JP5063960B2 - レーザピアシング方法及び加工装置 - Google Patents

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Description

この発明は、レーザ切断機による被加工材へのピアシング方法及び該ピアシング方法を用いた加工装置に関する。
従来、例えば鋼鈑等の被加工材をレーザ切断機で切断加工する場合、切断加工をするための起点となる位置にレーザピアシングによりφ数ミリの小さな貫通孔を設け、そこを起点として切断が行なわれる。
この貫通孔は、材料歩留を低下させずに、被加工材の仕上り精度を高くするうえで重要であり、後工程の切断加工に支障がない範囲で可能な限り小さく、かつ所望の寸法に形成されることが望ましい。
図11に示すのは、レーザ切断機のレーザトーチ100の概略構成を示したものであり、レーザトーチ100は、ノズル102と、集光レンズ104とを備えており、ノズル102は筒状体に形成され、その基端部102aから先端側の開口部102bに向けてレーザ光L2が通過可能とされ、基端部102a側には集光レンズ104が配置されている。
また、ノズル102の開口部102bは、集光レンズ104を通過したレーザ光L2と同軸とされている。
また、ノズル102には、照射したレーザ光L2により被加工材Wを溶融、蒸発させる際に、酸化反応により被加工材Wを燃焼させるためのアシストガスGをノズル102に導入するための導入経路103が設けられている。
上記レーザトーチ100を用いて、被加工材Wにピアシング孔H2を加工する場合、被加工材Wにノズル102の開口部を対向させ、導入経路103からはノズル102内部にアシストガスGを導入し、導入されたアシストガスGが、ノズル102の開口部102bから噴射され、被加工材Wの加工部を被覆するようになっている。
次いで、レーザトーチ100からレーザ光L1が照射されると、集光レンズ104によって、被加工材Wの表面近傍に焦点をもつレーザ光L2に集光される。このようにして、被加工材Wの表面近傍の焦点に集光したレーザ光L2は被加工材Wを溶融、蒸発させて溶融池105を形成するとともに開口部102bから噴射されたアシストガスGにより酸化、燃焼されることにより、アシストガスGの噴流によって溶融物が除去される。このような、レーザ光によるピアシング孔H2の加工を行なう技術として、例えば、特許文献1に示すようなものが開示されている。
また、このようなピアシング孔H2の加工に際して、被加工材Wに形成される溶融池105内で発生する溶融金属に過剰な酸化、燃焼反応が起こるとピアシング孔H2の径が大きくなり、材料歩留が低下する。
一方、例えばレーザ光をパルスの形態で発振してピアシング孔加工をした場合、ピアシング孔径の精度は向上するものの加工効率が著しく低下する。
そこで、レーザ光によるピアシング孔加工を行なう場合に、ピアシング孔H2の切断精度を向上させる技術として、例えば、特許文献2に示すようなものが開示されている。
特開2001−47268号公報 特許第3292021号公報
しかしながら、上記方法によれば、溶融物を排出させる溝をあらかじめ設ける必要があり、排出溝の存在により、ピアシング孔も大きくなるという問題があった。
そのため、高い加工効率を維持しつつ、所望の寸法のピアシング孔を高精度に加工できるレーザピアシング方法及び加工装置が望まれていた。
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、鋼鈑等の金属製の被加工材にピアシング加工を行なう場合に、ピアシング孔径が大きくなるのを防止しつつ、高い加工効率で所望の径のピアシング孔を形成し、製造コストを削減することができるレーザピアシング方法及び加工装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
請求項1記載の発明は、被加工物の加工部にレーザ光を照射しつつ、前記レーザ光と同軸に配置されたノズルから前記加工部に向けてアシストガスを噴射してアシストガスによって前記加工部を覆い、該加工部にピアシング孔を加工するレーザピアシング方法であって、前記レーザ光を照射開始後に、前記加工起点から5mmの範囲内で前記ノズルを移動させて、前記溶融池の開口部におけるアシストガスの圧力分布を前記溶融池の開口部の中心に非対称として前記溶融池の開口部における圧力バランスを偏らせることで溶融物を排出させながらピアシング孔を加工することを特徴とする。
また、請求項7記載の発明は、被加工物の加工部にレーザ光を照射しつつ、前記レーザ光と同軸に配置されたノズルから前記加工部に向けてアシストガスを噴射してアシストガスによって前記加工部を覆い、該加工部にピアシング孔を加工する加工装置であって、前記レーザ光を照射開始後に、前記加工起点から5mmの範囲内で前記ノズルを移動させて、前記溶融池の開口部におけるアシストガスの圧力分布を前記溶融池の開口部の中心に非対称として前記溶融池の開口部における圧力バランスを偏らせることで溶融物を排出させながらピアシング孔を加工する制御手段を備えることを特徴とする。
この発明に係るレーザピアシング方法及び加工装置によれば、レーザ光を照射開始してピアシング孔を加工しはじめた後に、ノズルの中心を加工起点からオフセットさせて、加工起点から5mmの範囲内で移動させるので、アシストガスの圧力分布の中心が溶融池の中心からオフセットされる。その結果、アシストガスの圧力分布が、溶融池の中心と同心でなくなり、溶融池の開口部におけるアシストガスの圧力分布が溶融池の中心に非対称になり、溶融池の開口部における圧力バランスが偏る。
アシストガスの圧力分布が溶融池の中心と同心であったときに、アシストガスが溶融池の蓋のように作用して、溶融物が溶融池内に安定して保持されていたのが、圧力バランスが偏って、溶融池の開口部に溶融物に加わる圧力が高い領域と低い領域が生じる。その結果、圧力が高い領域から低い領域へと溶融物が圧力差によって移動され溶融池外への排出が促進される。
その結果、溶融池内に貯留される溶融物が少なくなり、過剰な酸化反応や燃焼が抑制されることで、ピアシング孔径が小さくなる。
また、加工起点の近傍を加工起点から5mmの範囲内でノズルが移動することで溶融池から排出された溶融物が溶融池の周囲に分散して排出されるので、排出物から放出される熱が一ヶ所に集中することがなく、ピアシング孔周囲の加工物が局部的な過熱、過剰な酸化反応が抑制されて、ピアシング孔の拡大が抑制される。
その結果、溶融したドロスが溶融池内に留まるのが抑制され、ピアシング孔の拡大が抑制される。
その結果、レーザ光を連続的に照射した場合においても、連続照射による高い生産性を確保しつつ、孔径精度が高いピアシング孔を容易かつ確実に形成することができる。
ここで、加工起点から5mmの範囲内でノズルが移動することの意義は、加工起点から5mm以上離れると加工されるピアシング孔が大きくなり、ノズルを移動させない場合との差が見出せなくなるためである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のレーザピアシング方法であって、前記ノズルを加工起点の廻りに周回移動させることを特徴とする。
また、請求項8記載の発明は、請求項7に記載の加工装置であって、前記制御手段は、前記ノズルを、加工起点の廻りに周回移動させる周回制御手段を備えていることを特徴とする。
この発明に係るレーザピアシング方法及び加工装置によれば、ピアシング孔を加工しはじめた後に、ノズルの中心を加工起点からオフセットさせて、加工起点の廻りに加工起点から5mmの範囲内で、周回移動させるので、オフセットさせた後、ピアシングが孔の加工が終了するまでの間、ノズルは常にアシストガスの圧力分布の中心が溶融池の中心からオフセットされる。その結果、溶融池の開口部における圧力バランスが偏り、溶融物が溶融池外への排出が促進され、溶融池内に貯留される溶融物が少なくなり、過剰な酸化反応や燃焼が抑制されることで、ピアシング孔径が小さくなる。
請求項3記載の発明は、請求項1記載のレーザピアシング方法であって、前記ノズルを往復を含む軌跡で移動させることを特徴とする。
また、請求項9記載の発明は、請求項7に記載の加工装置であって、前記制御手段は、前記ノズルを、往復移動を含む軌跡で移動させる往復制御手段を備えていることを特徴とする
この発明に係るレーザピアシング方法及び加工装置によれば、ピアシング孔を加工しはじめた後に、ノズルは、加工起点から5mmの範囲内で往復移動を含む軌跡で移動される。
ノズルが、軌跡が簡潔な往復移動をすることで、ノズルの移動が容易で高速移動が可能となり、溶融池内の溶融物に対して急激な圧力の偏りを与えて大きな圧力変動によって溶融池外への溶融物の排出が促進される。その結果、溶融池内の溶融物が少なくなり、酸化反応や燃焼が抑制されることで、ピアシング孔径が小さくなる。
請求項4記載の発明は、請求項1記載のレーザピアシング方法であって、前記移動は、前記ノズルをジグザクに移動させることを特徴とする。
また、請求項10記載の発明は、請求項7に記載の加工装置であって、前記制御手段は、前記ノズルを、ジグザグに移動させるジグザグ制御手段を備えていることを特徴とする。
この発明に係るレーザピアシング方法及び加工装置によれば、ピアシング孔を加工しはじめた後に、ノズルは、加工起点から5mmの範囲内で、ジグザグに移動される。
ノズルが、軌跡が簡潔な往復移動と、この往復移動と直交する方向への移動をともなうジグザグ移動するので、ノズルの移動が容易で高速移動が可能となり、また、往復移動方向と直交する移動をすることにより、溶融池内の広範囲にわたって圧力の偏りを付与するので溶融池内の溶融物に対して急激な圧力の偏りを与えて溶融池外への溶融物の排出が促進される。その結果、溶融池内の溶融物が少なくなり、酸化反応や燃焼が抑制されることで、ピアシング孔径が小さくなる。
請求項5記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載のレーザピアシング方法であって、
前記ノズルから噴射されるアシストガスの酸素濃度Cは、前記ピアシング孔加工をする加工部の厚さtに対応して決定され、
前記酸素濃度Cは、
0<t<8mmの範囲において、 0<C<99.9
8≦t<13.5mmの範囲において、 0<C≦−1.65t+111.2
13.5≦t≦26.33mmの範囲において、
5.28t−71.28≦C≦−1.65t+111.2
C;酸素濃度(Vol%)、t;加工部の厚さ(mm)
であることを特徴とする。
請求項11記載の発明は、請求項7から請求項10のいずれかに記載の加工装置であって、前記制御手段は、前記ノズルから噴射されるアシストガスの酸素濃度Cを、前記ピアシング孔加工をする加工部の厚さtに対応して決定する酸素濃度調整手段を備えていることを特徴とする。
この発明に係るレーザピアシング方法及び加工装置によれば、ノズルから噴射されるアシストガスの酸素濃度Cを、金属製の被加工材のピアシング孔加工をする加工部の厚さt、例えば板厚tに応じて決定し、その酸素濃度Cにてピアシング孔加工を行なうので、被加工材の過剰な酸化、燃焼が抑制され、ノロの量が削減されるので、各被加工材の板厚tにおいて材料歩留や品質面でより小さな径のピアシング孔を容易かつ確実に形成することができる。
また、アシストガスの酸素濃度Cを調整することで、レーザ光を連続的に照射した場合であっても、過剰な酸化、燃焼が抑制され、連続照射による高い生産性を確保しつつ、孔径が小さいピアシング孔を容易かつ確実に形成することができる。
また、レーザ光を連続的に照射した場合においても、アシストガスの酸素濃度Cを調整することで過剰な酸化、燃焼が抑制され、連続照射による高い生産性を確保しつつ、孔径精度が高いピアシング孔を、熟練技術者に依存せずに容易かつ確実に行なうことができる。
請求項6記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載のレーザピアシング方法であって、前記ピアシング孔を貫通した後に、前記ノズルを前記ピアシング孔の周囲の被加工材表面の上方に移動させ、前記ピアシング孔を貫通した後に、前記ノズルを前記ピアシング孔の周囲の被加工材表面の上方に移動させ、前記レーザ光を照射してドロスを再溶融するとともに前記ノズルからアシストガスを噴射しながら前記ピアシング孔の周囲を周回移動し、前記ピアシング孔の周囲に形成されたドロスを除去することを特徴とする。
請求項12記載の発明は、請求項7から請求項11のいずれかに記載の加工装置であって、前記制御手段は、前記ピアシング孔を貫通した後に、前記ピアシング孔を貫通した後に、前記ノズルを前記ピアシング孔の周囲の被加工材表面の上方に移動させ、前記レーザ光を照射してドロスを再溶融するとともに前記ノズルからアシストガスを噴射しながら前記ピアシング孔の周囲を周回移動し、前記ピアシング孔の周囲に形成されたドロスを除去するドロス除去手段を備えていることを特徴とする。
この発明に係るレーザピアシング方法及び加工装置によれば、ピアシング孔が貫通した後に、ノズルをピアシング孔の周囲の被加工材表面の上方に移動させ、レーザ光を照射してドロスを再溶融するとともにノズルからアシストガスを噴射しながらピアシング孔の周囲を周回移動するので、ピアシング孔の周囲の被加工材表面に形成されたドロスを除去し易く溶融し、かつアシストガスの噴射圧により除去するので、容易かつ効率的に除去することができ、その結果、ピアシング孔周囲の仕上げを容易かつ確実に行ない高い品質のピアシング孔を加工することができる。
また、ノズルを周回移動させて、前記レーザ光を照射してドロスを再溶融させながら近距離からアシストガスを噴射するので、小さな流量のアシストガスにて、確実にドロスの除去を行なうことができ、その結果、加工時間と加工コストを大幅に削減することができる。
本発明に係るレーザピアシング方法及び加工装置によれば、例えば鋼鈑等の被加工材にピアシング孔を加工する場合に、ピアシング孔加工中の溶融池の開口部に形成されるアシストガスの圧力分布に偏りを生じさせて、孔内で発生したドロスを孔の外部にスムースに排出させることによって、孔内での過剰な酸化反応を抑制し、高効率かつ高い精度で所望の孔径のピアシング孔を形成するとともに製造コストを削減することができる。
以下、図面を参照し、この発明の一実施の形態について説明する。
図1は、この実施の形態に係るレーザトーチ2およびピアシング孔Hを加工する状態を示す図であり、レーザトーチ2は、ノズル3と、集光レンズ6とを備えており、ノズル3は筒状体に形成され、集光レンズ6を通過したレーザ光L1が集光されレーザ光L2として噴射口3bから照射されるようになっている。
また、レーザ光L2の光軸とノズル3は同軸に構成されて軸線O1を共有するとともに、軸線O1は、ノズル3から噴射されるアシストガスGの圧力分布の中心軸OGと同軸とされている。
ノズル3には、導入経路4からアシストガスが導入され、噴射口3bから噴射することで照射したレーザ光L2により溶融、蒸発した被加工材Wを、酸化反応により燃焼させるようになっている。
この実施の形態において、被加工材Wにピアシング孔加工するときの加工起点と、ピアシング孔Hの中心の位置は略一致しており、ピアシング孔Hの中心を通りピアシング孔Hが延在する方向に延びる軸線OHは、加工起点を通過するため、被加工材Wの表面において加工起点が特定可能とされる。
また、図1は、ピアシング孔Hを加工し始めた直後のノズル3を示す図であり、ノズル3の噴射口3bを被加工材Wに対向させてアシストガスGを噴射し、被加工材Wの加工部をアシストガスGで被覆するとともに、レーザ光L2を照射して被加工材Wを溶融、蒸発させる。このとき、被加工材Wが溶融されることにより、溶融池60が形成されアシストガスGにより酸化、燃焼され、また、アシストガスGの噴流によって溶融物が除去されるようになっている。また、被加工材Wが溶融、蒸発され、酸化、燃焼されたものはドロスとなり、溶融物として溶融池60内部に貯留され、又はアシストガスGの噴流によって被加工材Wのピアシング孔Hの周囲に付着される。
図2は、この発明の一実施の形態に係る加工装置の概略図であり、符号1は加工装置を、符号2はレーザトーチを、符号10はピアシング制御部(制御手段)を示している。
加工装置1は、レーザトーチ2と、ピアシング制御部10と、加工データ入力部30と、酸素供給源41と、窒素供給源43と、レーザ発振器45と、レーザトーチ2に設けられたノズル3の噴射口の位置を3次元空間のXYZ座標方向(この実施形態においては、被加工材の表面を、XY座標方向、Z座標は高さ方向としている)に移動させるXYZテーブル等の駆動部材80とを備えている。
ピアシング制御部10は、処理部12と、データテーブル13と、ノズル移動制御部11と、酸素濃度調整部(酸素濃度調整手段)20と、ドロス除去制御部(ドロス除去手段)40とを備えており、加工データ入力部30から入力された入力データに基づいて、適切な加工条件を決定して駆動部材80を駆動してレーザトーチ2を3次元空間のXYZ方向に移動させてノズル3の噴射口3bの位置を移動させるとともに、アシストガスGを導入経路4を介してノズル3に供給するようになっている。
また、加工データ入力部30は、板厚入力部(厚さ入力部)31aと、ピアシング孔サイズ入力部31bと、ピアシング孔加工条件入力部31cと、圧力モード入力部31dと、ドロス除去モード入力部31eとを備えている。
処理部12、及びデータテーブル13は、ノズル移動制御部11、酸素濃度調整部20、ドロス除去制御部40を分担する処理部12a、12b、12cと、データテーブル13a、13b、13cとを備えている。
また、この実施の形態においては、アシストガスGは、酸素供給源41及び窒素供給源43から供給される酸素及び窒素の量を調整及び混合することで、所望のピアシング孔径のピアシング孔Hを加工するのに適した酸素濃度Cに生成されるようになっており、また、必要に応じて、ノズル3からピアシング孔Hの周囲の被加工材Wの表面に堆積したドロスを除去するためのアシストガスGを噴射するようになっている。
ノズル移動制御部11は、処理部12aと、データテーブル13aと、駆動部材80を駆動してレーザトーチ2のX座標位置を制御するXドライバ16aと、Y座標位置を制御するYドライバ16bと、Z座標位置を制御するZドライバ16cとを備えており、処理部12aは、Xドライバ16a、Yドライバ16b、Zドライバ16cに、ケーブル15a、15b、15cを介して指示信号を送信し、Xドライバ16a、Yドライバ16b、Zドライバ16cは、ケーブル17a、17b、17cを介して駆動部材80に、X座標位置、Y座標位置、Z座標位置を移動するための電力を供給するようになっている。
処理部12aは、加工データ入力部30で入力され送信された、板厚tに関するデータ、ピアシング孔径d1に関するデータ等に基づいて、信号ケーブル14を介してデータテーブル13aから、ピアシングする板厚tの鋼板Wにおいて所望のピアシング孔径を得るために適したデータ、例えば、レーザトーチ2(すなわちノズル3の軸線O1及びアシストガスGの圧力分布の中心軸OG)の偏心量、ノズル3の速度、周回回数、周回移動速度等のデータを取得して、Xドライバ16a、Yドライバ16b、Zドライバ16cに指示するようになっている。
ここで、レーザトーチ2を移動することは、ノズル3の軸線O1およびアシストガスGの中心軸OGを移動することを意味している。
また、駆動部材80は、レーザトーチ2と機械的に接続されており、駆動部材80が駆動されることにより、レーザトーチ2及びノズル3を、XYZ座標方向に移動させることができるようになっている。
データテーブル13aには、この実施の形態においては、加工データ入力部30のピアシング加工条件入力部31cから入力された板厚tと、ピアシング孔径d1に対応する、レーザトーチ2の移動軌跡の形式が格納されており、例えば、(1)周回制御手段を構成するデータである、周回移動軌跡(円形又は多角形等の移動する軌跡の形状と、その大きさ)と、トーチ速度、周回回数と、周回移動速度等、(2)往復制御手段を構成するデータである、往復移動を含む軌跡(往復のストローク等)と、トーチ速度、往復移動等の回数、(3)ジグザグ制御手段を構成するデータである、ジグザグ移動((例えば、往復移動と、この往復移動に直交する方向の移動の組合せ)における往復のストローク、直交する方向の移動量等)と、トーチ速度、往復移動等の回数等のデータが格納されている。
ここで、(2)、(3)におけるレーザトーチ2の往復移動は、オフセットしたレーザトーチ2が往復ストロークを経由して加工起点に戻ったときを1回としているが、ピアシング孔加工におけるレーザトーチ2の移動に際しては、必ずしも加工起点に対応する位置に戻らなくてもよい。したがって、加工起点から往復ストロークのいずれかの端部への移動、いずれかの端部から加工起点に戻るときの往復回数は、それぞれ1/4回とされることになる。
また、データテーブル13aには、その他の移動軌跡を格納させておくことも可能であり、例えば、ジグザグ移動において、レーザトーチ2をZ型に移動させるような場合が含まれる。
加工データ入力部30の板厚入力部31a、ピアシング孔サイズ入力部31bから入力されたデータに基づいて、レーザトーチ2を3次元空間のX座標、Y座標方向に移動させることにより、ノズル3の噴射口3bから噴射されるアシストガスGの中心軸OGを移動させて、溶融池60の開口部61に加わるアシストガスG圧力分布が加工起点からオフセットさせて、溶融池60の開口部61におけるアシストガスGの圧力分布が溶融池60の中心に非対称となり、溶融池60の開口部における圧力バランスを偏らせるようになっている。
酸素濃度調整部(酸素濃度調整手段)20は、処理部12bと、データテーブル13bと、酸素流量調整回路21aと、窒素流量調整回路21bと、混合器24と、圧力調整弁25とを備えており、処理部12bは、データテーブル13b、酸素流量調整回路21a、窒素流量調整回路21b、圧力調整弁25と、それぞれ信号ケーブル26a、26b、28を介して接続されている。
また、データテーブル13bには、酸素流量調整回路21a、窒素流量調整回路21b、及び圧力調整弁25において所定の酸素濃度及び噴射圧のアシストガスGを得るための制御データが格納されている。
また、酸素流量調整回路21a及び窒素流量調整回路21bは、それぞれ酸素供給源41及び窒素供給源43に接続され、酸素供給源41及び窒素供給源43は、それぞれ液化酸素及び液化窒素を貯留するとともに、これら液化酸素及び液化窒素を気化して酸素流量調整回路21a及び窒素流量調整回路21bに供給するようになっている。
酸素流量調整回路21aは、マスフローコントローラ27aと、配管とを備えるとともに、酸素供給源41と混合器24との間を接続し、酸素供給源41から配管を通じて供給された酸素の流量をマスフローコントローラ27aで調整するようになっている。
窒素流量調整回路21bは、マスフローコントローラ27bと、配管とを備えるとともに、窒素供給源43と混合器24との間を接続し、窒素供給源43から配管を通じて供給された窒素の流量をマスフローコントローラ27bで調整するようになっている。
マスフローコントローラ27a、27bで流量調整された酸素及び窒素は、混合器24に供給、混合され、所定の酸素濃度のアシストガスGに生成され、導入経路4を介してノズル3に供給されるようになっている。
また、必要に応じて、例えば、ノズル3において所定の噴射圧PのアシストガスGを得るために、処理部12aからの制御データによって圧力調整弁25で噴射圧Pに対応した所定の圧力に調整されるようになっている。この実施の形態において、ノズル3は、噴射口に対して充分大きな容積のアシストガスGの貯留部を備えており、噴射口におけるアシストガスGの噴射圧Pは、圧力調整弁25から供給されたアシストガスGの圧力と略同等に保持されるようになっている。
この実施の形態において、酸素流量調整回路21a及び窒素流量調整回路21bを制御する制御データは、マスフローコントローラ27a、27bの開度データにより構成されている。
また、必要に応じて、圧力モード入力部31dにアシストガスの圧力調整に関する指示が入力された場合、処理部12aは、圧力モード入力部31dからの信号によって、板厚入力部31aから入力された被加工材Wの加工部の厚さtに対応した噴射圧PのアシストガスGをノズル3から噴射させるために、該噴射圧Pに対応した圧力のアシストガスGを圧力調整弁25経由でノズル3に供給するための制御データをデータテーブル13から取得するとともに、信号ケーブル28を介して圧力調整弁25に指示するようになっている。
ドロス除去制御部(ドロス除去手段)40は、処理部12cと、データテーブル13cと、Xドライバ16aと、Yドライバ16bと、Zドライバ16cとを備えており、処理部12aは、Xドライバ16a、Yドライバ16b、Zドライバ16cに信号を送信するとともに、Xドライバ16a、Yドライバ16b、Zドライバ16cは、駆動部材80に電力を供給するようになっている。
また、データテーブル13cには、ピアシング孔Hの軸線OHからオフセットする距離(この実施の形態においては、(円軌跡の直径d2)/2)、被加工材Wの表面からの高さ、ノズルの周回移動速度、周回回数、及び周回移動軌跡等の制御データが格納されている。
加工データ入力部30は、板厚入力部31aと、ピアシング孔サイズ入力部31bと、ピアシング孔加工条件入力部31cと、圧力モード入力部31dと、ドロス除去モード入力部31eとを備えており、これらはそれぞれデータケーブル33a、33b、33c、33d、33eを介して処理部12に接続されている。
板厚入力部31aは、被加工材Wである、例えば鋼板(金属製の被加工材)Wの板厚(加工部の厚さ)tに関するデータを入力するようになっている。
ピアシング孔サイズ入力部31bは、ピアシング加工するための加工データのうち、鋼板Wの板厚tに対するピアシング孔径d1のデータが入力されるようになっている。
ピアシング孔加工条件入力部31cは、ピアシング孔加工に際して、レーザトーチ2を移動させるための、例えば、(1)周回制御手段を構成するデータである、周回移動軌跡(円形又は多角形と、その大きさ)と、トーチ速度、周回回数と、周回移動速度等、(2)往復制御手段を構成するデータである、往復移動を含む軌跡(往復のストローク等)と、トーチ速度、往復移動等の回数、(3)ジグザグ制御手段を構成するデータである、ジグザグ移動((例えば、往復移動と、この往復移動に直交する方向の移動の組合せ)における往復のストローク、直交する方向の移動量等)と、トーチ速度、往復移動等の回数等のデータを入力することができるようになっている。
圧力モード入力部31dは、ピアシング加工に際して、加工中のピアシング孔内の溶融物をピアシング孔の外部に排出させて溶融物が残らないようにするために、ノズル3に供給するアシストガスGの供給圧力を高く(低く)して、ノズル3からアシストガスGを高い(低い)噴射圧Pで噴射させる場合に、指示を入力し、処理部12に対して指示データを送信するようになっている。
ドロス除去モード入力部31eは、ピアシング孔加工後にドロス除去制御部を動作させるか要否かについての指示を入力するようになっている。
次に、この実施の形態の加工装置1の作用について説明する。ここでは、図5Aに示す円を含む周回移動軌跡71の場合を例に説明する。
〔ノズル移動制御部〕
まず、図示しない操作部により、レーザトーチ2を鋼板Wに沿った面の直交する2方向により定義されるX座標、Y座標方向に移動させて、ピアシング孔Hの加工予定位置(加工起点に相当)にあわせて停止させる。
次に、ピアシング孔加工条件を設定し、加工データ入力部30の板厚入力部31a、ピアシング孔サイズ入力部31bに板厚t、ピアシング孔径d1のデータを入力する。(図3ステップ S1)
この場合、ピアシング孔加工条件入力部31cに、周回移動、往復を含む移動、ジグザグ移動等に関するデータを人が直接入力して、手動制御させることも可能である。
板厚入力部31a、ピアシング孔サイズ入力部31bに入力された板厚t、ピアシング孔径d1に関するデータは、それぞれデータケーブル33a、33bを介して処理部12に送信される。
処理部12aは、板厚入力部31a、ピアシング孔サイズ入力部31bから送信された、鋼板Wの板厚t及びピアシング孔径d1に関するデータをデータテーブル13aに送信して、その板厚t及びピアシング孔径d1に対応するノズル位置制御に関するデータをデータテーブル13aから取得する。(図3ステップ S2)
処理部12aは、データテーブル13aから受け取るデータとしては、例えば、レーザトーチ2が周回移動する場合においては、レーザトーチ2の軸線O1の周回移動軌跡(例えば、図5A参照)、オフセットの量、周回移動速度、周回回数等が該当する。
処理部12は、データテーブル13から受け取るこれらのデータに基づいて、駆動部材80を移動させるための時間・位置情報を演算し、起動スイッチ(図示せず)がONにされてピアシング孔加工が開始されたら、その演算結果を、信号ケーブル15a、15b、15cを介してXドライバ16a、Yドライバ16b、Zドライバ16cに送信し、各ドライバを駆動する。
この実施の形態の説明においては、Xドライバ16a、Yドライバ16bが、駆動部材80をX座標方向、Y座標方向に移動してレーザトーチ2の軸線O1を加工起点廻りに周回移動させている。
起動スイッチをONにすると、レーザ発振器45が起動して、レーザ光L1を照射し、照射されたレーザ光L1は、図示しない光路を経由して集光レンズ6に導かれ、集光レンズ6を通過してL2に集光されて、鋼板Wに照射される。
このとき、アシストガスGは、レーザ光L1の照射に先立って、レーザトーチ2のノズル3内に導入され、ノズル3の先端の噴射口3bから、鋼板Wの加工部に向けてアシストガスGが噴射され、ノズル3と鋼板Wの間にアシストガスGの被覆が形成される。
レーザトーチ2からのレーザ光L2の照射は、ノズル3からのアシストガスGの噴射が開始され、ピアシング孔加工が始まると同時に、レーザトーチ2の周回制御(周回制御手段)が起動される。(図3ステップ S3)
レーザ光L2は、アシストガスGの被覆に覆われた鋼板Wに照射され、鋼板Wを加熱、溶解する。鋼板Wが、溶解されることにより、加工起点には溶融池60が形成され、溶解された溶融物64は溶融池60内に貯留される。
このとき、溶融物64は、アシストガスGおよびのアシストガスGの被覆により、酸化、燃焼される。
この溶融、酸化反応は、その後、ピアシング孔Hが貫通されるまでの間、継続される。
ノズル周回制御が開始されると、レーザトーチ2は、処理部12bからの指示によって、レーザトーチ2は、移動を開始する。(図3ステップ S4)
この周回移動軌跡71を移動する場合においては、加工起点廻りに周回移動する円の半径に相当する距離だけ、加工起点からオフセットされ、図4に示すように、レーザトーチの軸線O1が、加工起点から偏心してピアシング孔加工が行なわれる。(図3ステップ S5 1))
引き続いて加工起点廻りに所定の周回回数Nの円運動を行う。(図3ステップ S5 2)、3))
再び加工起点に戻ってくる。(図3ステップ S5 4))
この周回移動軌跡71を移動する場合において、レーザトーチ2の軸線O1は、溶融池60の範囲内において、まず、加工起点から直線71aに沿って移動してオフセットし、円軌跡71bに沿って加工起点の廻りを周回移動する。
周回移動は、処理部12bの指示に従い複数回行なう場合もあり、周回移動が終了すると、直線71cに沿って、加工起点に戻る。
円軌跡の場合であれば、その直径d2は、例えば、直径約0.1mmから10mmが好適である。
この間、レーザトーチ2は、ノズル3からアシストガスGを噴射するとともにレーザ光L2を照射し続け、ピアシング孔Hの貫通は、レーザトーチ2が加工起点に戻る以前に完了するようになっている。
レーザトーチ2の、周回移動に要する時間T(SEC)、周回回数N(回)、周回移動速度V(mm/min)、描く円軌跡の直径d2(mm)の関係は、
T(sec)=((d2)+πN(d2))/(V/60)
で表され、T(sec)が、そのレーザトーチ2によって板厚t(mm)の鋼板Wのピアシング孔Hを貫通するのに要する時間以上であればよい。
この実施の形態では、オフセット量は、円軌跡の半径(d2)/2である。
レーザトーチ2のノズル3の中心軸線O1、すなわちアシストガスGの圧力分布の中心軸OGを、加工起点からオフセットして、加工起点廻りに周回移動することで、図6A、図6Bに示すように、アシストガスGの圧力分布の中心軸OGが溶融池60の開口部61における中心である加工起点からオフセットされ、その結果、アシストガスGの圧力分布が溶融池60の中心である加工起点と同心でなくなり、加工起点に非対称となって偏るため、溶融池60の開口部61におけるアシストガスGの圧力バランスが偏って、圧力が高い部分61sと圧力が低い部分61wを発生させる。
図7は、圧力分布の中心での圧力が、約0.0255(MPa)のアシストガスGの圧力分布の例を示したものであるが、この圧力分布においても、レーザトーチ2の軸線O1と、加工起点とが、例えば、0.25mmオフセットすると、0.0015MPaの圧力差が発生することになる。
アシストガスGの圧力分布が、溶融池60の中心である加工起点と同心であったときには、アシストガスGの圧力が溶融池60の蓋のように作用して、溶融物64が溶融池60内に安定して保持されていたのが、アシストガスGの圧力分布のバランスが偏って圧力が高い部分61sと圧力が引き部分61wが発生することで、溶融池60の開口部61の位置によって溶融物64に加わる圧力に大きな差が生じ、溶融物64が61s側から61w側に移動させられ溶融池60外への排出が促進されると考えられる。排出された溶融物64は、鋼板Wの表面にドロス等の堆積物65として付着する。
その結果、アシストガスGが、溶融池60の中心である加工起点からオフセット(周回移動中のオフセットも含む)している間、溶融池60内への溶融物64の貯留が抑制され、過剰な酸化反応や燃焼が抑制されることで、ピアシング孔Hの拡径が抑制されて小径のピアシング孔Hを形成できるものと推定される。
また、加工起点の廻りをレーザトーチ2が周回移動するので、溶融池60から排出された溶融物64が溶融池60の周囲に分散して排出されるので、排出された溶融物64から放出される熱が一ヶ所に集中することがなく、ピアシング孔Hの周囲の鋼板Wへの局部的な過熱、過剰な酸化反応が抑制されて、ピアシング孔径d1の拡大が抑制される。
その結果、レーザ光を連続的に照射した場合においても、連続照射による高い生産性を確保しつつ、孔径精度が高いピアシング孔を容易かつ確実に形成することができる。
上記実施の形態においては、レーザトーチ2が加工起点廻りに描く周回移動の軌跡が、円を含む周回移動軌跡71の場合について説明したが、レーザトーチ2が描く軌跡は、図5Bに示すように、直線72aに沿って加工起点からオフセットされ、その後、直線72b、72c、72dに沿って三角形を描きながら移動し、周回移動(複数回の場合もある)が完了した後に、直線72eに沿って、加工起点に戻る三角形を含む周回移動軌跡72であってもよい。
また、図5Cに示すように、レーザトーチ2が直線73aに沿って加工起点からオフセットされ、その後、直線73b、73c、・・・、に沿って、辺がnの多角形を描きながら移動し、周回移動(複数回の場合もある)が完了した後に、直線73n+2に沿って、加工起点に戻る多角形を含む周回移動軌跡73を適用することも可能である。
さらに、レーザトーチ2が描く軌跡を、図8に示すように、直線75aに沿って加工起点からオフセットし、その後、直線75b、75c、75dのようにst1のストロークで往復移動し、又は、かかる往復移動を含んだ軌跡を描きながら移動する、往復移動含む移動軌跡75とすることも可能である。
また、レーザトーチ2が描く軌跡を、図9に示すように、直線76aに沿って加工起点からオフセットし、その後、直線76b、76c、・・・76nに沿って、st2のストロークで往復移動するとともに、往復移動する方向に直交する方向に1往復あたりの移動量Mで移動するジグザグに移動する移動軌跡76を適用することも可能である。
ジグザグ移動においては、例えば、1往復あたりの移動が往復移動する方向に90°以外の所定の角度である場合やZ型に移動させることも可能である。
上記のように、レーザトーチ2を往復移動含む移動軌跡75やジグザグに移動する移動軌跡76で移動させる場合、レーザトーチ2は、必ずしも加工起点に対応する位置に戻ることは要件とされない。
上記実施のの形態に係るレーザピアシング方法及び加工装置1によれば、レーザトーチ2が、加工起点からオフセットして、例えば円軌跡を描きながら周回移動することで、溶融池60の開口部61にアシストガスGの圧力が高い部分61sからアシストガスGの勢いが低い部分61wに溶融池60内の溶融物64が移動させられ、その結果、溶融池60の溶融物64が溶融池60の周方向に分散して排出され、溶融池60内の溶融物64が短時間にて排出され、その結果、溶融物64の酸化を抑制してピアシング孔径d1を小さくすることができる。
〔酸素濃度制御部〕
まず、処理部12bは、板厚入力部31a、ピアシング孔サイズ入力部31bから鋼板Wのピアシング孔加工をする板厚t(加工部の厚さt)及びピアシング孔径d1に関するデータを受け取る。
入力された鋼板Wの板厚t及びピアシング孔径d1から、ノズル3から噴射されるアシストガスGの酸素濃度Cの調整の要否を判定し、酸素濃度Cの調整が必要な場合は、鋼板Wの板厚さtに対応してアシストガスGの酸素濃度Cが下記(1)から(3)の数式によって決定される。
前記酸素濃度Cは、
0<t<8mmの範囲において、
0<C<99.9 ・・・(1)
8≦t<13.5mmの範囲において、
0<C≦−1.65t+111.2 ・・・(2)
13.5≦t≦26.33mmの範囲において、
5.28t−71.28≦C≦−1.65t+111.2 ・・・(3)
C;酸素濃度(Vol%)、t;鋼板Wの板厚(mm)
また、必要に応じて、圧力モード入力部31dから、ノズル3から噴射するアシストガスGの噴射圧Pに関する指示を入力してもよく、上記(1)から(3)の数式に基づいてピアシング孔加工を行うにあたって、ピアシング孔を加工するためのアシストガスの噴射圧Pを、
0<t<13mmの範囲において、 0.015≦P≦0.05・・・(4)
13≦t≦26.33mmの範囲において、
0.002t−0.011≦P≦0.002t+0.024・・・(5)
と、することが、好適であり、
また、アシストガスの噴射圧Pを、
0<t<13mmの範囲において、 P=0.03 ・・・(6)
13≦t≦26.33mmの範囲において、
P=0.002t+0.004・・・(7)
P;アシストガスGの噴射圧(MPa)、t;鋼板Wの板厚(mm)
とすると、溶融池60内の溶融物64が略完全に排出されて、ピアシング孔径d1を小さくするうえで最適である。
次いで、処理部12bは、上記数式により算出(演算)したアシストガスGの酸素濃度に対応したマスフローコントローラ27a、27bの開度データ、及び算出したアシストガスGの噴射圧Pを得るための該圧力調整弁25の制御データを、信号ケーブル14を介してデータテーブル13からそれぞれ取得して、信号ケーブル26a、26b、28を介してマスフローコントローラ27a、27b、及び圧力調整弁25に送信する。
マスフローコントローラ27a、27bは、処理部12bから送信された開度データにより流路の開度が開閉制御され、所望の酸素濃度のアシストガスGを生成するのに必要な量の酸素及び窒素を、酸素供給源41及び窒素供給源43から混合器24に供給する。
混合器24に供給された所定量の酸素及び窒素は、混合器24で混合され、所定の酸素濃度のアシストガスGとされてノズル3に供給され、ノズル3の噴射口3bから鋼板Wに噴射されるとともに、レーザ光L2が鋼板Wに照射されてピアシングが行なわれる。
この場合、レーザ光L2をパルス照射ではなく、連続照射においても過剰な酸化、燃焼が生じないようにアシストガスGの酸素濃度を調整することで、高効率にピアシング孔Hを形成することができる。
この場合、圧力調整弁25は、処理部12bから送信された制御データにより制御され、ノズル3に供給されるアシストガスGが所望の噴射圧Pとされる。
上記実施の形態に係るレーザピアシング方法及び加工装置1によれば、ノズル3から噴射されるアシストガスGの酸素濃度Cを、鋼板Wである鋼板Wの板厚tに応じて決定し、その酸素濃度Cにてピアシング孔加工を行なうので、鋼板Wの過剰な酸化、燃焼が抑制され、ドロスの量が削減されるので、各鋼板Wの板厚において材料歩留や品質面でより小さな径のピアシング孔Hを容易かつ確実に形成することができる。
また、アシストガスGの酸素濃度を調整することで、レーザ光を連続的に照射した場合であっても、過剰な酸化、燃焼が抑制され、連続照射による高い生産性を確保しつつ、孔径が小さいピアシング孔を容易かつ確実に形成することができる。
〔ドロス除去制御部〕
まず、ピアシング孔加工後にドロス除去動作を行なうかどうかを決定して、必要であれば、ピアシング孔加工後にドロス除去動作を選択して、ドロス除去モード入力部31eに指示を入力する。
ドロス除去モード入力部31eから入力された信号は、データケーブル33eを介して処理部12cに送信される。
処理部12cは、板厚入力部31a、ピアシング孔サイズ入力部31bから送信された、鋼板Wの板厚t及びピアシング孔径d1に関するデータをデータテーブル13cに送信して、加工するピアシング孔Hの孔径及びそのピアシング孔Hのドロス除去に適したノズル3の位置及び動作に関するデータをデータテーブル13cから受け取る。
処理部12cが、データテーブル13cから受け取る位置及び動作に関するデータとしては、例えば、ピアシング孔Hの軸線OHから距離及び鋼板Wの表面からの高さ、ノズルの周回移動速度、周回回数、周回移動軌跡(軸縁OH又はピアシング孔Hの周縁からの距離に関する情報等を含む)等が該当する。
処理部12cは、データテーブル13cから受け取るこれらのデータに基づいて、駆動部材80を移動させるための、時間・位置情報を演算するとともに、その演算結果を、信号ケーブル15a、15b、15cを介してXドライバ16a、Yドライバ16b、Zドライバ16cに送信し、各ドライバを駆動する。
Xドライバ16a、Yドライバ16b、Zドライバ16cは、駆動部材80を駆動してレーザトーチ2を移動する。
動作順序は、以下のとおりである。
レーザトーチ2が所定の位置、例えば、加工起点に配置する。
ドロス除去制御は、自動運転においては、ピアシング孔加工に引き続いて自動起動される。また、ドロス除去制御は、起動スイッチをONすることにより手動操作で行なってもよい。
レーザトーチ2が、Zドライバ16cにより、所定の高さまで上昇される。
次に、レーザトーチ2からレーザ光L2が照射されるとともに、ノズル3からアシストガスGが噴射される。
ここで、レーザトーチ2の上昇と、レーザ光L2の照射及びアシストガスGの噴射を同時に行なうようにしてもよい。
次に、Xドライバ16a、Yドライバ16bにより、駆動部材80を駆動してレーザトーチ2を、その軸線O1がピアシング孔Hの周縁から所定の距離の位置まで移動させる。
次いで、Xドライバ16a、Yドライバ16bにより、駆動部材80を駆動してレーザトーチ2をピアシング孔Hの周囲の鋼板Wの表面の上方にて周回移動させながら、レーザ光L2により堆積したドロスを加熱するとともに溶融するとともにアシストガスGにより酸化、燃焼させ、溶融、酸化されたドロスをアシストガスGにより除去する。
所定の周回回数の間、加工起点の周囲を周回移動したら、レーザ光L2の照射とアシストガスGの噴射を終了し、加工起点に戻りドロス除去制御を完了する。
上記実施形態においては、アシストガスGの流量、圧力に関するデータは、データテーブル13cに格納したものを使用しているが、処理部12cにおいて演算させてもよい。
また、ピアシング孔Hに対するレーザトーチ2の軸線O1は、通常はピアシング孔Hの周縁から、例えば、径方向外方に0(ピアシング孔Hの周縁に相当)以上3.0mm以下の位置の鋼板W表面の上方が好適である。
連続照射のレーザ出力6kW、鋼板Wの板厚t22mmの場合において、
鋼板Wの表面からのノズル3の高さ:50mm、アシストガス圧力:0.1MPa、レーザトーチ2の軸線O1が描く円軌跡の位置:ピアシング孔径d1=4.5mmのピアシング孔に対して、ピアシング孔の軸線OHから半径4.25mmの位置、すなわち、ピアシング孔径の径方向外方2mmに軸線O1を移動させて、周回移動したところ、良好な結果が得られた。
上記実施の形態に係るレーザピアシング方法及び加工装置1によれば、ピアシング孔Hが貫通した後に、ノズル3をピアシング孔Hの周囲の被加工材表面の上方に移動させ、レーザ光を照射して堆積したドロスを再溶融して、被加工材Wの表面から剥離し易くし、また、ドロスが燃焼し易くなった状態にてノズル3からアシストガスGを噴射しながらピアシング孔Hを周回移動するので、ピアシング孔Hの周囲のピアシング孔Hの開口部近傍の被加工材表面に形成されたドロスを容易かつ効率的に除去することができ、その結果、高い品質のピアシング孔Hを加工することができる。
また、ピアシング孔Hの周囲にノズル3を周回移動させて、ドロスに対して近距離からアシストガスGを噴射するので、小さな流量にて、確実にドロスの除去を行なうことができ、その結果、加工時間と加工コストを大幅に削減することができる。
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更をすることが可能である。
上記実施の形態においては、鋼板Wにレーザ光Lを連続的に照射する連続照射の場合について説明したが、照射するレーザ光Lは、パルス照射でもよく、特に、90%以上のデューティのパルス照射においては連続照射の場合と略同等の効果が得られる。
また、上記実施の形態においては、レーザトーチ2の周回制御のみで対応できない場合に、アシストガスGの酸素濃度調整と組合せた場合について説明したが、レーザトーチ2の移動制御とアシストガスGの酸素濃度調整との組合せ条件は自在に設定可能である。
また、上記実施の形態においては、レーザトーチ2がピアシング孔の中心の廻りに円状に周回移動する場合について説明したが、レーザトーチ2の先端が描く形状は、円に限定されることなく、三角形、四角形等の多角形とすることも可能である。
上記実施の形態においては、被加工材Wが鋼板の場合について説明したが、本発明に係る方法及び加工装置1に適用する被加工材Wは、厚さtが一様の板材に限られることなく加工部の厚さtがその周囲と異なる形状のものでもよいし、また、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、チタン等の、他の金属又はそれらの合金から構成されたものであってよい。
また、アシストガスGを構成する気体の一部として、不活性ガス、例えばアルゴン、ヘリウム等を使用することも可能である。
また、アシストガスGの酸素濃度Cを特定する数式として、(1)から(3)を示したが、加工装置1が、この数式以外の数式に基づく制御パターンを備えてピアシング孔加工に適用してもよい。また、制御部を備えない加工装置に適用して、マスフローコントローラ27a、27b等に設けられた目盛や、歯車、リンク機構等を用いた開度調整装置により、酸素濃度、噴射圧Pを制御してもよい。
また、上記実施の形態においては、加工データ入力部30に入力された板厚t等のデータに基づいて、被加工材Wの板厚tに対応して、レーザトーチ2が描く軌跡や、周回回数を処理部12で演算してデータテーブル13から制御データを取得して、レーザトーチ2を移動させる場合について説明したが、入力された板厚t等の情報に基づいて、処理部12aが制御データを直接に算出してその結果に応じてレーザトーチ2を移動させることも可能である。
アシストガスGの酸素濃度を処理部12bで演算してデータテーブル13bから制御データを取得して、マスフローコントローラ27a、27bを制御する場合について説明したが、入力された板厚t等の情報に基づいて、制御データを直接に算出して酸素濃度C、噴射圧Pを調整してもよい。
ここで、本発明の一実施の形態に係るピアシング孔加工の効果についての検証試験を実施した。
図10において示したのは、レーザトーチ2が加工起点廻りに描く周回移動の軌跡が、円を含む周回移動軌跡71の場合の検証結果であり、F、J、Kは、それぞれ、比較例1、実施例1、実施例2を表しており、それぞれ、板厚が6mm、9mm、12mm、16mm、19mmの鋼板にレーザ加工機によりレーザ光を照射するとともに、ノズルからアシストガスを噴射してピアシング孔を加工したときの、鋼板Wの板厚t(mm)とピアシング孔径d1(mm)の関係を示している。
レーザ加工機の加工条件は、以下のとおりである。
(1)レーザ加工機の照射形態、出力 ;連続照射、2.5kw
(2)鋼板Wからのノズル開口部までの距離;6mm
は、実施例1、実施例2、比較例1に共通している。
実施例1は、鋼板へのピアシング孔加工を開始後、レーザトーチ2の軸線O1を、加工起点からオフセットさせ、その後、加工起点廻りに円軌跡を描きながら所定の周回回数N(回)ほど周回移動させ、再び加工起点に戻して、ピアシング孔を加工した。
実施例2は、実施例1の加工条件に加えて、アシストガスGの酸素濃度Cを、52.6(vol%)に調整してピアシング孔を加工した。
比較例は、ピアシング孔Hの加工を開始した後もノズル3の軸線O1を加工起点と一致させたまま、ピアシング孔を加工した。
また、鋼板の板厚tによって変化をもたせた加工条件は、以下のとおりであり、ここで、トーチの速度、周回回数、円軌跡の直径d2は、実施例1、実施例2に関わる条件である。
〔加工条件〕
鋼板の板厚t トーチの速度 周回回数 円軌跡の直径 アシストガス圧力
6mm 1500mm/min 1回 0.5mm 0.04MPa
9mm 500mm/min 2回 2.0mm 0.04MPa
12mm 500mm/min 5回 4.0mm 0.04MPa
16mm 1500mm/min 5回 4.0mm 0.23MPa
19mm 1500mm/min 5回 4.0mm 0.23MPa
〔検証結果〕
上記加工条件において加工したピアシング孔径d1は以下のとおりである。
鋼板の板厚t 実施例1 実施例2 比較例1
6mm 2.2mm 2.2mm 4.1mm
9mm 3.3mm 3.2mm 4.4mm
12mm 3.4mm 3.3mm 4.8mm
16mm 7.1mm 4.5mm 8.7mm
19mm 6.5mm 5.2mm 9.7mm

以上のように、実施例1、実施例2ともに、鋼板の板厚6mm、9mm、12mm、16mm、19mmのいずれにおいても、比較例1に対して効果が確認された。
また、実施例2と実施例1とを比較した場合、実施例2は、板厚tが、6mmから12mmまでの範囲については、変化が小さかったが、板厚tが、16mm、19mmにおいては大きな変化(縮小率 最大で約37%)があり、アシストガスの酸素濃度を調整することによりさらなる効果があることが確認できた。
また、同様に、板厚22mmの鋼板についての検証結果を、以下に示す。
レーザ加工機の加工条件は、以下のとおりである。
(1)レーザ加工機の照射形態、出力 ;連続照射、6.0kw
(2)鋼板Wからのノズル開口部までの距離;4mm
は、実施例3、実施例4、比較例2に共通しており、加工条件は、実施例1、実施例2、比較例1と同様であり、トーチの速度;150mm/min、周回回数;2回、円軌跡の直径d2;0.5mm、アシストガス圧力;0.04MPaとした。
〔検証結果〕
上記加工条件において加工したピアシング孔径d1は以下のとおりである。
鋼板の板厚t 実施例3 実施例4 比較例2
22mm 6.2mm 4.5mm 7.6mm

以上のように、実施例3、実施例4ともに、比較例2に対して効果が確認された。
また、実施例4と実施例3との比較においても大きな変化(縮小率 約28%)があり、アシストガスの酸素濃度を調整することによりさらなる効果があることが確認できた。
つぎに、この実施の形態において、レーザトーチ2が、板厚22mmの鋼板に対して往復移動を含む移動軌跡75及びジグザグ移動軌跡を移動しながらピアシング孔を加工した場合の検証結果を示す。レーザトーチ2を移動軌跡75のように移動させた場合を実施例5、レーザトーチ2を移動軌跡76のように移動させた場合を実施例6としている。
実施例5、実施例6におけるレーザ加工機の加工条件は、以下のとおりである。
(1)レーザ加工機の照射形態、出力 ;連続照射、6.0kw
(2)鋼板Wからのノズル開口部までの距離;6mm
(3)トーチの速度;600mm/min、アシストガス圧力;0.35MPa
(3)実施例5におけるレーザトーチ2の往復移動を含む軌跡は、往復移動のストロークst1;0.5mm、往復回数;5回
(4)実施例6におけるレーザトーチ2のジグザグ移動軌跡は、往復移動方向のストロークst2;0.5mm、往復回数;5回、往復移動方向と直交する方向成分の1往復移動あたりの移動量M;0.2mm
なお、比較例2は、前述の実施例3、実施例4に係るものを採用した。
〔検証結果〕
上記加工条件における実施例5のピアシング孔径d1は、
鋼板の板厚t 実施例5 比較例2
22mm 3.5mm 7.6mm
であり、また、
上記加工条件における実施例6のピアシング孔径d1は、
鋼板の板厚t 実施例6 比較例2
22mm 3.5mm 7.6mm
である。
以上のように、実施例5、実施例6は、比較例2に対して大きな効果が得られることが確認された。
本発明の一実施の形態に係るアシング孔加工を示す図であり、ノズルが加工起点にある場合を示す図である。 本発明の一実施の形態に係る加工装置の構成の概略を示す図である。 本発明の一実施の形態に係るピアシング孔加工のフローを示す図である。 本発明の一実施の形態に係るレーザピアシング加工においてノズルがオフセットした場合を示す図である。 本発明の一実施の形態に係るレーザトーチの軌跡を示す図であり、図5Aは、円を含む移動軌道の場合を、図5Bは、三角形を含む移動軌道の場合を、図5Cは、多角形を含む移動軌道の場合を示している。 本発明の一実施の形態に係るノズルが溶融池の中心からオフセットした場合のアシストガスの圧力分布を示す図であり、図6Aは平面図、図6Bは側面図である。 本発明に係るアシストガスの圧力分布を示す図である。 本発明の一実施の形態に係るレーザトーチの移動軌跡を示す図であり、ノズルが往復移動を含む軌跡を移動する場合の例である。 本発明の一実施の形態に係るレーザトーチの移動軌跡を示す図であり、ノズルがジグザグ移動する場合の例である。 本発明の一実施の形態に係るピアシング孔加工の効果を示す図である。 従来のレーザ切断機のノズル部の概略を示す図である。
符号の説明
H ピアシング孔
L1、L2 レーザ光
t 板厚(加工部の厚さ)
OH ピアシング孔の軸線
G アシストガス
W 鋼板(金属製の被加工材)
C 酸素濃度
1 加工装置
2 レーザトーチ
3 ノズル
10 ピアシング制御部(制御手段)
11 ノズル移動制御部
20 酸素濃度調整部(酸素濃度調整手段)
40 ドロス除去制御部(ドロス除去手段)
60 溶融池
64 溶融物

Claims (12)

  1. 被加工物の加工部にレーザ光を照射しつつ、前記レーザ光と同軸に配置されたノズルから前記加工部に向けてアシストガスを噴射してアシストガスによって前記加工部を覆い、該加工部にピアシング孔を加工するレーザピアシング方法であって、
    前記レーザ光を照射開始後に、前記加工起点から5mmの範囲内で前記ノズルを移動させて、前記溶融池の開口部におけるアシストガスの圧力分布を前記溶融池の開口部の中心に非対称として前記溶融池の開口部における圧力バランスを偏らせることで溶融物を排出させながらピアシング孔を加工することを特徴とするレーザピアシング方法。
  2. 請求項1記載のレーザピアシング方法であって、
    前記ノズルを、
    加工起点の廻りに周回移動させることを特徴とするレーザピアシング方法。
  3. 請求項1記載のレーザピアシング方法であって、
    前記ノズルを、
    往復移動を含む軌跡で移動させることを特徴とするレーザピアシング方法。
  4. 請求項1記載のレーザピアシング方法であって、
    前記ノズルを、
    ジグザクに移動させることを特徴とするレーザピアシング方法。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載のレーザピアシング方法であって、
    前記ノズルから噴射されるアシストガスの酸素濃度Cは、前記ピアシング孔加工をする加工部の厚さtに対応して決定され、
    前記酸素濃度Cは、
    0<t<8mmの範囲において、 0<C<99.9
    8≦t<13.5mmの範囲において、 0<C≦−1.65t+111.2
    13.5≦t≦26.33mmの範囲において、
    5.28t−71.28≦C≦−1.65t+111.2
    C;酸素濃度(Vol%)、t;加工部の厚さ(mm)
    であることを特徴とするレーザピアシング方法。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載のレーザピアシング方法であって、
    前記ピアシング孔を貫通した後に、前記ノズルを前記ピアシング孔の周囲の被加工材の表面の上方に移動させ、前記レーザ光を照射してドロスを再溶融するとともに前記ノズルからアシストガスを噴射しながら前記ピアシング孔の周囲を周回移動し、前記ピアシング孔の周囲に形成されたドロスを除去することを特徴とするレーザピアシング方法。
  7. 被加工物の加工部にレーザ光を照射しつつ、前記レーザ光と同軸に配置されたノズルから前記加工部に向けてアシストガスを噴射してアシストガスによって前記加工部を覆い、該加工部にピアシング孔を加工する加工装置であって、
    前記レーザ光を照射開始後に、前記加工起点から5mmの範囲内で前記ノズルを移動させて、前記溶融池の開口部におけるアシストガスの圧力分布を前記溶融池の開口部の中心に非対称として前記溶融池の開口部における圧力バランスを偏らせることで溶融物を排出させながらピアシング孔を加工する制御手段を備えることを特徴とする加工装置。
  8. 請求項7に記載の加工装置であって、
    前記制御手段は、
    前記ノズルを、加工起点の廻りに周回移動させる周回制御手段を備えていることを特徴とする加工装置。
  9. 請求項7に記載の加工装置であって、
    前記制御手段は、
    前記ノズルを、往復移動を含む軌跡で移動させる往復制御手段を備えていることを特徴とする加工装置。
  10. 請求項7に記載の加工装置であって、
    前記制御手段は、
    前記ノズルを、ジグザグに移動させるジグザク制御手段を備えていることを特徴とする加工装置。
  11. 請求項7から請求項10のいずれかに記載の加工装置であって、
    前記制御手段は、
    前記ノズルから噴射されるアシストガスの酸素濃度Cを、前記ピアシング孔加工をする加工部の厚さtに対応して決定する酸素濃度調整手段を備えていることを特徴とする加工装置。
  12. 請求項7から請求項11のいずれかに記載の加工装置であって、
    前記制御手段は、
    前記ピアシング孔を貫通した後に、前記ノズルを前記ピアシング孔の周囲の被加工材の表面の上方に移動させ、前記レーザ光を照射してドロスを再溶融するとともに前記ノズルからアシストガスを噴射しながら前記ピアシング孔の周囲を周回移動し、前記ピアシング孔の周囲に形成されたドロスを除去するドロス除去手段を備えていることを特徴とする加工装置。
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