JP5060400B2 - クロマト分離装置 - Google Patents

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Description

本発明はクロマト分離装置に関する。
従来、クロマトグラフィーの手法により液体中の複数の成分を分離(クロマト分離)する方法が、工業的に利用されている。クロマト分離は、固体の吸着剤を用い、この吸着剤に対する吸着特性の差を利用して、原料液中の成分を分離する。クロマト分離の原理は、吸着剤を充填した充填層に、分離しようとする2以上の成分を含む原料液を供給し、この原料液を水等の溶離液で流下させることで、上記各成分の吸着剤に対する吸着性の違いにより、吸着性の弱い成分は相対的に速く流下し、吸着性の強い成分は相対的に遅く流下することで、各成分を含む画分に分離するものである。
クロマト分離の方式としては、例えば固定層方式、移動層方式、擬似移動層方式がある。擬似移動層方式は、原料液中に含まれる2以上の成分の中で、特定成分に対して選択的吸着能力を有する吸着剤を充填した複数の単位充填塔を直列に連結し、最下流部の単位充填塔と最上流部の単位充填塔を連結することで無端状になっている循環系に、原料液と溶離液を通流して分離するものである。擬似移動層方式では、循環系内を移動する速度が大きい成分を含む画分(非吸着質画分)と循環系内を移動する速度が小さい成分を含む画分(吸着質画分)をそれぞれ異なる位置から抜き出し、かつ、原料液供給位置、溶離液供給位置、非吸着質画分抜き出し位置、吸着質画分抜き出し位置を、一定の位置関係に保ちながら循環系の循環方向下流側に順次移動させることで、移動層の処理操作を擬似的に実現する装置であることは良く知られている。
また、3以上の成分を分離するために1つの成分を抜き出す工程と、残りの成分を抜き出す工程とを段階的に行う方法等、原料液、溶離液の供給位置や、各成分の画分の抜き出し位置を切り替える擬似移動層方式のクロマト分離方法の改良法が多数提案されている(例えば、特許文献1)。
また、複数の単位充填塔を直列に連結すると共に、最下流部の単位充填塔と最上流部の単位充填塔を連結することにより、無端状になっている循環系に対して、原料液や溶離液の供給や、各成分の抜き出し位置を変更せずに、循環系内の液を循環系に循環しながら、供給した原料液中の各成分を分離する方法も提案されている(例えば、特許文献2)。
これらの方法は、原料液、溶離液を循環系の一端に供給し、他端から液を流出させるバッチ方式とは、原理的にはクロマト分離方法として共通している。しかし、循環系内の液を無端状に連結された単位充填塔に通流させる点で異なっており、工業的に重要な、高い生産性、高濃度・高純度での成分の採取ができる点で、バッチ方式に比べて優れている。
このような無端状に連結されている単位充填塔で構成されているクロマト分離装置に、粘性の高い原料液を供給する場合、一部の単位充填塔において、過大な圧力損失を生じることとなる。また、原料液との接触等による吸着剤の劣化により、単位充填塔の差圧が上昇する場合もある。加えて、差圧や浸透圧による膨潤収縮により、吸着剤が破損し、充填層が目詰まりを起こし、さらなる差圧上昇の要因ともなる。また、一般的に、クロマト分離装置における充填層は、通流距離をより長くすることで、分離性能を上げることができる。その反面、充填層の通流距離を長くすると、差圧が上昇する。このような状況下では、圧力損失を下げるために流速を下げて運転する必要が生じる等の問題がある。
上述の問題に対する手段として、一部の単位充填塔に充填する吸着剤の平均粒径を大きくする方法(例えば、特許文献3)や、高架橋度のイオン交換樹脂を吸着剤に用いる方法が提案されている(例えば、特許文献4)。
特公平7−24724号公報 特開昭55−61903号公報 特開2001−70704号公報 特開2002−143605号公報
しかしながら、特許文献3および特許文献4の技術では、複数種の吸着剤を必要とするため、クロマト分離装置の利用者にとって、管理が煩雑になるという問題があった。また、単に平均粒径の大きな吸着剤を用いたり、吸着剤をイオン交換樹脂とした場合に高架橋度のイオン交換樹脂を用いた場合は、クロマト分離装置の分離性能が低下するという問題があった。
そこで本発明は、圧力損失の影響を軽減できる、クロマト分離装置を目的とする。さらに、本発明は、圧力損失の影響を軽減しながら、分離性能が低下せず、かつ、メンテナンスが容易であるクロマト分離装置を目的とする。
本発明のクロマト分離装置は、吸着剤が充填され、原料液と溶離液の流路長、および/または、原料液と溶離液の通液方向に直交する断面の面積、の異なる充填層が形成された複数の単位充填塔を直列に連結し、該単位充填塔に通流された原料液および溶離液が循環可能に構成された循環系を有し、該循環系は、略同等の体積の充填層が形成された単位充填塔で構成されていることを特徴とする。
さらに、原料液が供給される単位充填塔は、前記循環系を構成する他の単位充填塔よりも、原料液と溶離液の流路長が短い充填層、および/または、原料液と溶離液の通液方向に直交する断面の面積が大きい充填層、が形成された単位充填塔であることが好ましい。
本発明のクロマト分離装置によれば、圧力損失の影響を軽減できる。さらに、本発明のクロマト分離装置は、圧力損失の影響を軽減しながら、分離性能が低下せず、かつ、メンテナンスが容易である。
本発明の実施形態の一例について、図1を用いて説明するが、本発明は、下記の実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の実施形態の一例であるクロマト分離装置8の模式図である。図1に示すように、クロマト分離装置8は、吸着剤が充填された単位充填塔11〜20を直列に連結して、該単位充填塔11〜20に通流された原料液および溶離液が循環可能な循環系100を有している。
単位充填塔11は配管111により単位充填塔12と接続され、単位充填塔12は配管112により単位充填塔13と接続され、単位充填塔13は配管113により単位充填塔14と接続され、単位充填塔14は配管114により単位充填塔15と接続されている。単位充填塔15は、遮蔽弁Zが設けられた配管115により単位充填塔16(以下、低圧単位充填塔ということがある)と接続されている。単位充填塔16は配管116により単位充填塔17と接続され、単位充填塔17は配管117により単位充填塔18と接続され、単位充填塔18は配管118により単位充填塔19と接続され、単位充填塔19は配管119により単位充填塔20と接続されている。そして、単位充填塔20は、ポンプ122を備えた配管120により、単位充填塔11と接続されている。こうして、単位充填塔11〜15、17〜20と、単位充填塔16と、配管111〜120と、ポンプ122と、遮蔽弁Zとで、循環系100が構成されている。
配管115は、遮蔽弁Zと単位充填塔16との間に、配管42と分岐配管66が、接続されている。配管42には、原料液供給弁fが設けられ、配管42は、原料液供給ポンプ40と接続されている。
分岐配管66は、配管52に接続された配管である。配管52は、溶離液供給ポンプ50と接続されている。配管52は、分岐配管61〜70が接続され、分岐配管61〜70には、それぞれ溶離液供給弁D1〜D10(以下、総じて溶離液供給弁Dということがある)が設けられている。分岐配管61は配管120と、分岐配管62は配管111と、分岐配管63は配管112と、分岐配管64は配管113と、分岐配管65は配管114と、分岐配管66は配管115と、分岐配管67は配管116と、分岐配管68は配管117と、分岐配管69は配管118と、分岐配管70は配管119と、それぞれ接続されている。
配管115は、遮蔽弁Zと単位充填塔15との間に、配管170と分岐配管135と分岐配管155とが接続されている。配管170には、抜き出し弁B5が設けられている。
分岐配管135は、配管130に接続された配管である。配管130は、抜き出し弁C10を介して配管120と接続されている。また、配管130は、分岐配管131〜139と接続され、分岐配管131〜139には、それぞれ抜き出し弁C1〜C9が設けられている。分岐配管131は配管111と、分岐配管132は配管112と、分岐配管133は配管113と、分岐配管134は配管114と、分岐配管135は配管115と、分岐配管136は配管116と、分岐配管137は配管117と、分岐配管138は配管118と、分岐配管139は配管119と、それぞれ接続されている。
分岐配管155は、配管150に接続された配管である。配管150は、抜き出し弁A10を介して配管120と接続されている。また、配管150は、分岐配管151〜159と接続され、分岐配管131〜139には、それぞれ抜き出し弁A1〜A9が設けられている。分岐配管151は配管111と、分岐配管152は配管112と、分岐配管153は配管113と、分岐配管154は配管114と、分岐配管155は配管115と、分岐配管156は配管116と、分岐配管157は配管117と、分岐配管158は配管118と、分岐配管159は配管119と、それぞれ接続されている。
単位充填塔11〜15、17〜20には、吸着剤が充填されて、充填層101が形成されている。充填層101の吸着剤は、原料液に含まれる2以上の成分に対して、選択的吸着能力を有するものであれば特に限定されず、例えば、例えば、イオン交換樹脂、シリカゲル、ODS(オクタデシル基結合シリカゲル;長鎖脂肪族のオクタデシル基が導入されたシリカゲル)、合成吸着剤等を挙げることができる。これらは単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。吸着剤の種類と組み合わせは、分離対象となる成分に応じて決定することができる。また、吸着剤の平均粒子径や架橋度は、特に限定されず、分離対象となる成分に応じて決定することができる。
充填層101の流路長は特に限定されず、原料液中の成分や、得られる画分の純度等を勘案して決定することができる。ここで、流路長とは、原料液および溶離液が、充填層101または106を通流する距離である。
また、充填層101における、原料液および/または溶離液の通流方向と直交する断面の面積(以下、単に断面積と言うことがある)は特に限定されず、原料液の処理量等を勘案して決定することが好ましい。
単位充填塔16は、循環系100を構成する他の単位充填塔11〜15、17〜20の充填層101と比べて、流路長が短い充填層106が形成された単位充填塔である。加えて、単位充填塔16は、循環系100を構成する他の単位充填塔11〜15、17〜20の充填層101よりも、断面積が大きい充填層106が形成されている単位充填塔である。
単位充填塔16には、吸着剤が充填されて、充填層106が形成されている。
充填層106の流路長、即ち充填層106の高さは、充填層101の流路長である充填層101の高さよりも低くなるように、吸着剤が充填されている。充填層101の流路長に対する、充填層106の流路長の比率は特に限定されず、原料液の成分や、クロマト分離装置8に求める分離性能に応じて決定することができる。例えば、充填層106の流路長/充填層101の流路長で表される比率が、0.1以上1未満の範囲で決定されることが好ましい。0.1未満であると、単位充填塔106における分離性能の低下が著しく、クロマト分離装置8全体の分離性能に与える影響が大きくなるおそれがある。1以上であると単位充填塔16における通液差圧を有効に下げられないためである。また、分離性能を確保するために、流路長は一定の長さを必要とするためである。
また、充填層106における断面積は、充填層101における断面積よりも大きくなるように、吸着剤が充填されている。充填層101の断面積に対する、充填層106の断面積の比率は特に限定されず、原料液の成分や。クロマト分離装置8に求める分離精度に応じて決定することができる。例えば充填層106の断面積/充填層101の断面積で表される比率が、1を超えて、2以下の範囲で決定されることが好ましい。上記比率が1以下であると、単位充填塔16における原料液または溶離液の線速度(LV)を有効に下げられないためである。2を超えると、充填層106の流路長が短くなりすぎて、単位充填塔106における分離性能の低下が著しく、クロマト分離装置8全体の分離性能に与える影響が大きくなるおそれがあるためである。また、分離性能を確保するために、流路長は一定の長さを必要とするためである。なお、LVとは、単位時間における、単位面積当たりの流量で、m/hで表される線速度である。
充填層106の吸着剤の種類は、充填層101の吸着剤の種類と同様である。また、充填層106の吸着剤は、充填層101の吸着剤と、平均粒子径や架橋度が異なっていても良い。なお、充填層106の吸着剤と充填層101の吸着剤とは、同じものであることが好ましい。充填層101と同じ吸着剤を用いることで、メンテナンスの煩雑さが軽減されるためである。また、充填層106に、圧力損失の影響を軽減させるための分離性能が異なる吸着剤を使用しないため、クロマト分離装置8の分離性能を維持できるためである。
充填層101の体積に対する充填層106の体積の比率は特に限定されないが、略同等であることが好ましい。充填層101、106の体積が同等であれば、充填層106における流路長を短くしても、充填層101と同等の分離性能を維持し、クロマト分離装置8全体の分離性能の低下を防ぐことができるためである。特に、擬似移動層方式のクロマト分離装置は、原料液または溶離液の供給位置、および、任意の画分の抜き出し位置を下流側に切り替えながら、分離を行うため、循環系100を構成する全ての単位充填塔の充填層の体積が略同等であることが好ましい。ここで、「略同等」として、充填層101の体積/充填層106の体積で表される比が、1/1.05〜1.05/1であることが好適である。体積比が、かかる範囲であれば、充填層101と充填層106とは、分離性能に著しい差が生ぜず、循環系10全体の分離性能を維持することができるためである。
クロマト分離装置8を用いた、クロマト分離方法について説明する。説明は、吸着剤に対する吸着性が異なる3成分を含む原料液Fを分離する場合を例にして説明する。なお、前記の3成分は、吸着剤に対する吸着性が弱い成分(A成分)、吸着剤に対する吸着性が強い成分(C成分)、吸着剤に対する吸着性が、前記A成分と前記C成分の中間の成分(B成分)である。
まず、原料液供給弁f、溶離液供給弁D1、抜き出し弁B5を開、溶離液供給弁D2〜D10、抜き出し弁A1〜A10、抜き出し弁C1〜C10を閉とする。次いで、ポンプ40を起動して、原料液供給弁fを介して、原料液Fを単位充填塔16に供給すると共に、ポンプ122を起動して、循環系100の液を単位充填塔16から、単位充填塔17、18、19、20、11、12、13、14、15の順で、循環系100に通流させる。また、ポンプ50を起動して、溶離液供給弁D1を介して、溶離液Dを単位充填塔11に供給する。そして、遮蔽弁Zよりも、循環系100における循環方向上流側に設けられている抜き出し弁B5を介して、単位充填塔15に富化したB成分の画分(B画分)を配管170に抜き出す。この間、A画分とC画分とが、循環方向に分かれて、循環系100に吸着帯域が形成される。
なお、この際同時に、抜き出し弁A8を開として、単位充填塔18に富化したA成分の画分(A画分)を分岐配管158から配管150に抜き出すことができる。さらに、抜き出し弁C2を開として、単位充填塔12に富化したC成分の画分(C画分)を分岐配管132から配管130に抜き出すことができる(第一工程)。
第一工程に続く第二工程では、原料液Fの供給は停止し、溶離液Dの供給位置、A画分の抜き出し位置、C画分の抜き出し位置をそれぞれの富化画分の移動に合わせて、順次に循環方向下流側に1塔ずつ切り替えて移行させる操作を行う。これにより、A画分は、循環系100内を循環方向下流側に移動する。他方、溶離液Dの供給位置を循環方向下流側に移動させることで、見かけ上、循環系100が循環方向上流側に移動することにより、C画分は循環方向上流側に見かけ上移動する。そして、抜き出し弁A1〜A10(以下、総じて抜き出し弁Aと言うことがある)のいずれかであって、A画分が富化した単位充填塔に対応する抜き出し弁Aを開とし、抜き出し弁C1〜C10(以下、総じて抜き出し弁Cと言うことがある)のいずれかであって、C画分が富化した単位充填塔に対応する抜き出し弁Cを開とすることで、連続的に、分離したA画分とC画分を採取することができる(第二工程)。
第二工程として、例えば、溶離液供給弁D2、抜き出し弁A9、抜き出し弁C3、遮蔽弁Zを開、原料液供給弁f、溶離液供給弁D1、D3〜D10、抜き出し弁A1〜A8、A10、抜き出し弁C1、C2、C4〜10、抜き出し弁B5を閉とし、ポンプ40を停止して、原料液Fの循環系100への供給を停止する。次いで、ポンプ50を起動し、溶離液供給弁D2を介して、溶離液Dを単位充填塔12に供給すると共に、ポンプ122を起動して、循環系100内の液を循環させる。そして、抜き出し弁A9を介して、単位充填塔19に富化したA画分を分岐配管159から配管150に抜き出す。また、抜き出し弁C3を介して、単位充填塔13に富化したC画分を分岐配管133から配管130に抜き出す。
前記第二工程の操作は、開とする溶離液供給弁Dと抜き出し弁Aと抜き出し弁Cと、を循環方向下流側の溶離液供給弁Dと抜き出し弁Aと抜き出し弁Cとに切り替えながら、9回繰り返されて、クロマト分離操作の1サイクルが終了する。第二工程終了後は、第一工程に戻る。クロマト分離操作は、該サイクルが繰り返し行われることで、A画分とC画分とを連続的に、B画分を間欠的に分離する。
原料液Fは、2以上の成分を含むものであれば特に限定されず、例えば、ショ糖製造途中における糖液や、生体抽出物、微生物醗酵により得られる培養液等を挙げることができる。
溶離液Dとしては、原料液中の各成分を単位充填塔内に流下させ、かつ、分離対象とする成分を適切に分離できるものであれば特に限定されず、目的に応じて決定することができる。例えば、水、水酸化ナトリウム水溶液等の塩基性水溶液、塩酸水溶液等の酸性水溶液、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール等のアルコール類等を挙げることができる。溶離液は、これらの一種を単独で溶離液としても良いし、二種以上を混合した混合溶液を溶離液としても良い。また、溶離液は、酸、塩基、緩衝剤、塩を含んでいても良い。
第一工程における、原料液Fの単位充填塔への供給量は特に限定されず、分離対象とする成分や、単位充填塔に充填した吸着剤の種類、吸着帯域の状態等を勘案して決定することが好ましい。第一工程における溶離液Dの単位充填塔への供給量は特に限定されず、分離対象とする成分や、単位充填塔に充填した吸着剤の種類、吸着帯域の状態等を関して決定することが好ましい。
第二工程における、溶離液Dの供給量は特に限定されず、分離対象とする成分や、単位充填塔に充填した吸着剤の種類、吸着帯域の状態等を勘案して決定することが好ましい。
クロマト分離装置において、分離性能の向上を図るためには、長い流路長の充填層を形成することが有効である。反面、長い流路長の充填層に通液すると、差圧が上昇する傾向にある。充填層における流路長と、差圧の上昇とは比例する。
ここで、例えば、低圧単位充填塔の流路長を1/1.5倍とすれば、差圧は、1/1.5倍となる。また、断面積を1.5倍とすれば、通液時のLVは1/1.5倍となる。差圧は、LVに比例すると考えられ、通液時の差圧は1/1.5倍に低減できる。さらに、低圧単位充填塔の充填層の体積を維持したまま、充填層の流路長を1/1.5倍とすると、充填層の断面積は1.5/1倍、即ち、LVは1/1.5倍となる。前述したように、通液時の差圧は、流路長とLVの双方に比例するため、通液時の差圧を流路長の比率である1/1.5倍と、LVの比率である1/1.5倍との積により求められた、1/2.25倍に低減できると考えられる。
本発明によれば、循環系を構成する一部の単位充填塔を他の単位充填塔よりも、流路長が短い充填層、および/または、断面積が大きい充填層が形成された低圧単位充填塔とすることで、該低圧単位充填塔における通液時の差圧を下げることができる。このため、循環系全体として、過大な圧力損失が生じることを抑制し、流速を下げずに運転を行うことができる。また、循環系内全体の圧力上昇を防止することで、単位充填塔や配管等の圧力仕様を下げることができる。
従って、低圧単位充填塔に、循環系を構成する他の単位充填塔と同一の吸着剤を充填して、過大な圧力損失が生じることを抑制できるため、循環系を構成する全ての単位充填塔に充填する吸着剤を1種類で賄うことができる。このため、吸着剤管理やメンテナンスにおける負担を軽減できる。
本発明によれば、循環系を構成する全ての単位充填塔の充填層の体積を略同等にすることで、クロマト分離装置全体の分離性能を低下させることなく、かつ、従来の運転方法を変更せずにクロマト分離を行うことができる。
原料液を供給する単位充填塔は、原料液の粘度や、吸着剤への吸着成分による影響で、最も差圧が生じやすい。本発明によれば、原料液を供給する単位充填塔が固定されている場合、該単位充填塔を低圧単位充填塔とすることで、原料液の粘度や吸着成分による差圧上昇を緩和し、循環系全体の圧力損失の影響を抑制することができる。
上述の実施形態では、隣接する単位充填塔を接続する配管の内、原料液が供給される単位充填塔の上流側の配管にのみ遮蔽弁が設けられているが、遮蔽弁は複数個所に設けられていても良い。
上述の実施形態では、原料液を供給する配管は、低圧単位充填塔にのみ接続されているが、原料液を供給する配管に接続された複数の分岐配管を設け、該分岐配管が複数の単位充填塔と接続されていても良い。かかる構成により、原料液を供給する単位充填塔、溶離液を供給する単位充填塔、A画分を抜き出す単位充填塔、C画分を抜き出す単位充填塔を一定の位置関係を保ちながら、順次、循環方向下流側の単位充填塔に移動させて、原料得供給を連続的に行うクロマト分離を行うことができる。
上述の実施形態では、循環系が、他の単位充填塔よりも、流路長が短く、かつ、断面積が大きい充填層が形成された低圧単位充填塔を有している。しかし、該低圧単位充填塔の充填層は、他の単位充填塔の充填層よりも、流路長が短いだけであっても良いし、断面積が大きいだけであっても良い。
上述の実施形態では、原料液が供給される単位充填塔のみが、他の単位充填塔よりも流路長が短く、かつ、断面積が大きい充填層、を形成した低圧単位充填塔とされている。しかし、本発明はこれに限られることはなく、循環系を構成する単位充填塔のいずれを低圧単位充填塔としても良いし、複数個を低圧単位充填塔としても良い。ただし、原料液が供給される単位充填塔が固定されているクロマト分離装置においては、原料液の粘度等により差圧上昇を抑制すべく、原料液が供給される単位充填塔を低圧単位充填塔とすることが好ましい。一方、原料液が供給される単位充填塔が固定されていないクロマト分離装置においては、低圧単位充填塔の充填層は、他の単位充填塔の充填層と、略同等の体積であることが好ましい。単位充填塔毎の分離性能を略同等とし、クロマト分離装置全体の分離性能を安定させるためである。
加えて、上述の実施形態では、循環系を構成する単位充填塔の内、1つのみが、他の単位充填塔よりも流路長が短く、断面積の大きな充填層が形成されているが、循環系を形成する単位充填塔の組み合わせはこれに限られることはない。例えば、循環系を構成する単位充填塔の内、複数の単位充填塔に、流路長が短く、断面積の大きな充填層を形成させても良い。また、例えば、低圧単位充填塔と、流路長が長い充填層が形成された単位充填塔とを交互に配置しても良い。また、例えば、循環系を構成する全ての単位充填塔には、流路長および/または断面積が異なる充填層が形成されていても良い。
充填層における流路長の長短、断面積の大小の組み合わせは、原料液の性状や、得られる画分の純度等を勘案して、適切な組み合わせを選択することが好ましい。かかる態様により、原料液を供給する単位充填塔を移動させて、クロマト分離を行うような擬似移動層方式クロマト分離装置においても、差圧の上昇を有効に制御できる。
上述の実施形態では、3成分を含む原料液を用いてクロマト分離を行っているが、分離する対象は、2成分であっても良いし、4成分以上であっても良い。
本発明のクロマト分離装置の一例を示す模式図である。
符号の説明
8 クロマト分離装置
100 循環系
11〜20 単位充填塔
101、106 充填層
111〜120 配管
122 ポンプ
Z 遮蔽弁

Claims (2)

  1. 吸着剤が充填され、原料液と溶離液の流路長、および/または、原料液と溶離液の通液方向に直交する断面の面積、の異なる充填層が形成された複数の単位充填塔を直列に連結し、該単位充填塔に通流された原料液および溶離液が循環可能に構成された循環系を有し、該循環系は、略同等の体積の充填層が形成された単位充填塔で構成されていることを特徴とする、クロマト分離装置。
  2. 原料液が供給される単位充填塔は、前記循環系を構成する他の単位充填塔よりも、原料液と溶離液の流路長が短い充填層、および/または、原料液と溶離液の通液方向に直交する断面の面積が大きい充填層、が形成された単位充填塔であることを特徴とする、請求項に記載のクロマト分離装置。
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