以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。以下、本発明に係る画像送信装置を画像形成装置に適用した形態、より詳細にはプリント機能、コピー機能、ファクシミリ送受信機能等を有するデジタル複合機に適用した形態について、その実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
<装置構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る画像送信装置の一例としてのデジタル複合機を用いて構築される画像処理システムの構成例を示す模式図である。図1において、1はデジタル複合機、2、3は外部コンピュータ、4はインターネットファクシミリ装置(インターネットFAX装置)、5はファクシミリ装置である。
デジタル複合機1は、プリント機能、コピー機能の他に、画像データをファックスで送受信する機能(ファクシミリ機能)及び/又は画像データをインターネットFAXで送受信する機能(インターネットFAX機能)を有する。このデジタル複合機1には、通信網を介して各種の外部機器が接続されている。例えば、ローカルな通信網として敷設されている通信ネットワークLNには、パーソナルコンピュータ(PC)等の外部コンピュータ2が接続されおり、図に示していないゲートウェイ等を介して接続されているインターネット網INには外部コンピュータ3及びインターネットFAX装置4が接続されている。また、公衆電話回線網PNを介して外部のファクシミリ装置5が接続されている。なお、上述したように、本発明に係る画像送信装置をデジタル複合機1に適用した場合についてのみ説明するが、本発明に係る画像送信装置としては、インターネットFAX装置4やファクシミリ装置5にも適用できる。
以下、このデジタル複合機1の構成及び動作について説明する。図2は、図1のデジタル複合機の構成例を示す概略ブロック図で、図3は、図2のデジタル複合機におけるタッチパネル及びキー操作部の一例を示す外観図である。
図2で例示するデジタル複合機1は、タッチパネル10、パネル制御部11、記録部12、読取部13、フォーマット変換部14、画像記憶部15、画像処理部16、符号化/復号部17、メイン制御部18、制御用メモリ19、キー操作部20、LAN(Local Area Network)制御部21、制御用バッファ22、網制御部(NCU:Network Control Unit)23、モデム24、及びUSB(Universal Serial Bus)インターフェース(I/F)25を備えている。また、デジタル複合機1は、穴あけ(パンチ)やステープル処理などを行う後処理装置を備えてもよく、以下、この後処理装置を備えた形態を挙げて説明する。
メイン制御部18はCPU(Central Processing Unit)又はDSP(Digital Signal Processor)などで構成される。制御用メモリ19は、ROM(Read Only Memory)やEEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等の不揮発性メモリなどで構成される。制御用メモリ19内にはメイン制御部18から読み出し可能なように、プログラム(ファームウェア)と各種設定データとが格納されている。このうち少なくとも各種設定データは書き換え可能なメモリに格納されている。設定データの一部として、制御用メモリ19には、後述するプレビュー設定テーブル19a及びアドレス帳テーブル19bが書換可能に格納されている。また、これらのプログラムや各種設定データは、後述する画像記憶部15の構成例としてのハードディスクに記憶してもよい。また、制御用バッファ22はRAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリで構成される。
上述のプログラムは、本発明に係る後述のプレビュー画像の生成や表示に係る命令をはじめ、ファクシミリ画像や電子メール等の生成・送信・受信等に係る命令、原稿の読み取りに係る命令、印刷に係る命令、原稿の読み取り及び印刷(つまりコピー)に係る命令などを、メイン制御部18が他の部位に対して行うためのものである。このプログラムは、メイン制御部18により、制御用バッファ22上に展開され、制御用バッファ22を一時保存(作業)用のデータ領域として、制御用メモリ19内の各種設定データを適宜参照しながら実行される。
読取部13は、CCD(Charge Coupled Device)を利用したスキャナで、原稿を所定の解像度のRGB(R:赤、G:緑、B:青)のビットマップ画像として読み取り、読み取ったRGBの画像データ(ドットイメージデータ)を画像処理部16に出力する。画像処理部16は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などで構成され、対象となる画像データに対して様々な画像処理を施す。画像処理の例については後述する。上述のASICには符号化/復号部17等の他の部位も組み込んでよい。
画像記憶部15は、ハードディスク等で構成され、読取部13で読み取り画像処理部16を経た画像データや、LAN制御部21やNCU23等を介して外部から受信した画像データなどを記憶する。画像記憶部15に画像データを記憶する際には、符号化/復号部17で符号化したデータを記憶することもできる。また、画像記憶部15は、画像処理部16での画像処理中に発生する中間データの一時的な保存も行ってもよい。
符号化/復号部17は、画像データを符号化により圧縮すると共に、符号化画像データを元の画像データに復号(伸張)する。例えば、符号化/復号部17は原稿を読み取った画像データの符号化、その符号化データの復号、外部から受信した符号化画像データの復号などを行う。符号化/復号部17では、ファイリングで一般的に使用されているJPEG(Joint Photographic Experts Group)や、ファクシミリ通信で一般に使用されているMH(Modified Huffman)、MR(Modified READ)、及びMMR(Modified ModifiedREAD)など、用途に応じた符号化方式を用いることができる。また、符号化方式として、IPファクシミリ通信ではMHを採用することができ、インターネットファクシミリ通信ではMH、MR、MMRの他にJPEGやJBIG(Joint Bi-level Image Experts Group)を採用することができる。
フォーマット変換部14は、読み取られた画像データや外部から受信した画像データを、PDF(Portable Document Format)、GIF(Graphics Interchange Format)、TIFF(Tag Image File Format)等の所定のファイルフォーマットに変換する。
記録部12は、電子写真方式やインクジェット方式などの印刷方式を採用したプリンタ装置を備え、画像記憶部15に記憶された画像データなどを、記録用紙に記録(つまり印刷)する。また、USB I/F25は、USBメモリ等のUSB機器に接続するためのI/Fであり、画像記憶部15に記憶された原稿読み取り後の画像データ等をUSB機器に出力したり、USB機器からファイルを読み込んだりする。
モデム24は、ファクシミリ通信が可能なファクシミリモデムから構成されており、電話回線と接続され、またNCU23と直接的に接続されている。NCU23は、電話回線と接続され、回線の制御を行う。すなわち、NCU23は、アナログの公衆電話回線網(PSTN)との回線の閉結及び開放の動作を行うハードウェアであり、必要に応じてモデム24を公衆電話回線網と接続する。このような構成により、画像記憶部15に記憶された画像データを外部へファクシミリ送信することや、電話回線からファクシミリ画像データを受信して、画像記憶部15に記憶したり記録部12で直接印刷したりすることが可能となる。
LAN制御部21は、LANと接続され、インターネット経由による電子メールデータの通信及びインターネットFAXの通信を行う。インターネットFAXは、LANインターフェース等を用いてLAN等のコンピュータネットワークを介して、電子メールを送受信するものである。
タッチパネル10又はキー操作部20は、原稿の読み取り処理、画像データ送信、印刷等の処理の中から所望の処理を選択するための操作、その処理を開始するための操作、各処理を実行する際に必要となる設定を行うための操作(選択操作又は入力操作)などを受け付ける。この設定としては、例えば印刷時の印刷枚数の設定、穴あけ(パンチ)やステープルの設定、ファクシミリ画像や電子メールの送信時の相手先情報の設定など、様々挙げられる。
キー操作部20は、操作するために必要なキー群を備えている。タッチパネル10は、表示部とタッチセンサ等の操作受付部とを有する。タッチパネル10は、パネル制御部11によってその表示制御及び操作受け付けの制御がなされる。つまり、パネル制御部11は、タッチパネル10における表示部の表示制御や操作受付部の操作受付制御を行う。
タッチパネル10の表示部には、現在の動作状態や設定情報(例えば送信先等)などが表示される。この表示は、GUI(Graphical User Interface)画像を表示させるように、パネル制御部11が制御することで実現される。GUIにより、ユーザ操作に応じてその表示及び操作受付位置を変更することができる。各GUI及びその画像は、パネル制御部11の内部メモリ又は制御用メモリ19に、読み出し可能に格納しておけばよい。また、表示部としては、液晶ディスプレイや有機EL(Electroluminescence)ディスプレイなど、様々な表示形式の表示装置を採用することができる。
タッチパネル10上で受けたユーザ操作はパネル制御部11で解釈され、操作信号としてメイン制御部18に伝送される。キー操作部20で受けたユーザ操作は、キー操作部20自身で解釈され、操作信号としてメイン制御部18に伝送される。メイン制御部18は、このようにして得た操作信号に応じた命令を他の部位に発することで、ユーザ操作に応じた処理を他の部位に実行させる。なお、表示装置及び操作部が一体となったタッチパネル10を挙げて説明したが、タッチパネル10の代わりに単に表示装置のみを設けても良く、その場合、キー操作部20のみでユーザ操作を受け付ける。
タッチパネル10及びキー操作部20は、図3で例示するような操作パネル30として構成してもよく、操作パネル30は、各種ハードウェアキーを備えるキー操作部31(キー操作部20に相当する)と、液晶ディスプレイ及びタッチセンサにより構成されるタッチパネル32(タッチパネル10に相当)とにより構成される。以下、図1の構成においてタッチパネル10及びキー操作部20の代わりにタッチパネル32及びキー操作部31を当てはめて、本発明の詳細について説明する。
キー操作部31は、ハードウェアキーとして、数値入力のためのテンキー31a、入力した設定値をクリアするためのクリアキー31b、入力した各種設定を全解除するための全解除キー31c、コピー開始、送信開始等の指示を受付けるスタートキー31dの他、プリント機能、送信機能、及びコピー機能を切替える機能切替キー31e,31f,31g、並びに、ユーザ(主に管理者ユーザ)による設定を受付けるシステム設定キー31hを備えている。
上述した構成例のデジタル複合機1における動作例について説明する。
<原稿読み取り動作>
原稿読み取り動作は、読み取った原稿の画像データを画像記憶部15に記憶(ファイリング)する場合、読み取った原稿の画像データを外部に送信する場合、読み取った原稿の画像データを印刷する場合(つまりコピーする場合)などに行われる。
原稿読み取りを必要とするような処理を行うユーザ操作が操作パネル30で受け付けられたとき、メイン制御部18は、読取部13、画像記憶部15、画像処理部16、及び符号化/復号部17などに指示を行い、次に説明するような処理を実行させる。
読取部13は、原稿台又は自動原稿送り装置に載置された原稿の画像を光学的に読み取り、読み取った結果であるRGB画像データ(RGBのビットマップデータ)を画像処理部16に渡す。画像処理部16は、そのRGB画像データに対して、A/D変換、シェーディング補正、γ補正などの各種画像処理(以下、原稿画像処理という)を実行する。ここで、シェーディング処理は、読取部13の照明系・結像系・撮像系で生じる各種歪みを取り除く処理である。
原稿画像処理としては、A/D変換、シェーディング補正、γ補正に続き、原稿判別処理、領域分離処理を実行するとよい。原稿判別処理は、入力された画像データ(ここではγ補正後の画像データ)から、原稿の種別を判別する処理と原稿がカラー原稿であるのか白黒原稿であるのかを判別する処理とを含む。原稿の種別としては、例えば文字原稿、印刷写真原稿、それらが混在した文字印刷写真原稿などが挙げられる。画像処理部16は、これらの原稿判別処理及び白黒/カラー原稿判別処理の結果として、判別信号(以下、原稿判定データという)を出力する。領域分離処理とは、入力された画像データ(ここではγ補正後の画像データ)の各画素がどのような種類の領域に属するのかを判定する処理であり、例えば、各画素が黒文字の領域、色文字の領域、網点の領域などのいずれの領域に属する画素であるのかを判定する処理である。画像処理部16は、この判定結果として領域分離データを出力する。なお、この領域分離処理は、上述の原稿判別処理及び白黒/カラー判別処理の結果に基づき実行してもよい。
原稿判定データ及び領域分離データは、対応する画像データ(原稿画像処理後の画像データ)に関連付けられて、画像記憶部15に記憶される。このとき、符号化/復号部17で原稿判定データ及び領域分離データを符号化した後、各符号化データを対応する画像データと関連付けて画像記憶部15に記憶する。なお、画像記憶部15へ記憶する際の符号化は必須ではないが、以下の説明では符号化した状態で画像データが記憶されるものとして説明する。原稿読み取り動作以外の動作についても同様とする。
<印刷動作>
上述した原稿読み取り動作により、読み取った原稿の画像データのファイリングまでは完了する。次に、読み取った原稿の画像データを印刷する場合(つまり原稿をコピーする場合)の印刷動作について説明する。印刷を必要とするような処理を行うユーザ操作が操作パネル30で受け付けられたとき、メイン制御部18は、記録部12、画像記憶部15、画像処理部16、及び符号化/復号部17などに指示を行い、次に説明するような処理を実行させる。なお、メイン制御部18は、例えばコピー操作がなされたときには読取部13への指示(原稿読み取り指示)も行うことになる。
また、デジタル複合機1は、印刷時に、定型スタンプ、日付(又は日時)、頁番号などの付加情報を画像データに付加することが可能になっており、このような付加の指示があった場合にはメイン制御部18が画像処理部16を制御する。画像データに付加された付加情報は付加画像であると言える。付加情報は制御用メモリ19に記憶され、必要に応じて読み出される。勿論、元々付加情報を付加画像のデータとして格納しておいてもよい。また、付加情報を複数、制御用メモリ19に格納しておくと共に、付加設定情報を制御用メモリ19に格納しておくとよい。この付加設定情報としては、画像データに対して付加する位置(以下、付加位置という)を示す情報を少なくとも含み、複数の付加情報が格納されている場合にはそのいずれを選ぶかの情報も含むものとする。また、後処理装置でのパンチやステープル処理を実行する指示があった場合には、メイン制御部18はこの後処理装置も制御する。
符号化/復号部17は、画像記憶部15から印刷対象の画像データとそれに対応する原稿判定データ及び領域分離データとを読み出して復号し、画像処理部16に渡す。画像処理部16は、復号後の画像データ(RGB画像データ)に対して各種画像処理(以下、印刷用画像処理という)を実行する。印刷用画像処理としては、以下にその概略を説明するように、画質調整処理、二色化処理、色補正処理、黒生成/下色除去処理、空間フィルタ処理、変倍処理、出力階調補正処理、及び中間調生成処理などが挙げられる。黒生成/下色除去処理、空間フィルタ処理、及び中間調生成処理は、領域分離データが示す各種領域に応じた処理となる。
画質調整処理としては、復号後の画像データから下地の検出を行って下地除去を行う。また、画質調整処理としては、操作パネル30によりユーザ設定された設定情報に基づいて、下地除去後の画像データについてRGBの調整(カラー調整、赤み青みといった全体のカラー調整)、明るさの調整、及び鮮やかさの調整も行う。このとき、原稿判定データが示す原稿種別に応じた調整を行ってもよい。
色補正処理としては、画質調整処理後のRGBデータから、RGBの補色であるCMY(C:シアン、M:マゼンタ、Y:イエロー)を構成要素とするCMYデータを生成し、色再現性を高める処理を行う。黒生成/下色除去処理としては、色補正後のCMYデータから黒(K)データを生成する黒生成処理と、元のCMYデータから黒生成で得たKデータを差し引いて新たなCMYデータを生成する下色除去処理とを行う。空間フィルタ処理としては、これら4色のデータであるCMYKデータに対して強調処理や平滑化処理を行う。画像データを二色(例えば赤と黒)で出力する二色カラーモードが選択された場合には、二色化処理が実行される。二色化処理としては、RGBデータから指定の二色(この場合、赤色と黒色)を表現するCMYデータに変換する処理を行う。二色カラーモードの場合、黒生成/下色除去処理は二色化処理後のCMYデータに対して実行され、空間フィルタ処理も実行されるが、色補正処理は実行されない。
変倍処理としては、空間フィルタ処理後のCMYKデータに対し、操作パネル30でユーザ操作により設定された印刷倍率に基づいて画像拡大処理又は画像縮小処理を行う。印刷倍率とは、読み取られ記憶された画像データが示す画像に対する印刷後の画像の倍率である。勿論、印刷倍率はユーザ操作により得られた倍率に限らず、印刷倍率に対する操作がなかった場合にはデフォルト設定の倍率となる。出力階調補正処理としては、CMYKデータに対し、記録用紙等の記録媒体に出力するための出力γ補正処理を行う。中間調生成処理としては、出力階調補正処理後のCMYKデータに対して、誤差拡散処理やディザ処理により、画像を出力するための階調再現処理を行う。出力階調補正処理や中間調生成処理では、例えば文字領域とそれ以外で処理内容を異ならせるなど、原稿判定データが示す原稿種別に応じた処理を行ってもよい。
中間調生成処理後のCMYKデータは記録部12に渡される。付加情報を付加する場合について説明する。付加情報についても印刷データの変倍率に応じて変倍処理を施す方法と、付加情報は印刷データの変倍率に関係なく変倍処理を施さない方法とがある。まず、付加情報も変倍処理する場合には、メイン制御部18が付加情報及び付加位置を示す情報を読み出して、メイン制御部18又は画像処理部16が必要に応じて画像データに変換し、変倍処理の前にこの付加情報の画像データを画像処理部16に渡す。なお、この変換は元々付加画像データが格納されている場合には必要ない。続いて、画像処理部16が、付加情報の画像データを、変倍処理前の画像データである付加先の画像データに対し上記付加位置に合成すればよい。
付加情報を変倍処理しない場合には、メイン制御部18が付加情報及び付加位置を示す情報を読み出して、メイン制御部18又は画像処理部16が必要に応じて画像データに変換する。この例では変換によりCMYKデータとなる。なお、この変換は元々付加画像データが格納されている場合には必要ない。続いて、画像処理部16が、付加情報の画像データを、変倍処理後の画像データである付加先の画像データ(出力階調補正処理又は中間調生成処理の対象となる上述のCMYKデータ)に対し上記付加位置に合成すればよい。
いずれの場合にも、画像処理部16が付加情報を付加した状態の中間調生成処理後のCMYKデータを出力することができる。なお、デジタル複合機1では、付加情報やその付加位置は、次に説明するプレビュー表示を行いながら操作パネル30によりユーザ設定可能とする。
記録部12は、このようにして画像処理部16で印刷用画像処理が施された画像データ(この例ではCMYKの画像データ)を受け取り、電子写真方式やインクジェット方式などによりハードコピー(プリントアウト)する。そして、ここで印刷された用紙に対して、後処理装置が必要に応じてパンチやステープル処理を実行する。なお、ここで説明した印刷動作の対象データは、読取部13で読み取られた画像データに限ったものではなく、例えば、USBメモリ等の外部記録媒体やネットワーク接続されたPCなどから事前に転送され画像記憶部15に記憶された画像データ(画像ファイル)についても、同様に適用できる。ファクシミリ受信し画像記憶部15に記憶された画像データの印刷動作については後述する。
<印刷する画像データのプレビュー表示動作>
次に、原稿読み取りの結果として画像記憶部15に記憶された画像データを、印刷前にタッチパネル32でプレビュー表示する動作(プレビュー表示動作)について説明する。デジタル複合機1は、印刷対象となった画像データについてプレビュー表示(サムネイル表示)を可能にする構成を有する。このプレビュー表示動作は、基本的に、プレビュー表示を行うユーザ操作が操作パネル30で受け付けられたときに行われる。例えば、プレビュー表示を行う設定後に、コピー条件を設定してスタートキーを押下した段階で、原稿の読み取りを開始し、読み取った後にプレビュー画像をタッチパネル32に表示させてもよい。また、本発明の主たる特徴である後述の強制的なプレビュー表示制御によっても行われる。
メイン制御部18は、画像記憶部15、画像処理部16、符号化/復号部17、及びパネル制御部11などに指示を行い、次に説明するような処理を実行させる。なお、メイン制御部18は、例えば原稿をコピーする操作がなされたときには読取部13への指示(原稿読み取り指示)も行うことになる。
符号化/復号部17は、画像記憶部15からプレビュー対象の画像データとそれに対応する原稿判定データ及び領域分離データとを読み出して復号し、画像処理部16に渡す。画像処理部16は、復号後の画像データ(RGB画像データ)に対して各種画像処理(以下、プレビュー用画像処理という)を実行する。プレビュー用画像処理としては、以下にその概略を説明するように、画質調整処理、二色化処理、色補正処理、空間フィルタ処理、変倍処理、及び出力階調補正処理などが挙げられる。空間フィルタ処理及び出力階調補正処理は、領域分離データが示す各種領域に応じた処理となる。
ここでの画質調整処理は、印刷用画像処理での画質調整処理と同様である。色補正処理としては、タッチパネル32の表示特性に基づいて、画質調整処理後の画像データ(RGBデータ)をR′G′B′データに変換する処理を行う。空間フィルタ処理としては、このR′G′B′データに対して強調処理や平滑化処理を行う。
変倍処理としては、空間フィルタ処理後のR′G′B′データに対し、印刷倍率に応じた画像拡大処理/画像縮小処理を施し、さらにそのR′G′B′データの画素数をタッチパネル32の画素数(表示解像度)に変換する処理を行うと共に、プレビュー表示倍率に基づいて画像拡大処理や画像縮小処理を行う。なお、プレビュー表示倍率とは、例えば2倍、4倍等の倍率であって、プレビュー表示時の画像の倍率である。
画像処理部16に設けたプレビュー画像生成部16aは、主にこのようなプレビュー表示用の変倍処理によりプレビュー表示用の画像(プレビュー画像)を生成する。
ここで、付加情報を付加する場合のプレビュー画像について説明する。上述のように、デジタル複合機1では、出力対象の画像データに付加情報を付加して出力することが可能となっており、プレビュー表示は、パネル制御部11が、付加情報を示す画像を表示させる制御を行うことで実行される。そのため、プレビュー画像生成部16aが、このような付加情報を示す画像を生成し出力対象の画像データから生成したプレビュー画像に合成することで、付加情報付きのプレビュー画像を生成する。これをパネル制御部11がタッチパネル32に表示させる。
付加情報は、印刷倍率に応じて変倍処理を行って印刷対象の画像データと共に出力することができ、また印刷倍率に応じた変倍処理を行った後の印刷対象の画像データに付加して出力することもできる。まず、付加情報も変倍処理して出力する場合には、メイン制御部18が付加情報及びその付加位置を読み出して、変倍処理の前に画像処理部16に渡す。続いて、プレビュー画像生成部16aが、この付加情報を示す画像のR′G′B′データを生成し、変倍処理前の画像データである付加先の画像データに対し上記付加位置に合成する。そして、付加情報の画像が付加された後のR′G′B′データに対し、印刷倍率に応じた画像拡大処理/画像縮小処理を施すとよい。
付加情報を変倍処理しない場合には、メイン制御部18が付加情報及びその付加位置を読み出して画像処理部16に渡す。続いて、プレビュー画像生成部16aがこの付加情報から付加情報を示す画像のR′G′B′データを生成し、それを印刷倍率に応じた画像拡大処理/画像縮小処理後のR′G′B′データに対し上記付加位置に合成し、付加後のR′G′B′データの画素数をタッチパネル32の画素数(表示解像度)に変換する処理を行うと共に、プレビュー表示倍率に基づいて画像拡大処理や画像縮小処理を行う。
また、後処理装置においてパンチやステープル処理を施す場合には、印刷対象となる画像データ(及び付加情報を示す画像のデータ)から生成したプレビュー画像にパンチ穴やステープル等の後処理の画像データを、パンチ位置やステープル位置に合成して出力するとよい。若しくは、印刷対象となる画像データ(及び付加情報を示す画像のデータ)から生成したプレビュー画像とは別に、その近隣に、パンチ穴やステープル等の後処理の画像データを合わせて出力してもよい。後者の場合、合成処理が不要となるため、処理速度が速くなる。いずれの方法によっても、画像データのプレビュー表示時に、画像形成する用紙の仕上がり状態を表示させることができる。
出力階調補正処理としては、プレビュー画像のR′G′B′データ又はプレビュー画像及び後処理の画像のR′G′B′データに対し、タッチパネル32で画像データを表示するための出力γ補正処理を行う。出力階調補正処理では、例えば文字領域とそれ以外で処理内容を異ならせるなど、原稿判定データが示す原稿種別に応じた処理を行ってもよい。
二色化処理は、画像データを例えば赤と黒の二色で出力する二色カラーモードが選択された場合のみに実行される。二色化処理としては、画質調整処理後のRGBデータから指定の二色(この場合、赤色と黒色)を表現するCMYデータに変換する処理を行う。生成されたCMYKデータは、後段の色補正処理において、タッチパネル32の表示特性に基づいてR′G′B′データに変換される。
プレビュー画像生成部16aで生成され出力階調補正処理されたR′G′B′データは、タッチパネル32に渡される。パネル制御部11は、このR′G′B′データに対応する画像を、GUI画像に組み込んで表示させる制御を、タッチパネル32に対して行い、タッチパネル32でこのGUI画像を表示する。ユーザは、この付加情報を示す画像を含むプレビュー表示された画像を確認して、このまま印刷を実行するか中止するか、或いは付加情報を削除するか、付加位置の変更(又は付加情報の変更)などを実行するかなどを判断して、それに応じた操作を行うことができる。
<原稿読み取り・プレビュー表示・印刷についての補足>
プレビュー表示動作について印刷動作と別個に説明したが、まず印刷動作として出力階調補正処理を施した後の画像データ(CMYKデータ)を、タッチパネル32の表示特性に基づいてR′G′B′データに変換し、タッチパネル32の画素数(表示解像度)に合わせた変換処理やプレビュー表示時の変倍処理を行って、GUI画像に組み込んでタッチパネル32に表示してもよい。印刷動作がある程度完了しておりプレビュー表示後の印刷動作が素早く完了できるため、例えばコピー操作がなされたときに事前にプレビュー表示を行うような設定となっている場合などに有用である。
また、原稿読み取り動作として、符号化した画像データと原稿種別データと領域分離データとを対応付けて画像記憶部15に格納する例を挙げ、この例に基づき印刷動作時やプレビュー表示動作についても説明した。この代替方法として、読取部13で読み込んだ画像データのみを対象として符号化して、一旦、画像記憶部15に格納しておいてもよい。この場合、印刷動作時やプレビュー表示動作時に、画像記憶部15から読み出し符号化/復号部17で復号した画像データに対して、画像処理部16が原稿種別判別処理や領域分離処理を施すように構成すればよい。また、このような代替方法は、後述するファクシミリ送信やインターネットFAX送信等の画像データ送信時にも適用することができる。
<ファイリング動作についての補足>
ファイリング動作は、原稿読み取り動作として説明したように、読み取った画像データを(必要に応じて符号化して)、デジタル複合機1の内部に設けられた画像記憶部15に記憶する動作である。ファイリング時でも、記憶対象の画像データに対して付加情報を付加してから記憶(ファイリング)することができる。画像記憶部15にファイリングする画像データのプレビュー表示動作については、基本的に印刷する画像データについて説明した通りである。
<ファクシミリ受信した画像データの印刷動作>
次に、ファクシミリ通信により受信した画像データの印刷動作について説明する。メイン制御部18は、モデム24でファクシミリ通信要求を検知したときに、記録部12、画像記憶部15、画像処理部16、NCU23、及びモデム24などに指示を行い、次に説明するような処理を実行させる。
まず、モデム24及びNCU23は、通信手続きを行いながら送信元から送信されてくる画像データ(圧縮画像データ)を順次受信し、受信した圧縮画像データの伸張を行うと共に、必要に応じて回転処理(送信方向を回転させる処理)や解像度変換処理などを実行して、画像処理部16に渡す。
ファクシミリ通信により受信した画像データは白黒2値であるので、画像処理部16では、伸張等の処理を行った画像データ(Kデータ)に対して、特に処理を施さず、そのまま記録部12に渡される。記録部12は、この画像データを受け取り、電子写真方式やインクジェット方式などにより印刷を実行する。また、ファクシミリ通信によって受信した画像データに対しても、上述した付加情報を付加した後に印刷することもできる。
モノクロ画像でのファクシミリ受信について説明したが、カラーのファクシミリ画像(RGBデータ)を受信した際には、画像処理部16がここで説明したファクシミリ受信用画像処理をこのRGBデータに対して実行するなどすればよい。
<ファクシミリ受信した画像データのプレビュー表示動作>
ファクシミリ通信により受信した画像データのプレビュー表示動作について、同画像データの印刷動作に基づき簡単に説明する。このプレビュー表示動作は、受信した画像データを事前に確認してから印刷を実行するような事前設定やユーザ操作があったときなどに行われる。このプレビュー表示動作では、画像処理部16が、伸張等の処理を施した後の画像データに対して、付加情報を付加する場合にはその付加情報の画像データを合成した後に、さらにタッチパネル32の画素数(表示解像度)に合わせた変換処理及びプレビュー表示時の変倍処理を行う。変倍処理後の画像データがGUI画像に組み込まれてタッチパネル32に表示されることになる。ユーザは、このプレビュー表示された画像を確認して、印刷を実行するか破棄するかを判断して、印刷又は破棄の操作を行うことができる。
<ファクシミリ送信動作>
次に、読み取った原稿の画像データをファクシミリ送信する場合の送信動作について説明する。ファクシミリ画像データは、タッチパネル32又はキー操作部31でのユーザ操作により設定された相手先(送信先)情報に対して送信される。相手先情報(この例では電話番号)は制御用メモリ19に記憶され、必要に応じて読み出される。通常、相手先情報は、アドレス帳データとして複数の相手先の情報が閲覧可能に且つ選択可能に格納されているか、或いは送信前に直接入力される。
ファクシミリ送信を実行するためのユーザ操作が操作パネル30で受け付けられたとき、メイン制御部18は、画像記憶部15、画像処理部16、符号化/復号部17、NCU23、及びモデム24などに指示を行い、次に説明するような処理を実行させる。なお、メイン制御部18は、例えば原稿をファクシミリ送信する操作がなされたときには読取部13への指示(原稿読み取り指示)も行うことになる。なお、画像記憶部15に記憶された画像データについてプレビュー表示を実行しながら、送信対象の画像データを選択し、その画像データについてファクシミリ送信を開始することも可能である。
符号化/復号部17は、印刷対象の画像データとそれに対応する原稿判定データ及び領域分離データとを画像記憶部15から読み出して復号し、画像処理部16に渡す。画像処理部16は、復号後の画像データ(RGB画像データ)に対して各種画像処理(以下、ファクシミリ送信用画像処理という)を実行する。ファクシミリ送信用画像処理としては、以下にその概略を説明するように、画質調整処理、空間フィルタ処理、変倍処理、出力階調補正処理、及び中間調生成処理などが挙げられる。空間フィルタ処理及び中間調生成処理は、領域分離データが示す各種領域に応じた処理とすればよいが、領域分離データを用いなくてもよい。さらに、ファクシミリ送信に伴う原稿読み取り動作では、読み取った画像データに対する領域分離処理やその領域分離データの符号化及び記憶を実行しなくてもよい。
画質調整処理としては、復号後の画像データを、マトリクス係数を用いてKデータに変換する。このとき、原稿判定データが示す原稿種別に応じたマトリクス係数を用いてもよい。空間フィルタ処理としては、このKデータに対して強調処理や平滑化処理を行う。変倍処理としては、空間フィルタ処理後のKデータに対し、操作パネル30で設定された送信解像度又はデフォルト設定の送信解像度に応じて画像拡大処理や画像縮小処理を行う。出力階調補正処理としては、変倍処理後のKデータに対し、例えば送信先における記録用紙等の記録媒体に出力することを目的とした出力γ補正処理を行う。実際には、送信先の機器を考慮した出力γ補正でなく一般的な機器に対する出力γ補正を行えばよい。中間調生成処理としては、出力階調補正処理後のKデータに対して、例えば誤差拡散処理により二値化を行う。出力階調補正処理や中間調生成処理では、原稿判定データが示す原稿種別に応じた処理を行ってもよい。
モノクロ画像でのファクシミリ送信について説明したが、カラー画像でのファクシミリ送信の際には、画像処理部16が上述のファクシミリ送信用画像処理において、画質調整処理として、復号後の画像データを、マトリクス係数を用いてカラー伝送用のL*a*b*データに変換する処理を行い、その後の処理をこのL*a*b*データについて行うなどすればよい。
中間調生成処理後の画像データは、必要に応じて回転処理が施され、符号化/復号部17でファクシミリ送信時の圧縮形式で圧縮符号化されて、画像記憶部15に一時的に保存される。モデム24は、NCU23を介して設定された送信先との送信手続きを行い、送信先との通信を確立した段階(送信可能な状態にした段階)で、この一時的に保存されている符号化されたKデータを読み出し、圧縮形式の変更などの必要な処理の後に公衆回線網を介して送信先に順次送信する。
そして、デジタル複合機1は、送信対象の画像データにも、付加情報を付加して送信することが可能となっている。この例のように画像データを外部へ送信する際には、付加情報として、スタンプ、日付(日時)、頁番号の他に、送信元情報(発信元情報)も付加情報を付加することが可能となっている。ここで、画像データ送信時に付加する送信元情報には、送信者の名称の情報、送信元の電話番号の情報、送信元の電子メールアドレスの情報のいずれか1又は複数を含むとよい。また、付加情報としては、画像データ送信時には送信先の情報(相手先の情報)なども付加してもよい。
付加情報を付加してファクシミリ送信する場合には、次のような合成処理を行えばよい。メイン制御部18が付加情報及び付加位置を示す情報を読み出して、メイン制御部18又は画像処理部16が画像データに変換し、画像処理部16が、変換後の画像データ(付加情報の画像データ)を、変倍処理後の画像データである付加先の画像データに対し上記付加位置に合成すればよい。デジタル複合機1では、付加情報の画像データを付加する位置は、次に説明するプレビュー表示を行いながら操作パネル30によりユーザ設定可能とする。この合成後の画像データは、上述した出力階調補正処理や回転処理や圧縮処理などが施された後に、送信先に送信されることになる。
<ファクシミリ送信する画像データのプレビュー表示動作>
デジタル複合機1は、ファクシミリ送信等で送信対象となった画像データについてプレビュー表示を可能にする構成を有する。このプレビュー表示動作は、送信前の画像データを事前に確認してから送信を実行するような事前設定やユーザ操作があったときなどに行われる。ファクシミリ送信対象となる画像データのプレビュー表示動作について、同画像データのファクシミリ送信動作に基づき説明する。プレビュー表示動作においてはメイン制御部18はパネル制御部11への指示も行う。
このプレビュー表示動作では、画像処理部16が、画質調整処理、及び空間フィルタ処理(及び変倍処理)まではファクシミリ送信時と同じ処理を行い、プレビュー画像生成部16aによるプレビュー画像生成処理を実行し、出力階調補正処理として画像データを表示するための出力γ補正処理を行うとよい。このプレビュー画像生成処理として、プレビュー画像生成部16aは、送信解像度に応じた画像拡大処理/画像縮小処理を施した画像データに対して、タッチパネル32の画素数(表示解像度)に合わせた変換処理と、プレビュー表示時の縮小/拡大率(プレビュー表示倍率)に応じた変倍処理とを行うことでプレビュー画像のデータを生成する。なお、このプレビュー表示動作では、空間フィルタ処理は実行されなくてもよく、また中間調生成処理は実行されない。
プレビュー画像生成部16aで生成され出力階調補正処理されたR′G′B′データは、タッチパネル32に渡される。パネル制御部11は、このR′G′B′データに対応する画像をGUI画像に組み込んで表示させる制御を、タッチパネル32に対して行い、タッチパネル32でこのGUI画像を表示する。
付加情報を付加して送信する場合のプレビュー画像について説明する。付加情報は、送信解像度に応じた変倍処理を行った後の画像データに付加して出力する。より具体的には、メイン制御部18が付加情報及びその付加位置を読み出して画像処理部16に渡す。続いて、プレビュー画像生成部16aがこの付加情報から付加情報を示す画像のR′G′B′データを生成し、送信解像度に応じた画像拡大処理/画像縮小処理後のR′G′B′データに対し上記付加位置に合成すればよい。そして、付加後のR′G′B′データの画素数をタッチパネル32の画素数(表示解像度)に変換する処理を行うと共に、プレビュー表示倍率に基づいて画像拡大処理や画像縮小処理を行う。
このようにして付加情報の画像が合成された画像データは、上述したプレビュー表示時の出力階調補正処理(画像データを表示するための出力γ補正処理)が施された後に、パネル制御部11によりGUI画像に組み込まれてタッチパネル32に表示されることになる。ユーザは、この付加情報の画像を含むプレビュー表示された画像を確認して、このままファクシミリ送信を実行するか中止するか、或いは付加情報を削除するか、付加位置の変更(又は付加情報の変更)などを実行するかなどを判断して、それに応じた操作を行うことができる。
<インターネット経由による画像データの送信動作>
次に、読み取った原稿の画像データを、インターネット経由による電子メール又はインターネットFAXで送信する場合の送信動作について説明する。このようなインターネット経由での送信で対象となる画像データについても、タッチパネル32又はキー操作部31でのユーザ操作により設定されて制御用メモリ19に格納された送信先情報(この例では電子メールアドレス)に対して送信される。
インターネット経由による送信に係るユーザ操作が操作パネル30で受け付けられたとき、メイン制御部18は、フォーマット変換部14、画像記憶部15、画像処理部16、符号化/復号部17、及びLAN制御部21などに指示を行い、次に説明するようなインターネット経由による送信処理を実行させる。なお、メイン制御部18は、例えば原稿をインターネット経由で送信する操作がなされたときには読取部13への指示(原稿読み取り指示)も行うことになる。
符号化/復号部17は、印刷対象の画像データとそれに対応する原稿判定データ及び領域分離データとを画像記憶部15から読み出して復号し、画像処理部16に渡す。画像処理部16は、復号後の画像データ(RGB画像データ)に対して各種画像処理(以下、インターネット送信用画像処理という)を実行する。インターネット送信用画像処理としては、ファクシミリ送信用画像処理において説明した、画質調整処理、空間フィルタ処理、変倍処理、出力階調補正処理、及び中間調生成処理などが挙げられる。
また、カラー画像での送信の際の画像処理もファクシミリ送信用画像処理と同様であり、画像処理部16がインターネット送信用画像処理において、画質調整処理として、復号後の画像データを、マトリクス係数を用いてカラー伝送用のL*a*b*データに変換する処理を行い、その後の処理をこのL*a*b*データについて行うなどすればよい。
符号化/復号部17は、インターネット送信用画像処理後の画像データを符号化(圧縮)して、圧縮ファイルを得る。この圧縮は、原稿1頁単位で行われる。次いで、フォーマット変換部14が、これらの圧縮ファイルを1つのファイルに変換し、このファイルを、例えばMIME(Multipurpose Internet Mail Extension)に従ってマルチパートメールに添付する。ここまでの処理により、読み取られた画像データは電子メールのフォーマットに変換される。この電子メールは、LAN制御部21によりLANインターフェースを介してSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)等のメール転送プロトコルを用いて、インターネット経由で送信先に送信される。
ここで、インターネットファクシミリ送信の場合、符号化/復号部17が例えばMHのようなファクシミリ専用の圧縮形式で圧縮し、フォーマット変換部14が得られた頁単位の圧縮ファイルを例えば1つのTIFFファイルに変換すればよい。また、電子メールに添付ファイルとして添付するだけの送信の場合(所謂scan to e-mailによる送信の場合)、符号化/復号部17が例えばJPEGのような圧縮形式で圧縮し、フォーマット変換部14が得られた頁単位の圧縮ファイルを例えば1つのPDFファイルに変換すればよい。
また、デジタル複合機1は、送信対象の画像データがインターネット経由で送信する画像データであっても、ファクシミリ送信画像データの場合と同様に、付加情報を付加して送信することが可能となっている。付加情報の付加処理としては、ファクシミリ送信時について説明した合成処理を実行すればよく、上述した出力階調補正処理、圧縮処理、フォーマット変換処理などが施された後に、電子メールとして送信先のアドレスに送信されることになる。
<インターネット経由で送信する画像データのプレビュー表示動作>
ファクシミリ送信時のプレビュー表示について説明したのと同様に、本発明のデジタル複合機1は、インターネット経由で送信する対象となった画像データも、タッチパネル32でプレビュー表示可能に構成することができる。
このプレビュー表示動作では、ファクシミリ送信時のプレビュー表示について説明したのと同様に、画像処理部16が、画質調整処理、及び空間フィルタ処理(及び変倍処理)まではインターネット送信用画像処理と同じ処理を行い、プレビュー画像生成部16aによるプレビュー画像生成処理を実行し、出力階調補正処理として画像データを表示するための出力γ補正処理を行うとよい。プレビュー画像生成部16aで生成され出力階調補正処理されたR′G′B′データは、タッチパネル32に渡され、パネル制御部11によりGUI画像に組み込まれて、タッチパネル32に表示されることになる。また、付加情報を示す画像を付加したプレビュー表示についても、ファクシミリ送信時のプレビュー表示についての説明が援用できる。
<本発明に係る、画像データ送信前のプレビュー表示の説明>
ファクシミリ等でのデータ送信時について送信前のプレビュー表示動作を説明したように、本発明に係るデジタル複合機1では、送信対象となった画像データについて、画像記憶部15から読み出してそのプレビュー画像を生成するプレビュー画像生成部16aを有する。
送信対象の画像データは、読取部13で例示したスキャナ装置、USB I/F25に接続されるUSBメモリで例示した着脱可能な記憶装置、LAN又は回線で例示した通信回線のいずれかから入力された画像データであってよい。若しくは、送信対象の画像データは、デジタル複合機1内に設けられた画像記憶部15で例示した記憶装置から読み出された画像データであってもよい。勿論、本発明に係るデジタル複合機1は、送信対象の画像データを送信する送信部を有する。
この送信部は、メイン制御部18と、モデム24及びNCU23等或いはLAN制御部21等とで例示したものである。また、この送信部としては、読取部13で読み取った画像データを記憶するための画像記憶部15への送信(つまりファイリング)するメイン制御部18も挙げられる。つまり、送信先としては、画像記憶部15等の自機内部の記憶部も含むことができ、また自機外部の記憶部を含むこともできる。
プレビュー画像生成部16aで、最初に表示するために最初に生成されるプレビュー画像は、所定のプレビュー表示倍率に基づき拡大/縮小された画像であり、縮小された画像であることが好ましい。プレビュー画像生成部16aで生成された最初のプレビュー画像は、メイン制御部18の制御によりタッチパネル32に送られ、パネル制御部11によりGUI画像に組み込んで表示する制御がなされ、タッチパネル32に表示される。
このように、パネル制御部11は、生成されたプレビュー画像を表示部に表示させる制御を行う表示制御部の一例であり、タッチパネル32は、送信対象の画像データのプレビュー画像を表示する表示部の一例である。
また、上述したようにデジタル複合機1では、送信対象の画像データに付加情報を付加して出力することが可能に構成されている。また、メイン制御部18の制御に基づきパネル制御部11が、付加情報の画像をタッチパネル32に表示させる制御を行う。そのため、プレビュー画像生成部16aが、このような付加情報の画像を生成し送信対象の画像データから生成したプレビュー画像に合成することで、付加情報付きのプレビュー画像を生成する。なお、プレビュー表示において、付加情報を示す画像そのものを付加位置に合成して表示させることを前提に説明しているが、付加情報の代わりに、付加情報が存在していることを示す存在画像を表示させるように構成してもよい。
そして、パネル制御部11は、生成されたプレビュー画像をGUI画像に組み込んで表示させる制御を、タッチパネル32に対して行い、タッチパネル32でこのGUI画像を表示する。このように、デジタル複合機1では、表示制御部が、プレビュー表示時に付加情報を表示させる制御を表示部に行うように構成しておくことが好ましい。これにより、より出力形態に近いプレビュー画像を確認することができる。
本発明に係るデジタル複合機1は、その主たる特徴として、表示制御部によるプレビュー表示に関する設定情報を、送信先(宛先)毎に記憶する設定記憶部を備える。ここで、設定情報は、表示制御部により強制的にプレビュー画像を表示させるか否かを示す強制実行情報を含むものとする。設定記憶部については図2の制御用メモリ19で例示でき、設定情報についてはプレビュー設定テーブル19aで例示できる。
なお、以下の例では、プレビュー設定テーブル19aをアドレス帳テーブル19bとは別のテーブルとし、プレビュー設定テーブル19aがアドレス帳テーブル19bに関連付けて格納されているものとして説明するが、プレビュー設定テーブル19aはアドレス帳テーブル19bに組み込むように格納しておいてもよい。
そして、本発明に係るデジタル複合機1では、その主たる特徴として、表示制御部が、設定記憶部に記憶された強制実行情報を含む設定情報に基づいた表示制御を行うものとする。設定情報は、上述のごとく送信先毎に設定されているため、表示制御部での表示制御も送信先毎に異なるものとなる。特に、強制的なプレビュー表示を実行するか否かも、送信先毎に異ならせることができる。また、設定情報の設定は通常、管理者が行うものとする。
本発明では、上述のような構成により、送信先毎にプレビュー表示に関する情報(強制的なプレビュー表示の有無を示す強制実行情報を含む)を異ならせて設定できるようになっている。言い換えると送信相手によってセキュリティレベルを変えることができる。例えば、クライアントは送信前に必ずプレビュー表示で確認させ、仕事の依頼先や間違っても直ぐやり直せるユーザ自身のためのファイリング先には、このような強制的なプレビュー表示を行わないようにすることもできる。
このように、本発明によれば、余計な確認作業によりユーザに煩わしさを感じさせることもなく、プレビュー表示を用いて、誤った送信を効率良く防止することが可能になる。つまり、プレビュー表示による確認を、誤った送信を防止する上で効率良く行わせることが可能になり、誤った送信の防止を装置側(つまり管理者側)でコントロールすることができる。また、一旦、送信先毎にプレビューの設定をしておけば、ユーザにとってみても、送信するたびにプレビューの設定をする必要がない。
<プレビュー表示の具体例>
以下、図4〜図13を参照し、送信先別の送信対象画像データのプレビュー画像の表示を可能にするためのシステム設定例について、またそのプレビュー表示例について、具体的に説明する。
まず、図4〜図8を参照して、主にデジタル複合機1の管理者が行うシステム設定について説明する。図4は、図2及び図3で説明したデジタル複合機におけるシステム設定画面の一例である。
図4で示すGUI画像40は、図3の操作パネル30におけるシステム設定キー31hが押下されることで、タッチパネル32にシステム設定画面として表示される。GUI画像40では、管理者パスワードキー41及び終了キー42もユーザ選択可能に表示している。管理者パスワードキー41を選択し、その後のパスワード入力画面で正しいパスワード入力することで、設定欄43の各キーが選択可能になる。以降、この正しいパスワードは入力済みであるとして説明する。また、終了キー42を選択することで、システム設定画面から元々表示していた画面に戻る。
GUI画像40の設定欄43では、宛先登録キー44をはじめ、総使用枚数表示キー等の各種設定キーを、ユーザ(管理者ユーザ。以下同様)選択可能に表示している。宛先登録キー44が選択されると、タッチパネル32には図5で示すGUI画像45が表示される。図5は、図4のシステム設定画面において宛先登録キーが選択されたときに表示されるGUI画像の一例を示す図である。
GUI画像45では、ワンタッチで簡易に送信できるワンタッチ登録を行うための画面に進むためのワンタッチ登録キー46、宛先(送信先)をグループで登録するための画面に進むためのグループ登録キー47、登録内容を修正又は削除するための画面に進むための修正/削除キー48、前画面に戻るためのOKキー49などを、ユーザ選択可能に表示している。
GUI画像45においてワンタッチ登録キー46が選択されると、タッチパネル32には図6で示すGUI画像50が表示される。図6は、図5のGUI画像においてワンタッチ登録キーが選択されたときに表示されるGUI画像の一例を示す図である。
GUI画像50では、E−mail51a、インターネットFAX51b、FAX51cといった宛先の種別をユーザ選択可能に表示している。ここでは、FAX51cが選択された例を挙げている。そして、GUI画像50では、選択された宛先種別の検索番号を入力するための検索番号設定キー52、宛先の名称を入力するための宛先名設定キー53a、宛先を検索するキーとなる検索文字を入力するための検索文字設定キー53b、宛先番号(ここではFAX番号)を入力するための宛先番号設定キー53c等を、ユーザ選択可能に表示している。これらのキーを選択し、各画面においてソフトウェアキーボードを表示させるなどすることで、宛先等の入力設定が可能になる。
そして、GUI画像50には、この宛先(送信先)についてのプレビューの有無等の設定を行う画面を表示させるプレビュー設定キー56が、ユーザ選択可能に表示されている。プレビュー設定キー56が選択されると、図7に示すGUI画像60がタッチパネル32に表示される。
図7は、図6のGUI画像においてプレビュー設定キーが選択されたときに表示されるGUI画像の一例を示す図で、図8は、図7のGUI画像で送信先別にプレビュー設定がなされた結果として生成されるプレビュー設定テーブルの一例を示す図である。
図7に示すGUI画像60では、現在の宛先の名称61を表示すると共に、OKキー62をユーザ選択可能に表示している。また、GUI画像60には、強制的なプレビュー表示を実行しない設定にするためのプレビュー無選択欄63、実行する設定にするためのプレビュー有選択欄、どのようなプレビュー表示で確認した場合に送信許可を与えるかを設定するための送信許可条件設定欄が、ユーザ選択可能に表示されている。
OKキー62を管理者ユーザが選択することで、各欄の選択によるプレビュー設定を登録し、現在の宛先(名称61、又はそれに相当する宛先)に関連付けて、制御用メモリ19内のプレビュー設定テーブル19aに記録することができる。
プレビュー有り選択欄としては、縮小して全体表示する設定にするための縮小全体表示欄64a、全体表示したものを2倍に拡大表示する設定にするための2倍拡大表示欄64b、全体表示したものを4倍に拡大表示する設定にするための4倍拡大表示欄64c、及び、全体表示したものを元に戻したような拡大表示(つまり送信対象画像データのままの表示)を行う設定にするための等倍拡大表示欄64dを、ユーザ選択可能に表示している。
管理者ユーザが、欄(チェックボックス)64a〜64dのいずれか1つを選択してチェックを入れ、OKキー62を選択することで、その宛先の表示倍率値が選択された側の欄の設定になるようにプレビュー設定テーブル19a(設定情報)に登録される。図8には、GUI画像60での設定に従い、宛先が「本社」についてプレビューが「縮小全体表示」であるように、プレビュー設定テーブル19aに登録されている例を挙げている。
このように、強制実行情報が強制的にプレビュー画像を表示させることを示す情報である場合、設定情報は、表示制御部によりプレビュー画像を表示させる際の表示倍率値を含むことが好ましい。これにより、プレビューの表示方法の設定を送信先(宛先)毎に変えることができる。
例えば、拡大表示を望む宛先にその設定を予めしておけば、送信時のプレビューで縮小されて全体表示されたプレビューに対して拡大表示を設定しなくてもよい。実際、送信先(宛先)に応じて間違えてはならないポイント(重要となる確認ポイント)が異なることがあるが、上述した構成により、それにも対応し、誤った送信をより効率良く防止できる。
より具体的な例を挙げると、或る送信先が非常に大切なクライアントであった場合、原稿を送信する前には必ず送信原稿をプレビュー表示にて確認し、且つ確認する際にも縮小表示されたものを拡大表示をしてその内容を最終頁まで全部確認させることができる。これに対し、通常のクライアントであった場合には、縮小表示で全体像だけ確認させ、特に気にせずに送信してもよい送信先である場合には、強制的なプレビュー表示を行わせないようにすることができる。このように、確認が不要な宛先にはプレビュー表示無しで送信でき、また確認が必要でも縮小でも問題ない宛先には縮小表示をし、重要な宛先には拡大表示をすることで、操作上の間違いを効率良く減らすことができる。
また、GUI画像60の送信許可条件設定欄としては、「最終頁まで(全頁)確認後、送信許可」する設定にするための最終頁確認欄65a、「等倍拡大して最終頁まで(全頁)確認後、送信許可」する設定にするための等倍確認欄65bを、ユーザ選択可能に表示している。
管理者ユーザが、欄(チェックボックス)65a,65bのいずれか1つを選択してチェックを入れてOKキー62を選択することで、その宛先の許可情報が選択された側の欄の設定になるようにプレビュー設定テーブル19a(設定情報)に登録される。一方で、管理者ユーザが欄65a,65bのいずれにもチェックを入れずOKキー62を選択することで、その宛先の許可情報が送信許可のための条件が無しの設定になるように、プレビュー設定テーブル19aに登録される。図8には、GUI画像60での設定に従い、宛先が「本社」について許可情報(送信許可条件)が「最終頁まで確認」であるようにプレビュー設定テーブル19aに登録されている例を挙げている。
なお、欄65a,65bは、基本的に欄64a〜64dのいずれかが選択されたとき(つまり、強制的にプレビュー表示させる場合)に選択可能になるようにしておけばよい。若しくは、欄64a〜64dの選択とは独立して欄65a,65bを選択可能にしておき、欄64a〜64dのいずれかが選択されない状態の場合には自動的に或る倍率の強制的なプレビュー表示が選択されたと取り扱ってもよい。
このように、制御用メモリ19で例示した設定記憶部は、送信対象の画像データの全ての頁に対するプレビュー画像を表示させてはじめてその画像データの送信を許可するか、プレビュー画像の表示とは無関係にその画像データの送信を許可するかを示す許可情報を、上記設定情報の一部として記憶しておくことが好ましい。許可情報は、強制実行情報と関連付けて記憶しておくなどすればよい。
そして、ユーザ(送信実行者)の操作時には、パネル制御部11が、許可情報が「送信対象の画像データの全頁に対するプレビュー画像を表示させてはじめてその画像データの送信を許可する」ことを示す情報である場合、全ての頁に対するプレビュー画像が表示されてはじめて、送信開始キーをユーザ選択可能にタッチパネル32に表示させる。このような設定を設けておくことで、全頁を確認してからでないと送信できなくなるため、操作上の間違いを減らすことができる。
ここで、全頁表示させるプレビュー画像は、強制実行情報に従って強制的に表示させたものに限ったものではなく、ユーザ(送信実行者)が例えばプレビュー確認するような操作を行って表示させたものであってもよい。また、図5のGUI画像45において、グループ登録キー47が選択された場合にも、図6及び図7での説明と同様に、送信先グループ別にプレビュー設定が可能となる。図8には、グループKについての登録例も挙げている。
図6を再度参照し、引き続きGUI画像50の説明を行う。GUI画像50には、終了キー55、追加登録キー54もユーザ選択可能に表示されている。終了キー55は、現在の宛先の登録内容で、制御用メモリ19内のアドレス帳テーブル19bに対して登録(記録)を実行し、このGUI画像50を閉じて前画面に戻るためのキーである。プレビュー設定テーブル19aについては、終了キー55が選択された段階で、正式に登録するかアドレス帳テーブル19bへの関連付けを行えばよい。追加登録キー54は、別の送信先の入力を行うGUI画像(GUI画像50と同様の画像)に進むためのキーである。また、GUI画像50には、その宛先の登録内容(上記設定情報も含む)を全て破棄して前画面に戻るためのキャンセルキー(図示せず)もユーザ選択可能に表示しておくとよい。
また、GUI画像50におけるプレビュー設定キー56の空欄は、プレビュー無しの設定になっている場合にはそのままチェック無し、プレビュー有りの場合にはチェックが表示されるようにしておけば管理者にとって分かり易い。また、プレビュー設定キー56をその宛先について一度も選択していない状態では、プレビュー無しをデフォルトとしてもよいが、安全性を鑑みるとデフォルトはプレビュー有り(より好ましくは送信許可条件も選択)であることが好ましい。
なお、GUI画像50において、宛先等の入力前に、プレビュー設定キー56を選択し、GUI画像60で設定し、その後、GUI画像50において宛先等を入力し、宛先等とプレビューの設定情報とを各テーブルに登録するようにしてもよい。
次に、上述のようなシステム設定がなされた状態のデジタル複合機1を、ユーザ(送信実行者)が実際に使用する場合の処理について、図9〜図13を参照して説明する。主に、イメージ送信機能を用いる場合を挙げて説明するが、ファイリング機能でも同様である。図9は、図2及び図3で説明したデジタル複合機のイメージ送信モード時の標準画面の一例を示す図である。
GUI画像80では、デジタル複合機1の動作モードを選択するために、コピーモード選択キー81a、イメージ送信モード選択キー81b、ドキュメントファイリングモード選択キー81cが表示されており、GUI画像80ではイメージ送信モードが選択されている状態を示す。
イメージ送信モードでは、イメージ送信を行うための各種の条件設定が可能となっている。GUI画像80では、スキャナ機能、インターネットFAX機能、ファックス機能82、USBメモリスキャン機能、リモートPCスキャン機能の中から、ユーザが望む機能がユーザ選択可能になっており、ここではファックス機能82が選択された例を挙げている。
ファックス機能82が選択されているとき、GUI画像80には、アドレス帳キー83a、直接送信キー83b、サブアドレス入力キー83c、原稿設定キー84a、濃度設定キー84b、画質設定キー84c、特別機能キー84d等が、ユーザ選択可能に表示されている。また、GUI画像80では、オンフックで送信するためのオンフックキー85a、再送信するための再送信キー85bも、ユーザ選択可能に表示している。
アドレス帳キー83aは、送信先を選択するための画面を表示させるキーである。アドレス帳キー83aの選択によって表示される画面については、特に図示しないが、例えば宛先名の一覧が宛先(宛先グループの場合もある)毎にユーザ選択可能になっていればよい。直接送信キー83bは、直接送信先を入力して送信するための画面を表示させるキーである。サブアドレス入力キー83cはFコード通信のサブアドレスとパスコードを入力する画面を表示させるキーである。
原稿設定キー84aは、読み込む原稿のサイズや送信サイズ、原稿のセット方向などを設定するための画面を表示させるキーである。濃度設定キー84b、画質設定キー84cは、それぞれ原稿読み込み時の濃度、画質を設定するための画面を表示させるキーである。特別機能キー84dは、その他イメージ送信時の詳細設定を行うための画面を表示させるキーである。原稿の読み取りや送信時は、これらにより設定された内容(送信条件)に従った制御がなされる。
アドレス帳キー83aをユーザが選択して宛先を選択し、例えばユーザが原稿をADF又は原稿台にセットし、図3のスタートキー31dを押下したときに、その宛先にその原稿から読取部13で読み取られた画像データが送信できるようになる。但し、本発明では、送信が開始される前に、パネル制御部11が上記設定情報に基づくプレビュー画像の表示制御をタッチパネル32に対して行うことになる。
送信(実際には例えば原稿読み取り)を実行するために図3のスタートキー31dをユーザが押下すると、メイン制御部18が上記設定情報を読み出し、強制的なプレビュー表示が必要か否かを判定する。スタートキー31dの代わりに、GUI画像80のオンフックキー85a/再送信キー85bをユーザが選択してもよい。不要であれば送信が実行される。一方、必要な場合には、図10に示すGUI画像86のようにプレビュー表示がなされる。
図10は、図2及び図3で説明したデジタル複合機におけるFAXデータ送信モード時(イメージ送信モードのファックス機能)のプレビュー表示画面の例を示す図である。図10に示すGUI画像86は、メイン制御部18がプレビュー設定テーブル19aを参照して設定情報(強制実行情報や表示倍率値)を読み出した結果、強制的な縮小全体表示でのプレビュー表示が必要な宛先(例えば上記「本社」)であった場合に表示される。なお、GUI画像86には、「標準プレビュー」での表示がなされていることを示す画像96も表示されている。
GUI画像86では、原稿読み取りされた送信対象の画像データから縮小全体表示の倍率(ここでは標準的な倍率として説明している)でプレビュー画像生成部16aにより生成されたプレビュー画像87が、パネル制御部11の制御により表示されている。プレビュー画像87は縮小した画像データを頁毎に示すものである。そのため、GUI画像86には、プレビュー表示している画像データの頁を変更するために、現頁を示す情報89と共に、頁切換キー88がユーザ選択可能に表示されている。
頁切換キー88には、最初の頁を表示するためのトップ頁移動キー、現頁の前の頁を表示するための前頁移動キー、現頁の次の頁を表示するための次頁移動キー、及び最後の頁を表示するためのラスト頁移動キーが含まれる。プレビュー画像87は、このように頁毎に表示され、ユーザは頁切換キー88を適宜操作することによって、任意の頁のプレビュー画像を表示させることができる。ここで、上記許可情報(送信許可条件)が満たされたか否かを判定するために、現宛先の許可情報がその判定が必要となる許可情報である場合には、頁切換キー88の操作内容はその画像データが送信されるまで(或いは再設定がなされるまで)、制御用メモリ19などに格納しておく。
GUI画像86には、さらに、設定確認キー92、拡大/縮小キー93、表示の回転キー94などがユーザ選択可能に表示されていて、ユーザはこれらを適宜操作することによって、プレビュー画像87の設定を確認したり、プレビュー画像87を拡大/縮小或いは回転させて確認することができる。拡大/縮小キー93の操作内容も、現宛先の許可情報が等倍拡大しているかの判定が必要となる許可情報である場合には、その画像データが送信されるまで(或いは再設定がなされるまで)、制御用メモリ19などに格納しておく。
また、GUI画像86では、送信先を示すヘッダ情報などの付加情報まで反映させた仕上がり状態の表示を行わせるための仕上がり表示キー91も選択可能に表示されている。勿論、仕上がりキー91を設けず、付加情報の画像を常に付加したプレビュー画像としておいてもよい。後述する複数宛先の場合を除き、宛先の確認のためには後者の方が好ましい。
また、GUI画像86では、再設定キー90が選択可能に表示されている。プレビュー画像87を確認することで送信条件を再設定する必要が生じた場合など、ユーザは再設定キー90を操作することにより、送信条件を再設定するためのGUI画像を表示させることができる。そして再設定画面を使用して送信条件を再設定し、再設定した送信条件に基づくプレビュー画像87を表示させることができる。
また、GUI画像86には、送信開始キー95がユーザ選択不可能に(例えばグレイアウトした状態で)表示されている。この例は、送信許可条件が全頁の確認である場合を挙げている。全頁を頁切換キー88の操作で確認した段階ではじめて、この送信開始キー95がユーザ選択可能になる。
一方、メイン制御部18が、プレビュー設定テーブル19aを参照して、設定情報(強制実行情報や表示倍率値)を読み出した結果、標準より大きい倍率(例えば等倍拡大の倍率)での強制的なプレビュー表示が必要な宛先である場合には、プレビュー画像生成部16aにプレビュー画像の生成を実行させタッチパネル32に図11で例示するようなGUI画像97を表示させる。
図11は、図2及び図3で説明したデジタル複合機におけるFAXデータ送信モード時のプレビュー表示画面の他の例を示す図である。図11に示すGUI画像97は、等倍拡大倍率での強制的なプレビュー表示が必要な宛先であった場合に表示される。
GUI画像97では、原稿読み取りされた送信対象の画像データから等倍でプレビュー画像生成部16aにより生成されたプレビュー画像98が、パネル制御部11により表示される。GUI画像97には、スクロールバーも表示され、全体の確認もユーザ操作により可能となっている。また、GUI画像97では、画像96が「詳細プレビュー」(等倍プレビュー)での表示がなされていることを示す画像となっている。他の部分は、図12のGUI画像86と同様である。
また、直接送信キー83bで入力された送信先がプレビュー設定テーブル19aに含まれる送信先であった場合にも、テーブル19aに記録されているプレビューの有無等の設定に基づきプレビューを行わせることが好ましい。
次に、デジタル複合機1において、宛先(送信先)別のプレビュー表示及び送信処理を実行するときの流れの一例について、図12を参照しながら説明する。図12は、図2及び図3のデジタル複合機において、宛先別のプレビュー表示及び送信処理を実行する手順の一例を説明するためのフロー図である。
まず、メイン制御部18は、指定された取得先(例えば読取部13や画像記憶部15)から画像データを取得し(ステップS1)、宛名(実際には宛先)をアドレス帳からのユーザ選択又は直接入力により取得する(ステップS2)。なお、ステップS1,S2の前後は問わない。
続いて、メイン制御部18が、プレビュー設定テーブル19aを参照して、ステップS2で取得した宛先のプレビュー有無を抽出する(ステップS3)。そして、メイン制御部18は、強制的なプレビュー表示が必要な宛先か否かを判定する(ステップS4)。
必要な宛先であれば(ステップS4でYESの場合)には、メイン制御部18は、その宛先の表示倍率値及び送信許可条件を抽出して、パネル制御部11に抽出結果に応じたプレビュー表示を行わせる。送信許可条件が無かった場合には送信開始キー95はユーザ選択可能に表示すればよく、送信許可条件が有りの場合にはユーザ選択不可能に表示すればよい。後者の場合、タッチパネル32には、例えばプレビュー画像87を含むGUI画像86が表示される。
ステップS6に続き、メイン制御部18は、ユーザ操作を待ち、頁切換キー88が選択されたか否かを判定する(ステップS7)。ここで頁切換キー88の選択があった場合には、メイン制御部18は、パネル制御部11及びプレビュー画像生成部16aに指示して、その頁のプレビュー画面を生成して表示させる(ステップS8)。図示しないが、同様に拡大/縮小キー93が選択されたか否かにより拡大や縮小を行ったプレビュー画像を再表示すればよい。
ステップS7でNOの場合やステップS8の処理後、メイン制御部18はプレビュー設定テーブル19aを参照して現宛先の送信許可条件を読み出すと共に、頁切換キー88の操作内容や拡大/縮小キー93の操作内容を読み出し、現時点で、送信許可条件を満足するか、若しくは元々送信許可条件が無いか、を判定する(ステップS9)。
ステップS9でNOの場合(いずれにも該当しない場合)、ステップS7へ戻る。なお、ステップS9で送信許可条件を満足しないと判断された場合に、グレイアウトさせた送信開始キー95を選択しようとすると、「全ての頁を(等倍拡大で)確認してください」などと注意を促してもよい。
ステップS9でYESの場合(いずれかに該当する場合)、メイン制御部18は、再設定キー90の選択があったか否かを判定し(ステップS10)、あった場合(YESの場合)には、ステップS11〜13の処理後、ステップS7へ戻る。ステップS11では、メイン制御部18が、パネル制御部11を制御して再設定画面を表示させ、ユーザからの再設定操作を待つ。ステップS12では、その操作に基づき再設定を実行する。ステップS13では、メイン制御部18が、プレビュー画像生成部16aに指示を出し、再設定されたプレビュー画像を再生成させ、パネル制御部11に指示を出し、その再生成されたプレビュー画像を表示させる。
一方、ステップS4でNOの場合には、メイン制御部18は、ユーザがプレビュー確認キーをONにしているか否かを判定する(ステップS5)。なお、ここでのプレビューONの設定はあくまでユーザ(送信実行者)が行う設定であり、管理者が行い強制実行情報を含む設定情報として記録されるものとは異なる。このように、タッチパネル32を使用して、例えば図9のGUI画像80などに表示しておいたプレビュー確認キー(図示せず)を操作することによって、プレビュー表示をON設定にすることを可能にしておいてもよい。
ステップS5でYESの場合には、ステップS6へ進む。ユーザ操作によりプレビュー表示がなされる場合にも、このように宛先の上記設定情報に応じた表示制御を行うことで、誤った送信の管理が行き届く。代わりに、ユーザがプレビュー確認キーをONにしている場合には、ステップS3を経ない通常のプレビュー表示を行い(勿論、頁切換や拡大/縮小、再設定などは受け付ける)、ONしていない場合のみ、図12のステップS5を除いた処理を実行するようにしてもよい。
ステップS10でYESの場合やステップS5でNOの場合、ステップS14へ進み、メイン制御部18は送信開始キー95が選択されたか否かを判定し(ステップS14)、指示された場合には、送信実行をNCU23及びモデム24(FAXの例)に指示する(ステップS15)。なお、送信開始キー95が選択されるまで待機しておけばよい。
次に、図13を参照し、付加情報のプレビュー表示について説明する。図13は、図2及び図3で説明したデジタル複合機におけるFAXデータ送信モード時のプレビュー表示画面の例を示す図である。
図13で示すGUI画像102は、プレビュー画像98のヘッダ部分に付加情報の一種であるヘッダ情報103が付加されている。ヘッダ情報103は、例えば宛先や送信元や送信日時などが該当し、ユーザが送信設定において付加して送信すると設定した場合に表示される。このように、FAXデータ送信モードなど、外部にデータを送信するモードの場合には、ヘッダ情報103のような付加情報を付加することが多く、この付加情報が誤っていないかを確認してから送信する必要性が高い。従って、ヘッダだけプレビューの確認ができれば良い宛先には、等倍拡大でヘッダ側を表示させるようにしておくとよい。このように表示倍率値だけでなく表示位置も設定情報として記憶しておいてもよい。
以上の説明では、上記設定情報に対して送信時の宛先が1つである場合(1つのグループである場合も含む)を前提としたが、ユーザ(送信実行者)は、2つ以上の宛先に同じ画像データを送信することもある。このような場合について、本発明の他の実施形態として説明する。
この実施形態における表示制御部は、送信対象の画像データの宛先が複数存在し、これら複数の宛先のうち1つでも強制実行情報が強制的なプレビュー表示を実行させることを示す情報である場合には、設定情報に基づいた表示制御として、強制的にプレビュー表示させる。なお、宛先が複数存在するとは、上記設定情報と対応する宛先が複数存在することを意味する。例えば、設定情報aが対応付けられた宛先A、設定情報bが対応付けられた宛先グループBの双方に対して同じ画像データを送信する場合、上記「宛先が複数存在する」に該当する。
また、表示倍率値が宛先の1つでも設定されている場合について説明する。表示制御部は、送信対象の画像データの宛先が複数存在した場合で、且つこれらの複数の宛先のうち1つでも設定情報が表示倍率値を含む宛先である場合、設定情報に基づいた表示制御として、それら複数の宛先に対する表示倍率値のうち最も大きな表示倍率値で、強制的にプレビュー表示させる。これにより、宛先の中で一番見易い設定を採用してプレビュー確認を行わせることができる。同様に、送信許可条件が宛先の1つでも設定されている場合には、等倍拡大で最終頁まで確認後でないと送信開始できないようにするか、「等倍拡大」の条件がどの宛先にもない場合には最終頁まで確認後でないと送信開始できないようにすればよい。
また、宛先が複数存在する場合には、図13のGUI画像102におけるヘッダ情報103のような付加情報が表示しきれないこともある。付加情報に宛先が含まれる場合である。従って、宛先が複数存在する場合には、付加情報の画像をプレビュー表示させないようにしてもよいし、付加情報に宛先が含まれる場合のみ付加情報の画像(又は宛先の部分の画像のみ)をプレビュー表示させないようにしてもよい。
以上、デジタル複合機1を挙げて、本発明に係る画像送信装置について説明したが、その処理の流れを説明したように、本発明は、画像送信装置(上述のデジタル複合機1で例示)におけるプレビュー表示方法としての形態も採り得る。このデジタル複合機1は、上述したように、送信対象の画像データのプレビュー画像を表示させる表示制御部を備えるものとする。
そして、本発明に係るこのプレビュー表示方法は、設定記憶部が、表示制御部によるプレビュー表示に関する設定情報を、送信先毎に記憶するステップと、表示制御部が、設定記憶部に記憶された設定情報に基づいた表示制御を行う表示制御ステップと、を含む。この設定情報は、(A)表示制御部により送信対象の画像データの全ての頁に対するプレビュー画像を表示させてはじめて画像データの送信を許可するか、(B)プレビュー画像の表示とは無関係に画像データの送信を許可するかを示す許可情報を含む。上記表示制御ステップは、許可情報が、上記(A)を示す情報である場合、全ての頁に対する前記プレビュー画像が表示されてはじめて、送信開始キーをユーザ選択可能に表示させる。なお、このプレビュー表示方法の応用例については、デジタル複合機1でのプレビュー表示処理として説明した通りであり、その説明は省略する。