JP5059349B2 - プラズマディスプレイパネル - Google Patents

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Description

本発明は、プラズマディスプレイパネルに関し、特に、発光効率低下の抑制と放電遅延の抑制とを両立させる技術に関する。
近年、コンピュータやテレビジョン受像機等に用いられているディスプレイ装置において、大画面で薄型軽量化を実現することのできるプラズマディスプレイ装置が注目されている。
このプラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」という。)は、DC(直流)型とAC(交流)型とがあり、信頼性、画質など様々な面でAC型が優れているため、現在のPDPの主流はAC型となっている。
図8に従来のAC型PDP装置の要部構成図を示す。図8に示すように、PDP900は、前面パネル80と背面パネル90とで放電空間96を挟んだ構造となっている。
前面パネル80では、ガラス基板81の主面に走査電極82と維持電極83とが対をなし、かつストライプ状に形成されて表示電極対84を形成している。
走査電極82及び維持電極83は、透明電極821及び透明電極831主面に金属製のバス電極822及びバス電極832が積層されてなる。
このような状態の前面パネル80主面を覆うように第1誘電体層85及び保護層86がこの順に積層されている。
この保護層86は、例えば、MgO膜をスパッタリングで形成するスパッタ法を用いて形成されている。
また、ガラス基板81の表示電極対が形成されていない側の主面には、隣り合う表示電極対同士の間に沿って、ブラックストライプ817が形成されている。
背面パネル90では、ガラス基板91の主面にアドレス電極92がX軸方向にストライプ状に形成され、上記加工の施されたガラス基板91主面を覆うように第2誘電体層93が積層され、そして、アドレス電極92を挟むような位置関係で隔壁94が第2誘電体層93主面に形成されている。第2誘電体層93の主面から隔壁94の側壁にかけて、蛍光体層95が塗布されている。
以上のように形成された前面パネル80と背面パネル90とは、電極の形成された面を対向させ、かつ表示電極対84とアドレス電極92とが放電空間を隔てて交差するように張り合わされており、その周辺部がフリットガラス等で封着されている。
上記構成によってPDP900では、表示電極対84とアドレス電極92との放電空間を隔てて交差する領域に、放電セルが形成され、放電セルがマトリクス状に配列されている。
選択された走査電極82とアドレス電極92との間では、保護層86表面に電荷を蓄積するアドレス放電が実施され、また、走査電極82と維持電極83との間では、画像形成に用いられる紫外線を発生させる維持放電が実施される。
ところで、最近のPDPでは、高精細化仕様のものが普及し始めており、高精細化に伴うセルの数の増加によって、1放電セルあたりのアドレス放電1パルスに割当て可能な時間(以下、「アドレスパルス時間」)が短くなるため、アドレス放電が正常に行われる確率(以下、「放電確率」という。)が低下する。
この放電確率の低下は、具体的には、電圧が印加されてからアドレス放電が開始するまでの時間が遅いこと(以下、「放電遅延」という。)に起因しており、放電遅延が顕著な程、アドレスパルス時間内にアドレス放電が終了し難くなるので、電荷が蓄えられずに維持放電が実施できなくなるといういわゆる書きこみ不良が生じ易くなるという問題がある。
このように書きこみ不良が生じたセルは、非点灯セルとなり、いわゆる黒ノイズが発生し、良好な画像表示性能が得られにくい原因となる。
このような問題を解決するために、図8に示すように、保護層70の表面に結晶性が高いMgO微粒子86aを島状に分散配置し、電子放出特性を向上させることにより、放電遅延を解消して、放電確率を向上させたPDPがある。(例えば、特許文献1)
WO2004/049375公報
しかしながら、上述のように微粒子結晶を保護層表面に分散配置すると、微粒子結晶に当たった可視光が乱反射するため、蛍光体から発した可視発光がパネル外部に透過する際に乱反射し、透過率が低下するので、パネルの発光効率が損なわれるという問題がある。
本発明は、このような課題を解決しようとなされたものであって、発光効率低下の抑制と放電遅延の抑制とを両立実施することが可能なPDP及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明のプラズマディスプレイパネルは、以下を特徴とする。

1)前面板と背面板とが放電空間を挟んで対向配置され、前記前面板は、前記放電空間に面する側に、走査電極及び維持電極からなる表示電極対と誘電体層と保護層とが順次積層され、前記背面板には、前記表示電極対と前記放電空間を隔てて交差するアドレス電極が配され、前記交差する箇所に放電セルが形成されてなるプラズマディスプレイパネルであって、前記保護層表面には、金属酸化物の結晶を含む微粒子が配設され、前記表示電極対又は前記アドレス電極のいずれかに対向する前記保護層表面の領域を第1領域とし、前記走査電極と前記維持電極間とに挟まれている狭窄部と対向している前記保護層表面上の領域を第2領域とするとき、前記第1領域及び第2領域に、前記保護層表面の前記第1領域及び第2領域以外の領域における前記微粒子の面密度よりも、前記微粒子の面密度が大きい部分を有し、前記微粒子の面密度が大きい領域は、当該領域よりも前記微粒子の面密度が小さい領域に比べ、配設されている前記微粒子の結晶性が高い
金属酸化物の結晶を含む微粒子は、微粒子単独で生成することができるので、一般的なスパッタ法により保護層を形成する場合のように下地の影響を受け難く、生成条件の自由度が大きく、前記保護層のよりも結晶性が高まり易い。このような微粒子を保護層表面に配設することにより、初期放電を促進させ、放電遅延を解消させることができるが、その反面、前記微粒子に当たった光が乱反射するため、保護層表面において前記微粒子を配設した領域の透光性が低下する。
本発明の上記1)のPDPの構成では、前記表示電極対又は前記アドレス電極のいずれかに対向する前記保護層表面の第1領域、及び、前記走査電極と前記維持電極間とに挟まれている狭窄部と対向している前記保護層表面上の領域の第2領域に、これら以外の領域における前記微粒子の面密度よりも前記微粒子の面密度が大きい部分を有し、前記微粒子の面密度が大きい領域は、当該領域よりも前記微粒子の面密度が小さい領域に比べ、配設されている前記微粒子の結晶性が高くなるようにする。
この第1領域は、電極間距離が短く、アドレス放電のための電圧印加時において電界強度がピークとなる領域を含んでいるため、同量の微粒子を配設した場合、電界強度が低い領域となる第1領域以外の領域よりも、第1領域に前記微粒子を高密度で配設する方が初期電子放出性能の向上幅が大きい。
このように、前記微粒子を放電性能の向上幅が大きい第1領域に集中して配設しているので、即ち、放電性能改善効果の大きい一部の領域に微粒子の面密度を高めて配設しているので、配設する微粒子のトータルの使用量も低減することができ、透光性の低下が軽減され、発光効率の低下も軽減される。
つまり、発光効率低下の抑制と放電遅延の抑制とを両立実施することが可能となる。
ところで、上記ピークが走査電極の維持電極側端部に存在することから、走査電極及びアドレス電極のいずれにも対向する保護層表面の領域における微粒子の面密度を、この領域以外の全ての領域に微粒子の面密度よりも大きくすることも考えられるが、その場合、放電セルの中心を基準とした走査電極側と維持電極側とでは、透光性能が異なってくるため、左側及び右側からそれぞれ斜めに画像を観た場合の輝度が異なる可能性がある。
このため、上記1)のPDPの構成のように、アドレス放電に寄与しない維持電極とアドレス電極とに対向している保護層表面の領域もあえて微粒子の面密度を前記走査電極とアドレス電極とに対向している保護層表面の領域と同等にして微粒子を配設することにより、走査電極側と維持電極側とでの透光性能を均一にして、輝度が視認方向で異ならないようにするのに有効である。
また、前記表示電極対と対向している前記保護層表面の領域を第3領域とするとき、前記第2領域と前記第3領域とを合わせた第4領域における前記微粒子の面密度が、前記保護膜表面の前記第4領域以外の全ての領域における前記微粒子の面密度よりも大きい、または、前記表示電極対の前記走査電極及び前記維持電極それぞれにおいて、互いに近接し合う2つの端部と対向している前記保護層表面の領域を第5領域とするとき、前記第5領域と第2領域とを合わせた第6領域における前記微粒子の面密度が、前記保護膜表面の前記第6領域以外の全ての領域における前記微粒子の面密度よりも大きいとしてもよい。
通常、前記表示電極対は、1放電セルにつき1つ配されているのみであり、1放電セルには、前記微粒子の配設領域が1つだけとなるため、微粒子の配設領域の形状が複雑にならずに配設し易い。
また、前記表示電極対の前記走査電極及び前記維持電極それぞれにおいて、互いに近接し合う2つの端部と対向している前記保護層表面の領域を第5領域とするとき、前記第5領域における前記微粒子の面密度が、前記保護膜表面の前記第5領域以外の全ての領域における前記微粒子の面密度よりも大きいとしてもよい。
走査電極の前記端部は、アドレス放電のための電圧印加時に、電界強度分布のピーク領域となる。
前記第5領域は、このピーク領域を含んでいるため、第5領域に微粒子を集中して配置することで、透光性が低下する割合を小さくして発光効率の低下を軽減すると共に、初期電子放出性能を効率的に向上することができ、放電遅延抑制を促進することができる。
また、微粒子は、放電遅延の抑制に寄与する結晶性の高いものと、放電遅延の抑制に寄与しない結晶性の低いものとが混在しており、放電遅延の抑制に寄与する結晶性の高いものの存在確率が非常に低いため、放電遅延を解消するようにするためには、前記微粒子を配設すべき場所に、結晶性の高いものを必ず含ませるようにしておく必要がある。
上述のように、前記微粒子の面密度が高い領域、即ち、前記微粒子を配設すべき場所に結晶性の高い微粒子を配設することにより、微粒子を配設すべき場所により確実に結晶性の高いものを含ませることができる
(実施の形態1)
(構成)
以下、本実施の形態のPDPについて詳細に説明する。
図1に本実施の形態におけるPDP1の分解斜視図である。
図1において、PDP1は、前面パネル10と背面パネル20とが放電空間を挟んで対向するように配置され、前面パネル10におけるガラス基板11の主面に、維持電極12及び走査電極13が配され、走査電極13と維持電極12とが対を成して表示電極対14が形成されており、ガラス基板11の主面外方側において隣り合う表示電極対14同士に挟まれる領域にブラックストライプ17aが配設されている。
維持電極12及び走査電極13は、それぞれ矩形のITO膜で各放電セルに形成された透明電極121及び透明電極131と、透明電極121及び透明電極131の放電空間側主面に配され、かつ、透明電極121及び透明電極131それぞれのX軸方向端部に沿ってZ軸方向に延伸するバス電極122及びバス電極132とで構成されている。
ここで、上記放電セルとは、1画素のR,G,Bのいずれかの成分に対応する副画素に対応するPDPの領域であって、井桁状の隔壁を有している本実施の形態のPDP1においては、前面パネル10の主面と直交する直線の延長上からPDPを透視したとき(以下、このような見方を便宜的に「平面視的に透視したとき」という。)、配設方向が異なる2種の隔壁のそれぞれにおいて、隣り合うもの同士の対を第1隔壁対及び第2隔壁対とした場合、第1隔壁対と第2隔壁対とが交わることによって区分される領域をいい、他の実施の形態においても同様とする。
透明電極121及び透明電極131は、ITOまたはSnO2等の透明導電性材料からなり、厚み0.1μm、幅150μmの矩形状の薄膜体であって、その長手方向がX軸方向となっている。
バス電極122及びバス電極132は、Agを材料として厚膜形成された厚さ7μm、幅95μmの金属電極であって、維持電極12及び走査電極13への電荷供給を容易にして、透明電極121及び透明電極131の電気抵抗に起因する弊害を低減している。
ガラス基板11において、透明電極121及び透明電極131が形成された放電空間側主面を覆うように誘電体層15及び保護層16がこの順に積層され、さらに、保護層16の表面には、放電セルの中央において微粒子結晶16aが集中的に配設されている。
保護層16は、EB蒸着機やプラズマガン蒸着機などを用いた成膜法、スパッタ法またはCVD法などに代表される薄膜プロセスで形成され、MgOを主成分とし、放電によって発生した高エネルギーのイオンから走査電極13、維持電極12及び誘電体層15を保護すると同時に、放電空間に2次電子を効率よく放出して放電開始電圧を低減する機能を有する。
微粒子結晶16aは、厚みが0.1μm以上、10μm以下であって、単独で生成されたMgOを主成分とする微粒子であって、結晶性が高いMgOを含んでいる割合が保護層16よりも高く、保護層16よりも放電空間に2次電子をより効率よく放出して放電開始し易くする機能を有する。
なお、ここでいう微粒子とは、粒径が0.1μm以上、10μm以下のものをいう。
背面パネル20では、表示電極対14と放電空間を隔てて交差するように、金属膜または導電ペーストからなる帯状のアドレス電極22が背面パネル20のガラス基板21の放電空間側主面に延伸配置されている。
アドレス電極22を覆うように、背面パネル20のガラス基板21の放電空間側主面に誘電体層23が積層され、アドレス電極22と表示電極対14とが放電空間を隔てて交差する領域に対応して放電空間を仕切るように、井桁状の隔壁24,25が誘電体層23主面に配されている。
隔壁24,25は、誘電体層23と同様、低融点ガラスで作製されている。
背面パネル20では、カラー表示のために、放電セル毎に誘電体層23主面から隔壁24,25側壁にかけて例えば赤、緑、青の蛍光体層26が塗布されており、表示電極対14の延伸方向に配列された赤色、緑色、青色のそれぞれの蛍光体層26を有する放電セルが一組となってカラー表示のための一画素を形成している。
前面パネル10と背面パネル20とで挟まれた放電空間には、放電ガス(Ne−Xe系ガスやHe−Xe系ガスなど)が充填されている。
井桁状の隔壁24、25では、PDP製造時における排気工程及び放電ガスの導入を容易にするために、表示電極対14の延伸方向に配された隔壁25とアドレス電極22の延伸方向に配された隔壁24との間で高さに差があり、アドレス電極22延伸方向の隔壁24が、表示電極対14延伸方向の隔壁25より高くなるように設けられている。
本実施の形態においては、微粒子結晶16aが配設されている領域に特徴があるので、以下詳細に説明する。
(微粒子結晶16aの配設領域について)
図2(a)は、前面パネルの主面と直交する直線の延長上からPDP1を見た平面図であり、図2(b)は、PDP1がアドレス電極22を通るXZ平面と交差して得られる断面図である。
図2(a),(b)に示すように、前面パネルの主面と直交する直線の延長上から保護層16を透視したとき、保護層16表面における微粒子結晶16aの配設領域16rは、対をなす走査電極側の透明電極113及び維持電極側の透明電極112において、互いに近接する2つの端部とその間の領域を覆う矩形の領域である。
図2(c)は、微粒子結晶16aの拡大断面図であり、この図2(d)は、その部分をZ軸方向から見た図である。
図2(c)及び図2(d)に示すように、微粒子結晶16aは、配設領域において一様な面密度で点在している。
このとき、配設領域16rにおいて、図2(d)に示すように、下地の保護層16が微粒子結晶16aによって覆われる面積の割合(以下、「微粒子結晶被覆率」という。)は、30%とした。
(配設領域16rの配設位置決定根拠)
図3(a),(b)は、従来のPDPにおいて、アドレス放電を行う場合の印加電圧をアドレス電極と走査電極のバス電極に加えた場合における、放電空間側にある前面パネル表面の電界強度(以下、「アドレス電界強度」という。)をシミュレーションにより求めた結果を示す図である。
なお、このアドレス電界強度の分布の状況は、保護層上の微粒子の有無には影響されない。
図3(a)は、アドレス電極上の保護層表面のアドレス電界強度分布を示す図である。
この図3(a)より、アドレス電極上の保護層表面においてもっともアドレス電界強度が高い部位は、走査電極の放電セル中心側の端部と対向する領域であることがわかる。
図3(b)は、走査電極の放電セル中心側の端部を通り、かつ、アドレス電極22と直交する方向の保護層表面のアドレス電界強度分布を示す図である。
この図3(b)より、走査電極の放電セル中心側の端部を通り、かつ、アドレス電極22と直交する方向の保護層表面において最もアドレス電界強度が高い部位は、走査電極の放電セル中心側の端部であることがわかる。
これらの結果より、保護層16において最もアドレス電界強度の高い点は、走査電極の放電セル中心側の端部であることがわかる。
アドレス電界強度が高い部位ほど、初期電子が放出し易いため、このアドレス電界強度が高い部位を網羅するように微粒子結晶16aを配設した。
より具体的には、微粒子結晶16aの配設領域16rを、走査電極13の透明電極121及び維持電極12の透明電極131において、互いに近接する2つの端部とその間の領域を覆う矩形の領域とした。
このように、もともと高い初期電子の放出性能を有する場所に、微粒子結晶16aを配設して、さらに初期電子放出性能を高めることにより、放電遅延を抑制することができる。
また、放電開始後における放電の範囲は、放電の起点の周囲にまで拡大するため、上記アドレス電界強度が高い走査電極の放電セル中心側の端部の領域を逸脱する領域に配設されている微粒子結晶16aは、上記放電範囲の拡大促進に寄与する。
また、微粒子結晶16aの配設領域16rは、放電セルの中央部に集中的に配設されており、1放電セルあたりの微粒子結晶の使用量が減少するため、透光性能の大幅な低下を招くことなく、初期電子放電特性を向上させると共に、製造コストの上昇を抑制することができる。
また、微粒子結晶16aは、アドレス電極22に直交して放電セルの中心を通る直線を基準として左右対称に配設されているため、左右の透光性に差がなく、輝度が視認方向で異ならないようにするのに有効である。
つまり、左側及び右側からそれぞれ斜めに画面を観た場合の画像の輝度が異なる虞がない。
(透光性能について)
図4は、放電セルにおいて、保護層16の全面積に対する微粒子結晶16aの配設領域の面積の割合(以下、「微粒子結晶配設領域の面積割合」という。)を変化させた場合における、前面パネル10を厚み方向に透過する可視光の透過率(以下、「可視光透過率」という。)の変化を示す図である。
このとき微粒子結晶16aの各配設領域における微粒子結晶被覆率は30%一定とした。
図4が示すように、例えば、特許文献1のような従来のPDPでは、放電セルにおける保護層16全面に微粒子結晶を配設している場合には、微粒子結晶被覆率を100%とすると、可視光透過率は41%となる。
放電セルにおける保護層16に全く微粒子を配設していない場合の可視光透過率が57%であるので、これと比較すると、放電セルにおける保護層16全面に微粒子結晶を配設した場合には、可視光透過率が16%低下する。
本実施の形態では、微粒子結晶被覆率30%で、微粒子結晶配設領域の面積割合を30%としており、このときの可視光透過率が53%となっている。つまり、放電セルにおける保護層16に全く微粒子を配設していない場合に比べ、可視光透過率が4%低下するに留まり、また、放電セルにおける保護層16全面に微粒子結晶を配設している場合と比べ、可視光透過率が12%も大きい。
(放電遅延について)
図5は、微粒子結晶の配設領域における微粒子結晶被覆率は30%とした場合であって、放電セルにおける微粒子結晶配設領域の面積割合と放電開始時間比率との関係を示す図である。
ここで上記放電開始時間比率とは、アドレス電極22−走査電極13間に電圧を印加してからアドレス放電が開始するまでの時間(以下、「放電開始時間」という。)は、微粒子結晶配設領域の面積割合に応じて決まるため、放電セルの保護層16に全く微粒子を配設していない場合の放電時間を基準放電時間とするとき、この基準放電時間に対する上記放電開始時間の割合を百分率表示したものである。
この図5が示すように、微粒子結晶配設領域の面積割合が0%以上、50%以下の範囲で変化した場合、これに伴う放電開始時間比率の変化の割合が大きい。
また、微粒子結晶配設領域の面積割合が50%越え、100%以下の範囲で変化した場合、これに伴う放電開始時間比率の変化は殆どない。
このことより、放電開始時間を短縮するためには、微粒子結晶配設領域の面積割合が50%を超えての設定にはあまり意味がない。
本実施の形態では、微粒子結晶被覆率30%で、微粒子結晶配設領域の面積割合を30%としており、このときの放電開始時間比率が42%となった。
つまり、放電セルにおける保護層16に全く微粒子を配設していない場合に比べ、放電開始時間が半分以下となる。
また、放電セルにおける保護層16の全面に微粒子を配設する場合と比べると、この場合の放電開始時間比率が34%であるため、本実施の形態のPDP1の放電開始時間比率が8%大きくなり、若干不利のように思われるが、可視光透過率では、本実施の形態のPDP1の方が12%も大きく、有利となっていることを考慮すれば、放電遅延抑制性能をあまり変えずに透光性能を向上させていると言える。
また、微粒子結晶配設領域の面積割合を僅か5%とするだけで、可視光透過率は殆ど低下することなく、放電セルにおける保護層16に全く微粒子を配設していない場合よりも放電開始時間比率が16%も低下させることができるため、微粒子結晶配設領域の面積割合は、5%以上に設定することが好ましい。
以上より、微粒子結晶被覆率が30%の場合、微粒子結晶配設領域の面積割合は、5%以上、50%以下とすることが望ましい。
また、微粒子結晶被覆率を30%から次第に減少させて放電遅延への影響を確認したところ、微粒子結晶被覆率を20%に至るまで顕著な悪化は見られなかった。これより微粒子結晶被覆率は、20%以上とすることが望ましい。
これは、微粒子が放電遅延の抑制に寄与する結晶性の高いものと、放電遅延の抑制に寄与しない結晶性の低いものとが混在しており、放電遅延の抑制に寄与する結晶性の高いものの存在確率が非常に低いため、放電遅延を抑制するには、ある程度の量が必要とされるためであると考えられる。
つまり、微粒子結晶被覆率を20%以上とすることで、上記必要量を満足するものと考えられる。
(微粒子結晶16aの配設方法)
微粒子結晶16aの配設方法は、保護層16の成膜後、保護層16における配設領域16r以外の領域にマスクを配置し、エタノール等の揮発性液体に、粒径0.5μmから2μmの酸化マグネシウム微粒子結晶を分散した液体を印刷工法により塗布して配設した。
この方法によれば、低コストで酸化マグネシウム微粒子結晶を保護層表面の特定部分に微粒子結晶被覆率を大きくして配設することができ、また、揮発性液体の揮発に伴い酸化マグネシウム微粒子結晶が、一様な面密度で保護層表面に分散配置されるので、酸化マグネシウム微粒子結晶の偏在が少ない。
本実施の形態のPDP1では、1放電セル毎に1つの配設領域16rが存在するため、酸化マグネシウム微粒子結晶を含んだ上記液体が塗布し易い構成となっている。
以上のように、本実施の形態のPDP1は、もともと高い初期電子の放出性能を有する場所に、微粒子結晶16aを集中的に配設して、さらに初期電子放出性能を高めることにより、放電遅延を抑制すると共に、1放電セルあたりの微粒子結晶の使用量を少なくして、透光性能の大幅な低下を抑制し、発光効率の低下を抑制することができる。
つまり、発光効率低下の抑制と放電遅延の抑制とを両立実施することが可能となる。
以下、微粒子結晶16aの電子放出性能への影響について詳細に説明する。
アドレス放電時に、酸化マグネシウムに電界が印加されると、バンド内のフェルミレベルが上昇し、保護層のキャリア密度が高まる。
このキャリア密度に相関して、初期電子放出が起こり、初期電子から放電に進展する。
放電遅延を抑制するためには、キャリア密度を高め、安定化させることが必要であるが、保護層として高純度結晶の酸化マグネシウムを用いた場合、電圧印加時のフェルミレベルの上昇が顕著となり、また、キャリアを消滅させるセンターが少ないので、高いキャリア密度を安定して維持することができ、この結果、放電遅延が抑制される。
ここで、電子ビーム蒸着等の成膜や塗布による成膜では、結晶性の向上に限界があり、放電遅延を抑制するほどの効果を得にくいのに対して、一方、生成条件を単独で設定できる微粒子結晶16aであれば、結晶性を向上し易く、バルクにおける結晶性の高いMgOの含有割合を高めることができる。
なお、微粒子結晶16aが配設領域16rからややはみだしている構成であったとしても、はみだしていない構成と比べて可視光透過率が悪化するがその割合は僅かであり、放電遅延低減効果はほぼ同等であるため、微粒子結晶16aの配設する配設領域16rのみに限定するものではなく、PDP1において、微粒子結晶16aが配設領域16rからややはみだしている構成であってもよい。
また、本実施の形態では、保護層16表面における、配設領域16r以外の領域には微粒子結晶16aが全く配設されていないが、透光性に影響を殆ど与えないように微粒子結晶被覆率を配設領域16rに配設されている微粒子結晶16aよりも小さく、例えば5%にして、配設領域16r以外の領域に配設してもよい。
また、本実施の形態では、保護層16表面に微粒子結晶16aを含む揮発性液体を塗布する方法として印刷工法を用いているが、この印刷工法に限定するものではなく、この工法に代えていわゆるインクジェット法を用いてもよい。
この方法でも、低コストで酸化マグネシウム微粒子結晶を保護層表面の特定部分に微粒子結晶被覆率を大きくして配設することができ、また、揮発性液体の揮発に伴い酸化マグネシウム微粒子結晶が、一様な面密度で保護層表面に分散は位置されるので、酸化マグネシウム微粒子結晶の偏在が少ない。
また、この場合、保護層16表面の配設領域16r以外の領域にマスクを配して保護層16全面に向けて上記揮発性液体を射出してもよいが、インクジェットの射出位置精度が高い場合には、マスクを配さずに目的の場所のみに前記揮発性液体を射出することにより塗布してもよく、さらなるコスト低減化が可能である。
さらに、他の工法を用いてもよく、例えば、保護層16表面にマスクを配し、上記揮発性液体をスプレーで噴霧することにより塗布してもよい。
この方法でも、低コストで酸化マグネシウム微粒子結晶を保護層表面の特定部分に微粒子結晶被覆率を大きくして配設することができ、また、揮発性液体の揮発に伴い酸化マグネシウム微粒子結晶が、一様な面密度で保護層表面に分散は位置されるので、酸化マグネシウム微粒子結晶の偏在が少ない。
また、本実施の形態では、微粒子結晶16aは、アドレス電極22と直交して放電セルの中心を通る直線を基準として、走査電極13側と維持電極12側の両側において対象位置に配されているが、アドレス放電は、走査電極13とアドレス電極22との間で生じるので、微粒子結晶16aの配設領域16rを上記走査電極側のみにしてもよい。
この場合、微粒子結晶の配設面積が小さくなるため、透光性をより高められる。
また、保護層16は薄膜プロセスで形成されるとしたが、印刷法に代表される厚膜プロセスで形成されるとしてもよい。
また、本実施の形態のPDP1では、保護層16及び微粒子結晶16aの主成分は、共にMgOとしたが、MgOに限るものではなく、どちらもマグネシウムと同じ第II族に属する金属の酸化物であればよい。
また、本実施の形態のPDP1では、保護層16の主成分と微粒子結晶16aの主成分とが一致しているが、異なっていてもよい。
その場合、どちらも第II族に属する金属の酸化物であることが望ましい。
また、放電セルは、上述したように、3原色、即ち、赤色、緑色及び青色の各色のいずれかに対応し、各色に対応する3つの放電セルで1画素を表示しているが、各色に対応する放電セル毎に、配設領域の微粒子結晶の面密度を設定するとしてもよい。
何故なら、各放電セルに配されている蛍光体の毎に、発光輝度や放電遅延の発生状況に差があるため、前記微粒子の面密度を各色に対応する放電セル毎に決めることで、発光効率低下の抑制及び放電遅延の抑制を行う上でよりきめ細かな調整を行なうことができるからである。
(変形例1)
本実施の形態のPDP1は、微粒子結晶16aの配設領域16rが、放電セルの中央部に集中的に配設されており、より具体的には、微粒子結晶16aの配設領域16rを、走査電極13の透明電極121及び維持電極12の透明電極131において、互いに近接する2つの端部とその間に挟まれた領域(以下、「狭窄領域」という。)を覆う矩形の領域としているが、微粒子結晶16aの配設領域をこれに限定するものではない。
図6(a),(b),(c),(d)は、上述のような例に該当するPDP2の構成を示す図である。
このPDP2は、基本的な構成はPDP1と同一であり、微粒子結晶の配設位置のみが異なり、微粒子結晶の組成もPDP1と同一である。
より具体的には、PDP2は、図6(a),(b)に示すように、PDP1における微粒子結晶16aの配設領域16rから上記狭窄領域を除外したものを新たな配設領域としている。
つまり、走査電極13の透明電極121及び維持電極12の透明電極131において、互いに近接する2つの端部のそれぞれに微粒子結晶116a及び微粒子結晶116bが配設されているとした。このとき、それぞれの配設領域を配設領域116ra及び配設領域116rbとする。
微粒子結晶116a及び微粒子結晶116bは、図6(c),(d)に示すように、配設領域116ra及び配設領域116rbにおいて一様な面密度で点在している。
微粒子結晶116a及び微粒子結晶116bの微粒子結晶被覆率を、PDP1と同じ値に設定した場合、PDP2の放電遅延抑制性能は、PDP1とあまり変わらないと考えられる。
何故ならば、保護層16表面の上記狭窄領域では、図3に示すように、アドレス放電時の電圧印加において、アドレス電界強度分布としては急激に減少する領域となっており、アドレス電界強度のピークとなっているピーク領域に比べ、アドレス電界強度が低く、もともと潜在する初期電子放出能力が小さいこのような領域に配設された微粒子結晶の放電遅延抑制への寄与度は、小さいものと思われるからである。
微粒子結晶116a,116bの配設方法は、微粒子結晶16aの配設方法と同様である。つまり、微粒子結晶116a,116bの配設方法を保護層16表面に配設するために、印刷工法、インクジェット法及びスプレーのいずれをも用いることができる。
以上のように、変形例1のPDP2は、もともと高い初期電子の放出性能を有する場所、即ち、走査電極13の透明電極131の端部、即ち、配設領域116rbに、微粒子結晶116bを集中的に配設して、さらに初期電子放出性能を高めることにより、放電遅延を抑制すると共に、1放電セルあたりの微粒子結晶の使用量を少なくして、透光性能の大幅な低下を抑制し、発光効率の低下を抑制することができる。
つまり、発光効率低下の抑制と放電遅延の抑制とを両立実施することが可能となる。
なお、PDP2において、配設領域116ra及び配設領域116rb以外の領域には微粒子結晶が全く配設されていないが、透光性に影響を殆ど与えないように、微粒子結晶被覆率を配設領域116ra,116rbに配設されている微粒子結晶の微粒子結晶被覆率よりも小さく、例えば5%にして、配設領域116ra及び配設領域116rb以外の領域に配設してもよい。
また、PDP2では、配設領域116ra及び配設領域116rbは、アドレス電極22と直交して放電セルの中心を通る直線を基準として、走査電極13側と維持電極12側の両側において対象位置に配されているが、アドレス放電は、走査電極13とアドレス電極22との間で生じるので、微粒子結晶の配設領域を走査電極側の配設領域116rbのみにしてもよい。
また、変形例1のPDP2では、保護層16及び微粒子結晶116a、116bの主成分は、共にMgOであるが、MgOに限るものではなく、どちらもマグネシウムと同じ第II族に属する金属の酸化物であればよい。
また、本実施の形態のPDP1では、保護層16の主成分と微粒子結晶116a、116bの主成分とが一致しているが、異なっていてもよい。その場合、どちらも第II族に属する金属の酸化物であることが望ましい。
また、本実施の形態において述べたように、各色に対応する放電セル毎に、配設領域の微粒子結晶の面密度を設定するとしてもよい。
何故なら、各放電セルに配されている蛍光体の毎に、発光輝度や放電遅延の発生状況に差があるため、前記微粒子の面密度を各色に対応する放電セル毎に決めることで、発光効率低下の抑制及び放電遅延の抑制を行う上でよりきめ細かな調整を行なうことができるからである。
(変形例2)
本実施の形態のPDP1およびその変形例1のPDP2では、例えば、図2(a)に示すように、微粒子結晶の配設領域におけるY軸方向の長さは、透明電極121及び透明電極131の幅(Y軸方向長さ)よりも長くなるように設定した。
しかしながら、アドレス放電は、走査電極13とアドレス電極22との間で生じるので、アドレス電界強度は、図3(b)に示すように、走査電極13とアドレス電極22の両方とに対向する保護層表面の領域が高くなる。
つまり、透明電極121及び透明電極131のY軸方向の縁部では、アドレス電界強度が低く、潜在する初期放電性能が低いと考えられる。
したがって、走査電極13とアドレス電極22の両方とに対向する保護層表面の領域に微粒子結晶を配設し、上記縁部に配設しなかったとしても、放電遅延を抑制する効果としてはあまり変わらないものと考えられる。
図7(a),(b),(c),(d)は、以上の内容を考慮して微粒子結晶の配設領域を決定したPDP3の構成を示す図である。
このPDP3は、基本的な構成および微粒子結晶の組成は、PDP1及びPDP2と同一であり、微粒子結晶の配設位置のみが異なる。
即ち、PDP3では、図7(a),(b)に示すように、走査電極13の透明電極121及び維持電極12の透明電極131において、互いに近接する2つの端部のいずれかと、アドレス電極22との両方に対向する保護層16表面の領域、つまり、配設領域216ra及び配設領域216rbにそれぞれ微粒子結晶216a及び微粒子結晶216bが配設されるとした。
微粒子結晶216a及び微粒子結晶216bは、図7(c),(d)に示すように、配設領域216ra及び配設領域216rbにおいて一様な面密度で点在している。
微粒子結晶216a,216bの配設方法は、微粒子結晶16aの配設方法と同様である。つまり、微粒子結晶216a,216bの配設方法を保護層16表面に配設するために、印刷工法、インクジェット法及びスプレーのいずれをも用いることができる。
さらに、配設領域216ra及び配設領域216rbの面積が、PDP1及びPDP2と比べ大きく減少していることから、微粒子結晶の量を確保するために微粒子結晶被覆率を、100%としており、PDP1及びPDP2よりも大きく設定している。
ただし、微粒子結晶被覆率を100%から次第に小さくしても、20%に至るまでは、顕著な放電遅れが生じることはなかった。
これは、微粒子が放電遅延の抑制に寄与する結晶性の高いものと、放電遅延の抑制に寄与しない結晶性の低いものとが混在しており、放電遅延の抑制に寄与する結晶性の高いものの存在確率が非常に低いため、放電遅延を抑制するには、20%以上の量が必要と思われる。
微粒子結晶216a,216bの配設方法は、微粒子結晶16aの配設方法と同様である。つまり、微粒子結晶216a,216bの配設方法を保護層16表面に配設するために、上述した印刷工法、インクジェット法及びスプレーのいずれをも用いることができる。
以上のように、変形例2のPDP3は、もともと高い初期電子の放出性能を有する場所、即ち、走査電極13の透明電極131の端部とアドレス電極22とが対向し合う領域、即ち、配設領域216rbに、微粒子結晶216bを集中的に配設して、さらに初期電子放出性能を高めることにより、放電遅延を抑制すると共に、1放電セルあたりの微粒子結晶の使用量を少なくして、透光性能の大幅な低下を抑制し、発光効率の低下を抑制することができる。
つまり、発光効率低下の抑制と放電遅延の抑制とを両立実施することが可能となる。
なお、PDP3において、配設領域216ra及び配設領域216rb以外の領域には微粒子結晶が全く配設されていないが、透光性に影響を殆ど与えないように、微粒子結晶被覆率を配設領域216ra,216rbに配設されている微粒子結晶の微粒子結晶被覆率よりも小さく、例えば5%にして、配設領域216ra及び配設領域216rb以外の領域に配設してもよい。
また、PDP3では、配設領域216ra及び配設領域216rbは、アドレス電極22と直交して放電セルの中心を通る直線を基準として、走査電極13側と維持電極12側の両側において対象位置に配されているが、アドレス放電は、走査電極13とアドレス電極22との間で生じるので、微粒子結晶の配設領域を走査電極側の配設領域216rbのみにしてもよい。
また、変形例2のPDP3では、保護層16及び微粒子結晶216a、216bの主成分は、共にMgOであるが、MgOに限るものではなく、どちらもマグネシウムと同じ第II族に属する金属の酸化物であればよい。
また、変形例2のPDP3では、保護層16の主成分と微粒子結晶216a、216bの主成分とが一致しているが、異なっていてもよい。その場合、どちらも第II族に属する金属の酸化物であることが望ましい。
また、本実施の形態において述べたように、各色に対応する放電セル毎に、配設領域の微粒子結晶の面密度を設定するとしてもよい。
また、実施の形態1、変形例1、変形例2と徐々に微粒子結晶の配設領域の面積を縮小する例を示してきたが、これら以外の形態で微粒子結晶を配設してもよく、例えば、以下に列挙する配設領域の設定でも、保護層全面に微粒子結晶の配設領域を設けていた従来よりも、発光効率低下の抑制と放電遅延の抑制とを両立実施し易くなる。
何故ならば、以下に示す配設領域には、アドレス電界強度のピークとなっているピーク領域が含まれており、またこのピーク領域以外の領域では、微粒子結晶が配設されていないか、もしくは、配設領域の微粒子結晶の面密度よりも小さく設定し、高い初期電子放出性能が潜在する領域に微粒子結晶を集中的に配置するので、従来のPDPと比べ、微粒子結晶の配設量が少なくても初期電子放出性能を大きく向上させることができ、効率的に放電遅延を抑制することができ、光透過性能の低下への影響も小さくすることができる。
(微粒子結晶の配設領域のその他の例)
1)透明電極121と透明電極131とを合わせた領域に対向する保護層16表面に微粒子結晶を配設する。
2)アドレス電極22であって隣り合う隔壁25同士で挟まれる部分と対向する保護層16表面に微粒子結晶を配設する。
3)上記1)及び上記2)の例で示したそれぞれの微粒子結晶の配設領域を合わせたものを新たな粒子結晶の配設領域とする。
4)透明電極121と透明電極131とこれらの間に挟まれる放電セル中央部分とを合わせた領域に対向する保護層16表面に微粒子結晶を配設する。
本願発明は、テレビジョン受像機及びコンピュータ用モニタなどに用いられる表示デバイスに適用可能である。
本実施の形態におけるPDPの分解斜視図である。 (a)は、本発明の実施の形態におけるPDPの平面図、(b)は断面図、(c)は部分断面拡大図、及び(d)は部分平面拡大図である。 (a),(b)は、アドレス放電を行う際の電圧印加時における保護層表面の電界強度分布を示す図である。 微粒子結晶被覆率を30%にしたときの微粒子結晶配設領域の面積割合と可視光透過率との関係を示す図である。 微粒子結晶配設領域の面積割合と放電開始時間比率との関係を示す図である。 (a)は、本発明の実施の形態の変形例1におけるPDPの平面図、(b)は断面図、(c)は部分断面拡大図、及び(d)は部分平面拡大図である。 (a)は、本発明の実施の形態の変形例2におけるPDPの平面図、図5(b)は断面図、図5(c)は部分断面拡大図、及び図5(d)は部分平面拡大図である。 従来のPDPの分解斜視図である。
符号の説明
1,2,3 PDP
10 前面パネル
11,21 ガラス基板
12 維持電極
13 走査電極
14 表示電極対
15 誘電体層
16 保護層
16a 微粒子結晶
16r 配設領域
17a ブラックストライプ
20 背面パネル
22 アドレス電極
23 誘電体層
24,25 隔壁
26 蛍光体層
112,113 透明電極
116a,116b 微粒子結晶
116ra,116rb 配設領域
121,131 透明電極
122,132 バス電極
216a,216b 微粒子結晶
216ra,216rb 配設領域

Claims (6)

  1. 前面板と背面板とが放電空間を挟んで対向配置され、前記前面板は、前記放電空間に面する側に、走査電極及び維持電極からなる表示電極対と誘電体層と保護層とが順次積層され、前記背面板には、前記表示電極対と前記放電空間を隔てて交差するアドレス電極が配され、前記交差する箇所に放電セルが形成されてなるプラズマディスプレイパネルであって、
    前記保護層表面には、金属酸化物の結晶を含む微粒子が配設され、
    前記表示電極対又は前記アドレス電極のいずれかに対向する前記保護層表面の領域を第1領域とし、
    前記走査電極と前記維持電極間とに挟まれている狭窄部と対向している前記保護層表面上の領域を第2領域とするとき、
    前記第1領域及び第2領域に、前記保護層表面の前記第1領域及び第2領域以外の領域における前記微粒子の面密度よりも、前記微粒子の面密度が大きい部分を有し、前記微粒子の面密度が大きい領域は、当該領域よりも前記微粒子の面密度が小さい領域に比べ、配設されている前記微粒子の結晶性が高いプラズマディスプレイパネル。
  2. 前記表示電極対と対向している前記保護層表面の領域を第3領域とするとき、前記第2領域と前記第3領域とを合わせた第4領域における前記微粒子の面密度が、前記保護膜表面の前記第4領域以外の全ての領域における前記微粒子の面密度よりも大きい請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  3. 前記表示電極対と対向している前記保護層表面の領域を第3領域とするとき、
    前記第3領域における前記微粒子の面密度が、前記保護膜表面の前記第3領域以外の全ての領域における前記微粒子の面密度よりも大きい請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  4. 前記表示電極対の前記走査電極及び前記維持電極それぞれにおいて、互いに近接し合う2つの端部と対向している前記保護層表面の領域を第5領域とするとき、
    前記第5領域における前記微粒子の面密度が、前記保護膜表面の前記第5領域以外の全ての領域における前記微粒子の面密度よりも大きい請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  5. 前記表示電極対の前記走査電極及び前記維持電極それぞれにおいて、互いに近接し合う2つの端部と対向している前記保護層表面の領域を第5領域とするとき、
    前記第5領域と第2領域とを合わせた第6領域における前記微粒子の面密度が、前記保護膜表面の前記第6領域以外の全ての領域における前記微粒子の面密度よりも大きい請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  6. 前記表示電極対は複数存在し、
    前記表示電極対の走査電極と維持電極は、それぞれ透明電極とバス電極との対からなり、
    前記走査電極及び前記維持電極において、各透明電極の一部の領域と対向する保護層表面の第7領域における前記微粒子の面密度が、前記保護膜表面の前記第7領域以外の全ての領域における前記微粒子の面密度よりも大きい請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
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