JP5051341B2 - コンクリート構造物保護剤、その製造方法及びコンクリート構造物の保護方法 - Google Patents

コンクリート構造物保護剤、その製造方法及びコンクリート構造物の保護方法 Download PDF

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Description

本発明は、コンクリート構造物の劣化を抑制するコンクリート構造物保護剤、その製造方法、及び該保護剤を用いたコンクリート構造物の保護方法に関する。
コンクリート構造物の劣化(例えば塩害による劣化)対策として種々の方法が提案されている。代表的な対策法の一つとして、コンクリート構造物の表面に陽極(anode)を設置し、該構造物中の金属製構造材(典型的には鉄筋)を陰極(cathode)として電流(防食電流)を供給することによって前記金属製構造材の腐食反応を抑制する電気防食法が挙げられる。かかる電気防食法は、外部電源方式と流電陽極方式(犠牲陽極方式ともいう)とに大別される。外部電源方式は、陽極と金属製構造材との間に直流電源装置を接続して強制的に防食電流を供給するものである。一方、流電陽極方式は、前記金属製構造材の構成金属材料よりも標準電極電位の高い金属材料からなる陽極を前記金属製構造材と電気的に接続し、これらの金属材料の電位差を利用して防食電流を供給するものである。この流電陽極方式は、電源を利用しにくい場所でも適用可能である、施工が比較的簡単で維持管理も容易である等の長所を有する。流電陽極方式によるコンクリート構造物の電気防食に関する従来技術文献として下記特許文献1及び2が例示される。
特開平10−245280号公報 特開平6−002174号公報
前記流電陽極方式においてコンクリート構造物の表面に陽極を設置する方法としては、該構造物の表面にシート状の亜鉛板を取り付ける方法、該構造物の表面に亜鉛及びアルミニウムを溶射して亜鉛−アルミニウム溶射被膜を形成する方法等がある。しかし、これらの方法はいずれも既設のコンクリート構造物に対して手軽に適用し得るものとは言い難く、特に入り組んだ箇所への設置(施工)は困難を伴うものとなりがちである。
本発明は、コンクリート構造物に付与されて該構造物を劣化から保護するコンクリート構造物保護剤であって、流電陽極方式による電気防食法における陽極(流電陽極)として利用可能な硬化物を形成するのに適した保護剤の提供を目的とする。本発明の他の目的は、このような保護剤の製造方法を提供することである。更に別の目的は、かかる保護剤を用いたコンクリート構造物の保護方法を提供することである。
本発明は、コンクリート構造物に付与されて該構造物を劣化から保護するコンクリート構造物保護剤を提供するもので、該保護剤は、以下の成分:
(A)前記コンクリート構造物を構成する金属製構造材の主構成金属よりも標準電極電位の低い金属材料のフレーク状粉末、
(B)下記式(2)
(R 1 )Si(OR 2 3 (2)
(式中、R 1 、R 2 は、それぞれメチル基及びエチル基から選択されるいずれかである。)
で表されるシラン化合物の部分加水分解縮合物、及び、
下記式(3)
(R 1 2 Si(OR 2 2 (3)
(式中、R 1 、R 2 は、それぞれメチル基及びエチル基から選択されるいずれかである。)
で表されるシラン化合物
(C)金属アルコキシド
を含有を含有する。この場合、前記(A),(B),(C)成分の合計質量を100質量%として、前記(A)成分の占める割合は50〜80質量%である。
かかる構成の保護剤は、コンクリート構造物に付与(典型的にはコーティング)されて該構造物上で硬化することにより、流電陽極方式による電気防食法における陽極(一般に、流電陽極(galvanic anode)又は犠牲陽極(sacrificial anode)と称される。)として有効な硬化物(保護剤硬化物)を形成し得る。この硬化物を流電陽極として用いることにより(典型的には、該硬化物と上記金属製構造材とを電気的に接続して用いられる。)、上記金属製構造材の腐食を抑制する(電気防食効果を発揮する)ことができる。コンクリート構造物に保護剤を付与する方法としては、従来公知の一般的なコーティング方法を適宜採用することができる。従って、上記保護剤を用いれば、亜鉛板を取り付ける方法や亜鉛−アルミニウムを溶射する方法に比べて明らかに容易に(例えば、従来公知の各種コーティング方法と同様の簡便さで)、各種のコンクリート構造物に流電陽極を設置することができる。
上記保護剤において、(A)成分の質量と、(B)成分と(C)成分の合計質量との質量比[(A):{(B)+(C)}]は、50:50〜80:20の範囲にある。これら(B)成分及び(C)成分は、上記硬化物において(A)成分たるフレーク状金属粉末を結合する成分(バインダ成分)として機能し得る。この保護剤は、このようにバインダ成分の含有割合が比較的高いことから、コンクリート構造物上に硬質かつ緻密な保護剤硬化物を形成することが可能である。かかる硬化物は、水や酸素等のような腐食誘発要因が外部からコンクリート構造物に進入することを阻む保護被膜としても機能し得る。これら流電陽極としての機能及び保護被膜としての機能が相俟って、優れたコンクリート構造物保護性能を発揮することができる。
なお、従来公知のいわゆるジンクリッチペイント(例えば、無機タイプのジンクリッチペイント)では、該ペイントの不揮発分(膜構成成分)の質量を100質量%として、亜鉛粉末の割合が80質量%以上であり、典型的には90質量%以上である。代表的な組成例では、不揮発分の93質量%が亜鉛粉末であり、残りの7質量%がバインダ成分(アルキルシリケート等)である。このようにバインダ成分の含有割合が少ないことから、ジンクリッチペイントを用いて形成される硬化膜は一般にポーラスであって、水や酸素の進入を阻む機能には乏しい。
この場合、本発明の保護剤の態様では、前記(B)成分が下記式(2)
(R1)Si(OR23 (2)
(式中、R1、R2は、それぞれメチル基及びエチル基から選択されるいずれかである。)
で表されるシラン化合物の部分加水分解縮合物、及び、下記式(3)
(R12Si(OR22 (3)
(式中、R1、R2は、それぞれメチル基及びエチル基から選択されるいずれかである。)
で表されるシラン化合物を含む。かかる組成の保護剤は、コンクリート構造物の表面に付与されて、よい保護性能を発揮する(例えば、耐久性のよい)硬化物を形成し得る。前記(B)成分の合計質量を100質量%として、前記式(3)で表されるシラン化合物の占める割合を30〜50質量%の範囲とすることにより、更に良好な結果が得られる。
本発明の保護剤の他の好ましい態様では、前記式(2)で表されるシラン化合物の部分加水分解縮合物が、平均重合度3〜5の縮合物と、平均重合度12〜18の縮合物との混合物である。かかる組成の保護剤は、コンクリート構造物の表面に付与されて、よりよい保護性能を発揮する(例えば、より耐久性のよい)硬化物を形成し得る。
本発明の保護剤の別の好ましい態様では、前記(A)成分が、フレーク状の亜鉛粉末とフレーク状のアルミニウム粉末とを含む。典型的には、前記(A)成分が、フレーク状の亜鉛粉末とフレーク状のアルミニウム粉末とから実質的に構成される。かかる組成の保護剤によると、従来の亜鉛−アルミニウム溶射により形成された流電陽極と同様に優れた電気防食性能を発揮し得る保護剤硬化物を、コンクリート構造物の表面に容易に設置することができる。
本発明は、またコンクリート構造物に付与されて該構造物を劣化から保護するコンクリート構造物保護剤であって、
(A’)フレーク状の亜鉛粉末及びフレーク状のアルミニウム粉末と、
(B’)メチルトリメトキシシランの部分加水分解縮合物及びジメチルジメトキシシランと、
(C’)金属アルコキシドとを含有する保護剤を提供する。ここで、前記(A’),(B’),(C’)成分の合計質量を100質量%として、前記(A’)成分の占める割合は50〜80質量%の範囲にある。また、前記(B’)成分の合計質量を100質量%として、ジメチルジメトキシシランの占める割合が30〜50質量%の範囲にある。そして、前記メチルトリメトキシシランの部分加水分解縮合物は、平均重合度3〜5の縮合物と、平均重合度12〜18の縮合物との混合物である。
かかる構成の保護剤は、コンクリート構造物に付与されて、特に良好なコンクリート構造物保護性能を示す硬化物を形成し得る。
更に、本発明は、コンクリート構造物に付与されて該構造物を劣化から保護するコンクリート構造物保護剤の製造方法を提供する。その製造方法は、
(a)フレーク状の亜鉛粉末及びフレーク状のアルミニウム粉末を含む混合金属粉末を用意することを含む。その製造方法はまた、
(b)下記式(2)
(R1)Si(OR23 (2)
(式中、R1、R2は、それぞれメチル基及びエチル基から選択されるいずれかである。)
で表されるシラン化合物の部分加水分解縮合物と、下記式(3)
(R12Si(OR22 (3)
(式中、R1、R2は、それぞれメチル基及びエチル基から選択されるいずれかである。)
で表されるシラン化合物と、金属アルコキシドとを含むバインダ組成物を用意することを含む。また、
(c)前記フレーク状金属粉末と前記バインダ組成物とを、該金属粉末と該バインダ組成物との合計質量を100質量%として前記金属粉末の占める割合が50〜80質量%の範囲となる割合で配合することを含む。
かかる方法は、コンクリート構造物に付与されて良好なコンクリート構造物保護性能を示す硬化物を形成し得るコンクリート構造物保護剤を製造する方法として好適である。
この場合、この製造方法の好ましい態様では、前記バインダ組成物を用意するステップ(b)が、前記式(2)で表されるシラン化合物の平均重合度3〜5の縮合物と、該シラン化合物の平均重合度12〜18の縮合物と、前記式(3)で表されるシラン化合物と、前記金属アルコキシドとを配合することを含む。
かかる方法により製造された保護剤は、よりよいコンクリート構造物保護性能を発揮する(例えば、より耐久性のよい)硬化物を形成するものであり得る。
本発明は、更にコンクリート構造物の保護方法を提供する。その保護方法は、上述したいずれかのコンクリート構造物保護剤(又は、上述したいずれかの方法により製造されたコンクリート構造物保護剤)を用意することを含む。また、該保護剤をコンクリート構造物に付与することを含む。更に、その付与された保護剤の硬化物を流電陽極(犠牲陽極)として、該保護剤と前記コンクリート構造物を構成する金属製構造材との間に電流(防食電流)を供給することを含む。
このような保護方法によると、前記硬化物の示す犠牲陽極効果によって、コンクリート構造物を構成する金属製構造材の腐食反応を抑制することができる。この保護方法の好ましい態様では、該犠牲陽極効果が発揮されることと、前記硬化物がコンクリート構造物の保護被膜(例えば、水や酸素等のような腐食誘発要因が外部からコンクリート構造物に進入することを阻む保護被膜)として機能し得ることとが相俟って、コンクリート構造物を劣化からよりよく保護することができる。
本発明により提供されるコンクリート保護剤は、金属粉末の割合が50〜80質量%と比較的低いにも拘わらず、流電陽極として十分な導電性を示す硬化物を形成することができる。このようにバインダ成分の割合が多い(換言すれば、金属粉末の割合が少ない)ということは、本発明の保護方法を適用することによるコンクリート構造物の質量増加を抑える(即ち、保護剤硬化物の比重を小さくする)という観点からも有利である。また、トリアルコキシシランの部分加水分解縮合物とジアルコキシシランとを含む組成とすることにより、良好な硬化性を示すと共に、硬化物の硬度とコンクリート構造物に対する接着性とのバランスに優れた硬化物を形成することができる。このような硬化物によると、流電電極としての機能と保護被膜としての機能とが相俟って、コンクリート構造物の劣化を効果的に防止することができる。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項(例えば、コンクリート保護剤の組成、その調製方法、該保護剤をコンクリート構造物の表面に付与する方法等)以外の事柄であって、本発明の実施に必要な事柄(例えば、アルコキシシリル基を有するシラン化合物の部分加水分解縮合物を得る方法、流電陽極方式による電気防食法に関する一般的事項)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
本発明のコンクリート構造物保護剤における(A)成分(フレーク状金属粉末)としては、コンクリート構造物を構成する金属製構造材の主構成材料よりも標準電極電位の低い金属材料からなるフレーク状粉末の1種又は2種以上を適宜選択することができる。例えば、前記金属製構造材の主構成材料が鉄(Fe)である場合には、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、チタン(Ti)及びこれらの金属のいずれかを主成分とする合金からなる群から選択されるいずれかの金属材料から実質的に構成されるフレーク状金属粉末の1種又は2種以上を採用し得る。入手容易性及びコストの観点から、通常は、フレーク状亜鉛粉末、フレーク状アルミニウム粉末、フレーク状亜鉛合金(亜鉛を主成分とする(即ち、50質量%以上、特に70質量%以上含有する)合金をいう。以下同じ。)粉末及びフレーク状アルミニウム合金粉末から選択される1種又は2種以上のフレーク状金属粉末を好ましく使用することができる。
好ましい一つの態様では、(A)成分として、フレーク状亜鉛粉末及び/又は亜鉛合金粉末と、フレーク状アルミニウム粉末及び/又はアルミニウム合金粉末とを併用する。例えば、フレーク状亜鉛粉末及び/又は亜鉛合金粉末と、フレーク状アルミニウム粉末及び/又はアルミニウム合金粉末とを50/50〜99/1(より好ましくは70/30〜98/2、更に好ましくは85/15〜95/5)の質量比で使用することが好ましい。(A)成分として、フレーク状亜鉛粉末とフレーク状アルミニウム粉末とを組み合わせて使用することが特に好ましい。例えば、フレーク状亜鉛粉末とフレーク状アルミニウム粉末とを50/50〜99/1(より好ましくは70/30〜98/2、更に好ましくは85/15〜95/5)の質量比で含むフレーク状金属粉末(典型的には、これらフレーク状亜鉛粉末とフレーク状アルミニウム粉末から実質的に構成される金属粉末)が好ましい。
かかるフレーク状金属粉末の形状は、例えば、倍率2,000倍の顕微鏡にて10箇所を測定した場合の平均値として、大きさ(最大対角長又は直径)は20〜80μm(より好ましくは40〜60μm)程度であり、厚さが0.5〜10μm(より好ましくは1〜5μm)程度であり得る。該フレーク状金属粉末の製造方法は特に限定されない。例えば、スタンピングミル(stamping mi11)を用いてフレーク状(鱗箔状)に形成された金属粉末の1種又は2種以上(好ましくは、亜鉛粉末及びアルミニウム粉末)を好ましく使用することができる。なお、鉄の標準電極電位は−0.447Vであり、これに対して亜鉛の標準電極電位は−0.762V、アルミニウムの標準電極電位は−1.662Vである。
本発明における(B)成分は、下記式(1)
(R1aSi(OR24-a (1)
(式中、R1、R2は、メチル基又はエチル基であり、aは1又は2である。)
で表されるシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物である。該シラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物が一分子中に複数のR1を有する場合、それらのR1は同一であってもよく、異なってもよい。R2についても同様である。上記式(1)で表されるシラン化合物及びその部分加水分解縮合物の具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、メチルエチルジメトキシシラン、これらのシラン化合物から選択されるいずれか1種のシラン化合物の加水分解縮合物(単独加水分解縮合物)、これらのシラン化合物から選択される2種以上のシラン化合物の共加水分解縮合物を挙げることができる。なお、本明細書中において特記しない場合、「加水分解縮合物」の概念には、1種のシラン化合物の単独加水分解縮合物と、2種以上のシラン化合物の共加水分解縮合物とが含まれる。
上記(B)成分としては、下記式(2)
(R1)Si(OR23 (2)
(式中、R1、R2は上記の通り。)
で表される1種又は2種以上のアルキルトリアルコキシシランの部分加水分解縮合物と、下記式(3)
(R12Si(OR22 (3)
(式中、R1、R2は上記の通り。)
で表される1種又は2種以上のジアルキルジアルコキシシランとを併用することが好ましい。例えば、これらアルキルトリアルコキシシランの部分加水分解縮合物とジアルキルジアルコキシシランとから実質的に構成される(B)成分を好ましく使用することができる。
前記(B)成分の合計質量を100質量%として、ジアルキルジアルコキシシランの占める割合が30〜50質量%である(典型的には、残部がアルキルトリアルコキシシランの部分加水分解縮合物である)(B)成分が好ましい。硬化反応性及び硬化物の特性(例えば、耐久性、硬度と可撓性とのバランス、コンクリート構造物に対する接着性等のうち一又は二以上の特性)の点から、前記アルキルトリアルコキシシランの部分加水分解縮合物がメチルトリメトキシシランの加水分解縮合物(典型的には単独加水分解縮合物)であり、前記ジアルキルジアルコキシシランが実質的にジメチルジメトキシシランである(B)成分を好ましく使用することができる。
(B)成分は、前記式(2)で表されるアルキルトリアルコキシシランの部分加水分解縮合物として、該アルコキシシランの平均重合度3〜5の縮合物(即ち、平均して3〜5量体、以下、「低分子量縮合物」ということもある。)と、該アルコキシシランの平均重合度12〜18の縮合物(以下、「高分子量縮合物」ということもある。ここで「高分子量縮合物」における「高分子量」の語は、上述した平均重合度3〜5の縮合物との比較において、より高い分子量を有することを表す。)とを含むものであり得る。このような平均重合度を有する2種類の縮合物をそれぞれ用意し、これらを配合してなる保護剤が好ましい。上記低分子量縮合物と上記高分子量縮合物との配合割合は、例えば、低分子量縮合物45質量部に対して高分子量縮合物15〜35質量部(好ましくは20〜30質量部)の割合とすることが適当である。
本発明の保護剤は、上記式(3)で表されるジアルキルジアルコキシシラン45質量部に対して、上記低分子量縮合物を例えば40〜50質量部の割合で含有するものであり得る。また、上記式(3)で表されるジアルキルジアルコキシシラン45質量部に対して、上記高分子量縮合物を例えば15〜35質量部(好ましくは20〜30質量部)の割合で含有するものであり得る。
本発明における(C)成分としての金属アルコキシドは、上記(B)成分の硬化を助けると共に、該硬化物の導電性を高める機能を果たす成分である。このような金属アルコキシドを含有する本発明の保護剤は、上述のようにバインダ成分の含有割合が比較的高いにも拘わらず、良好な(即ち、流電陽極として適切に機能し得る)導電性を示す硬化物を形成することができる。このような組成の保護剤によると、流電陽極としての機能と保護被膜としての機能とを兼ね備えた硬化物を形成することができる。
上記(C)成分としては、例えば、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、錫(Sn)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)及び鉄(Fe)等の金属のアルコキシドを使用することができる。1種類の金属アルコキシドのみを使用してもよく、2種類以上の金属アルコキシドを併用してもよい。通常は、2以上のアルコキシ基が金属原子に結合した構造の金属アルコキシドを好ましく使用することができる。導電性向上効果が高いことから、アルミニウムアルコキシド(典型的には、アルミニウムトリアルコキシド)の使用が特に好ましい。アルコキシ基としては炭素原子数1〜8(より好ましくは1〜6)のものが好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、フェノキシ基等から選択される1種又は2種以上のアルコキシ基が金属に結合した構造の金属アルコキシドを好ましく使用することができる。取り扱いやすさの点から、該アルコキシ基の少なくとも一つ(好ましくは全部)がイソプロポキシ基である金属アルコキシドが特に好ましい。本発明における(C)成分としては、アルミニウムトリイソプロポキシドを好ましく用いることができる。また、ジ−n−ブトキシ(エチルアセトアセテート)アルミニウム等のように、アシレート基を有する少なくとも一つの有機基と少なくとも一つ(好ましくは2以上)のアルコキシ基とが金属に結合した構造の金属アルコキシド(好ましくは、アルミニウムアルコキシド)を使用してもよい。
このようにアシレート基を有する金属アルコキシドは、例えば、アルミニウムトリアルコキシドと併用することが好ましい。
本発明に係る保護剤の一つの好ましい態様では、該保護剤が、(B)成分と(C)成分との合計質量を100質量%として、(C)成分を例えば5〜20質量%(好ましくは8〜15質量%)の範囲で含有する。かかる含有割合とすることにより、得られる硬化物の導電性(流電陽極としての性能)と保護剤の取扱性(例えば、コンクリート構造物への付与しやすさ)とをより高度なレベルでバランスさせることができる。
本発明の保護剤は、上述した各成分を所定の割合で混合することにより製造され得る。(A)成分と(B)成分と(C)成分との合計質量を100質量%として、(A)成分の占める割合が50〜80質量%となる割合でこれらの成分を混合することが適当である。
これら(A)〜(C)成分を混合する好ましい方法としては、まず(B)成分と(C)成分とを混合してバインダ組成物を調製し、これに(A)成分を添加して混合する方法が挙げられる。バインダ組成物と(A)成分とを混合する際の作業性や、得られた保護剤の取扱性(例えば、コンクリート構造物への付与しやすさ)等を考慮して、上記バインダ組成物の25℃における粘度(動粘度)は、JIS K 2283による測定法で、例えば1〜200mm2/Sの範囲にあることが好ましく、5〜50mm2/Sの範囲にあることがより好ましく、10〜30mm2/Sの範囲にあることが更に好ましい。
本発明のコンクリート構造物保護剤は、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、上述した(A)〜(C)成分に加えて他の成分を含有することができる。かかる任意成分として選択し得るものには、上記(C)成分以外の一般的な硬化触媒(典型的には湿気硬化触媒)、アルコール(例えば一価の低級アルコール)等が含まれ得る。その他、一般的な硬化性シリコーン組成物に用いられる各種添加剤を含有させてもよい。
本発明の保護剤は、典型的には25℃において液状である。例えば、25℃における粘度が概ね20〜400mPa・s(より好ましくは、概ね50〜200mPa・s)の範囲にある保護剤が好ましい。なお、ここでの粘度はデジタル回転式粘度計ビスコベーシックプラス(ビスコテック(株)製)による測定値である。該保護剤は、粘度調節等のために少量の溶媒(典型的には有機溶媒、例えば低級アルコール)を含有することができる。但し、溶媒の含有量が多すぎると硬化物の緻密さが損なわれる虞があるため、保護剤全体の質量を100質量%として溶媒の含有量は10質量%以下とすることが好ましく、5質量%以下とすることが更に好ましい。好ましい一つの態様では、該保護剤が実質的に溶媒を含有しない液状組成物である。
本発明の保護剤を用いたコンクリート構造物の保護方法は、各種コンクリート構造物の表面に適用されて、該構造物の劣化を防止することができる。該保護剤をコンクリート構造物に付与する方法としては、ローラ塗布、スプレー塗布、刷毛塗り、浸漬等の一般的なコーティング方法を適宜採用することができる。好ましいコーティング量は、該保護剤により提供される電気防食効果の長さ(耐用年数)や保護剤の組成(例えば、金属粉末の種類及びその含有割合)等により異なるが、例えば、硬化物の厚さが30〜120μmとなる範囲が適当であり、通常は50〜70μmの範囲が好ましい。保護剤を付与する範囲は、コンクリート構造物の表面のほぼ全範囲であってもよく、一部範囲であってもよい。目標とする防食性能を発揮するのに足る防食電流が得られるように、該保護剤を付与する面積(換言すれば、硬化物の設置面積)を調節することができる。付与パターンとしては、面状、ストライプ状、格子状、点状等のパターンを適宜使用し得る、これらのパターンを組み合わせてもよい。保護被膜としての機能をよりよく発揮させるためには、比較的広い範囲に面状に保護剤を付与する(換言すれば、保護剤硬化物を形成する)ことが好ましい。
本発明により提供される保護剤は、典型的には、常温において空気中の水分により硬化して保護剤硬化物を形成することができる。従って、例えば、該保護剤をコンクリート構造物に付与して数時問以上(好ましくは数日間以上)放置することにより、電気防食法における流電陽極として利用可能な保護剤硬化物が適切に形成され得る。
本発明の保護剤が硬化する際、フレーク状の金属粉末とバインダ成分との間に化学結合(主として、金属表面の水酸基とバインダ成分のアルコキシ基との間の加水分解縮合反応による。)が形成される。このことによって、前記フレーク状金属粉末同士がバインダ成分を介して強固に接着した保護剤硬化物が形成される。該硬化物は、典型的には、フレーク状の金属粉末が厚み方向に積み重なった積層被膜を構成する。このように構成された硬化物は、流電電極としての機能と保護被膜としての機能とを効果的に発揮するものである。
以下、本発明に関する実施例を説明するが、本発明はかかる実施例に示すものに限定されるものではない。
<コンクリート構造物保護剤の製造>
以下の材料を用いてコンクリート構造物保護剤を製造した。
(A)成分:
A1…大きさ40〜60μm、厚さ1〜5μmのフレーク状亜鉛粉末。
A2…大きさ40〜60μm、厚さ1〜5μmのフレーク状アルミニウム粉末。
(B)成分:
B1…メチルトリメトキシシランの部分加水分解縮合物(平均重合度4、動粘度4mm2/S)。
B2…メチルトリメトキシシランの部分加水分解縮合物(平均重合度15、動粘度60
mm2/S)。
B3…ジメチルジメトキシシラン。
(C)成分:
C1…アルミニウムトリイソプロポキシド。
C2…ジ−n−ブトキシ(エチルアセトアセテート)アルミニウム(ホープ製薬(株)製品、商品名「ケロープACS」)。
これらの材料を用いて、以下の手順によりコンクリート構造物保護剤を製造した。即ち、室温の窒素雰囲気下において、45質量部のB1(メチルトリメトキシシランの低分子量縮合物)と、25質量部のB2(メチルトリメトキシシランの高分子量縮合物)と、45質量部のB3(ジメチルジメトキシシラン)とを撹拌混合した。該混合物115質量部に、15質量部のC1(アルミニウムトリイソプロポキシド)と、10質量部のC2(ジ−n−ブトキシ(エチルアセトアセテート)アルミニウム)とを加えて更に撹拌した。このようにして、有機溶媒を実質的に含有しないバインダ組成物を調製した。
一方、88質量部のA1(フレーク状亜鉛粉末)と、12質量部のA2(フレーク状アルミニウム粉末)とを混合して混合粉末を用意した。
上記混合粉末55質量部と上記バインダ組成物45質量部とを窒素雰囲気下で混合した。この混合は、系の温度が35℃を上回らないように系を外部から冷却しつつ行った。このようにして、25℃における粘度が約100mPa・sのコンクリート構造物保護剤を得た。
<保護剤硬化物の形成及び評価>
幅100mm、長さ300mm、厚さ3mmの塩化ビニル樹脂板を用意した。この樹脂板の片面全体に、上記製造例により得られたコンクリート構造物保護剤を塗布した。該保護剤の塗布厚は、硬化により形成される保護剤硬化物(硬化被膜)の厚さが約50μmとなるように調節した。保護剤の塗布された樹脂板を、温度24℃、相対湿度65%の雰囲気下に5日間放置して該保護剤を硬化させた。このようにして得られた保護剤硬化物(硬化被膜)は硬質かつ緻密なものであった。
上記保護剤硬化物が形成された塩化ビニル樹脂板(保護剤付樹脂板)と鉄板とを濃度0.3質量%のNaCl水溶液に浸漬したところ、両者の間に接続した電圧計は0.9Vを示した。この結果は、例えば、鉄製構造材(典型的には鉄筋)を有するコンクリート構造物の表面に上記保護剤硬化物を形成した場合、上記保護剤硬化物と該コンクリート構造物中の鉄製構造材(典型的には鉄筋)との間に0.9Vの電位差が生じ得ることを示している。また、この電位差を利用することにより、外部電源を用いることなく(換言すれば、流電陽極方式によって)上記鉄製構造材に電流(防食電流)を供給し得ること、従って上記硬化物が流電陽極として適切に機能し得ることを示している。
なお、(C)成分(C1,C2)を使用しない点以外は、上記保護剤の製造と同様の操作により調製した組成物を、上記と同様に塩化ビニル樹脂板の片面に塗布して硬化させた。この硬化物付樹脂板と鉄板とを上記と同様に0.3%濃度のNaCl水溶液に浸漬し、両者の間に電圧計を接続したところ、電圧は測定されなかった。この結果は、(C)成分を含まない上記組成物から形成された硬化物は導電性が低く、流電陽極としての用途には適さないことを示している。
また、上記混合粉末と上記バインダ組成物との混合割合を40:60(質量比)に変更した点以外は、上記保護剤の製造と同様の操作により調製した組成物を、上記と同様に塩化ビニル樹脂板の片面に塗布して硬化させた。この硬化物付樹脂板と鉄板とを上記と同様に0.3%濃度のNaCl水溶液に浸漬し、両者の間に電圧計を接続したところ、電圧は測定されなかった。この結果は、かかる組成物では混合粉末の含有割合が少なすぎるため、該組成物から形成された硬化物は導電性が低く、流電陽極としての用途には適さないことを示している。
また、上記混合粉末と上記バインダ組成物との混合割合を90:10(質量比)に変更した点以外は、上記保護剤の製造と同様の操作により調製した組成物を、上記と同様に塩化ビニル樹脂板の片面に塗布して硬化させた。得られた硬化膜はポーラスであり、水や酸素の透過を阻む性能に乏しいものであった。

Claims (11)

  1. コンクリート構造物に付与されて該構造物を劣化から保護するコンクリート構造物保護剤であって、以下の成分:
    (A)前記コンクリート構造物を構成する金属製構造材の主構成金属よりも標準電極電位の低い金属材料のフレーク状粉末、
    (B)下記式(2)
    (R 1 )Si(OR 2 3 (2)
    (式中、R 1 、R 2 は、それぞれメチル基及びエチル基から選択されるいずれかである。)
    で表されるシラン化合物の部分加水分解縮合物、及び、
    下記式(3)
    (R 1 2 Si(OR 2 2 (3)
    (式中、R 1 、R 2 は、それぞれメチル基及びエチル基から選択されるいずれかである。)
    で表されるシラン化合物
    (C)金属アルコキシド
    を含有し、前記(A),(B),(C)成分の合計質量を100質量%として、前記(A)成分の占める割合が50〜80質量%であることを特徴とするコンクリート構造物保護剤。
  2. 前記(B)成分の合計質量を100質量%として前記式(3)で表されるシラン化合物の占める割合が30〜50質量%である請求項記載の保護剤。
  3. 前記式(2)で表されるシラン化合物の部分加水分解縮合物が、平均重合度3〜5の縮合物と平均重合度12〜18の縮合物との混合物である請求項又は記載の保護剤。
  4. コンクリート構造物に付与されて該構造物を劣化から保護するコンクリート構造物保護剤であって、以下の成分:
    (A)前記コンクリート構造物を構成する金属製構造材の主構成金属よりも標準電極電位の低い金属材料のフレーク状粉末であって、フレーク状の亜鉛粉末とフレーク状のアルミニウム粉末とを含むフレーク状粉末、
    (B)下記式(1)
    (R 1 a Si(OR 2 4-a (1)
    (式中、R 1 、R 2 は、それぞれメチル基及びエチル基から選択されるいずれかである。aは1又は2である。)
    で表されるシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物、
    (C)金属アルコキシド
    を含有し、前記(A),(B),(C)成分の合計質量を100質量%として、前記(A)成分の占める割合が50〜80質量%であることを特徴とするコンクリート構造物保護剤。
  5. 前記(B)成分が、下記式(2)
    (R 1 )Si(OR 2 3 (2)
    (式中、R 1 、R 2 は、それぞれメチル基及びエチル基から選択されるいずれかである。)
    で表されるシラン化合物の部分加水分解縮合物、及び、
    下記式(3)
    (R 1 2 Si(OR 2 2 (3)
    (式中、R 1 、R 2 は、それぞれメチル基及びエチル基から選択されるいずれかである。)
    で表されるシラン化合物
    を含む請求項4記載の保護剤。
  6. 前記(B)成分の合計質量を100質量%として前記式(3)で表されるシラン化合物の占める割合が30〜50質量%である請求項5記載の保護剤。
  7. 前記式(2)で表されるシラン化合物の部分加水分解縮合物が、平均重合度3〜5の縮合物と平均重合度12〜18の縮合物との混合物である請求項5又は6記載の保護剤。
  8. コンクリート構造物に付与されて該構造物を劣化から保護するコンクリート構造物保護剤であって、以下の成分:
    (A’)フレーク状の亜鉛粉末及びフレーク状のアルミニウム粉末、
    (B’)メチルトリメトキシシランの部分加水分解縮合物及びジメチルジメトキシシラン、
    (C’)アルミニウムアルコキシド
    を含有し、前記(A’),(B’),(C’)成分の合計質量を100質量%として、前記(A’)成分の占める割合が50〜80質量%であり、前記(B’)成分の合計質量を100質量%としてジメチルジメトキシシランの占める割合が30〜50質量%であり、かつ、前記メチルトリメトキシシランの部分加水分解縮合物が平均重合度3〜5の縮合物と平均重合度12〜18の縮合物との混合物であることを特徴とするコンクリート構造物保護剤。
  9. コンクリート構造物に付与されて該構造物を劣化から保護するコンクリート構造物保護剤の製造方法であって、
    (a)フレーク状の亜鉛粉末及びフレーク状のアルミニウム粉末を含む金属混合粉末を用意すること、
    (b)下記式(2)
    (R1)Si(OR23 (2)
    (式中、R1、R2は、それぞれメチル基及びエチル基から選択されるいずれかである。)
    で表されるシラン化合物の部分加水分解縮合物と、
    下記式(3)
    (R12Si(OR22 (3)
    (式中、R1、R2は、それぞれメチル基及びエチル基から選択されるいずれかである。)
    で表されるシラン化合物と金属アルコキシドとを含むバインダ組成物を用意すること、及び、
    (c)前記フレーク状金属粉末と前記バインダ組成物とを、該金属粉末と該バインダ組成物との合計質量を100質量%として前記金属粉末の占める割合が50〜80質量%となる割合で配合すること
    を包含することを特徴とするコンクリート構造物保護剤の製造方法。
  10. 前記バインダ組成物を用意するステップ(b)が、前記式(2)で表されるシラン化合物の平均重合度3〜5の縮合物と、該シラン化合物の平均重合度12〜18の縮合物と、前記式(3)で表されるシラン化合物と、前記金属アルコキシドとを配合することを含む請求項記載の方法。
  11. 請求項1乃至のいずれか1項記載のコンクリート構造物保護剤を用意すること、該保護剤をコンクリート構造物に付与すること、及び、その付与された保護剤の硬化物を流電陽極として、該保護剤と前記コンクリート構造物を構成する金属製構造材との間に電流を供給することを包含することを特徴とするコンクリート構造物の保護方法。
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