JP5063032B2 - トリ−、テトラ−置換−3−アミノピロリジン誘導体 - Google Patents

トリ−、テトラ−置換−3−アミノピロリジン誘導体 Download PDF

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Description

本願発明は、医薬、動物薬、水産用薬、または抗菌性の保存剤として有用なキノロン系化合物に関する。
キノロン系合成抗菌薬(ピリドベンズオキサジン骨格のものを含む。)は、ノルフロキサシンの発見以来、抗菌活性や体内動態が改善され、ほぼ全身の感染症に有効な化学療法薬に発展して多くが臨床の場に供されている(特許文献1または2参照)。
しかしながら、近年、臨床の場ではキノロン系合成抗菌薬に対する低感受性菌が増加しつつある。例えば、β−ラクタム系抗生物質に非感受性の黄色ブドウ球菌(MRSA)や肺炎球菌(PRSP)、そしてアミノ配糖体系抗菌薬に非感受性の腸球菌(VRE)などのグラム陽性球菌の如く、キノロン系合成抗菌薬以外の薬剤に耐性の菌であって、かつキノロン系合成抗菌薬にも低感受性となった菌も増加している。したがって臨床の場では、とりわけ、グラム陽性球菌に対する有効性がさらに高い薬剤が望まれている。
一方、近年創出されたキノロン系合成抗菌化合物は従来のものと比べて遥かに高い抗菌活性を備えるようになっている(特許文献3または4参照)。しかしながらこの様な高抗菌活性のキノロン化合物の中には、従来のキノロン系合成抗菌薬では認められなかった生理作用・薬理作用に基づいた副作用を発現してしまうものが多く認められるようになっている。例えば血糖値異常や、心毒性、遅延型アレルギーの発現、あるいは痙攣の発現などの副作用が発現し、投与に制限が設けられる事例や、さらには医薬としての開発や使用が放棄される事態も発生している。すなわち、抗菌作用は強くとも副作用面からは医薬としての適性が十分でなかったりする事例が認められるようになってきた。したがって、高い抗菌活性を備えていても副作用が発現して医薬とはなりえない事態を防ぐため、従来とは異なるコンセプトの化合物のデザインが求められている。すなわち、抗菌活性は従来の化合物に比べて必らずしも最も強くなくともそれに近い高レベルにあればよしとし、副作用が発現せずに高い安全性を確保する等、医薬として使用できる十分な特性を備えた化合物を得るためのデザインが求められている。
キノロン系合成抗菌薬の副作用としては、例えば、非ステロイド性の抗炎症剤との併用による痙攣の誘発、中枢作用(ふらつき、頭痛、不眠などの軽度な中枢神経障害、さらには致死性の痙攣発現などの重篤な副作用)、光毒性(光線過敏症)、肝毒性、心毒性(致死的不整脈を誘発する心電図異常として観察される異常)、遅延型アレルギー、そして血糖値異常等が明らかとなっている(非特許文献1〜3参照)。
この様な副作用のうち、最近、臨床での発症が報告されている特徴的なものが心毒性(致死的不整脈を誘発する心臓の異常で、QTもしくはQTc延長作用の心電図異常として観察される。)であり、上市済のキノロン系抗菌薬の一部では、明確なQTもしくはQTc延長作用が報告されており、一部には重篤な症例(致死的不整脈を誘発する心電図異常)も報告された(非特許文献1〜3参照)。この他、遅延型のアレルギーである発疹の発生や、血糖異常等の副作用も報告されるようになっている。
したがって、キノロン系抗菌薬を医薬、または動物薬として使用するためには、従来からの副作用として知られている、非ステロイド性の抗炎症剤との併用による痙攣の誘発、中枢作用、光毒性(光線過敏症)、肝毒性などに加え、心毒性、遅延型アレルギー、血糖値異常等の副作用が弱い、より高い安全性のキノロン系合成抗菌剤が求められており、強い抗菌活性と高い選択毒性を兼ね備えた特性を有するキノロン化合物が求められている。
特開昭61−282382号公報 特開昭63−45261号公報 特開平2−231475号公報 特開平3−95176号公報 小林 宏行 編、ニューキノロン剤の臨床応用、医薬ジャーナル社(2001年) ドラッグス,第62巻,1号,13頁(2002年) トキシコロジー レターズ,第127巻,269頁(2002年)
従って本発明は、グラム陽性菌およびグラム陰性菌に対して広範で、且つ、強力な抗菌活性を示し、しかも高い安全性を有するキノロン系合成抗菌薬および感染症治療薬を提供することを目的とする。
本発明者は、キノロン化合物の7位または相当位に3−アミノピロリジニル基を有する化合物に着目して研究を行ってきた。そして、3−アミノピロリジニル基において、この3位の炭素原子に脂肪族置換基に代表される置換基を有し、さらに4位の炭素原子に、同じく脂肪族置換基に代表される置換基を1個または2個を有する次式:
で表わされる3、4位がトリ−またはテトラ−置換の3−アミノピロリジニル基を有するキノロン化合物であれば、キノロン耐性を含む多剤耐性肺炎球菌などの耐性グラム陽性球菌をはじめとするグラム陽性菌からグラム陰性菌に対して幅広く、且つ、強力な抗菌力を示すことを見出した。さらにこのキノロン化合物はこの高い抗菌活性だけでなく、キノロン系抗菌剤の副作用として臨床で最近報告されている心毒性が、これが発生しているキノロン類と比較して遥かに弱いことを見出した。また、遅延型アレルギーの発現、血糖値異常等の副作用を発現する可能性も低いことも明らかとなった。そして、経口吸収性、臓器移行性にも優れ、また尿中***率の面でも優れていることも明らかとなった。かくして、本発明者は後記式(I)で表わされるキノロン化合物が優れた抗菌活性と優れた安全性を有し、そしてそれだけではなくさらに優れた体内動態をも兼ね備えた、医薬として優れた特性のキノロン系合成抗菌薬であることを見出して本発明を完成させたのである。
すなわち、本発明は、下記の式(I)で表わされる化合物、その塩、またはそれらの水和物を提供するものである。
[式中、R1は、水素原子、炭素数1から6のアルキル基もしくは炭素数3から6のシクロアルキル基を示すか、または、アミノ酸、ジペプチド、もしくはトリペプチド由来の置換カルボニル基を示すが、このうち、アルキル基の場合は、水酸基、アミノ基、ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキルチオ基、および炭素数1から6のアルコキシ基からなる群の基から選ばれる基を置換基として有していてもよく;
2は、水素原子、炭素数1から6のアルキル基、または炭素数3から6のシクロアルキル基を示すが、このうち、アルキル基の場合は、水酸基、アミノ基、ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキルチオ基、および炭素数1から6のアルコキシ基からなる群の基から選ばれる基を置換基として有していてもよく;
3は、炭素数1から6のアルキル基、炭素数3から6のシクロアルキル基、炭素数2から6のアルケニル基、または炭素数2から6のアルキニル基を示すが、このうち、アルキル基の場合は、水酸基、アミノ基、ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキルチオ基、および炭素数1から6のアルコキシ基からなる群の基から選ばれる基を置換基として有していてもよく;
4およびR5は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数2から6のアルケニル基、炭素数2から6のアルキニル基、または置換基を有していてもよい炭素数3から6のシクロアルキル基を示すが、このうち、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、およびアルキニル基は、直鎖状または分岐枝状のいずれでもよく、さらに、アルキル基の場合は、水酸基、アミノ基、ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキルチオ基、および炭素数1から6のアルコキシ基からなる群の基から選ばれる基を置換基として有していてもよく、ただし、R4およびR5は、同時に水素原子となることはなく、
さらに、これらの置換基R4およびR5は一体化して、
(a)これらが結合する炭素原子を含んで、3員環から6員環の環状構造を形成してピロリジン環と共にスピロ環状構造を形成してもよく、このようにして形成されたスピロ環は、酸素原子もしくは硫黄原子を環の構成原子として含んでいてもよく、さらにこの環には、置換基を有していてもよい炭素数1から6のアルキル基もしくはハロゲン原子が置換していてもよく、または、
(b)ピロリジン環に二重結合によって結合するエキソメチレン基を形成してもよく、さらにこのエキソメチレン基は、水酸基、アミノ基、ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキルチオ基、および炭素数1から6のアルコキシ基からなる群の基から選ばれる基を1もしくは2個有していてもよく;
6およびR7は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1から6のアルキル基を示し;
8は、炭素数1から6のハロゲン置換アルキル基、炭素数3から6のハロゲン置換シクロアルキル基、ハロゲン置換フェニル基、またはハロゲン置換へテロアリール基を示し;R9は、水素原子、フェニル基、アセトキシメチル基、ピバロイルオキシメチル基、エトキシカルボニル基、コリン基、ジメチルアミノエチル基、5−インダニル基、フタリジニル基、5−アルキル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イルメチル基、3−アセトキシ−2−オキソブチル基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数2から7のアルコキシメチル基、または炭素数1から6のアルキレン基とフェニル基とから構成されるフェニルアルキル基を示し;
1は、水素原子またはハロゲン原子を示し;
Aは、窒素原子または式(II)
(式中、X2は、水素原子、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、ハロゲン置換メチル基、またはハロゲンノメトキシ基を示すが、このX2と上記のR8は一体化して母核の一部を含んで環状構造を形成してもよく、このようにして形成された環は、酸素原子、窒素原子、もしくは硫黄原子を環の構成原子として含んでいてもよく、さらにこの環には、置換基を有していてもよい炭素数1から6のアルキル基が置換していてもよい。)
で表わされる部分構造を示す。]を提供するものである。
また、本発明は、上記式(I)で表わされる化合物、その塩またはそれらの水和物を有効成分とする医薬を提供するものである。
また本発明は、上記式(I)で表わされる化合物を投与することを特徴とする疾病の治療方法を提供するものである。さらに本発明は、上記(I)で表わされる化合物の、医薬製造のための使用を提供するものである。
本発明によれば、グラム陰性菌だけでなく、キノロン系抗菌薬にも低感受性となったグラム陽性球菌に対しても強い抗菌活性を有し、優れた安全性および体内動態を有する医薬として優れた特性を有するキノロン系合成抗菌薬が提供できる。
先ず式(I)の各置換基について説明する。
1は、水素原子、炭素数1から6のアルキル基もしくは炭素数3から6のシクロアルキル基を示すか、または、アミノ酸、ジペプチド、トリペプチド由来の置換カルボニル基を示す。このうち、R1がアルキル基の場合は、水酸基、アミノ基、ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキルチオ基、および炭素数1から6のアルコキシ基からなる群の基から選ばれる基を置換基として有していてもよい。
またR2は、水素原子、炭素数1から6のアルキル基、または炭素数3から6のシクロアルキル基を示すが、このうち、アルキル基の場合は、水酸基、アミノ基、ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキルチオ基、および炭素数1から6のアルコキシ基からなる群の基から選ばれる基を置換基として有していてもよい。
1またはR2がアルキル基であるとき、これらは直鎖状または分枝状のいずれでもよいが、メチル基、エチル基、プロピル基、またはイソプロピル基であることが好ましく、これらのうちではメチル基またはエチル基が好ましく、さらにメチル基が好ましい。
1またはR2がアルキル基であって水酸基またはアミノ基を置換基として有する場合、アルキル基は、炭素数1から6の直鎖状または分枝状のいずれでもよく、またこれらの置換基はアルキル基の末端の炭素原子上に置換するのがより好ましい。水酸基を有するアルキル基としては炭素数3までのものがよく、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基が好ましい。また、アミノ基を有するアルキル基としては炭素数3までのものがよく、アミノメチル基、2−アミノエチル基、2−アミノプロピル基、3−アミノプロピル基が好ましい。
1またはR2がアルキル基であってハロゲン原子を置換基として有する場合、アルキル基は、炭素数1から6の直鎖状または分枝状のいずれでもよく、ハロゲン原子としてはフッ素原子が好ましい。またフッ素原子の数は、モノ置換からパーフルオロ置換までのいずれでもよい。モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基をハロゲン置換アルキル基の好適なものとして例示することができる。
1またはR2がアルキル基であってアルキルチオ基またはアルコキシ基を置換基として有する場合、アルキル基は直鎖状または分枝状のいずれでもよく、アルキルチオ基またはアルコキシ基もアルキル部分は直鎖状または分枝状のいずれでもよい。アルキルチオ基を有するアルキル基としてはアルキルチオメチル基、アルキルチオエチル基、アルキルチオプロピル基が好ましく、さらにはアルキルチオ基も炭素数1から3までのものが好ましい。さらに好ましいものとして、メチルチオメチル基、エチルチオメチル基、メチルチオエチル基を挙げることができる。また、アルコキシ基を有するアルキル基としてはアルコキシメチル基、アルコキシエチル基、アルコキシプロピル基が好ましく、さらにはアルコキシ基も炭素数1から3までのものが好ましい。さらに好ましいものとして、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基を挙げることができる。
1またはR2がシクロアルキル基であるときは、シクロプロピル基、シクロブチル基が好ましく、シクロプロピル基がより好ましい。シクロアルキル基の置換基としては、炭素数1から6のアルキル基、ハロゲン原子、アミノ基、および水酸基からなる群の基から選ばれる1または2以上の基であればよい。具体的には、メチル基、エチル基、フッ素原子、塩素原子、アミノ基、または水酸基が置換基として好ましい。
1およびR2の好ましい組み合わせとしては、R1が水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、またはアミノ酸、ジペプチド、もしくはトリペプチド由来の置換カルボニル基であって、R2が水素原子である場合が好ましい。これらのうちより好ましい組み合わせとしては、R1が水素原子、アルキル基、またはシクロアルキル基であって、R2が水素原子である場合である。このアルキル基としては、メチル基またはエチル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。シクロアルキル基としては、シクロプロピル基またはシクロブチル基が好ましく、特にシクロプロピル基が好ましい。さらに、R1およびR2のより好ましい組み合わせとしては、R1およびR2がいずれも水素原子であるか、R1およびR2のいずれか一方が水素原子であり、他方がメチル基、エチル基、フルオロエチル基、またはシクロプロピル基となる場合である。
1がアミノ酸、ジペプチド、またはトリペプチド由来の置換カルボニル基であって、R2が水素原子であるキノロン誘導体はプロドラッグとして有用である。この様なプロドラッグを得るために用いられるアミノ酸、ジペプチド、およびトリペプチドとしては、これらのカルボキシル基とR1およびR2が結合したアミノ基との間に形成されるペプチド結合が生体内で切断されて遊離のアミン化合物を生成するものである。このようなプロドラッグを得るための置換カルボニル基としては、例えば、グリシン、アラニン、またはアスパラギン酸等のアミノ酸類;グリシン−グリシン、グリシン−アラニン、アラニン−アラニン等の、グリシン、アラニン、またはアスパラギンで構成されるジペプチド類;さらには、グリシン−グリシン−アラニン、グリシン−アラニン−アラニン等の、グリシン、アラニン、またはアスパラギンから構成されたトリペプチド類から導かれる置換カルボニル基を挙げることができる。
3は、炭素数1から6のアルキル基、炭素数3から6のシクロアルキル基、炭素数2から6のアルケニル基、または炭素数2から6のアルキニル基を示す。このうち、R3がアルキル基の場合は、水酸基、アミノ基、ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキルチオ基、または炭素数1から6のアルコキシ基からなる群の基から選ばれる基を置換基として有していてもよい。
3がアルキル基であるとき、これらは直鎖状または分枝状のいずれでもよいが、メチル基、エチル基、プロピル基、またはイソプロピル基であることが好ましい。これらのうちではメチル基およびエチル基が好ましく、さらにメチル基が好ましい。
炭素数3から6のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基が好ましく、シクロプロピル基がより好ましい。
炭素数2から6のアルケニル基は、二重結合を1個を含むものがよく、二重結合の位置は特に限定はないが、例えば、ビニル基、プロペニル基類、ブテニル基類が好ましい。炭素数2から6のアルキニル基も、同様に、三重結合を1個を含むものがよく、三重結合の位置はいずれの位置にあってもよく、エチニル基、プロピニル基類、ブチニル基類が好ましい。これらのうちではビニル基、エチニル基がより好ましい。
3がアルキル基であるときには、水酸基、アミノ基、ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキルチオ基、および炭素数1から6のアルコキシ基からなる群の基から選ばれる基を置換基として有していてもよい。
水酸基またはアミノ基がアルキル基の置換基のとき、これらはアルキル基の末端の炭素原子上に置換したものがより好ましい。水酸基を有するアルキル基としてヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基が好ましい。また、アミノ基を有するアルキル基としては、アミノメチル基、2−アミノエチル基、2−アミノプロピル基、3−アミノプロピル基が好ましい。水酸基またはアミノ基を有するアルキル基としてはメチル基またはエチル基が好ましく、より好ましくは、メチル基上にこれらを有するヒドロキシメチル基またはアミノメチル基である。
ハロゲン原子をアルキル基の置換基として有する場合、アルキル基は、炭素数1から6の直鎖状または分枝状のいずれでもよいが、より好ましくはメチル基またはエチル基上にハロゲン原子を有するものであり、特にメチル基が好ましい。ハロゲン原子としてはフッ素原子が好ましい。またフッ素原子の数は、モノ置換からパーフルオロ置換までのいずれでもよい。モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、および2,2,2−トリフルオロエチル基を例示することができる。モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、およびトリフルオロメチル基が好ましい。
アルキルチオ基またはアルコキシ基がアルキル基の置換基のとき、アルキル基は直鎖状または分枝状のいずれでもよく、アルキルチオ基またはアルコキシ基もアルキル部分は直鎖状または分枝状のいずれでもよい。アルキルチオ基を有するアルキル基としてはアルキルチオメチル基、またはアルキルチオエチル基が好ましく、さらにはアルキルチオ基も炭素数1から2までのものが好ましい。好ましいものとして、メチルチオメチル基、エチルチオメチル基、メチルチオエチル基を挙げることができる。また、アルコキシ基を有するアルキル基としてはアルコキシメチル基、アルコキシエチル基が好ましく、さらにはアルコキシ基も炭素数1または2のものが好ましい。好ましいものとして、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基を挙げることができる。これらのうちでさらに好ましいのはメチルチオメチル基およびメトキシメチル基である。
3がシクロアルキル基であるときの置換基としては、炭素数1から6のアルキル基、ハロゲン原子、アミノ基、および水酸基からなる群の基から選ばれる1または2以上の基であればよい。具体的には、メチル基、エチル基、フッ素原子、または塩素原子が好ましい。
3として好ましいものは炭素数1または2のものが好ましく、メチル基、エチル基、ビニル基、フッ素置換されたメチル基もしくはエチル基、アミノ基もしくは水酸基を有するメチル基もしくはエチル基、チオメチル基もしくはメトキシ基を有するメチル基が好ましい。R3としてはメチル基、またはエチル基が特に好ましい。
4およびR5は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数2から6のアルケニル基、炭素数2から6のアルキニル基、または置換基を有していてもよい炭素数3から6のシクロアルキル基を示すが、アルキル基の場合は、水酸基、アミノ基、ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキルチオ基、または炭素数1から6のアルコキシ基からなる群の基から選ばれる基を置換基として有していてもよい。ただし、R4およびR5は、同時に水素原子となることはない。
さらに、R4およびR5は一体化して、
(a)これらが結合する炭素原子を含んで、3員環から6員環の環状構造を形成してピロリジン環と共にスピロ環状構造を形成してもよく、このようにして形成されたスピロ環は、酸素原子もしくは硫黄原子を環の構成原子として含んでいてもよく、さらにこの環には、置換基を有していてもよい炭素数1から6のアルキル基もしくはハロゲン原子が置換していてもよく、または、
(b)ピロリジン環に二重結合によって結合するエキソメチレン基を形成してもよく、さらにこのエキソメチレン基は、水酸基、アミノ基、ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキルチオ基、および炭素数1から6のアルコキシ基からなる群の基から選ばれる基を1もしくは2個有していてもよい。
4またはR5がアルキル基であるときには、直鎖状または分枝状のいずれでもよいが、メチル基、エチル基、プロピル基、またはイソプロピル基であることが好ましく、これらのうちではメチル基およびエチル基が好ましく、さらにメチル基が好ましい。
4またはR5がアルキル基であるときに水酸基またはアミノ基を置換基として有する場合、これらはアルキル基の末端の炭素原子上に置換したものがより好ましい。水酸基を有するアルキル基としては炭素数3までのものがよく、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基が好ましい。また、アミノ基を有するアルキル基としては炭素数3までのものがよく、アミノメチル基、2−アミノエチル基、2−アミノプロピル基、3−アミノプロピル基等が好ましい。
4またはR5がアルキル基であるときにハロゲン原子を置換基として有する場合、アルキル基は、炭素数1から6の直鎖状または分枝状のいずれでもよく、ハロゲン原子としてはフッ素原子が好ましい。またフッ素原子の数は、モノ置換からパーフルオロ置換までのいずれでもよい。モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基を好適なものとして例示することができる。
4またはR5においてアルキルチオ基またはアルコキシ基がアルキル基の置換基であるとき、アルキル基は直鎖状または分枝状のいずれでもよく、アルキルチオ基またはアルコキシ基もアルキル部分は直鎖状または分枝状のいずれでもよい。アルキルチオ基を有するアルキル基としてはアルキルチオメチル基、アルキルチオエチル基、アルキルチオプロピル基が好ましく、さらにはアルキルチオ基も炭素数1から3までのものが好ましい。さらに好ましいものとして、メチルチオメチル基、エチルチオメチル基、メチルチオエチル基を挙げることができる。また、アルコキシ基を有するアルキル基としてはアルコキシメチル基、アルコキシエチル基、アルコキシプロピル基が好ましく、さらにはアルコキシ基も炭素数1から3までのものが好ましい。さらに好ましいものとして、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基を挙げることができる。
4またはR5がシクロアルキル基であるときは、シクロプロピル基、シクロブチル基が好ましく、シクロプロピル基がより好ましい。R3がシクロアルキル基であるときの置換基と同じでよく、炭素数1から6のアルキル基、ハロゲン原子、アミノ基、および水酸基からなる群から選ばれる1または2以上の基であればよい。具体的には、メチル基、エチル基、フッ素原子、または塩素原子が好ましい。
4またはR5がハロゲン原子であるときは、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子を挙げることができるが、フッ素原子が好ましい。
4またはR5がアルコキシ基であるときは、前記アルキル基から導かれるアルコキシ基であればよく、炭素数1から3のアルコキシ基が好ましく、具体的には、メトキシ基、エトキシ基が好ましい。
4またはR5がアルケニル基、あるいはアルキニル基であるときは、R3と同義である。
4およびR5が一体化してスピロ環状構造を形成する場合は、R4およびR5が一体化して炭素数2から5のポリメチレン鎖を形成し、そのポリメチレン鎖の両端がR4およびR5が結合する炭素原子に結合して環状構造を形成する。このようにして形成される環の大きさは3員環から6員環までがよく、このうちでは3員環または4員環が好ましく、より好ましくは3員環である。また、ポリメチレン鎖のメチレン基が酸素原子または硫黄原子に置き換わって飽和の複素環となってもよい。R4およびR5が一体化して形成する環は、ハロゲン原子または置換基を有していてもよい炭素数1から6のアルキル基を置換基として有していてもよい。ハロゲン原子としては、フッ素原子または塩素原子を挙げることができる。アルキル基としては、直鎖状または分枝状のいずれでもよいが、メチル基、エチル基、プロピル基、またはイソプロピル基であることが好ましく、メチル基またはエチル基が好ましい。このアルキル基はさらに置換基を有していてもよく、置換基としてはハロゲン原子が好ましい。
4およびR5が一体化してピロリジン環に二重結合によって結合するエキソメチレン基を形成する場合は、R4およびR5が結合しているピロリジニル基の4位の炭素原子を一方の炭素原子として炭素−炭素二重結合が形成される。この場合のピロリジニル置換基部分の構造は、下記
(式中、R41およびR51は、いずれも水素原子であるか、あるいは、一方が水素原子で、他方が水酸基、アミノ基、ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキルチオ基、または炭素数1から6のアルコキシ基からなる群の基から選ばれる基を示す。)
で表わされる構造となる。
このエキソメチレン基の置換基がアルキルチオ基またはアルコキシ基である場合に、これらのアルキル部分はさらに置換基を有していてもよく、この様な置換基としては、水酸基、アミノ基、ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキルチオ基、および炭素数1から6のアルコキシ基からなる群の基から選ばれる基であればよい。このうち、炭素数1から6のアルキルチオ基または炭素数1から6のアルコキシル基としては、炭素数1から3までのアルキルチオ基またはアルコキシ基が好ましく、より好ましくは、メチルチオ基、エチルチオ基、メトキシ基、またはエトキシ基である。さらに好ましくは、メチルチオ基またはメトキシ基である。
エキソメチレン基は水素原子以外の置換基を有しない場合が好ましいが、水素原子以外の置換基としては、水酸基、アミノ基、フッ素原子、塩素原子、メチルチオ基およびメトキシ基が好ましい。
4およびR5の組み合せとしては、R4およびR5のいずれか一方が水素原子であり、もう一方がフッ素原子、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、シクロプロピル基、フルオロメチル基、メトキシ基、ビニル基、またはエチニル基であるのが好ましい。また、R4およびR5が一体化して、これらが結合する炭素原子を含んでシクロプロパン環、またはシクロブタン環を形成してスピロ環状構造を形成したものもまた好ましい。さらに、R4およびR5が一体化して炭素数2から5のエキソメチレン基を形成する場合も好ましい。
4またはR5としては、フルオロアルキル基またはフッ素原子であるか、あるいは一体化してスピロ環状構造を形成するかまたはエキソメチレン基を形成するのが好ましい。
6およびR7は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1から6のアルキル基を表わす。アルキル基としては、直鎖状または分枝状のいずれでもよいが、メチル基、エチル基、プロピル基、またはイソプロピル基であることが好ましく、これらのうちではメチル基およびエチル基が好ましく、さらにメチル基が好ましい。R6およびR7はいずれも水素原子であるのが好ましい。
8は、炭素数1から6のハロゲン置換アルキル基、炭素数3から6のハロゲン置換シクロアルキル基、ハロゲン置換フェニル基、またはハロゲン置換へテロアリール基を示す。
8が、炭素数1から6のハロゲン置換アルキル基であるときは、アルキル基部分は直鎖状または分枝鎖状のいずれでもよいが、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等を挙げることができ、これらのうちではエチル基が好ましい。アルキル基に置換するハロゲン原子としてはフッ素原子および塩素原子が好ましく、より好ましくはフッ素原子である。このようなハロゲン置換アルキル基としてはフルオロメチル基、1−フルオロエチル基、2−フルオロエチル基等を挙げることができるが、これらのうちでは2−フルオロエチル基が好ましい。
炭素数3から6のハロゲン置換シクロアルキル基において、環状アルキル基は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基等を挙げることができるが、これらのうちではシクロプロピル基が好ましい。ここに置換するハロゲン原子としては、フッ素原子または塩素原子を挙げることができるが、好ましくはフッ素原子である。置換するハロゲン原子の数は1でよい。すなわちモノフルオロシクロプロピル基が好ましく、シス−モノフルオロシクロプロピル基が好ましい。
ハロゲン置換フェニル基のハロゲン原子は、フッ素原子または塩素原子が好ましく、より好ましくはフッ素原子である。ハロゲン原子の置換数は1または2が好ましい。ハロゲン置換フェニル基としては2−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、または2,4−ジフルオロフェニル基が好ましい。
ハロゲン置換へテロアリール基のヘテロアリール基としては、窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる複素原子を1または2以上を含む、5員環または6員環の芳香族複素環基であればよい。このようなヘテロアリール基のうち好ましいものは、窒素原子1または2を含む5員環または6員環の含窒素芳香族複素環基が好ましい。具体的には、ピリジル基、ピリミジル基、ピペリジニル基、ピロリジニル基、モルホリニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基を挙げることができ、これらのうちではピリジル基が好ましい。ハロゲン原子としては、フッ素原子または塩素原子が好ましく、より好ましくはフッ素原子である。ハロゲン原子の置換数は1または2が好ましい。
8としては、ハロゲン置換された炭素数3から6のシクロアルキル基が好ましい。したがって、2−ハロゲノシクロプロピル基が好ましく、さらに1,2−シス−2−ハロゲノプロピル基、特に(1R,2S)−2−ハロゲノシクロプロピル基が特に好ましい。さらに、モノフルオロシクロプロピル基が好ましく、シス−モノフルオロシクロプロピル基が好ましい。より具体的には1,2−シス−2−フルオロシクロプロピル基、特に(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル基が好ましい。
9は、水素原子、フェニル基、アセトキシメチル基、ピバロイルオキシメチル基、エトキシカルボニル基、コリン基、ジメチルアミノエチル基、5−インダニル基、フタリジニル基、5−アルキル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イルメチル基、3−アセトキシ−2−オキソブチル基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数2から7のアルコキシメチル基、または炭素数1から6のアルキレン基とフェニル基とから構成されるフェニルアルキル基を示す。
9としては水素原子が好ましい。
1は、水素原子またはハロゲン原子を示す。ハロゲン原子としては、フッ素原子または塩素原子が好ましく、より好ましくはフッ素原子である。X1としてはフッ素原子または水素原子が好ましい。
Aは、窒素原子または式(II)
(式中、X2は、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、水素原子、シアノ基、ハロゲン原子、ハロゲン置換メチル基、またはハロゲノメトキシ基を表わすが、このX2と上記のR8は一体化して母核の一部を含んで環状構造を形成してもよく、このようにして形成された環は、酸素原子、窒素原子、もしくは硫黄原子を環の構成原子として含んでいてもよく、さらにこの環には、置換基を有していてもよい炭素数1から6のアルキル基が置換していてもよい。)
で表わされる部分構造を示す。
Aが式(II)で示される部分構造であって、X2が炭素数1から6のアルキル基のとき、直鎖状または分枝状のいずれのアルキル基でもよいが、メチル基、エチル基、プロピル基、またはイソプロピル基であることが好ましく、これらのうちではメチル基およびエチル基が好ましく、さらにメチル基が好ましい。炭素数1から6のアルコキシ基としては前記アルキル基から導かれるアルコキシ基であればよい。これらのうちで、炭素数1から3のアルキル基または炭素数1から3のアルコキシ基が好ましく、特にメチル基またはメトキシ基が好ましい。
ハロゲン原子は、フッ素原子または塩素原子が好ましく、より好ましくはフッ素原子である。ハロゲン置換メチル基のハロゲン原子はフッ素原子または塩素原子が好ましく、より好ましくはフッ素原子である。ハロゲン置換メチル基としてはフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、およびトリフルオロメチル基を挙げることができる。ハロゲノメトキシ基も同様にして、ハロゲン原子は、フッ素原子または塩素原子が好ましく、より好ましくはフッ素原子であり、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、およびトリフルオロメトキシ基を挙げることができる。
Aが式(II)で示される部分構造であるとき、X2とR8とがキノロン骨格の一部(X2が結合している炭素原子、R8が結合している窒素原子、この両者が結合している核間の炭素原子の3個。)を含んで環状構造を形成してもよい。ここで形成される環は、5から7員環の大きさが好ましく、環は飽和でも不飽和でもよい。この環状構造は、酸素原子、窒素原子、または硫黄原子を環の構成原子として含んでいてもよく、さらにX2で説明した炭素数1から6のアルキル基で置換されていてもよい。環状構造としては、酸素原子を含み、さらにメチル基で置換されていることが好ましい。この様な部分構造としては、式:−O−CH2−CH(−CH3)−の構造(右端の炭素原子が窒素原子に結合する)のものが好ましい。
Aが式(II)で表わされる部分構造であって、置換基X2が環状構造を形成しないときにX2として好ましいのは、メチル基、エチル基、メトキシ基、ジフルオロメトキシ基、シアノ基、および塩素原子であり、特に、好ましいのは、メチル基、メトキシ基、およびジフルオロメトキシ基である。
Aが式(II)で表わされる部分構造であって、置換基X2が環状構造を形成するときに好ましいのは、2,3−ジヒドロ−3−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de][1,4]ベンズオキサジン−6−カルボン酸骨格を形成する場合である。このうち、特に3−(S)−メチルピリドベンゾオキサジン骨格が好ましい。
本発明化合物は、キノリン骨格の7位(またはその相当位)に次式:
で表わされる構造の置換基を有することが特徴である。
すなわち、ピロリジニル基の3位にアミノ基を有し、このアミノ基が置換する炭素原子上に水素原子ではない置換基R3が置換し、さらに4位の炭素原子がモノまたはジ置換となっていることが特徴である。すなわち、1−ピロリジニル基の3位が3−アミノ基を含んでジ置換であり、かつ4位が、モノ−またはジ−置換で、この3、4位でトリ−またはテトラ−置換となっていることが特徴である。
このピロリジニル基は不斉炭素原子を含んでおり立体異性が生ずるが、この立体性について述べる。先ず3位に注目すると次の2種:
が存在する。
ここで、R4およびR5がいずれも水素原子(これらが一体化するときを含む。)でないときはアミノ基がβ−配位である次の構造:
が好ましい。
4およびR5のいずれか一方が水素原子であるときは、次の4種類:
が存在するが、通常は1の構造のものが4よりも好ましいが、置換基であるR5がどのような構造の置換基であるかによってもいずれが好ましいかは変化する。本願発明にはいずれのものも含まれる。
さらに、上記の7位置換基を有するキノロンカルボン酸基本骨格として、下記に好ましい母核の例を列挙する。
また、下記に好ましい7位置換基の例を列挙する。
したがって、本発明化合物において、好ましい化合物類は、前に例示したキノロンカルボン酸基本骨格に前に例示した7位置換基が置換された化合物類(例示した母核と置換基の組み合わせ)である。上記式中、ピロリジン環上のアミノ基が置換した3位の絶対配置は3Rまたは3Sのいずれかである。また、本発明化合物は立体化学的に単一であるのが好ましい。
本発明化合物の好ましい例は次のとおりである。
7−[3−アミノ−3,4−ジメチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物、
7−[3−アミノ−3,4−ジメチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物、
(3S)−10−[3−アミノ−3,4−ジメチルピロリジン−1−イル]−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1.2.3−de][1,4]ベンズオキサジン−6−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物、
7−[3−アミノ−4−エチル−3−メチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物、
7−[3−アミノ−4−エチル−3−メチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物、
(3S)−10−[3−アミノ−4−エチル−3−メチルピロリジン−1−イル]−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1.2.3−de][1,4]ベンズオキサジン−6−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物、
7−[3−アミノ−3−メチル−4−イソプロピルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物、
7−[3−アミノ−3−メチル−4−イソプロピルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物、
(3S)−10−[3−アミノ−3−メチル−4−イソプロピルピロリジン−1−イル]−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1.2.3−de][1,4]ベンズオキサジン−6−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物、
7−[3−アミノ−4−シクロプロピル−3−メチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物、
7−[3−アミノ−4−シクロプロピル−3−メチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物、
(3S)−10−[3−アミノ−4−シクロプロピル−3−メチルピロリジン−1−イル]−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1.2.3−de][1,4]ベンズオキサジン−6−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物、
7−[3−アミノ−3−メチル−4−ビニルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物、
7−[3−アミノ−3−メチル−4−ビニルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物、
(3S)−10−[3−アミノ−3−メチル−4−ビニルピロリジン−1−イル]−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1.2.3−de][1,4]ベンズオキサジン−6−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物、
7−[3−アミノ−4−メチレン−3−メチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物、
7−[3−アミノ−4−メチレン−3−メチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物、
(3S)−10−[3−アミノ−4−メチレン−3−メチルピロリジン−1−イル]−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1.2.3−de][1,4]ベンズオキサジン−6−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物、
7−[3−アミノ−4−フルオロメチル−3−メチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物、
7−[3−アミノ−4−フルオロメチル−3−メチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物、
(3S)−10−[3−アミノ−4−フルオロメチル−3−メチルピロリジン−1−イル]−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1.2.3−de][1,4]ベンズオキサジン−6−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物、
7−[(3R)−3−アミノ−3−メチル−4−メチレンピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物、
7−(3−アミノ−4−メトキシ−3−メチルピロリジン−1−イル)−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物、
7−(3−アミノ−4−メトキシ−3−メチルピロリジン−1−イル)−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物、
7−[(3S,4S)−3−アミノ−4−フルオロメチル−3−メチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロ−1−シクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物、
7−[(3S,4S)−3−アミノ−4−フルオロメチル−3−メチルピロリジン−1−イル]−1−シクロプロピル−6−フルオロ−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物、
7−[(3S,4S)−3−アミノ−4−フルオロメチル−3−メチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロ−1−シクロプロピル]−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物、
7−[(3S,4S)−3−アミノ−4−フルオロメチル−3−メチルピロリジン−1−イル]−1−シクロプロピル−6−フルオロ−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物、
7−[(3R)−3−アミノ−4−フルオロ−3−メチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロ−1−シクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物、
7−[(3R)−3−アミノ−4−フルオロ−3−メチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロ−1−シクロプロピル]−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物、
7−[(3S)−3−アミノ−3−フルオロメチル−4−メチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロ−1−シクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物、
7−[(3S)−3−アミノ−3−フルオロメチル−4−メチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロ−1−シクロプロピル]−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの塩、
7−[7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物、
7−[7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物、
(3S)−10−[7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル]−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1.2.3−de][1,4]ベンズオキサジン−6−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物、
7−[8−アミノ−8−メチル−6−アザスピロ[3.4]オクタン−5−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物、
7−[8−アミノ−8−メチル−6−アザスピロ[3.4]オクタン−5−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物、
(3S)−10−[8−アミノ−8−メチル−6−アザスピロ[3.4]オクタン−5−イル]−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1.2.3−de][1,4]ベンズオキサジン−6−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物、
7−[(7S)−7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル]−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物、
7−[(7S)−7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル]−1−シクロプロピル−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物、
7−[(7S)−7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル]−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物、
7−[(7S)−7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル]−1−シクロプロピル−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物。
本発明化合物に関わる3−アミノ−3−脂肪族炭化水素置換−4−脂肪族炭化水素置換ピロリジン−1−イル基、具体的には、3−アミノ−3−メチル−4−アルキル置換ピロリジン−1−イル基を代表とする、3−アミノ−3−脂肪族炭化水素置換−4−脂肪族炭化水素置換ピロリジン誘導体の合成法について説明する。
本発明の代表的置換基化合物である3−アミノ−3−メチル−4−アルキル置換ピロリジン誘導体(8)は、3−置換クロトン酸エステル(1)とアゾメチンイリド(2)を反応素子とする1,3−双極子環化付加反応を用いて重要合成中間体を合成し、エステル部分を加水分解後にアミンへ変換する方法により製造できる。本発明者は、3位のアミン部分の保護基として第三級ブトキシカルボニル基を選択したが、3位のアミノ基の保護基が第三級ブトキシカルボニル基以外の基であっても、各反応工程を阻害するなど、影響を与えず、後に容易に脱保護が可能である保護基であればよく、また、1位と同一の保護基であってもよい。また、光学活性体の合成は、例えば、適宜な中間体での光学分割を用いて実施することができる。その具体例としては、適宜な中間体でのキラルカラムを用いたHPLC分割法およびジアステレオマー塩優先晶析法、または、適宜な中間体へキラル素子を結合させてジアステレオマーに誘導後、シリカゲルクロマトグラフィーなど適宜な分離技術を用いてジアステレオマーを分離し、キラル素子を除去して光学活性体へ導く方法などを用いることができる。さらに、キラルビルディングブロックを出発原料として合成することもできる。
(式中、Bocは、第三級ブトキシカルボニル基を示し、Cbzは、ベンジルオキシカルボニル基を示し、R10は、炭素数1から6のアルキル基を示し、R11は、式(I)中に記載したR4もしくはR5のうち、水素原子を除いた置換基を示す。)
工程1は、3−置換クロトン酸エステル(1)とアゾメチンイリド(2)を反応素子とする1,3−双極子環化付加反応を用いて3−アルコキシカルボニル−3−メチル−4−置換ピロリジン誘導体(3)を合成する工程である。反応活性素子であるアゾメチンイリドを生成させる試薬および方法は、例えば、N−ベンジル−N−(メトキシメチル)トリメチルシリルメチルアミンに触媒量のトリフルオロ酢酸もしくは触媒量のフッ化銀を添加して生成させる[ジャーナル オブ オーガニックケミストリー,第52巻,2号,235頁(1987年)参照]。反応溶媒は、アゾメチンイリドを生成および1,3−双極子環化付加反応を阻害しないものであれば、如何なる溶媒も用いることができるが、好ましくは、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンである。反応は−20℃から溶媒が還流する温度で実施できるが、好ましくは、室温から溶媒が還流する温度である。
工程2は、ピロリジン環1位の保護基を変換する工程である。3位エステルの加水分解後に生成するカルボン酸誘導体を容易に抽出、単離、精製するためにこの工程を実施するのがよい。1位の保護基としては、一般に、引き続き変換後に生成する3位のアミノ基の保護基と、脱保護工程で区別されるものが好ましいが、同一であってもよい。1位の保護基として好ましいものは、ベンジルオキシカルボニル基である。このベンジルオキシカルボニル化反応は、通常、ジクロロメタンなどの溶媒中、ベンジル クロロホルメートを使用するvon Braun反応により直接変換する方法で行うか、パラジウム−炭素などの触媒を用いる接触加水素分解後、適宜な溶媒中、塩基存在下にてベンジル クロロホルメートを作用させる方法で行うことができる。
工程3は、ピロリジン環3位のエステルの加水分解工程である。エステルとしては炭素数1から6のアルキルエステルであり、好ましくは、メチルエステル、エチルエステル、第三級ブチルエステルである。加水分解反応は、通常の方法でよく、1位の保護基に影響しない条件であればよく、塩基もしくは酸による加水分解を行う。メチルエステルおよびエチルエステルの加水分解は、エタノールもしくは水中にて水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化バリウム水溶液などのアルカリ水溶液を用いて反応後、1位の保護基に影響しない適宜な酸にて酸性にして単離精製する。第三級ブチルエステルの加水分解の場合は、エステルが溶解する適宜な溶媒中、酸性条件下もしくは酸触媒存在下にて行う。好ましい酸としては、塩酸、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、パラトルエンスルホン酸などである。
工程4は、ピロリジン環3位のカルボキシ基をアミノ基に変換する工程である。この工程は、通常、カルボン酸からアミンへの転位反応を用いて行う。例えば、転位反応としてクルチウス転位反応を行う場合、アジ化ナトリウム、トリメチルシリルアジド、ジフェニルリン酸アジド(DPPA)などの試薬を用い、トルエンなどの適宜な溶媒中にてカルボン酸を酸アジドとした後、反応液を加熱することでイソシアネートとし、塩酸などを用いた加水分解によりアミンへ変換させる。
工程5は、ピロリジン環3位のアミノ基を保護する工程であるが、保護をせず、次工程以降を実施することも可能である。3位アミノ基の保護基としては、通常に使用されるアミノ基の保護基を用いることができるが、好ましくは、1位の保護基と脱保護工程で区別されるものが好ましい。具体的な例として、第三級ブトキシカルボニル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基であるが、第三級ブトキシカルボニル基がよい。
尚、工程4と工程5は、転位反応を適宜な溶媒を用いて行うことで、1工程で実施できる。例えば、クルチウス転位反応を第三級ブチルアルコール中、ジフェニルリン酸アジド(DPPA)を用いて行うことで、3−(第三級ブトキシカルボニル)アミノピロリジン誘導体とすることができる。
工程6は、ピロリジン環1位の脱保護の工程であるが、脱保護の反応は、他の官能基や立体配置が変化しない条件にて行えば、如何なる条件でもよい。したがって、本願発明の化合物類に関わる場合、代表的な1位の保護基はベンジルオキシカルボニル基であるので、通常用いられる脱保護条件、例えば、パラジウム−炭素などの触媒条件下、もしくはプロトン性極性溶媒中にてギ酸アンモニウムを用いる接触加水素分解反応により行う。また、ピロリジン環4位がビニル基、メチレン基などの炭素−炭素不飽和結合を置換基として有する場合、炭素−炭素不飽和結合を保持しつつ脱保護しなくてはならない。したがって、本願発明の化合物類に関わる場合、1位の保護基はベンジルオキシカルボニル基であるので、ピロリジン環4位のビニル基、メチレン基などの炭素−炭素不飽和結合を保持しつつ脱保護する条件としては、例えば、強酸条件下(例えば、臭化水素酸−酢酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸−トリフルオロ酢酸)、ナトリウム−液体アンモニア(バーチ還元条件)を用いる方法、水酸化バリウムを用いる方法などを挙げることができる。
さらに、7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]へプタン−5−イル基を代表とするピロリジン誘導体の合成について説明する。
本発明の別の代表化合物である7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]へプタン誘導体(17)の合成は、アセト酢酸エステル誘導体のケトン部分のストレッカー反応を用いてアミノニトリル誘導体とした後、シアノ基をアミノメチル基へ還元変換し、エステル部分(カルボン酸ユニット)と縮合させて重要中間体であるピロリドン誘導体を経由する方法により製造できる。
本発明者は、3位のアミン部分の保護基として第三級ブトキシカルボニル基を選択したが、3位のアミノ基の保護基が第三級ブトキシカルボニル基以外の基であっても、各反応工程を阻害するなど、悪影響を与えず、後に容易に脱保護が可能である保護基であればよく、また、1位と同一の保護基であってもよい。また、光学活性体の合成は、例えば、適宜な中間体での光学分割を用いて実施することができる。その具体例としては、適宜な中間体でのキラルカラムを用いたHPLC分割法およびジアステレオマー塩優先晶析法、または、適宜な中間体へキラル素子を結合させてジアステレオマーに誘導後、シリカゲルクロマトグラフィーなど適宜な分離技術を用いてジアステレオマーを分離し、キラル素子を除去して光学活性体へ導く方法などを用いることができる。さらに、キラルビルディングブロックを出発原料として合成することもできる。
(式中、Bocは、第三級ブトキシカルボニル基を表わし、R12は、炭素数1から6のアルキル基を表わす。)
工程7は、アセト酢酸エステル誘導体のメチレン部分に環状構造を構築する工程である。通常、ジブロモエタンなどの1,2−ジハロゲノエタンをアルキル化剤として用い、塩基存在下にて行えばよい。塩基としては、炭酸カリウム、水素化ナトリウム、金属ナトリウムなどを用い、反応溶媒としては、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミドを挙げることができる。反応終了後、シクロ化合物は減圧蒸留などにより分離精製することができる。
工程8は、メチルケトン部分のストレッカー反応によるアミノニトリル誘導体へ変換す
る工程である。このストレッカー反応は、アンモニアとシアン化カリウムなどのシアノ化剤を作用させ、適宜、塩化アンモニウム共存下にて行う。反応条件は、アミノ酸合成でよく用いられるストレッカー法を参考に、適宜、選択すればよい。
工程9は、シアノ基を還元してメチルアミンに変換する工程である。このニトリルの還元は、通常、エタノールなどの適宜な溶媒中、触媒存在下の接触還元により行えばよい。触媒の具体例としては、パラジウム−炭素触媒、ラネーニッケル、ラネーコバルト、酸化白金を挙げることができる。ニトリルを接触還元するときに第二級アミンが副生する場合には、アンモニアを共存させて行うのがよい。さらに、基質の他の官能基、例えば、本願発明化合物の具体例であるエステル基を還元しないものであれば、金属水素化合物による還元も用いることができる。代表例としては、水素化ホウ素ナトリウム−塩化コバルト(II)などの試剤を使用すればよいが、エステル部分が還元される場合は、第三級ブチルエステルなど、還元を受けない嵩高いエステルに変換して行えばよい。
工程10は、エステル部分(カルボン酸ユニット)とメチルアミンを分子内で縮合させてピロリドン誘導体を得る工程である。通常、エステル部分がメチルエステルおよびエチルエステルの場合は、適宜な溶媒中で反応液を室温から加熱することで完結する。また、メチルエステルおよびエチルエステルの場合、上記の工程9の反応を経てピロリドン誘導体に直接導くこともできる。一方、第三級ブチルエステルなどの嵩高いエステルの場合は、エステルを通常知られている方法で加水分解後、DCCなどの縮合剤を用いてピロリドン誘導体への変換を行う。
工程11は、ピロリジン環上3位のアミノ基を保護する工程であるが、保護をせず、次工程以降を実施することも可能である。3位アミノ基の保護基としては、後述の工程13の反応条件下にて安定である通常使用されるアミノ基の保護基を用いることができるが、好ましくは、1位の保護基と脱保護工程で区別されるものが好ましい。具体的な例として、第三級ブトキシカルボニル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基であるが、第三級ブトキシカルボニル基でよい。
工程12は、ピロリジン環1位を保護する工程であるが、保護をせず、次工程以降を実施することも可能である。1位の保護基としては、後述の工程13の反応条件下にて安定である通常使用されるアミノ基保護基を用いることができるが、好ましくは、3位のアミノ基の保護基と脱保護工程で区別されるものが好ましい。具体的な例として、本願発明者はベンジル基を選択した。ベンジル化反応は、水素化ナトリウム、炭酸カリウムなどの塩基存在下、ベンジルハライドを用いて行う。反応溶媒としては、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、およびこれらの混合溶媒を挙げることができる。
工程13は、ピロリドンのカルボニル基を還元する工程である。還元試薬としては、リチウムアルミニウムヒドリド、ナトリウム ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムヒドリドなどの金属水素化合物、ジボラン、ボラン−テトラヒドロフラン錯体などの水素化ホウ素化合物を用いて行う。溶媒として、通常、テトラヒドロフランに代表わされるエーテル系溶媒を用い、−78℃から100℃の温度にて反応を行えばよい。
工程14は、ピロリジン環1位の脱保護の工程であるが、脱保護の反応は、他の官能基や立体配置が変化しない条件にて行えば、如何なる条件でもよい。したがって、本願発明の化合物類に関わる場合、1位の保護基はベンジル基であるので、通常用いられる脱保護条件、例えば、パラジウム−炭素などの触媒条件下、もしくはプロトン性極性溶媒中にてギ酸アンモニウムを用いる接触加水素分解反応により行う。また、ピロリジン環4位がビニル基、メチレン基などの炭素−炭素不飽和結合を置換基として有する場合、炭素−炭素不飽和結合を保持しつつ脱保護しなくてはならない。したがって、本願発明の化合物類に関わる場合、1位の保護基はベンジル基であるので、ピロリジン環4位のビニル基、メチレン基などの炭素−炭素不飽和結合を保持しつつ脱保護する条件としては、例えば、ナトリウム−液体アンモニア(バーチ還元条件)を用いる方法を挙げることができる。
上記に例示した反応は当業者であればこれらを参考にして適宜修飾を加えて新たな合成法を見出すことができるのであり、これらは限定的に解釈されるものではない。
上記の如くして得られた化合物(8)または化合物(17)を用いて本発明化合物(I)を製造するには、次式(18):
(式中、R8、X1およびAは前記定義のとおりであり;R91は、水素原子、ジハロゲノホウ素、またはジアシルオキシホウ素を表し、Xは脱離基を表す。)
で表わされるキノロン母核化合物と、化合物(8)または化合物(17)とを反応させることにより行うことができる。
キノロン母核化合物のR91は、水素原子であるか、ホウ素キレートを形成し得るホウ素置換基である。ホウ素置換基としては、ジハロゲノホウ素またはジアシルオキシホウ素を挙げることができる。ジハロゲノホウ素としてはジフルオロホウ素(−BF2)が好ましい。ジアシルオキシホウ素としては、ジアセチルオキシホウ素[−B(OAc)2]が好ましく、いずれも公知の方法に従って得ることができる。
後記実施例9の化合物を例にその製造方法を説明する。
目的化合物は、キノロン母核化合物を適当な溶媒に溶解し、塩基存在下、7位置換基導入用化合物(8)または(17)を反応させることにより得ることができる。7位置換基導入のための化合物のアミノ基は保護してもよく、保護基としては、tert−ブチルオキシカルボニル(Boc)基の他に、ベンジルオキシカルボニル基、p−メトキシベンジルオキシカルボニル基、アセチル基、メトキシアセチル基、トリフルオロアセチル基、ピバロイル基、ホルミル基、ベンゾイル基、tert−ブチル基、ベンジル基、トリメチルシリル基、イソプロピルジメチルシリル基等が使用できる。塩基としては、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の炭酸塩、炭酸水素塩または水酸化物塩、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン等のトリアルキルアミン、ピリジン、1,8−ジアザビシクロウンデセン、N−メチルピペリジン等の含窒素複素環化合物が使用できるが、トリアルキルアミン類、トリエチルアミンが好ましい。使用する溶媒としては、反応を阻害しないものであれば特に制限されず、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、アセトニトリル、エタノール、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフランまたはN−メチルピロリドンが好ましく、特にジメチルスルホキシドまたはスルホランが好ましい。
さらに、キノロン母核化合物がホウ素キレート化合物であるときにはホウ素置換基部分を加水分解して切断し、次いでアミノ基の保護基を脱保護することにより、目的化合物を得ることができる。ホウ素置換基の加水分解は、通常使用される条件下で実施すればよい。例えば、メタノール、エタノール等のアルコール溶媒中、塩基を作用させることにより実施できる。塩基としてはトリエチルアミンが好ましい。反応は氷冷下で行うのが好ましい。脱保護は使用した保護基に適した条件下で実施できるが、例えば、上記加水分解物を濃塩酸で処理することにより行われる。反応終了後は、反応液を例えば水酸化ナトリウム水溶液で塩基性とする。
したがって、下記式(19)および(20)で示される化合物は、本発明化合物(I)の製造中間体として有用である。
(式中、R11は、既に定義されたR1(水素原子、炭素数1から6のアルキル基、または炭素数3から6のシクロアルキル基を示すか、あるいは、アミノ酸、ジペプチド、もしくはトリペプチド由来の置換カルボニル基を示すが、このうち、アルキル基の場合は、水酸基、アミノ基、ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキルチオ基、および炭素数1から6のアルコキシ基からなる群の基から選ばれる基を置換基として有していてもよい。)の定義にさらにアミノ基の保護基を加えた基を示し;
21は、既に定義されたR2(水素原子、炭素数1から6のアルキル基、または炭素数3から6のシクロアルキル基を示すが、このうち、アルキル基の場合は、水酸基、アミノ基、ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキルチオ基、および炭素数1から6のアルコキシ基からなる群の基から選ばれる基を置換基として有していてもよい。)の定義にさらにアミノ基の保護基を加えた基を示し;
3、R4、R5、R6およびR7は、既に定義したものと同じである。)
11およびR21が示すところのアミノ基の保護基について述べる。これらはこの分野で汎用されるものであれば特に限定されないが、例えば、第三級ブトキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基類;ベンジルオキシカルボニル基、パラメトキシベンジルオキシカルボニル基、パラニトロベンジルオキシカルボニル基等のアラルキルオキシカルボニル基類;アセチル基、メトキシアセチル基、トリフルオロアセチル基、クロロアセチル基、ピバロイル基、ホルミル基、ベンゾイル基等のアシル基類;第三級ブチル基、ベンジル基、パラニトロベンジル基、パラメトキシベンジル基、トリフェニルメチル基等のアルキル基類、またはアラルキル基類;メトキシメチル基、第三級ブトキシメチル基、テトヒドロピラニル基、2,2,2−トリクロロエトキシメチル基等のエーテル類;トリメチルシリル基、イソプロピルジメチルシリル基、第三級ブチルジメチルシリル基、トリベンジルシリル基、第三級ブチルジフェニルシリル基等の(アルキルおよび/またはアラルキル)置換シリル基を挙げることができる。
(式中、R13はアミノ基の保護基を示し、R11、R21、R3、R4、R5、R6およびR7は、既に定義したものと同じである。)
13が示す保護基は、この分野で汎用されるものであれば特に限定されないが、例えば、第三級ブトキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基類;ベンジルオキシカルボニル基、パラメトキシベンジルオキシカルボニル基、パラニトロベンジルオキシカルボニル基等のアラルキルオキシカルボニル基類;アセチル基、メトキシアセチル基、トリフルオロアセチル基、クロロアセチル基、ピバロイル基、ホルミル基、ベンゾイル基等のアシル基類;第三級ブチル基、ベンジル基、パラニトロベンジル基、パラメトキシベンジル基、トリフェニルメチル基等のアルキル基類、またはアラルキル基類;メトキシメチル基、第三級ブトキシメチル基、テトヒドロピラニル基、2,2,2−トリクロロエトキシメチル基等のエーテル類;トリメチルシリル基、イソプロピルジメチルシリル基、第三級ブチルジメチルシリル基、トリベンジルシリル基、第三級ブチルジフェニルシリル基等の(アルキルおよび/またはアラルキル)置換シリル基を挙げることができる。
11、R21およびR13の2以上が保護基となるときにいずれの保護基を選択するかは、化合物(19)または(20)を製造するときに選択的に除去できるようにこの分野の通常の知識に基づいて選択することができる。
上記より得られる実施例9の化合物は、後記試験例からも明らかなように、強い抗菌活性を示し、且つ優れた安定性及び体内動態を有することから、この化合物においてX線結晶構造解析を実施したところ、5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル基の7位(アミノ基が置換した部位)の不斉炭素部分の絶対配置が(7S)であると判明した。このことから、スピロ二環性置換基を有するキノロン化合物のうち、より好ましくは、スピロ二環性置換基の7位の配置が(S)である化合物であることが確認された。
本発明の化合物は、強い抗菌作用を有することから、ヒト、動物および魚類用の医薬として、または農薬、食品の保存剤として使用することができる。本発明の化合物を人体用の医薬として使用する場合、投与量は成人一日当たり50mg〜1gであり、100〜500mgがより好ましい。また、動物用としての投与量は投与の目的、処置すべき動物の大きさ、感染した病原菌の種類、程度によって異なるが、一日量として一般的に動物の体重1kg当たり1〜200mgであり、5〜100mgがより好ましい。この一日量を一日1回、または2〜4回に分けて投与する。尚、一日量は必要によっては上記の量を超えてもよい。
本発明の化合物は、各種の感染症の原因となる広範囲の微生物類に対して活性であり、これらの病原体によって引き起こされる疾病を治療、予防または軽減することができる。本発明の化合物が有効なバクテリア類またはバクテリア様微生物類としては、ブドウ球菌属、化膿レンサ球菌、溶血レンサ球菌、腸球菌、肺炎球菌、ペプトストレプトコッカス属、淋菌、大腸菌、シトロバクター属、シゲラ属、肺炎桿菌、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、緑膿菌、インフルエンザ菌、アシネトバクター属、カンピロバクター属、トラコーマクラミジア等を挙げることができる。
これらの病原体によって引き起こされる疾病としては、毛嚢炎、せつ、よう、丹毒、蜂巣炎、リンパ管(節)炎、ひょう疸、皮下膿瘍、汗腺炎、集簇性ざ瘡、感染性粉瘤、肛門周囲膿瘍、乳腺炎、外傷・熱傷・手術創などの表在性二次感染、咽喉頭炎、急性気管支炎、扁桃炎、慢性気管支炎、気管支拡張症、びまん性汎細気管支炎、慢性呼吸疾患の二次感染、肺炎、腎盂腎炎、膀胱炎、前立腺炎、副***、淋菌性尿道炎、***、胆のう炎、胆管炎、細菌性赤痢、腸炎、子宮付属器炎、子宮内感染、バルトリン腺炎、眼瞼炎、麦粒腫、涙嚢炎、瞼板腺炎、角膜潰瘍、中耳炎、副鼻腔炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎、腹膜炎、心内膜炎、敗血症、髄膜炎、皮膚感染症等を挙げることができる。
さらに本発明の化合物が有効な抗酸菌類として、結核菌群(マイコバクテリウム チュバクロシス、M. ボビウス、M. アフリカナム)、非定型抗酸菌群(M. カンサシイ、M. マライナム、M. スクロファセウム、M. アビウム、M. イントラセルラーレ、M. キセノビ、M. フォーチュイタム、M. チェロネー)等を挙げることができる。これらの病原体によって引き起こされる抗酸菌感染症は、その起因菌別に、結核症、非定型抗酸菌症、らいの3つに大きく分類される。結核菌感染症は、肺の他に、胸腔、気管・気管支、リンパ節、全身播種性、骨関節、髄膜・脳、消化器(腸・肝臓)、皮膚、乳腺、眼、中耳・咽頭、尿路、男性性器、女性性器等に見られる。非定型抗酸菌症(非結核性抗酸菌症)の主な羅患臓器は肺であり、その他にも局所リンパ節炎、皮膚軟部組織、骨関節、全身播種性型等を挙げることができる。
また、動物の感染症の原因となる各種の微生物、例えば、エシエリキア属、サルモネラ属、パスツレラ属、ヘモフィルス属、ボルデテラ属、スタヒロコッカス属、マイコプラズマ属等に有効である。具体的な疾患としては、鳥類では大腸菌症、ひな白痢、鶏パラチフス症、家禽コレラ、伝染性コリーザ、ブドウ球菌症、マイコプラズマ感染症等、豚では大腸菌症、サルモネラ症、パスツレラ症、ヘモフィルス感染症、萎縮性鼻炎、滲出性麦皮炎、マイコプラズマ感染症等、牛では大腸菌症、サルモネラ症、出血性敗血症、マイコプラズマ感染症、牛肺疫、***炎等、犬では大腸菌性敗血症、サルモネラ感染症、出血性敗血症、子宮蓄膿症、膀胱炎等、そして猫では滲出性胸膜炎、膀胱炎、慢性鼻炎、ヘモフィルス感染症、仔猫の下痢、マイコプラズマ感染症等を挙げることができる。
本発明の化合物を含有する抗菌剤は、投与法に応じ適当な製剤を選択し、通常用いられている各種製剤の調製法にて調製できる。本発明の化合物を主剤とする抗菌剤の剤型としては、例えば、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、溶液剤、シロップ剤、エリキシル剤、油性または水性の懸濁剤液等を挙げることができる。注射剤としては、製剤中に安定剤、防腐剤、溶液補助剤等を使用してもよく、これらを含有することもある溶液を容器に収納後、凍結乾燥等によって固形製剤として用時調製の製剤としてもよい。また、一投与量を容器に収納してもよく、多投与量を同一の容器に収納してもよい。外用製剤としては、例えば、溶液剤、懸濁液、乳濁液、軟膏、ゲル、クリーム、ローション、スプレー等を挙げることができる。
固形製剤としては、活性化合物と共に製剤学上許容されている添加剤を含んでいてもよく、当該添加剤としては、例えば、充填剤類、結合剤類、崩壊剤類、溶液促進剤類、湿潤剤類、潤滑剤類等を挙げることができる。液体製剤としては、溶液、懸濁液、乳液剤等を挙げることができるが、添加剤として懸濁化剤、乳化剤等を含んでいてもよい。
次に製剤処方例を示す。
製剤例1. [カプセル剤]:
実施例9の化合物 100.0mg
コーンスターチ 23.0mg
カルボキシメチルセルロースカルシウム
22.5mg
ヒドロキシメチルセルロース 3.0mg
ステアリン酸マグネシウム 1.5mg
計 150.0mg
製剤例2. [溶液製剤]:
実施例9の化合物 1〜10g
酢酸または水酸化ナトリウム 0.5〜2g
パラオキシ安息香酸エチル 0.1g
精製水 87.9〜98.4g
計 100g
製剤例3. [飼料混合用散剤]:
実施例9の化合物 1〜10g
コーンスターチ 89.5〜98.5g
軽質無水ケイ酸 0.5g
計 100g
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが本発明はこれらに限定されるものではなく、いかなる意味においてもこれらは限定的に解釈されるべきではない。
[参考例1]
(3R * ,4R * )−1−ベンジル−3,4−ジメチルピロリジン−3−カルボン酸エチルエステル
チグリン酸エチル(6.41g,50.0mmol)、およびN−ベンジル−N−(メトキシメチル)−N−トリメチルシリルメチルアミン(15.35g,60.0mmol)のジクロロメタン(150mL)溶液へ、室温で触媒量のトリフルオロ酢酸を加え、40℃のオイルバスで10時間加熱攪拌した。反応液へ酢酸エチル(500mL)を加えて希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200mL)、および飽和食塩水(200mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾去後、溶媒を減圧留去して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール=49:1 → 19:1 → 9:1)で精製することによって、標記化合物粗生成物13.73gを淡黄色オイルとして得た。得られた粗生成物はこれ以上精製することなく次の反応に用いた。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:0.96(3H,d,J=7.1Hz),1.17(3H,s),1.22(3H,t,J=7.1Hz),2.16(1H,t,J=8.8Hz),2.25(1H,d,J=9.6Hz),2.61−2.67(1H,m),2.91(1H,t,J=8.2Hz),3.28(1H,d,J=10.0Hz),3.53(1H,d,J=13.5Hz),3.64(1H,d,J=13.2Hz),4.11(2H,q,J=7.1Hz),7.19−7.38(5H,m).
MS(ESI)m/z:262(M+H)+
[参考例2]
(3R * ,4R * )−1−ベンジルオキシカルボニル−3,4−ジメチルピロリジン−3−カルボン酸エチルエステル
(3R*,4R*)−1−ベンジル−3,4−ジメチルピロリジン−3−カルボン酸エチルエステル(2.75g,10.0mmol)のジクロロメタン(30mL)溶液へ、室温でクロロギ酸ベンジル(2.14mL,15.0mmol)を加え、室温で6時間攪拌した。クロロギ酸ベンジル(2.14mL,15.0mmol)を追加し、室温でさらに14時間攪拌後、溶媒を減圧溜去して残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(へキサン−酢酸エチル=9:1 → 4:1 → 2:1)で精製することによって、標記化合物1.64g(5.37mmol,2ステップ,54%)を無色透明オイルとして得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:0.99(1.5H,d,J=7.1Hz),1.02(1.5H,d,J=7.1Hz),1.18(3H,s),1.26(3H,t,J=7.1Hz),2.57−2.66(1H,m),3.01−3.10(1H,m),3.39(0.5H,d,J=10.7Hz),3.45(0.5H,d,J=11.0Hz),3.66(1H,td,J=11.0,8.0Hz),3.77(1H,dd,J=10.9,4.8Hz),4.11−4.19(2H,m),5.09−5.17(2H,m),7.26−7.38(5H,m).
MS(ESI)m/z:306(M+H)+
[参考例3]
(3R * ,4S * )−1−ベンジルオキシカルボニル−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3,4−ジメチルピロリジン
(3R*,4R*)−1−ベンジルオキシカルボニル−3,4−ジメチルピロリジン−3−カルボン酸エチルエステル(1.63g,5.34mmol)のエタノール(16mL)溶液へ、室温で1規定水酸化ナトリウム水溶液(16.0mL,16.0mmol)を加え、室温で3.5時間攪拌した。溶媒を減圧濃縮後、1規定塩酸を加えて酸性とし、酢酸エチル(150mL)で抽出した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥剤を濾去後、溶媒を減圧留去してカルボン酸体粗生成物を得た。得られたカルボン酸体粗生成物はこれ以上精製することなく次の反応に用いた。
上記で得られたカルボン酸体粗生成物、およびトリエチルアミン(1.488mL,10.68mmol)のトルエン(30mL)溶液へ、氷冷下、ジフェニルリン酸アジド(1.495mL,6.94mmol)を加え、室温で30分間、続いて80℃のオイルバスで2時間加熱攪拌した。反応液へ酢酸エチル(150mL)を加えて希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(80mL)、水(80mL)、並びに飽和食塩水(80mL)で順次洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥剤を濾去後、溶媒を減圧留去してイソシアネート体粗生成物を得た。得られたイソシアネート体粗生成物を1,4−ジオキサン(15mL)に溶解し、6規定塩酸(15mL)を加えた後に、50℃のオイルバスで1時間加熱攪拌した。反応液を減圧濃縮し、エタノールを用いて共沸させた(5回)後、残留物をジクロロメタン(30mL)に溶解し、室温でトリエチルアミン(3.72mL,26.69mmol)、次いでジ−tert−ブチルジカーボネート(2.33g,10.68mmol)を加えた。反応液を室温で3時間攪拌した後、溶媒を減圧溜去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(へキサン−酢酸エチル=9:1 → 4:1)で精製することによって、標記化合物1.10g(3.16mmol,4ステップ,59%)を無色透明ガム状固体として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:0.94−0.98(3H,m),1.24−1.26(3H,m),1.42−1.44(9H,m),2.44−2.62(1H,m),2.99−3.05(1H,m),3.63−3.70(3H,m),4.54−4.56(1H,m),5.08−5.17(2H,m),7.28−7.37(5H,m).
MS(ESI)m/z:371(M+Na)+
[参考例4]
(+)−(3R * ,4S * )−1−ベンジルオキシカルボニル−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3,4−ジメチルピロリジンおよび(−)−(3R * ,4S * )−1−ベンジルオキシカルボニル−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3,4−ジメチルピロリジン
参考例3で得られたラセミ体の(3R*,4S*)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3,4−ジメチルピロリジン(1.10g,3.16mmol)を光学活性カラム(CHIRALPAK AD,20mmφ×250mm,へキサン−イソプロピルアルコール=95:5,流速=25mL/分,1回あたり30mgを分割)で光学分割し、(+)−(3R*,4S*)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3,4−ジメチルピロリジン(528mg,1.52mmol,保持時間=12.8分,[α]D 25.1=+8.1゜(c=0.161,クロロホルム))、および(−)−(3R*,4S*)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3,4−ジメチルピロリジン(532mg,1.53mmol,保持時間=15.8分,[α]D 25.1=−6.3゜(c=0.175,クロロホルム))を得た。
[実施例1]
7−[(3R * ,4S * )−3−アミノ−3,4−ジメチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
(+)−(3R*,4S*)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3,4−ジメチルピロリジン(490mg,1.406mmol)のメタノール(20mL)溶液へ10%パラジウム炭素触媒(M,約50%含水,147mg)を加え、水素ガス雰囲気下、室温で2時間攪拌した。触媒をろ去後、溶媒を減圧溜去し、無色透明ガム状固体として(3R*,4S*)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3,4−ジメチルピロリジン粗生成物(314mg,定量的)を得た。
上記で得られた(3R*,4S*)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3,4−ジメチルピロリジン粗生成物(314mg)、6,7−ジフルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸・ジフルオロボロン錯体(461mg,1.277mmol)、並びにトリエチルアミン(0.534mL,3.83mmol)をジメチルスルホキシド(4mL)に溶解し、35℃のオイルバスで18時間加熱攪拌した。反応液にエタノール:水=4:1混合溶液(20mL)およびトリエチルアミン(2mL)を加えて100℃のオイルバスで2時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮し、残留物を酢酸エチル(150mL)に溶解し、10%クエン酸水溶液(80mL)および水(80mL×2)および飽和食塩水(80mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧溜去した。得られた残留物を氷冷下濃塩酸(20mL)に溶解後、室温で10分間撹拌し、反応液をクロロホルム(30mL×3)で洗浄した。水層に氷冷下10mol/l水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH12.0とし、次いで塩酸でpH7.4に調整後、クロロホルム:メタノール=9:1混合溶液(150mL×2)で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧溜去した。得られた残留物をエタノールから再結晶精製し、減圧乾燥して標記化合物328mg(0.805mmol,63%)を淡黄色粉末として得た。
mp:200−203℃.
[α]D 25.1=+213.7゜(c=0.204,0.1N−NaOH).
1H−NMR(400MHz,0.1N−NaOD)δppm:1.00(3H,d,J=6.6Hz),1.12(3H,s),1.55−1.70(2H,m),2.07(1H,m),3.39(1H,d,J=10.0Hz),3.48−3.69(6H,m),4.04(1H,m),4.93(1H,dd,J=39.1,1.5Hz),7.64(1H,d,J=14.6Hz),8.47(1H,s).
元素分析:C2023234・1.5H2Oとして;
計算値:C,55.29;H,6.03;F,8.75;N,9.67.
実測値:C,55.55;H,6.03;F,8.45;N,9.56.
MS(FAB)m/z:408(M+H)+
IR(ATR):2974,2935,2879,1722,1614,1572,1537,1502,1456,1390,1356,1323,1271,1207cm-1
[実施例2]
7−[(3R * ,4S * )−3−アミノ−3,4−ジメチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
実施例1と同様の方法によって、(−)−(3R*,4S*)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3,4−ジメチルピロリジン(480mg,1.378mmol)から(3R*,4S*)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3,4−ジメチルピロリジン粗生成物(311mg,定量的)へ導き、さらに6,7−ジフルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸・ジフルオロボロン錯体(452mg,1.252mmol)と反応させ、標記化合物348mg(0.854mmol,68%)を淡黄色粉末として得た。
mp:195−196℃.
[α]D 25.1=−118.3゜(c=0.224,0.1N−NaOH).
1H−NMR(400MHz,0.1N−NaOD)δppm:1.00(3H,d,J=6.6Hz),1.14(3H,s),1.31−1.44(1H,m),1.49−1.59(1H,m),2.09(1H,m),3.39−3.57(6H,m),3.71(1H,m),3.97−4.02(1H,m),5.00(1H,dm,J=63.7Hz),7.63(1H,d,J=14.6Hz),8.39(1H,d,J=2.4Hz).
元素分析:C2023234・0.75H2Oとして;
計算値:C,57.07;H,5.87;F,9.03;N,9.98.
実測値:C,57.30;H,5.90;F,9.13;N,9.92.
MS(FAB)m/z:408(M+H)+
IR(ATR):2962,2873,1724,1616,1510,1435,1362,1321,1271cm-1
[参考例5]
(3R * ,4S * )−1−ベンジル−3,4−ジメチルピロリジン−3−カルボン酸メチルエステル
アンゲリカ酸メチル(12.01mL,100.0mmol)、およびN−ベンジル−N−(n−ブトキシメチル)−N−トリメチルシリルメチルアミン(36.0g,128.9mmol)を用い、参考例1と同様の方法によって、標記化合物粗生成物12.28gを黄色オイルとして得た。得られた粗生成物はこれ以上精製することなく次の反応に用いた。
MS(ESI)m/z:248(M+H)+
[参考例6]
(3R * ,4S * )−1−ベンジルオキシカルボニル−3,4−ジメチルピロリジン−3−カルボン酸メチルエステル
上記で合成した(3R*,4S*)−1−ベンジル−3,4−ジメチルピロリジン−3−カルボン酸メチルエステル粗生成物(12.28g)とクロロギ酸ベンジル(21.3mL,149.3mmol)を用い、参考例2と同様の方法によって、標記化合物4.23g(14.52mmol,2ステップ,15%)を無色透明オイルとして得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:0.94(1.5H,d,J=6.8Hz),0.96(1.5H,d,J=6.7Hz),1.30(1.5H,s),1.31(1.5H,s),2.14(1H,m),3.16−3.28(2H,m),3.64−3.71(4H,m),3.92(1H,dd,J=14.6,11.5Hz),5.16(2H,m),7.26−7.37(5H,m).
MS(ESI)m/z:292(M+H)+
[参考例7]
(3R * ,4R * )−1−ベンジルオキシカルボニル−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3,4−ジメチルピロリジン
(3R*,4S*)−1−ベンジルオキシカルボニル−3,4−ジメチルピロリジン−3−カルボン酸メチルエステル(4.23g,14.52mmol)のメタノール(88mL)溶液へ、室温で1規定水酸化ナトリウム水溶液(44.0mL,44.0mmol)を加え、室温で5時間、続いて50℃のオイルバスで19時間攪拌した。その後さらに水酸化ナトリウム(1.742g,43.6mmol)を加え、同様に50℃のオイルバスで8時間攪拌した。溶媒を減圧濃縮後、残留液へ氷冷下にて濃塩酸を加えて酸性とし、酢酸エチル(300mL)で抽出した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥剤を濾去後、溶媒を減圧溜去してカルボン酸体粗生成物を得た。得られたカルボン酸体粗生成物はこれ以上精製することなく次の反応に用いた。
上記で得られたカルボン酸体粗生成物、およびトリエチルアミン(6.06mL,43.5mmol)のトルエン(70mL)溶液へ、氷冷下ジフェニルリン酸アジド(4.06mL,18.84mmol)を加え、室温で2時間、続いて90℃のオイルバスで1時間加熱攪拌した。反応液へtert−ブチルアルコール(70mL)を加え、120℃のオイルバスでさらに93時間加熱還流した後、反応液を室温まで冷却した。溶媒を減圧溜去後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(へキサン−酢酸エチル=90:10 → 85:15 → 80:20 → 75:25)で精製することによって、標記化合物1.205g(3.46mmol,2ステップ,24%)を無色透明ガム状固体として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:0.99(1.5H,d,J=7.3Hz),1.01(1.5H,d,J=7.1Hz),1.43−1.46(12H,m),2.06−2.22(1H,m),3.11−3.17(1H,m),3.24(0.5H,d,J=11.5Hz),3.30(0.5H,d,J=11.2Hz),3.60−3.67(1H,m),3.88(0.5H,d,J=11.2Hz),4.02(0.5H,d,J=11.0Hz),4.43(1H,brs),5.09−5.17(2H,m),7.26−7.37(5H,m).
MS(ESI)m/z:293(M−tBu)+
[参考例8]
(+)−(3R * ,4R * )−1−ベンジルオキシカルボニル−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3,4−ジメチルピロリジンおよび(−)−(3R * ,4R * )−1−ベンジルオキシカルボニル−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3,4−ジメチルピロリジン
参考例7で得られたラセミ体の(3R*,4R*)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3,4−ジメチルピロリジン(1.205g,3.46mmol)を光学活性カラム(CHIRALPAK AS,20mmφ×250mm,へキサン−イソプロピルアルコール=95:5,流速=20mL/分,1回あたり40mgを分割)で光学分割し、(+)−(3R*,4R*)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3,4−ジメチルピロリジン(468mg,1.34mmol,保持時間=9.0分,[α]D 25.1=+10.3゜(c=0.165,クロロホルム))、および(−)−(3R*,4R*)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3,4−ジメチルピロリジン(591mg,1.70mmol,保持時間=11.4分,[α]D 25.1=−12.0゜(c=0.150,クロロホルム))を得た。
[実施例3]
7−[(3R * ,4R * )−3−アミノ−3,4−ジメチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
実施例1と同様の方法によって、(+)−(3R*,4R*)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3,4−ジメチルピロリジン(468mg,1.343mmol)から(3R*,4R*)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3,4−ジメチルピロリジン粗生成物(280mg,1.307mmol,97%)へ導き、さらに6,7−ジフルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸・ジフルオロボロン錯体(429mg,1.188mmol)と反応させ、標記化合物370mg(0.834mmol,68%)を白色粉末として得た。
mp:175−179℃.
[α]D 23.8=−107.1゜(c=0.240,0.1N−NaOH).
1H−NMR(400MHz,0.1N−NaOD)δppm:1.00(3H,d,J=6.8Hz),1.25(3H,s),1.31−1.43(1H,m),1.48−1.59(1H,m),2.03−2.13(1H,m),3.41(1H,dd,J=10.5,1.7Hz),3.46−3.52(4H,m),3.62−3.70(2H,m),3.99(1H,dt,J=10.2,4.5Hz),5.01(1H,ddd,J=63.8,8.7,5.5Hz),7.63(1H,d,J=14.6Hz),8.39(1H,d,J=2.9Hz).
元素分析:C2023234・2H2Oとして;
計算値:C,54.17;H,6.14;F,8.57;N,9.48.
実測値:C,54.41;H,5.81;F,8.63;N,9.37.
MS(EI)m/z:407(M+).
IR(ATR):2962,2881,2833,1726,1614,1577,1510,1435,1387,1354,1306,1267cm-1
[実施例4]
7−[(3R * ,4R * )−3−アミノ−3,4−ジメチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
実施例1と同様の方法によって、(−)−(3R*,4R*)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3,4−ジメチルピロリジン(169mg,0.485mmol)から(3R*,4R*)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3,4−ジメチルピロリジン粗生成物(95mg,0.443mmol,91%)へ導き、さらに6,7−ジフルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸・ジフルオロボロン錯体(145mg,0.402mmol)と反応させ、標記化合物65mg(0.146mmol,36%)を白色粉末として得た。
mp:209−211℃.
[α]D 23.7=+186.0゜(c=0.162,0.1N−NaOH).
1H−NMR(400MHz,0.1N−NaOD)δppm:1.01(3H,d,J=6.8Hz),1.26(3H,s),1.53−1.71(2H,m),2.10(1H,m),3.34(1H,d,J=7.5Hz),3.54−3.62(5H,m),3.76(1H,dd,J=10.5,2.9Hz),4.05(1H,m),4.80−5.02(1H,m),7.64(1H,d,J=14.6Hz),8.48(1H,s).
元素分析:C2023234・0.5EtOH・0.75H2Oとして;
計算値:C,56.81;H,6.24;F,8.56;N,9.46.
実測値:C,56.72;H,6.26;F,8.44;N,9.30.
MS(EI)m/z:407(M+).
IR(ATR):2964,2870,2833,1726,1616,1577,1537,1495,1456,1392,1358,1298,1265,1203cm-1
[参考例9]
(3R * ,4R * )−1−ベンジル−4−エチル−3−メチルピロリジン−3−カルボン酸メチルエステル
trans−2−メチル−2−ペンテン酸メチル(2.70g,21.1mmol)、およびN−ベンジル−N−(メトキシメチル)−N−トリメチルシリルメチルアミン(5.00g,21.1mmol)を用い、参考例1と同様の方法によって標記化合物3.70g(14.06mmol,67%)を淡黄色オイルとして得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:0.81(3H,t,J=7.4Hz),1.14(3H,s),1.15−1.24(1H,m),1.44−1.54(1H,m),2.16(1H,t,J=9.1Hz),2.22(1H,d,J=9.6Hz),2.38−2.46(1H,m),2.92(1H,dd,J=8.8,7.8Hz),3.21(1H,d,J=9.3Hz),3.51(1H,d,J=13.2Hz),3.62(3H,s),3.62(1H,d,J=13.2Hz),7.15−7.27(5H,m).
MS(ESI)m/z:262(M+H)+
[参考例10]
(3R * ,4R * )−1−ベンジルオキシカルボニル−4−エチル−3−メチルピロリジン−3−カルボン酸メチルエステル
(3R*,4R*)−1−ベンジル−4−エチル−3−メチルピロリジン−3−カルボン酸メチルエステル(3.68g,14.08mmol)を用い、参考例2と同様の方法によって、標記化合物3.68g(12.05mmol,86%)を無色透明オイルとして得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:0.86−0.92(3H,m),1.18(3H,s),1.23−1.34(1H,m),1.51−1.59(1H,m),2.42−2.54(1H,m),3.06(1H,m),3.40(0.5H,d,J=10.7Hz),3.47(0.5H,d,J=11.0Hz),3.68−3.79(5H,m),5.09−5.19(2H,m),7.28−7.38(5H,m).
MS(ESI)m/z:306(M+H)+
[参考例11]
(3R * ,4S * )−1−ベンジルオキシカルボニル−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−エチル−3−メチルピロリジン
(3R*,4R*)−1−ベンジルオキシカルボニル−4−エチル−3−メチルピロリジン−3−カルボン酸メチルエステル(3.68g,12.05mmol)を用い、参考例3と同様の方法によって、標記化合物3.25g(8.97mmol,4ステップ,74%)を無色透明ガム状固体として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:0.91−0.98(3H,m),1.23−1.31(4H,m),1.41−1.54(10H,m),2.25−2.42(1H,m),2.99−3.06(1H,m),3.57−3.75(3H,m),4.55−4.59(1H,m),5.08−5.17(2H,m),7.27−7.38(5H,m).
MS(ESI)m/z:307(M−tBu)+
[参考例12]
(+)−(3R * ,4S * )−1−ベンジルオキシカルボニル−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−エチル−3−メチルピロリジンおよび(−)−(3R * ,4S * )−1−ベンジルオキシカルボニル−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−エチル−3−メチルピロリジン
参考例11で得られたラセミ体の(3R*,4S*)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−エチル−3−メチルピロリジン(800mg,2.21mmol)を光学活性カラム(CHIRALPAK IA,20mmφ×250mm,へキサン−ジクロロメタン=75:25,流速=20mL/分,1回あたり10mgを分割)で光学分割し、(+)−(3R*,4S*)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−エチル−3−メチルピロリジン(393mg,1.084mmol,保持時間=11.3分,[α]D 25.1=+15.2゜(c=0.230,クロロホルム))、および(−)−(3R*,4S*)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−エチル−3−メチルピロリジン(396mg,1.093mmol,保持時間=13.1分,[α]D 25.1=−10.4゜(c=0.125,クロロホルム))を得た。
[実施例5]
7−[(3R * ,4S * )−3−アミノ−4−エチル−3−メチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
実施例1と同様の方法によって、(+)−(3R*,4S*)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−エチル−3−メチルピロリジン(383mg,1.057mmol)から(3R*,4S*)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−エチル−3−メチルピロリジン粗生成物へ導き、さらに6,7−ジフルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸・ジフルオロボロン錯体(361mg,1.000mmol)と反応させ、標記化合物260mg(0.618mmol,62%)を白色粉末として得た。
mp:209−211℃.
[α]D 25.1=−154.2゜(c=0.144,0.1N−NaOH).
1H−NMR(400MHz,0.1N−NaOD)δppm:0.94(3H,t,J=7.3Hz),1.14(3H,s),1.19−1.41(2H,m),1.53(1H,m),1.61−1.67(1H,m),1.88−1.95(1H,m),3.40−3.42(1H,m),3.47−3.53(1H,m),3.54(3H,s),3.60(1H,dd,J=10.0,3.4Hz),3.73(1H,t,J=9.2Hz),3.96−4.01(1H,m),5.02(1H,ddd,J=63.8,8.5,5.4Hz),7.64(1H,d,J=14.4Hz),8.38(1H,d,J=3.2Hz).
元素分析:C2125234・0.5H2Oとして;
計算値:C,58.60;H,6.09;F,8.83;N,9.76.
実測値:C,58.68;H,5.94;F,9.03;N,9.69.
MS(FAB)m/z:422(M+H)+
IR(ATR):2964,2931,2875,1716,1618,1514,1448,1439,1371,1325,1279,1234cm-1
[実施例6]
7−[(3R * ,4S * )−3−アミノ−4−エチル−3−メチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
実施例1と同様の方法によって、(−)−(3R*,4S*)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−エチル−3−メチルピロリジン(386mg,1.065mmol)から(3R*,4S*)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−エチル−3−メチルピロリジン粗生成物へ導き、さらに6,7−ジフルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸・ジフルオロボロン錯体(361mg,1.000mmol)と反応させ、標記化合物263mg(0.625mmol,63%)を白色粉末として得た。
mp:113−115℃.
[α]D 25.1=+234.5゜(c=0.310,0.1N−NaOH).
1H−NMR(400MHz,0.1N−NaOD)δppm:0.91(3H,t,J=7.3Hz),1.09(3H,s),1.17−1.28(1H,m),1.52−1.70(3H,m),1.80−1.88(1H,m),3.31(1H,d,J=9.8Hz),3.49−3.53(5H,m),3.63−3.69(1H,m),4.02(1H,m),4.80−4.98(1H,m),7.64(1H,d,J=14.6Hz),8.48(1H,s).
元素分析:C2125234・0.25EtOH・0.5H2Oとして;
計算値:C,58.43;H,6.27;F,8.60;N,9.51.
実測値:C,58.36;H,6.26;F,8.68;N,9.49.
MS(FAB)m/z:422(M+H)+
IR(ATR):2960,2929,2873,1728,1614,1579,1541,1510,1433,1392,1352,1296,1275cm-1
[参考例13]
trans−4−フルオロ−2−メチル−2−ブテン酸エチルエステル
Wolff,M.(Tetrahedron Letters,43巻,2555−2559頁,2002年)らの方法によって合成した、trans−4−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテン酸エチル(2.73g,18.94mmol)のジクロロメタン(100mL)溶液へ、氷冷下、三フッ化ジエチルアミノ硫黄(7.45mL,56.9mmol)を10分かけて滴下し、同温度で2時間攪拌した。反応液へ飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(80mL)を加えた後、ジクロロメタン(200mL+2×100mL)で抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をショートシリカゲルカラムを用いて濾去し、溶媒を減圧溜去することによって、標的化合物2.43g(16.63mmol,88%)を淡黄色オイルとして得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.31(3H,t,J=7.2Hz),1.86−1.87(3H,m),4.22(2H,q,J=7.2Hz),5.09(2H,ddd,J=46.5,5.9,1.1Hz),6.82−6.89(1H,m).
[参考例14]
(3R * ,4R * )−1−ベンジル−4−フルオロメチル−3−メチルピロリジン−3−カルボン酸エチルエステル
trans−4−フルオロ−2−メチル−2−ブテン酸エチルエステル(2.43g,16.63mmol)、およびN−ベンジル−N−(メトキシメチル)−N−トリメチルシリルメチルアミン(5.11mL,19.97mmol)を用い、参考例1と同様の方法によって標記化合物2.57g(9.20mmol,55%)を淡黄色オイルとして得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.25(3H,t,J=7.2Hz),1.30(3H,s),2.33(1H,d,J=9.3Hz),2.46(1H,dd,J=9.0,7.1Hz),2.89−3.06(2H,m),3.16(1H,d,J=9.3Hz),3.57(1H,d,J=13.2Hz),3.64(1H,d,J=13.2Hz),4.16(2H,ddd,J=14.3,7.1,2.6Hz),4.44(1H,ddd,J=34.9,9.3,6.0Hz),4.56(1H,ddd,J=34.7,9.3,6.1Hz),7.21−7.35(5H,m).
MS(ESI)m/z:280(M+H)+
[参考例15]
(3R * ,4R * )−1−ベンジルオキシカルボニル−4−フルオロメチル−3−メチルピロリジン−3−カルボン酸エチルエステル
(3R*,4R*)−1−ベンジル−4−フルオロメチル−3−メチルピロリジン−3−カルボン酸エチルエステル(2.56g,9.16mmol)を用い、参考例2と同様の方法によって、標記化合物2.56g(7.92mmol,86%)を無色透明オイルとして得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.26(3H,t,J=7.2Hz),1.29(3H,s),2.91−3.00(1H,m),3.35−3.48(2H,m),3.71−3.77(1H,m),3.81(1H,d,J=11.0Hz),4.11−4.21(2H,m),4.41−4.68(2H,m),5.10−5.18(2H,m),7.29−7.37(5H,m).
MS(ESI)m/z:324(M+H)+
[参考例16]
(3R * ,4S * )−1−ベンジルオキシカルボニル−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−フルオロメチル−3−メチルピロリジン
(3R*,4R*)−1−ベンジルオキシカルボニル−4−フルオロメチル−3−メチルピロリジン−3−カルボン酸エチルエステル(2.55g,7.89mmol)を用い、参考例3と同様の方法によって、標記化合物2.14g(5.84mmol,4ステップ,74%)を無色透明ガム状固体として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.37(1.8H,s),1.39(1.2H,s),1.42(9H,m),2.79−3.13(1H,m),3.19−3.31(1H,m),3.60−3.72(3H,m),4.41−4.62(2H,m),4.77(0.4H,brs),4.85(0.6H,brs),5.09−5.17(2H,m),7.28−7.37(5H,m).
MS(ESI)m/z:311(M−tBu)+
[参考例17]
(−)−(3R * ,4S * )−1−ベンジルオキシカルボニル−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−フルオロメチル−3−メチルピロリジンおよび(+)−(3R * ,4S * )−1−ベンジルオキシカルボニル−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−フルオロメチル−3−メチルピロリジン
参考例16で得られたラセミ体の(3R*,4S*)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−フルオロメチル−3−メチルピロリジン(1.454g,3.97mmol)を光学活性カラム(CHIRALPAK AS,20mmφ×250mm,へキサン−イソプロピルアルコール=93:7,流速=25mL/分,1回あたり60mgを分割)で光学分割し、(−)−(3R*,4S*)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−フルオロメチル−3−メチルピロリジン(624mg,1.703mmol,保持時間=11.8分,[α]D 25.1=−15.0゜(c=0.645,クロロホルム))、および(+)−(3R*,4S*)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−フルオロメチル−3−メチルピロリジン(623mg,1.700mmol,保持時間=15.5分,[α]D 25.1=+13.8゜(c=1.230,クロロホルム))を得た。
[実施例7]
7−[(3R * ,4S * )−3−アミノ−4−フルオロメチル−3−メチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
実施例1と同様の方法によって、(−)−(3R*,4S*)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−フルオロメチル−3−メチルピロリジン(303mg,0.827mmol)から(3R*,4S*)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−フルオロメチル−3−メチルピロリジン粗生成物へ導き、さらに6,7−ジフルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸・ジフルオロボロン錯体(299mg,0.827mmol)と反応させ、標記化合物231mg(0.521mmol,63%)を白色粉末として得た。
mp:195−198℃.
[α]D 25.1=−36.8゜(c=0.125,0.1N−NaOH).
1H−NMR(400MHz,0.1N−NaOD)δppm:1.29(3H,s),1.45(1H,d,J=27.2Hz),1.52−1.64(1H,m),2.50(1H,td,J=13.5,6.9Hz),3.54−3.57(2H,m),3.58(3H,s),3.63(1H,t,J=9.2Hz),3.94(1H,t,J=9.2Hz),3.99−4.05(1H,m),4.63(1H,ddd,J=37.6,9.2,6.5Hz),4.98(2H,d,J=64.2Hz),7.66(1H,d,J=14.5Hz),8.42(1H,d,J=2.0Hz).
元素分析:C2022334・1H2Oとして;
計算値:C,54.17;H,5.46;F,12.85;N,9.48.
実測値:C,54.34;H,5.41;F,13.13;N,9.21.
MS(EI)m/z:426(M+H)+
IR(ATR):3541,3089,2972,2881,1716,1622,1514,1456,1365,1327,1279,1238cm-1
[実施例8]
7−[(3R * ,4S * )−3−アミノ−4−フルオロメチル−3−メチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
実施例1と同様の方法によって、(+)−(3R*,4S*)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−フルオロメチル−3−メチルピロリジン(310mg,0.846mmol)から(3R*,4S*)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−フルオロメチル−3−メチルピロリジン粗生成物へ導き、さらに6,7−ジフルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸・ジフルオロボロン錯体(305mg,0.846mmol)と反応させ、標記化合物257mg(0.516mmol,61%)を白色粉末として得た。
mp:186−189℃.
[α]D 25.1=+132.0゜(c=0.103,0.1N−NaOH).
1H−NMR(400MHz,0.1N−NaOD)δppm:1.28(3H,s),1.51−1.70(2H,m),2.45−2.59(1H,m),3.46(1H,d,J=9.8Hz),3.60(3H,s),3.66(2H,q,J=7.1Hz),3.69(1H,dd,J=10.0,3.2Hz),3.74−3.79(2H,m),4.03−4.09(1H,m),4.66(1H,ddd,J=37.3,9.6,6.4Hz),4.93(2H,d,J=71.6Hz),7.67(1H,d,J=14.5Hz),8.47(1H,s).
元素分析:C2022334・1EtOH・1.5H2Oとして;
計算値:C,53.01;H,6.27;F,11.43;N,8.43.
実測値:C,53.03;H,6.02;F,11.86;N,8.08.
MS(EI)m/z:426(M+H)+
IR(ATR):2970,2883,1728,1616,1560,1456,1390,1350,1336,1315,1298,1267,1203cm-1
[参考例18]
1−アセチル−1−シクロプロパンカルボン酸tert−ブチルエステル
アセト酢酸 tert−ブチルエステル(497mL,3.00mol)、1,2−ジブロモエタン(310mL,3.60mmol)、炭酸カリウム(1.106kg,8.00mmol)、およびジメチルホルムアミド(2.0L)の混合物を30℃の水浴で1.5時間、60℃の水浴で3.5時間、続いて30℃の水浴で4日間加熱攪拌した。反応液をセライト濾過し、濾取物をジエチルエーテル(3.5L)で洗浄した。濾液とジエチルエーテル洗浄液をあわせて水(2L)に加え、有機層を分離した。水層からジエチルエーテル(2L)で抽出し、得られた水層に水(1L)を加えた後に、さらにジエチルエーテル(2L)で抽出した。有機層をすべて合わせた後に、10%クエン酸水溶液(2L)、水(2L×3)、および飽和食塩水(2L×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。乾燥剤を濾去後、溶媒を減圧溜去し、得られた残留物を減圧蒸留して標的化合物371.8g(10mmHg,72−78℃の溜分,2.02mol,67%)を無色透明オイルとして得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.37−1.40(4H,m),1.49(9H,s),2.44(3H,s).
[参考例19]
1−(1−アミノ−1−シアノエチル)−1−シクロプロパンカルボン酸tert−ブチルエステル
1−アセチル−1−シクロプロパンカルボン酸tert−ブチルエステル(9.21g,50.0mmol)を7規定アンモニア/メタノール溶液(300mL)へ溶解し、氷冷下、濃アンモニア水(90mL)、塩化アンモニウム(53.5g,1.00mol)、およびシアン化ナトリウム(4.90g,100.0mmol)を加え、その後室温で18時間攪拌した。溶媒を減圧濃縮し、残留液へ水(100mL)を加えた後、ジクロロメタン(300mL+2×100mL)で抽出した。合わせた有機層へ無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥し、乾燥剤を濾去後、溶媒を減圧溜去することによって標的化合物粗生成物10.15g(48.3mmol,97%)を薄褐色オイルとして得た。得られた粗生成物はこれ以上精製することなく次の反応に用いた。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.02−1.12(2H,m),1.19−1.17(2H,m),1.48(9H,s),1.50(3H,s),2.13(2H,brs).
MS(ESI)m/z:155(M−tBu)+
[参考例20]
1−(1,2−ジアミノ−1−メチルエチル)−1−シクロプロパンカルボン酸tert−ブチルエステル
1−(1−アミノ−1−シアノエチル)−1−シクロプロパンカルボン酸tert−ブチルエステル(1.12g,5.30mmol)のエタノール溶液(50mL)にラネーニッケル触媒(日興リカ,R−100,10mL)のエタノール懸濁液(30mL)を加え、水素ガス雰囲気下において室温で6時間激しく攪拌した。触媒をセライト濾過によって濾去し、溶媒を減圧溜去することによって、標的化合物粗生成物0.84g(3.92mmol,74%)を無色透明オイルとして得た。得られた粗生成物はこれ以上精製することなく次の反応に用いた。
MS(ESI)m/z:215(M+H)+
[参考例21]
1−(1,2−ジアミノ−1−メチルエチル)−1−シクロプロパンカルボン酸二塩酸塩
1−(1,2−ジアミノ−1−メチルエチル)−1−シクロプロパンカルボン酸tert−ブチルエステル粗生成物0.82g(3.83mmol)を室温で濃塩酸(5mL)に溶解し、同温度で30分間攪拌した。反応液へ水を加えた後に溶媒を減圧溜去し、続いてエタノールで共沸した(2回)。標的化合物粗生成物0.82g(3.55mmol,93%)を薄黄色泡状固体として得た。得られた粗生成物はこれ以上精製することなく次の反応に用いた。
1H−NMR(400MHz,CD3OD)δppm:1.20−1.26(1H,m),1.28(3H,s),1.32−1.43(2H,m),1.58−1.62(1H,m),3.46(1H,d,J=13.4Hz),3.80(1H,d,J=13.4Hz).
MS(ESI)m/z:159(M+H)+
[参考例22]
7−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−4−オン
1−(1,2−ジアミノ−1−メチルエチル)−1−シクロプロパンカルボン酸二塩酸塩粗生成物(800mg,3.46mmol)のアセトニトリル溶液(70mL)に、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(7.38mL,34.6mmol)を加え、窒素置換下、100℃のオイルバスで4時間加熱還流した。室温まで冷却し、メタノール(70mL)を加えた後に溶媒を減圧溜去することによって、7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−4−オン粗生成物を薄褐色ガム状固体として得た。
MS(ESI)m/z:141(M+H)+
上記で得られた7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−4−オン粗生成物へ室温で1,4−ジオキサン(20mL)、およびジ−tert−ブチルジカーボネート(1.528g,7.00mmol)を加え、混合物を同温度で5時間攪拌した。反応液へ水(50mL)を加え、クロロホルム(100mL+50mL)で抽出した後、合わせた有機層へ無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥し、乾燥剤をショートシリカゲルカラムを用いて濾去後、溶媒を減圧溜去した。得られた残留物にジエチルエーテルを加えて懸濁させ濾取することによって、標的化合物502mg(2.09mmol,2ステップ,60%)を白色粉末として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:0.77−0.82(1H,m),0.94−1.04(2H,m),1.16−1.23(1H,m),1.28(3H,s),1.43(9H,s),3.29(1H,d,J=10.3Hz),4.12(1H,m),4.60(1H,brs),5.82(1H,brs).
MS(ESI)m/z:185(M−tBu)+
[参考例23]
5−ベンジル−7−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−4−オン
7−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−4−オン(3.12g,12.97mmol)のジメチルホルムアミド溶液(65mL)に、氷冷下、水素化ナトリウム(55%、ミネラルオイルディスパージョン、538mg,12.33mmol)を5分かけて加えた。同温度で40分間攪拌した後、臭化ベンジル(1.851mL,15.56mmol)を加え、室温で1.5時間攪拌した。反応液へ酢酸エチル(300mL)を加えて希釈し、水(100mL×2)、および飽和食塩水(100mL)で洗浄した。無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥し、乾燥剤を濾去後、溶媒を減圧溜去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(へキサン−酢酸エチル=9:1 → 4:1 → 2:1)で精製することによって、標的化合物4.20g(12.71mmol,98%)を無色透明ガム状固体として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:0.76−0.81(1H,m),0.93−1.06(2H,m),1.21−1.29(4H,m),1.37(9H,m),3.14(1H,d,J=10.3Hz),3.92−3.98(1H,m),4.44(1H,d,J=15.1Hz),4.56(1H,d,J=14.6Hz),4.56(1H,brs),7.22−7.33(5H,m).
MS(ESI)m/z:331(M+H)+
[参考例24]
(−)−5−ベンジル−7−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−4−オンおよび(+)−5−ベンジル−7−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−4−オン
参考例23で得られたラセミ体の5−ベンジル−7−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−4−オン(2.254g,6.82mmol)を光学活性カラム(CHIRALPAK AD,20mmφ×250mm,へキサン−イソプロピルアルコール=90:10,流速=20mL/分,1回あたり50mgを分割)で光学分割し、(−)−5−ベンジル−7−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−4−オン(997mg,3.02mmol,保持時間=7.0分,[α]D 25.1=−113.9゜(c=0.180,クロロホルム))、および(+)−5−ベンジル−7−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−4−オン(957mg,2.90mmol,保持時間=11.3分,[α]D 25.1=+108.8゜(c=0.249,クロロホルム))を得た。
[参考例25]
(−)−5−ベンジル−7−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン
(−)−5−ベンジル−7−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−4−オン(950mg,2.88mmol)のジクロロメタン溶液(15mL)に、室温で、トリフルオロ酢酸(7.5mL)を加え、同温度で40分間攪拌した。溶媒を減圧溜去し、トルエンで共沸した(2回)後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)を加え、クロロホルム(100mL+2×50mL)で抽出した。合わせた有機層へ無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥し、乾燥剤を濾去後、溶媒を減圧溜去した。得られた残留物をテトラヒドロフラン(30mL)に溶解し、氷冷攪拌下、水素化リチウムアルミニウム(218mg,5.74mmol)を加え、同温度で1時間攪拌した。さらに水素化リチウムアルミニウム(109mg,2.87mmol)を加え、室温で2.5時間攪拌した後、再び氷冷し、水(0.31mL)、15%水酸化ナトリウム水溶液(0.31mL)、および水(0.93mL)を順に注意深く加えた。得られた混合物を室温で1晩攪拌した後、硫酸マグネシウムを加えて乾燥し、セライト濾過した。濾液を減圧濃縮することによって、7−アミノ−5−ベンジル−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン粗生成物を無色透明オイルとして得た。得られた粗生成物はこれ以上精製することなく次の反応に用いた。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:0.37−0.45(2H,m),0.56−0.66(2H,m),0.96(3H,s),2.48(1H,d,J=9.0Hz),2.55(1H,d,J=8.8Hz),2.74(2H,d,J=9.0Hz),3.59(2H,s),7.21−7.37(5H,m).
MS(ESI)m/z:217(M+H)+
上記で得られた7−アミノ−5−ベンジル−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン粗生成物をジクロロメタン(15mL)に溶解し、ジ−tert−ブチルジカーボネート(1.255g,5.75mmol)を加え、室温で22時間攪拌した。溶媒を減圧溜去した後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール−トリエチルアミン=98:2:1 → 95:5:1)で精製することによって、標的化合物586mg(1.852mmol,3ステップ,64%)を無色透明ガム状固体として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:0.40−0.45(1H,m),0.50−0.55(1H,m),0.63−0.69(1H,m),0.80−0.85(1H,m),1.20(3H,s),1.43(9H,s),2.44(1H,d,J=8.8Hz),2.59(1H,d,J=9.5Hz),2.83(1H,d,J=8.8Hz),3.33(1H,m),3.57(1H,d,J=13.2Hz),3.68(1H,d,J=13.2Hz),4.75(1H,brs),7.20−7.37(5H,m).
MS(ESI)m/z:317(M+H)+
[α]D 25.1=−63.6゜(c=0.129,クロロホルム)
[参考例26]
(+)−5−ベンジル−7−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン
(+)−5−ベンジル−7−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−4−オン(950mg,2.88mmol)を用い、参考例25と同様の方法によって、7−アミノ−5−ベンジル−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン粗生成物を無色透明オイルとして得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:0.37−0.45(2H,m),0.56−0.66(2H,m),0.96(3H,s),2.48(1H,d,J=9.0Hz),2.55(1H,d,J=8.8Hz),2.74(2H,d,J=9.0Hz),3.59(2H,s),7.21−7.37(5H,m).
MS(ESI)m/z:217(M+H)+
さらに、上記で得られた7−アミノ−5−ベンジル−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン粗生成物から、参考例28と同様の方法によって、標的化合物629mg(1.985mmol,3ステップ,69%)を無色透明ガム状固体として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:0.40−0.45(1H,m),0.50−0.55(1H,m),0.63−0.69(1H,m),0.80−0.85(1H,m),1.20(3H,s),1.43(9H,s),2.44(1H,d,J=8.8Hz),2.59(1H,d,J=9.5Hz),2.83(1H,d,J=8.8Hz),3.33(1H,m),3.57(1H,d,J=13.2Hz),3.68(1H,d,J=13.2Hz),4.75(1H,brs),7.20−7.37(5H,m).
MS(ESI)m/z:317(M+H)+
[α]D 25.1=+76.2゜(c=0.290,クロロホルム)
[参考例27]
(−)−7−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン
(−)−5−ベンジル−7−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン(581mg,1.836mmol)のメタノール(40mL)溶液へ10%パラジウム炭素触媒(M,約50%含水,349mg)を加え、水素ガス雰囲気下、室温で2.5時間攪拌した。触媒をろ去後、溶媒を減圧溜去し、標的化合物粗生成物434mg(定量的)を無色透明ガム状固体として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:0.38−0.43(1H,m),0.55−0.60(2H,m),0.74−0.80(1H,m),1.08(3H,s),1.44(9H,s),2.75(1H,d,J=12.0Hz),2.77(1H,d,J=11.5Hz),3.13(1H,d,J=11.5Hz),3.75(1H,brd,J=12.0Hz),4.44(1H,brs).
MS(ESI)m/z:227(M+H)+
[α]D 25.1=−63.5゜(c=0.277,クロロホルム)
[参考例28]
(+)−7−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン
(+)−5−ベンジル−7−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン(627mg,1.981mmol)のメタノール(40mL)溶液へ10%パラジウム炭素触媒(M,約50%含水,376mg)を加え、水素ガス雰囲気下、室温で5時間攪拌した。触媒をろ去後、溶媒を減圧溜去し、標的化合物粗生成物452mg(定量的)を無色透明ガム状固体として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:0.38−0.43(1H,m),0.55−0.60(2H,m),0.74−0.80(1H,m),1.08(3H,s),1.44(9H,s),2.75(1H,d,J=12.0Hz),2.77(1H,d,J=11.5Hz),3.13(1H,d,J=11.5Hz),3.75(1H,brd,J=12.0Hz),4.44(1H,brs).
MS(ESI)m/z:227(M+H)+
[α]D 25.1=+59.5゜(c=0.185,クロロホルム)
[参考例29]
7−[7−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
参考例27で得られた(−)−7−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン粗生成物(434mg,1.836mmol)と、6,7−ジフルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸・ジフルオロボロン錯体(663mg,1.836mmol)、並びにトリエチルアミン(0.768mL,5.510mmol)をジメチルスルホキシド(5mL)に溶解し、40℃のオイルバスで14時間加熱攪拌した。反応液にエタノール:水=4:1混合溶液(50mL)およびトリエチルアミン(5mL)を加えて100℃のオイルバスで2時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮し、残留物を酢酸エチル(200mL)に溶解し、10%クエン酸水溶液(50mL)および水(50mL×2)および飽和食塩水(50mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去することによって、標的化合物粗生成物870mg(1.676mmol,91%)を黄色泡状固体として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:0.55−0.60(1H,m),0.68−0.73(1H,m),0.74−0.80(1H,m),0.92−0.97(1H,m),1.22(3H,s),1.40(9H,s),1.43−1.59(2H,m),3.13(1H,d,J=9.8Hz),3.60(3H,s),3.75(1H,dd,J=11.0,3.7Hz),3.85(1H,dt,J=10.2,4.5Hz),4.18(1H,d,J=10.0Hz),4.47(1H,m),4.62(1H,s),4.79−4.99(1H,dm),7.83(1H,d,J=13.7Hz),8.68(1H,d,J=2.7Hz),14.88(0.7H,brs).
MS(ESI)m/z:520(M+H)+
[α]D 25.1=−128.5゜(c=1.240,クロロホルム)
[参考例30]
7−[7−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
参考例28で得られた(+)−7−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン粗生成物(452mg,1.981mmol)、および6,7−ジフルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸・ジフルオロボロン錯体(715mg,1.981mmol)を用いて、参考例29と同様の方法によって標的化合物粗生成物1.00g(1.925mmol,97%)を黄色泡状固体として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:0.55−0.60(1H,m),0.68−0.80(2H,m),0.91−0.97(1H,m),1.21(3H,s),1.40(9H,s),1.53−1.68(2H,m),3.04(1H,d,J=10.0Hz),3.61(3H,s),3.81(1H,dd,J=10.7,4.4Hz),3.87−3.93(1H,m),4.24(1H,d,J=9.8Hz),4.46(1H,m),4.65−4.85(2H,m),7.83(1H,d,J=13.4Hz),8.76(1H,s).
MS(ESI)m/z:520(M+H)+
[α]D 25.1=+133.2゜(c=2.230,クロロホルム)
[実施例9]
7−(7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
参考例29で得られた7−[7−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸(870mg,1.676mmol)を氷冷下濃塩酸(10mL)に溶解後、室温で20分間撹拌し、反応液をクロロホルム(20mL×5)で洗浄した。水層に氷冷下飽和水酸化ナトリウム水溶液を加えpH12.0とし、次いで塩酸でpH7.4に調整後、クロロホルム:メタノール=10:1混合溶液(200mL×2)、およびクロロホルム:メタノール:水=7:3:1下層溶液(200mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をエタノールから再結晶精製し、減圧乾燥して標記化合物644mg(1.535mmol,92%)を淡桃色粉末として得た。
mp:195−200℃.
[α]D 25.1=+40.8゜(c=0.147,0.1N−NaOH).
1H−NMR(400MHz,0.1N−NaOD)δppm:0.49−0.56(2H,m),0.67−0.76(2H,m),1.12(3H,s),1.43−1.64(2H,m),3.56(3H,s),3.59−3.71(4H,m),3.99−4.04(1H,m),4.80−5.03(1H,m),7.65(1H,d,J=13.9Hz),8.45(1H,s).
元素分析:C2123234・0.75EtOH・0.5H2Oとして;
計算値:C,58.37;H,6.20;F,8.21;N,9.08.
実測値:C,58.23;H,5.99;F,8.09;N,9.02.
MS(EI)m/z:419(M+).
IR(ATR):2964,2843,1726,1612,1572,1537,1452,1439,1387,1360,1346,1311,1294,1265,1207cm-1
[実施例10]
7−(7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
参考例30で得られた7−[7−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸(1000mg,1.925mmol)を用いて、実施例9と同様の方法によって、標記化合物649mg(1.546mmol,80%)を淡桃色粉末として得た。
mp:211−214℃.
[α]D 25.1=+128.8゜(c=0.163,0.1N−NaOH).
1H−NMR(400MHz,0.1N−NaOD)δppm:0.52(2H,m),0.73(2H,m),1.07(3H,s),1.42−1.64(2H,m),3.45(1H,d,J=10.3Hz),3.52−3.56(1H,m),3.55(3H,s),3.73(1H,dd,J=10.0,2.2Hz),3.85(1H,d,J=9.0Hz),3.99−4.04(1H,m),4.82−5.02(1H,m),7.64(1H,d,J=14.4Hz),8.45(1H,s).
元素分析:C2123234・1.0EtOH・0.5H2Oとして;
計算値:C,58.22;H,6.37;F,8.01;N,8.86.
実測値:C,58.02;H,6.13;F,8.05;N,9.02.
MS(EI)m/z:419(M+).
IR(ATR):2970,2848,1726,1614,1577,1537,1452,1439,1389,1360,1354,1317,1296,1265,1215,1203cm-1
[実施例11]
7−(7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸塩酸塩
7位の置換基におけるアミノ基の配位が実施例9で得られたものと同じ配位であるところの7−[7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸(18.07g,39.4mmol)をメタノール(54mL)に懸濁し、室温で1規定塩酸(43.4mL,43.4mmol)を加えた。その後、イソプロピルアルコール(180mL)を加え、50℃の水浴上でしばらく攪拌し、ガム状の不溶物を結晶化させた。室温で1時間放置後、結晶をろ取し、得られた結晶を少量のイソプロピルアルコールで洗浄した(2回)。減圧乾燥をして標記化合物12.91g(27.2mmol,69%)を黄色粉末として得た。
mp:226−228℃.
[α]D 25.1=+41.1゜(c=0.347,0.1N−NaOH).
1H−NMR(400MHz,0.1N−NaOD)δppm:0.49−0.56(2H,m),0.67−0.76(2H,m),1.12(3H,s),1.43−1.64(2H,m),3.56(3H,s),3.59−3.71(4H,m),3.99−4.04(1H,m),4.80−5.03(1H,m),7.65(1H,d,J=13.9Hz),8.45(1H,s).
元素分析:C2123234・1HCl・1H2Oとして;
計算値:C,53.22;H,5.53;F,8.02;N,8.87;Cl,7.48.
実測値:C,53.01;H,5.52;F,7.90;N,8.71;Cl,7.53.
[実施例12]
7−(7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸塩酸塩
7位の置換基におけるtert−ブトキシカルボニルアミノ基の配位が参考例29で得られたものと同じ配位であるところの7−[7−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸(267.2gをイソプロピルアルコール(1.6L)に懸濁し、55℃のオイルバスで加熱攪拌しながら、6規定塩酸(405mL,2.43mol)を加えた。同温度で3.5時間攪拌後、室温まで冷却し、イソプロピルアルコール(2.4L)を加えた。その後、5℃の水浴で反応容器を冷却し、同温度で13時間攪拌した。析出した結晶を濾取し、数時間風乾後、40℃で減圧乾燥した。標的化合物223.3g(471mmol,92%)を黄色粉末として得た。
[参考例31]
3−メチル−5−オキソ−1−[(R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−イルカルボン酸メチルエステル
(3R)−5−オキソ−1−[(R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−イルカルボン酸メチルエステル(49.5g,200mmol)、およびヨウ化メチル(37.4mL,600mmol)のジメチルホルムアミド(1L)溶液へ、室温下水素化ナトリウム(油性,55%含有,11.35g,260mmol)を5分かけて加えた。室温で2時間攪拌後、ヨウ化メチル(24.9mL,400mmol)、および水素化ナトリウム(油性,55%含有,6.11g,140mmol)を追加し、さらに4時間攪拌した。反応液を氷冷した0.5規定塩酸(1L)へ注ぎ、酢酸エチル(2L+1L)で抽出した。有機層を合わせた後、水(1L×2)、および飽和食塩水(1L)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、溶媒を減圧溜去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(へキサン−酢酸エチル=80:20 → 67:33 → 50:50 → 33:67)で精製することによって、標記化合物の3位に関する立体異性体A:19.86g(76.0mmol,38%)を薄黄色オイルとして、立体異性体B:20.22g(77.4mmol,39%)を薄黄色固体として、また、立体異性体AとBの混合物9.69g(37.1mmol,19%)を薄黄色オイルとして得た。
立体異性体A:
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.21(3H,s),1.52(3H,d,J=7.1Hz),2.31(1H,d,J=16.8Hz),2.73(1H,d,J=10.0Hz),2.95(1H,d,J=16.9Hz),3.69(1H,d,J=10.0Hz),3.72(3H,s),5.51(1H,q,J=7.2Hz),7.26−7.37(5H,m).
MS(ESI)m/z:262(M+H)+
[α]D 25.1=+90.1゜(c=0.350,クロロホルム)
立体異性体B:
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.39(3H,s),1.52(3H,d,J=7.1Hz),2.33(1H,d,J=16.9Hz),2.93(1H,d,J=16.8Hz),3.09(1H,d,J=10.0Hz),3.30(1H,d,J=10.3Hz),3.61(3H,s),5.51(1H,q,J=6.8Hz),7.25−7.36(5H,m).
MS(ESI)m/z:262(M+H)+
[α]D 25.1=+120.8゜(c=0.190,クロロホルム)
[参考例32]
4−エチル−3−メチル−5−オキソ−1−[(R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−イルカルボン酸メチルエステル
参考例31で得られた3−メチル−5−オキソ−1−[(R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−イルカルボン酸メチルエステル立体異性体A(19.86g,76.0mmol)、およびヘキサメチルホスホリックトリアミド(30mL)のテトラヒドロフラン(300mL)溶液へ、−78℃でリチウムジイソプロピルアミド/へプタン・テトラヒドロフラン・エチルベンゼン溶液(1.8M,63.3mL,113.9mmol)を15分かけて滴下した。−78℃で30分間攪拌後、同温度でヨウ化エチル(12.2mL,152.0mmol)を10分かけて滴下した。−78℃で1時間攪拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液(100mL)を加えてクエンチした。反応液を酢酸エチル(300mL)で抽出し、得られた有機層を水(200mL×2)、および飽和食塩水(200mL)で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、溶媒を減圧溜去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(へキサン−酢酸エチル=90:10 → 85:15 → 80:20)で精製することによって、標記化合物10.63g(4位に関する立体異性体混合物,36.7mmol,48%)を薄黄色オイルとして得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.01−1.07(3.6H,m),1.22(2.4H,s),1.45−1.56(3.8H,m),1.64−1.75(1H,m),1.80−1.85(0.2H,m),2.24(0.8H,t,J=6.7Hz),2.61−2.65(1H,m),2.81(0.2H,t,J=7.2Hz),3.55(0.2H,d,J=9.5Hz),3.62(0.8H,d,J=10.0Hz),3.699(2.4H,s),3.704(0.6H,s),5
.50−5.56(1H,m),7.26−7.36(5H,m).
MS(ESI)m/z:290(M+H)+
[参考例33]
4−エチル−3−メチル−5−オキソ−1−[(R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−イルカルボン酸
参考例32で得られた4−エチル−3−メチル−5−オキソ−1−[(R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−イルカルボン酸メチルエステル立体異性体A(10.63g,36.7mmol)のテトラヒドロフラン(330mL)/メタノール(110mL)溶液へ、室温で2規定水酸化ナトリウム水溶液(110mL,220mmol)を加え、60℃のオイルバスで5.5時間加熱攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残液へ氷冷下濃塩酸を加えて酸性とした後、クロロホルム(300mL+2×100mL)で抽出した。有機層をあわせて無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、溶媒を減圧溜去して標記化合物粗生成物11.46g(定量的)を薄褐色固体として得た。得られた粗生成物はこれ以上精製することなく次の反応に用いた。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.03−1.08(3.6H,m),1.25(2.4H,s),1.50−1.54(3.2H,m),1.59−1.70(0.8H,m),1.73−1.87(1H,m),2.30(0.8H,t,J=6.6Hz),2.63(0.8H,d,J=10.3Hz),2.67(0.2H,d,J=9.8Hz),2.86(0.2H,t,J=7.2Hz),3.60(0.2H,d,J=9.8Hz),3.69(0.8H,d,J=10.3Hz),5.48−5.56(1H,m),7.26−7.36(5H,m).
MS(ESI)m/z:276(M+H)+
[参考例34]
(3R * ,4S * )−3−アミノ−4−エチル−3−メチル−5−オキソ−1−[(R)−1−フェニルエチル]ピロリジンおよび(3R * ,4R * )−3−アミノ−4−エチル−3−メチル−5−オキソ−1−[(R)−1−フェニルエチル]ピロリジン
参考例33で得られた4−エチル−3−メチル−5−オキソ−1−[(R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−イルカルボン酸立体異性体A粗生成物(11.46g),およびトリエチルアミン(10.24mL,73.4mmol)のトルエン(150mL)溶液へ、室温でジフェニルリン酸アジド(10.29mL,47.7mmol)を加え、室温で15分間、続いて90℃のオイルバスで3時間加熱攪拌した。反応液へ酢酸エチル(500mL)を加えて希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200mL)、水(200mL)、並びに飽和食塩水(200mL)で順次洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥剤を濾去後、溶媒を減圧留去してイソシアネート体粗生成物を得た。得られたイソシアネート体粗生成物を1,4−ジオキサン(80mL)に溶解し、6規定塩酸(80mL)を加えた後に、60℃のオイルバスで2時間加熱攪拌した。反応液を減圧濃縮し、エタノールを用いて共沸させた後、残留物へ水(100mL)を加え、次いで氷冷攪拌下、飽和水酸化ナトリウム水溶液を加えてアルカリ性とした。得られた混合物からジクロロメタン(600mL+100mL)で抽出し、有機層をあわせて無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、溶媒を減圧溜去した。得られた異性体混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール−トリエチルアミン=100:0:1 → 99:1:1→ 98:2:1)で分離・精製することによって、標記化合物立体異性体AA:7.00g((3R*,4S*)体,28.4mmol,2ステップ,77%)を薄褐色ガム状固体として、立体異性体AB:1.41g((3R*,4R*)体,5.72mmol,2ステップ,16%)を薄褐色ガム状固体として得た。
立体異性体AA:
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.14(3H,t,J=7.6Hz),1.19(3H,s),1.43−1.55(4H,m),1.72−1.83(1H,m),2.05(1H,t,J=6.8Hz),2.77(1H,d,J=10.0Hz),2.99(1H,d,J=9.8Hz),5.53(1H,q,J=7.1Hz),7.24−7.35(5H,m).
MS(ESI)m/z:247(M+H)+
[α]D 25.1=+126.6゜(c=0.470,クロロホルム)
立体異性体AB:
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:0.93(3H,s),1.13(3H,t,J=7.4Hz),1.46−1.62(4H,m),1.65−1.74(1H,m),2.11(1H,t,J=7.1Hz),2.70(1H,d,J=9.5Hz),3.00(1H,d,J=9.3Hz),5.52(1H,q,J=7.1Hz),7.24−7.35(5H,m).
MS(ESI)m/z:247(M+H)+
[α]D 25.1=+132.5゜(c=0.260,クロロホルム)
[参考例35]
(3R * ,4R * )−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−エチル−3−メチル−1−[(R)−1−フェニルエチル]ピロリジン
参考例34で得られた(3R*,4S*)−3−アミノ−4−エチル−3−メチル−5−オキソ−1−[(R)−1−フェニルエチル]ピロリジン(異性体AA,4.16g,16.89mmol)のテトラヒドロフラン(100mL)溶液へ、氷冷下、水素化リチウムアルミニウム(1.282g,33.8mmol)を5分かけて加え、その後室温で2時間攪拌した。反応液を氷冷し、水(1.22mL,67.7mmol)、15%水酸化ナトリウム水溶液(1.22mL)、並びに水(3.66mL)を順次注意深く加え、室温にして一晩攪拌した。不溶物を濾去し、濾去物をテトラヒドロフランで洗浄後(3回)、濾液と洗液をあわせて溶媒を減圧溜去した。得られた残留物をジクロロメタン(70mL)に溶解し、ジ−tert−ブチルジカーボネート(5.53g,25.3mmol)を加え、室温で25時間攪拌した。溶媒を減圧溜去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(へキサン−酢酸エチル=90:10 → 80:20 → 67:33)で精製することによって、標記化合物4.45g(13.37mmol,2ステップ,79%)を薄褐色オイルとして得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:0.87(3H,t,J=7.3Hz),1.14−1.22(1H,m),1.33(3H,d,J=6.3Hz),1.44(9H,s),1.45(3H,s),1.55−1.65(1H,m),1.74−1.82(1H,m),2.36(1H,t,J=8.8Hz),2.63(1H,d,J=9.5Hz),2.71(1H,d,J=8.1Hz),2.75(1H,d,J=9.0Hz),3.28(1H,q,J=6.5Hz),4.73(1H,brs),7.19−7.33(5H,m).
MS(ESI)m/z:333(M+H)+
[α]D 25.1=+5.4゜(c=0.410,クロロホルム)
[参考例36]
(3R * ,4R * )−1−ベンジルオキシカルボニル−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−エチル−3−メチルピロリジン
参考例35で得られた(3R*,4R*)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−エチル−3−メチル−1−[(R)−1−フェニルエチル]ピロリジン(4.43g,13.33mmol)のジクロロメタン(40mL)溶液へ、室温でクロロギ酸ベンジル(5.71mL,39.9mmol)を加え、同温度で5日間攪拌した。溶媒を減圧溜去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(へキサン−酢酸エチル=90:10 → 80:20 → 67:33)で精製することによって、標記化合物3.94g(10.86mmol,81%)を無色透明ガム状固体として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:0.94−1.00(3H,m),1.12−1.22(1H,m),1.41−1.47(12H,m),1.59−1.69(1H,m),1.82−1.95(1H,m),3.12−3.26(2H,m),3.65−3.75(1H,m),3.96(0.3H,d,J=11.5Hz),4.10(0.7H,m),4.43(1H,brs),5.09−5.18(2H,m),7.27−7.38(5H,m).
MS(ESI)m/z:307(M−tBu)+
[α]D 25.1=−13.3゜(c=0.120,クロロホルム)
[実施例13]
7−[(3R * ,4R * )−3−アミノ−4−エチル−3−メチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
実施例1と同様の方法によって、参考例36で得られた(3R*,4R*)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−エチル−3−メチルピロリジン(450mg,1.242mmol)から(3R*,4R*)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−エチル−3−メチルピロリジン粗生成物(304mg,定量的)へ導き、そのうち294mgを6,7−ジフルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸・ジフルオロボロン錯体(434mg,1.201mmol)と反応させ、標記化合物282mg(0.662mmol,55%)を白色粉末として得た。
mp:90−93℃.
[α]D 25.1=+220.2゜(c=0.113,0.1N−NaOH).
1H−NMR(400MHz,0.1N−NaOD)δppm:0.96(3H,t,J=7.4Hz),1.27−1.34(4H,m),1.56−1.72(3H,m),1.89−1.97(1H,m),3.30(1H,d,J=10.7Hz),3.56(3H,s),3.61−3.70(2H,m),3.78(1H,dd,J=10.6,2.8Hz),4.06(1H,dd,J=13.1,6.0Hz),4.82−5.01(1H,m),7.65(1H,d,J=14.4Hz),8.48(1H,s).
元素分析:C2125234・0.25H2Oとして;
計算値:C,59.22;H,6.03;F,8.92;N,9.87.
実測値:C,59.09;H,5.84;F,8.79;N,9.89.
MS(FAB)m/z:422(M+H)+
IR(ATR):2958,2873,1724,1618,1541,1508,1431,1363,1313,1277,1234cm-1
[参考例37]
(3R * ,4R * )−4−エチル−3−メチル−5−オキソ−1−[(R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−イルカルボン酸メチルエステルおよび(3R * ,4S * )−4−エチル−3−メチル−5−オキソ−1−[(R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−イルカルボン酸メチルエステル
参考例31で得られた3−メチル−5−オキソ−1−[(R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−イルカルボン酸メチルエステル立体異性体B(20.22g,77.4mmol)を用い、参考例32と同様の方法によって、標記化合物の4位に関する立体異性体BA:2.27g((3R*,4R*)体,7.84mmol,10%)を薄黄色オイルとして、立体異性体BB:7.40g((3R*,4S*)体,25.6mmol,33%)を薄黄色オイルとして得た。
立体異性体BA:
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.03(3H,t,J=7.5Hz),1.25(3H,s),1.39−1.55(4H,m),1.79−1.90(1H,m),2.78(1H,dd,J=8.0,6.5Hz),2.95(1H,d,J=9.8Hz),3.17(1H,d,J=9.8Hz),3.64(3H,s),5.52(1H,q,J=7.1Hz),7.25−7.35(5H,m).
MS(ESI)m/z:290(M+H)+
[α]D 25.1=+106.7゜(c=0.520,クロロホルム)
立体異性体BB:
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.00(3H,t,J=7.6Hz),1.38−1.47(4H,m),1.51(3H,d,J=7.4Hz),1.63−1.70(1H,m),2.26(1H,dd,J=7.4,6.4Hz),2.98(1H,d,J=10.3Hz),3.29(1H,d,J=10.3Hz),3.53(3H,s),5.52(1H,q,J=7.1Hz),7.25−7.35(5H,m).
MS(ESI)m/z:290(M+H)+
[α]D 25.1=+130.0゜(c=0.110,クロロホルム)
[参考例38]
(3R * ,4S * )−4−エチル−3−メチル−5−オキソ−1−[(R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−イルカルボン酸
参考例37で得られた(3R*,4S*)−4−エチル−3−メチル−5−オキソ−1−[(R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−イルカルボン酸メチルエステル(立体異性体BB,2.04g,7.03mmol)を用い、参考例33と同様の方法によって標的化合物粗生成物2.15g(定量的)を薄褐色固体として得た。得られた粗生成物はこれ以上精製することなく次の反応に用いた。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:0.98(3H,t,J=7.6Hz),1.41(3H,s),1.50−1.73(5H,m),2.30(1H,dd,J=7.6,5.9Hz),2.96(1H,d,J=10.1Hz),3.32(1H,d,J=10.5Hz),5.51(1H,q,J=7.0Hz),7.23−7.34(5H,m).
MS(ESI)m/z:276(M+H)+
[参考例39]
(3R * ,4S * )−3−アミノ−4−エチル−3−メチル−5−オキソ−1−[(R)−1−フェニルエチル]ピロリジン
参考例38で得られた(3R*,4S*)−4−エチル−3−メチル−5−オキソ−1−[(R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−イルカルボン酸粗生成物(立体異性体BB,2.15g,7.03mmol)、およびトリエチルアミン(1.96mL,14.06mmol)のトルエン(30mL)溶液へ、室温でジフェニルリン酸アジド(1.97mL,9.14mmol)を加え、室温で15分間、続いて90℃のオイルバスで3時間加熱攪拌した。反応液へ酢酸エチル(200mL)を加えて希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)、水(50mL)、並びに飽和食塩水(50mL)で順次洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥剤を濾去後、溶媒を減圧留去してイソシアネート体粗生成物を得た。得られたイソシアネート体粗生成物を1,4−ジオキサン(16mL)に溶解し、6規定塩酸(16mL)を加えた後に、60℃のオイルバスで3.5時間加熱攪拌した。反応液を減圧濃縮し、エタノールを用いて共沸させた後、残留物へ水(30mL)を加え、次いで氷冷攪拌下、飽和水酸化ナトリウム水溶液を加えてアルカリ性とした。得られた混合物からジクロロメタン(150mL+2×50mL)で抽出し、有機層をあわせて無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、溶媒を減圧溜去した。標的化合物粗生成物1.79g(定量的)を緑褐色オイルとして得た。得られた粗生成物はこれ以上精製することなく次の反応に用いた。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.13(3H,t,J=7.6Hz),1.27(3H,s),1.46−1.58(1H,m),1.49(3H,d,J=7.1Hz),1.68−1.80(1H,m),2.10(1H,t,J=7.0Hz),2.68(1H,d,J=9.8Hz),3.13(1H,d,J=9.8Hz),5.51(1H,q,J=7.2Hz),7.24−7.35(5H,m).MS(ESI)m/z:247(M+H)+
[参考例40]
(3R * ,4R * )−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−エチル−3−メチル−1−[(R)−1−フェニルエチル]ピロリジン
参考例39で得られた(3R*,4S*)−3−アミノ−4−エチル−3−メチル−5−オキソ−1−[(R)−1−フェニルエチル]ピロリジン粗生成物(立体異性体BB,1.79g,7.03mmol)を用い、参考例35と同様の方法によって標的化合物2.03g(6.11mmol,5ステップ,87%)を薄赤色オイルとして得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:0.86(3H,t,J=8.1Hz),1.11−1.21(1H,m),1.31(3H,d,J=6.3Hz),1.42(9H,s),1.52(3H,s),1.55−1.65(1H,m),1.78−1.86(1H,m),2.27(1H,t,J=9.2Hz),2.55(1H,d,J=9.5Hz),2.81(1H,d,J=9.5Hz),2.92(1H,t,J=8.7Hz),3.33(1H,q,J=6.5Hz),4.70(1H,brs),7.19−7.31(5H,m).
MS(ESI)m/z:333(M+H)+
[α]D 25.1=+30.3゜(c=0.405,クロロホルム)
[参考例41]
(3R * ,4R * )−1−ベンジルオキシカルボニル−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−エチル−3−メチルピロリジン
参考例40で得られた(3R*,4R*)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−エチル−3−メチル−1−[(R)−1−フェニルエチル]ピロリジン(立体異性体BB,2.03g,6.11mmol)を用い、参考例36と同様の方法によって標的化合物1.752g(4.83mmol,79%)を薄桃色ガム状固体として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:0.94−1.00(3H,m),1.12−1.22(1H,m),1.41−1.47(12H,m),1.59−1.69(1H,m),1.82−1.95(1H,m),3.12−3.26(2H,m),3.65−3.75(1H,m),3.96(0.3H,d,J=11.5Hz),4.10(0.7H,m),4.43(1H,brs),5.09−5.18(2H,m),7.27−7.38(5H,m).
MS(ESI)m/z:307(M−tBu)+
[α]D 25.1=+10.5゜(c=0.260,クロロホルム)
[実施例14]
7−[(3R * ,4R * )−3−アミノ−4−エチル−3−メチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
実施例1と同様の方法によって、参考例41で得られた(3R*,4R*)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−エチル−3−メチルピロリジン(439mg,1.211mmol)から(3R*,4R*)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−エチル−3−メチルピロリジン粗生成物(285mg,定量的)へ導き、そのうち283mgを6,7−ジフルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸・ジフルオロボロン錯体(434mg,1.201mmol)と反応させ、標記化合物256mg(0.565mmol,47%)を白色粉末として得た。
mp:167−169℃.
[α]D 25.1=−97.6゜(c=0.127,0.1N−NaOH).
1H−NMR(400MHz,0.1N−NaOD)δppm:0.96(3H,t,J=6.9Hz),1.25−1.44(5H,m),1.49−1.68(2H,m),1.94(1H,m),3.37(1H,d,J=10.5Hz),3.54−3.76(6H,m),3.97−4.02(1H,m),5.02(1H,dm,J=66.4Hz),7.65(1H,d,J=14.6Hz),8.39(1H,s).
元素分析:C2125234・0.5H2O・0.5EtOHとして
計算値:C,58.27;H,6.45;F,8.38;N,9.27.
実測値:C,58.31;H,6.46;F,8.23;N,9.08.
MS(FAB)m/z:422(M+H)+
IR(ATR):2967,2939,2883,2831,1728,1612,1577,1537,1493,1456,1439,1389,1358,1302,1284,1261cm-1
[参考例42]
2−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル
羽撹拌下、2−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−4−カルボン酸(1165g,4.994mol)のジクロロメタン(10L)懸濁液にO−tert−ブチル−N,N'−ジイソプロピルウレア(3020g,15.00mol)を室温で加えた後、内温の上昇と還流の開始を認めた時、外浴に氷水を加えて冷却した。室温まで冷却した後、氷水浴を外して1時間、次いで40℃加熱下で3時間、反応液を撹拌した。反応液を氷水浴で冷却して1時間撹拌した後、不溶物をろ別後、溶媒を減圧留去して得られる残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(シリカゲル;4kg、溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=3:1)、標記の4位異性体混合物925.2g(64%)を淡黄色シロップとして得た。各異性体は容易に分取可能であったが、次工程がラセミ化を伴う反応であることから分取せず使用した。下記に別途分取した異性体の1H−NMRスペクトルを示す。
低極性異性体:
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.45(9H,s),1.54(3H,d,J=7.08),2.59−2.74(2H,m),2.95−3.03(1H,m),3.14(1H,dd,J=9.77,8.79Hz),3.49(1H,dd,J=9.77,6.35Hz),7.26−7.36(5H,m).
高極性異性体:
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.36(9H,s),1.53(3H,d,J=7.32),2.59−2.75(2H,m),3.02−3.11(1H,m),3.16(1H,dd,J=10.01,5.62Hz),3.51(1H,dd,J=10.01,8.54Hz),7.24−7.36(5H,m).
[参考例43]
(3S)−3−メチル−5−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル
窒素ガス置換、撹拌下、2−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル(30.05g,0.104mol)のN,N'−ジメチルホルムアミド(210mL)溶液にヨードメタン26.0mL(59.28g,0.418mol)、次いで水素化ナトリウム(55%油性、11.35g,0.260mol)を室温で加えた。内温が上昇し約50℃に達した時、外浴に氷水を加えて30℃まで冷却し、次いで外温17℃の水浴に切り替えて23時間撹拌した。反応液を冷クエン酸水溶液(10%クエン酸1Lおよび氷500g)に注ぎ、30分間撹拌した後、酢酸エチル(800mL,500mL)で抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残留物をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=5:1で開始し、低極性異性体溶出後、ヘキサン:酢酸エチル=4:1に切り替え)、高極性異性体として標記化合物10.63g(33.7%)を白色固体として得た。また、低極性異性体として(4R)−4−メチル−2−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル14.91g(47.3%)を得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.34(12H,s),1.52(3H,d,J=7.10Hz),2.27(1H,d,J=17.0Hz),2.93(1H,d,J=17.0Hz),3.05(1H,d,J=10.1Hz),3.32(1H,d,J=10.1Hz),5.50(1H,q,J=7.1Hz),7.23−7.38(5H,m).
[参考例44]
(3R)−4−ヒドロキシ−3−メチル−5−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル
(3S)−3−メチル−5−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(10.0g,33.0mmol)およびトリエチルホスファイト(6.78mL,39.6mmol)の無水テトラヒドロフラン(165mL)溶液に、−5℃でリチウムビストリメチルシリルアミド(46.1mL,46.1mmol,1.0Mテトラヒドロフラン溶液)を加え、同温で30分間攪拌した。反応混合物に酸素ガスを2時間通したのち、氷冷下、飽和塩化アンモニウム水溶液(150mL)を加え、減圧濃縮した。得られた残留物に水(100mL)を加え、酢酸エチル(200mL×2)で抽出し、有機層を飽和食塩水(200mL)で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1→1:4)で精製し、標記化合物9.61g(91.3%)を淡黄色油状物質として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.24−1.54(15H,m),2.64−4.54(3H,m),5.44−5.51(1H,m),7.26−7.37(5H,m).
MS(FAB+)m/z:320(M+H)+
HRMS(FAB+)m/z:Calcd for C1826NO4:320.1862; Found:320.1853.
IR(ATR)ν:3363,2978,2935,2360,1716,1684,1489,1456,1369,1304,1269,1230,1167cm-1
[参考例45]
(3R)−4−ヒドロキシ−3−メチル−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル
(3R)−4−ヒドロキシ−3−メチル−5−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(9.35g,29.3mmol)のテトラヒドロフラン(150mL)溶液に、氷冷下、ボラン−テトラヒドロフラン溶液(82.6mL,96.6mmol,1.17Mテトラヒドロフラン溶液)を加え、室温で14時間攪拌した。氷冷下、反応液に水(20mL)、エタノール(80mL)およびトリエチルアミン(20mL)を加え、88℃のオイルバスで2時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮後、水(200mL)を加え、酢酸エチル(200mL×2)で抽出した。得られた有機層を飽和食塩水(200mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1→1:2)で精製し、標記化合物4.75g(53.1%)を無色油状物質として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.25(3H,s),1.32(3H,d,J=6.6Hz),1.44(9H,s),1.92(1H,d,J=6.6Hz),2.39(1H,d,J=9.5Hz),2.69(1H,dd,J=9.8,3.9Hz),2.75−2.82(1H,m),2.92(1H,d,J=9.8Hz),3.31(1H,q,J=6.6Hz),4.38−4.45(1H,m),7.20−7.30(5H,m).
MS(FAB+)m/z:306(M+H)+
HRMS(FAB+)m/z:Calcd for C1828NO3:306.2069; Found:306.2064.
IR(ATR)ν:3450,2976,2931,2785,2359,1790,1720,1603,1493,1477,1454,1367,1281,1255,1211cm-1
[参考例46]
(3R)−1−ベンジルオキシカルボニル−4−ヒドロキシ−3−メチルピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル
(3R)−4−ヒドロキシ−3−メチル−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(2.00g,6.55mmol)のエタノール(10mL)溶液に、室温で1規定塩酸(6.88mL,6.88mmol)を加え、10分間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、残留物をエタノール(50mL)に溶解し、10%パラジウム−炭素触媒(200mg)を加え、水素雰囲気下、50℃のオイルバスで14時間攪拌した。反応液をろ過後、ろ液を濃縮して得られた残留物に、ジエチルエーテル(30mL)および飽和炭酸水素ナトリウム(30mL)を加え、氷冷下、ベンジルオキシカルボニルクロリド(982μl,6.88mmol)を加え、室温で3時間攪拌した。反応液を酢酸エチル(100mL×2)で抽出し、得られた有機層を飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1→1:2)で精製し、標記化合物2.00g(91.1%)を無色油状物質として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.30(3H,s),1.44(9H,s),2.10(1H,dd,J=30.9,3.8Hz),3.26−3.45(2H,m),3.68−3.79(2H,m),4.45−4.51(1H,m),5.13(2H,s),7.28−7.38(5H,m).
MS(FAB+)m/z:336(M+H)+
HRMS(FAB+)m/z:Calcd for C1826NO5:336.1811; Found:336.1789.
IR(ATR)ν:3421,2978,2941,2885,2364,1788,1707,1687,1498,1456,1423,1367,1319,1257,1213,1161cm-1
[参考例47]
(R)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−メチル−4−オキソピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル
オキザリルクロリド(1.01mL,11.7mmol)のジクロロメタン(40mL)溶液に、−78℃でジメチルスルホキシド(1.11mL,15.6mmol)のジクロロメタン(5mL)溶液を加え、10分間攪拌した。(R)−1−ベンジルオキシカルボニル−4−ヒドロキシ−3−メチルピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.97g,5.87mmol)のジクロロメタン(15mL)を加え、1時間攪拌した後、トリエチルアミン(5.98mL,42.9mmol)を加え、−78℃で30分間攪拌した後、氷冷下、30分間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液(50mL)および水(100mL)を加えた後、酢酸エチル(200mL×2)で抽出した。得られた有機層を水(100mL)および飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル=10:1→3:2)で精製し、標記化合物1.68g(85.8%)を無色油状物質として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.34(3H,d,J=4.9Hz),1.38(9H,s),3.46(1H,d,J=12.0Hz),3.81(1H,d,J=19.0Hz),4.10−4.19(1H,m),4.35(1H,dd,J=5.9,12.0Hz),5.19(2H,s),7.30−7.40(5H,m).
MS(FAB+)m/z:334(M+H)+
HRMS(FAB+)m/z:Calcd for C1824NO5:334.1654; Found:334.1643.
IR(ATR)ν:2981,2941,2889,1768,1711,1498,1454,1421,1369,1290,1269,1196,1134cm-1
[参考例48]
(S)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−メチル−4−メチレンピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル
メチルトリフェニルホスホニウムブロミド(2.02g,5.65mmol)の無水テトラヒドロフラン(30mL)溶液に、−78℃でn−ブチルリチウム(3.11mL,4.78mmol,1.54Mヘキサン溶液)を加え、20分間攪拌した。同温で(R)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−メチル−4−オキソピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.45g,4.35mmol)の無水テトラヒドロフラン(15mL)溶液を加えて徐々に昇温し、55℃で3時間攪拌した。氷冷下、反応液に10%クエン酸水溶液(30mL)を加え、減圧濃縮した。濃縮物に水(100mL)を加え、酢酸エチル(100mL×2)で抽出し、得られた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)および飽和食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去して標記化合物710mg(49.3%)を無色油状物質として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.36(3H,d,J=6.6Hz),1.39(9H,d,J=2.0Hz),3.24(1H,dd,J=13.7,11.2Hz),4.05−4.16(2H,m),4.19−4.29(1H,m),5.04−5.18(4H,m),7.29−7.38(5H,m).
MS(FAB+)m/z:332(M+H)+
HRMS(FAB+)m/z:Calc for C1926NO4:332.1862; Found:332.1869.
IR(ATR)ν:2976,2935,2873,1705,1498,1450,1417,1362,1308,1275,1257,1213,1159cm-1
[参考例49]
(S)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−メチル−4−メチレンピロリジン−3−カルボン酸
(S)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−メチル−4−メチレンピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(710mg,2.14mmol)のジクロロメタン(8mL)溶液に、氷冷下、トリフルオロ酢酸(4mL)を加え、室温で2時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)を加え、ジエチルエーテル(20mL)で洗浄した。水層に1規定塩酸を加えて酸性とした後、クロロホルム(100mL×2)で抽出した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去して標記化合物590mg(100%)を無色油状物質として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.44(3H,s),3.23−3.36(1H,m),4.11−4.30(3H,m),5.09−5.25(4H,m),7.27−7.39(5H,m).
MS(FAB+)m/z:276(M+H)+
HRMS(FAB+)m/z:Calcd for C1518NO4:276.1236, Found:276.1222
IR(ATR)ν:3064,3032,2979,2945,2877,2362,1705,1672,1498,1423,1362,1309,1257,1213,1167,1124cm-1
[参考例50]
(S)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−メチル−4−メチレンピロリジン
(S)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−メチル−4−メチレンピロリジン−3−カルボン酸(590mg,2.14mmol)のトルエン(21mL)溶液に、トリエチルアミン(597μl,4.29mmol)およびジフェニルホスホリルアジド(508μl,2.36mmol)を加え、室温で1時間攪拌した後、125℃のオイルバスで1時間加熱還流した。反応液を濃縮後、濃縮物を1,4−ジオキサン(8mL)に溶解し、6規定塩酸(4mL)を加えて1時間攪拌した。反応液に水(20mL)を加え、ジエチルエーテル(50mL)で洗浄し、水層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でアルカリ性とし、クロロホルム(100mL×2)で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去して得られた残留物をジクロロメタン(8mL)に溶解し、氷冷下、ジ−tert−ブチルジカーボネート(936mg,4.29mmol)を加え、25℃で19時間攪拌した。反応液を減圧濃縮して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1→3:1)で精製し、標記化合物514mg(69.2%)を無色油状物質として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.42(9H,s),1.46(3H,s),3.56(1H,t,J=9.2Hz),3.85−3.98(1H,m),4.13−4.26(2H,m),4.62−4.74(1H,m),5.01−5.17(4H,m),7.27−7.38(5H,m).
MS(FAB+)m/z:347(M+H)+
HRMS(FAB+)m/z:Calcd for C192724:347.1971, Found:347.1954
IR(ATR)ν:3334,2976,2931,2873,1695,1498,1448,1419,1390,1363,1282,1244,1215,1165cm-1
[参考例51]
(S)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−メチル−4−メチレンピロリジン
(S)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−メチル−4−メチレンピロリジン(488mg,1.41mmol)のテトラヒドロフラン(7mL)溶液に、−78℃でアンモニアガスを注入し、液体アンモニア−テトラヒドロフラン混合溶液(20mL)とし、ナトリウム(162mg,7.04mmol)を加え、同温で10分間攪拌した。−78℃で飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL)を加え、室温で30分間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)を加え、クロロホルム(200mL×2)で抽出し、得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去して標記化合物218mg(72.9%)を無色結晶として得た。
[α]D 25.1=−74.09゜(c=1.04,CHCl3).
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.41−1.46(12H,m),2.90(1H,d,J=11.7Hz),3.45(1H,d,J=14.2Hz),3.50−3.57(1H,m),3.69(1H,d,J=16.1Hz),4.64(1H,brs),5.01(1H,t,J=2.2Hz),5.04(1H,t,J=2.2Hz).
MS(FAB+)m/z:213(M+H)+
HRMS(FAB+)m/z:Calcd for C112122:213.1603; Found:213.1600.
IR(ATR)ν:3284,3199,2978,2922,2829,1695,1660,1556,1441,1365,1333,1288,1279,1248,1176cm-1
[実施例15]
7−[(3S)−3−アミノ−3−メチル−4−メチレンピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
(3S)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−メチル−4−メチレンピロリジン(218mg,1.03mmol)のジメチルスルホキシド(3.1mL)溶液に、トリエチルアミン(156μl,1.12mmol)および6,7−ジフルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸・ジフルオロボロン錯体(337mg,934μmol)を加え、室温で3日間攪拌した。反応混合物を濃縮後、残留物にエタノール:水=4:1混合溶液(25mL)およびトリエチルアミン(5mL)を加えて90℃のオイルバス上で3時間加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、残留物に10%クエン酸水溶液(50mL)および水(50mL)を加え、酢酸エチル(100mL×2)で抽出し、有機層を水(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物を氷冷下で濃塩酸(10mL)に溶解後、室温で10分間撹拌、反応液に水(50mL)を加え、クロロホルム(50mL×2)で洗浄した。水層に氷冷下10mol/l水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH12.0とし、次いで濃塩酸を加えてpH7.4に調整後、クロロホルム(100mL×2)で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をエタノールより再結晶精製し、減圧乾燥して標記化合物224mg(57.9%)を淡黄色結晶として得た。
mp:100−102℃.
[α]D 25.1=118.9゜(c=0.39,0.1N NaOH).
1H−NMR(400MHz,0.1NNaOD)δppm:1.40(3H,s),1.49−1.72(2H,m),3.51−3.67(5H,m),4.00−4.09(1H,m),4.46−4.53(1H,m),4.21(1H,d,J=14.9Hz),4.97(1H,d,J=64.5Hz),5.07(1H,s),5.18(1H,s),7.71(1H,d,J=14.4Hz),8.47(1H,d,J=1.2Hz).
元素分析:C2021234・0.5H2Oとして;
計算値:C,57.97;H,5.35;F,9.17;N,10.14.
実測値:C,57.91;H,5.42;F,9.41;N,10.15.
MS(ESI)m/z:406(M+H)+
IR(ATR)ν:2839,1724,1614,1577,1541,1508,1435,1396,1356,1338,1323,1271,1188cm-1
[参考例52]
(3S)−10−[7−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル]−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de][1,4]ベンズオキザジン−6−カルボン酸
(−)−7−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン(391mg,1.73mmol)と、(3S)−9,10−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−3−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1.2.3−de][1,4]ベンズオキサジン−6−カルボン酸−ジフルオロボロン錯体(580mg,1.76mmol)、並びにトリエチルアミン(0.490mL,3.52mmol)をジメチルスルホキシド(5mL)に溶解し、40℃のオイルバスで24時間加熱攪拌した。反応液にエタノール:水=5:2混合溶液(7mL)およびトリエチルアミン(2mL)を加えて100℃のオイルバスで3.5時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮し、残留物を酢酸エチルに溶解し、10%クエン酸水溶液、水、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去することによって、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=98:2)で精製し、標記化合物761mg(5.37mmol,90%)を黄色油状物として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:0.53−0.60(1H,m),0.63−0.71(1H,m),0.71−0.79(1H,m),0.87−0.96(1H,m),1.21(3H,s),1.42(9H,s),1.61(3H,d,J=6.8Hz),3.32(1H,dd,J=10.3,2.2Hz),3.89(1H,dd,J=11.0,2.2Hz),4.15−4.69(5H,m),7.68(1H,d,J=14.2Hz),8.54(1H,s).
MS(ESI)m/z:488(M+H)+
[実施例16]
(3S)−10−(7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de][1,4]ベンズオキザジン−6−カルボン酸
(3S)−10−[7−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル]−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de][1,4]ベンズオキザジン−6−カルボン酸(761mg,1.56mmol)を氷冷下濃塩酸(6.5mL)に溶解後、室温で120分間撹拌し、反応液をクロロホルムで洗浄した。水層に氷冷下飽和水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH12.0とし、次いで塩酸でpH7.4に調整後、クロロホルム:メタノール:水=7:3:1下層溶液で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物にクロロホルムを加え、不溶物をろ去し、ろ液を減圧留去した。得られた残留物をエタノールから再結晶精製し、減圧乾燥して標記化合物260mg(0.68mmol,43%)を黄色粉末として得た。
mp:268−270℃.
[α]D 25=−114゜(c=0.200,0.1N−NaOH).
1H−NMR(400MHz,0.1N−NaOD)δppm:0.52−0.58(2H,m),0.70−0.76(2H,m),1.08(3H,s),1.49(3H,d,J=6.8Hz),3.55−3.68(2H,m),3.73−3.85(2H,m),4.28(1H,d,J=9.8Hz),4.42−4.48(1H,m),4.52−4.61(1H,m),7.48(1H,d,J=14.4Hz),8.29(1H,s).
元素分析:C2022FN34として;
計算値:C,62.01;H,5.72;F,4.90;N,10.85.
実測値:C,62.00;H,5.65;F,4.85;N,10.69.
MS(FAB)m/z:388(M+H)+
IR(ATR)ν:3365,2979,2877,1619,1572,1519,1444,1413,1398,1376,1359,1338,1328,1307,1280,1108,1081,867cm-1
[参考例53]
(3S)−3−メチル−5−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステルおよび(3R)−3−メチル−5−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル
窒素ガス雰囲気下に撹拌下、2−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル(30.05g,0.104mol)のN,N−ジメチルホルムアミド(210mL)溶液にヨードメタン(26.0mL,59.28g,0.418mol)、次いで、水素化ナトリウム(55%油性、11.35g,0.260mol)を室温で加えた。内温が上昇し約50℃に達した時、外浴に氷水を加えて30℃まで冷却し、次いで、外温17℃の水浴に切り替えて23時間撹拌した。反応液を冷クエン酸水溶液(10%クエン酸1Lおよび氷500g)に注ぎ、30分間撹拌した後、酢酸エチル(800mL,500mL)で抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残留物をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=5:1で開始し、低極性異性体溶出後、ヘキサン:酢酸エチル=4:1に切り替え)、高極性異性体として(3S)−3−メチル−5−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル10.63g(33.7%)を白色固体として得た。また、低極性異性体として(3R)−3−メチル−5−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル14.91g(47.3%)を各々得た。
高極性異性体:
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.34(9H,s),1.52(3H,d,J=7.10Hz),2.27(1H,d,J=17.0Hz),2.93(1H,d,J=17.0Hz),3.05(1H,d,J=10.1Hz),3.32(1H,d,J=10.1Hz),5.50(1H,q,J=7.1Hz),7.23−7.38(5H,m).
低極性異性体:
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.18(3H,s),1.44(9H,s),1.52(3H,d,J=7.1Hz),2.26(1H,d,J=16.9Hz),2.63−2.69(1H,m),2.91(1H,d,J=16.9Hz),3.63(1H,d,J=10.0Hz),5.51(1H,q,J=7.1Hz),7.26−7.37(5H,m).
[参考例54]
(3S)−4−ヒドロキシ−3−メチル−5−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル
(3R)−3−メチル−5−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(9.90g,32.6mmol)およびトリエチルホスファイト(6.71mL,39.1mmol)の無水テトラヒドロフラン(165mL)溶液に、−5℃でリチウムビストリメチルシリルアミド(45.7mL,45.7mmol,1.0Mテトラヒドロフラン溶液)を加え、同温で30分間攪拌した。反応混合物に酸素ガスを30分間通したのち、氷冷下、飽和塩化アンモニウム水溶液(150mL)を加え、減圧濃縮した。得られた残留物に水(100mL)を加え、酢酸エチル(200mL×2)で抽出し、有機層を飽和食塩水(200mL)で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、ろ液を減圧濃縮して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1→1:4)で精製し、標記化合物7.73g(74%)を淡黄色油状物質として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.24−1.56(15H,m),2.61−2.73(1H,m),3.43−3.57(1H,m),4.02−4.15(2H,m),5.45−5.54(1H,m),7.26−7.38(5H,m).
[参考例55]
(3S)−4−ヒドロキシ−3−メチル−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル
(3S)−4−ヒドロキシ−3−メチル−5−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(5.13g,16.1mmol)のテトラヒドロフラン(100mL)溶液に、氷冷下、1.17Mボラン−テトラヒドロフラン溶液(45.3mL,53.1mmol)を加え、室温で13時間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、氷冷下で水(10mL)、エタノール(100mL)およびトリエチルアミン(5mL)を加え、90℃のオイルバスで2時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮後、水(200mL)を加え、酢酸エチル(200mL×2)で抽出した。得られた有機層を飽和食塩水(200mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1→1:2)で精製し、標記化合物1.50g(31%)を無色油状物質として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.26(3H,s),1.33(3H,d,J=6.6Hz),1.44(9H,s),2.42(1H,dd,J=9.8,3.9Hz),2.49(1H,d,J=10.0Hz),2.94(2H,dd,J=10.0,5.9Hz),3.30(1H,q,J=6.6Hz),4.45(1H,br s),7.20−7.30(5H,m).
MS(ESI)m/z:306(M+H)+
[参考例56]
(3S)−1−ベンジルオキシカルボニル−4−ヒドロキシ−3−メチルピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル
(3S)−4−ヒドロキシ−3−メチル−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.49g,4.88mmol)のエタノール(30mL)溶液に、室温で1規定塩酸(5.12mL,5.12mmol)を加え、10分間攪拌した。反応液に10%パラジウム−炭素触媒(1.40g)を加え、常圧の水素雰囲気下、40℃のオイルバスで2時間攪拌した。反応液をろ過後、ろ液を濃縮して得られた残留物に、テトラヒドロフラン(20mL)および水(20mL)および炭酸水素ナトリウム(2.05g,24.4mmol)を加え、氷冷下、ベンジルオキシカルボニルクロリド(836μl,5.86mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。反応液を酢酸エチル(100mL×2)で抽出し、得られた有機層を飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1→1:2)で精製し、標記化合物1.48g(90%)を無色油状物質として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.30(3H,s),1.44(9H,s),2.10(1H,dd,J=30.9,3.8Hz),3.26−3.45(2H,m),3.68−3.79(2H,m),4.45−4.51(1H,m),5.13(2H,s),7.28−7.38(5H,m).
MS(ESI)m/z:358(M+Na)+
[参考例57]
(3S)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−メチル−4−オキソピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル
オキザリルクロリド(736μl,8.58mmol)のジクロロメタン(30mL)溶液に、−78℃でジメチルスルホキシド(811μl,11.4mmol)のジクロロメタン(5mL)溶液を加え、10分間攪拌した。(3S)−1−ベンジルオキシカルボニル−4−ヒドロキシ−3−メチルピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.44g,4.29mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液を加え、1時間攪拌した後、トリエチルアミン(4.37mL,31.4mmol)を加え、−78℃で30分間攪拌した後、氷冷下、30分間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液(50mL)および水(100mL)を加えた後、酢酸エチル(200mL×2)で抽出した。得られた有機層を水(100mL)および飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル=10:1→3:2)で精製し、標記化合物1.37g(96%)を無色油状物質として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.34(3H,d,J=4.9Hz),1.38(9H,s),3.46(1H,d,J=12.0Hz),3.81(1H,d,J=19.0Hz),4.10−4.19(1H,m),4.35(1H,dd,J=5.9,12.0Hz),5.19(2H,s),7.30−7.40(5H,m).
[参考例58]
(3R)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−メチル−4−メチレンピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル
メチルトリフェニルホスホニウムブロミド(1.67g,4.68mmol)の無水テトラヒドロフラン(20mL)溶液に、−78℃でn−ブチルリチウム(2.54mL,3.96mmol,1.56Mヘキサン溶液)を加え、20分間攪拌した。同温で(3S)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−メチル−4−オキソピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.20g,3.60mmol)の無水テトラヒドロフラン(4mL)溶液を加えて徐々に昇温し、55℃で3時間攪拌した。氷冷下、反応液に10%クエン酸水溶液(50mL)を加え、減圧濃縮した。濃縮物に水(100mL)を加え、酢酸エチル(100mL×2)で抽出し、得られた有機層を飽和食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル=10:1→5:1)で精製し、標記化合物750mg(63%)を無色油状物質として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.36(3H,d,J=6.6Hz),1.39(9H,d,J=2.0Hz),3.24(1H,dd,J=13.7,11.2Hz),4.05−4.16(2H,m),4.19−4.29(1H,m),5.04−5.18(4H,m),7.29−7.38(5H,m).
[参考例59]
(3R)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−メチル−4−メチレンピロリジン−3−カルボン酸
(3R)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−メチル−4−メチレンピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(750mg,2.26mmol)のジクロロメタン(8mL)溶液に、氷冷下、トリフルオロ酢酸(4mL)を加え、室温で4時間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、残留物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)を加え、ジエチルエーテル(20mL)で洗浄した。水層に1規定塩酸を加えて酸性とした後、クロロホルム(100mL×2)で抽出した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮して標記化合物の未精製物665mgを無色油状物質として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.44(3H,s),3.23−3.36(1H,m),4.11−4.30(3H,m),5.09−5.25(4H,m),7.27−7.39(5H,m).
[参考例60]
(3R)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−メチル−4−メチレンピロリジン
(3R)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−メチル−4−メチレンピロリジン−3−カルボン酸(2.26mmol)のトルエン(20mL)溶液に、トリエチルアミン(630μl,4.53mmol)およびジフェニルホスホリルアジド(536μl,2.49mmol)を加え、室温で1時間攪拌した後、110℃のオイルバスで1時間加熱還流した。反応液を濃縮後、濃縮物を1,4−ジオキサン(8mL)に溶解し、6規定塩酸(4mL)を加えて2時間攪拌した。反応液に水(20mL)を加え、ジエチルエーテル(50mL)で洗浄し、水層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でアルカリ性とし、クロロホルム(100mL×2)で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮して得られた残留物をトルエン(8mL)に溶解し、氷冷下、ジ−tert−ブチルジカーボネート(592mg,2.71mmol)を加え、室温で67時間攪拌した。反応液を減圧濃縮して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1→3:1)で精製し、標記化合物487mg(62%)を無色油状物質として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.42(9H,s),1.46(3H,s),3.56(1H,t,J=9.2Hz),3.85−3.98(1H,m),4.13−4.26(2H,m),4.62−4.74(1H,m),5.01−5.17(4H,m),7.27−7.38(5H,m).
[参考例61]
(3R)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−メチル−4−メチレンピロリジン
(3R)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−メチル−4−メチレンピロリジン(469mg,1.41mmol)のテトラヒドロフラン(7mL)溶液に、−78℃でアンモニアガスを注入し、液体アンモニア−テトラヒドロフラン混合溶液(20mL)とし、ナトリウム(154mg,6.70mmol)を加え、同温で10分間攪拌した。−78℃で飽和塩化アンモニウム水溶液(10mL)を加え、室温で30分間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)を加え、クロロホルム(100mL×2)で抽出し、得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮して標記化合物255mg(85%)を無色結晶として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.41−1.46(12H,m),2.90(1H,d,J=11.7Hz),3.45(1H,d,J=14.2Hz),3.50−3.57(1H,m),3.69(1H,d,J=16.1Hz),4.64(1H,br s),5.01(1H,t,J=2.2Hz),5.04(1H,t,J=2.2Hz).
[実施例17]
7−[(3R)−3−アミノ−3−メチル−4−メチレンピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
(3R)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−メチル−4−メチレンピロリジン(255mg,1.20mmol)のジメチルスルホキシド(3mL)溶液に、トリエチルアミン(201μl,1.44mmol)、および6,7−ジフルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸・ジフルオロボロン錯体(433mg,1.20mmol)を加え、35℃で15時間攪拌した。反応を濃縮後、残留物にエタノール:水=9:1混合溶液(15mL)およびトリエチルアミン(0.5mL)を加えて90℃のオイルバス上で2時間加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、残留物に10%クエン酸水溶液(50mL)および水(50mL)を加え、酢酸エチル(100mL×2)で抽出し、有機層を水(50mL×3)、飽和食塩水(50mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物を氷冷下で濃塩酸(5mL)に溶解後、室温で10分間撹拌、反応液に水(50mL)を加え、クロロホルム(100mL×3)で洗浄した。水層に氷冷下で10mol/l水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH11.0とし、次いで、濃塩酸を加えてpH7.4に調整後、クロロホルム(100mL×5)で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物をエタノールより再結晶精製し、減圧乾燥して標記化合物210mg(43%)を淡黄色結晶として得た。
mp:236−239℃(分解).
1H−NMR(400MHz,0.1NNaOD)δppm:1.39(3H,s),1.41−1.66(2H,m),3.55(1H,dd,J=9.6,3.2Hz),3.61(3H,s),3.63(1H,d,J=10.0Hz),4.02−4.07(1H,m),4.33(2H,dd,J=25.9,15.1Hz),4.99(1H,d,J=63.7Hz),5.05(2H,t,J=1.7Hz),5.16(2H,t,J=2.2Hz),7.68(1H,d,J=14.2Hz),8.45(1H,d,J=2.0Hz).
元素分析;C2021234として:
計算値:C,59.25;H,5.22;F,9.37;N,10.37.
実測値:C,59.14;H,5.20;F,9.62;N,10.50.
IR(ATR)ν:2960,2856,1716,1618,1547,1514,1452,1369,1327,1306,1269,1230,1190,1111cm-1
[参考例62]
3−[N−ベンジルオキシカルボニル−N−(エトキシカルボニルメチル)アミノ]プロピオン酸エチルエステル
グリシンエチルエステル塩酸塩(41.9g,0.3mol)のエタノール(300mL)懸濁液に氷冷下、トリエチルアミン(41.8mL,0.3mol)およびアクリル酸エチルエステル(10.8mL,0.1mol)を加え、混合物を80℃で1時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残留物に水(400mL)を加えた後、酢酸エチル(200mL×3)で抽出した。抽出液を水(200mL×2)、飽和食塩水(200mL)で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮し、得られた残留物をアセトン(150mL)に溶解した。この溶液に氷冷下、炭酸ナトリウム(11.5g,108mmol)の水溶液(50mL)およびベンジルオキシカルボニルクロリド(18.4g,108mmol)のアセトン(50mL)溶液を加え、混合物を室温で2時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残留物に水(400mL)を加えた後、酢酸エチル(200mL×3)で抽出した。抽出液を飽和食塩水(200mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で精製し、標記化合物31.1g(92%)を無色油状物として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.16−1.29(6H,m),2.58−2.70(2H,m),3.59−3.66(2H,m),4.04−4.22(6H,m),5.10−5.18(2H,m),7.26−7.38(5H,m).
MS(ESI)m/z:338(M+H)+
[参考例63]
1−ベンジルオキシカルボニル−4−オキソピロリジン−3−カルボン酸エチルエステル
3−[N−ベンジルオキシカルボニル−N−(エトキシカルボニルメチル)アミノ]プロピオン酸エチルエステル(26.8g,79.5mmol)のエタノール(200mL)溶液にナトリウムエトキシド(20%エタノール溶液,40.6mL,119.3mmol)を加え、混合物を2時間加熱還流した。反応液を減圧下濃縮後、得られた残留物を水(100mL)に溶解した。氷冷下、この溶液に濃塩酸を加えて酸性とした後、クロロホルム(100mL×3)で抽出した。抽出液を飽和食塩水(100mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、標記化合物16.7g(72%)を淡褐色油状物として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.25−1.33(3H,m),3.87−4.37(7H,m),5.16−5.22(2H,m),7.23−7.41(5H,m).
MS(ESI)m/z:314(M+Na)+
[参考例64]
1−ベンジルオキシカルボニル−3−メチル−4−オキソピロリジン−3−カルボン酸エチルエステル
1−ベンジルオキシカルボニル−4−オキソピロリジン−3−カルボン酸エチルエステル(1.0g,3.4mmol)のアセトン(30mL)溶液に炭酸カリウム(0.95g,6.9mmol)およびヨウ化メチル(1mL)を加え、混合物を45℃で1時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、水(20mL)を加えた後、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。抽出液を10%チオ硫酸ナトリウム水溶液(20mL)、飽和食塩水(20mL)で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製し、標記化合物1.0g(95%)を淡黄色油状物として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.21(3H,t,J=7.1Hz),1.55(3H,s),3.53(1H,d,J=11.7Hz),3.88(1H,d,J=19.3Hz),4.07−4.20(3H,m),4.37(1H,d,J=12.0Hz),5.19(2H,s),7.30−7.40(5H,m).
MS(ESI)m/z:306(M+H)+,328(M+Na)+
[参考例65]
1−ベンジルオキシカルボニル−4−ヒドロキシ−3−メチルピロリジン−3−カルボン酸エチルエステル
1−ベンジルオキシカルボニル−3−メチル−4−オキソピロリジン−3−カルボン酸エチルエステル(1.0g,3.28mmol)のメタノール(20mL)溶液に、−20℃で水素化ホウ素ナトリウム(0.19g,4.92mmol)を加え、混合物を同温で20分間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL)および水(20mL)を加えた後、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。抽出液を飽和食塩水(20mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製し、標記化合物0.57g(57%)を無色油状物として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.23−1.34(6H,m),2.90−3.87(4H,m),4.11−4.56(3H,m),5.14(2H,d,J=4.2Hz),7.24−7.40(5H,m).
MS(ESI)m/z:308(M+H)+
[参考例66]
1−ベンジルオキシカルボニル−4−メトキシ−3−メチルピロリジン−3−カルボン酸エチルエステル
1−ベンジルオキシカルボニル−4−ヒドロキシ−3−メチルピロリジン−3−カルボン酸エチルエステル(0.55g,1.8mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)溶液に氷冷下、ヨウ化メチル(0.22mL,3.6mmol)および水素化ナトリウム(55%油性,117mg,2.7mmol)を加え、混合物を室温で1時間攪拌した。反応液に氷水を加えた後、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。抽出液を水(20mL×3)、飽和食塩水(20mL)で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、標記化合物0.38g(66%)を淡黄色油状物として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.24−1.29(6H,m),3.19−3.73(3H,m),3.30(3H,s),3.80−4.28(4H,m),5.14(2H,s),7.29−7.39(5H,m).
MS(ESI)m/z:322(M+H)+
[参考例67]
1−ベンジルオキシカルボニル−4−メトキシ−3−メチルピロリジン−3−カルボン酸
1−ベンジルオキシカルボニル−4−メトキシ−3−メチルピロリジン−3−カルボン酸エチルエステル(0.38g,1.18mmol)のエタノール(4mL)溶液に1規定水酸化ナトリウム水溶液(4mL)を加え、混合物を40℃で17時間半攪拌した。反応液に水(10mL)を加えた後、酢酸エチル(10mL×2)で洗浄した。水層に1規定塩酸(10mL)を加えた後、クロロホルム(20mL×3)で抽出した。抽出液を飽和食塩水(20mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮し、標記化合物0.31g(89%)を無色油状物として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.33(3H,s),3.34−3.47(1H,m),3.36(3H,s),3.53−3.75(2H,m),3.85−3.95(1H,m),4.09−4.18(1H,m),5.14(1H,s),7.25−7.40(5H,m).
MS(ESI)m/z:294(M+H)+,316(M+Na)+
[参考例68]
1−ベンジルオキシカルボニル−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−メトキシ−3−メチルピロリジン
1−ベンジルオキシカルボニル−4−メトキシ−3−メチルピロリジン−3−カルボン酸(0.3g,1.02mmol)のトルエン(10mL)溶液にトリエチルアミン(0.29mL,2.05mmol)、およびジフェニルホスホリルアジド(0.24mL,1.13mmol)を加え、混合物を125℃で2時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた残留物に1,4−ジオキサン(4mL)、水(4mL)および濃塩酸(1mL)を加え、混合物を50℃で2時間攪拌した。反応液に水(10mL)を加えた後、酢酸エチル(10mL)で洗浄した。水層を10規定水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ性とした後、クロロホルム(20mL×3)で抽出した。抽出液を飽和食塩水(20mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮し、得られた残留物をエタノール(10mL)に溶解した。この溶液にジ−tert−ブチルジカーボネート(0.27g,1.22mmol)を加え、混合物を50℃で1時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=6:1)で精製し、ラセミ体の標記化合物0.27g(72%)を無色油状物として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.41−1.45(12H,m),3.30−3.82(7H,m),4.12(1H,q,J=7.1Hz),5.09−5.26(3H,m),7.24−7.38(5H,m).
MS(ESI)m/z:387(M+Na)+
次いで、得られたラセミ体の標記化合物(0.68g,1.87mmol)を光学活性カラムによる高速液体クロマトグラフィーに付し、画分α(0.29g,43%)、画分β(0.28g,41%)の標記化合物の各エナンチオマーをそれぞれ無色油状物として得た。
分割条件;
カラム:CHIRALPAK AD(DAICEL,20mm×250mm)
溶媒:2−プロパノール:ヘキサン=1:9
流速:10mL/min
検出:UV(254nm)
保持時間:約18.1分(画分α),約23.5分(画分β)
[参考例69]
3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−メトキシ−3−メチルピロリジン(画分α由来)
1−ベンジルオキシカルボニル−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−メトキシ−3−メチルピロリジン(画分α)(0.29g,0.8mmol)のメタノール(10mL)溶液に5%パラジウム炭素触媒(50%含水,0.15g)を加え、混合物を水素雰囲気下、室温で16時間半攪拌した。反応液をセライトろ過後、ろ液を減圧下濃縮することにより、標記化合物を無色油状物として得、このまま次の反応に使用した。
MS(ESI)m/z:231(M+H)+
[実施例18]
7−(3−アミノ−4−メトキシ−3−メチルピロリジン−1−イル)−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸(7位置換基−画分α由来)
3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−メトキシ−3−メチルピロリジンのジメチルスルホキシド(2mL)溶液にトリエチルアミン(0.33mL,2.4mmol)、および6,7−ジフルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸・ジフルオロボロン錯体(0.19g,0.53mmol)を加え、混合物を窒素雰囲気下40℃で21時間半攪拌した。反応液に10%含水エタノール(10mL)およびトリエチルアミン(1mL)を加え、混合物を1時間加熱還流した。反応液を減圧下濃縮後、濃縮物に酢酸エチル(20mL)および10%クエン酸水溶液(20mL)を加え、二層を分離した。水層を酢酸エチル(20mL×2)で抽出し、有機層を合わせて水(20mL×3)、飽和食塩水(20mL)で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=50:1)で精製した。溶出部を減圧濃縮後、得られた残留物に氷冷下、濃塩酸(1mL)を加え、混合物を室温で15分間攪拌した。反応液をクロロホルム(10mL×5)で洗浄後、水層に氷冷下で10規定水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH12.0とした。次いで、塩酸を加えてpH7.4に調整後、クロロホルム(30mL×5)で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮し、得られた残留物をエタノール−ジエチルエーテルで結晶化精製後、減圧乾燥して標記化合物103mg(46%)を無色結晶性粉末として得た。
mp:150−151℃.
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm:1.21(3H,s),1.47−1.58(2H,m),3.24−3.64(4H,m),3.31(3H,s),3.37(3H,s),3.87−3.94(1H,m),4.08(1H,dd,J=12.3,7.2Hz),4.96−5.18(1H,m),7.67(1H,d,J=13.9Hz),8.63(1H,d,J=2.7Hz).
元素分析;C2023235として:
計算値:C,56.73;H,5.48;F,8.97;N,9.92.
実測値:C,56.71;H,5.54;F,9.03;N,9.73.
IR(ATR)ν:2931,1718,1617,1513,1450,1438cm-1
MS(FAB)m/z:424(M+H)+
[参考例70]
3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−メトキシ−3−メチルピロリジン(画分β由来)
1−ベンジルオキシカルボニル−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−メトキシ−3−メチルピロリジン(画分β)(0.28g,0.77mmol)のメタノール(10mL)溶液に5%パラジウム炭素(含水,0.14g)を加え、混合物を水素雰囲気下室温で18時間攪拌した。反応液をセライト濾過後、濾液を減圧下濃縮することにより、標記化合物を無色油状物として得、このまま次の反応に使用した。
MS(ESI)m/z:231(M+H)+
[実施例19]
7−(3−アミノ−4−メトキシ−3−メチルピロリジン−1−イル)−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸(7位置換基−画分β由来)
3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−メトキシ−3−メチルピロリジンのジメチルスルホキシド(1mL)溶液にトリエチルアミン(0.33mL,2.4mmol)、および6,7−ジフルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸・ジフルオロボロン錯体(0.19g,0.53mmol)を加え、混合物を窒素雰囲気下40℃で3日間攪拌した。反応液に10%含水エタノール(10mL)およびトリエチルアミン(1mL)を加え、混合物を1時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮後、濃縮物に酢酸エチル(20mL)および10%クエン酸水溶液(20mL)を加え、二層を分離した。水層を酢酸エチル(20mL×2)で抽出し、有機層を合わせて水(20mL×3)、飽和食塩水(20mL)で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:1)で精製した。溶出部を減圧濃縮後、残留物に氷冷下、濃塩酸(2mL)を加え、混合物を室温で20分間攪拌した。反応液をクロロホルム(10mL×5)で洗浄後、水層に氷冷下で10規定水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH12.0とした。次いで、塩酸を加えてpH7.4に調整後、クロロホルム(30mL×5)で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮し、得られた残分をエタノール−ジエチルエーテル−ヘキサンで結晶化精製後、減圧乾燥して標記化合物56mg(25%)を淡黄色結晶性粉末として得た。
mp:162−163℃.
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm:1.20(3H,s),1.54−1.66(2H,m),3.19−3.59(4H,m),3.30(3H,s),3.56(3H,s),3.87−3.96(1H,m),4.05−4.14(1H,m),4.82−5.06(1H,m),7.66(1H,d,J=13.9Hz),8.68(1H,s).
元素分析;C2023235として:
計算値:C,56.73;H,5.48;F,8.97;N,9.92.
実測値:C,56.56;H,5.49;F,9.09;N,9.80.
IR(ATR)ν:2937,1725,1621,1511,1436cm-1
MS(FAB)m/z:424(M+H)+
[参考例71]
(3R,4R)−4−フルオロメチル−2−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸エチルエステル
(4R)−4−フルオロメチル−2−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン(34.1g,154mmol)およびクロロギ酸エチル(16.1mL,169mmol)のテトラヒドロフラン(500mL)溶液に、0℃でリチウムビストリメチルシリルアミド(323mL,323mmol,1.0Mテトラヒドロフラン溶液)を加え、同温で30分間攪拌した。反応混合物に同温で飽和塩化アンモニウム水溶液(700mL)を加え、酢酸エチル(700mL×2)で抽出し、有機層を飽和食塩水(500mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、ろ液を減圧濃縮して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1→2:3で溶出)で精製し、標記化合物35.0g(77%)を淡黄色油状物質として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.31(3H,t,J=7.1Hz),1.55(3H,d,J=7.1Hz),2.88−3.01(1H,m),3.17(1H,d,J=7.4Hz),3.39(1H,d,J=7.4Hz),3.74(1H,t,J=6.1Hz),4.26(2H,q,J=7.1Hz),4.42(2H,dd,J=47.1,5.1Hz),5.49(1H,q,J=7.1Hz),7.26−7.38(5H,m).
[参考例72]
(3S,4R)−4−フルオロメチル−3−メチル−2−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸エチルエステル
(3R,4R)−4−フルオロメチル−3−メチル−2−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸エチルエステル(33.4g,114mmol)およびヨードメタン(9.94mL,159mmol)のテトラヒドロフラン(670mL)溶液に、−78℃でカリウムビストリメチルシリルアミド(274mL,137mmol,0.5Mトルエン溶液)を加え、同温で10分間攪拌後、撹拌しながら30分間かけて−10℃まで昇温した。反応液に、飽和塩化アンモニウム水溶液(700mL)を加え、酢酸エチル(700mL×2)で抽出し、有機層を飽和食塩水(500mL)で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、ろ液を減圧濃縮して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:1→1:1にて溶出)で精製し、標記化合物29.1g(83%)を淡黄色油状物質として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.29(3H,t,J=7.1Hz),1.49(3H,s),1.56(3H,t,J=8.8Hz),2.34−2.47(1H,m),3.04(1H,dd,J=9.3,8.1Hz),3.29(1H,t,J=9.5Hz),4.19(2H,q,J=7.1Hz),4.34−4.59(2H,m),5.52(1H,q,J=7.0Hz),7.28−7.39(5H,m).
[参考例73]
(3S,4R)−4−フルオロメチル−3−メチル−2−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸
(3S,4R)−4−フルオロメチル−3−メチル−2−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸エチルエステル(20.0g,65.1mmol)のエタノール(400mL)溶液に、氷冷下10mol/l水酸化ナトリウム水溶液(65.1mL,651mmol)を滴下し、30分間撹拌した。反応混合物に氷冷下、水(400mL)を加えて水溶液をジエチルエーテル(500mL)で洗浄後、水層に氷冷下濃塩酸を加えてpH2〜3とし、クロロホルム(500mL×3)で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物にトルエン(20mL)を加えて共沸後、減圧乾燥して標記化合物19.16g(定量的)を白色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.51(3H,s),1.59(3H,d,J=7.1Hz),2.42−2.54(1H,m),3.12(1H,dd,J=10.5,7.1Hz),3.33(1H,dd,J=10.5,3.9Hz),4.60(2H,dd,J=46.8,5.1Hz),5.49(1H,q,J=7.0Hz),7.26−7.40(5H,m).
[参考例74]
(3S,4S)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−フルオロメチル−3−メチル−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン
(3S,4R)−4−フルオロメチル−3−メチル−2−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]−ピロリジン−3−カルボン酸(65.1mmol)、およびジフェニルリン酸アジド(15.4mL,71.6mmol)のトルエン(380mL)溶液へ、トリエチルアミン(18.2mL,130mmol)を加え、110℃のオイルバスで1時間加熱攪拌した。反応液を減圧濃縮してイソシアネート体粗生成物を得た。
MS(ESI)m/z:277(M+H)+
得られたイソシアネート体粗生成物を1,4−ジオキサン(90mL)に溶解し、氷冷下、水(45mL)および濃塩酸(45mL)を加えた後に、室温で3時間攪拌した。反応液に水(180mL)を加え、ジエチルエーテル(200mL)で洗浄後、水層に氷冷下10mol/l水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH9〜10としクロロホルム(500mL×2)で抽出した。有機層を飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮し、アミン体粗生成物(10.1g,)を得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.30(3H,s),1.55(3H,d,J=7.1Hz),2.18−2.32(1H,m),2.98(1H,dd,J=10.3,7.3Hz),3.17(1H,dd,J=10.4,4.3Hz),4.48−4.72(2H,m),5.48(1H,q,J=7.1Hz),7.15−7.37(5H,m).
MS(ESI)m/z:251(M+H)+
アミン体粗生成物(10.1g,40.2mmol)をトルエン(200mL)に溶解し、内温が50℃を越えないよう氷冷しながら、ナトリウム水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウム、65%(重量)トルエン溶液(48.3mL,161mmol)のトルエン(6mL)溶液を15分かけて滴下した後に室温で10分間攪拌した。反応液を氷冷し、25%(重量)水酸化ナトリウム水溶液(160mL)を滴下してクエンチ後、トルエン(135mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水(100mL)で洗浄後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮し、アミン体粗生成物(10.0g)を得た。
MS(ESI)m/z:237(M+H)+
アミン体粗生成物(10.0g,40.2mmol)にジ−tert−ブチルジカーボネート(9.65g,44.2mmol)を加えた。反応液を室温で10時間攪拌後、溶媒を減圧溜去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(へキサン−酢酸エチル;19:1→5:4にて溶出)で精製し、標記化合物1.78g(5ステップ,8%)を無色透明シロップ状物質として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.32(3H,d,J=6.6Hz),1.42(9H,s),1.52(3H,s),2.35(1H,td,J=14.2,7.1Hz),2.45(1H,t,J=8.3Hz),2.57(1H,d,J=9.3Hz),2.70(1H,d,J=9.3Hz),2.92(1H,t,J=8.8Hz),3.31(1H,q,J=6.6Hz),4.42(1H,ddd,J=47.1,9.3,6.1Hz),4.63(1H,ddd,J=47.4,9.3,6.1Hz),4.94(1H,s),7.19−7.31(5H,m).
MS(ESI)m/z:337(M+H)+
[参考例75]
(3S,4S)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−フルオロメチル−3−メチルピロリジン
(3S,4S)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−フルオロメチル−3−メチル−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン(1.35g,4.01mmol)のエタノール(30mL)溶液へ10%パラジウム炭素触媒(52.8%含水,1.30g)を加え、水素ガス雰囲気下、40℃のオイルバスで12時間撹拌した。触媒をろ去後、ろ液を減圧濃縮し、標的化合物の粗生成物932mg(定量的)を無色透明シロップ状物質として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.44(9H,s),1.47(3H,s),2.16−2.30(1H,m),2.85(1H,d,J=11.5Hz),3.01(1H,dd,J=11.3,7.4Hz),3.20(1H,dd,J=11.3,8.6Hz),3.29(1H,d,J=11.8Hz),4.49−4.69(2H,m),4.98(1H,s).
MS(ESI)m/z:233(M+H)+
[実施例20]
7−[(3S,4S)−3−アミノ−4−フルオロメチル−3−メチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロ−1−シクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
(3S,4S)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−フルオロメチル−3−メチルピロリジン(221mg,0.951mmol)、6,7−ジフルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロ−1−シクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸・ジフルオロボロン錯体(343mg,0.951mmol)、並びにトリエチルアミン(0.159mL,1.14mmol)をジメチルスルホキシド(3mL)に溶解し、35℃のオイルバスで18時間加熱攪拌した。反応液を濃縮後、エタノール:水=9:1混合溶液(40mL)およびトリエチルアミン(1mL)を加えて2時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮し、残留物を酢酸エチル(100mL×2)に溶解し、10%クエン酸水溶液(50mL)、水(50m×3)、および飽和食塩水(100mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残留物を氷冷下で濃塩酸(20mL)に溶解後、室温で30分間撹拌し、反応液をクロロホルム(100mL×5)で洗浄した。水層に氷冷下10mol/l水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH12とし、次いで塩酸でpH7.4に調整後、クロロホルム(150mL×4)で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物をエタノールから再結晶精製し、減圧乾燥して標記化合物269mg(24%)を淡黄色粉末として得た。
mp:187−189℃.
1H−NMR(400MHz,0.1NNaOD)δppm:1.38(3H,s),1.40−1.51(1H,m),1.51−1.63(1H,m),2.45−2.58(1H,m),3.49(1H,d,J=9.6Hz),3.58(3H,s),3.64−3.73(2H,m),3.85(1H,t,J=9.4Hz),4.00−4.05(1H,m),4.69(1H,ddd,J=37.3,10.0,5.9Hz),4.80−4.84(1H,m),5.00(1H,d,J=64.0Hz),7.66(1H,d,J=14.5Hz),8.42(1H,d,J=2.7Hz).
元素分析;C2022334・0.25H2Oとして:
計算値:C,55.88;H,5.28;F,13.26;N,9.77.
実測値:C,55.58;H,5.29;F,13.17;N,9.84.
IR(ATR)ν:2962,2873,1720,1618,1510,1435,1363,1311,1275,1234,1186,1122cm-1
[実施例21]
7−[(3S,4S)−3−アミノ−4−フルオロメチル−3−メチルピロリジン−1−イル]−1−シクロプロピル−6−フルオロ−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
(3S,4S)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−フルオロメチル−3−メチルピロリジン(46.5mg,0.200mmol)、1−シクロプロピル−6,7−ジフルオロ−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸・ジフルオロボロン錯体(68.6mg,0.200mmol)、並びにトリエチルアミン(0.0335mL,0.240mmol)をジメチルスルホキシド(0.5mL)に溶解し、35℃のオイルバスで19時間加熱攪拌した。反応液を濃縮後、エタノール:水=9:1混合溶液(20mL)およびトリエチルアミン(0.5mL)を加えて2時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮し、残留物を酢酸エチル(50mL×2)に溶解し、10%クエン酸水溶液(50mL)、水(50m×3)、および飽和食塩水(50mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残留物を氷冷下で濃塩酸(5mL)に溶解後、室温で30分間撹拌し、反応液をクロロホルム(100mL×5)で洗浄した。水層に氷冷下10mol/l水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH12とし、次いで塩酸でpH7.4に調整後、クロロホルム(100mL×3)で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物をエタノールから再結晶精製し、減圧乾燥して標記化合物42.6mg(52%)を白色粉末として得た。
mp:226−229℃.
1H−NMR(400MHz,0.1NNaOD)δppm:0.82−0.90(1H,m),0.98−1.11(2H,m),1.14−1.22(1H,m),1.39(3H,s),2.47−2.60(1H,m),3.44(1H,d,J=10.0Hz),3.58(3H,s),3.73(1H,dd,J=10.4,2.6Hz),3.78(2H,d,J=8.3Hz),4.04−4.11(1H,m),4.79−4.88(2H,m),7.65(1H,d,J=14.4Hz),8.49(1H,s).
元素分析;C2023234として:
計算値:C,58.96;H,5.69;F,9.33;N,10.31.
実測値:C,58.90;H,5.70;F,9.33;N,10.19.
IR(ATR)ν:3450,3374,3079,2962,2873,1724,1620,1508,1439,1373,1315,1273,1228,1186,1153,1109cm-1
[実施例22]
7−[(3S,4S)−3−アミノ−4−フルオロメチル−3−メチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロ−1−シクロプロピル]−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
(3S,4S)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−フルオロメチル−3−メチルピロリジン(932mg,4.01mmol)、6,7−ジフルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロ−1−シクロプロピル]−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸・ジフルオロボロン錯体(922mg,2.67mmol)、並びにトリエチルアミン(0.447mL,3.20mmol)をスルホラン(5mL)に溶解し、35℃のオイルバスで166時間加熱攪拌した。反応液を濃縮後、エタノール:水=9:1混合溶液(80mL)およびトリエチルアミン(1mL)を加えて90℃のオイルバスで30分間加熱撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残留物を酢酸エチル(200mL×2)に溶解し、10%クエン酸水溶液(100mL)、水(100m×3)、および飽和食塩水(100mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をショートシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール;49:1→9:1にて溶出)で精製した。残留物を氷冷下にて濃塩酸(20mL)に溶解後、室温で30分間撹拌し、反応液をクロロホルム(100mL×5)で洗浄した。水層に氷冷下10mol/l水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH12とし、次いで塩酸でpH7.4に調整後、クロロホルム(150mL×4)で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物をエタノールから再結晶精製し、減圧乾燥して標記化合物97.7mg(9%)を淡黄色粉末として得た。
mp:135−137℃.
1H−NMR(400MHz,0.1NNaOD)δppm:1.18−1.32(1H,m),1.38(3H,s),1.55−1.66(1H,m),2.52(3H,s),2.53−2.65(1H,m),3.20(1H,d,J=9.8Hz),3.49(1H,t,J=9.2Hz),3.70(1H,t,J=8.9Hz),3.78(1H,dd,J=9.8,3.2Hz),4.09(1H,dt,J=9.9,4.4Hz),4.70(1H,ddd,J=41.9,9.4,6.0Hz),4.80−4.86(1H,m),5.01(1H,d,J=67.9Hz),7.69(1H,d,J=14.0Hz),8.45(1H,d,J=3.2Hz).
元素分析;C2022334・0.75H2Oとして:
計算値:C,56.80;H,5.60;N,9.94.
実測値:C,56.52;H,5.53;N,10.06.
IR(ATR)ν:2968,2873,1718,1614,1508,1462,1431,1396,1358,1319,1282,1163,1128,1101cm-1
[実施例23]
7−[(3S,4S)−3−アミノ−4−フルオロメチル−3−メチルピロリジン−1−イル]−1−シクロプロピル−6−フルオロ−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
(3S,4S)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−フルオロメチル−3−メチルピロリジン(298mg,1.28mmol)、1−シクロプロピル−6,7−ジフルオロ−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸・ジフルオロボロン錯体(280mg,0.855mmol)、並びにトリエチルアミン(0.143mL,1.03mmol)をスルホラン(1.5mL)に溶解し、35℃のオイルバスで142時間加熱攪拌した。反応液を濃縮後、エタノール:水=9:1混合溶液(40mL)およびトリエチルアミン(1mL)を加えて90℃のオイルバスで30分間加熱撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残留物を酢酸エチル(100mL×2)に溶解し、10%クエン酸水溶液(50mL)、水(50m×3)、および飽和食塩水(50mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物をショートシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール;49:1→9:1にて溶出)で精製した。残留物を氷冷下にて濃塩酸(10mL)に溶解後、室温で30分間撹拌し、反応液をクロロホルム(50mL×5)で洗浄した。水層に氷冷下10mol/l水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH12とし、次いで塩酸でpH7.4に調整後、クロロホルム(100mL×4)で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物をエタノールから再結晶精製し、減圧乾燥して標記化合物109mg(33%)を淡黄色粉末として得た。
mp:212−215℃.
1H−NMR(400MHz,0.1NNaOD)δppm:0.75−0.90(2H,m),1.10−1.25(2H,m),1.38(3H,s),2.56−2.61(1H,m),2.58(3H,s),3.29(1H,d,J=9.6Hz),3.53−3.63(2H,m),3.64(1H,dd,J=9.8,2.7Hz),4.10−4.17(1H,m),4.68(1H,ddd,J=34.7,10.2,5.3Hz),4.80−4.82(1H,m),7.67(1H,d,J=14.0Hz),8.57(1H,s).
元素分析;C2023233として:
計算値:C,61.37;H,5.92;F,9.71;N,10.74.
実測値:C,61.26;H,5.91;F,9.86;N,10.72.
IR(ATR)ν:3361,3087,2974,2873,1712,1616,1545,1508,1458,1431,1358,1315,1228,1188,1151,1109cm-1
[参考例76]
(3S,4S)−3−エトキシカルボニル−4−フルオロメチル−1−[(1R)−1−フェニルエチル]−2−ピロリドン
(4S)−4−フルオロメチル−1−[(1R)−1−フェニルエチル]−2−ピロリドン(7.59g,34.3mmol)およびクロロギ酸エチル(3.92mL,41.2mmol)のテトラヒドロフラン(150mL)溶液に、0℃でリチウムビストリメチルシリルアミド(75.5mL,75.5mmol,1.0Mテトラヒドロフラン溶液)を加え、同温で20分間攪拌した。反応混合物に同温で飽和塩化アンモニウム水溶液(200mL)を加え、酢酸エチル(200mL×2)で抽出し、有機層を飽和食塩水(100mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、ろ液を減圧濃縮して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1→2:3にて溶出)で精製し、標記化合物8.50g(85%)を淡黄色油状物質として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.33(3H,t,J=7.2Hz),1.56(3H,d,J=7.4Hz),2.80(1H,dd,J=9.8,6.1Hz),2.94−3.11(1H,m),3.34(1H,d,J=7.1Hz),3.53(1H,t,J=9.1Hz),4.23−4.31(3H,m),4.37(1H,dd,J=5.6,2.7Hz),5.49(1H,q,J=7.1Hz),7.26−7.37(5H,m).
[参考例77]
(3R,4S)−3−エトキシカルボニル−4−フルオロメチル−3−メチル−1−[(1R)−1−フェニルエチル]−2−ピロリドン
(3S,4S)−3−エトキシカルボニル−4−フルオロメチル−1−[(1R)−1−フェニルエチル]−2−ピロリドン(8.30g,28.3mmol)およびヨードメタン(2.47mL,39.6mmol)のテトラヒドロフラン(170mL)溶液に、−78℃でカリウムビストリメチルシリルアミド(67.9mL,34.0mmol,0.5Mトルエン溶液)を加え、同温で10分間攪拌後、撹拌しながら30分間かけて−10℃まで昇温した。反応液に、飽和塩化アンモニウム水溶液(200mL)を加え、酢酸エチル(200mL×2)で抽出し、有機層を飽和食塩水(150mL)で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、ろ液を減圧濃縮して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:1→1:1にて溶出)で精製し、標記化合物7.91g(91%)を淡黄色油状物質として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.10(3H,t,J=7.2Hz),1.50(3H,s),1.57(3H,dd,J=7.1,2.4Hz),2.46−2.60(1H,m),2.89(1H,t,J=9.5Hz),3.35(1H,dd,J=9.4,7.9Hz),4.00−4.15(2H,m),4.20−4.45(2H,m),5.56(1H,q,J=7.3Hz),7.26−7.37(5H,m).
[参考例78]
(3R,4S)−4−フルオロメチル−3−メチル−2−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]−ピロリジン−3−カルボン酸
(3R,4S)−3−エトキシカルボニル−4−フルオロメチル−3−メチル−1−[(1R)−1−フェニルエチル]−2−ピロリドン(1.05g,3.42mmol)のエタノール(20mL)溶液に、氷冷下10mol/l水酸化ナトリウム水溶液(3.42mL,34.2mmol)を滴下し、30分間撹拌した。反応混合物に氷冷下、水(20mL)を加えて水溶液をジエチルエーテル(50mL)で洗浄後、水層に氷冷下濃塩酸を加えてpH2〜3とし、クロロホルム(50mL×3)で抽出した。有機層を飽和食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物にトルエン(20mL)を加えて共沸後、減圧乾燥して標記化合物950mg(99%)を無色油状物質として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.53−1.61(6H,m),2.50−2.61(1H,m),3.02(1H,dd,J=10.5,3.4Hz),3.49(1H,dd,J=10.5,7.1Hz),4.34−4.56(2H,m),5.49(1H,q,J=7.0Hz),7.14−7.36(5H,m).
MS ESI)m/z:280(M+H)+
[参考例79]
(3R,4R)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−フルオロメチル−3−メチル−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン
(3R,4S)−4−フルオロメチル−3−メチル−2−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]−ピロリジン−3−カルボン酸(950mg,3.40mmol)、およびジフェニルリン酸アジド(0.806mL,3.74mmol)のトルエン(20mL)溶液へ、トリエチルアミン(0.948mL,6.80mmol)を加え、110℃のオイルバスで1時間加熱攪拌した。反応液を減圧濃縮してイソシアネート体粗生成物を得た。
MS(ESI)m/z:277(M+H)+
得られたイソシアネート体粗生成物を1,4−ジオキサン(5mL)に溶解し、氷冷下、水(2.5mL)および濃塩酸(2.5mL)を加えた後に、室温で13時間攪拌した。反応液に水(10mL)を加え、ジエチルエーテル(50mL)で洗浄後、水層に氷冷下10mol/l水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH9〜10としクロロホルム(100mL×3)で抽出した。有機層を飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮し、アミン体粗生成物(470mg)を得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.36(3H,s),1.54(3H,d,J=7.1Hz),2.29−2.42(1H,m),2.82(1H,dd,J=10.3,4.4Hz),3.35(1H,dd,J=10.1,7.4Hz),4.32−4.62(2H,m),5.47(1H,q,J=7.0Hz),7.26−7.37(5H,m).
MS(ESI)m/z:251(M+H)+
アミン体粗生成物(470mg,1.88mmol)をトルエン(10mL)に溶解し、内温が50℃を越えないよう氷冷しながら、ナトリウム水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウム、65%(重量)トルエン溶液(2.25mL,7.52mmol)のトルエン(2mL)溶液を15分かけて滴下した後に室温で10分間攪拌した。反応液を氷冷し、25%(重量)水酸化ナトリウム水溶液(5mL)を滴下してクエンチ後、トルエン(40mL)で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮し、アミン体粗生成物(490mg)を得た。
MS(ESI)m/z:237(M+H)+
アミン体粗生成物(490mg,1.88mmol)にジ−tert−ブチルジカーボネート(451mg,2.07mmol)を加えた。反応液を室温で17時間攪拌後、反応液を減圧濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(へキサン−酢酸エチル;19:1→5:4にて溶出)で精製し、標記化合物404mg(5ステップ,35%)を無色透明シロップ状物質として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.34(3H,d,J=6.6Hz),1.44(9H,s),1.53(3H,s),2.31(1H,td,J=14.3,7.2Hz),2.52(1H,t,J=8.4Hz),2.59(1H,d,J=9.0Hz),2.69−2.77(2H,m),3.28(1H,q,J=6.6Hz),4.42(1H,ddd,J=47.2,9.4,6.1Hz),4.62(1H,ddd,J=47.4,9.4,6.2Hz),4.98(1H,s),7.22−7.30(5H,m).
MS(ESI)m/z:337(M+H)+
[参考例80]
(3R,4R)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−フルオロメチル−3−メチルピロリジン
(3R,4R)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−フルオロメチル−3−メチル−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン(250mg,0.743mmol)のエタノール(10mL)溶液へ10%パラジウム炭素触媒(52.8%含水,250mg)を加え、水素ガス雰囲気下、40℃のオイルバスで1.5時間撹拌した。触媒をろ去後、ろ液を減圧濃縮し、標的化合物の粗生成物169mg(98%)を無色透明シロップ状物質として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.44(9H,s),1.47(3H,s),2.16−2.30(1H,m),2.85(1H,d,J=11.5Hz),3.01(1H,dd,J=11.3,7.4Hz),3.20(1H,dd,J=11.3,8.6Hz),3.29(1H,d,J=11.8Hz),4.49−4.69(2H,m),4.98(1H,s).
MS(ESI)m/z:233(M+H)+
[実施例24]
7−[(3R,4R)−3−アミノ−4−フルオロメチル−3−メチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロ−1−シクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
(3R,4R)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−フルオロメチル−3−メチルピロリジン(169mg,0.728mmol)、6,7−ジフルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロ−1−シクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸・ジフルオロボロン錯体(268mg,0.742mmol)、並びにトリエチルアミン(0.124mL,0.891mmol)をジメチルスルホキシド(2mL)に溶解し、35℃のオイルバスで16時間加熱攪拌した。反応液を濃縮後、エタノール:水=9:1混合溶液(55mL)およびトリエチルアミン(1mL)を加えて2時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮し、残留物を酢酸エチル(100mL×2)に溶解し、10%クエン酸水溶液(100mL)、水(100m×3)、および飽和食塩水(100mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残留物を氷冷下で濃塩酸(10mL)に溶解後、室温で30分間撹拌し、反応液をクロロホルム(100mL×4)で洗浄した。水層に氷冷下10mol/l水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH12とし、次いで塩酸でpH7.4に調整後、クロロホルム(150mL×3)で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物をエタノールから再結晶精製し、減圧乾燥して標記化合物216mg(67%)を淡黄色粉末として得た。
mp:185−188℃.
1H−NMR(400MHz,0.1NNaOD)δppm:1.38(3H,s),1.50−1.62(1H,m),1.61−1.70(1H,m),2.45−2.58(1H,m),3.39(1H,d,J=10.5Hz),3.59(3H,s),3.70(1H,t,J=9.3Hz),3.75−3.84(2H,m),4.02−4.09(1H,m),4.70(1H,ddd,J=40.7,9.6,6.1Hz),4.78−4.81(1H,m),4.94(1H,ddd,J=56.6,9.1,6.1Hz),7.67(1H,d,J=14.7Hz),8.48(1H,s).
元素分析;C2022334・1H2Oとして:
計算値:C,54.17;H,5.46;F,12.85;N,9.48
実測値:C,54.20;H,5.52;F,12.25;N,8.99.
IR(ATR)ν:2970,2868,1724,1616,1574,1512,1437,1390,1354,1317,1298,1271,1192,1142cm-1
[参考例81]
(3S)−4−フルオロ−3−メチル−5−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル 異性体A
(3S)−3−メチル−5−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]−ピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(6.83g,22.5mmol)のテトラヒドロフラン(135mL)溶液に、0℃でリチウムビストリメチルシリルアミド(27.0mL,27.0mmol,1.0Mテトラヒドロフラン溶液)を加え、同温で15分間攪拌した。反応混合物に同温でN−フルオロベンゼンスルホンイミド(13.3g,42.2mmol)を加え、2時間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液(300mL)を加え、酢酸エチル(300mL×2)で抽出し、有機層を飽和食塩水(300mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、ろ液を減圧濃縮して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1→2:3にて溶出)で精製し、標記化合物(異性体A)5.80g(80%)を白色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.35(3H,d,J=2.9Hz),1.37(9H,s),1.56(3H,d,J=7.1Hz),3.10(1H,dd,J=10.2,1.1Hz),3.17(1H,d,J=10.3Hz),5.23(1H,d,J=51.7Hz),5.50(1H,q,J=7.1Hz),7.26−7.39(5H,m).
MS(ESI)m/z:322(M+H)+
[参考例82]
(3S)−4−フルオロ−3−メチル−5−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]−ピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル 異性体B
(3S)−4−フルオロ−3−メチル−5−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]−ピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル 異性体A(3.85g,12.0mmol)のテトラヒドロフラン(70mL)溶液に、−78℃でリチウムジイソプロピルアミド(6.66mL,12.0mmol,1.8Mテトラヒドロフラン溶液)を加え、同温で15分間攪拌した。反応混合物に同温で2,6−ジ−tert−ブチルフェノール(2.97g,14.4mmol)を加え、撹拌しながら2時間かけて室温まで昇温した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液(200mL)を加え、酢酸エチル(200mL×2)で抽出し、有機層を飽和食塩水(200mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、ろ液を減圧濃縮して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1→2:3にて溶出)で精製し、異性体Aより高極性な標記化合物(異性体B)2.32g(60%)を白色固体として得た。また、1.53g(40%)の異性体Aを回収した。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.38(12H,s),1.53(3H,d,J=7.1Hz),2.97(1H,d,J=10.5Hz),3.52(1H,d,J=10.3Hz),4.68(1H,d,J=51.7Hz),5.49(1H,q,J=7.1Hz),7.26−7.39(5H,m).
MS(ESI)m/z:322(M+H)+
[参考例83]
(3S)−4−フルオロ−3−メチル−1−[(1R)−1−フェニルエチル]−ピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル 異性体A
(3S)−4−フルオロ−3−メチル−5−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]−ピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル 異性体A(2.58g,8.03mmol)のテトラヒドロフラン(50mL)溶液に、氷冷下、1.01Mボラン−テトラヒドロフラン溶液(26.2mL,26.5mmol)を加え、室温で15時間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、氷冷下で水(5mL)、エタノール(45mL)およびトリエチルアミン(3mL)を加え、1.5時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮後、水(100mL)を加え、クロロホルム(200mL×2)で抽出した。得られた有機層を飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=12:1→2:1にて溶出)で精製し、標記化合物(異性体A)2.15g(87%)を無色油状物質として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.29(3H,d,J=3.7Hz),1.32(3H,d,J=6.6Hz),1.46(9H,s),2.44(1H,d,J=8.8Hz),2.68(1H,dd,J=31.7,11.9Hz),2.96(1H,dq,J=31.0,5.7Hz),3.06(1H,d,J=8.8Hz),3.32(1H,q,J=6.5Hz),5.22(1H,dd,J=55.2,4.9Hz),7.14−7.31(5H,m).
MS(ESI)m/z:308(M+H)+
[参考例84]
(3S)−4−フルオロ−3−メチル−1−[(1R)−1−フェニルエチル]−ピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル 異性体B
(3S)−4−フルオロ−3−メチル−5−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]−ピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル 異性体B(1.64g,5.10mmol)のテトラヒドロフラン(30mL)溶液に、氷冷下、1.01Mボラン−テトラヒドロフラン溶液(16.7mL,16.9mmol)を加え、室温で15時間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、氷冷下で水(5mL)、エタノール(45mL)およびトリエチルアミン(2mL)を加え、1.5時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮後、水(100mL)を加え、クロロホルム(200mL×2)で抽出した。得られた有機層を飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=12:1→2:1にて溶出)で精製し、標記化合物(異性体B)1.55g(99%)を無色油状物質として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.29(3H,d,J=1.2Hz),1.34(3H,d,J=6.6Hz),1.43(9H,s),2.39(1H,d,J=9.5Hz),2.74(1H,ddd,J=34.4,12.0,1.7Hz),3.02(1H,d,J=9.5Hz),3.35(1H,ddd,J=31.5,12.2,4.6Hz),3.44(1H,q,J=6.6Hz),4.78(1H,ddd,J=54.2,4.8,1.6Hz),7.19−7.32(5H,m).
MS(ESI)m/z:308(M+H)+
[参考例85]
(3S)−1−ベンジルオキシカルボニル−4−フルオロ−3−メチルピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル 異性体A
(3S)−4−フルオロ−3−メチル−1−[(1R)−1−フェニルエチル]−ピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル 異性体A(2.15g,6.99mmol)のジクロロメタン(40mL)溶液に、ベンジルオキシカルボニルクロリド(1.50mL,10.5mmol)を加え、60℃のオイルバスで20時間加熱攪拌した。反応液を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=12:1→2:1にて溶出)で精製し、標記化合物(異性体A)1.81g(77%)を無色油状物質として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.35(3H,dd,J=7.8,2.2Hz),1.41(9H,br s),3.24(1H,dd,J=17.0,10.9Hz),3.61−3.75(2H,m),4.08(1H,dd,J=10.7,2.7Hz),5.14(2H,d,J=4.6Hz),5.17(1H,d,J=51.0Hz),7.26−7.38(5H,m).
[参考例86]
(3S)−1−ベンジルオキシカルボニル−4−フルオロ−3−メチルピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル 異性体B
(3S)−4−フルオロ−3−メチル−1−[(1R)−1−フェニルエチル]−ピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル 異性体B(1.55g,5.04mmol)のジクロロメタン(30mL)溶液に、ベンジルオキシカルボニルクロリド(1.08mL,7.56mmol)を加え、60℃のオイルバスで24時間加熱攪拌した。反応液を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1→3:2にて溶出)で精製し、標記化合物(異性体B)1.38g(81%)を無色油状物質として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.24(3H,s),1.47(9H,s),3.49(1H,dd,J=26.9,11.0Hz),3.60−3.80(2H,m),3.90(1H,dd,J=11.0,3.7Hz),4.90(1H,dd,J=51.8,2.9Hz),5.14(2H,dd,J=16.6,11.7Hz),7.22−7.38(5H,m).
MS(ESI)m/z:360(M+Na)+
[参考例87]
(3S)−1−ベンジルオキシカルボニル−4−フルオロ−3−メチルピロリジン−3−カルボン酸 異性体A
(3S)−1−ベンジルオキシカルボニル−4−フルオロ−3−メチルピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル 異性体A(1.80g,5.33mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液に、氷冷下トリフルオロ酢酸(10mL)を滴下し、2時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮後、残留物に氷冷下、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)を加えて水溶液をジエチルエーテル(50mL)で洗浄後、水層に氷冷下1mol/l塩酸を加えてpH2〜3とし、クロロホルム(200mL×2)で抽出した。有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物にトルエン(20mL)を加えて共沸後、減圧乾燥して標記化合物(異性体A)1.86g(定量的)を無色油状物質として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.44(3H,d,J=4.9Hz),3.32(1H,t,J=12.0Hz),3.67−3.83(2H,m),4.14(1H,t,J=10.3Hz),5.09−5.17(2H,m),5.22(1H,d,J=43.9Hz),7.27−7.38(5H,m).
MS(ESI)m/z:304(M+Na)+
[参考例88]
(3S)−1−ベンジルオキシカルボニル−4−フルオロ−3−メチルピロリジン−3−カルボン酸 異性体B
(3S)−1−ベンジルオキシカルボニル−4−フルオロ−3−メチルピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル 異性体B(1.35g,4.00mmol)のジクロロメタン(7mL)溶液に、氷冷下トリフルオロ酢酸(7mL)を滴下し、2時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮後、残留物に氷冷下、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)を加えて水溶液をジエチルエーテル(50mL)で洗浄後、水層に氷冷下1mol/l塩酸を加えてpH2〜3とし、クロロホルム(150mL×2)で抽出した。有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物にトルエン(20mL)を加えて共沸後、減圧乾燥して標記化合物(異性体B)1.25g(定量的)を無色油状物質として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.33(3H,s),3.57(1H,dd,J=29.4,11.0Hz),3.66−3.86(2H,m),3.95(1H,dd,J=10.8,6.1Hz),4.99(1H,dd,J=51.5,3.2Hz),5.16(2H,s),7.15−7.52(5H,m).
MS(ESI)m/z:304(M+Na)+
[参考例89]
(3R)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−フルオロ−3−メチルピロリジン 異性体A
(3S)−1−ベンジルオキシカルボニル−4−フルオロ−3−メチルピロリジン−3−カルボン酸 異性体A(1.86g,5.33mmol)のアセトニトリル(40mL)溶液に、1,1'−カルボニルビス−1H−イミダゾール(1.30g,8.00mmol)を加えて1時間撹拌した。反応混合物にアンモニアガスを1.5時間通した後、減圧濃縮し、残留物に水(50mL)を加えてクロロホルム(100mL×2)で抽出した。有機層を、飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物にトルエン(20mL)を加えて共沸後、減圧乾燥してアミド体粗生成物(異性体A)1.80g(定量的)を無色油状物質として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.41(3H,s),3.40(1H,d,J=12.0Hz),3.60−3.97(3H,m),5.12−5.31(3H,m),5.48−5.89(2H,m),7.23−7.35(5H,m).
アミド体粗生成物(1.80g,5.33mmol)のtert−ブチルアルコール(20mL)溶液に、四酢酸鉛(4.73g,10.7mmol)を加えて80℃のオイルバスで15分間加熱撹拌した。放冷後、反応混合物に炭酸水素ナトリウム(5g)およびジエチルエーテル(20mL)を加え、氷冷下で30分間撹拌した。不溶物をセライトろ去後、ろ液と洗液を合わせ飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)および飽和食塩水(50mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1→3:2にて溶出)で精製し、標記化合物(異性体A)1.00g(53%)を無色油状物質として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.42(9H,s),1.51(3H,dd,J=8.8,2.9Hz),3.42(1H,dd,J=11.8,2.5Hz),3.53(1H,d,J=11.5Hz),3.59−3.72(1H,m),3.71−3.87(1H,m),4.50(1H,d,J=28.7Hz),5.14(2H,s),5.35(1H,dd,J=52.0,26.0Hz),7.26−7.39(5H,m).
MS(ESI)m/z:375(M+Na)+
[参考例90]
(3R)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−フルオロ−3−メチルピロリジン 異性体B
(3S)−1−ベンジルオキシカルボニル−4−フルオロ−3−メチルピロリジン−3−カルボン酸 異性体B(1.25g,4.00mmol)のアセトニトリル(40mL)溶液に、1,1'−カルボニルビス−1H−イミダゾール(973mg,6.00mmol)を加えて1時間撹拌した。反応混合物にアンモニアガスを1.5時間通した後、減圧濃縮し、残留物に水(50mL)を加えてクロロホルム(100mL×2)で抽出した。有機層を、飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物にトルエン(20mL)を加えて共沸後、減圧乾燥してアミド体粗生成物(異性体B)1.20g(定量的)を無色油状物質として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.31(3H,s),3.61(1H,dd,J=25.6,10.4Hz),3.69−3.79(1H,m),3.83(2H,dd,J=16.7,3.9Hz),4.96(1H,d,J=51.5Hz),5.15(2H,br s),5.58(2H,d,J=59.6Hz),7.23−7.40(5H,m).
アミド体粗生成物(1.20g,4.00mmol)のtert−ブチルアルコール(15mL)溶液に、四酢酸鉛(3.55g,8.00mmol)を加えて80℃のオイルバスで1時間加熱撹拌した。放冷後、反応混合物に炭酸水素ナトリウム(4g)及びジエチルエーテル(20mL)を加え、氷冷下で1時間撹拌した。不溶物をセライトろ去後、ろ液と洗液を合わせ飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)および飽和食塩水(50mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1→3:2にて溶出)で精製し、標記化合物(異性体B)1.03g(73%)を無色油状物質として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.42(3H,dd,J=4.4,1.2Hz),1.44−1.45(9H,m),3.42(1H,t,J=11.2Hz),3.62−3.71(1H,m),3.76(1H,dd,J=10.3,2.5Hz),3.84(1H,t,J=10.7Hz),4.84(1H,d,J=54.4Hz),4.92(1H,d,J=56.9Hz),5.14(2H,dd,J=15.3,13.1Hz),7.26−7.52(5H,m).
MS(ESI)m/z:375(M+Na)+
[参考例91]
(3R)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−フルオロ−3−メチルピロリジン 異性体A
(3R)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−フルオロ−3−メチルピロリジン 異性体A(271mg,0.769mmol)のエタノール(10mL)溶液へ10%パラジウム炭素触媒(52.8%含水,27.0mg)を加え、水素ガス雰囲気下、2時間撹拌した。触媒をろ去後、ろ液を減圧濃縮し、標的化合物の粗生成物(異性体A)156mg(93%)を無色透明シロップ状物質として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.43−1.44(12H,m),3.06(1H,dd,J=13.4,1.7Hz),3.13(1H,d,J=13.4Hz),3.34(1H,dd,J=13.4,4.6Hz),3.42(1H,dd,J=13.4,4.6Hz),4.58(1H,s),5.16(1H,d,J=53.7Hz).
MS(ESI)m/z:219(M+H)+
[参考例92]
(3R)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−フルオロ−3−メチルピロリジン 異性体B
(3R)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−フルオロ−3−メチルピロリジン 異性体B(304mg,0.863mmol)のエタノール(12mL)溶液へ10%パラジウム炭素触媒(52.8%含水,30.0mg)を加え、水素ガス雰囲気下、2時間撹拌した。触媒をろ去後、ろ液を減圧濃縮し、標的化合物の粗生成物(異性体B)182mg(97%)を無色透明シロップ状物質として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.40(3H,d,J=1.7Hz),1.45(9H,s),3.11−3.17(2H,m),3.19−3.25(1H,m),3.31(1H,dd,J=13.7,4.4Hz),4.75(1H,dd,J=55.3,3.6Hz),4.99(1H,s).
MS(ESI)m/z:219(M+H)+
[実施例25]
7−[(3R)−3−アミノ−4−フルオロ−3−メチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロ−1−シクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
(3R)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−フルオロ−3−メチルピロリジン 異性体A(156mg,0.713mmol)、6,7−ジフルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロ−1−シクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸・ジフルオロボロン錯体(278mg,0.769mmol)、並びにトリエチルアミン(0.129mL,0.923mmol)をジメチルスルホキシド(2mL)に溶解し、35℃のオイルバスで19時間加熱攪拌した。反応液を濃縮後、エタノール:水=9:1混合溶液(60mL)およびトリエチルアミン(2mL)を加えて2時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮し、残留物を酢酸エチル(100mL×2)に溶解し、10%クエン酸水溶液(100mL)、水(100mL×3)、および飽和食塩水(100mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残留物を氷冷下で濃塩酸(10mL)に溶解後、室温で30分間撹拌し、反応液をクロロホルム(100mL×4)で洗浄した。水層に氷冷下10mol/l水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH12とし、次いで塩酸でpH7.4に調整後、クロロホルム(150mL×3)で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物をエタノールから再結晶精製し、減圧乾燥して標記化合物(7位置換基異性体A由来)165mg(52%)を淡黄色粉末として得た。
mp:160−163℃.
1H−NMR(400MHz,0.1NNaOD)δppm:1.38(3H,d,J=2.5Hz),1.40−1.48(1H,m),1.50−1.62(1H,m),3.44(1H,d,J=10.3Hz),3.59(3H,s),3.68−3.80(2H,m),4.00−4.05(1H,m),4.29(1H,dd,J=40.0,13.5Hz),4.82−4.87(1H,m),5.03(1H,dd,J=65.7,4.7Hz),7.69(1H,d,J=14.2Hz),8.41(1H,d,J=2.9Hz).
元素分析;C1920334・0.25H2Oとして:
計算値:C,54.87;H,4.97;F,13.70;N,10.10.
実測値:C,54.71;H,4.98;F,13.54;N,10.09.
IR(ATR)ν:3386,2972,2881,1722,1624,1518,1452,1373,1325,1279,1223,1190,1149,1122cm-1
[実施例26]
7−[(3R)−3−アミノ−4−フルオロ−3−メチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロ−1−シクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
(3R)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−フルオロ−3−メチルピロリジン 異性体B(182mg,0.833mmol)、6,7−ジフルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロ−1−シクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸・ジフルオロボロン錯体(311mg,0.863mmol)、並びにトリエチルアミン(0.144mL,1.04mmol)をジメチルスルホキシド(2mL)に溶解し、35℃のオイルバスで19時間加熱攪拌した。反応液を濃縮後、エタノール:水=9:1混合溶液(60mL)およびトリエチルアミン(3mL)を加えて2時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮し、残留物を酢酸エチル(100mL×2)に溶解し、10%クエン酸水溶液(100mL)、水(100m×3)、および飽和食塩水(100mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残留物を氷冷下で濃塩酸(10mL)に溶解後、室温で30分間撹拌し、反応液をクロロホルム(100mL×4)で洗浄した。水層に氷冷下10mol/l水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH12とし、次いで塩酸でpH7.4に調整後、クロロホルム(150mL×3)で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物をエタノールから再結晶精製し、減圧乾燥して標記化合物(7位置換基異性体B由来)176mg(51%)を淡黄色粉末として得た。
mp:206−208℃.
1H−NMR(400MHz,0.1NNaOD)δppm:1.29(3H,br s),1.57−1.74(2H,m),3.37(1H,d,J=9.8Hz),3.56−3.67(1H,m),3.60(3H,s),3.83(1H,d,J=10.0Hz),4.08(1H,q,J=6.3Hz),4.34(1H,dd,J=43.3,13.1Hz),4.77−4.84(1H,m),4.93(1H,ddd,J=52.7,10.0,3.2Hz),7.68(1H,d,J=14.5Hz),8.50(1H,s).
元素分析;Anal. Calcd for C1920334として:
計算値:C,55.47;H,4.90;F,13.85;N,10.21.
実測値:C,55.29;H,4.86;F,13.99;N,10.33.
IR(ATR)ν:3373,3300,3074,2979,2881,2837,1709,1620,1510,1435,1378,1338,1313,1269,1225,1186,1130cm-1
[実施例27]
7−[(3R)−3−アミノ−4−フルオロ−3−メチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロ−1−シクロプロピル]−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
(3R)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−フルオロ−3−メチルピロリジン 異性体A(397mg,1.82mmol)、6,7−ジフルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロ−1−シクロプロピル]−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸・ジフルオロボロン錯体(418mg,1.21mmol)、並びにトリエチルアミン(0.202mL,1.45mmol)をスルホラン(2mL)に溶解し、35℃のオイルバスで264時間加熱攪拌した。反応液を濃縮後、エタノール:水=9:1混合溶液(80mL)およびトリエチルアミン(1mL)を加えて90℃のオイルバスで30分間加熱撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残留物を酢酸エチル(200mL×2)に溶解し、10%クエン酸水溶液(100mL)、水(100mL×3)、および飽和食塩水(100mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物をショートシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール;49:1→9:1にて溶出)で精製した。残留物を氷冷下で濃塩酸(20mL)に溶解後、室温で30分間撹拌し、反応液をクロロホルム(100mL×5)で洗浄した。水層に氷冷下10mol/l水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH12とし、次いで塩酸でpH7.4に調整後、クロロホルム(150mL×4)で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物をエタノールから再結晶精製し、減圧乾燥して標記化合物(7位置換基異性体A由来)28.3mg(6%)を淡黄色粉末として得た。
mp:215−217℃.
1H−NMR(400MHz,0.1NNaOD)δppm:1.20−1.32(1H,m),1.37(3H,d,J=2.7Hz),1.54−1.67(1H,m),2.51(3H,s),3.17(1H,d,J=9.8Hz),3.47(1H,dd,J=29.0,12.6Hz),3.86(1H,d,J=10.0Hz),4.05−4.12(1H,m),4.30(1H,ddd,J=40.0,13.2,3.2Hz),4.80−4.85(1H,m),5.01(1H,ddd,J=67.8,9.4,4.6Hz),7.70(1H,d,J=14.0Hz),8.45(1H,d,J=3.4Hz).
元素分析;C1920333・0.75H2Oとして:
計算値:C,55.81;H,5.30;N,10.28.
実測値:C,55.81;H,4.89;N,10.14.
IR(ATR)ν:3394,3097,2970,2941,2870,1726,1618,1599,1508,1456,1425,1319,1267,1225,1190,1146cm-1
[参考例93]
(3S)−3−ヒドロキシメチル−5−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル
5−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(4.00g,13.8mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(40mL)溶液に、室温でパラホルムアルデヒド(0.830g,27.7mmol)および水素化ナトリウム(0.600g,55%油性,13.8mmol)を加え、同温で30分間攪拌した。反応混合物に氷冷下10%クエン酸水溶液(150mL)を加え、酢酸エチル(300mL×2)で抽出し、有機層を水(100mL×2)および飽和食塩水(100mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、ろ液を減圧濃縮して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:3→1:4にて溶出)で精製し、標記化合物1.03g(23%)を白色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.35(9H,s),1.53(3H,d,J=7.3Hz),2.40(1H,d,J=17.3Hz),2.51(1H,dd,J=7.8,5.4Hz),2.78(1H,d,J=17.1Hz),3.21(1H,d,J=10.3Hz),3.39(1H,d,J=10.5Hz),3.61(1H,dd,J=11.2,7.8Hz),3.77(1H,dd,J=11.2,5.4Hz),5.51(1H,q,J=7.2Hz),7.26−7.37(5H,m).
MS(ESI)m/z:320(M+H)+
[参考例94]
(3S)−3−{[tert−ブチル(ジメチル)シリルオキシ]メチル}−5−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル
(3S)−3−ヒドロキシメチル−5−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(8.23g,25.8mmol)およびイミダゾール(2.63g,38.7mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(150mL)溶液に、氷冷下、tert−ブチルジメチルシリルクロリド(4.66g,31.0mmol)を加え、室温で4時間攪拌した。反応混合物に氷冷下飽和塩化アンモニウム水溶液(300mL)を加え、ジエチルエーテル(300mL×2)で抽出し、有機層を水(300mL×2)および飽和食塩水(200mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過後、ろ液を減圧濃縮して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1→1:1にて溶出)で精製し、標記化合物7.98g(71%)を無色油状物質として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:0.05(3H,s),0.06(3H,s),0.88(9H,s),1.35(9H,s),1.51(3H,d,J=7.1Hz),2.47(1H,d,J=17.1Hz),2.77(1H,d,J=17.3Hz),3.28(2H,dd,J=26.7,10.1Hz),3.68(2H,dd,J=14.4,9.5Hz),5.49(1H,q,J=7.1Hz),7.25−7.35(5H,m).
[参考例95]
(3S)−3−{[tert−ブチル(ジメチル)シリルオキシ]メチル}−4−メチル−5−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル
(3S)−3−{[tert−ブチル(ジメチル)シリルオキシ]メチル}−5−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(8.65g,19.9mmol)およびヨードメタン(1.37mL,21.9mmol)のテトラヒドロフラン(173mL)溶液に、氷冷下でリチウムビストリメチルシリルアミド(21.9mL,21.9mmol,1Mテトラヒドロフラン溶液)を加え、同温で30分間攪拌した。反応液に、飽和塩化アンモニウム水溶液(300mL)を加え、酢酸エチル(300mL×2)で抽出し、有機層を飽和食塩水(200mL)で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、ろ液を減圧濃縮して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:1→1:1にて溶出)で精製し、単一成分である標記化合物3.72g(42%)を無色油状物質として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:0.05(3H,s),0.06(3H,s),0.88(9H,s),1.12(3H,d,J=7.3Hz),1.38(9H,s),1.51(3H,d,J=7.1Hz),2.31(1H,q,J=7.4Hz),3.29(1H,d,J=10.3Hz),3.39(1H,d,J=10.3Hz),3.50(1H,dd,J=9.4,6.0Hz),3.83(1H,d,J=9.5Hz),5.47(1H,q,J=7.2Hz),7.24−7.36(5H,m).
MS(ESI)m/z:448(M+H)+
[参考例96]
(3S)−3−ヒドロキシメチル−4−メチル−5−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル
(3S)−3−{[tert−ブチル(ジメチル)シリルオキシ]メチル}−4−メチル−5−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(3.72g,8.31mmol)をテトラヒドロフラン(70mL)に溶解し、氷冷下、フッ化テトラブチルアンモニウム(12.5mL,1.0mol/lテトラヒドロフラン溶液,12.5mmol)を滴下した後、同温で1時間攪拌した。反応液を濃縮後、飽和塩化アンモニウム水溶液(200mL)を加え、酢酸エチル(200mL×2)で抽出した。有機層を飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(へキサン:酢酸エチル=3:1→1:2にて溶出)で精製し、標記化合物1.87g(67%)を白色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.18(3H,d,J=7.6Hz),1.32(9H,s),1.52(3H,d,J=7.1Hz),2.43−2.49(2H,m),3.30(2H,dd,J=19.0,10.5Hz),3.57(1H,dd,J=11.1,6.7Hz),3.89(1H,dd,J=11.0,5.9Hz),5.48(1H,q,J=7.2Hz),7.27−7.36(5H,m).
MS(ESI)m/z:334(M+H)+
[参考例97]
(3R)−3−フルオロメチル−4−メチル−5−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル
(3S)−3−ヒドロキシメチル−4−メチル−5−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.70g,5.10mmol)をジクロロメタン(20mL)に溶解後、トルエン(20mL)を加え、氷冷下、ジエチルアミノ硫黄トリフルオリド(1.68mL,12.8mmol)を滴下した後、60℃で8時間攪拌した。氷冷下、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)を加え、酢酸エチル(100mL×2)で抽出した。有機層を飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(へキサン:酢酸エチル=9:1→2:3にて溶出)で精製し、標記化合物0.910mg(53%)を淡黄色油状物質として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.17(3H,d,J=7.6Hz),1.37(9H,d,J=0.5Hz),1.54(3H,d,J=7.1Hz),2.35−2.42(1H,m),3.37(2H,t,J=12.1Hz),4.33(1H,dd,J=46.9,9.2Hz),4.65(1H,dd,J=46.8,9.1Hz),5.48(1H,q,J=7.2Hz),7.25−7.37(5H,m).MS(ESI)m/z:336(M+H)+
[参考例98]
(3R)−3−フルオロメチル−4−メチル−5−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸
(3R)−3−フルオロメチル−4−メチル−5−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(910mg,2.71mmol)のジクロロメタン(9mL)溶液に、氷冷下トリフルオロ酢酸(9mL)を滴下し、室温で3時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮後、残留物に氷冷下、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)を加えて水溶液をジエチルエーテル(50mL)で洗浄後、水層に氷冷下1mol/l塩酸を加えてpH2〜3とし、クロロホルム(100mL×2)で抽出した。有機層を飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物にトルエン(20mL)を加えて共沸後、減圧乾燥して標記化合物910mg(定量的)を白色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.18(3H,d,J=7.4Hz),1.55(3H,d,J=7.1Hz),2.49(1H,q,J=7.4Hz),3.35−3.50(2H,m),4.38(1H,dd,J=46.7,9.2Hz),4.71(1H,dd,J=46.8,9.3Hz),5.50(1H,q,J=7.1Hz),7.26−7.37(5H,m).
[参考例99]
(3S)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−フルオロメチル−4−メチル−5−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン
(3R)−3−フルオロメチル−4−メチル−5−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸(910mg,2.71mmol)のアセトニトリル(20mL)溶液に、1,1'−カルボニルビス−1H−イミダゾール(659mg,4.07mmol)を加えて20分間撹拌した。反応混合物にアンモニアガスを1.5時間通した後、減圧濃縮し、残留物に水(50mL)を加えてクロロホルム(100mL×2)で抽出した。有機層を、飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物にトルエン(20mL)を加えて共沸後、減圧乾燥してアミド体粗生成物800mg(定量的)を無色油状物質として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.18(3H,d,J=7.4Hz),1.56(3H,d,J=7.4Hz),2.72(1H,q,J=7.3Hz),3.26−3.37(2H,m),4.52(1H,dd,J=21.0,9.7Hz),4.64(1H,dd,J=20.7,9.7Hz),5.15(2H,d,J=55.4Hz),5.57(1H,q,J=7.0Hz),7.26−7.41(5H,m).
アミド体粗生成物(800mg,2.71mmol)のtert−ブチルアルコール(10mL)溶液に、四酢酸鉛(2.40g,5.42mmol)を加えて80℃のオイルバスで30分間加熱撹拌した。放冷後、反応混合物に炭酸水素ナトリウム(2.5g)およびジエチルエーテル(20mL)を加え、氷冷下で30分間撹拌した。不溶物をセライトろ去後、ろ液と洗液を合わせ飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)および飽和食塩水(50mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1→3:2にて溶出)で精製し、標記化合物485mg(51%)を白色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.18(3H,d,J=7.4Hz),1.34(9H,s),1.51(3H,d,J=7.6Hz),2.71−2.79(1H,m),3.16−3.24(1H,m),3.39(1H,dd,J=10.7,1.3Hz),4.46(1H,dd,J=47.3,9.1Hz),4.55(1H,s),4.71(1H,dd,J=46.8,9.1Hz),5.50(1H,q,J=7.1Hz),7.23−7.34(5H,m).
[参考例100]
(3S)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−フルオロメチル−4−メチル−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン
(3S)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−フルオロメチル−4−メチル−5−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン(485mg,1.38mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液に、氷冷下、1.00Mボラン−テトラヒドロフラン溶液(4.57mL,4.57mmol)を加え、室温で15時間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、氷冷下で水(1mL)、エタノール(9mL)およびトリエチルアミン(1mL)を加え、1.5時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮後、水(100mL)を加え、クロロホルム(100mL×2)で抽出した。有機層を飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=12:1→1:1にて溶出)で精製し、標記化合物350mg(75%)を無色油状物質として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.03(3H,d,J=6.8Hz),1.32(3H,d,J=6.6Hz),1.41(9H,s),2.11(1H,t,J=8.5Hz),2.19−2.29(1H,m),2.38(1H,dd,J=10.1,4.5Hz),2.84(1H,d,J=10.3Hz),3.16(1H,t,J=8.1Hz),3.25(1H,q,J=6.5Hz),4.54(2H,d,J=48.3Hz),4.65(1H,s),7.19−7.31(5H,m).
MS(ESI)m/z:337(M+H)+
[参考例101]
(3S)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−フルオロメチル−4−メチルピロリジン
(3S)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−フルオロメチル−4−メチル−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン(200mg,0.594mmol)のエタノール(12mL)溶液へ10%パラジウム炭素触媒(52.8%含水,200mg)を加え、水素ガス雰囲気下、40℃のオイルバスで2時間撹拌した。触媒をろ去後、溶媒を減圧溜去し、標記化合物の粗生成物150mg(定量的)を白色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.06(3H,d,J=6.9Hz),1.44(9H,s),2.28(1H,q,J=7.4Hz),2.80(1H,t,J=10.0Hz),3.24(1H,d,J=12.3Hz),3.32(2H,dd,J=11.0,8.1Hz),4.54(2H,d,J=47.3Hz),4.74(1H,s).
[実施例28]
7−[(3S)−3−アミノ−3−フルオロメチル−4−メチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロ−1−シクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
(3S)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−フルオロメチル−4−メチルピロリジン(150mg,0.594mmol)、6,7−ジフルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロ−1−シクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸・ジフルオロボロン錯体(214mg,0.594mmol)、並びにトリエチルアミン(0.0994mL,0.713mmol)をジメチルスルホキシド(2mL)に溶解し、35℃のオイルバスで15時間加熱攪拌した。反応液を濃縮後、エタノール:水=9:1混合溶液(11mL)およびトリエチルアミン(0.5mL)を加えて2時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮し、残留物を酢酸エチル(100mL×2)に溶解し、10%クエン酸水溶液(100mL)、水(100mL×3)、および飽和食塩水(100mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残留物を氷冷下で濃塩酸(10mL)に溶解後、室温で30分間撹拌し、反応液をクロロホルム(100mL×4)で洗浄した。水層に氷冷下10mol/l水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH12とし、次いで塩酸でpH7.4に調整後、クロロホルム(150mL×3)で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物をエタノールから再結晶精製し、減圧乾燥して標記化合物115mg(45%)を淡黄色粉末として得た。
mp:167−169℃.
1H−NMR(400MHz,0.1NNaOD)δppm:1.07(3H,d,J=6.9Hz),1.37−1.50(1H,m),1.50−1.62(1H,m),2.34(1H,q,J=7.7Hz),3.45(1H,d,J=11.0Hz),3.52−3.58(1H,m),3.59(3H,s),3.82(1H,d,J=8.6Hz),3.87(1H,d,J=12.5Hz),4.00−4.05(1H,m),4.51(2H,d,J=47.3Hz),5.01(1H,d,J=65.0Hz),7.67(1H,d,J=14.5Hz),8.41(1H,d,J=2.7Hz).
元素分析;C2022334・0.25H2Oとして:
計算値:C,55.88;H,5.28;F,13.26;N,9.77.
実測値:C,55.66;H,5.21;F,13.26;N,9.97.
MS(ESI)m/z:426(M+H)+
IR(ATR)ν:2962,2939,2877,1716,1622,1514,1452,1441,1363,1327,1273,1184,1124cm-1
[実施例29]
7−[(7S)−7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル]−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
(7S)−7−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン(523mg,2.31mmol)、7−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸(538mg,1.927mmol)、トリエチルアミン(0.537mL,3.85mmol)、およびジメチルスルホキシド(6mL)の混合物を窒素置換下、75℃のオイルバスで5日間、さらに85℃のオイルバスで2日間加熱攪拌した。反応液へ10%クエン酸水溶液(10mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を水(10mL×2)、および飽和食塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:10g、クロロホルム→クロロホルム:メタノール=98:2にて溶出)で精製し、微黄色泡状固体を得た。精製された微黄色泡状固体を室温下で濃塩酸(8mL)に溶解し、得られた酸性水溶液を6規定塩酸を用いて分液ロートに移した後、クロロホルム(50mL×8)で洗浄した。水層に氷冷下で10mol/l水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH12.0とし、次いで塩酸でpH7.4に調整後、クロロホルム:メタノール=9:1混合溶媒(100mL×3)、およびクロロホルム:メタノール:水=7:3:1下層溶媒(100mL)で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物をエタノール−イソプロパノールの混合溶媒から再結晶精製し、減圧乾燥して標記化合物332mg(2ステップ,42%)を淡黄色粉末として得た。
mp:157−159℃.
[α]D 25.0=−144.2゜(c=0.197,0.1NNaOH).
1H−NMR(400MHz,0.1NNaOD)δppm:0.50−0.54(1H,m),0.58−0.62(1H,m),0.69−0.80(2H,m),1.06(3H,s),1.22−1.33(1H,m),1.57−1.63(1H,m),2.42(3H,s),3.14(1H,d,J=9.8Hz),3.35(1H,d,J=9.6Hz),3.65(1H,d,J=9.6Hz),3.89(1H,d,J=9.8Hz),4.04−4.09(1H,m),4.93−5.11(1H,m),7.06(1H,d,J=9.1Hz),7.99(1H,d,J=9.1Hz),8.45(1H,d,J=2.9Hz).
元素分析;C2124FN33・1.25H2Oとして:
計算値:C,61.83;H,6.55;F,4.66;N,10.30.
実測値:C,61.65;H,6.30;F,4.77;N,9.88.
MS(FAB)m/z:386(M+H)+
IR(ATR)ν:1718,1608,1572,1508,1460,1429,1390,1358,1317,1279,1259,1196cm-1
[実施例30]
7−[(7S)−7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル]−1−シクロプロピル−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
(7S)−7−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン(524mg,2.31mmol)、1−シクロプロピル−7−フルオロ−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸(503mg,1.925mmol)、トリエチルアミン(0.537mL,3.85mmol)、およびジメチルスルホキシド(6mL)の混合物を窒素置換下、75℃のオイルバスで5日間、さらに85℃のオイルバスで2日間加熱攪拌した。反応液へ10%クエン酸水溶液(10mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を水(10mL×2)、および飽和食塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:10g、クロロホルム→クロロホルム:メタノール=98:2にて溶出)で精製し、微黄色泡状固体を得た。精製した微黄色泡状固体を室温下で濃塩酸(8mL)に溶解し、得られた酸性水溶液を6規定塩酸で洗浄しながら分液ロートに移した後、クロロホルム(50mL×8)で洗浄した。水層に氷冷下で10mol/l水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH12.0とし、次いで塩酸でpH7.4に調整後、クロロホルム:メタノール=9:1混合溶媒(100mL×3)で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物をエタノールから再結晶精製し、減圧乾燥して標記化合物268mg(0.641mmol,2ステップ,33%)を淡黄色粉末として得た。
mp:227−230℃.
[α]D 25.0=−38.9゜(c=0.211,0.1NNaOH).
1H−NMR(400MHz,0.1NNaOD)δppm:0.53(2H,m),0.72(2H,m),0.79(2H,m),1.08(3H,s),1.15(1H,m),2.41(3H,s),3.35(1H,d,J=10.0Hz),3.40(1H,d,J=9.6Hz),3.49(1H,d,J=9.8Hz),3.57(1H,d,J=9.8Hz),4.04−4.07(1H,m),7.01(1H,d,J=9.1Hz),7.95(1H,d,J=9.1Hz),8.56(1H,s).
元素分析;C212533・1.0EtOH・0.25H2Oとして:
計算値:C,66.09;H,7.60;N,10.05
実測値:C,66.38;H,7.48;N,10.26.
MS(FAB)m/z:368(M+H)+
IR(ATR)ν:2964,2916,2850,1711,1610,1545,1508,1466,1427,1390,1352,1313,1254,1194cm-1
[実施例31]
7−[(3S)−3−アミノ−3−フルオロメチル−4−メチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロ−1−シクロプロピル]−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
(3S)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−フルオロメチル−4−メチルピロリジン(155mg,0.663mmol)と、6,7−ジフルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロ−1−シクロプロピル]−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸・ジフルオロボロン錯体(228mg,0.661mmol)、並びにトリエチルアミン(0.111mL,0.795mmol)をスルホラン(0.8mL)に溶解し、35℃のオイルバスで480時間加熱攪拌した。反応液を濃縮後、エタノール:水=9:1混合溶液(5mL)及びトリエチルアミン(0.5mL)を加えて80℃のオイルバスで30分間加熱撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残留物を酢酸エチル(100mL×2)に溶解し、10%クエン酸水溶液(100mL)及び水(100mL×2)及び飽和食塩水(100mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をショートシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール=99:1→4:1)で精製した。残留物を氷冷下で濃塩酸(10mL)に溶解後、室温で30分間撹拌し、反応液をクロロホルム(100mL×3)で洗浄した。水層に氷冷下10mol/l水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH12とし、次いで塩酸でpH7.4に調整後、クロロホルム(150mL×4)で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をエタノールから再結晶精製し、減圧乾燥して標記化合物24.0mg(0.0558mmol,8%)を淡黄色粉末として得た。
mp:200−203℃.
1H−NMR(400MHz,0.1NNaOD)δppm:1.05(3H,d,J=6.9Hz),1.21−1.33(1H,m),1.61(1H,dt,J=25.2,7.6Hz),2.30−2.40(1H,m),2.51(3H,s),3.22(1H,d,J=10.3Hz),3.48(1H,t,J=8.6Hz),3.54−3.61(1H,m),3.94(1H,dd,J=10.5,1.5Hz),4.06−4.12(1H,m),4.51(2H,d,J=47.4Hz),5.01(1H,ddd,J=64.2,9.1,5.1Hz),7.69(1H,d,J=14.5Hz),8.45(1H,d,J=3.7Hz).
元素分析;C2022333・0.25EtOH・0.5H2Oとして:
計算値:C,57.27;H,5.74;N,9.77.
実測値:C,57.17;H,5.74;N,9.56.
MS(ESI)m/z:410(M+H)+
IR(ATR)ν:3400,3367,3089,2964,2883,1711,1618,1508,1468,1435,1356,1321,1259,1227,1178,1130cm-1
[参考例102]
5−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸第三級ブチル
羽撹拌下、文献(Culbertson T.P., Domagala J.M., Nichols J.F., Priebe S., and Skeean R.W., J.Med.Chem., 1987, 30, 1711-1715.)記載の方法によって得た5−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸(1165g,4.994mol)のジクロロメタン(10L)懸濁液にO−第三級ブチル−N,N'−ジイソプロピルウレア(3020g,15.00mol)を室温で加えた後、内温の上昇と還流の開始を認めた後、氷水浴で冷却した。反応液を室温まで冷却した後、氷水浴を外して1時間、次いで40℃で加熱しながら3時間撹拌した。次いで、反応液を氷水浴で冷却して1時間撹拌した後、不溶物をろ去し、ろ液を減圧乾固して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:4kg;溶離液,ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製し、標記化合物(3位異性体混合物)925.2g(64%)を淡黄色シロップとして得た。ピロリジンの3位に由来した各ジアステレオマーは容易に分取可能であったが、次工程がエピメリ化を伴う反応であることから分取せず使用した。下記には、別途分取した異性体の各々の1H−NMRスペクトルを示す。
低極性異性体:
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.45(9H,s),1.54(3H,d,J=7.08Hz),2.59−2.74(2H,m),2.95−3.03(1H,m),3.14(1H,dd,J=9.77,8.79Hz),3.49(1H,dd,J=9.77,6.35Hz),7.26−7.36(5H,m).
高極性異性体:
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.36(9H,s),1.53(3H,d,J=7.32Hz),2.59−2.75(2H,m),3.02−3.11(1H,m),3.16(1H,dd,J=10.01,5.62Hz),3.51(1H,dd,J=10.01,8.54Hz),7.24−7.36(5H,m).
[参考例103]
(3S)−3−メチル−5−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸第三級ブチル
窒素ガス雰囲気下、5−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸第三級ブチル(30.05g,0.104mol)のN,N'−ジメチルホルムアミド(210mL)溶液に、攪拌下、ヨードメタン26.0mL(59.28g,0.418mol)、次いで水素化ナトリウム(55%油性、11.35g,0.260mol)を室温で加えた。内温が上昇して約50℃に達した時、氷水浴で30℃まで冷却し、次いで外温17℃の水浴に切り替えて23時間撹拌した。反応液を冷クエン酸水溶液(10%クエン酸1Lと氷500gの混合水)に注ぎ、30分間撹拌した後、酢酸エチル(800mL,500mL)で抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧乾固した。残留物をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(ヘキサン:酢酸エチル=5:1→4:1溶出部)、高極性異性体として標記化合物10.63g(33.7%)を白色固体として得た。また、低極性異性体として(3R)−3−メチル−5−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸第三級ブチル14.91g(47.3%)を得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.34(12H,s),1.52(3H,d,J=7.10Hz),2.27(1H,d,J=17.0Hz),2.93(1H,d,J=17.0Hz),3.05(1H,d,J=10.1Hz),3.32(1H,d,J=10.1Hz),5.50(1H,q,J=7.1Hz),7.23−7.38(5H,m).
[参考例104]
(3S)−4−[2−(第三級ブチルジメチルシリル)ヒドロキシエチル]−3−メチル−5−オキソ−1−[(1R)−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸第三級ブチル
(3S)−3−メチル−5−オキソ−1−[(1R)−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸第三級ブチル(30.0g,98.9mmol)、および第三級ブチル(2−ヨードエトキシ)ジメチルシラン(36.8g,129mmol)の無水テトラヒドロフラン(288mL)溶液へ、−4℃でリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(1.0Mテトラヒドロフラン溶液,129mL,129mmol)を滴下し、2℃で3.5時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液(300mL)を加え、酢酸エチル(300mL,200mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水(200mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧乾固して、標記化合物54.1gを得た。尚、本成績体は、精製せずに次の工程に使用した。
MS(ESI)m/z:363(M−Boc+H)+
[参考例105]
(3S)−4−(2−ヒドロキシエチル)−3−メチル−5−オキソ−1−[(1R)−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸第三級ブチル
前述のシリル体粗生成物(54.1g,98.9mmol)をテトラヒドロフラン(450mL)に溶解し、氷冷下、フッ化テトラブチルアンモニウム、1.0mol/Lテトラヒドロフラン溶液(148mL,148mmol)を滴下した後、室温で2時間攪拌した。反応液を濃縮後、酢酸エチル(200mL,100mL)で抽出した。有機層を10%炭酸水素ナトリウム水溶液(200mL)、クエン酸水溶液(300mL)、および飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧乾固した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(へキサン−酢酸エチル=6:1→4:1→1:1溶出部)で精製し、標記化合物29.1g(83.9mmol,85%)を無色透明シロップ状物質として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.28(3H,s),1.40(9H,s),1.51−1.53(1H,m),1.53(3H,d,J=7.1Hz),1.78−1.94(2H,m),2.90−3.08(2H,m),3.67−3.75(1H,m),3.80−3.91(1H,m),4.85−4.89(1H,m),5.43−5.53(1H,m),7.27−7.37(5H,m).
MS(ESI)m/z:348(M+H)+
[参考例106]
3S)−4−[2−(ベンゼンスルホニル)オキシエチル]−3−メチル−5−オキソ−1−[(1R)−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸第三級ブチル
(3S)−4−(2−ヒドロキシエチル)−3−メチル−5−オキソ−1−[(1R)−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸第三級ブチル(29.1g,83.9mmol)のジクロロメタン(280mL)溶液に、氷冷下、トリエチルアミン(15.2mL,109mmol)、塩化ベンゼンスルホニル(11.8mL,92.3mmol)、および4−ジメチルアミノピリジン(1.02g,8.39mmol)を加え、混合物を室温で19時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液(280mL)を加え、有機層を分離して溶媒を減圧下に留去し、残留物を酢酸エチル(280mL,180mL)に溶解後、先の飽和塩化アンモニウム水溶液で再び洗浄した。有機層を1mol/L塩酸水溶液(250mL)、飽和重曹水(250mL)、飽和食塩水(200mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、ろ液を減圧乾固し、標記のベンゼンスルホニル体粗生成物(43.7g)を得た。尚、本成績体は精製せずに次の工程に使用した。
MS(ESI)m/z:510(M+Na)+
[参考例107]
(7S)−7−メチル−4−オキソ−5−[(1R)−フェニルエチル]−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−7−カルボン酸第三級ブチル
前述のベンゼンスルホニル体粗生成物(43.7g,83.9mmol)の無水テトラヒドロフラン(470mL)溶液に、氷冷下、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、1.0mol/Lテトラヒドロフラン溶液(109mL,109mmol)を加え、混合物を室温で1時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液(300mL)を加え、酢酸エチル(300mL,200mL)で抽出し、有機層を飽和食塩水(200mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧乾固した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1→2:1にて溶出)で精製して、標記化合物24.6g(89%、2工程)を白色固体として得た。
mp:55−57℃.
[α]D 25.1=122.1゜(c=0.517,CHCl3).
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:0.72−0.77(1H,m),0.85−0.90(1H,m),1.04−1.13(2H,m),1.18(3H,s),1.32(9H,s),1.54(3H,d,J=7.1Hz),3.08(1H,d,J=9.8Hz),3.53(1H,d,J=9.8Hz),5.52(1H,q,J=7.1Hz),7.26−7.34(5H,m).
元素分析;C2027NO3として:
計算値:C,72.92;H,8.26;N,4.25.
実測値:C,72.64;H,8.27;N,4.06.
MS(FAB)m/z:330(M+H)+
HRMS(FAB)m/z:330.2069(Calcd for C2028NO3 330. 2069).
IR(ATR)ν:3066,2976,2933,2879,1720,1676,1481,1454,1433,1365,1329,1286,1238,1203cm-1
本化合物について7位の配位を決定するべくX線構造解析を実施した。その詳細は図3のとおりであった。
データ収集後、直接法で初期位相を決定し、完全行列最小自乗法で位相精密化を行った。精密化の際、非水素原子は非等方性温度因子を適用し、水素原子は計算で位置を決定して座標を固定した。本化合物中には不斉炭素が2個存在するが、そのうち1個の不斉炭素の絶対配置は既知であった。この絶対配置をもとに他方の不斉炭素の絶対配置を決定した。得られた結果を図3に示す。すなわち、標題化合物の7位に関する配位が(S)であることが確定された。そして、この化合物を経由して調製される一連の化合物の配位も決定されることとなった。
[参考例108]
(7S)−7−メチル−4−オキソ−5−[(1R)−フェニルエチル]−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−7−カルボン酸
(7S)−7−メチル−4−オキソ−5−[(1R)−フェニルエチル]−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−7−カルボン酸第三級ブチル(24.5g,74.4mmol)のジクロロメタン(120mL)溶液に、氷冷下、トリフルオロ酢酸(120mL)を滴下し、2時間撹拌した。反応混合物を減圧乾固し、残留物にトルエン(20mL)を加えて減圧乾固した後、氷冷下、残留物を1mol/l水酸化ナトリウム水溶液(300mL)に溶解した。この水溶液を酢酸エチル(350mL)で洗浄後、水層に氷冷下濃塩酸(25mL)を加えてpH2〜3とし、クロロホルム(300mL×2)で抽出した。有機層を水(200mL)及び飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物にトルエン(20mL)を加えて減圧乾固した後、残留物をクロロホルム(20mL)に懸濁し、ヘキサン(200mL)を加え、結晶化させた。析出した固体をヘキサン(100mL)で洗浄後、減圧乾燥して標記化合物20.48g(定量的)を白色固体として得た。本成績体は精製せずに次工程に使用した。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:0.78−0.83(1H,m),0.90−0.95(1H,m),1.08−1.18(2H,m),1.24(3H,s),1.55(3H,d,J=7.3Hz),3.11(1H,d,J=10.0Hz),3.55(1H,d,J=10.0Hz),5.52(1H,q,J=7.1Hz),7.28−7.32(5H,m).
MS(ESI)m/z:274(M+H)+
[参考例109]
(7S)−7−アミノ−7−メチル−4−オキソ−5−[(1R)−フェニルエチル]−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン
(7S)−7−メチル−4−オキソ−5−[(1R)−フェニルエチル]−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−7−カルボン酸(20.4g,74.4mmol)、およびジフェニルリン酸アジド(17.6mL,81.8mmol)のトルエン(200mL)溶液へ、トリエチルアミン(20.7mL,149mmol)を加え、125℃のオイルバスで1時間加熱攪拌した。反応液を減圧濃縮してイソシアネート体粗生成物を得た。
得られたイソシアネート体粗生成物を1,4−ジオキサン(180mL)に溶解し、水(90mL)、および濃塩酸(90mL)を加えた後、50℃のオイルバスで1時間加熱攪拌した。反応液に水(200mL)を加え、酢酸エチル(200mL)で洗浄後、水層に氷冷下で10mol/L水酸化ナトリウム水溶液(170mL)を加えてpH9〜10とし、トルエン(200mL×2)で抽出した。有機層を飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮して標記化合物15.8g(64.7mmol)を淡黄色油状物として得た。尚、本成績体は、精製せずに次の工程に使用した。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:0.72−0.78(2H,m),0.99−1.10(2H,m),1.08(3H,s),1.53(3H,d,J=7.4Hz),2.82(1H,d,J=9.6Hz),3.27(1H,d,J=9.6Hz),5.56(1H,q,J=7.1Hz),7.14−7.37(5H,m).
[参考例110]
(7S)−7−(第三級ブトキシカルボニルアミノ)−7−メチル−5−[(1R)−フェニルエチル]−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン
前述の(7S)−7−アミノ−7−メチル−4−オキソ−5−[(1R)−フェニルエチル]−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン(15.8g,64.7mmol)をトルエン(82mL)に溶解し、内温が70℃を越えないよう氷冷しながら、ナトリウム水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウム、65%(重量)トルエン溶液(77.6mL,259mmol)のトルエン(6mL)溶液を15分かけて滴下した後に、80℃のオイルバスで10分間加熱攪拌した。反応液を氷冷し、25%(重量)水酸化ナトリウム水溶液(158mL)を滴下して反応を停止させた後、トルエン(135mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水(100mL)で洗浄後、これにジ−第三級ブチルジカーボネート(15.6g,71.2mmol)を加えた。反応液を室温で3時間攪拌後、溶媒を減圧留去して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(へキサン:酢酸エチル=8:1→4:1→1:1にて溶出)で精製し、標記化合物18.0g(73%)を無色透明シロップ状物質として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:0.37−0.49(2H,m),0.62−0.68(1H,m),0.77−0.82(1H,m),1.20(3H,s),1.32(3H,d,J=6.6Hz),1.44(9H,s),2.46(2H,dd,J=33.2,9.3Hz),2.68(1H,d,J=8.8Hz),3.27(1H,q,J=6.6Hz),3.31−3.34(1H,m),4.71(1H,s),7.19−7.34(5H,m).
MS(ESI)m/z:331(M+H)+
[参考例111]
(7S)−7−(第三級ブトキシカルボニルアミノ)−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン
(7S)−7−(第三級ブトキシカルボニルアミノ)−7−メチル−5−[(1R)−フェニルエチル]−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン(18.0g,54.5mmol)のメタノール(180mL)溶液へ10%パラジウム炭素触媒(52.8%含水,9.00g)を加え、水素ガス雰囲気下、室温で18時間攪拌後、さらに40℃のオイルバスで5.5時間撹拌した。触媒をろ去後、溶媒を減圧乾固し、標的化合物の粗生成物13.4g(定量的)を白色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:0.38−0.43(1H,m),0.54−0.61(2H,m),0.74−0.80(1H,m),1.08(3H,s),1.44(9H,s),2.75(1H,d,J=7.6Hz),2.78(1H,d,J=7.1Hz),3.13(1H,d,J=11.5Hz),3.73−3.77(1H,m),4.45(1H,s).
MS(ESI)m/z:227(M+H)+
実施例32
7−[(7S)−7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸


(7S)−7−(第三級ブトキシカルボニルアミノ)−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン(13.4g,54.5mmol)、6,7−ジフルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸・ジフルオロボロン錯体(17.9g,49.5mmol)、およびトリエチルアミン(8.97mL,64.4mmol)をジメチルスルホキシド(52mL)に溶解し、40℃のオイルバスで17時間加熱攪拌した。反応液を冷水(1000mL)に注ぎ、析出した固体をろ取した。この固体にエタノール:水=5:1混合溶液(180mL)、およびトリエチルアミン(15mL)を加えて1.5時間加熱還流した。反応混合物を減圧乾固して得られた残留物を酢酸エチル(150mL×2)に溶解し、10%クエン酸水溶液(200mL)、水(200mL)、飽和食塩水(100mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をクロロホルム:メタノール=9:1混合溶液(100mL)に溶解し、シリカゲル(10g)を加えて1時間撹拌した。シリカゲルをろ去し、クロロホルム:メタノール=9:1混合溶液(50mL×2)で洗浄し、ろ液を合わせて濃縮乾固した。残留物を氷冷下で濃塩酸(200mL)に溶解後、室温で30分間撹拌し、反応液をクロロホルム(400mL×5)で洗浄した。水層に氷冷下10mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH11.8とし、次いで塩酸でpH7.4に調整後、クロロホルム(1000mL×3)で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をエタノールから再結晶精製し、減圧乾燥して標記化合物18.5g(79%)を淡桃色粉末として得た。
本成績体の1H−NMRをはじめとする機器データは、実施例9の化合物のデータと完全に一致した。すなわち、7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル基を有するキノロン誘導体のうち、高活性な化合物である実施例9に記載されたキノロン誘導体の5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル基の7位の立体は、(7S)と判明した。
[試験例1]
本発明化合物の抗菌活性の測定方法は日本化学療法学会指定の標準法に準じて行い、その結果をMIC(マイクログラム/mL)で次の表に示す。なお本発明化合物の他、モキシフロキサシン(MFLX)、特開平2−231475号(特許文献2)記載の化合物である比較化合物1、レボフロキサシン(LVFX)、ガチフロキサシン(GTFX)、およびシプロフロキサシン(CPFX)についてのMIC値を併せて示す(下記の構造は付加物を削除した構造である。)。また、S. aureus, 87037はLVFX耐性MRSAであり、S. pneumoniae, J24はペニシリン中等度耐性菌である。
[試験例2]
本発明の実施例2、3、および9の化合物について、マウス骨髄小核試験を実施した。6週齢Slc:ddY系雄性マウスを一群5匹ずつ使用し、各化合物は、0.1mol/1NaOH/生理食塩水で溶解して希釈した。コントロールとして、0.1mol/1NaOH/生理食塩水溶媒、陽性対照薬剤として、シクロホスフアミド(cyclophoshamide、CP)を生理食塩水で溶解、希釈した薬液を用いた。いずれもマイレツクスGS0.22μmフィルターでろ過滅菌した。各薬液を10mL/kg、0.2mL/mLnの投与速度で単回静脈投与した。
投与後24時間に大脇骨から骨髄細胞を採取、塗沫標本を作成し、アクリルオレンジで染色した。蛍光顛微鏡で個体あたり1000個の多染性赤血球を観察し、小核を有する多染性赤血球の出現頻度および赤血球1000個中の正染性赤血球と多染性赤血球の比を計数した。
その結果、実施例2の化合物は50および100mg/kg、実施例3の化合物は100および150mg/kg、そして実施例9の化合物は50,100および150mg/kgの各投与群のいずれの場合もコントロールと小核誘発率に優位差は見られず、判定結果は陰性であった。すなわち、本発明の化合物は、遺伝毒性評価のインビボマウス骨髄小核試験における小核誘発作用が極めて弱く、安全性が高いことが判明した。
[試験例3]
本願発明の実施例2、3および9に記載の化合物について、経口投与した後の血中濃度、臓器中濃度を以下に記載の方法で実施した。また、同じ方法によって比較化合物についても測定を行った。
被験物質を絶食ラット(Crj:CD IGS;雄;7週齢;日本チャールス・リバー)に5mg/kgの用量で経口投与した。
吸収試験群(1群3匹)は、薬剤投与後、0.25,0.5,1,2,4,または8時間後にエーテル麻酔下で放血屠殺し、血液、肝、腎、および肺を採材した。血液は凝固後に遠心分離(3000rpm×15分、4℃)により血清を採取した。組織は3〜5mLの0.1mol/1リン酸緩衝液(pH7.0)を加えた後にホモジナイズし、その遠心上清(3000rpm×15分、4℃)を採取した。
***試験群(1群3匹)は薬剤投与後、代謝ケージに入れ、0から4時間、4から24時間の蓄尿を水冷下で採取するとともに、採材時点でケージ内を約15mLの0.1mol/1リン酸緩衝液(pH7.0)で洗い、ケージ内に付着した尿を回収した。また、グルクロナイド等の抱合体を検討するため、試料の一部を分取して等量の1mol/1水酸化ナトリウム水溶液で加水分解した後に0.5mol/1塩酸で中和したものについても濃度測定を実施した。濃度測定はLC−MS/MS法で実施した。
各薬剤のラットにおける薬物動態パラメータは、平均濃度推移をもとに薬物動態解析ソフトPSAG−CP(アスメデイカ)を用いて、モデルに依存しない方法で算出した。
ラットと同様にして実施例9の化合物、比較化合物1、およびMFLXについて、雌性カニクイザル、1群3匹として、5mg/kgの投与量を絶食後、単回経口投与して血清中の未変化体濃度、さらに尿中***量を測定した。測定はLC−MS/MS法で実施した。
本発明化合物、特に実施例9の化合物、は比較化合物1と比べて血中濃度、組織濃度、およびAUCの各データから明らかなように、経口投与による血中濃度および組織内濃度は約2倍であり、AUC値も1.5から2倍を示しており、経口吸収性と組織移行性に優れていることが明らかとなった。さらに、尿中***率についても約1.5倍と、尿中***にも優れていた。この特性は、カニクイザルでさらに顕著で、血中への移行は約2.5倍、尿中***率も2倍強と優れた特性を示した。
実施例9の化合物とMFLXは、ラットでは同等の挙動を示したが、カニクイザルでは実施例9の化合物が血中移行および尿中***に関して顕著に優れており、実施例9の化合物は単に優れた体内動態を示すだけではなく、動物の種を超えて優れた動態を示すことが明らかである。
[試験例4]
大槽内投与時の痙攣誘発活性をUeda et al.の方法に(Eur. J. Pharmacol., 1979, 56,265-268)に準じ、被験物質を、1群6匹、Slc:ddy系雄性マウスの大槽内に投与し,個別ケージ内にて痙攣および死亡の有無を30分後まで観察した。被験物質は1%乳酸水溶液5μlに溶解し、投与量はマウス1匹あたり5,15,または50μgである。
さらに、マウス大槽内投与時における痙攣誘発作用を4−ビフェニル酢酸(BPAA:フェンブフェンの活性代謝物)併用時/非併用時において検討した。試験法:Slc:ddY系マウス、4週齢、雄、6匹/群、5,μg/5μL/mouse,i.cist.(溶媒0.5%乳酸)。投与直後より、痙攣および死亡の有無を30分後まで観察した。BPAA併用時は、BPAAを5%CMCに懸濁し、400mg/kgを10mL/kgの液量で経口投与し、その30分後に被験物質を大槽内投与した。
本発明化合物の痙攣発現活性は、高用量では比較化合物1よりは痙攣発現頻度が高かったが、臨床で広範に使用されているシプロフロキサシン(CPFX)よりも弱く、痙攣発現性においてはこれ以下の優れた安全性であることが判明した。さらに、フェンブフェンとの併用投与のモデルであるビフェニル酢酸を併用した試験では、シプロフロキサシンでは痙攣の増強および死亡例が発現するが、実施例9の化合物では痙攣の増強および死亡例の発現のいずれも認められず優れた安全性であることが示された。
[試験例5]
遅延型アレルギー反応のモデルとされるモルモットマキシマイゼーション試験(GPMT)を、Mugnussonらの方法(J. invest. Dermatol., 52, 1969)に従って実施した。薬物の皮膚投与感作濃度は1%であり、貼付感作および誘発濃度は10%を用いた。1日目に刈毛したモルモット(Slc:Hertley,雌,7週齢)の頭背部に被験物質(各キノロン化合物、コントロール:Vehicle,Baseline)を皮内投与(1%生理食塩水溶液+FCAエマルジョン)し、感作した。7日目にラウリル硫酸ナトリウム(SLC)塗布により刺激処理(アジュバンド処理)後、翌日、被験物質を塗付したろ紙を刈毛した皮膚に貼り、閉塞感作し、48時間後(10日日)に塗付除去した。その際、皮膚反応を観察した。22日目に被験物質(10%)を腹側部への貼付により誘発し、24時間後に誘発貼付を除去した。その翌日(24日目)および翌々日(25日目)に皮膚反応を判定した。皮膚反応を上記文献の記載に従って紅疹(erythema)と浮腫(edema)をスコア化し、これらのトータルスコアが2以上を陽性と判定した(スコアの最大値は7である。)。
実施例9の化合物はGPMT陰性(スコア0)であることが確認された。一方、比較化合物1はスコア6.8とスコアがほぼ最大値である陽性を示した。また、米国において近年上市されたジェミフロキサシン(ジェミフロキサシン メシレート;商品名:FACTIVETM)は、市中肺炎および慢性気管支炎の急性憎悪を対象とした第3相臨床試験において、副作用として薬疹(rash)が頻発し、さらにこの薬疹は、反復投与7日目以降に高発現すること(が報告された。このジェミフロキサシンも、比較化合物1と同じくスコア値がほぼ最大値であるスコア6.8とGPMT陽性であることが判明した。薬疹の発現が報告されたジェミフロキサシンがGPMT陽性を示すことから、GMPT陰性である本発明化合物では薬疹発症リスクが低いことが示唆された。
[試験例6]
キノロン系抗菌剤の副作用として臨床で最近報告されている心毒性(致死的不整脈を誘発する心電図異常であり、QTもしくはQTc延長作用として観察される異常)に関するイン ビトロの標準評価系であるhERG−K+チャネル電流阻害作用を、文献(バイオフィジカル ジャーナル,第74巻,230頁,1998年)記載の方法に従って実施して評価した。
臨床においてQTもしくはQTc延長作用が報告されているMFLXおよびGTFX、さらには比較化合物1と比較して、本発明化合物ではhERG−K+チャネル電流阻害作用が非常に弱いことが明らかとなった。
[試験例7]
CYP3A4に対する代謝依存的阻害(MBI:metabolism-based inhibition)を、ミダゾラムの1位水酸化反応の阻害を指標として実施した結果、比較化合物1はプレインキュベーション時間と薬物濃度に依存した顕著な阻害活性を示したのに対し、実施例9の化合物では高濃度であっても阻害の程度は弱いものであった。
CYPの阻害による薬物間相互作用には幾つかの機構があるが、併用薬物の代謝物がCYPと安定な複合体を生成することによる阻害、もしくは、併用薬物の代謝物がヘムあるいはアポタンパク質部分と結合してCYPを不活性化することによる阻害は非可逆的阻害反応であり、併用薬物の投与中止後もしばらく阻害が持続する場合もあり、重篤な副作用に繋がる。この非可逆的阻害反応は、メカニズム依存性阻害または代謝依存的阻害と呼ばれる。ヒトにおいて医薬品の代謝に関わるCYP分子種のうち、CYP3A4は臨床応用されている薬物の5割以上の代謝に関与している[非特許文献:薬物代謝学,第2版,東京化学同人(2000年)]。したがってこれに対するMBI作用を示す薬剤は薬物間相互作用のリスクが高いと考えられる。
例えば、細菌性呼吸器感染症治療薬として頻用されているクラリスロマイシンは、CYP3A4に対するMBI作用が知られており(上記文献)、抗ヒスタミン薬のテルフェナジンと併用すると、このもののCYP3A4による代謝がクラリスロマイシンによって阻害されるために血中濃度が上昇し、心電図QT延長、心室性不整脈、時には心停止がみられ、併用禁忌となっている。しかしながら、実施例9の化合物は、高濃度供試時においても、MBIが明らかに弱いこと(薬剤の臨床使用想定濃度から推察して、有意に安全域がとれている。)が判明した。したがって、本発明化合物は臨床上、CYP3A4に対するMBI作用に基いた薬物間相互作用による副作用発現リスクが非常に小さいと推察される。
[試験例8]
ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)によるマウス肺局所感染モデルを用いて、実施例9の化合物と比較化合物1を経口投与してこれらの治療効果を比較した。
雄性CBA/JNCrlj系マウス(3-4週齢、日本チャールス゛リハ゛ー:1群4匹)に、トッドヒューイット液体培地を用いて嫌気培養したPRSP 033806株を、ケタミン・キシラジン混合液麻酔下で点鼻接種した。この感染モデルに実施例9の化合物および比較化合物1を、それぞれ図2中の用量(25、50および100mg/kg/day)を感染2および8時間後に経口投与した(1日のみの治療、1日量として50、100および200 mg/kg/day)。無処置対照群には、注射用蒸留水を投与した。
薬剤投与直前の無処置群(感染2時間後、pre-control)、薬剤投与翌日の無処置群(感染翌日、post-control)および薬剤投与群の肺内菌数を測定し、治療効果の指標とした。
図2から明らかなように、供試菌に対する実施例9の化合物の試験管内抗菌活性は比較化合物1のそれのおよそ1/4であったが、PRSPマウス肺局所感染モデルにおける実施例9の化合物による経口投与時の治療効果は、全ての同一用量投与群において比較化合物1と有意差は認められなかった。
[試験例9] ラット単純性膀胱炎モデル(大腸菌)における治療効果
感染モデル:前日から絶水したラット(Crl: CD(SD) (IGS)系、雌、7週齢、日本チャールズリバー、1群4匹)にケタミン・キシラジン混合麻酔を施した後、大腸菌E77156株を経尿道的に膀胱内に接種した(1.2×107 CFU/rat)。接種後は、菌液の排出を防ぐ目的で、尿道口を2時間閉塞し、閉塞解除と同時に給水を再開した。
薬剤投与:実施例9の化合物および比較例化合物1を、各々、5、20および80mg/kgの投与量で感染翌日に単回経口投与した。
有効性評価:薬剤投与直前、薬剤投与翌日の無処置群(感染2日後)および薬剤投与群の膀胱内菌数を測定し、治療効果の指標とした。
結果:治療開始時に比較して有意な菌数の減少が認められたのは実施例9の化合物の20および80 mg/kg/day投与群のみであった。また、5 mg/kg/day投与群での同化合物の治療効果は、比較化合物1に比較して有意に強いものであった。この様に実施例9の化合物は比較化合物1よりも優れた治療効果を発揮できる化合物であることが明らかとなった(図4)。
[試験例10]
本発明化合物についての抗結核菌活性を、日本化学療法学会の標準法に従って測定し(化学療法学会誌1981年、第29巻、page 76-79)その結果を表9および10にMIC(μg/ml)で示した。本発明化合物は結核菌に対して優れた抗菌活性を示した。
比較化合物1と実施例9の化合物のCYP3A4に対するMBI作用を示す図である。 比較化合物1と実施例9の化合物のPRSPマウス肺局所感染モデルにおける治療効果を示す図である。 参考例107で得られた化合物のX線構造解析の結果を示す図である。 大腸菌によるラット単純性膀胱炎モデルにおける実施例9の化合物および比較化合物1の治療効果を示す図である。

Claims (19)

  1. 下記の式(I)で表わされる化合物、その塩、またはそれらの水和物。
    [式中、R1 および2は、水素原子を
    3は、ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素数1から6のアルキル基を
    4およびR5は、 4 およびR 5 のいずれか一方が水素原子を示し、もう一方がフッ素原子、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、シクロプロピル基、フルオロメチル基、メトキシ基、ビニル基、またはエチニル基を示すが、
    これらの置換基R4およびR5は一体化して、
    (a)これらが結合する炭素原子を含んで、3員環から6員環の環状構造を形成してピロリジン環と共にスピロ環状構造を形成してもよく、または、
    (b)ピロリジン環に二重結合によって結合するエキソメチレン基を形成してもよく;
    6およびR7は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1から6のアルキル基を示し;
    8は、1,2−シス−2−ハロゲノシクロプロピル基を示し(但しX 2 と一体化して構造*−O−CH 2 −CH(−CH 3 )−**を形成する場合を除く)
    9は、水素原子、フェニル基、アセトキシメチル基、ピバロイルオキシメチル基、エトキシカルボニル基、コリン基、ジメチルアミノエチル基、5−インダニル基、フタリジニル基、5−アルキル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イルメチル基、3−アセトキシ−2−オキソブチル基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数2から7のアルコキシメチル基、または炭素数1から6のアルキレン基とフェニル基とから構成されるフェニルアルキル基を示し;
    1は、水素原子またはハロゲン原子を示し;
    Aは、式(II)
    (式中、X2は、メチル基またはメトキシ基を示すが、上記のR8 一体化して構造*−O−CH 2 −CH(−CH 3 )−**(*は、式(II)中のX 2 と隣接する炭素原子と結合する位置を示し、**は、式(I)のR 8 と隣接する窒素原子と結合する位置を示す)を形成してもよ。)
    で表わされる部分構造を示す。]
  2. 式(I)で表わされる化合物が、下記式で表わされる化合物である請求項1に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物。
    [式中、R1,R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、X1、およびAは請求項1に記載の定義と同じ。]
  3. 式(I)において、R3が、メチル基またはエチル基である請求項1または2に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物。
  4. 式(I)において、R4およびR5のいずれか一方が水素原子であり、もう一方がフッ素原子、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、シクロプロピル基、フルオロメチル基、メトキシ基、ビニル基、またはエチニル基である請求項1からのいずれか一項に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物。
  5. 式(I)において、R4およびR5が一体化して、これらが結合する炭素原子を含んでシクロプロパン環、またはシクロブタン環を形成してスピロ環状構造を形成した請求項1からのいずれか一項に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物。
  6. 式(I)において、R4およびR5が一体化してエキソメチレン基を形成した請求項1からのいずれか一項に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物。
  7. 式(I)において、X1が、フッ素原子である請求項1からのいずれか一項に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物。
  8. 式(II)におけるX2が、メチル基またはメトキシ基であり、式(I)におけるR 8 が、1,2−シス−2−ハロゲノシクロプロピル基である請求項1からのいずれか一項に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物。
  9. 式(I)において、R8が、立体化学的に単一な1,2−シス−2−ハロゲノシクロプロピル基である請求項に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物。
  10. 式(I)において、R8である1,2−シス−2−ハロゲノシクロプロピル基が、(1R,2S)−2−ハロゲノシクロプロピル基である請求項に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物。
  11. 式(I)において、R8である(1R,2S)−2−ハロゲノシクロプロピル基が、(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル基である請求項10に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物。
  12. 式(I)の化合物が下記式
    [式中、R1,R2、R3、R4、R5、R6、R7、R9、およびX1は請求項1に記載の定義と同じ。]
    で表わされる化合物である請求項1に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物。
  13. 式(I)において、R9が、水素原子である請求項1から12のいずれか一項に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物。
  14. 式(I)の化合物が、立体化学的に単一な化合物である請求項1から13のいずれか一項に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物。
  15. 7−[3−アミノ−3,4−ジメチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
    7−[3−アミノ−3,4−ジメチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
    (3S)−10−[3−アミノ−3,4−ジメチルピロリジン−1−イル]−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1.2.3−de][1,4]ベンズオキサジン−6−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
    7−[3−アミノ−4−エチル−3−メチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
    7−[3−アミノ−4−エチル−3−メチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
    (3S)−10−[3−アミノ−4−エチル−3−メチルピロリジン−1−イル]−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1.2.3−de][1,4]ベンズオキサジン−6−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
    7−[3−アミノ−3−メチル−4−イソプロピルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
    7−[3−アミノ−3−メチル−4−イソプロピルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
    (3S)−10−[3−アミノ−3−メチル−4−イソプロピルピロリジン−1−イル]−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1.2.3−de][1,4]ベンズオキサジン−6−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
    7−[3−アミノ−4−シクロプロピル−3−メチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
    7−[3−アミノ−4−シクロプロピル−3−メチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
    (3S)−10−[3−アミノ−4−シクロプロピル−3−メチルピロリジン−1−イル]−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1.2.3−de][1,4]ベンズオキサジン−6−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
    7−[3−アミノ−3−メチル−4−ビニルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
    7−[3−アミノ−3−メチル−4−ビニルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
    (3S)−10−[3−アミノ−3−メチル−4−ビニルピロリジン−1−イル]−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1.2.3−de][1,4]ベンズオキサジン−6−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
    7−[3−アミノ−4−メチレン−3−メチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
    7−[3−アミノ−4−メチレン−3−メチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
    (3S)−10−[3−アミノ−4−メチレン−3−メチルピロリジン−1−イル]−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1.2.3−de][1,4]ベンズオキサジン−6−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
    7−[3−アミノ−4−フルオロメチル−3−メチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
    7−[3−アミノ−4−フルオロメチル−3−メチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
    (3S)−10−[3−アミノ−4−フルオロメチル−3−メチルピロリジン−1−イル]−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1.2.3−de][1,4]ベンズオキサジン−6−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
    7−[(3R)−3−アミノ−3−メチル−4−メチレンピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
    7−(3−アミノ−4−メトキシ−3−メチルピロリジン−1−イル)−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
    7−(3−アミノ−4−メトキシ−3−メチルピロリジン−1−イル)−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
    7−[(3S,4S)−3−アミノ−4−フルオロメチル−3−メチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロ−1−シクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
    7−[(3S,4S)−3−アミノ−4−フルオロメチル−3−メチルピロリジン−1−イル]−1−シクロプロピル−6−フルオロ−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
    7−[(3S,4S)−3−アミノ−4−フルオロメチル−3−メチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロ−1−シクロプロピル]−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
    7−[(3S,4S)−3−アミノ−4−フルオロメチル−3−メチルピロリジン−1−イル]−1−シクロプロピル−6−フルオロ−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
    7−[(3R)−3−アミノ−4−フルオロ−3−メチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロ−1−シクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
    7−[(3R)−3−アミノ−4−フルオロ−3−メチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロ−1−シクロプロピル]−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
    7−[(3S)−3−アミノ−3−フルオロメチル−4−メチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロ−1−シクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
    7−[(3S)−3−アミノ−3−フルオロメチル−4−メチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロ−1−シクロプロピル]−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
    7−[7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
    7−[7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
    (3S)−10−[7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル]−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1.2.3−de][1,4]ベンズオキサジン−6−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
    7−[8−アミノ−8−メチル−6−アザスピロ[3.4]オクタン−5−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
    7−[8−アミノ−8−メチル−6−アザスピロ[3.4]オクタン−5−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
    (3S)−10−[8−アミノ−8−メチル−6−アザスピロ[3.4]オクタン−5−イル]−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1.2.3−de][1,4]ベンズオキサジン−6−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
    7−[(7S)−7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル]−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
    7−[(7S)−7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル]−1−シクロプロピル−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
    7−[(7S)−7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル]−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;および7−[(7S)−7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル]−1−シクロプロピル−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物から選ばれる化合物。
  16. 7−[7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
    7−[7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
    (3S)−10−[7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル]−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1.2.3−de][1,4]ベンズオキサジン−6−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
    7−[8−アミノ−8−メチル−6−アザスピロ[3.4]オクタン−5−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
    7−[8−アミノ−8−メチル−6−アザスピロ[3.4]オクタン−5−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
    (3S)−10−[8−アミノ−8−メチル−6−アザスピロ[3.4]オクタン−5−イル]−9−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1.2.3−de][1,4]ベンズオキサジン−6−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
    7−[(7S)−7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル]−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
    7−[(7S)−7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル]−1−シクロプロピル−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;および7−[(3S)−3−アミノ−3−フルオロメチル−4−メチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロ−1−シクロプロピル]−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物から選ばれる化合物。
  17. 7−[7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物。
  18. ピロ二環性置換基上にアミノ基が置換した部位の絶対配置が、(S)である請求項17に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物。
  19. 7−[(7S)−7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物。
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