JP5047729B2 - 鏡筒付光学素子成形装置及び鏡筒付光学素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば光通信等に用いられる光学素子を成形する光学素子成形装置等に関する。
光通信等に用いられるレンズは、光の結像効率を向上させるためレンズの面精度、センタリング、チルト等に対する要求が厳しくなっている。高精度化及び小型化の要求を実現するために、これらのレンズではレンズ径を小さくすると同時に、小型化に対応すべくレンズの非球面化が進められている。
一方、例えば、レーザ・ダイオードから出た光を光ファイバに集光させるレンズでは、金属製の鏡筒にレンズを固定した鏡筒付レンズがレーザ・ダイオード・モジュールに溶接されて固定されている。このような鏡筒付レンズを製造する際、製造コスト低減と精度確保の点から非球面レンズの成形と鏡筒への固定を同時に行う成形法が広く採用されている。
鏡筒付レンズを成形法にて製造する公報開示の技術として、例えば以下のものがある。
特許文献1には、鏡筒上面に設けられた上型との嵌合面を基準面として鏡筒の中心出しを行い、上下型と胴型との接触面(胴型の内周面)を基準面として上下型の中心出しを行う技術が開示されている。
また、特許文献2には、上下分割型の一方の胴型に挿入した補助胴型と鏡筒外面との接触面(補助胴型の内周面)を基準面として鏡筒の中心出しを行い、胴型と上下型との接触面(胴型の内周面)を基準面として上下型の中心出しを行う技術が開示されている。
特開2003−104739号公報 特開2003−342024号公報
ところで、固定金型や可動金型、胴型等を用いる成形法にて鏡筒付レンズを製造する場合、レンズの上面と下面との間で中心軸を合致させること、鏡筒の中心軸とレンズの光軸とを合致させることが、鏡筒付レンズの高精度化を実現するためには重要である。
例えば、鏡筒の内周面と鏡筒に入り込む固定金型との接触面(鏡筒の内周面)を基準面として鏡筒の中心出しを行って鏡筒の中心軸とレンズの下面の光軸とを合致させ、固定金型や可動金型と胴型との接触面(胴型の内周面)を基準面として固定金型と可動金型との中心出しを行ってレンズの上面と下面との間で中心軸を合致させる方法が考えられる。
しかし、鏡筒の内周面を基準面とすれば、例えば、固定金型の素材(例えば焼結合金)と鏡筒の素材(例えばSUS304)との線膨張係数の相違により、成形時に昇温されると線膨張係数が大きい鏡筒が固定金型から離れてしまい、固定金型に対して鏡筒は中心出しができない恐れがある。
本発明は、高精度な鏡筒付光学素子を成形できる光学素子成形装置等を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明にかかる光学素子成形装置は、光学素子が固定される鏡筒が載置される固定金型と、光学素材を押圧し、光学素子が鏡筒に固定された鏡筒付光学素子を成形する可動金型と、筒形状を有し、成形時に筒形状の内側面を基準として固定金型と鏡筒とを止着し、内側面を基準として可動金型の摺動を案内する胴型と、を備えることを特徴とする。
ここで、胴型は、胴型の内側面を基準面として固定金型と可動金型と鏡筒の位置を規制していることを特徴とすれば、公差の積み上げによる位置ずれが生じる恐れがない。
また、胴型は、鏡筒より線膨張係数が小さい素材により構成されることを特徴とすれば、固定金型及び可動金型と胴型と鏡筒との線膨張係数の相違の影響を排除することができる。
更に、可動金型は、鏡筒に対して離間していることを特徴とすれば、可動金型による成形時の位置ずれは生じない。
更にまた、胴型は、固定金型に載置される固定金型用胴型と、可動金型の摺動を案内する可動金型用胴型とによって構成され、固定金型用胴型は、成形時に固定金型用胴型の内周面を基準として固定金型と鏡筒とを止着することを特徴とすれば、固定金型の成形面に光学素材を配する作業が容易になる。
上記課題を解決するために、本発明にかかる鏡筒付光学素子の製造方法は、筒形状を有する胴型が固定金型に載置される工程と、鏡筒が固定金型に載置される工程と、光学素材が固定金型の成形面に配される工程と、可動金型が、可動金型の摺動を案内する胴型に載置される工程と、昇温されて固定金型と鏡筒とが胴型の内側面に止着される工程と、可動金型が胴型の内側面を基準として摺動して固定金型の成形面に配された光学素材を押圧し、胴型の内側面に止着された鏡筒に光学素子が固定された鏡筒付光学素子を成形する工程とを有することを特徴とする。
本発明によれば、高精度な鏡筒付光学素子を成形できる光学素子成形装置等を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(実施の形態)について詳細に説明する。
図1及び図2は、ホルダ光学素子5を成形するための光学素子成形装置の一例としてのレンズ成形装置10の構成図である。図1は、レンズ成形装置10においてホルダ光学素子5が成形された状態を示し、図2は、ガラスプリフォーム16が成形される状態を示す。
図1に示すように、鏡筒付光学素子の一例としてのホルダ光学素子5は、入射光を集光して焦点位置に結像する光学機能部の一例としての光学素子1が一体成形により、迷光の入射を防ぎ光学素子1を保護する鏡筒2に取り付けられて形成される。
光学素子1は、例えば、シリカを主成分とし、アルミナ、ナトリウム、フッ化ランタン等が添加された低融点ガラスにより構成される。光学素子1は、例えば、軟化温度が約600℃以下の低融点ガラスで構成されても、軟化温度が約400℃以下の超低融点ガラスで構成されてもよい。
光学素子1は、光軸方向から見て円形に形成されている。光学素子1は、光学機能面が球面形状又は非球面形状に形成されている。光学素子1は、入射光を所定の屈折角で屈折して入射面とは反対側の出射面から出射する。
鏡筒2は、概ね円筒形状を有している。鏡筒2は、光学素子1を保護する機能を有しており、鏡筒2の側壁部は、鏡筒2に取り付けられた光学素子1の光学機能面があるレンズ部の最も厚い部分よりも高い。また、鏡筒2は、内周面のうち光学素子1が止着された位置よりも下側の部分が外周側に逃げて肉薄になっている。光学素子1が止着する部分を厚くして強度を確保すると共に、肉薄部分を設けて軽量化を図っている。鏡筒2は、固定金型11に載置されて、軸方向(高さ方向)の位置決めがされる。
鏡筒2は、光学素子1の材料より線膨張係数が大きい材料が好ましく選択され、例えば、ステンレスやコバール等により構成される。成形後の冷却時に光学素子1より鏡筒2が大きく収縮して光学素子1を締め付け、鏡筒2と光学素子1との接合力(取付け強度)を高めることができる。
また、鏡筒2は、後述する胴型13よりも線膨張係数が大きい材料が好ましく選択される。鏡筒2との外径と胴型13の内径とはガタが設けてあり(例えば、10μm程度外径が内径よりも小さくしてあり)、常温にて設置されるとき鏡筒2は胴型13にかじることはなく容易に設置することができる(図2参照)。成形時に昇温されて鏡筒2は膨張し、胴型13の内周面に押し付けられて位置が規制される。同様に、鏡筒2との内径と固定金型11の外径とはガタが設けてあり(例えば、10μm程度内径が外径よりも大きくしてあり)、常温にて設置されるとき、鏡筒2は固定金型11にかじることはなく、容易に設置することができる。
図1に示すように、レンズ成形装置10は、図1において下側に配置される光学素子成形用金型の一例としての固定金型11と、固定金型11に対向して固定金型11の上方に配置される光学素子成形用金型の一例としての可動金型12を有している。可動金型12は、図示しない駆動機構によって上下動作を行う。また、レンズ成形装置10は、固定金型11に載置されて、可動金型12の摺動を案内する胴型13を有して構成される。
固定金型11及び可動金型12は、例えば、タングステンカーバイト(WC)を主成分とする超硬合金を含んで構成される。或いは、炭化珪素、サーメット、インコネル、スタバックス、ハイス等の高温耐久性と強度とを兼ね備えた材料も好ましく用いられる。固定金型11及び可動金型12は、形状再現性の観点から、材質が同じであることが好ましい。光学素材の屈伏点(屈伏温度)Atに応じて固定金型11及び可動金型12の材料を選択するようにすれば更に好ましい。
固定金型11及び可動金型12は、好適な離型性を実現するため、成形面に被膜層(図示省略)が形成されている。被膜層は、例えば、白金(Pt)−イリジウム(Ir)合金により形成される。また、被膜層は、白金−イリジウム合金以外の貴金属合金、貴金属と遷移金属との合金、貴金属と汎用金属との合金、カーボン、又はDLC(ダイヤモンドライクカーボン)等フッ素や塩素との反応性が低い材料がいずれも好適に使用される。
固定金型11及び可動金型12は、成形面が鏡筒2の円筒内において対向配置されて成形が実行される。
固定金型11には、光学素子1が固定される鏡筒2が載置される。また、固定金型11は、成形面にガラスプリフォーム16(図2参照)が配される。一方、可動金型12はガラスプリフォーム16を押圧して、光学素子1が鏡筒2に固定されたホルダ光学素子5を成形する。可動金型12は、製造工程において上下方向に摺動するので、鏡筒2に対して離間している。
胴型13は、例えば、タングステンカーバイトを主成分とする超硬合金を含んで構成される。胴型13は、鏡筒2よりも線膨張係数が小さい材料が好ましい。また、胴型13は、固定金型11や可動金型12と同じ材料であることが好ましい。固定金型11よりも線膨張係数が若干小さい材料を胴型13に採用すれば、常温にて胴型13が固定金型11に設置される時には固定金型11にかじることはなく容易に設置することができ、成形時には昇温されて胴型13が固定金型11に固定されるので、成形時の位置ずれを防げて更に好ましい。胴型13は、図示しない駆動機構を使って上下に摺動する可動金型12の動作を案内している。
以上の構成を有するレンズ成形装置10が光学素材の一例としてのガラスプリフォーム16を成形してホルダ光学素子5を製造する製造工程を図面を用いて以下に説明する。
図2に示すように、レンズ成形装置10は、固定金型11に胴型13がセットされ、その内側に鏡筒2がセットされる。そして、固定金型11の成形面上に光学素材の一例としての球状のガラスプリフォーム16が載置される。可動金型12が胴型13に嵌合されて、固定金型11に対向配置されている。
ここで、ガラスプリフォーム16は、上述した光学素子1の素材であり、例えば、シリカを主成分とする低融点ガラス、又は、超低融点ガラスである。転移点(転移温度)Tg以下の温度において、ガラスプリフォーム16は線膨張係数が鏡筒2より小さい材料が選択される。冷却時に鏡筒2が光学素子1より収縮するため、鏡筒2が光学素子1を締め付けて鏡筒2と光学素子1との接合度が高まる。
図示しない排気ポンプ及び処理ガス導入ポンプを使って、レンズ成形装置10内部の空気を窒素ガスに置換する。そして、図示しない昇温機構によって窒素雰囲気下でガラスプリフォーム16を転移点(転移温度)Tgまで充分に加熱し、更に、屈伏点(屈伏温度)Atまで昇温してガラスプリフォーム16を軟化させる。
このとき、昇温により鏡筒2は膨張して、胴型13の内周面に止着される。また、胴型13に、固定金型11よりも線膨張係数の小さい材料が採用されているとき、昇温により固定金型11は胴型13の内周面に止着される。
屈伏温度At付近になったとき、図示しない駆動機構により可動金型12に圧力が加えられてガラスプリフォーム16を成形する。ガラスプリフォーム16は光学素子1を形成し、鏡筒2の内周面に光学素子1を固定する(図1参照)。
その後、所定の高さまで可動金型12を移動させて、圧力を加えたままレンズ成形装置10を転移温度Tgまで冷却し、更に可動金型12の圧力を開放して常温まで冷却してホルダ光学素子5を取り出す。
本実施の形態にかかるレンズ成形装置10によれば、鏡筒2は成形時に膨張して胴型13の内周面に止着され、固定金型11と鏡筒2とはいずれも成形時に胴型13の内周面を基準として位置が規制される。可動金型12は胴型13の内周面を基準にして摺動が案内される。よって、固定金型11及び可動金型12と鏡筒2とは、胴型13の内周面という同一面を基準にしているので、公差の積み上げによる位置ずれが生じる恐れがない。
また、レンズ成形装置10では、胴型13は、鏡筒2よりも線膨張係数が小さい材料にて構成され、成形時に昇温されたとき鏡筒2が胴型13の内周面に押し付けられる。よって、固定金型11及び可動金型12と胴型13と鏡筒2との線膨張係数の相違による影響を排除することが可能となり、光学素子1の光学機能面を高精度に成形することができる。
更に、レンズ成形装置10では、可動金型12は、成形時に鏡筒2に対して摺動しない形状となっている。よって、成形時に鏡筒2の位置ずれは生じないので、ホルダ光学素子5を高精度に成形することができる。
(他の実施形態)
図3は、ホルダ光学素子55を成形する光学素子成形装置の他の実施形態としてのレンズ成形装置50の構成図である。
図3に示すように、レンズ成形装置50は、固定金型61が載置される固定金型用胴型63と、可動金型62の摺動を案内する可動金型用胴型64とに胴型が分割されている点で、固定金型11に載置された胴型13が可動金型12の摺動を案内する図1に示すレンズ成形装置10と相違する。
レンズ成形装置50は、鏡筒52を所定位置に位置決めして保持する固定金型61と、固定金型61に対向して配置される可動金型62とを有して構成される。また、レンズ成形装置50は、固定金型61が載置される固定金型用胴型63と、可動金型62の摺動を案内する可動金型用胴型64とを有して構成される。
固定金型用胴型63及び可動金型用胴型64は、例えば、タングステンカーバイトを主成分とする超硬合金を含んで構成される。固定金型用胴型63と可動金型用胴型64とは、同じ材料であることが好ましい。可動金型用胴型64は、図示しない駆動機構を使って上下に摺動する可動金型62の動作を案内している。そして、固定金型用胴型63と可動金型用胴型64とは嵌合されて、固定金型61と可動金型62との中心軸がずれないようにしている。
固定金型用胴型63及び可動金型用胴型64は、固定金型61や可動金型62と同じ材料であることが好ましい。また、固定金型61よりも線膨張係数が若干小さい材料を固定金型用胴型63に採用すれば、常温にて固定金型用胴型63が固定金型61に設置される時には固定金型61にかじることはなく容易に設置することができ、成形時には昇温されて固定金型用胴型63が固定金型61に固定されるので、成形時の位置ずれを防げて更に好ましい。
本実施の形態によれば、可動金型62は可動金型用胴型64の内周面を基準にして摺動が案内される。よって、固定金型用胴型63と可動金型用胴型64との位置が精確に規制されるとき、光学素子51の光学機能面を高精度に成形することができる。
本実施の形態によれば、固定金型用胴型63と可動金型用胴型64とに分けるので、ガラスプリフォームを固定金型61の成形面に載置するのが容易となる。
(比較例1)
本実施の形態の効果を、比較例1と比較して以下に説明する。
図4は、比較例1にかかるレンズ成形装置100の構成図である。
図4に示すように、レンズ成形装置100は、鏡筒102を所定位置に位置決めして保持する固定金型111と、固定金型111に対向して配置される可動金型112とを有して構成される。また、レンズ成形装置100は、内周面において固定金型111を固定すると共に内部で上下に摺動する可動金型112を案内する胴型113とを有して構成される。
鏡筒102は、内周面の上側(可動金型112側)の縁に所定の面取りが形成されている。
光学素子101の成形時において、可動金型112は鏡筒102の内周面の上縁に形成された面取りに接触する。この接触箇所を基準として、鏡筒102は可動金型112に対して位置決めされる。よって、鏡筒102に成形される光学素子101の上側の光学機能面は、鏡筒102の内周面の上縁に形成された面取り(接触箇所)を基準に位置決めされる。
鏡筒102は、固定金型111の所定位置に載置されるとき、鏡筒102の内周に固定金型111が入り込んで保持される。鏡筒102の外周面は、胴型113の内周面に対して離間している。
鏡筒102と固定金型111との線膨張係数の差を考慮して、光学素子101の成形時の昇温による固定金型111と鏡筒102との膨張による位置ずれを検討する。
鏡筒102の線膨張係数が固定金型111の線膨張係数よりも小さいとき、成形時の昇温によって、固定金型111は鏡筒102よりも膨張するので、鏡筒102は固定金型111に固定される。鏡筒102の内周面の上縁に形成された面取りに可動金型112が押し付けられているので、鏡筒102の上端面の位置は変わらない。その結果、鏡筒102は、上側が可動金型112に位置が規制され、下側が固定金型111に位置が規制される。よって、両者の間で形状が固定されていない光学素子101が取り付けられる部分で変形する恐れがある。
一方、鏡筒102の線膨張係数が固定金型111の線膨張係数よりも大きいとき、成形時の昇温によって、鏡筒102は固定金型111よりも膨張するので、鏡筒102は固定金型111から離間する。成形時に鏡筒102の内周面の上縁に形成された面取りに可動金型112が押し付けられるので、鏡筒102は可動金型112を基準にして位置決めがされる。
鏡筒102はステンレスやコバール等により構成され、固定金型111や可動金型112は超硬合金等によって形成されることが多いので、一般に鏡筒102の線膨張係数は固定金型111の線膨張係数よりも大きい。よって、形成されるホルダ光学素子105において、光学素子101の光軸と鏡筒102とが適切な位置関係とならない恐れがある。
固定金型111と可動金型112とは、胴型113の内周面を基準として位置決めされるので、成形される光学素子101の上下の光学機能面の光軸は、いずれも胴型113の内周面を基準として決定される。鏡筒102の位置は可動金型112を基準として決定される。即ち、光学素子101の光軸と鏡筒102とは基準面が相違する。よって、鏡筒102を基準としてホルダ光学素子105を撮像装置(図示省略)に取り付けたとき、光学素子101の光軸は公差の積み上げによって適切な位置関係とならない恐れがある。
これに対して、本実施の形態にかかるレンズ成形装置10によって成形されるホルダ光学素子5では、固定金型11や鏡筒2の成形時の基準面は胴型13の内周面という同一面であるから、公差の積み上げによる位置ずれが生じる恐れがない。
また、他の実施形態にかかるレンズ成形装置50によって成形されるホルダ光学素子55では、固定金型61、可動金型62や鏡筒52の成形時の基準面は固定金型用胴型63の内周面という同一面であるから、公差の積み上げによる位置ずれが生じる恐れがない。
(比較例2)
図5は、比較例2にかかるレンズ成形装置200の構成図である。
図5に示すように、レンズ成形装置200は、第3胴型215を所定位置に位置決めして保持する固定金型211と、固定金型211に対向して配置される可動金型212とを有する。また、レンズ成形装置200は、内周面において固定金型211と第3胴型215とを固定する第1胴型213と、内部で可動金型212が上下に摺動する第2胴型214と、内周面において鏡筒202を固定する第3胴型215とを有して構成される。
第3胴型215が、固定金型211に載置される。このとき、固定金型211の成形面(符号省略)は、第3胴型215に形成された貫通孔を貫通し、光学素子201が形成される鏡筒202の内周側の位置に配置された状態となる。
固定金型211の外周側に、第1胴型213がセットされる。そして、第3胴型215と固定金型211との間に形成される領域に、鏡筒202がセットされる。
一方、第2胴型214に可動金型212がセットされる。
昇温されて、鏡筒202は膨張して、第3胴型215の内周面に止着される。第3胴型215に、第1胴型213よりも線膨張係数の大きい材料が採用されているとき、昇温により第3胴型215は第1胴型213の内周面に止着される。また、固定金型211に、第1胴型213よりも線膨張係数の大きい材料が採用されているとき、固定金型211は第1胴型213の内周面に止着される。
光学素子201の成形時において、可動金型212は、第2胴型214の内周面を基準として位置決めされる。
固定金型211は、第1胴型213の内周面を基準として位置決めされる。
鏡筒202は、第3胴型215の内周面を基準として位置決めされる。そして、その第3鏡筒215は、第1鏡筒213の内周面を基準にして位置決めされる。即ち、ホルダ光学素子205を成形する固定金型211と可動金型212とは、異なる基準面を基準として位置決めされている。また、鏡筒202は、更に異なる基準面を基準として位置決めされている。それゆえに、公差の積み上げによって、ホルダ光学素子205の位置関係が適切なものとならない恐れがある。
これに対して、本実施の形態にかかるレンズ成形装置10によって成形されるホルダ光学素子5では、固定金型11や鏡筒2の成形時の基準面は胴型13の内周面という同一面であるから、公差の積み上げによる位置ずれが生じる恐れがない。
また、他の実施形態にかかるレンズ成形装置50によって成形されるホルダ光学素子55では、固定金型61、可動金型62や鏡筒52の成形時の基準面は固定金型用胴型63の内周面という同一面であるから、公差の積み上げによる位置ずれが生じる恐れがない。
本実施の形態にかかるレンズ成形装置においてホルダ光学素子を成形した状態を示す図である。 図1に示すレンズ成形装置において成形前の状態を示す図である。 他の実施形態にかかるレンズ成形装置の構成図である。 レンズ成形装置の比較例を示す図である。 レンズ成形装置の他の比較例を示す図である。
符号の説明
1,51…光学素子、2,52…鏡筒、5,55…ホルダ光学素子(鏡筒付光学素子)、10,50…レンズ成形装置(光学素子成形装置)、11,61…固定金型、12,62…可動金型、13…胴型、16…ガラスプリフォーム(光学素材)、63…固定金型用胴型、64…可動金型用胴型

Claims (4)

  1. 光学素子が鏡筒に固定された鏡筒付光学素子を成形する鏡筒付光学素子成形装置であって、
    前記光学素子光学素材より線膨張係数が大きい材料から構成された前記鏡筒が載置される固定金型と、
    前記鏡筒内部で前記固定金型と協働して前記光学素材を押圧し、前記光学素子が前記鏡筒に固定された鏡筒付光学素子を成形する可動金型と、
    筒形状を有し、成形時に当該筒形状の内側面を基準として前記固定金型と前記鏡筒とを止着し、当該内側面を基準として前記可動金型の摺動を案内する胴型と、を備え、
    前記胴型は、前記鏡筒より線膨張係数が小さい素材により構成され、且つ、当該胴型の前記内側面を基準面として前記固定金型と前記可動金型と前記鏡筒の位置を規制していることを特徴とする鏡筒付光学素子成形装置。
  2. 前記可動金型は、前記鏡筒に対して離間していることを特徴とする請求項1に記載の鏡筒付光学素子成形装置。
  3. 前記胴型は、前記固定金型に載置される固定金型用胴型と、前記可動金型の摺動を案内する可動金型用胴型とによって構成され、
    前記固定金型用胴型は、成形時に当該固定金型用胴型の内周面を基準として前記固定金型と前記鏡筒とを止着することを特徴とする請求項1に記載の鏡筒付光学素子成形装置。
  4. 光学素子が鏡筒に固定された鏡筒付光学素子の製造方法であって、
    筒形状を有する胴型が固定金型に載置される工程と、
    光学素材より線膨張係数が大きい材料から構成された鏡筒が前記固定金型に載置される工程と、
    前記光学素材が前記固定金型の成形面に配される工程と、
    可動金型が、当該可動金型の摺動を案内する前記胴型に載置される工程と、
    昇温されて前記固定金型と前記鏡筒とが前記胴型の内側面に止着される工程と、
    前記可動金型が前記胴型の前記内側面を基準として摺動して、前記可動金型の成形面が前記固定金型の前記成形面に配された前記光学素材を前記鏡筒内部において押圧し、当該胴型の当該内側面に止着された前記鏡筒に光学素子が固定された鏡筒付光学素子を成形する工程と、を有し、
    前記胴型は、前記鏡筒より線膨張係数が小さい素材により構成され、且つ、当該胴型の前記内側面を基準面として前記固定金型と前記可動金型と前記鏡筒の位置を規制していることを特徴とする鏡筒付光学素子の製造方法。
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