JP5053027B2 - 緊急遮断弁装置 - Google Patents
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そのため、緊急遮断弁の信頼性を確保するためには、弁体が正常に作動するか否かの確認を、設備の稼働を中断して、定期的に点検することが行われているが、設備の稼働中にも点検することが要求されている。
また、緊急時にあっては、左右のピストン08、09における右側方のシリンダ室05b、06bに圧力流体を供給し、左側方のシリンダ室05a、06aの圧力流体を排出させ、左右のピストン08、09を左方の閉弁方向に駆動させることにより、弁体02を全閉状態にして、プラント設備等におけるパイプラインWの緊急遮断が行われるようになっている。
そのため、流体の性質等により、万一、弁体もしくは弁ケースの内部が錆付いたり、腐食するなどしていると、緊急時に流路を遮断することができなくなる恐れがある。
これにより、例えばロータリ車やタンク車、ドラム缶等への定量給油作業時における初期給油段階において、弁体を中間開度にして給油し、弁体の全開状態での急激な給油による静電気の発生を防止し、火災の危険性を回避している。
(1) パイプラインに接続されたバルブ本体内における弁体の弁軸を臨ませたボディ本体の両端部に、第1シリンダと第2シリンダとを、互いに同一直線上に位置するように配設した複動式シリンダからなる緊急遮断弁装置において、通常時には、第1シリンダ内を摺動自在なピストンの一側方のシリンダ室に流体供給源からの圧力流体を供給して、前記ピストンを開弁方向に駆動させることにより、前記ピストンに連結したピストンロッドに連係する前記弁軸を介して、前記弁体を全開状態にするとともに、緊急時には、前記ピストンの他側方のシリンダ室に前記圧力流体を切換え供給して、前記ピストンを閉弁方向に駆動させることにより、前記弁体を全閉状態にする弁体開閉機構と、前記第2シリンダ内に、前記圧力流体の作用により駆動するストッパピストンを設け、前記第1シリンダ内におけるピストンのピストンロッドを、前記ストッパピストンと対峙しうるように、前記第2シリンダ内に臨ませるとともに、前記弁体の全開状態において、前記ストッパピストンの一側方のシリンダ室に前記圧力流体を供給して、前記ストッパピストンをピストンロッド側に駆動させることにより、前記ピストンロッドとストッパピストンとの間に間隙が形成されるようにし、かつ、前記弁体の作動確認時に、前記第1シリンダ内のピストンを、前記弁体の全開状態の位置から閉弁方向に駆動させたとき、前記ピストンロッドをストッパピストンに当接させて、前記弁体を、予め定めた所望の中間開度に維持しうる弁体作動確認機構とによって構成する。
請求項1記載の発明によれば、ボディ本体の両端部に、第1シリンダと第2シリンダとを、互いに同一直線上に位置するように配設した複動式シリンダを用い、弁体の開閉動作を速やかに行うことができる。
また、弁体開閉機構における第1シリンダ内のピストンに連結したピストンロッドを、弁体作動確認機構における第2シリンダ内のストッパピストンと対峙しうるように、第2シリンダ内に臨ませ、弁体の全開状態において、ピストンロッドとストッパピストンとの間に間隙が形成されるようにし、かつ弁体の作動確認時に、第1シリンダのピストンを、弁体の全開状態の位置から閉弁方向に駆動させたとき、ピストンロッドをストッパピストンに当接させて、弁体を、予め定めた所望の中間開度に維持しうるようにしてあるため、弁体は、予め定めた一定の開度以上に閉弁されることはなく、パイプライン等の流路を、設備の稼働に支障を来さない状態で、弁体の作動確認を簡易な構造でもって速やかに行うことができるとともに、故障を少なくすることができる。
さらに、ストッパピストンとピストンロッドコストを代えるだけで、外見が従来型と同様の複動式シリンダを用いることができるため、コストの低減化を図ることができるとともに、弁体の作動確認を安価に行うことができる。
図1は、本発明の緊急遮断弁装置における第1実施形態のシリンダ系を縦断して示す弁体全閉状態の正面図、図2は、同じく、シリンダ系を横断して示す弁体全閉状態の平面図、図3は、同じく、シリンダ系を横断して示す弁体全開状態の平面図、図4は、弁体の全開状態におけるシリンダ制御系の概略図、図5は、同じく、弁体の全閉状態におけるシリンダ制御系の概略図、図6は、同じく、弁体の作動確認時におけるシリンダ制御系の概略図である。
これにより、バルブ本体1における弁体2の開度調整を簡単に行うことができる。
このとき、弁体作動確認機構13は、第2シリンダ7内におけるストッパピストン12の右側方のシリンダ室7bに、ポートP4を介して、圧力空気を供給し、ストッパピストン12における左側方のシリンダ室7aの圧力空気を、ポートP3を介して排出して、ストッパピストン12を左方に駆動させることにより、バルブ本体1における弁体2の全閉状態において、ピストンロッド9から離間した位置に停止させるようにしてある。
このとき、第2空気作動切換弁19は、第1電磁切換弁15の非通電状態によって、第2シリンダ7におけるストッパピストン12の右側方のシリンダ室7bに、流体供給源17からの圧力空気を、フィルタレギュレータ18を通して供給するとともに、ストッパピストン12における左側方のシリンダ室7aの圧力空気を排出して、ストッパピストン12を左方に駆動させることにより、バルブ本体1における弁体2の全閉状態において、ピストンロッド9から離間した位置に停止させるように切換えられている。
このリミットスイッチ21は、弁軸3の回動動作、すなわち弁体2の開閉動作を検知して、ロジックコントローラ20にフィードバックし、後記するバルブ本体1における弁体2の作動確認が遠隔操作の下に行われるようになっている。
また、弁体作動確認後、このフィードバック信号により、第2電磁切換弁16の通電状態が解除され、通常時における弁体2の全開状態に戻される。
このとき、ピストン8に連結されたピストンロッド9が、ストッパピストン12に当接され、両者間の間隙aに応じて、揺動アーム10の時計回り方向の回動が規制されることによって、バルブ本体1の弁体2が、100%の全開状態から、例えば15〜30%程度閉弁しうるように作動し、予め定めた所望の中間開度に維持される。
この場合、ピストンロッド9には、弁軸3を回動させる揺動アーム10が連係されており、その負荷が、同圧の流体圧の下で、ピストン8の推力をストッパピストン12の推力よりも低下させるため、ストッパピストン12によって、ピストンロッド9を、所望の停止位置に確実に停止させることができる。
これにより、バルブ本体1の弁体2は、予め定めた一定の開度以上に閉弁されることはなく、プラント設備におけるパイプラインWの流路を、設備の稼働に支障を来さない状態で、弁体作動確認が、簡易な構造で速やかに行うことができる。
なお、以下の説明において、前記第1実施形態と構成が重複する部分は、説明を省略する。
これにより、バルブ本体における弁体の作動確認を、緊急遮断弁装置より離れた位置からの遠隔操作と、その設置現場での手動操作との両方で行うことができる。
2 弁体
3 弁軸
4 弁駆動制御機構
5 ボディ本体
6 第1シリンダ
6a シリンダ室
6b シリンダ室
7 第2シリンダ
7a シリンダ室
7b シリンダ室
8 ピストン
9 ピストンロッド
10 揺動アーム
11 弁体開閉機構
12 ストッパピストン
12a 周壁
13 弁体作動確認機構
14 第1空気作動切換弁
15 第1電磁切換弁
16 第2電磁切換弁
17 流体供給源
18 フィルタレギュレータ
19 第2空気作動切換弁
20 ロジックコントローラ
21 リミットスイッチ
22 弁駆動制御機構
23 弁体開閉機構
24 第1電磁切換弁
25 第2電磁切換弁
26 手動切換弁
27 第1空気作動切換弁
01 バルブ本体
02 弁体
03 弁軸
04 ボディ本体
05 シリンダ
05a シリンダ室
05b シリンダ室
06 シリンダ
06a シリンダ室
06b シリンダ室
07 ピストンロッド
08 ピストン
09 ピストン
010 揺動アーム
a 間隙
L ストッパピストンの周壁の長さ
P1〜P4 ポート
W パイプライン
Claims (6)
- パイプラインに接続されたバルブ本体内における弁体の弁軸を臨ませたボディ本体の両端部に、第1シリンダと第2シリンダとを、互いに同一直線上に位置するように配設した複動式シリンダからなる緊急遮断弁装置において、
通常時には、第1シリンダ内を摺動自在なピストンの一側方のシリンダ室に流体供給源からの圧力流体を供給して、前記ピストンを開弁方向に駆動させることにより、前記ピストンに連結したピストンロッドに連係する前記弁軸を介して、前記弁体を全開状態にするとともに、緊急時には、前記ピストンの他側方のシリンダ室に前記圧力流体を切換え供給して、前記ピストンを閉弁方向に駆動させることにより、前記弁体を全閉状態にする弁体開閉機構と、
前記第2シリンダ内に、前記圧力流体の作用により駆動するストッパピストンを設け、前記第1シリンダ内におけるピストンのピストンロッドを、前記ストッパピストンと対峙しうるように、前記第2シリンダ内に臨ませるとともに、前記弁体の全開状態において、前記ストッパピストンの一側方のシリンダ室に前記圧力流体を供給して、前記ストッパピストンをピストンロッド側に駆動させることにより、前記ピストンロッドとストッパピストンとの間に間隙が形成されるようにし、かつ、前記弁体の作動確認時に、前記第1シリンダ内のピストンを、前記弁体の全開状態の位置から閉弁方向に駆動させたとき、前記ピストンロッドをストッパピストンに当接させて、前記弁体を、予め定めた所望の中間開度に維持しうる弁体作動確認機構とによって構成したことを特徴とする緊急遮断弁装置。 - 弁体開閉機構を、第1シリンダ内におけるピストンの一側方のシリンダ室に流体供給源からの圧力流体を供給し、かつ前記ピストンの他側方のシリンダ室の圧力流体を排出することにより、前記ピストンを弁体の開弁方向に駆動させて、弁体を全開状態にする第1流体作動切換弁と、
この第1流体作動切換弁を、緊急遮断時の非通電状態において、前記ピストンの他側方のシリンダ室に圧力流体を供給し、かつ前記ピストンの一側方のシリンダ室の圧力流体を排出することにより、前記ピストンを弁体の閉弁方向に駆動させて、弁体を全閉状態にするように切換える緊急遮断用の第1電磁切換弁と、
この第1電磁切換弁と前記第1流体作動切換弁との間に設けられ、かつ第1電磁切換弁に連動する第1流体作動切換弁を介して、非通電状態にあるとき、弁体の全開状態および全閉状態を許容するとともに、通電状態にあるとき、前記ピストンを弁体の全開状態から閉弁方向に向けて駆動しうるように、第1流体作動切換弁を切換える、弁体作動確認用の第2電磁切換弁とにより構成した請求項1記載の緊急遮断弁装置。 - 弁体作動確認機構を、第1電磁切換弁に連動する第2流体作動切換弁によって構成し、この第2流体作動切換弁を、第2シリンダ内におけるストッパピストンの一側方のシリンダ室に圧力流体を供給し、かつ前記ストッパピストンの他側方のシリンダ室の圧力流体を排出することにより、ストッパピストンを、第1電磁切換弁の通電状態における弁体の全開状態において、前記第1シリンダ内におけるピストンのピストンロッドとの間に間隙が形成されるように、弁体の開度規制位置に停止させ、弁体の作動確認時における第2電磁切換弁の通電状態において、弁体の閉弁方向に駆動するピストンロッドを、ストッパピストンに当接させることにより、弁体を予め定めた所望の中間開度に維持しうるようにするとともに、緊急遮断時における第1電磁切換弁の非通電状態において、前記ストッパピストンの他側方のシリンダ室に圧力流体を供給し、かつ、前記ストッパピストンの一側方のシリンダ室の圧力流体を排出することにより、ストッパピストンを、弁体の全閉状態において、ピストンロッドから離間した位置に停止させるように切換制御した請求項1または2記載の緊急遮断弁装置。
- 弁体開閉機構における第1電磁切換弁と第2電磁切換弁との間に、弁設置現場において弁体作動確認の手動操作を可能にする手動切換弁を設けた請求項1〜3のいずれかに記載の緊急遮断弁装置。
- ストッパピストンを、ピストンロッド側を開放させた有底円筒体に形成するとともに、この円筒体におけるピストンロッド側の周壁の長さによって、ストッパピストンのストローク幅を規制し、ストッパピストンとピストンロッドとの間隙を設定しうるようにした請求項1〜4のいずれかに記載の緊急遮断弁装置。
- 前記ボディ本体に、弁体の中間開度動作を検知する検知手段を設けた請求項1〜5のいずれかに記載の緊急遮断弁装置。
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