JP5056643B2 - バンパーリインフォースメントおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車の衝突事故等の際に衝撃エネルギを緩和して乗員を保護するためのバンパーリインフォースメントおよびその製造方法に関する。
近年、自動車の衝突事故における乗員のさらなる安全性の向上が求められており、衝突安全基準もますます引き上げられている。このような状況下にあって、自動車車体の前部または後部に自動車車体の幅方向へ向けて配置されるバンパーリインフォースメントに対しても、正面衝突時やポール衝突時における曲げ強度の増加や、クラッシュボックスやサイドメンバーへの衝撃荷重の伝達性能の向上が求められている。
例えば特許文献1や特許文献2には、本体をなす筒体の内部に板状の補強部材を配することによって例えば目の字型、日の字型さらには田の字型の閉断面形状を有するバンパーリインフォースメントが開示されている。これらのバンパーリインフォースメントは、筒体の内部に補強部材が配置されるので高い曲げ強度を有しており、ポール衝突時やオフセット正面衝突時には車両を保護する機能を有するとともに、オフセット斜め衝突時にクラッシュボックスやフロントサイドメンバーに衝撃荷重を有効に伝達することができる。
特開平9−249082号公報 特開平11−059296号公報
しかしながら、これらのバンパーリインフォースメントは、曲げ強度が高められて潰れ難い構造を有するため、衝突事故の際に負荷される衝撃荷重により圧潰して衝撃エネルギを十分に吸収することはできない。
このように、これまで、オフセット正面衝突やポール衝突に対する十分な曲げ強度を有するのみならず、斜め衝突に対する十分な衝撃エネルギ吸収性能も有するバンパーリインフォースメントは存在しなかった。
本発明は、自動車車体の前部または後部にこの自動車車体の幅方向へ延びて設けられる長尺の筒体により構成されるバンパーリインフォースメントであって、この筒体が、上面、下面、前面および後面を備えるとともに上面および下面に外向きフランジを有する閉断面形状を有するとともに、長手方向の中央の両側にクラッシュボックス取付け領域を有し、長手方向の中央における外向きフランジの、上面もしくは下面における前後方向についての設置位置は、(a)筒体が前部に設けられる場合には、クラッシュボックス取付け領域における外向きフランジの、上面もしくは下面における前後方向についての設置位置よりも、前面側に偏って存在し、(b)筒体が後部に設けられる場合には、クラッシュボックス取付け領域における外向きフランジの、上面もしくは下面における前後方向についての設置位置よりも、後面側に偏って存在すること、中央における外向きフランジの、上面もしくは下面における前後方向についての設置位置は、(a)筒体が前部に設けられる場合には、上面もしくは下面における前後方向についての中央よりも、前面側に偏って存在し、(b)筒体が後部に設けられる場合には、上面もしくは下面における前後方向についての中央よりも、後面側に偏って存在すること、および、(a)筒体が前部に設けられる場合には前面から、(b)筒体が後部に設けられる場合には後面から、上面もしくは下面における前後方向についての外向きフランジの設置位置までの寸法は、前面と後面との間の距離をHとするとき、中央では0.0Hであるとともにクラッシュボックス取付け領域では1.0Hであることを特徴とするバンパーリインフォースメントである。
体的には、(i)自動車車体の前部にこの自動車車体の幅方向へ延びて設けられる長尺の筒体により構成されるフロントバンパーリインフォースメントであって、この筒体が、上面、下面、前面および後面を備えるとともにこの上面および下面に外向きフランジを有する閉断面形状を有するとともに、長手方向の中央の両側にクラッシュボックス取付け領域を有し、長手方向の中央における外向きフランジの、上面もしくは下面における前後方向についての設置位置が、クラッシュボックス取付け領域における外向きフランジの、上面もしくは下面における前後方向についての設置位置よりも、前面側に偏って存在することを特徴とするフロントバンパーリインフォースメント、又は(ii)自動車車体の後部にこの自動車車体の幅方向へ延びて設けられる長尺の筒体により構成されるリアバンパーリインフォースメントであって、この筒体が、上面、下面、前面および後面を備えるとともにこの上面および下面に外向きフランジを有する閉断面形状を有するとともに、長手方向の中央の両側にクラッシュボックス取付け領域を有し、長手方向の中央における外向きフランジの、上面もしくは下面における前後方向についての設置位置が、クラッシュボックス取付け領域における外向きフランジの、上面もしくは下面における前後方向についての設置位置よりも、後面側に偏って存在することを特徴とするリアバンパーリインフォースメントである。
これらの本発明に係るバンパーリインフォースメントでは、前面または後面が、上面および/または下面に対して傾斜していてもよい。
これらの本発明に係るバンパーリインフォースメントでは、中央とクラッシュボックス取付け領域との間の少なくとも一部の領域における外向きフランジの、上面もしくは下面における前後方向についての設置位置は、(a)筒体が前部に設けられる場合には中央からクラッシュボックス取付け領域に向かって前側から後側に変化して存在し、(b)筒体が後部に設けられる場合には中央からクラッシュボックス取付け領域に向かって後側から前側に変化して存在することが望ましい。
これらの本発明に係るバンパーリインフォースメントでは、筒体が、重ね合わされる少なくとも二つの構成部材により構成されるとともに、外向きフランジが少なくとも二つの構成部材の重ね合わせ部であることが望ましい。
これらの本発明に係るバンパーリインフォースメントでは、筒体が、閉断面形状をなす外壁のみにより構成されることが望ましい。
これらの本発明に係るバンパーリインフォースメントでは、筒体の長手方向の全長をLとしたとき、長手方向の中央からの距離が0.05L以下である領域における外向きフランジの、上面および下面における前後方向についての設置位置は、クラッシュボックス取付け領域における外向きフランジの、上面もしくは下面における前後方向についての設置位置よりも、(a)筒体が前部に設けられる場合には前側に偏って存在し、(b)筒体が後部に設けられる場合には後側に偏って存在することが望ましい。なお、本発明において「筒体の全長L」とは、筒体を自動車車体の前部又は後部の所定の位置に装着した場合にこの自動車車体の幅方向に投影した長さを意味する。
別の観点からは、本発明は、自動車車体の前部または後部に自動車車体の幅方向へ延びて設けられるとともに、長手方向の中央の両側にクラッシュボックス取付け領域を有する長尺の筒体により構成されるバンパーリインフォースメントの製造方法であって、第1の工程および第2の工程を含むことを特徴とする本発明に係るバンパーリインフォースメントの製造方法である。
第1の工程;
長手方向の中央の幅が長手方向の両端部の幅よりも狭い第1の素材と、長手方向の中央の幅が長手方向の両端部の幅よりも広い第2の素材とを、ダイフェース面の高さならびにパンチフェース面の高さが長手方向に変化する金型を用いて、長手方向の両端部のハット断面高さが長手方向の中央のハット断面高さよりも大きいハット型の開断面形状を有する第1の中間素材、あるいは、両端部がハット型の開断面形状を有し、かつ中央が平坦状断面形状を有する第1の中間素材と、長手方向の中央のハット断面高さが長手方向の両端部のハット断面高さよりも大きいハット型の開断面形状を有する第2の中間素材、あるいは、中央がハット型の開断面形状を有し、かつ両端部が平坦状断面形状を有する第2の中間素材とにそれぞれプレス成形する工程。
第2の工程;
前記第1の中間素材と前記第2の中間素材とを、それぞれの縁部で重ね合わせてから、接合する工程。
本発明により、十分な曲げ強度のみならず、十分な圧潰性能(衝撃エネルギ吸収性能)をも兼ね備えることから、自動車の衝突事故等の際に衝撃を緩和して乗員を保護する性能を高めたバンパーリインフォースメントを提供することができる。
以下、本発明に係るバンパーリインフォースメントを実施するための最良の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以降の説明では、バンパーリインフォースメントを構成する筒体が、少なくとも二つの構成部材を重ね合わせることにより設けられるとともに、筒体に存在する外向きフランジがこれら少なくとも二つの構成部材の重ね合わせ部である場合を例にとる。また、以降の説明では、バンパーリインフォースメントが自動車車体の前部に装着されるフロントバンパーリインフォースメントである場合を例にとる。
本実施の形態のバンパーリインフォースメントは、自動車車体の前部にこの自動車車体の幅方向へ向けて延びて配置され、自動車の衝突事故等の際には、衝撃を緩和して乗員を保護するための部材である。バンパーリインフォースメントは、その外面に例えば樹脂製のバンパーフェイシャーを被着され、溶接等の適宜手段によって固定されるクラッシュボックスを介して、自動車車体の前部の所定の位置に脱着自在に装着される。
本実施の形態のバンパーリインフォースメントは、長尺の筒体により構成される。この筒体は、上面および下面と、この上面および下面に略直交する前面および後面を備えるとともにこの上面および下面に外向きフランジを有する閉断面形状を有する。本実施の形態では、後述するように、筒体は、少なくとも二つの構成部材を重ね合わせることにより設けられており、この外向きフランジは、これら少なくとも二つの構成部材の重ね合わせ部となっている。
このため、本実施の形態では、外向きフランジは、筒体の上面および下面の両面に形成されており、筒体は、これら少なくとも二つの構成部材により構成される外壁のみにより構成され、筒体の内部には補強部材等は設けられていない。
また、この筒体の長手方向の中央の両側であって、筒体の長手方向の両端部側には、溶接等の適宜手段によりクラッシュボックスが固定されるためのクラッシュボックス取付け領域が形成されている。
本実施の形態のバンパーリインフォースメントの特徴は、長手方向の中央における外向きフランジの、上面もしくは下面における前後方向についての設置位置が、クラッシュボックス取付け領域における外向きフランジの、上面もしくは下面における前後方向についての設置位置よりも、筒体の前面側、換言すると自動車車体の前後方向について自動車車体から離れる側に偏って存在する点にある。そこで、この特徴を、本発明者らが行った基礎検討の内容とともに説明する。
本発明者らは、汎用動的有限要素法解析ソフトを用いて、図1に示すハット状開断面形状を有する素材1(以下「ハット状開断面素材」という)と平坦状断面素材2(以下、板状素材2ともいう)を、ハット状開断面素材1の縁部の外向きフランジ1a、1bにおいて重ね合わせてスポット溶接することにより組み立てられるハット状閉断面部材3(以下「ハット部材」という)の(a)耐曲げ性能および(b)圧潰性能(衝突エネルギ吸収性能)を、以下に説明する条件で解析して求めた。
(a)耐曲げ性能
ハット部材3の曲げ強度を調査するため、図2に示す要領で三点曲げ衝突解析を行った。この解析では、バンパーリインフォースメントを想定してハット部材3の全長を1000mmに設定し、クラッシュボックス取付け部4a、4bに相当する個所(ハット部材3の両端部から50mmの位置)に、半径30mmの剛体とした支点5a、5bを、支点5a、5b間距離を900mmとして配置し、半径150mmの半円筒からなるインパクタ(剛体)6を、64km/hの一定速度でハット部材3の長手方向の中央に衝突させた。この解析モデルは、対称性を考慮してX−Y平面に1/2対称モデルとした。
(b)圧潰性能
ハット部材3の圧潰性能、すなわち衝撃エネルギの吸収性能を調査するため、図3に示す要領で圧潰解析を行った。この解析では、図2に示す三点曲げ衝突解析と同様に、クラッシュボックス取付部4a、4bに相当する個所に、半径30mmの剛体に設定した支点5a、5bを配置し、半径150mmの半円筒からなるインパクタ(剛体)6を、64km/hの一定速度で、ハット部材3のクラッシュボックス取付け部4bに相当する個所に衝突させた。
なお、この解析では、外向きフランジ部1a、1bにはハット部材3の長手方向に25mmピッチでスポット溶接部を設定し、ハット状開断面素材1および板状素材2ともに、強度が590MPa級のDP鋼を用い、板厚はいずれも1.6mmとした。
そして、ハット状開断面素材1側からインパクタ6を衝突させた場合、すなわち図2、3に示す場合のハット部材3(以下、「順ハット断面部材」という)と、板状素材2側からインパクタ6を衝突させた場合のハット部材3(以下、「逆ハット断面部材」という)とについて、上述した三点曲げ衝突解析および圧潰解析により、耐曲げ性能および衝撃エネルギ吸収性能を調査した。
解析結果を以下に説明する。
(a)耐曲げ性能
図4は、ハット部材3の長手方向の中央にインパクタ6を衝突させた場合の1stピーク荷重値を比較して示すグラフである。図4のグラフから、逆ハット断面部材は、順ハット断面部材よりも1stピーク荷重が10%程度高くなっており、耐曲げ性能が良好であることがわかる。
(b)圧潰性能
図5は、ハット部材3の長手方向の端部にインパクタ6を衝突させた場合の60mm圧潰時の吸収エネルギを比較して示すグラフである。図5のグラフから明らかなように、順ハット断面部材は、逆ハット断面部材よりも吸収エネルギが5%程度高くなっており、衝撃エネルギ吸収性能が高いことがわかる。
図4および図5にグラフで示す結果より、
(I)順ハット断面部材は、逆ハット断面部材に比較すると、衝突の初期に大きな変形が起こり易いために断面形状が大きく変形することによって曲げ強度が不芳であるものの、衝撃エネルギ吸収性能が高いこと、および
(II)逆ハット断面部材は、順ハット断面部材に比較すると、衝突の際の断面形状の変形に対する抵抗性が高いために曲げ強度は高いものの、板状素材2が接合されていない、ハット状開断面素材1のハット頂部側から変形が生じるため、バンパーリインフォースメントが十分に圧潰する前にクラッシュボックスの変形が発生し易く、順ハット断面部材に比較すると衝撃エネルギ吸収性能が不芳であること
がわかる。
以上の解析結果より理解されるように、筒体からなるバンパーリインフォースメントの耐曲げ性能と、衝突エネルギ吸収性能とをともに高めるためには、筒体の長手方向の中央における外向きフランジの、上面もしくは下面における前後方向についての設置位置が、クラッシュボックス取付け領域における外向きフランジの、上面もしくは下面における前後方向についての設置位置よりも、筒体の前面側に偏って存在するように、上面もしくは下面における前後方向についての外向きフランジの設置位置を変化させること、具体的には、高い耐曲げ性能が要求される筒体の長手方向の中央では逆ハット断面形状とするとともに、高い圧潰性能が要求される筒体のクラッシュボックス取付け領域では順ハット断面形状とし、この中央からクラッシュボックス取付け領域へかけての少なくとも一部の領域では逆ハット断面形状から順ハット断面形状へと連続的に変化する断面形状変化部とすることが、極めて有効である。
すなわち、筒体の長手方向の中央では、外向きフランジが衝撃荷重の入力位置に近い位置である前面側に偏って存在することが、中央において高い曲げ強度を確保するためには望ましいとともに、筒体の長手方向のクラッシュボックス取付け領域では、外向きフランジが衝撃荷重の入力位置から離れた位置である後面側に偏って存在することが、クラッシュボックス取付け部で高いエネルギ吸収性能を確保するためには望ましい。
このような観点から、筒体の長手方向の中央における外向きフランジの、上面もしくは下面における前後方向についての設置位置が、クラッシュボックス取付け領域における外向きフランジの、上面もしくは下面における前後方向についての設置位置よりも、前面側に偏って存在することが望ましく、この場合に、前面から、上面もしくは下面における前後方向についての外向きフランジの設置位置までの寸法が、前面と後面との間の距離をHとするとき、中央では0.0Hであるとともにクラッシュボックス取付け領域では1.0Hであること、すなわち、筒体の上面および下面における外向きフランジの設置位置が、中央では自動車車体の衝撃荷重の最衝突面側に偏って存在するとともに、クラッシュボックス取付け部では自動車車体の衝撃荷重の最反衝突面側に偏って存在することが、さらに望ましい。
図6は、本実施の形態のバンパーリインフォースメント7の説明図であり、図6(a)はバンパーリインフォースメント7の車両前面視図であり、図6(b)はバンパーリインフォースメント7の車両上面視図である。
このバンパーリインフォースメント7は、例えば鋼板やアルミニウム板等の金属板を素材とする二つの構成部材8、9、すなわち衝突面側素材8と反衝突面側素材9とを重ね合わせ、重ね合わされたそれぞれの縁部で例えばスポット溶接により接合することにより形成された閉断面形状を有する筒体7aからなる。そして、バンパーリインフォースメント7は、筒体7aの長手方向(図6(a)および図6(b)における左右方向)の両端側にクラッシュボックス取付け領域10が設けられている。
図6(a)および図6(b)に示すように、筒体7aの全長をLとし、筒体7aの幅、すなわち前後方向の前面から後面までの筒体7aの寸法をHとすると、バンパーリインフォースメント7の長手方向の中央(0L)の位置からの長手方向の座標が+0.05L以下−0.05L以上の範囲の領域である中央部11では、外向きフランジ12の位置が前面から0.0H以上0.5H以下の範囲であるとともに、クラッシュボックス取付け領域10の内側10aから筒体7aの長手方向の端面までの領域である端部13では、外向きフランジ12の位置が前面から1.0H以下0.5H超の範囲である。なお、図6に示すように、座標の正値、負値は、それぞれ長手方向の中央の左側と右側を表す。
そして、中央部11と端部13との間の領域14は、外向きフランジ12の設置位置が、中央部11およびクラッシュボックス取付け領域10それぞれにおける外向きフランジ12の設置位置に接続するとともに連続的に変化する形状変化部である。
本実施の形態のバンパーリインフォースメント7は、このように構成される筒体7aを有することにより、高い曲げ強度と高い衝撃エネルギ吸収性能とをともに有する。
図6に示すバンパーリインフォースメント7では、外向きフランジ12の設置位置が、筒体7aの長手方向の中央部11では前面から0.0Hであるとともに、筒体7aの長手方向のクラッシュボックス取付け領域10では1.0Hである。これにより、曲げ強度と、衝撃エネルギ吸収性能とをいずれも更に高めることができる。
このように、本実施の形態では、外向きフランジ12の設置位置を、筒体7aの長手方向について変化させることによって、高い曲げ強度を確保できるとともに高い衝撃エネルギ吸収性能を確保することができる。このため、このバンパーリインフォースメント7は、上述した特許文献1、2により開示されるような、筒体7aの内部に曲げ強度を高めるための補強部材を必要としない。このため、本実施の形態のバンパーリインフォースメント7は、重量増加をできるだけ抑制でき、自動車車体の軽量化に寄与することもできる。
図7は、自動車車体の前端側である衝突端側から順に、本実施の形態のバンパーリインフォースメント7、クラッシュボックス15およびフロントサイドメンバー16を備える自動車車体の圧潰時における荷重と圧潰ストロークとの関係の一例を示すグラフである。
図7にグラフで示すように、本実施の形態のバンパーリインフォースメント7は、クラッシュボックス15の圧潰が開始する前にバンパーリインフォースメント7が十分に圧潰するので、バンパーリインフォースメント7の圧潰ストロークSt1を最大限に確保して吸収エネルギEA1を得ることができる。したがって、図7にグラフで示すように、バンパーリインフォースメント7が圧潰した後に、クラッシュボックス15が圧潰ストロークSt2で圧潰して吸収エネルギEA2を得ることができ、クラッシュボックス15が圧潰した後に、フロントサイドメンバー16が圧潰ストロークSt3で圧潰して吸収エネルギEA3を得ることができる。
このように、本実施の形態のバンパーリインフォースメント7を用いれば、衝突時の衝撃荷重が負荷されると、はじめにバンパーリインフォースメント7が衝撃荷重の入力方向に圧潰し、バンパーリインフォースメント7の圧潰が完了してからクラッシュボックス15の圧潰が開始され、クラッシュボックス15の圧潰が完了してから衝撃荷重がフロントサイドメンバー16に負荷されるという、理想的な衝撃エネルギの吸収を実現できるため、自動車車体全体として最大の吸収エネルギ(EA1+EA2+EA3)を得ることができ、自動車車体の衝撃エネルギの吸収性能を最大限に発揮することができる。
また、図7にグラフで示すように、負荷される衝撃エネルギが小さく、衝突荷重がF2未満である場合には、バンパーリインフォースメント7のみで負荷される衝撃エネルギを全て吸収することができるためにクラッシュボックス15およびフロントサイドメンバー16は変形しないので、補修時には変形したバンパーリインフォースメント7のみ交換すればよいこととなり、補修費を低減することもできる。
次に、バンパーリインフォースメント7の製造方法を説明する。
図8(a)、図8(b)は、それぞれ、バンパーリインフォースメント7の衝突面側素材8のプレス成形に用いるダイ金型17、パンチ金型18の形状を示す説明図である。また、図8(c)、図8(d)には、それぞれ、バンパーリインフォースメント7の反衝突面側素材9のプレス成形に用いるダイ金型19、パンチ金型20の形状を示す。
図8(a)〜図8(d)に示すように、ダイ金型17、19ならびにパンチ金型18、20として、ダイフェース面17a、19aおよびパンチフェイス面18a、20aの高さが長手方向に連続的に変化する金型を用いる。
図9(a)および図9(b)は、衝突面側素材8、反衝突面側素材9それぞれのプレス成形に用いるブランク21、22の形状の一例を示す説明図である。
図9(a)に示すように、衝突面側素材8の製造には、長手方向(図9(a)の左右方向)の中央(O−O’部)を含む中央部21aの幅w1が、長手方向の両端部(A−A’部を含む)21bの幅w2よりも狭いブランク21を用いる。一方、図9(b)に示すように、反衝突面側素材9の製造には、長手方向(図9(b)の左右方向)の中央(O−O’部)を含む中央部22aの幅w3が、長手方向の両端部(A−A’部を含む)22bの幅w4よりも広いブランク22を用いる。
図8(a)および図8(b)に示すダイ金型17ならびにパンチ金型18を用いて図9(a)に示すブランク21をプレス成形することによって、平坦状の断面形状を有する中央部と、ハット型の開断面形状を有する両端部と、ハット断面高さが長手方向に変化する形状変化部とを有する第1の中間素材である衝突面側素材を製造することができる。
一方、図8(c)および図8(d)に示すダイ金型19ならびにパンチ金型20を用いて図9(b)に示すブランク22をプレス成形することによって、ハット型の開断面形状を有する中央部と、平坦状の断面形状を有する両端部と、ハット断面高さが長手方向に変化する形状変化部とを有する第2の中間素材である反衝突面側素材を製造することができる。
ブランク21、22のプレス成形は、通常の方法で行うことができる。例えば、図10に示すように、プレス機23に取り付けたホルダー24面上にブランク21または22をセットし、ブランク21または22にダイクッション25でクッション圧を作用させ、ダイ26を下方に移動させることにより、ブランク21、22をプレス成形すればよい。この手法は、メカプレス機等で適用される単動成形を想定した場合であるが、ダイ26とパンチ27とが可動する複動プレス方式においても同様に成形することが可能である。
次いで、このようにしてプレス成形されて得られた衝突面側素材8および反衝突面側素材9を、それぞれの縁部に形成されたフランジ部を利用して重ね合わせ、重ね合わされたフランジ部を例えばスポット溶接により接合することによって、本実施の形態のバンパーリインフォースメント7を構成する筒体7aを製造することができる。
なお、接合方法は、上述したスポット溶接に限定されるものではなく、アーク溶接やレーザ溶接等の溶接でもよいし、溶接ではなくボルト締結やリベット接合等の機械的接合を用いてもよく、特に限定されない。
また、このプレス成形を行う前に、ブランク21または22をAc変態点以上に加熱することによりブランク21または22の組織をオーステナイト相とした後、加熱したブランク21または22を金型に装入し、プレス成形するとともに、金型との接触などによる冷却により焼入れてマルテンサイト相に変態させることにより超高強度部品を得る、いわゆる熱間プレス法(プレスクェンチング)を用いれば、製造する衝突面側素材8および反衝突面側素材9の強度を大幅に高めることができる。さらに、この熱間プレス法とともに後熱処理を組み合わせることによって高強度化を図るようにしてもよく、また、長手方向の中央部のみ高強度化するように例えば高周波焼入れ等により部分焼入れを施すようにしてもよい。
なお、衝突面側素材8および反衝突面側素材9は、いずれも、絞り深さが長手方向に異なるため、プレス成形時に生じるフランジからの材料の流入量が長手方向で変化することに起因して、衝突面側素材8および反衝突面側素材9それぞれの中央部および端部の間の、絞り深さが変化する形状変化部に、しわや割れが生じることがある。
これを防ぐには、幅方向端部(最大深さ部)での割れを抑制する程度にドロービードによって張力を与え、材料の流入量を制御すればよい。また、プレス成形後には、成形部材(絞り成形品)のフランジ部を、部材の組み立てに必要な面積が確保されるような所定の長さとするようにトリミングを行って仕上げればよい。
なお、製造されるバンパーリインフォースメント7の筒体7aの中央部11とクラッシュボックス取付け領域10との間の形状変化部14の成形性を向上するために、図11(a)および図11(b)に示すように、形状変化部14の適当な位置に適当数の切欠き28、29を設けるようにしてもよい。
また、形状変化部14におけるしわならびに割れの発生を抑制するためには、図12に示す本実施の形態のバンパーリインフォースメント7の筒体7aにおいて、形状変化部14における最大深さhと、最小深さhと、最大深さhの位置および最小深さhの位置の間の距離Wとが、(h−h)/W<0.18の関係を満足することが望ましい。
このようにして、本実施の形態により、十分な曲げ強度のみならず、十分な圧潰性能(衝撃エネルギ吸収性能)をも兼ね備えることから、自動車の衝突事故等の際に衝撃を緩和して乗員を保護する性能を高めたバンパーリインフォースメント7を提供することができる。
なお、以上の説明では、バンパーリインフォースメント7を構成する筒体7aが、二つの構成部材8、9を重ね合わせることにより設けられるとともに、筒体7aに存在する外向きフランジ12が二つの構成部材8、9の重ね合わせ部である場合を例にとったが、本発明における筒体7aは、この場合に限定されるものではなく、例えば、一つのパイプ状の構成部材を素材としてハイドロフォーム法により形成されるものであってもよい。ハイドロフォーム法を用いれば、上述したプレス成形と溶接との組み合わせを用いる場合よりも、製造工程を簡略化でき、バンパーリインフォースメント7の生産性を高めることができる。
また、二つの構成部材8、9を組み合わせてバンパーリインフォースメント7の筒体7aを構成する場合であっても、二つの構成部材8、9は上述したプレス成形法により製造されることに限定されるものではなく、例えばロールフォーミング法等により製造するようにしてもよい。
また、差厚鋼板やテーラードブランク等を適宜用いることにより、バンパーリインフォースメント7の筒体7aの中央部11の材質を、端部13の材質よりも高強度の材質としたり、あるいは、中央部11の板厚を端部13の板厚よりも厚くするようにしてもよい。
また、本発明に係るバンパーリインフォースメント7の筒体7aは、その全長において直線に構成されていてもよいし、長手方向の一部または全部において湾曲していてもよい。さらに、その全長方向の中心に対して非対称な形状であってもよい。
本発明を、実施例を参照しながら、より具体的に説明する。
汎用動的有限要素法解析ソフトを用いて、本発明例および比較例のバンパーリインフォースメントの耐曲げ性能および圧潰性能を調査した。
解析は、対象であるバンパーリインフォースメントの長手方向の中央部の耐曲げ性能を解析するために三点曲げ衝突解析を行うとともに、クラッシュボックス取付け部の圧潰性能(エネルギ吸収性能)を解析するための斜め衝突解析を行った。
図13は、バンパーリインフォースメント30の筒体30aの車両前面視図である。図14(a)は図13におけるA−A’断面図であり、図14(b)は図13におけるB−B’断面図であり、図14(c)は図13におけるC−C’断面図である。なお、図14(a)〜図14(c)における寸法を示す値の単位はmmである。
図13および図14(a)〜図14(c)に示すように、バンパーリインフォースメント30は、長手方向(図13における左右方向)の中央部11が平坦状の断面形状であるとともにクラッシュボックス取付け領域を含む両端部13がハット状の開断面形状を有する衝突面側素材31と、この長手方向の中央部11がハット状の開断面形状を有するとともにクラッシュボック取付け領域を含む両端部13が平坦状の断面形状を有する反衝突面側素材32とを、それぞれの外向きフランジ部31a、31bおよび32a、32bを介して重ね合わせてスポット溶接することにより得られる、外向きフランジを有する矩形断面の筒体30aにより構成される。
バンパーリインフォースメント30の筒体30aの全長Lは1220mmとし、衝突面側素材31および反衝突面側32それぞれの、材質は440MPa級の汎用鋼とし、板厚は1.2mmとした。また、外向きフランジ部31a、31bおよび32a、32bには、長手方向に30mmピッチでスポット溶接部を設けることとした。
図15(a)は、本発明例1であるバンパーリインフォースメント30の斜視図である。
本発明例1のバンパーリインフォースメント30の筒体30aでは、長手方向の中央の位置から長手方向座標で+0.29L〜+0.5L、および−0.29L〜−0.5Lの範囲の両端部13を、図15(a)のA−A’断面である順ハット断面形状とし、+0.08L〜−0.08Lの範囲である中央部11を、図15(a)のB−B’断面である逆ハット断面形状とし、さらにその間の形状変化部14(+0.08L〜+0.29L、および−0.08L〜−0.29L)は図15(a)のC−C’断面に例示するように外向きフランジ31a、31bおよび32a、32bの位置を連続的に変化させた。
また、図15(b)に示す、長手方向の全長にわたって順ハット断面を有する筒体33aからなるバンパーリインフォースメント33(比較例1)と、図15(c)に示す、全長にわたって逆ハット断面を有する筒体34aからなるバンパーリインフォースメント34(比較例2)とについても、本発明例1と同様に解析した。
なお、バンパーリインフォースメント30、33、34のいずれについても、実在のバンパーリインフォースメントの形状に適合させるため、筒体30a、33a、34aそれぞれの長手方向の両端部を、図15(a)〜図15(c)に示すように若干湾曲させた。
次に、バンパーリインフォースメント30(本発明例1)、33(比較例1)、34(比較例2)についての耐曲げ性能および端部の圧潰性能の解析条件を説明する。
(a)耐曲げ性能
図16は、曲げ衝突解析条件を示す説明図である。同図に示すように、解析対象であるバンパーリインフォースメント30、33、34を構成する筒体30a、33a、34aの長手方向の中心から距離Wが450mm(±0.74L)である位置に、一辺の長さが70mmであって板厚が1.6mmである正方形の断面形状の筒体であるクラッシュボックス35を装着して車両後面側(図16における下方)を固定し、半径が150mmである半円筒からなるインパクタ(剛体)36を、黒矢印により示すように一定速度(15km/h)でバンパーリインフォースメント30、33、34を構成する筒体30a、33a、34aの長手方向の中央に衝突させた。
(ii)圧潰性能
図17は、斜め衝突解析条件を示す説明図である。同図に示すように、インパクタ(剛体)36を10度傾斜させ、バンパーリインフォースメント30、33、34を構成する筒体30a、33a、34aの長手方向40%の長さの部分を覆うようにし、黒矢印により示すようにして一定速度(15km/h)で、筒体30a、33a、34aに衝突させた。
表1に、バンパーリインフォースメント30、33、34の耐曲げ性能と、圧潰性能とをまとめて示す。表1において、耐曲げ性能は曲げ衝突解析における1stピーク荷重値により、また圧潰性能はバンパーリインフォースメント30、33、34のバンパ圧潰ストロークおよびバンパーリインフォースメント30、33、34のバンパ圧潰ストロークまでの吸収エネルギを、それぞれ比較例1を基準1.0として比較した。
Figure 0005056643
なお、「バンパ圧潰ストローク」とは、バンパーリインフォースメント30、33、34に装着されたクラッシュボックス35が圧潰を開始する直前のバンパーリインフォースメントの圧潰ストローク値であり、上述した図7のグラフにおけるストロークSt1を意味する。荷重が同じ場合には、バンパ圧潰ストローク比が大きいほど、バンパーリインフォースメント30、33、34による衝撃エネルギの吸収量が大きいことを意味する。
表1に示すように、本発明例1は、比較例1と比較すると、衝撃エネルギ吸収性能は同等であるが耐曲げ性能が極めて良好であり、また、比較例2と比較すると、衝撃エネルギ吸収性能と耐曲げ性能の双方において優れた性能を有する。すなわち、比較例1のように、全長が順ハット断面である場合には、耐曲げ性能が低く、比較例2のように全長が逆ハット断面の場合には衝撃エネルギ吸収性能が低いが、本発明例1では、衝撃エネルギ吸収性能および耐曲げ性能の双方に優れていることがわかる。
なお、比較例2でバンパ圧潰ストロークが小さくなる理由は、バンパーリインフォースメント34の圧潰が完了する前に、クラッシュボックス35の圧潰が開始されたためである。
図18(a)は、本発明例2であるバンパーリインフォースメント30−1の斜視図であり、図18(b)は、本発明例3であるバンパーリインフォースメント30−2の斜視図である。
本発明例2、3のいずれも、クラッシュボックス取付け領域を含む両端部のA−A’断面形状は順ハット断面であり、幅方向の中央のB−B’断面形状は外向きフランジを前面と後面との間に配した両ハット断面であって、B−B’断面において、前面と後面との距離をHとしたとき、本発明例2では前面から距離0.25H離れた位置に外向きフランジ31a、31bが存在し、本発明例3では前面から距離0.5H離れた位置に外向きフランジ31a、31bが存在する。
本発明例2、3のバンパーリインフォースメント30−1、30−2について、実施例1と同様に、図16に示す三点曲げ衝突解析と、図17に示す斜め衝突解析とを行った。
表2には、本発明例2、3の結果を、実施例1の発明例1、比較例1、2の結果とともに示す。表2における値は、表1と同様に、比較例1を基準1.0とした比率で示す。
Figure 0005056643
表2に示すように、本発明例2、3は、比較例1と比較すると、衝撃エネルギ吸収性能が同等であるが曲げ強度が高く、また比較例2と比較すると、衝撃エネルギ吸収性能と耐曲げ性能の双方において優れた性能を有する。
以上の実施例1、2の結果より、本発明の効果が明らかである。
(変形形態)
本発明に係るバンパーリインフォースメント7は、剛性や強度を向上するために、筒体の構成部材8、9の一部に、凹部や凸部等を設けてもよい。また、この筒体を構成する部材8、9の寸法、板厚、板幅さらには材料等も、上述した実施例に限定されるものではなく、バンパーリインフォースメント7に求める他の特性等も勘案して、適宜決定すればよい。
例えば、バンパーリインフォースメント7の耐曲げ性能を向上するために、例えばこの中央部11において図19(a)〜図19(f)に示すように、衝突面側素材8や反衝突面側素材9に、長手方向に延びるビードを設けてもよい。
図19(a)に示すバンパーリインフォースメント37aは衝突面側素材8にビード38が設けられている。
図19(b)に示すバンパーリインフォースメント37bは、図19(a)に示すバンパーリインフォースメント37aのビード38の形状を台形状に変更したものである。
図19(c)に示すバンパーリインフォースメント37cは、図19(a)に示すバンパーリインフォースメント37aのビード38の数を二つに増やしたものである。
図19(d)〜図19(f)に示すバンパーリインフォースメント37d〜37fは、衝突面側素材8のみならず反衝突面側素材9にもビード39を設けたものである。特に、図19(e)のバンパーリインフォースメント37eは、図19(d)のバンパーリインフォースメント37dのビード38、39の形状を変更したものであり、図19(f)のバンパーリインフォースメント37fは、図19(e)に示すバンパーリインフォースメント37eのビード38、39の深さをより深くしたものである。さらに、これらのバンパーリインフォースメント37a〜37fの細部の形状を適宜組み合わせたものでも、同様に適用可能である。
また、図19(g)〜図19(j)に示すように、バンパーリインフォースメント37g〜37jを構成する筒体の閉断面形状が、上面および/または下面に対して傾斜する前面および/または後面を有するように構成してもよい。
また、以上の実施の形態および実施例の説明では、バンパーリインフォースメントを構成する筒体が、二つの構成部材8、9を重ね合わせることにより設けられる場合を例にとった。しかし、本発明はこの場合に限定されるものではなく、三つ以上の構成部材を重ね合わせることにより設けられる場合であっても、同様に適用可能である。
図20(a)〜図20(f)は、いずれも、構成部材8、9および構成部材40により構成される筒体を備えるバンパーリインフォースメント7a〜7fを示す説明図である。
これらのバンパーリインフォースメント7a〜7fは、いずれも、内部に補強部材として構成部材40を備えるので、特に長手方向の中央部11における曲げ強度をさらに高めることができる。
さらに、以上の実施の形態および実施例の説明では、バンパーリインフォースメントが、自動車車体の前部に装着されるフロントバンパーリインフォースメントである場合を例にとったが、本発明はこれに限定されるものではなく、自動車車体の後部に装着されるリアバンパーリインフォースメントである場合にも同様に適用される。
この場合、衝撃荷重が負荷されることを想定する面は後面となるので、長手方向の中央における外向きフランジの、上面もしくは下面における前後方向についての設置位置は、クラッシュボックス取付け領域における外向きフランジの、上面もしくは下面における前後方向についての設置位置よりも、後面側に偏って存在することとなるので、後面から、上面もしくは下面における前後方向についての外向きフランジの設置位置までの寸法が、前面と後面との間の距離をHとするとき、中央では0.0Hであるとともにクラッシュボックス取付け領域では1.0Hであることが望ましいこととなり、さらに、この場合には、中央とクラッシュボックス取付け領域との間の少なくとも一部の領域における外向きフランジの、上面もしくは下面における前後方向についての設置位置は、中央からクラッシュボックス取付け領域に向かって後側から前側に変化して存在することとなる。
曲げ性能および圧潰性能の解析対象モデルであるハット部材の形状を示す説明図である。 三点曲げ衝突解析の要領を示す説明図である。 端部圧潰解析の要領を示す説明図である。 ハット部材の中央部にインパクタを衝突させた場合の1stピーク荷重値を比較して示すグラフである。 ハット部材の端部にインパクタを衝突させた場合の60mm圧潰時の吸収エネルギを比較して示すグラフである。 実施の形態のバンパーリインフォースメントの説明図であり、図6(a)はバンパーリインフォースメントの車両前面視図であり、図6(b)はバンパーリインフォースメントの車両上面視図である。 自動車車体の前端側である衝突端側から順に、本実施の形態のバンパーリインフォースメント、クラッシュボックスおよびフロントサイドメンバーを備える自動車車体の圧潰時における荷重と圧潰ストロークとの関係の一例を示すグラフである。 図8(a)、図8(b)は、それぞれ、バンパーリインフォースメントの衝突面側素材のプレス成形に用いるダイ金型、パンチ金型の形状を示す説明図であり、図8(c)、図8(d)は、それぞれ、バンパーリインフォースメントの反衝突面側素材のプレス成形に用いるダイ金型、パンチ金型の形状を示す説明図である。 図9(a)および図9(b)は、衝突面側素材、反衝突面側素材それぞれのプレス成形に用いるブランクの形状の一例を示す説明図である。 ブランクにプレス成形を行うプレス成形機を示す説明図である。 図11(a)および図11(b)は、形状変化部の適当な位置に適当数の切欠きを設けられた構成部材を示す説明図である。 実施の形態のバンパーリインフォースメントの形状変化部におけるしわならびに割れの発生を抑制するための条件を示す説明図である。 バンパーリインフォースメントの筒体の車両前面視図である。 図14(a)は図13におけるA−A’断面図であり、図14(b)は図13におけるB−B’断面図であり、図14(c)は図13におけるC−C’断面図である。 図15(a)は、本発明例1であるバンパーリインフォースメントの斜視図であり、図15(b)は、比較例1のバンパーリインフォースメントの斜視図であり、図15(c)は、比較例2のバンパーリインフォースメントの斜視図である。 曲げ衝突解析条件を示す説明図である。 斜め衝突解析条件を示す説明図である。 図18(a)は、本発明例2であるバンパーリインフォースメントの斜視図であり、図18(b)は、本発明例3であるバンパーリインフォースメントの斜視図である。 図19(a)〜図19(f)は、長手方向の中央部に長手方向に延びるビードを設けた筒体を備えるバンパーリインフォースメントを示す説明図である。 図20(a)〜図20(f)は、いずれも、三つの構成部材により構成される筒体を備えるバンパーリインフォースメントを示す説明図である。
符号の説明
1 ハット状開断面素材
2 板状素材
1a、1b 外向きフランジ
3 ハット部材
4a、4b クラッシュボックス取付け部
5a、5b 支点
6 インパクタ
7 バンパーリインフォースメント
7a 筒体
8 衝突面側素材
9 反衝突面側素材
10 クラッシュボックス取付け部
11 中央部
12 外向きフランジ
13 端部
14 形状変化部
15 クラッシュボックス
16 フロントサイドメンバー
17、19 ダイ金型
18、20 パンチ金型
21、22 ブランク
23 プレス機
24 ホルダー
25 ダイクッション
26 ダイ
27 パンチ
28、29 切欠き
30、30−1、30−2 バンパーリインフォースメント
30a、30−1a、30−2a 筒体
31 衝突面側素材
32 反衝突面側素材
31a、31b、32a、32b 外向きフランジ
33、34 バンパーリインフォースメント
33a、34a 筒体
35 クラッシュボックス
36 インパクタ
37a〜37f バンパーリインフォースメント
38,39 ビード
40 構成部材

Claims (6)

  1. 自動車車体の前部または後部に該自動車車体の幅方向へ延びて設けられる長尺の筒体により構成されるバンパーリインフォースメントであって、
    前記筒体は、上面、下面、前面および後面を備えるとともに前記上面および下面に外向きフランジを有する閉断面形状を有するとともに、長手方向の中央の両側にクラッシュボックス取付け領域を有し、
    前記中央における前記外向きフランジの、前記上面もしくは下面における前後方向についての設置位置は、
    前記筒体が前記前部に設けられる場合には、前記クラッシュボックス取付け領域における前記外向きフランジの、前記上面もしくは下面における前後方向についての設置位置よりも、前記前面側に偏って存在し、
    前記筒体が前記後部に設けられる場合には、前記クラッシュボックス取付け領域における前記外向きフランジの、前記上面もしくは下面における前後方向についての設置位置よりも、前記後面側に偏って存在すること
    前記中央における前記外向きフランジの、前記上面もしくは下面における前後方向についての設置位置は、
    前記筒体が前記前部に設けられる場合には、前記上面もしくは下面における前記前後方向についての中央よりも、前記前面側に偏って存在し、
    前記筒体が前記後部に設けられる場合には、前記上面もしくは下面における前記前後方向についての中央よりも、前記後面側に偏って存在すること、および
    前記筒体が前記前部に設けられる場合には前記前面から、前記筒体が前記後部に設けられる場合には前記後面から、前記上面もしくは下面における前後方向についての前記外向きフランジの設置位置までの寸法は、前記前面と前記後面との間の距離をHとするとき、前記中央では0.0Hであるとともに前記クラッシュボックス取付け領域では1.0Hであること
    を特徴とするバンパーリインフォースメント。
  2. 前記前面または前記後面は、前記上面および/または下面に対して傾斜する請求項1記載されたバンパーリインフォースメント。
  3. 前記中央と前記クラッシュボックス取付け領域との間の少なくとも一部の領域における前記外向きフランジの、前記上面もしくは下面における前後方向についての設置位置は、前記筒体が前記前部に設けられる場合には前記中央から前記クラッシュボックス取付け領域に向かって前側から後側に変化して存在し、前記筒体が前記後部に設けられる場合には前記中央から前記クラッシュボックス取付け領域に向かって後側から前側に変化して存在する請求項1または請求項2に記載されたバンパーリインフォースメント。
  4. 前記筒体は、重ね合わされる少なくとも二つの構成部材により構成されるとともに、前記外向きフランジは少なくとも二つの構成部材の重ね合わせ部である請求項1から請求項までのいずれか1項に記載されたバンパーリインフォースメント。
  5. 前記筒体は、前記閉断面形状をなす外壁のみにより構成される請求項1から請求項までのいずれか1項に記載されたバンパーリインフォースメント。
  6. 自動車車体の前部または後部に該自動車車体の幅方向へ延びて設けられるとともに、長手方向の中央の両側にクラッシュボックス取付け領域を有する長尺の筒体により構成されるバンパーリインフォースメントの製造方法であって、下記第1の工程および第2の工程を含むことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載されたバンパーリインフォースメントの製造方法。
    第1の工程;
    長手方向の中央の幅が長手方向の両端部の幅よりも狭い第1の素材と、長手方向の中央の幅が長手方向の両端部の幅よりも広い第2の素材とを、ダイフェース面の高さならびにパンチフェース面の高さが長手方向に変化する金型を用いて、長手方向の両端部のハット断面高さが長手方向の中央のハット断面高さよりも大きいハット型の開断面形状を有する第1の中間素材、あるいは、両端部がハット型の開断面形状を有し、かつ中央が平坦状断面形状を有する第1の中間素材と、長手方向の中央のハット断面高さが長手方向の両端部のハット断面高さよりも大きいハット型の開断面形状を有する第2の中間素材、あるいは、中央がハット型の開断面形状を有し、かつ両端部が平坦状断面形状を有する第2の中間素材とにそれぞれプレス成形する工程。
    第2の工程;
    前記第1の中間素材と前記第2の中間素材とを、それぞれの縁部で重ね合わせてから、接合する工程。
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