JP5056006B2 - 撮像装置およびプログラム - Google Patents
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Description
本発明は上記従来技術の課題を解決するものである。本発明の目的は、撮影したシーンに応じて色補正処理後の画像の色調をより適正にする手段を提供することである。
撮像素子11は受光素子が2次元配列された受光面を有しており、受光面に結像した被写体像を光電変換して画像信号を生成する。撮像素子11の各受光素子には、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のいずれかのカラーフィルタ(不図示)が公知のベイヤー配列にしたがって配置されている。そのため、撮像素子11の各受光素子は、カラーフィルタでの色分解によって、カラーフィルタの色に対応する画像信号をそれぞれ出力する。
画像処理部13は、デジタル画像信号に対して各種の画像処理を施すASICである。この画像処理部13は、ホワイトバランス補正部21と、補間処理部22と、第1色補正部23と、階調変換部24と、色空間変換部25と、第2色補正部26とを有している。また、画像処理部13は記録I/F17と接続されている。
補間処理部22は、デジタル画像信号に色補間処理を実行する。撮像素子11は受光素子に対応する画素毎に1つの色しか得ることができないため、撮像素子11のRAWデータでは色に関してモザイク状の画像となっている。補間処理部22は、周囲の画素から得られる色情報を利用して補間を行うことで、全画素で全ての色(RGB)が揃った画像のデータを生成する。例えば、補間処理部22は、赤色の画素に対応する緑色のデータを周囲の緑色画素から補間して生成する。同様に補間処理部22は、赤色の画素に対応する青色のデータを周囲の青色画素から補間して生成する。
階調変換部24は、入力階調値と出力階調値との対応関係を示す階調変換曲線に基づいて、画像のデータの階調変換処理を実行する。
第2色補正部26は、補間処理後の画像のデータに対して、色相別の色補正処理や彩度調整などを実行する。
バッファメモリ14は画像処理部13に接続されている。このバッファメモリ14は、画像処理部13による画像処理の前工程や後工程で画像のデータを一時的に記録する。
ホワイトバランス演算部27は、ホワイトバランス補正部21に対してホワイトバランス調整量を出力する。このホワイトバランス調整量は、R画素の信号に対するゲイン(Gr)と、Gr画素(R画素と並ぶG画素)の信号に対するゲイン(Ggr)と、Gb画素(B画素と並ぶG画素)の信号に対するゲイン(Ggb)と、B画素の信号に対するゲイン(Gr)とで構成されている。
また、ホワイトバランス演算部27は、オートホワイトバランスの演算に関する信頼度Pを求める。一例として、ホワイトバランス演算部27は、画像を複数の領域に分割するとともに、分割領域のうちで無彩色と判定された領域の数に基づいて信頼度の値を求める。このとき、ホワイトバランス演算部27は、無彩色と判定された領域の数が多いほど信頼度を高く設定する。
また、色補正演算部28は、第2色補正部26における色補正処理のパラメータ(色相別色補正量θi、低彩度抑制量D)を設定する。なお、色補正演算部28の演算処理に関する説明は後述する。
図2は第1テーブルの内容を模式的に示す図である。第1テーブルには、オートホワイトバランス演算の信頼度Pの値と、補正配分比率Cおよび低彩度抑制量Dとの対応関係のデータが記録されている。第2テーブルでの補正配分比率Cは、ホワイトバランス補正部21が占める色補正の分担割合の値を示している。
図3の例では、光源種別Lkが自然光、電球、蛍光灯で場合分けされている。また、色相別色補正量θiは、所定の色相領域(i)に属する色を色補正するときの変換量を、任意の表色系(例えばL*a*b*表色系など)の座標の回転量で示したものである。例えば、図3での色補正量の値が+1の場合には、その色相に属する色の座標を左周りの方向に1度回転させて得られる色に補正することを意味する。同様に、図3での色補正量の値が−1の場合には、その色相に属する色の座標を右周りの方向に1度回転させて得られる色に補正することを意味する。この色相別色補正量θiは、赤色、肌色、橙色、黄色、緑色、青色、紫色の7つの色相での値がそれぞれ設定されている。
操作部19は、例えばコマンドダイヤルや十字状のカーソルキーなどで構成され、ユーザーから各種設定の入力操作を受け付ける。例えば、ユーザーは操作部19を介して、(1)撮影条件の設定や、(2)記録モードの設定などをCPU15に対して入力できる。
ステップ101:CPU15は、レリーズ釦18の全押し操作に応じて本画像の撮影処理を実行する。まず、CPU15は、撮像素子11を駆動させて本画像を撮像する。本画像のデータは、アナログ信号処理部12をパイプライン式に通過して画像処理部13に入力される。
ステップ103:CPU15の色補正演算部28は、第1テーブルを参照して、信頼度P(S102)の値から補正配分比率Cの値を取得する。
WBGout=C×WBG+(1−C)×WBGdefault ・・・(1)
ここで、上記の式(1)における各記号を説明する。「WBGout」はホワイトバランス補正部21に対して出力されるホワイトバランス調整量を意味する。「C」はS103で取得した補正配分比率の値を意味する。「WBG」はS102で取得したホワイトバランス調整量を意味する。また、「WBGdefault」は、光源不明時に使用されるホワイトバランス調整量のデフォルト値を意味する。
ステップ107:色補正演算部28は、第2テーブルにおいて信頼度Pが閾値Tpを超える場合(P>Tp)のデータを参照し、光源種別Lk(S102)に対応する色相別色補正量θiを取得する。
このS108での色相別色補正量θiは、光源種別を誤判定している可能性が高い場合において、誤判定の影響を軽減するべく特定の色相領域の色を補正するものである。
ステップ109:色補正演算部28は、補正配分比率C(S103)に基づいて、色相別色補正量θi(S107またはS108で求めたもの)を以下の式(2)により補正する。
ここで、上記の式(2)における各記号を説明する。「θiout」は第2補正部に対して出力される色相別色補正量を意味する。「C」はS103で取得した補正配分比率の値を意味する。また、「θitable」は、S107またはS108において第2テーブルから求めた色相別色補正量を意味する。
ステップ110:画像処理部13の第2色補正部26は、CPU15から出力された色相別色補正量(S109で求めたもの)に基づいて、本画像のデータに対して色相別の色補正処理を実行する。
ステップ112:第2色補正部26は、低彩度抑制量D(S111)に基づいて、本画像のデータに対して彩度調整処理を実行する。一般的に、画像に色かぶりが残る場合には、高彩度部分での色かぶりよりも、無彩色で再現されるべき部分での色かぶりの方が人間の視覚に大きな印象を与えることとなる。そのため、S112では、本来は無彩色であるがホワイトバランス補正の精度が低いために若干彩度が高くなった部分に対して、彩度を抑制する補正を加えることで本画像の色かぶり感を改善する。
以下、本実施形態の電子カメラの効果を説明する。本実施形態の電子カメラでは、オートホワイトバランスに関する信頼度に応じて、ホワイトバランス補正部21と第2色補正部26との補正配分比率を変化させる。特に、信頼度が低い場合にはホワイトバランス補正の度合いを弱めるとともに色補正処理の度合いを大きくすることで、ホワイトバランスに誤判定が生じるシーンでも、画像の色かぶりを効果的に抑制することができる。
さらに、本実施形態の電子カメラでは、画像の低彩度部分に対する彩度調整の度合いをホワイトバランスの信頼度に応じて変動させる。これにより、ホワイトバランス補正が不十分な場合には色かぶりの影響の大きい低彩度部分が無彩色に近づくので、画像の色かぶり感を大幅に改善することができる。
(1)上記実施形態の第2記録モードで撮影を行う場合、CPU15は本画像のRAWデータをそのまま記録媒体29に記録する。その後、記録媒体29からRAWデータを読み込んで現像処理を行うときに、電子カメラはS102からS112までの処理を行って、上記実施形態で説明したものとほぼ同様の画像処理を行うことも可能である。
(3)上記実施形態のS104において、CPU15は、デフォルト値を考慮することなく、ホワイトバランス調整量(S102)と補正配分比率C(S103)との積を画像処理部13に対する出力値としてもよい(すなわち、WBGout=C×WBG)。
θiout=C×θitable ・・・(3)
(5)上記実施形態のS112において、第2色補正部26は彩度を他の指標(例えば、L*a*b*色空間のa*b*)で求めてもかまわない。また、S112の彩度調整では、全色相について同一の処理としたが、色相別に異なる彩度調整を行うものでもよい。さらに、第2色補正部26は彩度調整において彩度を上げる処理を行ってもよい。
Claims (7)
- 被写体像を撮像して画像のデータを生成する撮像素子と、
前記画像のデータに対するホワイトバランス調整量を求めるオートホワイトバランス演算を実行するとともに、前記オートホワイトバランス演算の信頼度を求めるホワイトバランス演算部と、
色補間処理後の前記画像のデータに対して、ホワイトバランス補正および色補正処理を実行する画像処理部と、
前記信頼度の値に基づいて、前記ホワイトバランス調整量に基づく前記ホワイトバランス補正の補正配分比率と、前記色補正処理の補正配分比率とを変更する制御部と、
を備えることを特徴とする撮像装置。 - 請求項1に記載の撮像装置において、
前記制御部は、前記信頼度の値の高さに応じて、前記ホワイトバランス調整量に基づく前記ホワイトバランス補正の補正配分比率を大きくし、前記色補正処理の補正配分比率を小さくすることを特徴とする撮像装置。 - 請求項1または請求項2に記載の撮像装置において、
前記画像処理部は、前記ホワイトバランス調整量に基づく前記ホワイトバランス補正の後に、前記色補正処理を実行することを特徴とする撮像装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の撮像装置において、
前記制御部は、前記オートホワイトバランス演算によって取得した前記信頼度以外のホワイトバランス情報をさらに用いて、前記色補正処理の内容を変化させることを特徴とする撮像装置。 - 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の撮像装置において、
前記画像処理部は、前記色補正処理のときに彩度制御を実行することを特徴とする撮像装置。 - 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の撮像装置において、
前記画像処理部は、前記色補正処理のときに色相別の色補正を実行することを特徴とする撮像装置。 - 撮像素子で撮像された画像のデータを読み込む第1ステップと、
前記画像のデータに対するホワイトバランス調整量を求めるオートホワイトバランス演算を実行するとともに、前記オートホワイトバランス演算の信頼度を求める第2ステップと、
前記信頼度の値に基づいて、前記ホワイトバランス調整量に基づくホワイトバランス補正の補正配分比率と、色補正処理の補正配分比率とを変更する第3ステップと、
色補間処理後の前記画像のデータに対して、前記ホワイトバランス補正および色補正処理を実行する第4ステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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