JP5056507B2 - ローパスフィルタおよび半導体圧力センサ装置 - Google Patents

ローパスフィルタおよび半導体圧力センサ装置 Download PDF

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Description

本発明は、スイッチトキャパシタ回路で構成されたローパスフィルタおよびそれを組み込んだ半導体圧力センサ装置に関する。
半導体圧力センサは、その小型、高性能性が評価されて自動車エンジンの吸気管、排気管内の圧力検出等、自動車用以外ではガスメータ用途などに幅広く採用されている。一般に半導体圧力センサは応答性が良いため、高速の圧力変動の検出には都合が良い。しかし、高周波成分を除いた平均的圧力変動を検出したいような場合には、この高速応答性が返って逆効果になる。従って、そのような場合には、検出した値をローパスフィルタを通すことによって高周波成分を取り除き、目的とする低周波成分のみを取り出すことが行われている。
特許文献1には、具体的な手段としてスイッチトキャパシタフィルタ(Switched Capacitor filter)を用いたものが開示されている。このローパスフィルタは、1Hz程度の低いカットオフ周波数が必要とされる場合に、スイッチトキャパシタを構成するキャパシタの容量値を半導体集積回路で実現可能な小さい値に維持し、代わりにクロックパルスの周波数を1.5kHz程度まで下げる構成となっている。そして、クロックパルスの周波数を下げることに伴うアナログスイッチの洩れ電流の影響を低減するために、2相クロックパルスのクロックパルスφ1の期間終了後、短い時間間隔をおいてクロックパルスφ2が立ち上がるようにしている。
特開2004−289802号公報
特許文献1記載のスイッチトキャパシタフィルタにおいて、電源オンの後出力が安定するまでには、5τ〜6τ(τ:時定数)程度の時間が必要となる。例えばカットオフ周波数fcが1.3Hzの場合、時定数τは120msとなり、出力が安定するまでには少なくとも600ms程度必要となる。そのため、システム側で、電源オンから600msが経過するよりも早い時点で出力電圧を得て初期補正などの初期化処理を実行すると、正規の値からずれが生じる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、スイッチトキャパシタ回路で構成されたものにおいて、カットオフ周波数が低い場合であっても、電源オンの後速やかに出力が安定するローパスフィルタおよびそれを組み込んだ半導体圧力センサ装置を提供することにある。
請求項に記載したローパスフィルタによれば、電源オンから整定化時間が経過した後は、第1相および第2相クロックパルスを互いにオン期間が異なるように2相動作させる。第1相クロックパルスがオン、第2相クロックパルスがオフの状態では、第1のキャパシタに信号入力電圧に応じた電荷が蓄積され、第2のキャパシタの電荷が放電され、第3のキャパシタの電荷が保持される。その後、第1相クロックパルスがオフ、第2相クロックパルスがオンの状態では、第2および第3のキャパシタが並列に接続され、キャパシタ相互間で電荷再分配がなされて第1のキャパシタの電荷が第2および第3のキャパシタに移動する。これら2つの状態を繰り返すことによりローパスフィルタ作用が得られる。
これに対し、電源オンから所定の整定化時間が経過するまでの整定化期間では、フィルタ動作有効化信号をオフして信号入力電圧と基準電圧との短絡を防止した上で、第1相および第2相クロックパルスをともにオンすることにより、各キャパシタ相互の接続ノードを基準電圧に保持する。この整定化期間を経ることにより、信号入力端子から信号出力端子までの間の第2、第3相互接続ノードの電圧および第2、第3キャパシタの電荷状態は、短時間のうちに定常的な状態またはそれに近い状態に整定する。これにより、カットオフ周波数が低い場合であっても、電源オンの後、出力電圧は速やかに定常値またはそれに近い値にまで立ち上がり安定する。
請求項に記載した手段によれば、タイマ手段により、電源オンから整定化時間を計時する。
請求項に記載した手段によれば、第1、第2、第3のキャパシタの容量値は、直流ゲインが1倍になるように設定されており、基準電圧は、信号入力電圧の直流レベルに等しい値に設定されている。この場合には、整定化期間が経過してフィルタ動作に移行した時の過渡現象をほぼ完全に抑えることができ、出力電圧をより速く安定させることができる。
請求項に記載した半導体圧力センサは、ダイアフラムの表面に形成されたピエゾ抵抗素子がブリッジ接続された構成を備えたセンサチップと、ブリッジ回路の出力電圧を増幅する差動増幅回路および増幅された電圧を入力するローパスフィルタを備えた回路チップから構成されている。これにより、センサチップからの出力信号を増幅して高周波成分を取り除き、低周波成分の圧力変動のみを精度よく検出することが可能になる。また、電源オンの後出力電圧が速やかに安定するので、当該半導体圧力センサの出力電圧を入力とするシステム側において、電源オンから短時間で出力電圧を用いた初期化処理等を実行可能となる。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
本実施形態の半導体圧力センサ装置は、ディーゼルエンジンから排出される粒子状物質(パティキュレート)を捕集するディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)を備えた排ガス浄化装置において、捕集されたパティキュレートの量(PM捕集量)を知るためにDPFの前後差圧を検出する用途、或いは、排気ガス中に含まれるNOx(窒素酸化物)を低減するために排気ガスを内燃機関の吸気に環流させる排気ガス再循環(EGR)装置において、再循環された排ガスの流量を推定するために、排ガス再循環配管に形成されたオリフィスの前後差圧を検出する用途に用いられる。
これらの差圧は排気脈動の影響を受けるため、そのままでは半導体圧力センサ装置の出力電圧が大きく脈動し、検出圧力範囲を広く設定する必要がある。しかし、検出圧力範囲を広げると検出精度が低下する。そこで、本実施形態の半導体圧力センサ装置は、例えば1.3Hz程度のカットオフ周波数fcを持つローパスフィルタを備え、排気脈動の周波数成分を遮断して出力するようになっている。これにより、絶対精度を高めることができる。
図1は、半導体圧力センサ装置の電気的構成を示している。半導体圧力センサ装置1は、センサチップ2と回路チップ3とから構成されている。図2(a)はセンサチップ2の平面図であり、図2(b)は図2(a)のA−A線に沿う縦断面図である。センサチップ2は、シリコン基板4(半導体基板に相当)の上に形成されている。シリコン基板4は、P型シリコン基板4aの上にN型エピタキシャル層4bを成長させたものである。P型シリコン基板4aの中央部は薄肉に形成されており、表層に形成されたN型エピタキシャル層4bと共に薄肉のダイアフラム5を構成している。
薄肉のダイアフラム5の表層部には、P型不純物を拡散させることによってピエゾ抵抗素子G1〜G4が形成されている。ダイアフラム5に圧力が加わった場合には、ダイアフラム5およびピエゾ抵抗素子G1〜G4に歪みが生じる。所定の向きの圧力が加わると、例えばピエゾ抵抗素子G1、G2の抵抗は低くなり、ピエゾ抵抗素子G3、G4の抵抗は高くなるように形成されている。これらのピエゾ抵抗素子G1〜G4は、同じ抵抗変化を生ずるもの同士が隣り合わないようにブリッジ回路6を構成するように接続されている。
ブリッジ回路6におけるピエゾ抵抗素子G1とG3の接続点には、電源電圧Vddを供給する電源線7に接続された電流源8から定電流Iaが供給され、ピエゾ抵抗素子G2とG4の接続点は電源線9(グランド線)に接地されている。このような回路構成の下でダイアフラム5に所定の向きの圧力が加わると、ピエゾ抵抗素子G2とG3の接続点の電位Vp1は下降し、ピエゾ抵抗素子G1とG4の接続点の電位Vp2は上昇する。そして、その差電圧(Vp2−Vp1)は、ダイアフラム5に加えられた圧力にほぼ比例した値となる。
半導体集積回路装置として構成された回路チップ3は、上述の電流源8、差動増幅回路10、ローパスフィルタ11、出力回路12、パワーオンリセット回路13、タイマ回路14、発振回路15、分周回路16などから構成されている。このうちパワーオンリセット回路13、タイマ回路14、発振回路15および分周回路16が制御手段に相当する。この回路チップ3は、電源線17、9を通して供給される電源電圧Vd(例えば0.7×Vcc=3.5V)により動作する。また、差動増幅回路10とローパスフィルタ11は、電源線9の接地電位Veeに対して、電圧源18で生成された基準電圧Vref(例えば0.3×Vcc=1.5V)だけバイアスされた状態で動作する。
差動増幅回路10は、センサチップ2のブリッジ回路6から差電圧(Vp2−Vp1)を入力し、所定の増幅率(本実施形態では25倍)で反転増幅する。ブリッジ回路6の出力電圧Vp1、Vp2は、それぞれ演算増幅器OP2、OP3の非反転入力端子に入力されている。演算増幅器OP2の出力端子(ノードN0)と基準電圧Vrefの供給ノードNrとの間には、抵抗R1〜R4が直列に接続されている。抵抗R1の両端は、演算増幅器OP2の出力端子と反転入力端子との間にも接続されており、抵抗R3の両端は、演算増幅器OP3の出力端子と反転入力端子との間にも接続されている。抵抗R1〜R4の抵抗値は、差動増幅回路10の増幅率が25倍となるように定められている。
グランド電位を基準とする差動増幅回路10の出力電圧Vo1は(1)式のようになり、ノードNrを基準電位とする差動増幅回路10の出力電圧Vd1は、出力電圧Vo1に対し(2)式の関係を有する。
Vo1=−25×(Vp2−Vp1)+Vref …(1)
Vd1=Vo1−Vref …(2)
ローパスフィルタ11は、演算増幅器OP1と、第1、第2、第3のキャパシタC1、C2、C3と、第1、第2、第3のアナログスイッチS11、S12、S13と、第4、第5、第6のアナログスイッチS24、S25、S26と、第7のアナログスイッチS37から構成されるスイッチトキャパシタフィルタである。第1、第2、第3のアナログスイッチS11、S12、S13は、2相クロックパルスφ1、φ2のうち第1相クロックパルスφ1がオン(Hレベル)の期間中のみ導通し、第4、第5、第6のアナログスイッチS24、S25、S26は、第2相クロックパルスφ2がオン(Hレベル)の期間中のみ導通する。また、第7のアナログスイッチS37は、フィルタ動作有効化信号φ3がオン(Hレベル)の期間中のみ導通する。キャパシタC1、C2、C3の容量値は、ローパスフィルタ11の直流ゲインが1倍となるように設定されている。
演算増幅器OP1は、電源線17、9から供給される単一の電源電圧Vd(3.5V)により動作し、その非反転入力端子はノードNrに接続されている。上述したように、ノードNrには電源電圧Vdの約1/2の基準電圧Vref(1.5V)が印加されている。このような基準電圧Vrefを印加するのは、演算増幅器OP1を単一電源で動作させるためである。演算増幅器OP1を正、負の2電源で動作させる場合には、基準電圧Vrefを0Vとして接地電位Veeと同じにすればよい。
第1のアナログスイッチS11はノードN0(信号入力端子に相当)とノードN1(第1相互接続ノードに相当)との間に、第4のアナログスイッチS24および第7のアナログスイッチS37はノードN1と演算増幅器OP1の非反転入力端子との間に直列に、第1のキャパシタC1はノードN1とノードN2(第2相互接続ノードに相当)との間に、第2のアナログスイッチS12はノードN2と演算増幅器OP1の非反転入力端子との間に、第5のアナログスイッチS25はノードN2と演算増幅器OP1の反転入力端子との間に、第2のキャパシタC2はノードN2とノードN3(第3相互接続ノードに相当)との間に、第3のキャパシタC3は演算増幅器OP1の反転入力端子と出力端子との間に、第3のアナログスイッチS13はノードN3と演算増幅器OP1の非反転入力端子との間に、第6のアナログスイッチS26はノードN3と演算増幅器OP1の出力端子との間にそれぞれ接続されている。
ここで、グランド電位を基準とするローパスフィルタ11の出力電圧をVo2とし、ノードNrを基準電位とするローパスフィルタ11の出力電圧をVd2とする。これら出力電圧Vo2とVd2は、(2)式と同様に(3)式の関係を有する。
Vd2=Vo2−Vref …(3)
出力回路12は、ローパスフィルタ11の出力電圧Vo2に対する増幅、オフセット補正およびオフセット温特補償を行うものである。演算増幅器OP4は、抵抗R5〜R9とともに反転増幅回路を構成している。演算増幅器OP4の反転入力端子は、抵抗R5を介して上記演算増幅器OP1の出力端子に接続されており、演算増幅器OP4の非反転入力端子は、上記演算増幅器OP1の非反転入力端子に接続されている。演算増幅器OP4の反転入力端子と出力端子19との間には抵抗R6が接続されている。また、演算増幅器OP4の出力端子と出力端子19との間には、抵抗R10、R11およびキャパシタC4からなるT型フィルタ20が接続されている。このT型フィルタ20は、出力端子19から侵入する電磁ノイズを抑制するために設けられている。出力回路12の増幅率は、抵抗R5、R6により定まる。
調整電圧出力回路21は、オフセット補正電圧およびオフセット温特補償電圧のデジタルデータが格納されたEPROMと、デジタルデータを入力してD/A変換するD/Aコンバータとを備えて構成されている。調整電圧出力回路21の出力端子は、抵抗R7、R8、R9を介して演算増幅器OP4の反転入力端子に接続されている。
オフセット補正は、センサチップ2が出力する電位差を示す信号のゼロ点のずれ(オフセット)をキャンセルするためのものである。オフセットは、製造ばらつき等によって生じる。そこで、オフセット補正量を予め求めてEPROMに記憶しておき、オペアンプOP4による増幅動作とともにオフセット補正量に相当する電圧を加算または減算している。
オフセット温特補償は、オフセットの温度特性を補償するものである。オフセットは様々な要因に基づいて温度特性を持つ。そこで、オフセットの温度特性を予め求めてEPROMに記憶させておき、オペアンプOP4による増幅動作とともにオフセット温特補償分に相当する電圧を加算または減算している。
パワーオンリセット回路13は、半導体圧力センサ装置1に電源が投入された時にリセット処理を実行する回路である。タイマ回路14(タイマ手段に相当)は、パワーオンリセット処理後、直ちにタイマ動作を開始し、電源オンから所定の整定化時間Tsを計時する。分周回路16は、整定化時間Tsの経過前において、クロックパルスφ1、φ2をHレベル、フィルタ動作有効化信号φ3をLレベルとする。そして、整定化時間Tsの経過後において、フィルタ動作有効化信号φ3をHレベルとし、発振回路15から出力される原発振クロックを分周して互いにオン期間が異なる上記2相クロックパルスφ1、φ2を出力する。
次に、本実施形態の作用について図3ないし図5も参照しながら説明する。
図3は、半導体圧力センサ装置1に電源が投入された時点からのタイミングチャートである。上から順に電源入切状態、パワーオンリセット信号、クロックパルスφ1、クロックパルスφ2、フィルタ動作有効化信号φ3を示している。フィルタ作用を生じさせる一連のスイッチ切り替えシーケンスは、電源オンから整定化時間Tsが経過した時刻t2以降に示されている。第1相クロックパルスφ1とそれに続く第2相クロックパルスφ2との時間間隔(時刻t4とt5、t8とt9の各間隔)は、第1相クロックパルスφ1により導通するアナログスイッチS11、S12、S13と第2相クロックパルスφ2により導通するアナログスイッチS24、S25、S26とが同時に導通する状態が生じない範囲でできるだけ狭めることが好ましい。
図4は、電源オンから整定化時間Tsが経過した後のローパスフィルタ11のフィルタ作用説明図である。上から順に(a)第1相クロックパルスφ1がオン、第2相クロックパルスφ2がオフである相1の期間、(b)クロックパルスφ1、φ2がともにオフである相2の期間、(c)第1相クロックパルスφ1がオフ、第2相クロックパルスφ2がオンである相の期間、(d)クロックパルスφ1、φ2がともにオフである相4の期間の回路状態を示している。フィルタ動作有効化信号φ3は全てオンである。クロックパルスφ1、φ2の周波数は、例えば4.5kHzに設定されている。
図4(a)に示す相1においては、キャパシタC1には電圧Vd1(=Vo1−Vref)に応じた電荷が蓄積され、キャパシタC2は放電して充電電荷はゼロになる。キャパシタC3の電荷は変化しない。図4(b)に示す相2においては、各キャパシタは相1が終了する直前の電荷を維持する。図4(c)に示す相3においては、キャパシタC2、C3は並列接続された状態となり、電荷再分配によりキャパシタC1の電荷がキャパシタC2、C3に移動する。図4(d)に示す相4においては、各キャパシタは相3の終了直前の充電電圧を維持する。相1から相4までを実行した後は再び相1に戻る。
図3において、時刻t0に電源が投入されると、パワーオンリセット回路13は、パワーオンリセット信号をHレベルにしてパワーオンリセット処理を実行する。時刻t1にパワーオンリセット処理が終了すると、パワーオンリセット信号をLレベルに戻す。タイマ回路14は、パワーオンリセット信号がLレベルに変化した時刻t1から、予め決められた整定化時間Tsが経過するまで計時動作を実行する。1.3Hzのカットオフ周波数fcを持つローパスフィルタ11の時定数τは120msであるが、整定化時間Tsは、この時定数τに比べて短い時間例えば2msで十分である。
この整定化期間では、クロックパルスφ1、φ2はともにHレベルになり、フィルタ動作有効化信号φ3はLレベルになるので、ローパスフィルタ11において、アナログスイッチS11、S12、S13、S24、S25、S26は全てオンとなり、アナログスイッチS37だけがオフとなる。整定化期間の前にキャパシタC1、C2、C3に電荷が残存していても、整定化期間内にノードN2、N3および演算増幅器OP1の反転入力端子の電位状態が全て基準電圧Vrefとなり、出力電圧Vo2は速やかに基準電圧Vrefに安定する。なお、アナログスイッチS37は、整定化期間において、差動増幅回路10の出力電圧Vo1と電圧源18の基準電圧Vrefとが競合しないように設けられている。
上述したようなDPFの前後差圧やEGRシステムにおけるオリフィスの前後差圧を検出する用途では、電源オンすなわち車両のキーオンの前は差圧がゼロとなっている。このため、センサチップ2から出力される差電圧(Vp2−Vp1)もゼロとなっており、ローパスフィルタ11の入力ノードN0は基準電圧Vrefに等しくなっている。従って、整定化時間Tsが経過する時刻t2の時点では、ローパスフィルタ11のノードN0〜N3の電圧およびキャパシタC1、C2、C3の電荷は、それ以降のフィルタ動作中における定常的な値に等しくなっている。このため、整定化時間Tsが経過した時刻t2以降フィルタ動作を開始しても、ローパスフィルタ11で過渡現象が生じることはない。出力電圧Vo2は、電源オン後2ms以内に差圧ゼロに相当する1.5Vの電圧レベルに達し、その後差圧が発生し始めるとそれに従って差電圧(Vp2−Vp1)に応じた変化をする。
図5(a)は、ローパスフィルタ11の出力電圧Vo2のシミュレーション波形であり、図5(b)は、比較のために示す従来構成のローパスフィルタにおける出力電圧Vo2のシミュレーション波形である。カットオフ周波数fcはともに1.3Hz、時定数τは120msであり、ローパスフィルタ11の整定化時間Tsは2msである。従来構成のローパスフィルタでは、電源オン時において、演算増幅器OP1の入力端子間のオフセット電圧などに起因して出力電圧Vo2が1.65Vまで跳ね上がり、キャパシタC3に電荷が充電されてしまう。その後、出力電圧Vo2は、5τ(600ms)程度の時間をかけて徐々に定常値に整定する。これに対し、本実施形態のローパスフィルタ11では、電源オン後、出力電圧Vo2は2ms以内の極めて短い時間のうちに速やかに定常値にまで立ち上がり安定する。
以上説明したように、本実施形態の半導体圧力センサ装置1はローパスフィルタ11を備えているので、そのカットオフ周波数fcを1.3Hz程度に低く設定すれば、ディーゼルエンジンシステムのDPFの前後差圧やEGRシステムにおけるオリフィスの前後差圧の検出に適用した場合に排気脈動成分を除去することができ、その分だけ検出圧力範囲を狭めて絶対精度を高めることができる。
スイッチトキャパシタ回路として構成されたローパスフィルタ11において、電源オンから整定化時間Tsが経過するまでの期間、ノードN2、N3および出力電圧Vo2を基準電圧Vrefに固定する。この整定化時間Tsは、ローパスフィルタ11の時定数τに比べて短い時間で十分である。これにより、カットオフ周波数fcを低く設定しても、電源オン後の整定を早めることができ、出力電圧Vo2を速やかに安定化させることができる。
ディーゼルエンジンシステムでは、車両のキーがオンされると、検出圧力に基づいて初期補正などの初期化処理を実行してからエンジンをスタートさせる。本実施形態の半導体圧力センサ装置1を用いれば、正確な検出圧力に基づいて初期化処理を実行することができる。また、ローパスフィルタ11の直流ゲインは1倍に設定されており、電源オン時に差動増幅回路10の出力電圧Vd1はゼロ(差圧ゼロ)となっている。このような条件の下では、整定化時間Tsの経過後における過渡現象は発生せず、一層安定した状態でフィルタ動作に移行することができる。
相2の期間を短く設定したので、相2の期間中におけるアナログスイッチの洩れ電流による影響を抑えることができる。その結果、ローパスフィルタ11の低周波領域におけるゲインおよびカットオフ周波数fcの誤差や変動を低減することができる。
なお、本発明は上記し且つ図面に示す実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように変形または拡張が可能である。
ローパスフィルタ11は、ディーゼルエンジンシステムに限られず、例えばガスメータなど種々の用途に適用できる。
ローパスフィルタ11の直流ゲインは1倍に限られない。また、電源オン時の差動増幅回路10の出力電圧Vo1は基準電圧Vrefと異なっていてもよい。これらの場合には、電源オンから整定化時間Tsが経過した後において過渡現象が生じるが、従来構成と比べれば出力電圧Vo2の安定化に要する時間を大幅に短縮することができる。
ブリッジ回路6におけるピエゾ抵抗素子G1とG3の接続点には、電圧源から定電圧を印加してもよい。
本発明の一実施形態を示す半導体圧力センサ装置の電気的構成図 センサチップの平面図と縦断面図 半導体圧力センサ装置に電源が投入された時点からのタイミングチャート ローパスフィルタのフィルタ作用説明図 シミュレーション波形図
符号の説明
1は半導体圧力センサ装置、2はセンサチップ、3は回路チップ、4はシリコン基板(半導体基板)、5はダイアフラム、6はブリッジ回路、10は差動増幅回路、11はローパスフィルタ、14はタイマ回路(タイマ手段)、G1〜G4はピエゾ抵抗素子、C1、C2、C3は第1、第2、第3のキャパシタ、S11、S12、S13、S24、S25、S26、S37は第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7のアナログスイッチ、OP1は演算増幅器、N1、N2、N3はノード(第1、第2、第3相互接続ノード)、φ1、φ2は第1相、第2相クロックパルス、φ3はフィルタ動作有効化信号である。

Claims (4)

  1. 演算増幅器と、第1、第2、第3のキャパシタと、2相クロックパルスの第1相クロックパルスがオンの期間中のみ導通する第1、第2、第3のアナログスイッチと、前記2相クロックパルスの第2相クロックパルスがオンの期間中のみ導通する第4、第5、第6のアナログスイッチと、フィルタ動作有効化信号がオンの期間中のみ導通する第7のアナログスイッチと、電源オンから所定の整定化時間が経過するまでの期間は前記フィルタ動作有効化信号をオフにするとともに前記第1相および第2相クロックパルスをともにオンにし、前記整定化時間が経過した後は前記フィルタ動作有効化信号をオンにするとともに前記第1相および第2相クロックパルスを互いにオン期間が異なるように2相動作させる制御手段とを具備し、
    前記演算増幅器の非反転入力端子に基準電圧が印加され、前記第1のアナログスイッチは信号入力端子と第1相互接続ノードとの間に、前記第4および第7のアナログスイッチは直列の形態で前記第1相互接続ノードと前記演算増幅器の非反転入力端子との間に、前記第1のキャパシタは前記第1相互接続ノードと第2相互接続ノードとの間に、前記第2のアナログスイッチは前記第2相互接続ノードと前記演算増幅器の非反転入力端子との間に、前記第5のアナログスイッチは前記第2相互接続ノードと前記演算増幅器の反転入力端子との間に、前記第2のキャパシタは前記第2相互接続ノードと第3相互接続ノードとの間に、前記第3のキャパシタは前記演算増幅器の反転入力端子と出力端子との間に、前記第3のアナログスイッチは前記第3相互接続ノードと前記演算増幅器の非反転入力端子との間に、前記第6のアナログスイッチは前記第3相互接続ノードと前記演算増幅器の出力端子との間にそれぞれ接続され、前記演算増幅器の出力端子から出力信号を取り出すように構成されていることを特徴とするローパスフィルタ。
  2. 電源オンから前記整定化時間を計時するタイマ手段を備えていることを特徴とする請求項記載のローパスフィルタ。
  3. 前記第1、第2、第3のキャパシタの容量値は、直流ゲインが1倍になるように設定されており、
    前記基準電圧は、前記信号入力電圧の直流レベルに等しい値に設定されていることを特徴とする請求項記載のローパスフィルタ。
  4. 半導体基板の一部を薄肉にして形成したダイアフラムの表面に、該ダイアフラムに加わる圧力に応じて所定の向きの抵抗変化を生ずる2つのピエゾ抵抗素子と逆向きの抵抗変化を生ずる2つのピエゾ抵抗素子とが同じ抵抗変化を生ずるもの同士が隣り合わないようにブリッジ接続され、このブリッジ回路に定電流または定電圧が印加されるように構成されたセンサチップと、
    前記ブリッジ回路の出力電圧を増幅する差動増幅回路および増幅された電圧を入力する請求項1ないしの何れかに記載のローパスフィルタが形成された回路チップとから構成されていることを特徴とする半導体圧力センサ装置。
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