JP5047962B2 - 近赤外光を用いたガン、全身性エリテマトーデス(sle)又は抗リン脂質抗体症候群に関する検査・診断装置の作動方法 - Google Patents

近赤外光を用いたガン、全身性エリテマトーデス(sle)又は抗リン脂質抗体症候群に関する検査・診断装置の作動方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5047962B2
JP5047962B2 JP2008523756A JP2008523756A JP5047962B2 JP 5047962 B2 JP5047962 B2 JP 5047962B2 JP 2008523756 A JP2008523756 A JP 2008523756A JP 2008523756 A JP2008523756 A JP 2008523756A JP 5047962 B2 JP5047962 B2 JP 5047962B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
spectrum
wavelength
analysis
cancer
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008523756A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2008004665A1 (ja
Inventor
章一 作道
弘彦 倉恒
順三 野島
和良 生田
恭良 渡辺
由紀子 計屋
孝徳 小林
世貴 田島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
FATIGUE SCIENCE LABORATORY INC.
Osaka University NUC
Original Assignee
FATIGUE SCIENCE LABORATORY INC.
Osaka University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by FATIGUE SCIENCE LABORATORY INC., Osaka University NUC filed Critical FATIGUE SCIENCE LABORATORY INC.
Priority to JP2008523756A priority Critical patent/JP5047962B2/ja
Publication of JPWO2008004665A1 publication Critical patent/JPWO2008004665A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5047962B2 publication Critical patent/JP5047962B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/0059Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons using light, e.g. diagnosis by transillumination, diascopy, fluorescence
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/17Systems in which incident light is modified in accordance with the properties of the material investigated
    • G01N21/25Colour; Spectral properties, i.e. comparison of effect of material on the light at two or more different wavelengths or wavelength bands
    • G01N21/31Investigating relative effect of material at wavelengths characteristic of specific elements or molecules, e.g. atomic absorption spectrometry
    • G01N21/35Investigating relative effect of material at wavelengths characteristic of specific elements or molecules, e.g. atomic absorption spectrometry using infrared light
    • G01N21/359Investigating relative effect of material at wavelengths characteristic of specific elements or molecules, e.g. atomic absorption spectrometry using infrared light using near infrared light
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/17Systems in which incident light is modified in accordance with the properties of the material investigated
    • G01N21/47Scattering, i.e. diffuse reflection
    • G01N21/4738Diffuse reflection, e.g. also for testing fluids, fibrous materials
    • G01N21/474Details of optical heads therefor, e.g. using optical fibres
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B2562/00Details of sensors; Constructional details of sensor housings or probes; Accessories for sensors
    • A61B2562/02Details of sensors specially adapted for in-vivo measurements
    • A61B2562/0233Special features of optical sensors or probes classified in A61B5/00
    • A61B2562/0238Optical sensor arrangements for performing transmission measurements on body tissue

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Surgery (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)

Description

本発明は、近赤外光を用いた臨床血液検査方法、判定方法及び同方法に使用する装置に関するもので、特にガン、全身性エリテマトーデス(SLE)又は抗リン脂質抗体症候群に関する臨床検査方法及び同方法に使用する装置に関するものである。
また、本出願は、参照によりここに援用されるところ、日本特許出願番号2006-186223からの優先権を請求する。
現在、癌の検査は血液中の腫瘍マーカー[CA19-9(糖鎖抗原19-9),CEA(ガン胎児性抗原), AFP(α-フェトプロテイン), PIVKA-II, PSA(前立腺特異抗原), CA125(糖鎖抗原125)]などの数値を指標に一次検査が行われている。一次検査で陽性であった場合、組織生検の顕微鏡検査により、ガンの確定診断と悪性度が調べられる。しかし、ガン特異的な腫瘍マーカーはなく、偽陽性率が高い。したがって、ガンの臨床検査のための改善された方法は、ガンの総合判断にとって大いに有益である。
抗リン脂質抗体(PL)には、抗カルジオリピン抗体(CL)、ループス抗凝固因子(LAC)、ワッセルマン反応(STS)偽陽性などが含まれるが、これらの抗体を有し、臨床的に動・静脈の血栓症、血小板減少症、習慣流産・死産・子宮内胎児死亡などをみる場合に抗リン脂質抗体症候群と称せられる。
全身性エリテマトーデス(SLE)を始めとする膠原病や自己免疫疾患に認められることが多いが(続発性)、原発性抗リン脂質抗体症候群も存在する。抗リン脂質抗体症候群は臨床像と免疫学的検査によりなされている(非特許文献1)。
臨床像に静脈血栓、動脈血栓、反復する流産または胎児死亡、血小板減少がみられ、免疫学的検査により、IgG型CL抗体(20GPL単位以上)、LA陽性、IgM型CL抗体陽性+LA陽性の少なくともいずれかに該当することが診断基準である。
したがって、抗リン脂質抗体症候群に関する臨床検査のための改善された方法は、抗リン脂質抗体症候群に関する総合判断にとって大いに有益である。
ところで最近では、種々の分野で近赤外線を用いた成分分析が行われている。例えば、可視光及び/又は近赤外線を宿主に照射して、特定成分に吸収される波長帯を検出することで、各種特定成分を定量分析することが行われている。これは、例えば石英セル中にサンプルを注入し、これに近赤外分光器(例えば、ニレコ社製近赤外分光器NIRSystem6500)を用いて、400nm〜2500nmの波長範囲の可視光及び/又は近赤外線を照射して、その透過光、反射光、又は透過反射光を分析することで行う。一般に、近赤外線は、物質の吸光係数が非常に小さく散乱を受け難く、エネルギーの低い電磁波であるので、サンプルにダメージを与えることなく化学的・物理的情報を得ることができる。そのために、サンプルからの透過光等を検出して、サンプルの吸光度データを求めて、得られた吸光度データを多変量解析することで、直ちにサンプルの情報を得ることができ、例えば生体分子の構造や機能の変化の過程を直接的にまたリアルタイムに捉えることができる。このような近赤外線分光法に関する従来技術として、下記の特許文献1、2のものが挙げられる。特許文献1には、可視−近赤外線を用いて被検体から情報を得る方法、具体的には、未知の被検体が属する群を判別する方法、未知の被検体を同定する方法、及び被検体における経時変化をリアルタイムでモニターする方法が開示されている。特許文献2には、可視光及び/又は近赤外線領域における水分子の吸収バンドを用いて、得られた吸光度データを多変量解析することで、牛乳または***中の体細胞を測定して牛の***炎の診断を行う方法が開示されている。
特開2002−5827号公報 国際公開WO01/75420号公報 特表2003−500648号公報 Harris,E.N.: Antiphospholipid antibodies. Br J Haematol74:1, 1990
本発明の課題は、血液、血液由来成分、尿、汗、爪、皮膚、又は毛髪に近赤外光を照射し、その結果によってガン、全身性エリテマトーデス(SLE)又は抗リン脂質抗体症候群の臨床検査及びその装置を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、以下の発明を完成した。
1.波長400nm〜2500nmの範囲またはその一部範囲の波長光を採取した血液、血液由来成分、尿、汗、爪、皮膚、又は毛髪に照射し、その反射光、透過光または透過反射光を検出して吸光度スペクトルデータを得た後、その中の測定全波長あるいは特定波長の吸光度を、予め作成した解析モデルを用いて解析することによって以下から選ばれる臨床疾患の判定方法。
1)ガン
2)全身性エリテマトーデス(SLE)
3)抗リン脂質抗体症候群
2.解析モデルが、波長400nm〜2500nmの範囲またはその一部範囲の波長光を健常者及び臨床疾患患者から採取した血液、血液由来成分、尿、汗、爪、皮膚、又は毛髪に照射し、その反射光、透過光または透過反射光を検出して吸光度スペクトルデータを得た後、その健常者と臨床疾患患者との吸光度の差異を分析し、その差異波長を解析する請求項1に記載の判定方法。
3.差異波長の解析方法が、主成分分析又はSIMCA法を使用する請求項2に記載の判定方法。
4.採取した血液、血液由来成分、尿、汗、爪、皮膚、又は毛髪に摂動を与える請求項1〜3のいずれか1に記載の判定方法。
5.検出する吸光度スペクトルが透過光である請求項1〜4のいずれか1に記載の判定方法。
6.ガンの臨床疾患の判定において、625〜675nm、775〜840nm、910〜950nm、970〜1010nm、1020〜1060nm、および1070〜1090内の各波長の±5nmの範囲の複数の波長域から選ばれる2以上の波長の吸光度スペクトルデータを使用する請求項1〜5のいずれか1に記載の判定方法。
7.全身性エリテマトーデス(SLE)臨床疾患の判定において、740〜780nm、790〜840nm、845〜870nm、950〜970nm、975〜1000nm、1010〜1050および1060〜1100内の各波長の±5nmの範囲の複数の波長域から選ばれる2以上の波長の吸光度スペクトルデータを使用する請求項1〜5のいずれか1に記載の判定方法。
8.抗リン脂質抗体症候群臨床疾患の判定において、600〜650nm、660〜690nm、780〜820nm、850〜880nm、900〜920nm、925〜970および1000〜1050内の各波長の±5nmの範囲の複数の波長域から選ばれる2以上の波長の吸光度スペクトルデータを使用する請求項1〜5のいずれか1に記載の判定方法。
9.波長400nm〜2500nmの範囲またはその一部範囲の波長光を臨床疾患患者の指又は耳に照射し、その反射光、透過光または透過反射光を検出して吸光度スペクトルデータを得た後、その中の測定全波長あるいは特定波長の吸光度を、予め作成した解析モデルを用いて解析することによって以下から選ばれる臨床疾患の診断方法。
1)ガン
2)全身性エリテマトーデス(SLE)
3)抗リン脂質抗体症候群
10.解析モデルが、波長400nm〜2500nmの範囲またはその一部範囲の波長光を健常者及び臨床疾患患者の指又は耳に照射し、その反射光、透過光または透過反射光を検出して吸光度スペクトルデータを得た後、その健常者と臨床疾患患者との吸光度の差異を分析し、その差異波長を解析する請求項9に記載の診断方法。
11.波長400nm〜2500nmの範囲またはその一部範囲の波長光を血液、血液由来成分、尿、汗、爪、皮膚、又は毛髪に照射する投光手段と、
投光前又は投光後に分光する分光手段、および、前記血液、血液由来成分、尿、汗、爪、皮膚、又は毛髪に照射された光の反射光、透過光または透過反射光を検出する検出手段と、
検出により得られた吸光度スペクトルデータの中の測定全波長あるいは特定波長の吸光度を、予め作成した解析モデルを用いて解析することによって血液、血液由来成分、尿、汗、爪、皮膚、又は毛髪を定量的または定性的に分析するデータ解析手段と、を備えたことを特徴とする以下から選ばれる臨床疾患の検査・診断装置。
1)ガン
2)全身性エリテマトーデス(SLE)
3)抗リン脂質抗体症候群
12.解析モデルが、波長400nm〜2500nmの範囲またはその一部範囲の波長光を健常者及び臨床疾患患者の血液、血液由来成分、尿、汗、爪、皮膚、又は毛髪に照射し、その反射光、透過光または透過反射光を検出して吸光度スペクトルデータを得た後、その健常者と臨床疾患患者との吸光度の差異を分析し、その差異波長を解析する請求項11に記載の装置。
13.差異波長の解析方法が、主成分分析又はSIMCA法を使用する請求項12に記載の装置。
14.検出する吸光度スペクトルが透過光である請求項11〜13のいずれか1に記載の装置。
15.ガンの臨床疾患において、625〜675nm、775〜840nm、910〜950nm、970〜1010nm、1020〜1060nm、および1070〜1090内の各波長の±5nmの範囲の複数の波長域から選ばれる2以上の波長の吸光度スペクトルデータを使用する請求項11〜14のいずれか1に記載の装置。
16.全身性エリテマトーデス(SLE)臨床疾患において、740〜780nm、790〜840nm、845〜870nm、950〜970nm、975〜1000nm、1010〜1050および1060〜1100内の各波長の±5nmの範囲の複数の波長域から選ばれる2以上の波長の吸光度スペクトルデータを使用する請求項11〜14のいずれか1に記載の装置。
17.抗リン脂質抗体症候群臨床疾患において、600〜650nm、660〜690nm、780〜820nm、850〜880nm、900〜920nm、925〜970および1000〜1050内の各波長の±5nmの範囲の複数の波長域から選ばれる2以上の波長の吸光度スペクトルデータを使用する請求項11〜14のいずれか1に記載の装置。
本発明によれば、ガン、全身性エリテマトーデス(SLE)又は抗リン脂質抗体症候群の臨床検査を簡易迅速かつ高精度に検査・判定することができ、臨床検査の判定に広く利用することができる。特に簡易迅速であるため、大量の検体又は対象を一斉に検査する必要がある場合などに有用である。また、検査は、対象者に対し非侵襲的に実施可能なため、対象者に苦痛を与えることなく、迅速に、簡便に臨床検査を実施可能である。
本発明の対象の一は、近赤外光である波長400nm〜2500nmの範囲またはその一部範囲の波長光を血液、血液由来成分、尿、汗、爪、皮膚、又は毛髪に照射し、その反射光、透過光または透過反射光を検出して吸光度スペクトルデータを得た後、その中の測定全波長あるいは特定波長の吸光度を、予め作成した解析モデルを用いて解析することによって血液、血液由来成分、尿、汗、爪、皮膚、又は毛髪について、ガン、全身性エリテマトーデス(SLE)又は抗リン脂質抗体症候群に関する臨床疾患の情報特に診断結果を得る方法である。
本発明において、血液又は血液由来物とは、検査用に採取した血液でもよく、この血液を分画したものでもよく、血清、血漿であってもよい。血液又は血液由来物は、ガラス又はプラスチック試験管に保存され、容器保存のまま測定に利用される。さらに、本発明においては、非侵襲的に人体の血液を直接測定する場合を含む。非侵襲的に行うとは、血液を採取することなく、指、耳等に対して近赤外光を照射し、吸光度スペクトルデータを得て、判定を行うことである。
加えて、尿、汗、爪、皮膚、又は毛髪並びにそれらから得られる抽出物は、自体公知の方法で得られる。
本発明で、血液、血液由来成分、尿、汗、爪、皮膚、又は毛髪特に血液又は血液由来物に近赤外光を照射して得られる臨床疾患の情報特に診断結果は、特にガン、全身性エリテマトーデス(SLE)及び抗リン脂質抗体症候群を対象とする。本発明の実施例ではガンの例示として肝ガンを示したが、広く本発明の手法を用いれば、この例示以外のガンにも適用可能である。例えば、肺ガン(肺扁平上皮ガン、肺腺ガン、小細胞肺ガン)、胸腺腫、甲状腺ガン、前立腺ガン、腎ガン、膀胱ガン、結腸ガン、直腸ガン、食道ガン、盲腸ガン、尿管ガン、乳ガン、子宮頸ガン、脳ガン、舌ガン、咽頭ガン、鼻腔ガン、喉頭ガン、胃ガン、胆管ガン、精巣ガン、卵巣ガン、子宮体ガン、転移性骨ガン、悪性黒色腫、骨肉腫、悪性リンパ腫、形質細胞腫、脂肪肉腫等例示される。
また、実施例では抗リン脂質抗体症候群を例示し、これは抗リン脂質抗体(PL)である抗カルジオリピン抗体(CL)、ループス抗凝固因子(LAC)、ワッセルマン反応(STS)偽陽性などの抗体を有し、臨床的に動・静脈の血栓症、血小板減少症、習慣流産・死産・子宮内胎児死亡などをみる。抗リン脂質抗体症候群は、全身性エリテマトーデス(SLE)を始めとする膠原病や自己免疫疾患に認められることが多いが(続発性)、原発性抗リン脂質抗体症候群にも存在する。
本発明では、血液、血液由来成分、尿、汗、爪、皮膚、又は毛髪特に血液又は血液由来物に近赤外光を照射して、健常人と各臨床疾患〔ガン、全身性エリテマトーデス(SLE)又は抗リン脂質抗体症候群〕との対比で、異常が総合的に判定可能であるので、臨床疾患の判定に応用可能である。
本発明において、判定のためには解析モデルの設定が好ましい。このモデルとの対比により、臨床疾患の情報特に臨床疾患の判定・診断結果を得ることができる。該解析モデルは、健常者及び臨床疾患者〔ガン、全身性エリテマトーデス(SLE)又は抗リン脂質抗体症候群〕の血液又は血液由来成分について、波長400nm〜2500nmの範囲またはその一部範囲の波長光を血液又は血液由来成分に照射し、その反射光、透過光または透過反射光を検出して吸光度スペクトルデータを得た後、その健常者と臨床疾患患者〔ガン、全身性エリテマトーデス(SLE)又は抗リン脂質抗体症候群〕との吸光度の差異を分析し、その差異波長を統計的に分析して得られる。なお、抗リン脂質抗体症候群では、抗リン脂質抗体の陽性及び陰性における吸光度の差異を分析し、その差異波長を統計的に分析して調製することもできる。
本発明の臨床疾患の情報を得るための検査・診断装置は、波長400nm〜2500nmの範囲またはその一部範囲の波長光を検体に照射する投光手段と、投光前又は投光後に分光する分光手段、および、前記検体に照射された光の反射光、透過光または透過反射光を検出する検出手段と、検出により得られた吸光度スペクトルデータの中の測定全波長あるいは特定波長の吸光度を、予め作成した解析モデルを用いて解析することによって検体の生化学物質を定量的または定性的に分析するデータ解析手段と、を備えたことを特徴とする検査・診断装置である。
スペクトル測定の概略
本装置による検査・診断・判定は、(a)波長400nm〜2500nmの範囲またはその一部範囲の波長光を検体である血液、血液由来成分、尿、汗、爪、皮膚、又は毛髪特に採取した血液又は血液由来の成分に照射し、(b)その反射光、透過光または透過反射光を検出して吸光度スペクトルデータを得た後、(c)その中の測定全波長あるいは特定波長の吸光度を、予め作成した解析モデルを用いて解析することによって、検体中のガン、全身性エリテマトーデス(SLE)又は抗リン脂質抗体症候群を検査・診断・判定する。
本発明の第1の特徴点は、簡易迅速かつ高精度に検体におけるガン、全身性エリテマトーデス(SLE)又は抗リン脂質抗体症候群の情報特に診断結果を入手可能な点にあり、身体に非侵襲的にガン又は抗リン脂質抗体症候群の検定も可能である。検体に照射する波長の範囲は、400nm〜2500nmの範囲またはその一部の範囲(例えば600〜1100nm)である。この波長の範囲は、解析モデルを作成した後、この解析モデルによる検査・診断・判定に必要な波長光を含む、1又は複数の波長域として設定することができる。
光源としては、ハロゲンランプ・LED等を使用できるが、特に限定されるものではない。光源から発せられた光は、直接またはファイバープローブ等の投光手段を介して検体に照射される。検体に照射する前に分光器によって分光する前分光方式を採用してもよいし、照射後に分光する後分光方式を採用してもよい。前分光方式の場合は、光源からの光をプリズムで一度に同時に分光する方法と、回折格子のスリット間隔を変化させることにより連続的に波長を変化させる方法とがある。後者の方法の場合には、光源からの光を所定の波長幅で分解することによって、連続的に波長を変化させた連続波長光が検体に照射される。例えば、600〜1000nmの範囲の波長光を波長分解能1nmで分解し、波長を1nmずつ連続的に変化させた光を検体に照射することが可能である。
検体に照射された光の反射光、透過光または透過反射光が検出器により検出され、生の吸光度スペクトルデータが得られる。生の吸光度スペクトルデータをそのまま使用して解析モデルによる検査・診断・判定を行ってもよいが、得られたスペクトル中のピークを分光学的手法あるいは多変量解析手法により要素ピークに分解するなどのデータ変換処理を行い、変換後の吸光度スペクトルデータを使用して解析モデルによる検査・診断・判定を行うことが好ましい。
分光学的手法としては、例えば、2次微分処理やフーリエ変換があり、多変量解析手法としてはウェブレット変換、ニューラルネットワーク法等が例示されるが、特に限定されるものではない。
なお、本装置によるスペクトル測定においては、検体に対し、所定の条件を付加することで摂動(perturbation)を与えることも可能である。
データの解析方法(解析モデルの作成)
本発明において装置は、得られた吸光度スペクトルデータ中の特定波長(または測定全波長)の吸光度を解析モデルで解析することによって、検体中のガン、全身性エリテマトーデス(SLE)又は抗リン脂質抗体症候群の異常度の検定を行う。つまり、最終的なガン、全身性エリテマトーデス(SLE)又は抗リン脂質抗体症候群の臨床検査に応用するためには、解析モデルが予め作成されていることが好ましい。無論、この解析モデルはスペクトル測定時にあわせて作成することでもよい。
解析モデルは測定前に予め作成しておくことが望ましいが、測定時に取得するスペクトルデータを解析モデル作成用と検定用とに2分割し、解析モデル作成用データをもとに得られた解析モデルを使用して検定を行ってもよい。例えば、大量の検体を一斉に検査する場合、検体の一部を解析モデル作成用とする。この場合は、測定時に解析モデルを作成することになる。この手法では教師データが無くても解析モデルを作成できる。定量および定性モデルの両方に対応可能である。
解析モデルは多変量解析によって作成可能である。例えば、血液の分析によって、ガン、全身性エリテマトーデス(SLE)又は抗リン脂質抗体症候群を予測する場合、スペクトル測定により取得した全波長の吸収スペクトルを格納するデータ行列を特異値分解によりScoreとLoadingとに分解し、血液からガン、全身性エリテマトーデス(SLE)又は抗リン脂質抗体症候群の変動を要約する主成分を抽出する(主成分分析)。主成分は分散(つまり、データ群のばらつき)が大きい順に主成分1、主成分2、主成分3・・・・となる。これにより、ガン、全身性エリテマトーデス(SLE)又は抗リン脂質抗体症候群の変動を定性的に解析することができる。また、これにともない、共線性(=説明変量間の相関が高いこと)の少ない独立な成分を重回帰分析に使用できるようになる。そして説明変量をScoreあるいはLoading、目的変量をガン、全身性エリテマトーデス(SLE)又は抗リン脂質抗体症候群の関連物質量とする重回帰分析を適用する。これにより、測定全波長あるいは特定波長の吸収スペクトルからガン、全身性エリテマトーデス(SLE)又は抗リン脂質抗体症候群の関連物質量を推定する解析モデルを作成できる。
これら一連の作業(多変量解析)は主成分回帰法(PCR: Principal Component Regression)あるいはPLS(Partial Least Squares)回帰法として確立されている(参考文献:尾崎幸洋、宇田明史、赤井俊男「化学者のための多変量解析−ケモメトリックス入門」、講談社、2002年)。
回帰分析法としてはこのほかにCLS(Classical Least Squares)法、クロスバリデーション法などが挙げられる。なお、抗リン脂質抗体症候群では、抗リン脂質抗体の陰性及び陽性間も同様に解析モデル調製が可能である。
多変量解析を使用した解析モデルの作成は、自作ソフトや市販の多変量解析ソフトを用いて行うことができる。また、使用目的に特化したソフトの作成により、迅速な解析が可能になる。
このような多変量解析ソフトを用いて組み立てられた解析モデルをファイルとして保存しておき、血液又は血液由来物を使用した検体の検定時にこのファイルを呼び出し、当該検体に対して解析モデルを用いた定量的または定性的な検定を行う。これにより、簡易迅速な検体のガン、全身性エリテマトーデス(SLE)又は抗リン脂質抗体症候群の臨床検査が可能になる。なお解析モデルは、定量モデル、定性モデルなど複数の解析モデルをファイルとして保存しておき、各モデルは適宜更新されることが好ましい。
このように、本発明の検査・診断・判定用プログラム(解析ソフト)は、解析モデル作成、更新、あるいは作成した解析モデルを用いてサンプルのスペクトルデータから各臨床疾患に関する検査・診断・判定をコンピュータに実行させるものである。本発明のプログラムは、これを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体として提供することができる。
解析モデルが作成されれば、当該解析モデルによる検定に必要な波長光が決定される。本装置は、こうして決定された1又は複数の波長域を検体に照射する構成とすることで装置構成をより単純化することができる。
本発明による好適な検体測定方法とデータ解析方法
本発明によるスペクトル測定においては、検体に対し、所定の条件を付加することで摂動(perturbation)を与えることが出来る。また、本装置によるデータ解析においては、この摂動の効果を引き出すようなデータ解析が好適に例示される。
摂動(perturbation)
「摂動」とは、ある条件について複数の種類・条件を設定し測定することで試料の吸光度変化をもたらし、互いに異なる複数のスペクトルデータを取得することをいう。条件としては、濃度変更(濃度希釈を含む)、光の繰り返し照射、照射時間の延長、電磁力付加、光路長変更、温度、pH、圧力、機械的振動、その他の条件の変更によって物理的または化学的な変化をもたらすもののいずれか、または、それらの組み合わせを挙げることができ、(1)光照射の仕方に関するものと、(2)検体の準備・調製の仕方に関するものとに大別される。(1)については光の繰り返し照射、(2)については濃度希釈の場合を例に挙げ、以下説明する。
光の繰り返し照射は、連続して又は一定の時間間隔で光を繰り返し照射して複数回の測定という摂動を与えて検体のスペクトル測定を行う方法である。例えば、光を3回連続照射することにより、検体の吸光度が微妙に変化し(揺らぎ)、互いに異なる複数のスペクトルデータが得られる。これらのスペクトルデータを主成分分析、SIMCA法やPLS等の多変量解析に用いることにより、解析精度を向上することができ、高精度な検査・診断が可能になる。なお、通常スペクトルを測定するときは、光を複数回照射し測定するが、これは平均値を出すことが目的であり、ここでいう「摂動」とは異なる。
摂動による検体の吸光度変化は、検体中の水分子の吸収に変化(揺らぎ)が生じるためと考えられる。すなわち摂動として光を3回繰り返し照射することによって、1回目、2回目、3回目それぞれ水の応答、吸収に微妙に異なる変化が起こり、その結果スペクトルに揺らぎが生じるものと考えられる。
このような3回繰り返し照射によりそれぞれ得られた吸光度スペクトルデータを使用して主成分分析又はSIMCA法使用することによって、実施例では各検体のガン、全身性エリテマトーデス(SLE)又は抗リン脂質抗体症候群患者由来かを良好に定性解析することができた。
また、このように光を3回繰り返し照射した場合、得られた3回の吸光度スペクトルデータのうち少なくとも2回の吸光度スペクトルデータを使用して主成分分析を行うことによって、各検体を良好に分類することができ、高精度な検査・診断・判定が可能である。光照射回数は特に3回に制限されないが、データ解析の煩雑さ等を考慮すると、3回程度が好ましい。
他方、濃度希釈による摂動は、検体を数段階に希釈したものを準備し、各検体のスペクトル測定を行う。これにより、1つの検体について複数のスペクトルデータが得られ、これらのスペクトルデータを多変量解析に用いることにより、高精度な検査・診断が可能になる。この場合の多変量解析例としては、まず各検体につき希釈度を目的変量とするPLS回帰分析を行い、次いで、得られた回帰ベクトルをSIMCA法などのパターン認識を用いて分類する。こうして作成されたクラス判別モデルを用いて、検体の回帰ベクトルがいずれのクラスの回帰ベクトル(パターン)に近いかを判別・分類することによって、検査・診断が可能である。
希釈数や希釈の程度は特に制限されるものではない。濃度希釈による摂動によって取得するスペクトルに揺らぎが生じればよいので、これらの数値は任意に設定することができる。
濃度希釈、光の繰り返し照射以外の摂動の条件についても同様に、取得するスペクトルに揺らぎを生じさせることができるように、各条件について複数の種類・条件を設定し、スペクトル測定を行うことができる(特願2003−379517号参照)。
摂動効果を引き出すデータ解析方法
「摂動効果を引き出すデータ解析」とは、1つの検体につき摂動により得られた複数のスペクトルデータを使用して解析モデルを作成すること、および、その解析モデルを使用してデータ解析を行うことをいうが、そのデータ解析方法の具体例として、下記3つの方法を挙げることができる。
(a)定量的解析:PLS法などの回帰分析により作成した定量モデルを用いて、特定生化学物質量など検体中の目的物質を定量する方法
定量モデルは、1つの検体につき摂動により得られた複数のスペクトルデータを使用して作成する。
(b)定性的解析1:主成分分析やSIMCA法などのクラス判別解析により作成した定性モデルを用いて、検体を検定する方法
定性モデルは、1つの検体につき摂動により得られた複数のスペクトルデータを使用して作成する。
(c)定性的解析2:(1)濃度希釈値(希釈度)など摂動の各値(摂動を与えるため条件を振った各値)を目的変量とする回帰分析(PLS法など)を行い、(2)同分析により得られた回帰ベクトルに対して、主成分分析やSIMCA法などのクラス判別解析を行うことで作成した定性モデルを用いて、検体を検定する方法
回帰分析は、上記のように、1つの検体につき摂動により得られた複数のスペクトルデータを使用して行う。
本発明における測定装置の具体的構成
本発明に係る装置の検査・診断システムの構成としては、プローブ(投光部)、分光・検出部、データ解析部および結果表示部の4つの要素を備えて構成することができる。
プローブ(投光手段)
プローブは、ハロゲンランプ・LED等の光源からの光(波長400nm〜2500nmの全範囲またはその一部範囲)を測定対象である検体に導く機能を有する。例えばファイバープローブとし、柔軟な光ファイバーを介して測定対象(検体)に投光する構成が挙げられる。一般に近赤外線分光器のプローブは安価に作製することができ、低コストである。
なお、光源から発せられた光を直接測定対象である検体に投光する構成としてもよいが、その場合プローブは不要であり、光源が投光手段として機能する。
前述のように、解析モデルが作成されれば、当該解析モデルによるガン、全身性エリテマトーデス(SLE)又は抗リン脂質抗体症候群の検査・診断・判定に必要な波長光が決定される。本装置は、こうして決定された1又は複数の波長域を検体に照射する構成とすることで装置構成をより単純化することができる。
また、本装置は、摂動を与えながらスペクトル測定を行うことを好適な態様としており、摂動付与に必要な構成を適宜備えることが好ましい。
分光・検出部(分光手段および検出手段)
本装置は、測定システムとして近赤外線分光器の構成を有する。近赤外線分光器は一般に、光を測定対象物である検体に照射し、この対象物からの反射光や透過光あるいは透過反射光を検出部で検出する。さらに、検出された光について波長別に入射光に対する吸光度が測定される。
ガン患者特に肝ガン患者の検査・診断装置では、好ましくは625〜675nm、775〜840nm、910〜950nm、970〜1010nm、1020〜1060nm、および1070〜1090内の各波長の±5nmの範囲の複数の波長域から選ばれる2以上の波長の吸光度を測定する。
また、SLE患者に関する検査・診断装置では、好ましくは740〜780nm、790〜840nm、845〜870nm、950〜970nm、975〜1000nm、1010〜1050および1060〜1100内の各波長の±5nmの範囲の複数の波長域から選ばれる2以上の波長の吸光度を測定する。
また、抗リン脂質抗体症候群(APLs陽性又は陰性)に関する検査・診断装置では、好ましくは600〜650nm、660〜690nm、780〜820nm、850〜880nm、900〜920nm、925〜970および1000〜1050内の各波長の±5nmの範囲の複数の波長域から選ばれる2以上の波長の吸光度を測定する。
分光方式には前分光と後分光とがある。前分光は、測定対象物に投光する前に分光する。後分光は、測定対象物からの光を検出し分光する。本装置の分光・検出部は、前分光、後分光いずれの分光方式を採用するものであってもよい。
検出方法には3種類あり、反射光検出、透過光検出および透過反射光検出がある。反射光検出および透過光検出は、それぞれ、測定対象物からの反射光と透過光とを検出器によって検出する。透過反射光検出は、入射光が測定対象物内に入射した屈折光が物体内で反射し、再び物体外に放射された光が反射光と干渉する光を検出する。本装置の分光・検出部は、反射光検出、透過光検出および透過反射光検出のいずれの検出方式を採用するものであってもよい。
分光・検出部内の検出器は、例えば半導体素子であるCCD(Charge Coupled Device)などによって構成することができるが、勿論これに限定されるものではなく、他の受光素子を使用してもよい。分光器についても公知の手段によって構成することができる。
データ解析部(データ解析手段)
分光・検出部から波長別の吸光度、即ち吸光度スペクトルデータが得られる。データ解析部は、この吸光度スペクトルデータをもとに、予め作成した解析モデルを使用して、検体環境の変化の検定を行う。
解析モデルは、定量モデル、定性モデルなど複数の解析モデルを用意しておき、定量評価を行うか、あるいは定性的評価を行うかに応じて、異なるものを使用してもよい。また、解析モデルは、ガン、全身性エリテマトーデス(SLE)又は抗リン脂質抗体症候群の関連物質量毎に作成しておき、1つの装置でいずれの検査も可能な構成としてもよい。
データ解析部は、スペクトルデータ、多変量解析用プログラム、解析モデルなどの各種データを記憶する記憶部と、これらのデータおよびプログラムに基づき演算処理を行う演算処理部とによって構成することができ、例えばICチップなどによって実現可能である。したがって、本装置を携帯型とするため小型化することも容易である。上記の解析モデルも、ICチップなどの記憶部に書き込まれる。
結果表示部(表示手段)
結果表示部は、データ解析部における解析結果を表示する。具体的には、解析モデルによる解析の結果得られた検体中の特定生化学物質量などの濃度値を表示する。あるいは、定性モデルの場合は、その判別結果に基づき「正常」「異常の可能性高い」「異常」などといった表示を行う。なお、本装置を携帯型とする場合は、結果表示部を液晶等のフラットディスプレイとすることが好ましい。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例によって何ら限定されるものではない。
近赤外線分光法による検査
吸収スペクトルの測定
本実施例では、以下の測定方法により、各検体の吸収スペクトルを測定した。
健常人及び各臨床疾患検体〔ガン、全身性エリテマトーデス(SLE)、抗リン脂質抗体症候群〕の血清を入手し、20倍程度に希釈した血清を検体試料に使用した。1つの試料につき3回連続照射にて各々得られた3つの吸光度データを使用して解析モデルを作成した。このような方法で解析モデルを作成することができ、また、同様の方法で未知試料のスペクトル測定を行い、得られた吸光度データを当該解析モデルにより解析することで各疾患〔ガン、全身性エリテマトーデス(SLE)、抗リン脂質抗体症候群〕の検査・診断が可能である。
各群について、検体である各血清について近赤外線を使い測定した。検体を10倍程度に希釈し、ポリスチレンキュベットに入れ、近赤外線分光装置(製品名「FQA-NIRGUN(Japan Fantec Research Institute, Shizuoka, Japan)」)を使用して光繰り返し照射の摂動を与えながら測定を行った。具体的には、600〜1100nmの波長光を連続して3回検体に照射することで、各透過光を検出することによって吸収スペクトルを測定した。波長分解能は2nmである。図1−1にあるように光出力部と光検出部で検体を挟むことにより、検体を透過する光路長は検体容器の大きさに設定した。積算時間は20msecである。(参照:作道章一, 小林孝徳, 菅沼嘉一, 平瀬行良, 倉恒弘彦, 生田和良, 特集 疲労・倦怠 新たな疲労の診断法「近赤外分光解析を用いた診断法」, 綜合臨牀, Vol.55, pp70-75, 2006)
吸収スペクトルの解析
本実施例では健常者血液の吸収スペクトルと各臨床疾患〔ガン、全身性エリテマトーデス(SLE)、抗リン脂質抗体症候群〕血液の吸収スペクトルを測定し、その差異についての主成分分又はSIMCA解析をおこない、各波長で主成分分析モデルおよびSIMCAモデルを作成し各疾患〔ガン、全身性エリテマトーデス(SLE)、抗リン脂質抗体症候群〕者と健常者の各波長における差異の大きさを解析し、検討した。抗リン脂質抗体症候群については、抗リン脂質抗体の陽性及び陰性についても、予測・検討した。
また、上記により作成されたモデルによる未知検体を用いた予測は、以下のようにして決定した。
モデル作成に用いた検体(Test sample)とは別にMasked sampleを用意し、このMasked sampleを予測測定用の未知検体として用いた。これら予測測定用検体の吸収スペクトルを主成分分析モデルやSIMCAモデルに代入することにより、モデルの有効性について検討を行った。
なお、バリデーションと呼ばれる方法でモデルの有効性を検証する方法もある。バリデーションはサンプルを取り除き、モデルの有効性を検証する方法で、主にstep validationとcross validationがある。Step validationは連続するサンプル順番の組みを除外し、crossはとびとびの順番で除外してモデルを作成した後に、除外されたサンプルが正しく判定されるかを検証する。今回は、未知検体を用いてモデルの有効性の検討をおこなったため、バリデーションは行わなかった。
以下に結果を説明する。
図1(2〜4)は、肝ガン(HCC)患者と健常者の近赤外分光法測定の主成分分析のScore結果を示す。図1−2と図1−4は、Test sample (76人肝ガン患者、31人健常者)での近赤外分光法主成分分析モデルの作成を示す。
図1−2では、縦軸にPC2(主成分2のScore)、横軸にPC1(主成分1のScore)を各検体のPC1&PC2プロット位置で肝ガン患者スペクトルと健常者スペクトルでの分布分析をしたものである。その結果、図1−2の左側の灰色表示部に肝ガン(HCC)患者スペクトルのものが分布し、図1−2の右側の黒色表示部に健常者スペクトルのものが分布した。
図1−3は、未知サンプル(masked sample) (21人肝ガン患者、20人健常者)での近赤外分光法測定のPCAを用いた判定結果を示す。図1−3では縦軸にPC2(主成分2のScore)、横軸にPC1(主成分1のScore)を各検体のPC1&PC2プロット位置で肝ガン患者と健常者での分布分析をしたものである。その結果、図1−3の左側の灰色表示部に肝ガン(HCC)患者スペクトルのものが分布し、図1−3の右側の黒色表示部に健常者スペクトルのものが分布した。
図1−4では、主成分1と主成分2の各波長でのLoadingを示す。黒が主成分1の場合であり、灰色が主成分2の場合である。主成分1は630, 800-950, 1050 nmの吸光度を重く利用し、主成分2では、630, 700, 900, 950, 1050 nmの吸光度を重く利用している。
)。
図1−5には、主成分分析条件を示した。図1−5のアルゴリズムについて以下に簡単に説明する。
「♯ of Includes Samples」は、解析に使用したサンプル数(スペクトル数)であり、サンプル数321は、107サンプルをそれぞれ3回連続照射にて各々得られた3つの吸光度データを使用したことを意味する。
「Preprocessing」は、前処理を示し、「Mean-center」はデータセットの中心にプロットの原点を移動したことを示す。「Maximum factor」は、最大に解析するFactor(主成分)数を示し、10まで選択した。「Optimal factors」は解析の結果モデルを作成するのに最適だったFactor数を示す。「Prob. threshold」は、あるクラスに属するか判断する際の閾値を示す。「Calib Transfer」は、装置間の違いを緩和させる数学的な調整を行なうか否かを示す。「Transform」は変換を示し、「Smooth」は平滑化をしたことを示す。
図2(1〜5)は、肝ガン(HCC)患者と健常者での近赤外分光法測定のSIMCA解析の結果を示す。
図2−1は、Test sample(76人肝ガン患者、31人健常者)を用いた近赤外分光測定による主成分分析モデルの作成を示し、横軸にSIMCAモデルにより定義された肝ガン(HCC)患者の典型的なスペクトルからの各スペクトルの距離(異なり具合)を示す。縦軸にSIMCAモデルにより定義された健常者の典型的なスペクトルからの各スペクトルの距離を示す。図2−1では、健常者スペクトルは図右側の黒、肝ガン(HCC)患者スペクトルは図左側の灰色のプロットであった。
図2−2は、未知サンプル(masked sample) (21人 肝ガン患者、20人 健常者)を用いた判定を示し、横軸にSIMCAモデルにより定義された肝ガン(HCC)患者の典型的なスペクトルからの各スペクトルの距離(異なり具合)を示す。縦軸にSIMCAモデルにより定義された健常者の典型的なスペクトルからの各スペクトルの距離を示す。図2−2では、健常者スペクトルは図右側の黒、肝ガン(HCC)患者スペクトルは図左側の灰色のプロットであった。
図2−3は、SIMCAモデルからのガンの予測結果を示し、Masked sample:肝ガン患者21人X3スペクトル、健常者20人X3スペクトルでの結果である。縦軸は、実数の肝ガン(HCC)患者スペクトルと健常者スペクトル、横軸のPred HCC、Pred HealthyはSIMCAモデルからの予測結果であり、実際の肝ガン(HCC)患者スペクトルのうちSIMCAモデルからも肝ガン(HCC)患者スペクトルと予測され、結果が一致したものが63ケース、実際の健常者スペクトルをSIMCAモデルでは肝ガン(HCC)患者スペクトルと判定したものは8ケース、実際の肝ガン(HCC)患者スペクトルをSIMCAモデルからは健常者スペクトルと予測したものが0ケース、実際の健常者スペクトルをSIMCAモデルからも健常者スペクトルと予測したものは46ケース、表中NO MATCHとは肝ガン患者スペクトルとも健常者スペクトルとも予測されなかったものを意味する。
図2−4は、横軸に波長、縦軸に識別力(discriminating power:肝ガン患者スペクトルと健常者スペクトルで統計的に吸光度がどの波長で異なっているのかを示す)を示す。すなわち、識別力の高いシャープなピークの波長が、健常者と肝ガン(HCC)患者間の判別に有効な波長の1つと考えられる。したがって、このようなSIMCA解析によって得られた図2−4に記載の波長に着目して判別を行うことによって、肝ガン(HCC)患者かどうかを簡易迅速かつ精度良く診断することが可能である。
本発明では、図2−4の結果により、ガン患者特に肝ガン患者に関する検査・判定・診断が、625〜675nm、775〜840nm、910〜950nm、970〜1010nm、1020〜1060nm、および1070〜1090内の各波長の±5nmの範囲の複数の波長域から選ばれる2以上の波長の吸光度スペクトルデータを用いた解析により行うことができた。
なお、図2−5には、SIMCAの条件を示した。図2−5のアルゴリズムについて以下に簡単に説明する。
「♯ of Includes Samples」は、解析に使用したサンプル数(スペクトル数)であり、サンプル数321は、107サンプルをそれぞれ3回連続照射にて各々得られた3つの吸光度データを使用したことを意味する。
「Preprocessing」は、前処理を示し、「Mean-center」はデータセットの中心にプロットの原点を移動したことを示す。「Scope」は、GlobalとLocalがあるが、Localを選択した。「Maximum factor」は、最大に解析するFactor(主成分)数を示し、9まで選択した。「Optimal factors」は解析の結果モデルを作成するのに最適だったFactor数を示す。「Prob. threshold」は、あるクラスに属するか判断する際の閾値を示す。「Calib Transfer」は、装置間の違いを緩和させる数学的な調整を行なうか否かを示す。「Transform」は変換を示し、「Smooth」は平滑化をしたことを示す。
図3(1〜4)は、全身性エリテマトーデス(SLE)と健常者の主成分分析のScoreを示した。図3−1と図3−3は、Test sample(97人 SLE、41人 健常者)を用いた近赤外スペクトルの主成分分析モデルの作成を示し、図3−2は、未知サンプル(masked sample) (25人SLE、10人健常者)を用いた判定を示す。
図3−1では、縦軸にPC2(主成分2のScore)、横軸にPC1(主成分1のScore)を各検体のPC1&PC2プロット位置でSLE患者と健常者での分布分析をしたものである。その結果、図3−1の左側の灰色表示部にSLE患者スペクトルのものが分布し、図3−1の右側の黒色表示部に健常者スペクトルのものが分布した。
図3−2は、未知サンプル(masked sample)での近赤外スペクトルの主成分分析を用いた判定結果を示す。図3−2では縦軸にPC2(主成分2のScore)、横軸にPC1(主成分1のScore)を各検体のPC1&PC2プロット位置でSLE患者と健常者での分布分析をしたものである。その結果、図3−2の左側の灰色表示部にSLE患者スペクトルのものが分布し、図3−2の右側の黒色表示部に健常者スペクトルのものが分布した。
図3−3では、主成分1と主成分2の各波長でのLoadingを示す。黒が主成分1の場合であり、灰色が主成分2の場合である。主成分1は650, 800-900, 950, 1050 nmを重く利用し、主成分2では620, 900, 950, 1050 nmを重く利用している。
なお、図3−4には、主成分分析条件を示した(図1のアルゴリズムの簡単な説明を参照)。
図4(1〜5)は、SLE患者と健常者での近赤外分光法測定のSIMCAの結果を示す。図4−1と図4−4は、Test sample(97人 SLE患者、41人 健常者)を用いた近赤外スペクトルのSIMCAモデルの作成を示した。図4−1は、横軸にSIMCAモデルにより定義されたSLE患者の典型的なスペクトルからの各スペクトルの距離(異なり具合)を示す。縦軸にSIMCAモデルにより定義された健常者の典型的なスペクトルからの各スペクトルの距離を示す。
図4−1では、健常者スペクトルは図右側の黒、SLE患者スペクトルは図左側の灰色のプロットであった。
図4−2は、未知サンプル(masked sample) (25人 SLE患者、10人 健常者)を用いた判定を示し、横軸にSIMCAモデルにより定義されたSLE患者の典型的なスペクトルからの各スペクトルの距離(異なり具合)を示す。縦軸にSIMCAモデルにより定義された健常者の典型的なスペクトルからの各スペクトルの距離を示す。図4−2では、健常者スペクトルは図右側の黒、SLE患者スペクトルは図左側の灰色のプロットであった。
図4−3は、SIMCAモデルからのSLEの予測結果を示し、Masked sample :SLE患者25人X3スペクトル、健常者10人X3スペクトルでの結果である。縦軸は、実数のSLE患者と健常者、横軸のPred SLE、Pred HealtyはSIMCAモデルからの予測であり、実際のSLE患者スペクトルのうちSIMCAモデルからもSLE患者スペクトルと予測され、結果が一致したものが75ケース、実際の健常者スペクトルをSIMCAモデルではSLE患者スペクトルと判定したものは0ケース、実際のSLE患者スペクトルをSIMCAモデルからは健常者スペクトルと予測したものが0ケース、実際の健常者スペクトルをSIMCAモデルからも健常者スペクトルと予測したものは30ケース、表中NO MATCHとはSLE患者スペクトルとも健常者スペクトルとも予測されなかったものを意味する。
図4−4は、横軸に波長、縦軸にdiscriminating power(SLE患者スペクトルと健常者スペクトルで統計的に吸光度がどの波長でことなっているのかを示す)を示す。すなわち、識別力の高いシャープなピークの波長が、健常者とSLE患者の判別に有効な波長の1つと考えられる。したがって、このようなSIMCA解析によって得られた図4−4に記載の波長に着目して判別を行なうことによって、SLE患者かどうかを簡易迅速かつ精度良く診断することが可能である。
本発明では、図4−4の結果により、SLE患者に関する検査・判定・診断が、740〜780nm、790〜840nm、845〜870nm、950〜970nm、975〜1000nm、1010〜1050および1060〜1100内の各波長の±5nmの範囲の複数の波長域から選ばれる2以上の波長の吸光度スペクトルデータを用いた解析により行うことができた。
なお、図4−5には、SIMCAの条件を示した(図2のアルゴリズムの簡単な説明を参照)。
図5(1〜4)は、全身性エリテマトーデス(SLE)で抗リン脂質抗体(APLs)陽性検体とSLEでAPLs陰性検体の主成分分析Score結果を示した。図5−1と図5−3は、Test sample(51人APLs(+)、41人APLs(-))を用いた近赤外スペクトルの主成分分析モデルの作成を示し、図5−2は、未知サンプル(masked sample) (15人APLs(+)、15人APLs(-))を用いた判定を示す。
図5−1では縦軸にPC2(主成分2のScore)、横軸にPC1(主成分1のScore)を各検体のPC1&PC2プロット位置でAPLs陽性患者スペクトルとAPLs陰性患者スペクトルでの分布分析をしたものである。その結果、図5−1の上側の灰色表示部にAPLs陽性患者スペクトルのものが分布し、図5−1の下側の黒色表示部にAPLs陰性患者スペクトルのものが分布した。
図5−2は、未知サンプル(masked sample)での近赤外スペクトルの主成分分析Scoreを用いた判定結果を示す。図5−2では縦軸にPC2(主成分2のScore)、横軸にPC1(主成分1のScore)を各検体のPC1&PC2プロット位置でAPLs陽性患者スペクトルとAPLs陰性患者スペクトルでの分布分析をしたものである。その結果、図5−2の上側の灰色表示部にAPLs陽性患者スペクトルのものが分布し、図5−2の下側の黒色表示部にAPLs陰性患者スペクトルのものが分布した。
図5−3では、主成分1と主成分2の各波長でのLoadingを示す。黒が主成分1の場合であり、灰色が主成分2の場合である。主成分1は620, 905, 960, 1020 nmを重く利用し、主成分2では640, 810, 940, 1020, 1060 nmを重く利用している。
なお、図5−4には、主成分分析条件を示した。(図1のアルゴリズムの簡単な説明を参照)。
図6(1〜5)は、全身性エリテマトーデス(SLE)で抗リン脂質抗体(APLs)陽性検体とSLEでAPLs陰性検体のSIMCA分析を示した。図6−1と図6−3は、Test sample(51人APLs陽性患者、41人APLs陰性患者)を用いた近赤外スペクトルのSIMCAモデルの作成を示す。
図6−1は、横軸にSIMCAモデルにより定義されたAPLs陽性患者の典型的なスペクトルからの各スペクトルの距離(異なり具合)を示す。縦軸にSIMCAモデルにより定義されたAPLs陰性患者の典型的なスペクトルからの各スペクトルの距離を示す。図6−1では、APLs陰性患者スペクトルは図右下側の黒、APLs陽性患者スペクトルは図左上側の灰色のプロットであった。
図6−2は、未知サンプル(masked sample) (15人APLs陽性患者、15人APLs陰性患者)を用いた判定を示し、横軸にSIMCAモデルにより定義されたAPLs陽性患者の典型的なスペクトルからの各スペクトルの距離(異なり具合)を示す。縦軸にSIMCAモデルにより定義されたAPLs陰性患者の典型的なスペクトルからの各スペクトルの距離を示す。図6−2では、APLs陰性患者スペクトルは図右下側の黒、APLs陽性患者スペクトルは図左上側の灰色のプロットであった。
図6−3は、横軸に波長、縦軸にdiscriminating power(APLs陽性患者スペクトルとAPLs陰性患者スペクトルで統計的に吸光度がどの波長で異なっているのかを示す)を示す。すなわち、識別力の高いシャープなピークの波長が、APLs陽性患者とAPLs陰性患者の判別に有効な波長の1つと考えられる。したがって、このようなSIMCA解析によって得られた図6−3に記載の波長に着目して判別を行うことによって、APLs陽性患者又はAPLs陰性患者のどちらかであるかを簡易迅速かつ精度良く診断することが可能である。
本発明では、図6−3の結果により、抗リン脂質抗体症候群(APLs陽性又は陰性)に関する検査・判定・診断が、600〜650nm、660〜690nm、780〜820nm、850〜880nm、900〜920nm、925〜970および1000〜1050内の各波長の±5nmの範囲の複数の波長域から選ばれる2以上の波長の吸光度スペクトルデータを用いた解析により行うことができた。
図6−4は、SIMCAモデルからのAPLs陽性患者の予測結果を示し、Masked sample(APLs陽性患者25人X3スペクトル、APLs陰性患者10人X3スペクトル)での結果である。縦軸は、実数のAPLs陽性患者とAPLs陰性患者、横軸のPred APLs(+)、Pred APLs(-)はSIMCAモデルからの予測であり、実際のAPLs陽性患者スペクトルのうちSIMCAモデルからもAPLs陽性患者スペクトルと予測され、結果が一致したものが45ケース、実際のAPLs陰性患者スペクトルをSIMCAモデルではAPLs陽性患者スペクトルと判定したものは4ケース、実際のAPLs陽性患者スペクトルをSIMCAモデルからはAPLs陰性患者スペクトルと予測したものが0ケース、実際のAPLs陰性患者スペクトルをSIMCAモデルからもAPLs陰性患者スペクトルと予測したものは39ケース、表中NO MATCHとはAPLs陽性患者スペクトルともAPLs陰性患者スペクトルとも予測されなかったものを意味する。
なお、図6−5には、SIMCAの条件を示した(図2のアルゴリズムの簡単な説明を参照)。
以上のように、本発明は、波長400nm〜2500nmの範囲またはその一部範囲の波長光を血液又は血液由来物に照射し、その反射光、透過光または透過反射光を検出して吸光度スペクトルデータを得た後、その中の測定全波長あるいは特定波長の吸光度を、予め作成した解析モデルを用いて解析することによって血液又は血液由来物についてガン、全身性エリテマトーデス(SLE)及び抗リン脂質抗体症候群を簡易迅速かつ高精度に検査・判定することができ、臨床検査などに広く利用できるものである。
吸収スペクトルの測定装置を示す。 Test sample (76人肝ガン患者、31人健常者)での近赤外スペクトルの主成分分析(PCA)モデルを用いた結果を示す。 未知サンプル(masked sample) (21人肝ガン患者、20人健常者)での近赤外スペクトルの主成分分析(PCA)を用いた判定結果を示す。 Test sample (76人肝ガン患者、31人健常者)での近赤外スペクトルの主成分分析(PCA)モデルのloadingを示す。 PCA条件を示す。 Test sample(76人肝ガン患者、31人健常者)を用いた近赤外スペクトルのSIMCAモデルを用いた結果を示す。 未知サンプル(masked sample) (21人 肝ガン患者、20人 健常者)を用いた近赤外スペクトルのSIMCAモデルを用いた結果を示す。 SIMCAモデルからのガンの予測結果を示す。 Masked sample(76人肝ガン患者、31人健常者)を用いた近赤外スペクトルのSIMCAモデルのDiscriminating power(識別力)を示す。 SIMCAの条件を示す。 Test sample(97人 SLE、41人 健常者)を用いた近赤外スペクトルの主成分分析(PCA)モデルを用いた結果を示す。 未知サンプル(masked sample) (25人SLE、10人健常者)を用いた判定近赤外スペクトルの主成分分析(PCA)を用いた判定結果を示す。 Test sample(97人 SLE、41人 健常者)を用いた近赤外スペクトルの主成分分析(PCA)モデルのloadingを示す PCA条件を示す。 Test sample(97人 SLE患者、41人 健常者)を用いた近赤外スペクトルのSIMCAモデルを用いた結果を示す。 未知サンプル(masked sample) (25人 SLE患者、10人 健常者)を用いた近赤外スペクトルのSIMCAモデルを用いた結果を示す。 SIMCAモデルからのSLEの予測結果を示す。 Test sample(97人 SLE患者、41人 健常者)を用いた近赤外スペクトルのSIMCAモデルのDiscriminating power(識別力)を示す。 SIMCAの条件を示す。 Test sample(51人APLs(+)、41人APLs(-))を用いた近赤外スペクトルの主成分分析(PCA)モデルを用いた結果を示す。 未知サンプル(masked sample) (15人APLs(+)、15人APLs(-))を用いた近赤外スペクトルの主成分分析(PCA)を用いた結果を示す。 Test sample(51人APLs(+)、41人APLs(-))を用いた近赤外スペクトルの主成分分析(PCA)モデルのloadingを示す。 PCA条件を示す。 Test sample(51人APLs陽性患者、41人APLs陰性患者)を用いた近赤外スペクトルのSIMCAモデルを用いた結果を示す。 未知サンプル(masked sample) (15人APLs陽性患者、15人APLs陰性患者)を用いた近赤外スペクトルのSIMCAモデルを用いた結果を示す。 Test sample(51人APLs陽性患者、41人APLs陰性患者)を用いた近赤外スペクトルのSIMCAモデルのDiscriminating power(識別力)を示す。 SIMCAモデルからのAPLs陽性患者の予測結果を示す。 SIMCAの条件を示す。

Claims (5)

  1. 波長400nm〜2500nmの範囲の波長光またはその一部範囲の波長光を、健常者及び臨床疾患患者から採取した血漿又は血清に、発信し、その反射光、透過光または透過反射光を検出して吸光度スペクトルデータを得た後、その中の測定全波長あるいは複数の波長域から選ばれる2以上の特定波長の吸光度について、その健常者と臨床疾患患者との間での差異を、主成分分析又はSIMCA法を使用して解析することからなる以下から選ばれる臨床疾患の検査・診断装置の作動方法。
    1)ガン
    2)全身性エリテマトーデス(SLE)
    3)抗リン脂質抗体症候群
  2. 波長光を、血漿又は血清に、繰り返し発信し複数回測定の摂動を与える請求項1の検査・診断装置の作動方法。
  3. ガンの臨床疾患の判定において、625〜675nm、775〜840nm、910〜950nm、970〜1010nm、1020〜1060nm、および1070〜1090内の各波長の±5nmの範囲の複数の波長域から選ばれる2以上の波長の吸光度スペクトルデータを使用する請求項1又は2に記載の検査・診断装置の作動方法。
  4. 全身性エリテマトーデス(SLE)臨床疾患の判定において、740〜780nm、790〜840nm、845〜870nm、950〜970nm、975〜1000nm、1010〜1050および1060〜1100内の各波長の±5nmの範囲の複数の波長域から選ばれる2以上の波長の吸光度スペクトルデータを使用する請求項1又は2に記載の検査・診断装置の作動方法。
  5. 抗リン脂質抗体症候群臨床疾患の判定において、600〜650nm、660〜690nm、780〜820nm、850〜880nm、900〜920nm、925〜970および1000〜1050内の各波長の±5nmの範囲の複数の波長域から選ばれる2以上の波長の吸光度スペクトルデータを使用する請求項1又は2に記載の検査・診断装置の作動方法。
JP2008523756A 2006-07-06 2007-07-06 近赤外光を用いたガン、全身性エリテマトーデス(sle)又は抗リン脂質抗体症候群に関する検査・診断装置の作動方法 Expired - Fee Related JP5047962B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008523756A JP5047962B2 (ja) 2006-07-06 2007-07-06 近赤外光を用いたガン、全身性エリテマトーデス(sle)又は抗リン脂質抗体症候群に関する検査・診断装置の作動方法

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006186223 2006-07-06
JP2006186223 2006-07-06
PCT/JP2007/063579 WO2008004665A1 (fr) 2006-07-06 2007-07-06 Procédé et appareil pour tester un cancer, un lupus érythémateux systémique (sle) ou un syndrome d'anticorps antiphospholipide à l'aide de rayons proches de l'infrarouge
JP2008523756A JP5047962B2 (ja) 2006-07-06 2007-07-06 近赤外光を用いたガン、全身性エリテマトーデス(sle)又は抗リン脂質抗体症候群に関する検査・診断装置の作動方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2008004665A1 JPWO2008004665A1 (ja) 2009-12-10
JP5047962B2 true JP5047962B2 (ja) 2012-10-10

Family

ID=38894631

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008523756A Expired - Fee Related JP5047962B2 (ja) 2006-07-06 2007-07-06 近赤外光を用いたガン、全身性エリテマトーデス(sle)又は抗リン脂質抗体症候群に関する検査・診断装置の作動方法

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20110028808A1 (ja)
JP (1) JP5047962B2 (ja)
WO (1) WO2008004665A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11389092B2 (en) 2019-08-20 2022-07-19 Samsung Electronics Co., Ltd. Apparatus and method for estimating bio-information

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB0706398D0 (en) * 2007-04-02 2007-05-09 Univ Hospital Of North Staford Improvements in and relating to copd determination
EP2440937B1 (en) * 2009-06-12 2014-10-29 SBC Research Pty Ltd A diagnostic method
JP5812461B2 (ja) * 2010-05-25 2015-11-11 国立大学法人名古屋大学 生体組織検査装置及び検査方法
JP2013533960A (ja) 2010-06-01 2013-08-29 トドス メディカル リミテッド がんの診断
WO2012153326A1 (en) 2011-05-11 2012-11-15 Todos Medical Ltd. Diagnosis of cancer
EP3004870B1 (en) 2013-05-28 2019-01-02 Todos Medical Ltd. Differential diagnosis of benign tumors
KR101876607B1 (ko) * 2014-10-30 2018-07-16 한국과학기술원 펌웨어 기반의 휴대 및 확장이 가능한 광분광학 시스템 및 그 제어 방법
JP6618789B2 (ja) * 2015-11-27 2019-12-11 サクラ精機株式会社 分析方法および分析装置
JP2017203637A (ja) * 2016-05-09 2017-11-16 住友電気工業株式会社 腫瘍細胞検出方法及び腫瘍細胞検出装置
JP6835347B2 (ja) * 2016-08-24 2021-02-24 学校法人東京理科大学 代謝産物分析方法及び代謝産物分析装置
WO2020081896A1 (en) * 2018-10-19 2020-04-23 The Trustees Of Columbia University In The City Of New York Flexible optical imaging bands for the diagnosis of systemic lupus erythematosus in finger joints
CN113130021B (zh) * 2019-12-31 2023-04-28 贵州医渡云技术有限公司 一种临床数据的分析方法、装置、可读介质及电子设备
US11925456B2 (en) 2020-04-29 2024-03-12 Hyperspectral Corp. Systems and methods for screening asymptomatic virus emitters

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5596992A (en) * 1993-06-30 1997-01-28 Sandia Corporation Multivariate classification of infrared spectra of cell and tissue samples
WO2004094638A1 (ja) * 2003-04-21 2004-11-04 St. Marianna University, School Of Medicine 血管炎抗原ペプチドと血管炎診断方法
JP2005055228A (ja) * 2003-07-31 2005-03-03 Japan Science & Technology Agency 酸化的ストレスの検出方法
WO2007066589A1 (ja) * 2005-12-06 2007-06-14 Fatigue Science Laboratory Inc. 近赤外分光を用いた生活習慣病に関する検査・診断法および装置

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6503478B2 (en) * 1999-01-13 2003-01-07 Lightouch Medical, Inc. Chemically specific imaging of tissue
DE19923811C1 (de) * 1999-05-20 2000-12-07 Robert Koch Inst Verfahren zur Diagnose TSE-induzierter Veränderungen in Geweben mittels Infrarotspektroskopie
CN1366604A (zh) * 2000-03-31 2002-08-28 神户大学校长代表的日本国 用可见光线和/或近红外线诊断有无***炎的方法与装置
US8213005B2 (en) * 2003-07-22 2012-07-03 King Saud University Method for discriminating between benign and malignant prostate tumors

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5596992A (en) * 1993-06-30 1997-01-28 Sandia Corporation Multivariate classification of infrared spectra of cell and tissue samples
WO2004094638A1 (ja) * 2003-04-21 2004-11-04 St. Marianna University, School Of Medicine 血管炎抗原ペプチドと血管炎診断方法
JP2005055228A (ja) * 2003-07-31 2005-03-03 Japan Science & Technology Agency 酸化的ストレスの検出方法
WO2007066589A1 (ja) * 2005-12-06 2007-06-14 Fatigue Science Laboratory Inc. 近赤外分光を用いた生活習慣病に関する検査・診断法および装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11389092B2 (en) 2019-08-20 2022-07-19 Samsung Electronics Co., Ltd. Apparatus and method for estimating bio-information

Also Published As

Publication number Publication date
US20110028808A1 (en) 2011-02-03
JPWO2008004665A1 (ja) 2009-12-10
WO2008004665A1 (fr) 2008-01-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5047962B2 (ja) 近赤外光を用いたガン、全身性エリテマトーデス(sle)又は抗リン脂質抗体症候群に関する検査・診断装置の作動方法
EP1250083B1 (en) Sex determination
Ellis et al. Metabolic fingerprinting in disease diagnosis: biomedical applications of infrared and Raman spectroscopy
KR100520857B1 (ko) 비침투적적외선분광학에서멀티-스펙트럼분석을위한방법및장치
US6501982B1 (en) System for the noninvasive estimation of relative age
US6587702B1 (en) Classification and characterization of tissue through features related to adipose tissue
US5596992A (en) Multivariate classification of infrared spectra of cell and tissue samples
JPWO2006051847A1 (ja) Hiv等のウイルス感染の有無、又はプリオン感染の有無を近赤外線分光法により検査・判定する方法、及び同方法に使用する装置
US8532750B2 (en) Process and device for detection of precancer tissues with infrared spectroscopy
JPH03113351A (ja) 近赤外スペクトル解析による生物学的材料の特性予知法
US20190277755A1 (en) Device and method for tissue diagnosis in real-time
JPH04190141A (ja) 水分含量を有する生物学的物質の分析方法
JP2007285922A (ja) 近赤外光を用いた臨床血液検査方法
JPWO2007066589A1 (ja) 近赤外分光を用いた生活習慣病に関する検査・診断法および装置
JP4961579B2 (ja) 近赤外分光を用いた慢性疲労症候群(cfs)診断法および装置
US20230194532A1 (en) Quantum optics profiles for screening, diagnosis, and prognosis of diseases
Cohen et al. Artificial neural network in predicting cancer based on infrared spectroscopy
JP2023528539A (ja) 血液障害の予測方法
JP4563075B2 (ja) 血糖値測定装置
Yuvalı et al. Classification Comparison of Machine Learning Algorithms Using Spectroscopic Breast Tissues Dataset
Buchan et al. Review–Vibrational spectroscopy‐aided diagnosis, prognosis and treatment of inflammatory bowel disease
RU2307351C2 (ru) Способ исследования сыворотки крови
MORDECHAI et al. TECHNIQUES IN INFRARED MICROSPECTROSCOPY
Alexeeva et al. Interstitial Fluid Physiology as it Relates to Glucose Monitoring Technologies: Impact of Tissue Heterogeneity on Noninvasive Near-Infrared Glucose Measurements in Interstitial Fluid of Rat Skin

Legal Events

Date Code Title Description
AA64 Notification of invalidation of claim of internal priority (with term)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A241764

Effective date: 20090401

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090421

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090430

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100629

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120124

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120214

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120612

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120612

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120704

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120718

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150727

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5047962

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees