置となる(t3)ことにある。相違点のさらに別の一つは、最初の更新条件の判定時までの電気角変化量が(270+R)度となることで、当該判定時における指針20の回転位置が零点θ0から450度位相のずれた特定検出点θdsの対応位置となる(t6)ことにある。
したがって、このような第二実施形態では、給電前指針ずれによる電気角の大きな位相ずれに起因してステップモータMの強制脱調が生じない状況にあっても、帰零駆動信号の延長制御によって零点θ0の更新精度を高めることができるのである。
尚、ここまでの第二実施形態では、制御フローのS207,S208,S11,S12を実行する制御ユニット50が「検出手段」に相当し、制御フローのS208,S209,S12,S13を実行する制御ユニット50が「更新手段」に相当し、制御フローのS1〜S6,S10〜S14,S207〜S209を実行する制御ユニット50が「制御手段」に相当する。
(他の実施形態)
以上、本発明の複数の実施形態について説明してきたが、本発明はそれらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用することができる。
具体的には、「ストッパ手段」としては、指針20を直接的に係止して停止させるものであってもよい。また、A,B各相の駆動信号については、電気角に応じて交番する信号であれば、電圧が余弦関数状又は正弦関数状に変化する信号以外、例えば台形波状や三角波状等に変化する信号であってもよい。さらに、指針20により指示する車両状態値については、車両の各種状態に関する値であれば、例えば燃料残量や冷却水温度、エンジン回転数等であってもよい。またさらに制御フローにおいて、同期サブ処理を実施するS3、指針20を振り上げるS4、並びに補正サブ処理を実施するS14のうちいずれかについては、実行しないようにしてもよい。
本発明の第一実施形態による車両用指示計器を示す正面図である。 図1のII−II線断面図である。 本発明の第一実施形態による車両用指示計器の電気回路構成を示すブロック図である。 本発明の第一実施形態による車両用指示計器の要部を示す斜視図である。 本発明の第一実施形態による車両用指示計器の要部を示す平面図である。 本発明の第一実施形態による車両用指示計器の駆動信号について説明するための特性図である。 本発明の第一実施形態による車両用指示計器の制御フローを示すフローチャートである。 本発明の第一実施形態による車両用指示計器の作動例Iについて説明するための特性図である。 本発明の第一実施形態による車両用指示計器の作動例IIについて説明するための特性図である。 本発明の第一実施形態による車両用指示計器の作動例IIIについて説明するための特性図である。 本発明の第一実施形態による車両用指示計器の帰零駆動信号について説明するための特性図である。 本発明の第二実施形態による車両用指示計器の制御フローを示すフローチャートである。 本発明の第二実施形態による車両用指示計器の作動例Iについて説明するための特性図である。 本発明の第二実施形態による車両用指示計器の作動例IIについて説明するための特性図である。 本発明の第二実施形態による車両用指示計器の作動例IIIについて説明するための特性図である。
符号の説明
1 車両用指示計器、10 計器板、10a 表示面、11 車速表示部、20 指針、30 回動内機、30a 内機本体、31 ヨーク、32,33 界磁巻線、38 当接部材、39 ストッパ部材、40 基板、50 制御ユニット(検出手段・更新手段・制御手段)、52 メモリ、B バッテリ電源、G 減速歯車列、M ステップモータ、Mr マグネットロータ、Ms ステータ、S ストッパ機構(ストッパ手段)、θ0 零点

Claims (7)

  1. 零値を基準として設定される車両状態値を回転位置に応じて指示し、前記零値を指示する零位置に帰零方向への回転により復帰する指針と、
    界磁巻線を有し、電気角に応じた交流の駆動信号が前記界磁巻線へ印加されることにより前記指針を回転駆動するステップモータと、
    前記帰零方向へ回転する前記指針を前記零位置において停止させるためのストッパ手段と、
    前記界磁巻線に発生する誘起電圧を検出する検出手段と、
    前記検出手段による検出結果が設定電圧以下となる更新条件が成立した場合に、前記零位置に対応する前記電気角の零点を更新する更新手段と、
    前記界磁巻線へ印加する前記駆動信号を前記更新手段により更新された前記零点に基づき制御する制御手段であって、前記帰零方向へ前記指針を回転駆動するための前記駆動信号である帰零駆動信号について、前記指針を前記ストッパ手段により停止させて前記ステップモータを強制脱調させるように制御した後、前記更新条件が正規に成立する前記電気角まで前記帰零駆動信号の制御を継続する制御手段と、
    を備えることを特徴とする車両用指示計器。
  2. 前記制御手段は、前記更新条件が正規に成立する前記電気角において当該更新条件が成立しない場合に、前記検出手段による検出結果が設定電圧以下となるまで前記帰零駆動信号の制御を延長することを特徴とする請求項1に記載の車両用指示計器。
  3. 前記駆動信号の制御により前記制御手段は、前記指針の停止に先立って、前記零位置よりも前記帰零方向の反対方向へ前記指針を回転駆動して振り上げることを特徴とする請求項2に記載の車両用指示計器。
  4. 前記制御手段は、前記零点に対して180度位相ずれした前記電気角を前記零点側から跨ぐように前記帰零駆動信号を制御した後、前記更新条件が正規に成立する前記電気角まで前記帰零駆動信号の制御を継続することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両用指示計器。
  5. 前記制御手段は、前記ステップモータの強制脱調後、前記零点に対して360度位相ずれした前記電気角まで前記帰零駆動信号の制御を継続することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両用指示計器。
  6. 前記制御手段は、前記ステップモータの強制脱調後、前記零点に対して360度位相ずれした点に到達する前の前記電気角まで前記帰零駆動信号の制御を継続することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両用指示計器。
  7. 前記検出手段は、前記界磁巻線へ印加される前記駆動信号の電圧が零となる前記電気角としての検出点において、当該界磁巻線に発生する前記誘起電圧を検出し、
    前記制御手段は、前記ステップモータの強制脱調後、前記零点に対して360度位相ずれした点に到達する前の前記検出点まで前記帰零駆動信号の制御を継続することを特徴とする請求項6に記載の車両用指示計器。
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