JP5062816B2 - 反射型断層撮影装置 - Google Patents
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Description
X線撮影装置で得られる像は、あくまで透過像であり、被計測体のX線進行方向の情報は、重ねあわされて検出される。そのため、被計測体の内部構造を3次元的に知ることができない。また、X線は人体に有害であるため、年間被爆線量が決められており、資格を持った術者しか装置を扱えない上に、鉛・鉛ガラスなどの遮蔽部材に囲まれた部屋でしか使用できない。
口腔内カメラは、口腔内組織の表面のみを撮像するので、歯等の内部情報が得られない。X線CTは、X線撮影装置と同様人体に有害である上に、分解能が悪く、装置も大型かつ高価である。MRIは、分解能が悪く、装置が大型かつ高価である上に、水分のない歯の内部構造は撮影できない。
また、特に光コヒーレンストモグラフィー装置(以下、OCT装置と称する)は、人体に無害で、被計測体の3次元情報が高分解能で得られるため、角膜や網膜の断層計測等の眼科の分野で応用されている。なお、OCTは、Optical coherence tomographyの略である。また、光コヒーレンストモグラフィー装置は、光学干渉断層撮影装置と呼ばれることもある。また、歯科分野においても光コヒーレンストモグラフィー装置を応用した発明考案がなされている。(特許文献1〜4、特許文献5〜8参照)
ここで、OCT装置の基本構成について説明する。
本発明にかかる歯科用光コヒーレンストモグラフィー装置の形態を図1を持って説明する。図1において、時間的に低コヒーレントまたはコヒーレントな光源1と、ファイバーカップラー2a(光分割部・干渉部)と、参照ミラー3と、光検出器4(光検出部)と、コンピュータ5(演算部)をOCTの基本構成として示している。光源は例えばある方式では、時間的に非コヒーレントで一定の幅の波長成分を持つ空間的にはコヒーレントなスーパールミネッセントダイオードを、別の方式では波長走査光源を用いる。
この基本構成において、光源よりファイバーカップラーへ至る光を光源光、ファイバーカップラーより参照ミラーへ至り参照ミラーから反射して再びファイバーカップラーへ戻る光を参照光、ファイバーカップラーより被計測体Tへ至る光を計測光、被計測体各部より反射して再びファイバーカップラーへ戻る光をz方向物体反射光、ファイバーカップラーより光検出器4および光源1へ至る光を干渉光という。
これらx・y・zの各方向の情報を得るために、x方向およびy方向に計測光束を走査するためのガルバノミラー8−1〜2を用いる。z軸方向の情報を得るための手段は、参照ミラー3を光軸方向に駆動する参照ミラー駆動法と、レンズ7−6の出力側に回折格子を置いてz軸方向の時間軸情報を回折格子の回折方向の空間軸情報に変換し、光検出器4としてCCD等の1〜2次元の撮像素子を用い、コンピュータ5上で時間軸情報すなわちz軸方向情報を再構成するスペクトルドメイン法(従来のフーリエドメイン法)を用いることができる。さらに本発明請求項5に関する構成においては、光源1として可変波長光源を用い、回折格子を用いないスウェプトソース法(新しいフーリエドメイン法)を歯科用OCTに適用し、z方向の情報取得手段としている。これは原理的にスペクトルドメイン法と同等であり、フーリエ変換操作を干渉光で行う代わりに光源光で行うものである。
なお、少なくとも計測光およびz方向物体反射光の導光部および対物レンズ7−7を含む(被計測体Tは含まない)ユニットをプローブユニット(Probe Unit)U2、少なくとも光源のコントロール出力・光検出器4からの入力およびコンピュータ5を含むユニットをPCユニット(PC Unit)U3、少なくとも光源1・ファイバーカップラー2a・参照ミラー3・光検出器4を含むユニットをOCTユニット(OCT Unit)U1とする。
この様なOCT装置によって、非破壊、非接触で生体内部の高分解能な画像を得ることができる。OCT装置の歯科の分野への適用については、OCT装置を用いて、歯の断層を撮影した例が開示されている(例えば、特許文献1〜4、特許文献5〜8、非特許文献1〜9参照)。
上記構成では被写体中のただ1地点のみが計測されるだけであるが、被写体各部の情報を取得するために以下の構成が採用される。まず、1次元の情報取得のためにz方向に走査してz方向の1次元情報を取得するAモード、2次元の情報を取得するためにz方向走査に加えてz方向に垂直で被写体や走査の都合上適宜決めたx方向の走査を加えて2次元情報を取得するBモード、3次元の情報を取得するためにzおよびx双方に垂直なy方向の走査を加えて3次元情報を取得するCモードの走査が必要となる。機械的走査を代替する手法も含めてこれらの走査を如何に行なうかによってタイムドメイン方式、フーリエドメイン方式、ラインフィールド方式、フルフィールド方式等の方式が派生している。フーリエドメイン方式にはスペクトルドメイン方式とスウェプトソース方式がある。これらは計測時間や分解能等の性能の違いも生じている。
フーリエドメイン方式はタイムドメイン方式では失われている計測点を中心とするz方向の一定の範囲の1次元空間上の情報を光速を介した時間軸上情報を経て周波数(もしくは波長)空間上情報に変換してデータ取得し、コンピュータ上で逆フーリエ変換することにより、時間軸もしくはz方向空間軸上情報に変換することによってz方向のAモード計測を実現している。つまりフーリエドメイン方式ではz方向の機械的走査は不要である。フーリエドメイン方式のうち、スペクトルドメイン方式は、干渉光のもつ時間軸上情報(元は被写体のz方向空間軸上情報)を回折格子によって周波数(波長)軸上情報に変換し、1次元以上の光検出器(リニアCCDもしくは2次元イメージセンサ)によって検出する。またフーリエドメイン方式のうち、スウェプトソース方式は、源信号である光源光を時間的にも空間的にもコヒーレントな単一波長としその波長を時間的に走査することにより、回折格子を用いることなく、被写体のz方向空間軸上情報を各波長応答情報に変換して0次元の光検出器で検出するものである。
2次元の断面を得るにはBモード計測が必要であるが、これは多くの場合計測光をガルバノミラーでz方向に垂直なx方向に走査して2次元の断面情報を得ている。さらに多くの場合計測光をzおよびxに垂直な方向であるy方向に走査することで多数のy方向に走査されたBモード断面画像を得ることによりCモード計測を実現している。
以上が一般的なOCTのABC各モードの構成手法である。以下にこれに当てはまらない方法について簡単に述べる。
ラインフィールド方式においては、計測光・後方散乱光および参照光をシリンドリカルレンズ等を使ってz方向1本の光線ではなくx方向に分布させた光帯にしてそのまま後方散乱光と干渉させて光検出器(1次元CCD)で干渉光検出を行なうことでy方向機械走査を代替する。もっとも簡単には光源光を光帯にするのが一般的である。
フルフィールド方式においては、計測光・後方散乱光および参照光をz軸方向に垂直な面内に広げてxとy方向に分布させて干渉させるもので、干渉光を2次元イメージセンサで検出する。この場合、xとy方向の機械的走査は不要である。フルフィールド方式でかつフーリエドメイン方式であればすべての機械的走査が不要であるが、適切な光源が一般に実現していないので、時間的にも空間的にも非コヒーレントなハロゲンランプ等の一般光源をもちいたフルフィールド方式はタイムドメイン方式に限定されており、z方向の機械的走査が必要となっている。
これら従来技術は全て光コヒーレンストモグラフィーの本来機能である断層画像をいかにして得るかということに関する技術である。それに対し、本発明の様な光コヒーレンストモグラフィーを歯科に適用した場合の付加される新しい機能については従来例は存在しない。
またはさらに領域決定表示する場合に、表示された領域または領域の境界の一部分、またはさらに領域の名称について、術者が修正、または追加、または指定、または選択枝の中から選択指定することにより、断層の画像を前期領域分割表示・特定領域強調表示・領域決定表示を行うことを特徴とする反射型断層撮影装置である。
(増幅補正の効果)表示画像を見やすくすることができる。また、同一組成の部位を同一後方散乱強度に補正することで、同一仕様の表示とすることができる。
(屈折率深さ補正の効果)OCTの画像は深さ方向が屈折率で引き伸ばされ、変形した画像である。これを補正することで術者が慣れている形状に近づけ、見やすくすることが出来る。
(特定部位強調)特定部位の詳細データを見やすくすることが出来る。
(深さ方向アーティファクト除去の効果)被写体本来の像を見やすくすることが出来る。
まず、計測域に含まれる計測データの集合から、術者が直接または間接的に指定する一定の後方散乱強度の範囲について後方散乱強度解像度を強調したデータを作成または保存し画像表示することの形態について述べる。解像度を強調する形態としては、計測域における3次元空間上の各計測点における後方散乱強度値によって構成される計測データの強度分布において特定の後方散乱強度の範囲に属するデータについて後方散乱強度の差もしくは空間上の変化を強調する様なデータを生成することである。例えば、後方散乱強度の最大値を100、最小値をゼロとした数値に各データを線形に対応させた場合において0〜40、40〜60、60〜100の対応値をそれぞれ0〜20、20〜80、80〜100に変更することによって、それぞれの範囲にある画像領域の濃淡が強調されるほか、40〜60の範囲にある画像領域の濃淡も強調される。逆に0〜40、60〜100の範囲にある領域の濃淡は減退される。あるいは40〜60の範囲のデータについて、そのデータが3次元的に分布している範囲についてその空間微分値の分布を得て、その微分値の最小値を40に最大値を60に対応させて変更すること等が変化を強調する場合に該当する。空間微分とは深さ方向の微分、横方向、縦方向の微分(以上一次元の微分)、広がり方向の微分(二次元の微分)、三次元空間微分等が考えられる。それぞれ次式による微分になる。Iは後方散乱強度値である。
術者が直接指定する形態は、後方散乱強度に対応する値を術者の操作により決定指定する方法による指定である。術者が間接指定する形態は、術者が部位・組織・材料等のメニューを指定することにより、その部位・組織に対応する後方散乱強度に対応する値を決定指定する方法による指定である。
計測域に含まれる計測データの集合を領域分割表示、または特定領域強調表示、またはさらに領域決定表示する場合に、表示された領域または領域の境界の一部分、またはさらに領域の名称について、術者が修正、または追加、または指定、または選択枝の中から選択指定することにより、前期領域分割表示・特定領域強調表示・領域決定表示を行うことの最良の形態として、歯科用OCTにおいて、得られたデータをデータ処理して、領域分割・領域強調・領域決定を自動的に行うことが大変便利であるが、本請求項に基づく歯科用OCTは、自動的に行われたこれら領域分割・領域強調・領域決定が不完全だったりあるいは間違えていたり、術者による指針情報の提供が必要な場合がある。これらの情報を術者が付与・修正することにより、自動的に行われた領域分割・領域強調・領域決定の表示をより確かなものにすることである。
図2に界面セグメンテーションの実施の概念図を示す。横軸zは計測光の深さ方向の距離または光学的距離を示す。光学的距離とは光の進行時間に光の速さを掛けた距離のことである。縦軸は後方散乱強度を示す。図中の実線や破線(領域境界や軸直線等を除く)は各々のz方向Aモードの後方散乱のz方向プロファイル(各深さzにおける後方散乱強度数値をグラフ化したもの)である。実線はy方向に走査した各z方向プロファイルを奥行き方向に並べたものであり、破線はx方向に走査した各z方向プロファイルを上下方向に並べたものである。すべてのプロファイルを並べると本図に解り易く表現できないので、特定のxz面上およびyz面上のz方向プロファイルのみを描いている。この各々のz方向プロファイルにおいて、zの最も小さい部分(左側)の後方散乱強度がz方向に一定値を保っている部分は、被計測体の表面に計測光が到達する手前の領域つまり空中(必ずしも空中とは限らない。計測ヘッド先端部材や水中、ガラス等の被計測体に接する部分)を示す。またzが増加するにつれて生じている後方散乱強度の急峻なピークは表面からの反射を示す。そこより深い部分のなだらかな増加は、この場合被計測体として歯を想定しているのでこれはエナメル質領域でのプロファイルを示す。さらに深さzが増すにつれてもう一度後方散乱強度のピークが生じ、その後深くなるにつれてなだらかな変化をしている。ここの2つめのピークより深い領域は象牙質でのプロファイルを示す。図2に示したプロファイルは一例であり、実際の歯のすべてがこの様なエナメル質・象牙質領域内でなだらかな変化を示すプロファイルである訳ではない。通常、深さ方向に同一組成が続く場合にはそのプロファイルは指数関数的に減衰していく。この例の様に急激な減少のあとになだらかな増加を示す場合は、エナメル質・象牙質各領域内で後方散乱係数が増加しており、計測光の深さ方向の減衰係数の2倍よりも大きい後方散乱係数のz方向増加率になっていることを示している。
・z方向に変化している略相似の多数の曲線はそれぞれが、ある(x,y)上でのz方向を横軸とした後方散乱強度のプロファイルである。
・各プロファイルで最初の急峻なピークは表面の後方散乱強度を表す。
・このz方向のプロファイルについて、その極大点を求めることが出来る。
・各x,yについてこの極大点を求め、近傍の極大点を連ねると連続した面が得られる。これが特徴面である。
・もっとも顕著な特徴面として表面が得られる。
以上の実施の好ましいバリエーションとしては次の様なものが挙げられる。
・計測域および計測データが3次元の場合、計測域に含まれる3次元の計測データに対して本処理を行って特徴面を得ることは好ましい。
・計測域および計測データが3次元の場合、データに含まれる2次元のBモード断層面データに対して本処理を行なって特徴線を得ることは好ましい。また、Cモードデータ中の複数のBモード断層面から得た複数の特徴線から特徴面を得ることも好ましい。
・計測域および計測データが2次元の場合、データに含まれるBモード断層面データに対して本処理を行なって特徴線を得ることは好ましい。
・計測データに含まれるイレギュラーなノイズやアーティファクトを除去するために、z方向の極大点、極小点、変曲点を計算する前に、計測データに空間的なフィルタリングを行なうことは好ましい。
・計測データに含まれるイレギュラーなノイズやアーティファクトを除去するために、z方向の極大値を与える深さの分布をとり、標準偏差範囲外のデータをその後の近似計算処理の対象外とすることは好ましい。
・計測データに含まれるイレギュラーなノイズやアーティファクトを除去し被写体の界面を的確にトレースするために、極大、極小、変曲となる1次元または2次元に連続した面または面内の線を最小二乗法により滑らかな曲線または局面に近似することは好ましい。
・計測データに含まれる被写体表面より計測ヘッド側のアーティファクトやノイズを取り除くために、局所的に連続な面をデータから除去し、再計算することは好ましい。
・分割または抽出または区別した面データを、区別して表示または印刷すること、該面データより計測ヘッド側と被写体内部側を分割または抽出または区別して表示または印刷することは好ましい。
・分割または抽出または区別した被写体表面データを、その後の画像処理において使用することは好ましい。
・分割または抽出または区別した面データを、その後の画像処理において使用することは好ましい。
・図3を用いて説明する。図3は平面状に描いてはいるが、特徴面Aと特徴面Bは同一平面上にあるのではなく、3次元空間上の曲面として立体配置されている。図3でセグメントABは立体領域であり、特徴面Aと特徴面Bにはさまれている部分である。図3の例ではセグメントABの境界面のうち、左右は特徴面Aと特徴面Bに挟まれているが、前後および上下方向のセグメントABの領域境界は示されていない。実は前後および上下方向のセグメントABの領域境界は走査データの端であることを想定している。これにより特徴面Aと特徴面Bおよび走査データの端面によって囲まれた立体領域をセグメントABとするものである。
・空中に孤立した特徴線または特徴面を、ノイズまたはアーティファクトとして除去することは好ましい。この場合、空中であることの領域判定は後方散乱係数が最小であることやz方向における減衰がゼロであることをもって空中であることとすることはさらに好ましい。
・被写体表面より計測ヘッドに近い2次元または3次元領域を分割または抽出または区別し、またはさらに空中とすることは好ましい。
・分割または抽出または区別した被写体表面データを、区別して表示または印刷すること、被写体表面データより計測ヘッド側と被写体内部側を分割または抽出または区別して表示または印刷することは好ましい。
・歯科においては、被写体表面を含むその内部が計測対象となっている場合が多いので、被写体表面およびその内部が計測域に入っている必要がある。これはとりもなおさず、被写体表面より計測ヘッド側の計測域に空中のデータが含まれることを意味する。本請求項の実施により、空中のデータを削除または圧縮したりすることでデータ容量を減じ、その後のデータ処理を速くすることができる。また、空中のデータに存在するノイズを除去して、表示画像を見やすくすることができる。あるいは、空中計測域のz方向距離を判断して、計測域を自動的に前後させたり、術者に報知したりすることが出来る。
・計測ヘッドに近い方から数えて第1の特徴面つまり被写体表面と第2の特徴面との間の第1層目の領域をエナメル質、セメント質、歯根粘膜、口腔粘膜、う蝕・腫瘍等の病変部分または修復部分のいずれかとすることは好ましい。
・同様に第2の特徴面と第3の特徴面の間の第2層目の領域を象牙質、セメント質、歯槽骨、血管、う蝕・腫瘍等の病変部分、修復部分、う蝕深部の健全エナメル質部分のいずれかとすることは好ましい。
・同様にして特定した第3層目の領域を歯槽骨下の歯根粘膜、う蝕部分、う蝕深部の健全象牙質部分のいずれか、第4層目の領域を歯髄、歯周軟組織深部のセメント質、象牙質、う蝕部分、修復部分のいずれかとして分割または抽出または区別することは好ましい。
・エナメル質の最下層曲面は変極面として扱うことは好ましい。
・有効な後方散乱率が得られている最深層には深い側の特徴面は存在しないが、この場合は有効な後方散乱率が得られている深さまでを最深層とすることは好ましい。
・第1層目の表面である被写体表面の後方散乱強度は特別の場合を除いて請求項6記載の増幅補正は1次2次とも行なわないことを意味する。なぜならそれより上層は空中であり計測光および後方散乱光の減衰は無いものと見なすからである。また第1層目については2次補正は行なうが1次補正は行なわれないことになる。なぜなら第1層目の表面は1次2次とも増幅補正がされないからである。さらに第2層目の表面から深い方向にわたって第2層の表面の増幅補正率と同一の補正率で一律な1次増幅補正が行なわれる。第2層はさらに第2層の補正係数でもって対数的な2次増幅補正が行なわれる。以降この補正を深いほうに向かって繰り返す。
・第1層目については増幅補正率1で一律に1次増幅される(つまり補正はなされない)とすることは好ましい。
・後方散乱強度を増幅補正して表示または印刷することは好ましい。
・補正されていない後方散乱強度Iまたは1次補正された後方散乱強度I’を対数的に2次増幅補正する場合、補正係数をμとして次の様にI’’に補正することが好ましい。
・補正前のデータより対数的減衰係数を計算するとは、次の様に算出することが好ましい。すなわち、同一層内の後方散乱強度を深さzに応じてプロットして減衰データを得る。次式で示す減衰曲線をこの減衰データにカーブフィットさせ、対数的減衰係数を得る。
・あらかじめわかっている後方散乱強度の対数的減衰係数μを次の様に算出することは好ましい。
<屈折率深さ補正の実施の形態>
・口腔組織各部の屈折率をαとして各部z方向の距離Δzを次式に応じてΔz’に補正するのが好ましい。
・第1層の領域をエナメル質、セメント質、歯根粘膜、口腔粘膜、う蝕・腫瘍等の病変部分、修復部分のいずれか、または第2層の領域を象牙質、セメント質、歯槽骨、血管、う蝕・腫瘍等の病変部分、修復部分、う蝕深部の健全エナメル質部分のいずれか、または第3層を歯槽骨下の歯根粘膜、う蝕部分またはう蝕深部の健全象牙質部分のいずれか、または第4層を歯髄、歯周軟組織深部のセメント質、象牙質、う蝕部分、修復部分のいずれかとして、それぞれの屈折率で深さ方向の距離を縮小して表示または印刷またはデータ再構成することは好ましい。各部の屈折率を1.3〜1.7とすることはさらに好ましい。
各部の屈折率を異なる方向から同一部位を撮影した2つ以上のデータを用いることにより、計算して算出することはさらに好ましい。これは実物の寸法に補正するためであり、また口腔組織各部の屈折率分布を推定するものである。
z1=x2×λA
z2=x1×λB
となる。ここにλ1は図4bにおける計測光方向の、λ2は図4cにおける計測光方向の屈折率である。各部の屈折率を得るには上式より
λA=z1/x2
λB=z2/x1
を行なえば良い。等方性の材料であれば、特徴点を細かくとれば取るほどλA=λBとなるであろう。
z1‘=z1/λA
図4cより実画像を得るには
z2‘=z2/λB
を行なえばよい。
上述の方法は、図4b、図4cに示した様に2つの計測画像は互いに直交する計測光により屈折率情報および実画像を得たが、2つの計測方向が直交している必要は無い。2つの計測方向の間の角度がわかっていれば同様の原理で屈折率情報および実画像を得ることができるのは言うまでも無い。
後方散乱強度を前述の様に0〜100の尺度に再配置した表現で、例えばエナメル質が40〜60の範囲であるということがあらかじめデータとして保有しており、測定した被計測体の後方散乱強度が40〜60の範囲の領域でかつ、エナメル質に領域特定(アイデンティフィケート)された領域について強調表示を行うことである。あらかじめデータとして保有する方法としては、最初からエナメル質の特性として装置に保有させるか、または術者によりエナメル質と指定された領域についての後方散乱データの平均値と標準偏差によりその範囲データとして取得・更新する方法が好ましい。また、強調表示は前述の様に40〜60の範囲を30〜70に広げて領域内部のコントラストを強調したり、カラー表示をしたり、点滅させたり、コンピュータが付加する補助曲線で囲んだりすることが好ましい。
OCTの欠点として、計測ヘッドに近い側に後方散乱強度(180に近い対物レンズの有効立体角方向への散乱強度)・散乱強度(後方散乱以外の散乱の強度)・吸収強度(被計測体の組織により吸収され光以外のエネルギーに変換される分の強度)の大きい部分があった場合に、この部分より深い領域が影となって現われる現象である。これを解消するために、まず、セグメンテーションされた各層毎にすべてのAモードプロファイルにおける後方散乱強度の層平均値と標準偏差を取得する。この操作により、層平均値は深さ方向アーティファクトに依存しない値として取得される。その次に各Aモードプロファイルの後方散乱強度を各層毎の平均値と標準偏差を算出し、それらが層平均値と層標準偏差に一致する様にその層のAモードプロファイルの後方散乱強度分布を補正する。そのAモードプロファイルのすべての層についてこの操作を行い、さらにすべてのAモードプロファイルについてこれらの操作を行う。すると、深さ方向アーティファクトが除去されたデータが得られる。この方法は深さ方向アーティファクトがAモードプロファイルの方向であるz方向に平行な影として生じることを利用しているものである。
2a ファイバーカップラー(光分割部・干渉部)
2b ビームスプリッタ−
3 参照ミラー
4 光検出器(光検出部)
5 コンピューター(演算部)
6−1〜4 光ファイバー
7−1〜5、7−7 レンズ
7−6 (対物)レンズ
8−1〜2 ガルバノミラー
U2 プローブユニット
U3 PCユニット(PC Unit)
U1 OCTユニット
Claims (4)
- 計測データから断層の画像を表示または印刷する為の反射型断層撮影装置において、計測域に含まれる計測データの集合を領域分割表示、または特定領域強調表示、またはさらに領域決定表示する場合に、表示された領域または領域の境界の一部分、またはさらに領域の名称について、術者が修正、または追加、または指定、または選択枝の中から選択指定することにより、断層の画像を前期領域分割表示・特定領域強調表示・領域決定表示を行い、
計測域に含まれる計測データの集合から、反射強度が計測光方向に極大または極小または変曲となる1次元または2次元的に連続した少なくともひとつ以上の特徴線または特徴面を分割または抽出または区別し、またはさらに界面とし、
隣り合う特徴面またはひとつおいて隣り合う特徴面の間の面間領域を分割または抽出または区別し、またはさらに被計測体の特定部位とし、
すべてのAモードデータに対し、第1層目の面間領域の反射強度を該第1層面間領域の裏面までにわたってz方向の深さに応じて対数的に増幅補正することを増幅補正の出発点とし、第n層目の表面に施された増幅補正率で第n層目の反射強度を該第n層面間領域の深い側の特徴面までにわたって一律に1次増幅補正し、かつ第n層目の面間領域の反射強度を該第n層面間領域の深い側の特徴面までにわたってz方向の深さに応じて対数的に2次増幅補正することを、計測されたすべての面間領域および特徴面に対して順次行なうことを特徴とする反射型断層撮影装置。 - 面間領域内での反射強度の対数的減衰係数を補正前のデータより計算し、対数的な反射強度の1次増幅補正の補正係数とするか、またはあらかじめわかっている被計測体組織各部の反射強度の対数的減衰係数と一致させるかを特徴とする請求項1記載の反射型断層撮影装置。
- 被計測体組織各部の屈折率に応じて深さ方向の距離を縮小して表示または印刷またはデータ再構成することを特徴とする請求項1、2記載の反射型断層撮影装置。
- Bモード断面における空中部分を除いた領域において、セグメンテーションされた各層毎にすべてのAモードプロファイルにおける反射強度の層平均値を取得し、各Aモードプロファイルにおける反射乱強度の平均値が層平均値に一致する様に反射強度補正を行なうことを特徴とする請求項3記載の反射型断層撮影装置。
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