JP5056223B2 - ラインプリンタ、ハーフトーン処理方法、印刷方法 - Google Patents

ラインプリンタ、ハーフトーン処理方法、印刷方法 Download PDF

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Description

本発明は、複数の印刷ヘッドによって同一のラスタにドットを形成して、所定の画像データの印刷を行うラインプリンタに関する。
インクジェット式のラインプリンタにおいては、印刷用紙を送りながら、この用紙送り方向と直交する方向に概ね一列に配されたプリンタヘッドのノズルからインク液滴を吐出させ、用紙に付着させて、文字や画像の印刷を行う。
かかるラインプリンタのうち、例えば、サーマル方式のプリンタにおいては、一般的に、印刷ヘッドを複数個並べてプリンタヘッドが形成される。このように複数個の印刷ヘッドを用いるのは、円盤状のシリコン基板から切り出されて製造されるプリンタヘッドの収率、歩留を向上させるためである。このような複数の印刷ヘッドを並べる構成のラインプリンタでは、高画質印刷を行う場合、一つのドット径は、非常に小さいものとなる。例えば600dpiの印刷を行う場合、一つのドット径は約40μmである。したがって、印刷ヘッドの設置位置が製造誤差などにより正規の位置から僅かにずれてしまった場合でも、印刷画質の劣化が生じる。
このような印刷ヘッドの位置ずれによる印刷画質の劣化を抑制する技術として、例えば、下記特許文献1の技術が知られている。
特開2005−219508号公報
特許文献1は、一方の印刷ヘッドが受け持つドット作成箇所と、他方の印刷ヘッドが受け持つドット作成箇所とが混在するように、隣接する印刷ヘッドの一部をオーバーラップさせることで、これら隣接する印刷ヘッド間の位置ずれによる印刷画質の劣化を目立たないように印刷する技術を開示している。
しかしながら、上記技術は、オーバーラップ領域におけるドット形成を隣接する印刷ヘッド間で分担することにより、印刷ヘッドの接続部における急激な印刷画像の劣化を避けて、目立たないようにしているだけであり、オーバーラップ領域においては、依然として印刷画質の劣化が生じていた。
上述の問題を踏まえ、本発明が解決しようとする課題は、印刷範囲に亘って一部をオーバーラップするように配列された複数の印刷ヘッドを有するラインプリンタにおいて、印刷ヘッド間の位置ずれが生じた場合であっても、印刷ヘッドのオーバーラップ部における印刷画質の劣化を抑制することである。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[形態1]所定の画像データの印刷を行うラインプリンタであって、
複数の印刷ヘッドが、前記画像データの印刷範囲に亘って、印刷ヘッドの並び方向に一部が重なる重複部を有するように配列された印刷ヘッド群と、
前記画像データに対してハーフトーン処理を施し、印刷媒体上にドットを形成することで、該画像を印刷する印刷手段とを備え、
前記印刷手段は、前記重複部に対応する印刷領域において、前記複数の印刷ヘッドの一方の印刷ヘッドにより前記ドットが形成される第1の画素群と他方の印刷ヘッドにより前記ドットが形成される第2の画素群とを相互に組み合わせて一つの印刷画像を形成し、前記第1の画素群と、前記第2の画素群と、前記複数の印刷ヘッドにより前記ドットが形成される画素群と、がブルーノイズ特性、または、グリーンノイズ特性を有するように作成されたディザマスクを用いてハーフトーン処理を行い、
前記印刷ヘッドの配列の方向の前記ディザマスクの幅は、前記印刷ヘッドの配列ピッチに相当する画素数の1/M(Mは1以上の整数)倍である
ラインプリンタ。
[適用例1]所定の画像データの印刷を行うラインプリンタであって、
複数の印刷ヘッドが、前記画像データの印刷範囲に亘って、印刷ヘッドの並び方向に一部が重なる重複部を有するように配列された印刷ヘッド群と、
前記画像データに対してハーフトーン処理を施し、印刷媒体上にドットを形成することで、該画像を印刷する印刷手段とを備え、
前記印刷手段は、前記重複部に対応する印刷領域において、前記複数の印刷ヘッドの一方の印刷ヘッドにより前記ドットが形成される第1の画素群と他方の印刷ヘッドにより前記ドットが形成される第2の画素群とを相互に組み合わせて一つの印刷画像を形成し、前記第1の画素群と前記第2の画素群の各々について前記ドットの分散性を考慮したハーフトーン処理を行う
ラインプリンタ。
かかる構成のラインプリンタは、複数の印刷ヘッドの重複部に対応する印刷領域において、複数の印刷ヘッドの一方の印刷ヘッドによりドットが形成される第1の画素群と他方の印刷ヘッドによりドットが形成される第2の画素群の各々についてドット分散性を考慮したハーフトーン処理を行う。したがって、複数の印刷ヘッド間に位置ずれが生じた場合であっても、第1の画素群と第2の画素群のドット分散性は保たれるので、印刷ヘッドの重複部の印刷画像全体としてもある程度良好なドット分散性を確保でき、位置ずれによる印刷画質の劣化を抑制することができる。
[適用例2]適用例1記載のラインプリンタであって、印刷手段は、第1の画素群のドット分散性と、第2の画素群のドット分散性と、複数の印刷ヘッドによりドットが形成される画素群のドット分散性とを考慮して作成されたディザマスクを用いてハーフトーン処理を行うラインプリンタ。
かかる構成のラインプリンタは、第1の画素群のドット分散性と、第2の画素群のドット分散性と、これらを組み合わせた全体の画素群のドット分散性とを考慮して作成されたディザマスクを用いてハーフトーン処理を行う。したがって、複数の印刷ヘッド間に位置ずれが生じた場合であっても、第1の画素群と第2の画素群のドット分散性は保たれるので、印刷ヘッドの重複部の印刷画像全体としてある程度良好なドット分散性を確保でき、位置ずれによる印刷画質の劣化を抑制することができる。
[適用例3]適用例1記載のラインプリンタであって、印刷手段は、重複部に対応する印刷領域において、複数の印刷ヘッドによりドット分散性を考慮してドットが形成される画素群を、第1の画素群と第2の画素群の各々のドット分散性を考慮して、第1の画素群と第2の画素群とに振り分けて印刷を行うラインプリンタ。
かかる構成のラインプリンタは、印刷ヘッドの重複部に対応する印刷領域において、ドット分散性を考慮して形成される画像全体の画素群を、第1の画素群と第2の画素群の各々のドット分散性を考慮して、第1の画素群と第2の画素群とに振り分けて印刷を行う。したがって、複数の印刷ヘッド間に位置ずれが生じた場合であっても、第1の画素群と第2の画素群のドット分散性は保たれるので、印刷ヘッドの重複部の印刷画像全体としてある程度良好なドット分散性を確保でき、位置ずれによる印刷画質の劣化を抑制することができる。
[適用例4]適用例3記載のラインプリンタであって、印刷手段は、第1の画素群と第2の画素群との振り分けを、ハーフトーン処理に用いるディザマスクの閾値に基づいて行うラインプリンタ。
かかる構成のラインプリンタは、ディザマスクの閾値に基づいて、第1の画素群と第2の画素群とを振り分ける。ディザマスクの閾値は、ドット分散性を考慮して生成されているので、第1の画素群と第2の画素群の各々のドット分散性を良好に保つことができる。したがって、位置ずれによる印刷画質の劣化を抑制することができる。
[適用例5]適用例4記載のラインプリンタであって、印刷手段は、第1の画素群と第2の画素群との振り分けを、ディザマスクの閾値が小さい順に、閾値に対応する位置の画素を所定の割合で第1の画素群または第2の画素群の一方に割り当てることにより行うラインプリンタ。
かかる構成のラインプリンタは、ディザマスクの閾値が小さい順に、閾値に対応する位置の画素を所定の割合で第1の画素群または第2の画素群の一方に割り当てる。ディザマスクの閾値は、閾値の小さい画素位置から大きい画素位置の順にドットを形成することでドット分散性が良好となるように生成されているので、第1の画素群と第2の画素群の各々のドット分散性を良好に保つことができる。したがって、印刷ヘッドの重複部における位置ずれによる印刷画質の劣化を抑制することができる。
[適用例6]適用例3ないし適用例5のいずれか記載のドットプリンタであって、印刷手段は、第1の画素群と第2の画素群との振り分けを、第1の画素群と第2の画素群の混在比率を印刷ヘッドの配列方向に沿って連続的または段階的に変化させることにより行うラインプリンタ。
かかる構成のラインプリンタは、第1の画素群と第2の画素群とを、それらの混在比率を印刷ヘッドの配列方向に沿って連続的または段階的に変化させて行う。したがって、複数の印刷ヘッド間で位置ずれが生じた場合であっても、印刷ヘッドの重複部に対応する印刷領域において、画像全体としてのドット分散性の変化が、連続的または段階的に徐々に変化するので、ドット分散性の悪化を目立たなくすることができる。
なお、本発明は、上述したラインプリンタとしての構成のほか、コンピュータがハーフトーン処理を行う方法や印刷方法としても構成することができる。
A.第1実施例:
本発明の第1実施例について説明する。
A−1.プリンタ10の概略構成:
図1は、本願の実施例としてのプリンタ10の概略構成を示す説明図である。プリンタ10はインクジェット式のラインプリンタであり、図示するように、制御ユニット20、インクカートリッジ61〜64、プリンタヘッド70、紙送り機構80などを備えている。インクカートリッジ61〜64は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、ブラック(K)の色を現す各インクに対応している。勿論、インクの種類、数はこれに限るものではない。
プリンタヘッド70は、ラインヘッドタイプのプリンタヘッドであり、その下面に概ね一列に配されたサーマル方式のノズルを複数備えている。インクカートリッジ61〜64内の各インクは、図示しない導入管を通じて、プリンタヘッド70の下面に設けられたノズルに供給され、これらのノズルからインクが吐出されて、印刷用紙Pに印刷が行われる。プリンタヘッド70の詳細については、図2を用いて後述する。
紙送り機構80は、紙送りローラ82と紙送りモータ84とプラテン86とを備えている。紙送りモータ84は、紙送りローラ82を回転させることで、プリンタヘッド70と平板状のプラテン86との間に配された印刷用紙Pを紙送りローラ82の軸方向と垂直に搬送する。
制御ユニット20は、CPU30とRAM40とROM50とによって構成されており、上述したプリンタヘッド70や紙送りモータ84の動作を制御する。CPU30はROM50に記憶された制御プログラムをRAM40に展開して実行することで、ハーフトーン処理部31、印刷制御部32として動作する。これらの機能部の機能については、後に詳述する。ROM50には、プリンタ10の動作を制御するための制御プログラムが記憶されており、更に、後述するハーフトーン処理で使用されるディザマスクを記憶する領域であるディザマスク記憶部52が確保されている。
また、制御ユニット20には、画像データDの記録されたメモリカードMCを挿入するためのメモリカードスロット92、デジタルカメラ等の機器を接続するUSBインタフェース94、印刷に関する種々の操作を行うための操作パネル96、UI(ユーザインタフェース)を表示するための液晶ディスプレイ98が接続されている。
A−2.プリンタヘッド70の詳細構成:
図2は、プリンタヘッド70の詳細構成を示す説明図である。図示するように、本実施例のプリンタヘッド70は、C,M,Y,Kの各色のインクをそれぞれ吐出するノズル列71〜74が形成された15組の印刷ヘッドチップHT1〜HT15が千鳥状に並べられて形成される。一つの印刷ヘッドチップの長さは、約20mmである。これらのヘッドチップから吐出される同一のインクは、紙送りとインクの吐出タイミングを調整することにより、同一のラスタ上にドットを形成する。なお、本実施例の印刷ヘッドチップHT1〜HT15は、印刷ヘッドチップの端部の強度上の問題や付属装置の設置スペースの問題を考慮して千鳥状に形成されたが、一直線上に形成されてもよい。
また、ノズル列71〜74は、それぞれノズルが千鳥状に並べられて形成されている。奇数番目のノズルNi(i:奇数)及び偶数番目のノズルNj(j:偶数)は、それぞれ800dpiの密度で並べられている。この奇数番目のノズルNiと偶数番目のノズルNjとから吐出されるインクは、紙送り機構80とタイミングを調整して吐出されることにより、同一のラスタ上にドットを形成する。したがって、ノズル列71〜74は、それぞれ全体では、合計1,600dpiのノズル密度を有する。
このプリンタヘッド70は、図2に示すとおり、隣接する印刷ヘッドチップ同士が配列方向にオーバーラップするオーバーラップ部OL1〜OL14を有している。印刷ヘッドチップHT1〜HT15は、これらのオーバーラップ部OL1〜OL14において、互いにオーバーラップする印刷ヘッドチップ(例えば、印刷ヘッドチップHT1とHT2)のどちらのノズル列からも印刷用紙Pの同じ箇所にドットを形成できるように位置が調整されて配列されている。なお、オーバーラップ部OL1〜OL14の幅は、いずれもが等しく設定されている。
このようなオーバーラップ部OL1〜OL14においては、印刷用紙Pの所定の箇所にドットを形成する場合、互いにオーバーラップする印刷ヘッドチップのいずれか一方のノズルから、所定の箇所にインク液滴が吐出される。すなわち、オーバーラップ部OL1〜OL14に対応する印刷領域においては、オーバーラップする一方の印刷ヘッドチップによりドットが形成される画素群と、他方の印刷ヘッドチップによりドットが形成される画素群とが相互に組み合わせられて、一つの印刷画像を形成するのである。
本実施例においては、上述の一方の印刷ヘッドチップによりドットが形成される画素群と、他方の印刷ヘッドチップによりドットが形成される画素群とは、予めその位置の割り振りが決められている。印刷ヘッドチップHT1によりドットが形成される画素群と、印刷ヘッドチップHT2によりドットが形成される画素群の割り振りについて図3に例示する。本実施例における上述の画素群の割り振りは、図3(a)に示すように、オーバーラップ部OL1において、印刷ヘッドチップHT1により形成される画素(図中の斜線部)の数が、印刷ヘッドチップHT2に向かうに従って、段階的に不規則に減少していくように設定されている。なお、説明は省略するが、印刷ヘッドチップHT2〜HT15によりドットが形成される画素についても、同様の設定がなされている。
ただし、この割り振りは、このような態様に限るものではなく、例えば、図3(b)に示すように、印刷ヘッドチップHT1により形成される画素(図中の斜線部)の数が、印刷ヘッドチップHT2に向かうに従って、段階的に規則的に減少していくように設定してもよい。このような変化率は、段階的な変化に限らず、連続的な変化であってもよい。もとより、図3(c)に示すように、規則的な一定パターン(図中では市松形状)で割り振られる態様であってもよい。このようにオーバーラップ部における画素群の割り振りは、種々の設定を行うことができる。
かかるプリンタヘッド70においては、印刷ヘッドチップHT1〜HT15間で位置ずれを生じる場合がある。位置ずれとは、製造精度の問題として、印刷ヘッドチップHT1〜HT15が本来設置されるべき正規の位置から上下左右の任意の方向にずれた状態に設置されることをいう。例えば、プリンタ10のプリンタヘッド70はノズルピッチが1,600dpiであることから、印刷ヘッドチップHT1〜HT15のいずれかの設置位置が隣接する印刷ヘッドチップに対して僅か16μmずれただけでも、印刷画像には1ドットのずれが生じることとなる。すなわち、印刷画質が劣化することとなる。本実施例のプリンタ10は、オーバーラップ部OL1〜OL14に対応する印刷領域において、このような印刷画質の劣化が生じることを抑制することができるが、その内容については、「A−3.画像印刷処理の概要」及び「A−4.ディザマスクの作成方法」で詳述する。
なお、本実施例のプリンタ10は、サーマル式のインクジェット式プリンタとしたが、これに限るものではなく、複数の印刷ヘッドによって同一のラスタにドットを形成して、所定の画像データの印刷を行うラインプリンタであればよい。例えば、ピエゾ式など、他のインク吐出方式のインクジェット式プリンタであってもよいし、ドットインパクト式プリンタなど、他の印刷方式のプリンタであってもよい。
A−3.画像印刷処理の概要:
図4は、プリンタ10がメモリカードMCに保存された画像データDに所定の画像処理を加えることにより、画像データDをドット形成の有無によって表現されたドットデータに変換して、画像データDを印刷する処理の流れを示すフローチャートである。
画像印刷処理が開始されると、制御ユニット20は、メモリカードMCから印刷すべき画像データDを読み込む(ステップS100)。ここでは、画像データはRGBカラー画像データであるものとして説明するが、カラー画像データに限らず、モノクロ画像データについても同様に適用することができる。
画像データDを読み込むと、制御ユニット20は、解像度変換処理を行う(ステップS110)。解像度変換処理とは、読み込んだ画像データの解像度を、プリンタ10が画像を印刷しようとする解像度(印刷解像度)に変換する処理である。画像データの解像度よりも印刷解像度の方が高い場合は、補間演算を行って画素間に新たな画像データを生成することにより解像度を増加させる。逆に、画像データの解像度の方が印刷解像度よりも高い場合は、読み込んだ画像データを一定の比率で間引くことによって解像度を低下させる。解像度変換処理では、読み込んだ画像データDに対して、このような操作を行うことにより、画像データの解像度を印刷解像度に変換する。
こうして画像データDの解像度を印刷解像度に変換したら、制御ユニット20は、色変換処理を行う(ステップS120)。色変換処理とは、R,G,Bの階調値の組合せによって表現されているRGBカラー画像データを、印刷のために使用される各色の階調値の組合せによって表現された画像データに変換する処理である。前述したように、プリンタ10はC,M,Y,Kの4色のインクを用いて画像を印刷している。そこで、本実施例の色変換処理ではRGB各色によって表現された画像データを、C,M,Y,Kの各色の階調値によって表現されたデータに変換する処理を行うのである。
こうしてC,M,Y,Kの色毎に階調データが得られると、制御ユニット20は、ハーフトーン処理部31の処理として、ディザマスク記憶部52に記憶されたディザマスクを参照してハーフトーン処理を行う(ステップS130)。この処理は、階調データの階調値に応じて適切な密度でドットを発生させるべく、画素毎にドット形成の有無を判断する処理であり、本実施例においてはディザ法を用いる。ディザ法とは、ディザマスクに設定されている閾値と画像データの階調値とを画素毎に比較することによって、画素毎にドット形成の有無を判断する手法である。
上述のディザ法については、図5を用いて詳述する。図5は、ディザマスクを参照しながら、各画素についてのドット形成の有無を判断している様子を概念的に示した説明図である。ドット形成の有無を判断するに際しては、先ず、判断しようとする画素を選択し、この画素についての画像データの階調値と、ディザマスク中で対応する位置に記憶されている閾値と比較する。図5中に示した細い破線の矢印は、画像データの階調値とディザマスクに記憶されている閾値とを、画素毎に比較していることを模式的に表している。例えば、画像データの左上隅の画素については、画像データの階調値は97であり、ディザマスクの閾値は1であるから、この画素にはドットを形成すると判断する。図5中に実線で示した矢印は、この画素にはドットを形成すると判断して、判断結果をメモリに書き込んでいる様子を模式的に表している。
一方、この画素の右隣の画素については、画像データの階調値は97、ディザマスクの閾値は177であり、閾値の方が大きいので、この画素についてはドットを形成しないと判断する。ディザ法では、こうしてディザマスクを参照しながら、画素毎にドットを形成するか否かを判断することで、画像データを画素毎にドット形成の有無を表すデータに変換する。
なお、上記ステップS130で用いるディザマスクは、印刷ヘッドチップHT1〜HT15に位置ずれが生じている場合であっても、印刷ヘッドチップHT1〜HT15のオーバーラップ部OL1〜OL14において、画像データDの印刷画質の劣化を抑制できるように作成されたディザマスクであり、その詳細については、「A−4.ディザマスクの作成方法」で後述する。
そして、ハーフトーン処理により、C,M,Y,K各色の階調データから画素毎にドット形成の有無を表すデータが得られたら、制御ユニット20は、印刷制御部32の処理として、その制御データに従って、印刷用紙上にドットを形成することにより画像を印刷する(ステップS140)。すなわち、図1に示した紙送りモータ84を駆動し、この動きに合わせて、ドットデータに基づいてプリンタヘッド70からインク液滴を吐出する。その結果、適切な位置に適切な色のインクドットが形成されて画像データDが印刷されることになる。
A−4.ディザマスクの作成方法:
上記ステップS130のハーフトーン処理で参照されるディザマスクの生成方法の一例について説明する。本実施例のプリンタ10が用いるディザマスクは、次のような2つの特性を有している。
[第1の特性]:印刷ヘッドチップHT1〜HT15のオーバーラップ部OL1〜OL14において適用されるディザマスクの画素位置を第1の画素群の画素位置と第2の画素群の画素位置とに分類することが可能である。ここで、第1の画素群とは、複数の印刷ヘッドチップのうち、一方の印刷ヘッドチップ(例えば、印刷ヘッドチップHT1)によりドットが形成される画素群をいい、第2の画素群とは、他方の印刷ヘッドチップ(例えば、印刷ヘッドチップHT2)によりドットが形成される画素群をいう。
[第2の特性]:ディザマスクと、該ディザマスクから第1の画素群の画素位置に設定されている閾値を抜き出したディザマスク(第1の画素群の画素位置のディザマスク)と、第2の画素群の画素位置に設定されている閾値を抜き出したディザマスク(第2の画素群の画素位置のディザマスク)とが、何れもブルーノイズ特性あるいはグリーンノイズ特性を有している。ここで、「ブルーノイズ特性を有するディザマスク」とは、次のようなディザマスクをいう。すなわち、ドットを不規則に発生させるとともに、設定されている閾値の空間周波数成分は、1周期が2画素以下の高周波数領域に最も大きな成分を有するディザマスクを言う。また、「グリーンノイズ特性を有するディザマスク」とは、ドットを不規則に発生させるとともに、設定されている閾値の空間周波数成分は、1周期が2画素から十数画素の中間周波数領域に最も大きな成分を有するディザマスクをいう。なお、これらディザマスクは、特定の明度付近であれば、規則的なパターンでドットが形成される場合があってもよい。
図6は、このような2つの特性を持つディザマスクを生成する処理の流れを示すフローチャートである。なお、ここでは、ブルーノイズ特性を有する既存のディザマスクを元にして、上述した[第1の特性]及び[第2の特性]が得られるように、修正を加える方法について説明する。もっとも、元になるマスクを修正するのではなく、[第1の特性]及び[第2の特性]を有するディザマスクを初めから生成することも可能である。また、ここでは、ブルーノイズ特性を有するマスクを元にした場合について説明するが、グリーンノイズ特性を有するディザマスクを元にする場合も、ほぼ同様にすれば、上記の特性を有するディザマスクを得ることができる。
ディザマスクの作成においては、まず元になるディザマスクを読み込む(ステップS200)。かかるディザマスクは、全体としてはブルーノイズ特性を有しているものの、第1の画素群(ディザマスクから第1の画素群の画素位置に設定されている閾値を抜き出したディザマスク)及び第2の画素群(ディザマスクから前述した第2の画素群の画素位置に設定されている閾値を抜き出したディザマスク)は、何れもブルーノイズ特性を有していないディザマスクである。
次いで、読み込んだディザマスクからマスクAを設定する(ステップS202)。このマスクAは、例えば、印刷ヘッドチップのオーバーラップ部を含む範囲で、オーバーラップ部の繰り返し単位と読み込んだディザマスクの大きさを考慮して、読み込んだ単一のディザマスクのN(Nは1以上の整数)倍の大きさで設定される。本実施例におけるマスクAを図7に示す。この例では、単一のディザマスクの幅は、印刷ヘッドチップのピッチと等しくなるように設定している。そこで、図示するように、読み込んだ単一のディザマスクを2つ並べた範囲(印刷ヘッドチップの2ピッチ分)をマスクAとして設定している。2つの単一のディザマスクの互いに対応する画素位置は、同一の閾値を有している。このような態様でマスクAの大きさを設定することで、図示した印刷ヘッドチップHT2及びHT3とマスクAとの位置の対応関係を、図示しない印刷ヘッドチップHT4及びHT5などにも繰り返し適用することができる。
そして、ディザマスクAから、2つの画素位置(画素位置pおよび画素位置q)をランダムに選択し(ステップS204)、選択した画素位置pに設定されている閾値と、選択した画素位置qに設定されている閾値とを入れ換えて、得られたマスクをマスクBとする(ステップS206)。
次いで、マスクAについての粒状性評価値Evaを算出する(ステップS208)。ここで、粒状性評価値とは次のようにして求めた評価値である。先ず、階調値0〜255の256通りの画像にディザ法を適用して、ドットの形成有無によって表現された256通りの画像を得る。次いで、各画像を第1の画素群の画像と、第2の画素群の画像とに分解する。ここでの第1の画素群の画像とは、図7に示す斜線部の画素からなる画像であり、第2の画素群の画像とは、図7に示す白塗り部の画素からなる画像である。この結果、「0」〜「255」までの各階調値について、第1の画素群の画像と、第2の画素群の画像と、これらを重ね合わせた画像(合計の画像)とが得られることになる。こうして得られた768個(=256×3)の画像について、粒状性指数を算出した後、これらの平均値を求めて得られた値を粒状性評価値とする。
上述の粒状性指数とは、画像のドット分散性を評価する公知の指標であり、例えば、公知文献「特開2007−15359」の図11に示されている。ここでの粒状性指数は、画像をフーリエ変換してパワースペクトルFSを求め、得られたパワースペクトルFSを、人間が有する視覚の空間周波数に対する感度特性VTF(Visual Transfer Function)に相当する重みを付けて、各空間周波数で積分して求められる指標であり、次式(1)で表される。この粒状性指数は、数値が小さいほど、粒状性(ドット分散性)に優れることを表す。
Figure 0005056223
なお、粒状性評価値の算出に際しては、768個の粒状性指数を単純に算術平均するのではなく、第1の画素群の画像、第2の画素群の画像、合計の画像毎にそれぞれの重みを付けて平均してもよい。あるいは、特定の階調値(例えば、ドットが比較的目立ち易いと言われる低階調領域)については、大きな重み係数をかけて平均することとしてもよい。図6のステップS208では、マスクAについてこのような粒状性評価値を求めて、得られた値を粒状性評価値Evaとするのである。
マスクAについての粒状性評価値Evaが得られたら、マスクBについても同様にして粒状性評価値Evbを算出する(ステップS210)。次いで、マスクAについての粒状性評価値Evaと、マスクBについての粒状性評価値Evbとを比較する(ステップS212)。そして、粒状性評価値Evbの方が小さいと判断された場合は(ステップS212:YES)、元になったマスクAよりも、2つの画素位置に設定された閾値を入れ換えたマスクBの方が、より好ましい特性を有するものと考えられる。そこで、この場合は、マスクBをマスクAと読み替える(ステップS214)。一方、マスクAの粒状性評価値Evaよりも、マスクBの粒状性評価値Evbの方が大きいと判断された場合は(ステップS212:NO)、マスクの読み替えは行わない。
こうして、マスクBの粒状性評価値EvbがマスクAの粒状性評価値Evaよりも小さいと判断された場合にだけ、マスクBをマスクAと読み替える操作を行ったら、粒状性評価値が収束したか否かを判断する(ステップS216)。すなわち、元にしたディザマスクは、第1の画素群のドット、および第2の画素群のドットが偏って発生しているため、以上のような操作を開始した直後では、粒状性評価値は大きな値を取る。しかし、2箇所の画素位置に設定されている閾値を入れ換えることで、より小さな粒状性評価値が得られた場合には、閾値を入れ換えたマスクを採用し、このマスクについて更に上述した操作を繰り返していけば、得られる粒状性評価値は小さくなっていき、やがてある値で安定するものと考えられる。ステップS216では、粒状性評価値が安定したか否か、換言すれば、下げ止まったものと考えられるか否かを判断するのである。粒状性評価値が収束したか否かは、例えば、マスクAの粒状性評価値EvaよりもマスクBの粒状性評価値Evbの方が小さくなった場合について、粒状性評価値の減少量を求めておき、この減少量が複数回の操作に亘って安定して一定値以下となっていれば、粒状性評価値が収束したものと判断することができる。
そして、粒状性評価値が収束していないと判断された場合は(ステップS216:NO)、ステップS204に戻って、新たに2つの画素位置を選択した後、続く一連の操作を繰り返す。こうして操作を繰り返していく間に、やがて粒状性評価値が収束していき、粒状性評価値が収束したと判断されたら(ステップS216:YES)、そのときのマスクAは、前述した[第1の特性]および[第2の特性]を有するディザマスクとなっている。そこで、このマスクAを構成する、上述の単一ディザマスクに相当する部分をプリンタ10で用いるディザマスクとして採用する(ステップS218)。
ただし、この方式では、粒状性評価値が十分に小さな値になる前に、局所的最適値に収束してしまうことがある。それを避けるために、シュミレーテッドアニーリングとして知られる手法を導入してもよい。具体的には、例えば、上記ステップS212において、粒状性評価値Evaに、毎回変化する適当な振幅のノイズnzを加えて比較する。すなわち、Eva+nz>Evbであるか否かを判断する。このようにノイズnzを加えて比較することで、粒状性評価値Evaよりも粒状性評価値Evbが大きい(マスクAの方がマスクBよりも印刷ドット分散特性に優れる)場合でも、粒状性評価値Evaにノイズnzを加えた結果が粒状性評価値Evbよりも大きくなる場合には、ディザマスクの読み替えを行うこととなる。
このようにしてディザマスクの読み替えを行うと、一時的には粒状性評価値が大きくなる(印刷ドット分散特性が悪化する)こととなるが、加えるノイズnzの振幅を徐々に下げながら、十分な回数だけループ(上記ステップS216:NOの処理)を繰り返し、最終的にはノイズnzをゼロにまで下げていくと、収束までのループ回数は増加するものの、局所的最適値に陥ることがない。したがって、粒状性評価値をより低い値に収束させることができる。
なお、本実施例では、ディザマスクの評価に使用される粒状性評価値Evaは、視覚の感度特性VTFを用いた主観的な評価値である粒状性指数に基づいて算出されているが、他の種々のドット分散性にかかる評価値、例えば、濃度分布の標準偏差であるRMS粒状度に基づいて算出するようにしてもよい。
また、本実施例においては、理解の容易性を考慮して、印刷ヘッドチップHT1〜HT15のピッチと同じ幅を有するディザマスクを用いて、上記ステップS130のハーフトーン処理をおこなうこととしたが、ディザマスクの幅は適宜設定すればよい。ただし、印刷ヘッドチップHT1〜HT15の接合部の領域においては、ディザマスクの所定の場所が常に印刷ヘッドチップHT1〜HT15の接合部に対応するようにディザマスクを適用することが効率的である。このような構成とするためには、ディザマスクの幅を印刷ヘッドチップHT1〜HT15のピッチの1/M(Mは1以上の整数)倍とするとよい。例えば、ノズルピッチの1/2倍の幅のディザマスクを用いる場合には、以下のような構成としてもよい。まず、制御ユニット20がハーフトーン処理を行う画素領域がオーバーラップ部OL1〜OL14を有する画素位置であるか否かを判断する。その結果、オーバーラップ部OL1〜OL14を有する画素位置である場合には、ディザマスク記憶部52に記憶された、図6で示した方法により得られたディザマスク(全体画像と第1の画素群により形成される画像と第2の画素群により形成される画像とに対して最適化されたディザマスク)を用いて、当該画素領域に対してハーフトーン処理を行う。一方、オーバーラップ部OL1〜OL14を有さない画素位置である場合には、ディザマスク記憶部52に記憶された、図6の上記ステップS200において読み込んだ元となるディザマスク(全体画像に対して最適化されたディザマスク)を用いて、当該画素領域に対してハーフトーン処理を行う。
かかる構成のプリンタ10は、第1の画素群と、第2の画素群と、これらを組み合わせた全体の画素群に対して良好なドット分散性が得られるように作成されたディザマスクを用いてハーフトーン処理を行う。したがって、複数の印刷ヘッド間に位置ずれが生じた場合であっても、第1の画素群と第2の画素群のドット分散性は保たれるので、印刷画像全体としてある程度良好なドット分散性を確保でき、位置ずれによる印刷画質の劣化を抑制することができる。
B.第2実施例:
本発明の第2実施例について説明する。第1実施例は、上述の通り、印刷ヘッドチップHT1〜HT15のオーバーラップ部OL1〜OL14における第1の画素群と第2の画素群の位置は予め設定されており、その設定に基づいて、第1の画素群からなる画像と第2の画素群からなる画像と、第1の画素群と第2の画素群とを足し合わせた画素群からなる画像の各々について良好なドット分散性が得られるディザマスクを用いて、ハーフトーン処理を行って画像を印刷するものである。これに対して、第2実施例は、第1の画素群と第2の画素群とを足し合わせた全体画素群からなる画像について良好なドット分散性が得られるディザマスクを用いる点と、第1の画素群と第2の画素群の各々のドット分散性を考慮して、全体画素群を第1の画素群と第2の画素群とに振り分ける点とが第1実施例と異なる。以下、これらの異なる点について具体的に説明する。
図8は、上記ステップS130のハーフトーン処理の流れを示すフローチャートである。この処理が開始されると、まず制御ユニット20は、注目領域を移動する(ステップS300)。この注目領域は、ハーフトーン処理に用いるディザマスクの大きさに相当する画素領域であり、最初の注目領域は、例えば、印刷画像の端に位置する領域のデータである。
注目領域を移動すると、制御ユニット20は、ディザマスクを用いて、画素位置毎にドットの形成の可否を決定する(ステップS310)。ここで用いられるディザマスクは、当該ディザマスクに該当する画素全体のドット分散性が最適化されたディザマスクである。
そして、ドットの形成の可否を決定すると、制御ユニット20は、注目領域が印刷ヘッドチップのオーバーラップ部を含む領域であるか否かを判断する(ステップS320)。その結果、オーバーラップ部を含む領域であれば(ステップS320:YES)、制御ユニット20は、画素位置毎に隣接する印刷ヘッドチップHTnとHTn+1のドット分配率を参照する(ステップS330)。このドット分配率は、予めROM50に記憶されているが、書き換え可能なEEPROMに記憶しておくことでもよい。
上述の分配率は、任意に設定すればよいが、画質向上の観点から、画素位置に応じて連続的または段階的に変化させることが望ましい。分配率の具体例として、図9に、印刷ヘッドチップHT1とHT2とのオーバーラップ部OL1における印刷ヘッドチップHT1によりドットが形成される画素群(以下、第1の画素群という)と印刷ヘッドチップHT2によりドットが形成される画素群(第2の画素群という)との振り分け方法を例示する。図示するように、印刷ヘッドチップHT1と印刷ヘッドチップHT2とは、画素位置X90から画素位置X98においてオーバーラップして配列され、オーバーラップ部OL1を形成している。
本実施例においては、図示するように、第1の画素の分配率を画素位置X90から画素位置X98にかけて90%から10%に連続的に減少するように変化させるものとしたが、例えば、90%、90%、70%、70%、50%というように段階的に変化させることとしてもよい。このように、連続的または段階的に変化させることにより、第1の画素群と第2の画素群とを合わせた画像全体としてのドット分散性の変化が、連続的または段階的に徐々に変化するので、印刷ヘッドチップの位置ずれによるドット分散性の悪化を目立たなくすることができる。
こうして分配率を設定すると、制御ユニット20は、画素位置毎に隣接する印刷ヘッドチップHTnとHTn+1のドット分配数を算出する(ステップS340)。ドット分配数は、画素位置毎の総ドット数に分配率を乗じて算出する。図9に示す具体例では、図示するように、画素位置毎の総ドット数を40としており、例えば、画素位置X90における第1の画素群の分配ドット数は、40×90%=36となる。
こうして印刷ヘッドチップHTnとHTn+1の分配ドット数を算出すると、オーバーラップ部OLnに適用されるディザマスクの閾値を参照して、印刷ヘッドチップHTnとHTn+1のドット形成位置を振り分ける(ステップS350)。この処理は、例えば、オーバーラップ部OLnに適用されるディザマスクの閾値のうち、閾値が小さい順に、当該閾値に対応する位置の画素を、印刷ヘッドチップHTnとHTn+1のいずれか一方に振り分けて行う。具体的には、図9に示すように、例えば、画素位置X90においては、当該画素位置に対応する40個のディザマスクの閾値40のうち、その値が小さい順に36個の閾値を抽出し、これらの閾値に対応する画素位置を第1の画素群とし、残りの画素位置を第2の画素群とするのである。
こうして印刷ヘッドチップHTnとHTn+1のドット形成位置を振り分けると、あるいは、上記ステップS320において、オーバーラップ部を含む領域でないと判断されると(ステップS320:NO)、制御ユニット20は、全ての印刷領域について、上述の処理が完了したか否かを判断する(ステップS360)。その結果、全ての印刷領域について完了していれば(ステップS360:YES)、制御ユニット20は、ハーフトーン処理を完了し、処理を上述した図4の画像印刷処理に戻し、引き続きドット形成処理(上記ステップS140)を行うのである。一方、全ての印刷領域について完了していなければ(ステップS360:NO)、処理を上記ステップS300に戻して、上述の一連の処理を繰り返す。
なお、図8では、制御ユニット20は、全ての印刷領域についてハーフトーン処理を行った後、図4のドット形成処理を行うものとしたが、一定の印刷領域単位でハーフトーン処理とドット形成処理とを繰り返して行ってもよい。
かかる方法により印刷ヘッドチップHTnとHTn+1にドット形成位置を割割り振って印刷を行えば、全体の画素について最適化されたディザマスクの閾値は、閾値の小さい画素位置から大きい画素位置の順にドットを形成することでドット分散性が良好となるように生成されているので、オーバーラップ部OL1〜OL14において、第1の画素群と第2の画素群の各々のドット分散性を良好に保つことができる。したがって、印刷ヘッドチップHT1〜HT15に位置ずれが生じたとしても、オーバーラップ部OL1〜OL14の印刷領域において印刷画質の劣化を抑制することができる。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこうした実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を脱しない範囲において、種々なる態様で実施できることは勿論である。例えば、本発明は、実施例に示したラインプリンタに限らず、コンピュータに搭載するプリンタドライバとしても構成することができる。勿論、ハーフトーン処理方法、プログラム、プログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体等の形態でも実現することができる。
本願の実施例としてのプリンタ10の概略構成を示す説明図である。 プリンタヘッド70の詳細構成を示す説明図である。 印刷ヘッドチップHT1によりドットが形成される画素群と、印刷ヘッドチップHT2によりドットが形成される画素群の割り振りについて例示する説明図である。 プリンタ10の画像印刷処理の流れを示すフローチャートである。 ディザマスクを参照しながら各画素についてのドット形成の有無を判断している様子を概念的に示した説明図である。 第1実施例としてのディザマスクの最適化方法の例を示す説明図である。 第1実施例としてのディザマスクの最適化方法に用いる元となるディザマスクの設定方法の説明図である。 第2実施例としてのハーフトーン処理の流れを示すフローチャートである。 第2実施例としての印刷ヘッドチップのオーバーラップ部における第1の画素群と第2の画素群との振り分け方法を例示する説明図である。
符号の説明
10…プリンタ
20…制御ユニット
30…CPU
31…ハーフトーン処理部
32…印刷制御部
40…RAM
50…ROM
52…ディザマスク記憶部
61〜64…インクカートリッジ
70…プリンタヘッド
71〜74…ノズル列
80…紙送り機構
82…紙送りローラ
84…紙送りモータ
86…プラテン
92…メモリカードスロット
94…USBインタフェース
96…操作パネル
98…液晶ディスプレイ
P…印刷用紙
MC…メモリカード
Ni,Nj…ノズル
HT1〜HT15…印刷ヘッドチップ
OL1〜OL14…オーバーラップ部

Claims (2)

  1. 所定の画像データの印刷を行うラインプリンタであって、
    複数の印刷ヘッドが、前記画像データの印刷範囲に亘って、印刷ヘッドの並び方向に一部が重なる重複部を有するように配列された印刷ヘッド群と、
    前記画像データに対してハーフトーン処理を施し、印刷媒体上にドットを形成することで、該画像を印刷する印刷手段とを備え、
    前記印刷手段は、前記重複部に対応する印刷領域において、前記複数の印刷ヘッドの一方の印刷ヘッドにより前記ドットが形成される第1の画素群と他方の印刷ヘッドにより前記ドットが形成される第2の画素群とを相互に組み合わせて一つの印刷画像を形成し、前記第1の画素群と前記第2の画素群と、前記複数の印刷ヘッドにより前記ドットが形成される画素群と、がブルーノイズ特性、または、グリーンノイズ特性を有するように作成されたディザマスクを用いてハーフトーン処理を行い、
    前記ディザマスクの、前記印刷ヘッドの配列の方向の幅は、前記印刷ヘッドの配列ピッチに相当する画素数の1/M(Mは1以上の整数)倍である
    ラインプリンタ。
  2. 複数の印刷ヘッドが、前記画像データの印刷範囲に亘って、印刷ヘッドの並び方向に一部が重なる重複部を有するように配列され、該重複部に対応する印刷領域において、前記複数の印刷ヘッドの一方の印刷ヘッドによりドットが形成される第1の画素群と他方の印刷ヘッドによりドットが形成される第2の画素群とを相互に組み合わせて一つの印刷画像を形成するラインプリンタで印刷するためのハーフトーン処理方法であって、
    前記第1の画素群と、前記第2の画素群と、前記複数の印刷ヘッドにより前記ドットが形成される画素群とがブルーノイズ特性、または、グリーンノイズ特性を有するように作成されたディザマスクであって、前記印刷ヘッドの配列の方向の幅が、前記印刷ヘッドの配列ピッチに相当する画素数の1/M(Mは1以上の整数)倍であるディザマスクを用いて行う
    ハーフトーン処理方法。
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