従来から、バルブの各端部にそれぞれ固着された口金の端面からそれぞれバルブの長手方向に一対ずつ突出してなる給電用のランプピンを有したランプ(たとえば直管形蛍光ランプ)を、照明器具の器具本体に取付可能とするランプソケットが多々提供されている(例えば、特許文献1参照)。
この種のランプソケットとして、器具本体に固定されるソケットケース内に、ランプピンに接触することで電気的に接続される接触子と、ソケットケースに対して回転自在に支持された回転子とを備えたものがある。ソケットケースにおいて口金との対向面に隣接する外周面には、一対のランプピンが通過するケース側スリットが形成されており、回転子における口金との対向面には、ケース側スリットから導入された一対のランプピンが挿入される回転子側スリットが形成されている。ここで、回転子側スリットをケース側スリットに連通させた状態では、接触子は回転子側スリットの幅方向の両側にそれぞれ配置されている。
このランプソケットでは、回転子側スリットをケース側スリットに連通させた状態で一対のランプピンを回転子側スリットに挿入し、ランプピンの突出方向に沿う口金の中心軸を中心としてランプを回転させることにより、各ランプピンが各接触子にそれぞれ接触するとともに回転子側スリットから抜け止めされ、ランプの装着が完了する。また、装着時と逆向きにランプを回転させ、ケース側スリットを通してランプピンを回転子側スリットから抜くことにより、ランプを取外すことができる。
ところで、従来の一般的なランプソケットは、上記のようにランプの着脱時に口金の中心軸を中心としてランプを回転させるものであり、直管形蛍光ランプのように両口金の中心軸が同一直線上にあることが前提となっていた。すなわち、両口金の中心軸が同一直線上にないランプでは、ランプを回転させることができないので取り付けることはできなかった。
そこで、本発明者は、特願2007−17071において、ランプ自体を回転させることなくランプの着脱を行うことができるように、図4〜図10に示すようなランプソケット1を提案している。
詳しく説明すると、上記のランプソケット1は、図4に示すように、バルブ2の各端部にそれぞれ固着された口金3の端面からそれぞれバルブ2の長手方向に一対ずつ突出してなる給電用のランプピン4(図10(a)参照)を有したランプ5を、照明器具6の器具本体7に取付可能とするものである。ここでは、直管形のランプ5(ここでは直管形蛍光ランプ)に対応した照明器具6にランプソケット1を適用する例を示す。この照明器具6は、矩形板状の器具本体7を備え、器具本体7の一表面側における長手方向の各端部にそれぞれランプソケット1が配設されている。
また、ランプソケット1は、図5および図6に示すように、ランプ5の各口金3から突出する一対のランプピン4に一対一に対応して一対(2個)設けられそれぞれ対応するランプピン4に接触導通するランプ側接触部8を有した導電板12と、各導電板12をそれぞれ収納・保持したソケット本体9と、器具本体7に対してソケット本体9を支持する支持体10とを備える。以下の説明では、上下方向は図5を基準とし、図5の左下−右上方向を前後方向と呼び、図5の左上−右下方向を左右方向と呼ぶ。ただし、これらの方向はランプソケット1の取付時の向きとは無関係である。
各導電板12は、それぞれ、例えば金属板に打ち抜き加工と曲げ加工とが施されてなり、上述のランプ側接触部8と、ランプ5への給電用の電線14が電気的且つ機械的に接続される端子部15と、ランプ側接触部8および端子部15を連続一体に連結する連結部16とを有する。内ボディ11の後壁にはそれぞれ電線14が挿通される引出穴17が左右に並べて一対、前後に貫設されており、各引出穴17を通してソケット本体9内に導入された電線14の心線14aが端子部15に接続される。
端子部15は、前端が連結部16に連続し厚さ方向を上下方向に向けて電線14の挿入方向に沿って配置された接続片15aと、接続片15aの後端から電線14の挿入方向に直交するように厚さ方向を前後方向に向けて立設された立設片15bと、立設片15bの先端から接続片15aに向けて延設され接続片15aに向かって立設片15bから離れる方向に傾斜した鎖錠片15cとを有する。端子部15が弾性変形していない状態では、鎖錠片15cの先端と接続片15aとの間の隙間は電線14の心線14aの直径よりも僅かに小さくなっている。立設片15bには心線挿入穴15dが前後に貫設されており、後方から心線挿入穴15dに挿入された電線14の心線14aは、鎖錠片15cにより接続片15aに押し付けられて導電板15への接触導通を確保されるとともに、鎖錠片15cの先端が食込むことによって抜け止め(鎖錠)される。つまり、端子部15は、いわゆる速結端子を構成している。
ソケット本体9は、前面が開口した有底円筒状の内ボディ11と、後面が開口した有底円筒形状であって内ボディ11との間に一対の導電板12を収納する形で内ボディ11の前側に取着され内ボディ11の前方への導電板12の脱落を阻止する内カバー13とからなる。内ボディ11及び内カバー13はそれぞれ例えば合成樹脂成型品からなる。
一対の導電板12は、連結部16から上方に延出された一対のランプ側接触部8を互いに対向させる形で左右に並べてそれぞれ端子部15を後側として内ボディ11に対して組み付けられる。ここで、連結部16は下方に凸となるコ字形状に形成されており、内ボディ11の内周面の下部に設けた導電板固定部18に挿入される形で位置決めされる。ランプ側接触部8の上端部には、左右方向のうち他方の導電板12から離れる向きに折り返された引掛部8aが設けられており、この引掛部8aを後述する内カバー13の一部に引掛けることによりソケット本体9内に位置決めされる。また、ランプ側接触部8の長手方向の略中央部には他の部位よりもランプ側接触部8間の隙間を大きくするように互いに離れる向きの凸形状に曲がったピン保持部8bが形成されている。一対のランプピン4は、それぞれピン保持部8bの内面においてランプ側接触部8に接触導通する。
内ボディ11は、ランプ側接触部8および連結部16を収納する円筒形状の太筒部19と、外径及び内径が太筒部19よりも小さい有底円筒形状であって端子部15を収納する細筒部20とが、太筒部19を前方、細筒部20を後方とするように互いの中心軸を揃えて前後方向に連結された形状となっている。太筒部19の上部には、内カバー13に形成された後述のピン挿通穴21に連通するピン導入口22が前方に開放される形で形成されている。また、内ボディ11は、太筒部19の外周面のうちピン導入口22に対して前方から見て反時計回り側(図5における左側)から太筒部19の半径方向外向きに突出する操作レバー23を有している。この操作レバー23の機能については後述する。
内カバー13は、略円形状のピン挿通穴21が中央部において前後に貫設された円環形状の前壁47と、前壁47の周部から後方に立設された内周壁24とを有する。また、内周壁24の上部には開口部28が形成されており、この開口部28の周縁に上述したランプ側接触部8の引掛部8aが引掛けられる。内カバー13の前壁47には内周壁24の開口部28に連通してピン挿通穴21を上方に開放する切欠25が設けられており、この切欠25と開口部28とを通してピン挿通穴21は内ボディ11のピン導入口22に連通する。ピン挿通穴21の直径は口金3から突出する一対のランプピン4のピッチと直径との和(つまり、一対のランプピンの全体としての長手方向の寸法)よりも大きく設定されており、一対のランプピン4がピン挿通穴21に挿入された状態で内カバー13を口金3に対して相対的に回動可能としてある。内カバー13は、内周壁24を内ボディ11の太筒部19内に挿入する形で内ボディ11に組み合わされ、太筒部19の内周面に突設された係合爪26を、内周壁24に貫設した係合穴27に係合させることにより内ボディ11と結合される。
次に、支持体10について説明する。支持体10は、前面が開口した有底円筒形状の外ボディ29と、外ボディ29との間にソケット本体9を収納する形で外ボディ29の前側に取着される外カバー30とを有する。外ボディ29及び外カバー30はそれぞれ例えば合成樹脂成型品からなる。
外ボディ29は、ソケット本体9の太筒部19を収納する円筒形状の摺動部31と、摺動部31の後端から後方へ突設され後方に向かって外径を小さくするように外面が傾斜した円環形状であってソケット本体9の細筒部20が挿通される挿通部32とを有する。摺動部31の内径はソケット本体9の太筒部19の外径よりも僅かに大きくされており、挿通部32の後壁に貫設された露出穴33の内径はソケット本体9の太筒部19の外径よりも小さく且つ細筒部20の外径よりも僅かに大きく設定されている。また、挿通部32の前後の寸法は、ソケット本体9の細筒部20の前後の寸法よりも小さくされている。これにより、ソケット本体9を外ボディ29に組み合わせると、ソケット本体9の細筒部20の後部を露出穴33を通して後方に突出させる形で、太筒部19が摺動部31に嵌合することになる。ここで摺動部31には、ソケット本体9の操作レバー23が挿通される操作窓34が開口している。操作窓34は、摺動部31の周方向に操作レバー23を移動させることが可能な大きさに形成されている。
外カバー30は、中央部から上方へ延長されて前後両側と上方とにそれぞれ開放された案内スリット35が形成された円板形状であって口金3に対向する面である前面を構成する前壁48と、前壁48の周部から後方に立設された外周壁36とを有する。案内スリット35は、一対のランプピン4が挿入されるように、短手方向(左右方向)の寸法が各ランプピン4の直径よりも僅かに大きく設定され、長手方向(上下方向)の寸法が一対のランプピン4のピッチと直径との和よりも大きく設定されている。外カバー30は、外ボディ29の摺動部31を外周壁36で囲む形で外ボディ29に組み合わされ、外ボディ29の外周面に突設された組立爪37を、外周壁36に貫設した組立穴38に係合させることにより外ボディ29と結合される。外周壁36は、外ボディ29と外カバー30とを結合した状態で外ボディ29の操作窓34に対応する部位に開口する開放部39を有しており、この開放部39は案内スリット35に連通する。なお、外周壁36の周方向における開放部39の寸法は、上述した外ボディ29の操作窓34よりも大きく設定されている。
さらに、外カバー30の前壁48の後面における略中央部には後方に突出する軸凸部40が設けられており、外ボディ29と外カバー30との間にソケット本体9を収納した状態では、この軸凸部40がソケット本体9のピン挿通穴21を通してソケット本体9に挿入されることとなる。ここに軸凸部40は、ソケット本体9内において一対のランプ側接触部8の間に挟持される。なお、案内スリット35は軸凸部40にも形成され、軸凸部40における案内スリット35の深さ寸法は口金3からのランプピン4の突出寸法よりも大きく設定される。
そして、支持体10内にソケット本体9を収納して成るランプソケット1は、図4に示すように外ボディ29の下部に設けられて支持体10の下方に突出する固定部41が例えばねじ止めされることにより器具本体7に固定される。ここで、各ランプソケット1は案内スリット35が形成された支持体10の前面を互いに対向させるように配置され、ランプ5は一対のランプソケット1の間において、各口金3の端面をそれぞれ支持体10の前面に対向させる形で取り付けられる。
次に、上記のランプソケット1の動作について説明する。
上述した構成により、ソケット本体9は支持体10によって軸凸部40の中心線を中心として回動自在に支持される。その回動範囲は支持体10の外ボディ29に設けた操作窓34の大きさによって規制される。つまり、ソケット本体9に設けた操作レバー23は操作窓34に挿通されているから、支持体10における操作窓34の開口周縁が操作レバー23に当接することで支持体10に対するソケット本体9の回動範囲を規制する規制手段として機能し、ソケット本体9の回動方向における操作窓34の寸法によってソケット本体9の回動範囲が決定する。
上記の例では、ソケット本体9の回動範囲は、図7(a)に示すようにピン導入口22を上方に向ける位置(以下、「開位置」という)と、開位置からソケット本体9を図7(a)の時計回りに90度回動させた図7(b)に示す位置(以下、「閉位置」という)との間に規制されている。なお、図7では操作レバー23の移動範囲、つまりソケット本体9の回動範囲をθ1で示している。
ソケット本体9が図7(a)の開位置にある状態では、ソケット本体9のピン導入口22は支持体10の操作窓34を通じて上方に開放されている。すなわち、この状態ではピン挿通穴21に対して一対のランプピン4をそれぞれ支持体10のピン導入口としての操作窓34およびソケット本体9のピン導入口22を通して挿抜自在であって、案内スリット35に沿ってランプ5の着脱が可能である。従って、この状態でランプ5がランプピン4を支持体10の案内スリット35に挿入した正規の取付位置(以下、「定位置」という)にある場合には、このランプ5を定位置から上方へ移動させることができる。ここにおいて、ピン挿通穴21に挿通された一対のランプピン4は、案内スリット35の長手方向に並ぶ形になる。また、支持体10のピン挿通穴としての案内スリット35は、短手方向の寸法がランプピン4よりも僅かに大きい程度となっているので、案内スリット35の内面により、ピン導入口としての操作窓34からのランプピン4の導入方向(下方向)と案内スリット35の短手方向の両側(左右方向)とのそれぞれについてランプピン4は支持体10に対して位置決めされる。
また、図8はソケット本体9の内部の様子を示すものであって、ソケット本体9が開位置にある状態では図8(a)に示すように、一対のランプ側接触部8は案内スリット35の幅方向に対向している。そのため、ピン挿通穴21に挿入された一対のランプピン4は、ソケット本体9内で一対のランプ側接触部8の間に配置されることになるものの、各ランプピン4とランプ側接触部8とは非接触状態にあり、電気的に接続されてはいない。
一方、ソケット本体9は、図8(a)の開位置から図8(b)に示すように前方から見て時計回りの矢印A方向に回動させられることで、図8(c)に示す閉位置まで移動する。
ソケット本体9が閉位置にある状態では、図7(b)に示すようにソケット本体9のピン導入口22は操作窓34に連通することなく操作窓34の右側に隠れ、つまり操作窓34がソケット本体9によって閉塞されている。すなわち、この状態ではピン挿通穴21に対して一対のランプピン4を操作窓34およびピン導入口22を通して挿抜することはできず、案内スリット35に沿ってランプ5を着脱することはできない。従って、この状態でランプ5がランプピン4を支持体10の案内スリット35に挿入した定位置にある場合には、このランプ5を定位置から移動させることはできない。
また、ソケット本体9が閉位置にある状態では図8(c)に示すように、ソケット本体9の内部において一対のランプ側接触部8は案内スリット35の長手方向である上下方向に対向している。そのため、ピン挿通穴21に挿入された一対のランプピン4は、ソケット本体9内で一対のランプ側接触部8の間に配置されるとともに、それぞれ対応する導電板12のランプ側接触部8と接触導通する。このとき、ランプ側接触部8は、案内スリット35の後側において一対のピン保持部8bが互いに対向する形となり、従って、一対のランプピン4はランプピン4が並ぶ方向である上下方向において一対のピン保持部8bの間に挟持されることとなる。各導電板12はそれぞれ弾性を有する金属板からなり、且つ、弾性変形していない状態におけるピン保持部8bの間隔はランプピン4のピッチと直径との和よりも小さくしてあるので、導電板12の弾性によってランプピン4とランプ側接触部8との間の接圧が確保される。
要するに、このランプソケット1を用いれば、ランプ5が器具本体7に対して定位置にある状態で、ソケット本体9を閉位置に回動移動させるとランプ5を装着することができ、ソケット本体9を開位置に回動移動させるとランプ5を取り外すことができる。ここで、ランプ5においては、ランプピン4が支持体10の案内スリット35に挿通されているからソケット本体9と共に回動することはなく、器具本体7に対して定位置に位置決めされたままで着脱されることになる。
結果的に、図4の照明器具6に対してランプ5を着脱する場合、ソケット本体9を矢印Aのように移動(回動)させることによりランプ5自身を移動させることなくランプ5の着脱が可能であるから、ランプ5を回動させる必要はなく、ランプ5を握持して回動させるためのスペースがランプ5の周囲に確保されていない場合でも、ランプ5の着脱作業を容易に行うことができる。また、ランプ5自身を移動させることによりランプ5を着脱する従来構成では、ランプ5が大型になるとランプ5の取り扱いが困難になりランプ5着脱の作業性が悪くなるが、上記のランプソケット1では、ランプ5の大きさにかかわらずソケット本体9を移動させるだけでランプ5の着脱を容易に行うことができる。
ところで、外カバー30の前壁48の後面における軸突起40の左右両側にはそれぞれ円錐台形状の凸部42が後方へ突設されている。また、各凸部42は、それぞれ左右方向の内側の端以外がU字形状のスリットを介して他の部位から分離され左右方向の外側の端部を前後に変位させるように弾性変形可能なばね部44の左右方向の外側の端部の後面に設けられており、それぞれ外カバー30の前壁48の他の部位の後面よりも後方へ弾性的に突出している。さらに、ソケット本体9において開位置で各凸部42に対応した2箇所と閉位置で左側の凸部42に対応した1箇所との計3箇所には、それぞれ凸部42が嵌る凹部43が設けられている。従って、開位置又は閉位置にあるソケット本体9を回動させるとばね部44が撓んで凸部42が凹部43から後退し、ソケット本体9が閉位置又は閉位置まで回動させられると凸部42が凹部43に嵌ることとなり、ソケット本体9の回動時にクリック感が得られる。なお、閉位置では右側の凸部42は内カバー13の切欠25に嵌る。つまり、内カバー13の切欠25は凹部43と同様の機能も果たす。また、ソケット本体9が開位置又は閉位置にあるときには、各凸部42がそれぞれ凹部43又は切欠25に嵌ることにより、ソケット本体9の回動を抑制する保持力が生じる。
また、ソケット本体9の後壁に設けた引出穴17はソケット本体9の回動軸方向(つまりランプピン4の突出方向)に沿って貫設されており、引出穴17から引き出される電線14はソケット本体9の回動軸に沿って引き出されることになる。従って、図9(a)に示す開位置と図9(b)に示す閉位置との間でソケット本体9が矢印Aのように回動する際の、ソケット本体9から引き出された電線14が通過する領域C1を、比較的狭く抑えることができる。つまり、ソケット本体9を回動させる際に電線14の周囲に余分なスペースを確保する必要がない。
さらにまた、操作レバー23のピン導入口22側の(つまり前方から見て時計回り方向の)端面はピン導入口22の内周面と連続しており、ピン挿通穴21に対してピン導入口22を通してランプピン4を挿抜する際に操作レバー23の端面に対してランプピン4を摺動させるようにすれば、ランプピン4の移動が操作レバー23によってガイドされるので、ピン挿通穴21に対するランプピン4の挿抜が容易になる。
また、図4に示すランプソケット1は、ソケット本体9が開位置にありソケット本体9がランプ5を保持していない状態であっても、器具本体7に対してランプ5を仮保持することができる仮保持部45を備えている。図4の仮固定部45は、器具本体7の長手方向の中央部においてバルブ2を管径方向から挟む両側にそれぞれ配設されており、バルブ2の長手方向の中央部を挟持する形でランプ5を仮保持する。この仮保持部45は互いに離れる向きに凸となる形に湾曲したランプ保持部45aが中央部に形成され、両ランプ保持部45a間にランプ5を挟持することによりランプ5を仮保持する。一対の仮保持部45の上端部は上方ほど互いに離れる向きに傾斜した押操作部45bを構成しており、これにより、両ランプ保持部45aの間にランプ5が挟持された状態からランプ5を取り外す際に、押操作部45bを押操作して両ランプ保持部45aの間隔を広げることで、ランプ5を容易に取り外すことができる。なお、仮保持部45の下端部は器具本体7に固定されているが、支持体10と一体に仮保持部45が形成されていてもよい。
このように仮保持部45を設けたことにより、ランプ5の着脱の際に、ランプソケット1のソケット本体9が開位置にある状態でも、ランプ5を器具本体7の定位置に位置決めすることができる。その結果、作業者は操作レバー23を操作してソケット本体9を回動させるときにランプ5を手で位置決めしておく必要がなく、ランプ5の着脱作業を容易に行うことができるという利点がある。
また、操作レバー23を操作してソケット本体9を回動させるときにランプ5を手で位置決めしておく必要がないので、作業者においては、ソケット本体9を開位置に移動させることでランプピン4とランプ側接触部8との接続を解除してから、ランプ5を仮保持部45に対して着脱することが可能になる。これにより、ランプ5を仮保持部45に対して着脱する際にも、ランプピン4がランプ側接触部8に接続されている状態のランプ5を作業者が手で持つ必要はなく、ランプ側接触部8への通電が遮断されていなくても、安全にランプ5を着脱することができる。
ところで、上記のランプソケット1を用いれば、上述したように直管形のランプ5に対応した照明器具6だけでなく、図10に示すようにランプピン4の突出方向に沿った口金3の中心軸が同一直線上にないランプ5に対応した照明器具6を構成することもできる。
図10に例示するランプ5は、各口金3からのランプピン4の突出する向きが互いに逆向きであって、一対の口金3が結合片46によって一体に結合されている。ここでは図示を省略しているが、バルブ2は一対の口金3の間において所定の形状に形成される。バルブ2の一例として、両口金3の中間部付近で一端部同士が連結された2本のバルブ2を、それぞれ当該連結部位を中心とする螺旋状に延長し、各端部をそれぞれ口金3に固着する形のものが考えられる。このランプ5に対応する照明器具6は、円盤状の器具本体7を備え、器具本体7の一表面側において各口金3に対応する部位にそれぞれランプソケット1が配設されている。
この種のランプ5においては、口金3の中心軸が同一直線上にないので、従来構成のように口金3の中心軸を中心としてランプ5を回動させることによりランプソケット1にランプ5を着脱することはできないが、上記のランプソケット1を用いればランプ5の着脱が可能となる。すなわち、図10(a)に示すようにソケット本体9が開位置にある状態で、ランプ5を矢印B方向に移動させてピン挿通穴21に対してランプピン4を操作穴34およびピン導入口22を通して挿入し、図10(b)に矢印Aで示すようにソケット本体9を閉位置に回動移動させるだけで、ランプソケット1によるランプ5の保持および電気的接続が完了する。
このように、上記のランプソケット1を用いれば、ランプ5自身を移動させることなくランプ5の着脱が可能であるから、口金3の中心軸が同一直線上にないランプ5でも着脱が可能である。また、ランプ5を回動させないので、バルブ2が螺旋状に形成されたランプ5のように、バルブ2の中心軸と口金3の中心軸とが同一直線上にない場合でも、ランプ5の周囲においてバルブ2の回動時にバルブ2が通過する領域にスペースを設ける必要はなく、器具本体7の小型化につながる。
また、図10に示すランプソケット1では、各支持体10の近傍に仮保持部45がそれぞれ配設されており、仮保持部45はランプ5のうちの口金3に接触することによりランプ5を仮保持するので、細管化や形状の複雑化により高い強度を確保することが困難なガラス製のバルブ2を具備するランプ5であっても、バルブ2に荷重を加えることなくランプ5を仮保持することができる。
なお、上述したランプソケット1の構成は一例に過ぎず、たとえば内ボディ11からの導電板12の抜け止めの機能を外カバー30に付与して内カバー13を省略したり、外カバー30を器具本体7に一体に形成したり、支持体10を案内スリット35の長手方向に分離可能な2部材で構成したりといったように、様々な変更が加えられ得る。
特開2005−294239号公報
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
本実施形態の基本構成は図4〜図10を用いて説明した従来例(以下、単に「従来例」と呼ぶ。)と共通であるので、以下では従来例と異なる部分についてのみ説明し、共通する部分については図示並びに説明を省略する。また、以下の説明で用いる上下左右前後の方向は従来例と同様に定義する。すなわち、ランプソケット1に対して口金3が配置される側を前側と呼び、ソケット本体9が開位置から閉位置に回動する際に操作レバー23が変位する方向を右方向と呼び、案内スリット35へランプピン4が導入される方向を下方向と呼ぶ。
本実施形態では、図2(a)(b)に示すように、軸凸部40が設けられておらず、案内スリット35は、ランプピン4ががたついた場合にも支持体9(外カバー30)が破損しないように、従来例よりも一部を左右方向に広げた形状となっている。また、ソケット本体9を開位置と閉位置とのいずれかに保持するためのばね部44や凸部42も設けられていない。
また、本実施形態の外ボディ29には、図1及び図3に示すように、露出穴33に代えて、軸方向を前後方向へ向けて前面が開口した有底円筒形状であってソケット本体9の細筒部20を収納するレセプタクル部49が設けられている。
さらに、本実施形態では、一対の電線14に代えて同軸ケーブル50を用いている。同軸ケーブル50は一端において中心軸を支持体9に対するソケット本体10の回動軸に一致させて例えばインサート成型によって支持体9の外ボディ29に一体化されており、レセプタクル部49内には同軸ケーブル50の心線51が突出するとともに、レセプタクル部49の内面は、導電材料からなり同軸ケーブル50の編組線(図示せず)に電気的に接続された有底円筒形状の編組線側接触子52で覆われている。同軸ケーブル50の心線51は点灯回路の正極の出力端子に電気的に接続され、同軸ケーブル50の編組線は点灯回路の負極の出力端子に電気的に接続される。
また、ソケット本体9においては、細筒部20が引出穴17を有する有底円筒形状とされる代わりに、細筒部20の後端部に、前側の部位よりも外径が小さく支持体10のレセプタクル部49に嵌合する円柱形状のプラグ部53が設けられている。さらに、各導電板12には端子部15が設けられておらず、一方の導電板12には中心軸を支持体10に対するソケット本体9の回動軸に一致させた円筒形状であって同軸ケーブル50の心線51が差込接続される内側接触部54が設けられ、他方の導電板12には中心軸を支持体10に対するソケット本体9の回動軸に一致させた半円筒形状であってプラグ部53の外周面の一部を覆い外周面が編組線側接触子52に接触導通する外側接触部55が設けられている。上記のような各導電板12は、例えばインサート成型によってソケット本体9に保持されている。なお、内側接触部54や外側接触部55を導電板12に設ける代わりに別の導電部材に設け、内側接触部54や外側接触部55が設けられた導電部材と導電板12とを電線を介して電気的に接続する構成をとってもよい。
ソケット本体9を支持体10に対して回動させたときには、内側接触部54の内周面が同軸ケーブル50の心線51の外周面上を摺動するとともに、外側接触部55の外周面が編組線側接触子52の内周面上を摺動することにより、ソケット本体9に加えられた力を同軸ケーブル50に伝えることなく、同軸ケーブル50と各導電板12との電気的接続が維持される。つまり、内側接触部54が設けられた一方の導電板12と同軸ケーブル50の心線51とが請求項における導電ブロックの一方を構成し、外側接触部55が設けられた他方の導電板12と同軸ケーブル50の編組線及び編組線側接触子52とが請求項における導電ブロックの他方を構成している。また、各導電板12がそれぞれ請求項における可動側導電体を構成しており、同軸ケーブル50の心線51及び編組線と編組線側接触子52とがそれぞれ請求項における固定側導電体を構成している。さらに、同軸ケーブル50の心線51の外周面、編組線側接触子52の内周面、内側接触部54の内周面、並びに、外側接触部55の外周面が、それぞれ請求項における相互接触部である。
上記構成によれば、支持体10に対してソケット本体9が回動しても、固定側導電体を構成する同軸ケーブル50がねじられることがないから、同軸ケーブル50の弾性による復帰力がソケット本体9にかかることもない。これにより、従来例において設けられていたばね部44や凸部42のような、ソケット本体9を開位置と閉位置とのいずれかに保持するための構成が不要となり、またそのような構成を設ける場合であっても保持力を小さくすることができるから、支持体10に対してソケット本体9を回動させる際に必要な操作力の低減が可能となる。
なお、固定側導電体や可動側導電体や相互接触部の形状は上記に限られず、少なくともソケット本体9が閉位置にあるときに固定側導電体と対応する可動側導電体とで相互接触部同士が接触導通すればよい。例えば、相互接触部として、可動側導電体(例えば導電板12の外側接触部55)において後方に向けられた平面を、固定側導電体(例えば編組線側接触子52)において前方に向けられた平面上で摺動させる構成としてもよい。また、同軸ケーブル50を用いる代わりに、従来例の導電板12に設けられていた端子部15のように電線14が接続される構造と相互接触部とをそれぞれ有する2個の固定側導電体を設ければ、従来例と同様の電線14を用いることもできる。
本実施形態のランプソケットは、図4や図10に示した照明器具6に用いることができる。
ここで、従来例で説明したランプソケット1を用いた照明器具6では、ソケット本体9と電線14とが連動していたため、ソケット本体9の回動に伴って電線14が動く範囲を小さくするとともに電線14の弾性による復帰力を小さくするために、電線14を引き出す方向はソケット本体9の回動軸に沿った方向である後方とする必要があった。これに対し、本実施形態のランプソケット1を用いた照明器具では、同軸ケーブル50や電線14はソケット本体9に連動しないから、同軸ケーブル50や電線14を引き出す方向をソケット本体9の回動軸に交差する方向として同軸ケーブル50や電線14を引き回す範囲を小さくすることによる小型化も可能である。