JP5046977B2 - 導電性フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、導電性フィルムに関する。さらに詳しくは、タッチパネル型入力装置に特に好適に使用することができる導電性フィルムに関する。
従来、透明導電性フィルムは、液晶ディスプレイ、透明タッチパネル等の透明電極や電磁波シールド材として好適に用いられている。
かかる透明導電性フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)等の透明基材フィルム表面の少なくとも片面に、酸化インジウム(In)、酸化錫(SnO)、InとSnOとの混合焼結体(ITO)等を真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のドライプロセスによって設けたものがよく知られている。しかし、このようなドライプロセスにより得られた透明導電性フィルムは、タッチパネル等を製造する工程においてウェブ状で連続加工や打ち抜き加工がなされたり、表面加工工程において曲げられた状態で用いられたり、あるいは曲げられた状態で保管されたりするため、各工程中や保管中にクラックが発生して表面抵抗値が増大する等の問題がある。また、一般的にドライプロセスはバッチ式であるため、製造コストが高価であり、かつ生産性に劣るという問題がある。
一方で、透明基材フィルム上に導電性高分子を含む液体を塗布すること(ウェットプロセス)により形成される透明導電塗膜層を有する透明導電性フィルムが知られている。ウェットプロセスによって得られる透明導電塗膜層は、塗膜層自体が柔軟であり、クラック等の問題が生じにくい。また、ウェットプロセスは製造コストが比較的安価であり、かつ一般的に製造速度が速いことから、生産性に優れるという利点がある。
このようなウェットプロセスに用いられる導電性高分子としては、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール等が知られている。しかしながら、これらの導電性高分子を用いて得られる透明導電性フィルムは、開発の初期段階では高い導電性が得られず、その結果、帯電防止用途等に用途が限定されていた。また、塗膜層自体の色相が問題となる場合もあった。
そこで、ウェットプロセスにより得られる透明導電塗膜層の導電性を向上する、色相を改善する、あるいは導電性高分子の収率を向上する等の目的で、導電性高分子の製法の改良等が行われている。例えば、3,4−ジアルコキシチオフェンをポリアニオンの存在下で酸化重合することによって得られるポリ(3,4−ジアルコキシチオフェン)とポリアニオンとからなる導電性高分子(特許文献1)は、例えば特許文献2および特許文献3等に記載の方法により、高い光線透過率を保ったまま非常に低い表面抵抗を発現している。
特開平1−313521号公報 特開2002−193972号公報 特開2003−286336号公報
しかしながら、上記特許文献1〜3に記載された導電性高分子を用いた透明導電性フィルムは、塗膜層の耐湿熱性が低いものであり、例えば湿度が高い等、比較的環境の厳しい場所に設置するタッチパネル型入力装置等に用いるには、更なる改良が求められている。
本発明は、上記背景技術に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、導電性、透明性、耐湿熱性に優れ、タッチパネル型入力装置に好適に用いることができる導電性フィルム、および該導電性フィルムの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を行った。その結果、カチオン性のポリチオフェンとポリアニオンとからなる導電性高分子を含む透明導電塗膜層において、該透明導電塗膜層に含まれるFe金属濃度、および透明導電塗膜層の厚み斑を特定の数値範囲とすることにより、耐湿熱性に優れた導電性フィルムが得られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、基材フィルムの少なくとも片面に、下記一般式で表される繰り返し単位からなるカチオン性のポリチオフェンとポリアニオンとからなる導電性高分子を含む透明導電塗膜層が積層された導電性フィルムであって、該透明導電塗膜層が含有しているFe金属濃度が500ppb以下であり、該透明導電塗膜層の厚み斑が10%以下である導電性フィルムである。
Figure 0005046977
(式中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素または炭素数1以上4以下のアルキル基を表すか、あるいは一緒になって、任意に置換されていてもよい炭素数1以上12以下のアルキレン基を表す。)
さらに本発明の導電性フィルムは、透明導電塗膜層の膜厚みが20nm以上1000nm以下であること、透明導電塗膜層がアクリル−ポリエステル樹脂バインダーを1質量%以上10質量%以下含有すること、温度60℃かつ湿度90%で240時間処理する前後における表面抵抗値変化率が200%以下であることのうち、少なくともいずれか1つの態様を具備することによって、さらに優れた導電性フィルムを得ることができる。
また、本発明は、上記の導電性フィルムを製造するに際して、塗剤を貯蔵するための塗剤貯蔵タンク、ドクターブレード、およびパンが、少なくとも塗剤と接触する部分が非鉄材料からなる部品であるコーターを用い、下記一般式で表される繰り返し単位からなるカチオン性のポリチオフェンとポリアニオンとからなる導電性高分子を含有する塗剤を連続的に基材フィルム上に塗工する、導電性フィルムの製造方法を包含する。さらに本発明の導電性フィルムの製造方法は、塗剤貯蔵タンクとコーターとを接続する配管が、少なくとも塗剤と接触する部分が非鉄材料からなる部品である態様を具備することが好ましい。
Figure 0005046977
(式中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素または炭素数1以上4以下のアルキル基を表すか、あるいは一緒になって、任意に置換されていてもよい炭素数1以上12以下のアルキレン基を表す。)
さらに本発明は、上記導電性フィルムを用いたタッチパネル型入力装置を包含する。
本発明の導電性フィルムは、導電性高分子を用いつつも、ITO等をドライプロセスにより積層した導電性フィルムと同等の優れた導電性、透明性を有し、しかも耐湿熱性に優れる。したがって、液晶ディスプレイ(LCD)、タッチパネル型入力装置、有機エレクトロルミネッセンス素子、無機エレクトロルミネッセンスランプ等の、耐湿熱性が求められる分野における透明電極等として、特に、タッチパネル型入力装置の透明電極として有用である。
また、本発明の製造方法によれば、抵抗値が高く、安価で、かつ品質の安定した該導電性フィルムを提供することができる。
以下、本発明の導電性フィルムを構成する各構成成分について説明する。
<導電性高分子>
本発明における導電性高分子は、カチオン性のポリチオフェン(以下、ポリ(3,4−ジ置換チオフェン)と呼称する場合がある。)およびポリアニオンを必須成分として含む。本発明における導電性高分子は、例えば、ポリアニオンの水溶液中にて、カチオン性のポリチオフェンのモノマー(以下、3,4−ジ置換チオフェンと呼称する場合がある。)となる物質を酸化重合することにより得ることができる。
(カチオン性のポリチオフェン)
本発明における導電性高分子を構成するカチオン性のポリチオフェンは、下記一般式で表される繰り返し単位からなるカチオン性のポリチオフェンである。
Figure 0005046977
このポリ(3,4−ジ置換チオフェン)のRおよびRは、それぞれ独立に、水素または炭素数1以上4以下のアルキル基を表すか、あるいは一緒になって、任意に置換されてもよい炭素数1以上12以下のアルキレン基を表す。RおよびRが、それぞれ独立に、水素または炭素数1以上4以下のアルキル基である場合は、RおよびRとしては、メチル基もしくはエチル基が好ましく、エチル基が特に好ましい。RおよびRが、一緒になって、任意に置換されてもよい炭素数1以上12以下のアルキレン基である場合には、例えばメチレン基、1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基、1,2−シクロヘキシレン基、2,3−ブチレン基等のアルキレン基を挙げることができ、メチレン基、1,2−エチレン基および1,3−プロピレン基が好ましく、1,2−エチレン基が特に好ましい。このようなアルキレン基は、例えばエチレン、プロペン、ヘキセン、オクテン、デセン、ドデセン等のα−オレフィン類およびスチレン等を臭素化して得られるジブロモ化合物から誘導することができる。
また、導電性高分子を構成するカチオン性のポリチオフェンは、3,4−ジ置換チオフェンのみを繰り返し単位としていてもよく、あるいは3,4−ジ置換チオフェンを繰り返し単位の主成分とし、これと重合可能な他のモノマーを従成分として含むものであってもよい。ここで「主成分」とは、カチオン性ポリチオフェンを構成する繰り返し単位全体に対して、3,4−ジ置換チオフェンを繰り返し単位とする部分が50モル%より大きいことを意味する。
なお、本発明における導電性高分子に用いられる上記ポリ(3,4−ジ置換チオフェン)は、カチオン性を示すものである。このようなカチオン性を示すポリチオフェンは、例えば、特開平1−313521号公報に記載の方法により、モノマーである3,4−ジ置換チオフェンを酸化重合することにより得ることができる。
(ポリアニオン)
本発明における導電性高分子を構成するポリアニオンとしては、例えばポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸等の高分子状カルボン酸類、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸等の高分子状スルホン酸類等が挙げられる。また、これらの高分子状カルボン酸類および高分子状スルホン酸類等のポリアニオンとしては、ビニルカルボン酸類またはビニルスルホン酸類等から選ばれる1種類のアニオン性モノマーのみから重合される単独重合体であってもよく、あるいは複数種類のアニオン性モノマーからなる共重合体であってもよく、さらにはアニオン性モノマーと、当該モノマーと共重合可能な他のアニオン性ではないモノマー類との共重合体であってもよい。アニオン性モノマーと共重合可能な他のアニオン性ではないモノマーとしては、例えばアニオン性ではないアクリル酸類、スチレン等を挙げることができる。ポリアニオンが共重合体である場合には、少なくとも1種のアニオン性モノマーが共重合体成分として含まれていればよく、複数種のアニオン性モノマー、あるいは複数種の他の共重合モノマーを任意に用いることができる。
本発明におけるポリアニオンとしては、これらの中でもポリスチレンスルホン酸、および少なくとも一部が金属塩となっているポリスチレンスルホン酸が特に好ましい。ポリアニオンの数平均分子量は、好ましくは1.0×10以上2.0×10以下であり、さらに好ましくは2.0×10以上5.0×10以下である。分子量が1.0×10未満もしくは2.0×10を超えると、十分な導電性を得ることができないため好ましくない。
<透明導電塗膜層>
本発明の導電性フィルムは、基材フィルムの少なくとも片面に、透明導電塗膜層が積層されてなる。該透明導電塗膜層は、前記導電性高分子を含む。
本発明における透明導電塗膜層は、含有しているFe金属濃度が2000ppb以下である。Fe金属濃度は、好ましくは1000ppb以下、さらに好ましくは500ppb以下、特に好ましくは390ppb以下である。Fe金属濃度を上記数値範囲とすることによって、耐湿熱性を良好なものとすることができる。Fe金属濃度が高すぎる場合は、耐湿熱性が低下する傾向にある。最も好ましい態様としては、透明導電塗膜層中にFe金属が含まれない態様である。
Fe金属は、透明導電塗膜層を構成する各成分に由来する各原料に含有されている場合、あるいはこれら各原料を配合して塗剤とする間や塗剤とした後に不純物として不可避的に含有される場合等に、結果として透明導電塗膜層に含有される。Fe金属濃度を上記数値範囲とする方法は特に限定されないが、後述するように、Fe金属濃度の低い原料を選定する、原料からFe金属を取り除く、塗剤の作成や取り扱いをクリーンルーム内で実施する、各原料や塗剤と接触する器具や部品として、少なくとも各原料や塗剤と接触する部分が非鉄材料からなる器具や部品を使用する、塗剤の循環時間を短くする、塗剤の循環温度を低くする等がある。
また、本発明における透明導電塗膜層は、Fe金属、B金属、Mg金属、Al金属、Ca金属、Ni金属、Cu金属、Zn金属、Sb金属、Ba金属の各濃度の合計(以下、イオン性金属濃度と呼称する場合がある。)が低いことが好ましい。イオン性金属濃度は、好ましくは13000ppb以下である。イオン性金属濃度が上記数値範囲にあると、耐湿熱性の向上効果を高くすることができる。イオン性金属濃度が高すぎる場合は、耐湿熱性の向上効果が低くなる傾向にある。かかるイオン性金属濃度を上記数値範囲とする方法としては、Fe金属濃度を低くするための方法と同様の方法を挙げることができる。
本発明における透明導電塗膜層は、厚み斑が10%以下である。厚み斑を上記数値範囲とすることによって、耐湿熱性が優れたものとなる。また、導電性が安定し、導電性フィルムの品質を安定させることができる。このような観点から、厚み斑は、好ましくは8%以下、さらに好ましくは6%以下である。なお、透明導電塗膜層の厚み斑は、例えばコーターを用いて塗工する工程において、塗剤の供給量、ロールの回転速度、基材フィルムの搬送速度等の塗工条件をできるだけ安定させて塗工する等により達成される。
本発明における透明導電塗膜層の膜厚みは、20nm以上1000nm以下であることが好ましい。膜厚みが上記数値範囲にあると、導電性および透明性の向上効果を高くすることができる。膜厚みが薄すぎる場合は、導電性の向上効果が低くなる傾向にある。他方、厚すぎる場合は、透明性の向上効果が低くなる傾向にあり、得られる導電性フィルムの光線透過率が低くなる傾向にある。また、耐湿熱性の向上効果が低くなる傾向にある。このような観点から、膜厚みは、さらに好ましくは20nm以上300nm以下、特に好ましくは30nm以上250nm以下である。なお、透明導電塗膜層の膜厚みを制御する方法としては、例えば透明導電塗膜層を形成するためのコーティング組成物(以下、塗剤と呼称する場合がある。)を塗工する工程において、塗剤の固形分濃度や塗剤の塗布量を適宜変更することによって制御することができる。
<透明導電塗膜層に含有することができる添加剤>
本発明における透明導電塗膜層は、前述のカチオン性のポリチオフェンとポリアニオンとからなる導電性高分子を必須成分として含有するが、透明導電塗膜層の性能を向上させる目的で他の成分を含有することができる。以下、透明導電塗膜層に含有することができる任意成分について詳細を説明する。
(有機高分子バインダー)
本発明における透明導電塗膜層は、透明導電塗膜層の強度を向上させる目的、および透明導電塗膜層から導電性高分子の脱落を防止する目的で、有機高分子バインダーを含有する態様が好ましい。有機高分子バインダーとしては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等を挙げることができ、これらのうち少なくとも1種からなる有機高分子バインダーを用いることができる。中でもポリエステル樹脂が好ましく、水溶性ポリエステル樹脂が特に好ましい。水溶性ポリエステル樹脂を用いることで、透明性の向上効果を高くすることができる。ここで、本発明における「水溶性」とは、水が80%以上含まれる溶媒に可溶である物質を指すものとする。
有機高分子バインダーの含有量は、透明導電塗膜層の重量に対して、好ましくは10質量%以上50質量%以下である。含有量を上記数値範囲とすることによって、透明導電塗膜層の強度をさらに向上させることができる。含有量が少なすぎる場合は、強度の向上効果が低くなる傾向にある。他方、多すぎる場合は、導電性および耐湿熱性の向上効果が低くなる傾向にある。このような観点から、含有量は、さらに好ましくは15質量%以上40質量%以下である。
(アクリル−ポリエステル樹脂バインダー)
本発明における透明導電塗膜層は、上記有機高分子バインダーとは異なるバインダー成分として、アクリル−ポリエステル樹脂バインダーを含有する態様が好ましく、その含有量は、透明導電塗膜層の重量に対して、好ましくは1質量%以上10質量%以下、さらに好ましくは1質量%以上5質量%以下、特に好ましくは2質量%以上4質量%以下である。アクリル−ポリエステル樹脂バインダーを上記数値範囲の含有量において添加することによって、耐湿熱性の向上効果をより高くすることができる。また、透明性の向上効果をより高くすることができる。さらに、透明導電塗膜層の強度をより高くすることができる。アクリル−ポリエステル樹脂バインダーの含有量が多すぎる場合は、透明導電塗膜層の透明性が低くなる傾向にある。
本発明におけるアクリル−ポリエステル樹脂バインダーとは、枝成分がアクリル系共重合体であり幹成分がポリエステル系共重合体であるグラフト共重合体のごとくアクリル変性ポリエステル樹脂、枝成分がポリエステル系共重合体であり幹成分がアクリル系共重合体であるグラフト共重合体のごとくポリエステル変性アクリル樹脂、あるいはそれらの混合物からなるバインダーである。アクリル変性ポリエステル樹脂としては、例えば特開昭63−37937、特開平11−198327等に記載されているアクリル変性ポリエステル樹脂を使用することができる。また、ポリエステル変性アクリル樹脂としては、例えば特開昭63−34139、特開平11−198326等に記載されているポリエステル変性アクリル樹脂を使用することができる。これらのアクリル−ポリエステル樹脂バインダーのうち、アクリル変性ポリエステル樹脂が好ましく、中でもアクリル系共重合体成分100モル%に対して、グリシジル基を有する(メタ)アクリレートを3モル%以上15モル%以下、さらに好ましくは5モル%以上10モル%以下含有するアクリル系共重合体を側鎖として有し、ポリエステル系共重合体成分における酸成分100モル%に対して、イソフタル酸を30モル%以上50モル%以下、さらに好ましくは35モル%以上45モル%以下と、ジエチレングリコールを15モル%以上35モル%以下、さらに好ましくは20モル%以上30モル%以下とが共重合されたポリエステル系共重合体を主鎖として有するアクリル変性ポリエステル樹脂が、透明導電塗膜層の耐湿熱性の向上効果を高くすることができるという観点から特に好ましい。
(アルコキシシラン化合物)
本発明における透明導電塗膜層は、透明導電塗膜層の強度や基材との密着性を向上させる目的で、アルコキシシラン化合物を任意成分として含有することができる。なお、アルコキシシラン化合物は、加水分解され、その後縮合反応により形成された反応生成物の形態で透明導電塗膜層中に存在する。
透明導電塗膜層に含有されるアルコキシシラン化合物としては、反応性官能基を有さないものを用いてもよく、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のアルコキシル基以外の反応性官能基を有するトリアルコキシシランを用いてもよい。これらの中では、透明導電塗膜層の強度をより高くすることができるという観点から、エポキシ基を有するアルコキシシランが特に好ましく、このようなアルコキシシラン化合物としては、例えば3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
このようなアルコキシシラン化合物の含有量は、導電性高分子の固形分100質量部に対して、好ましくは20質量部以上500質量部以下、さらに好ましくは25質量部以上100質量部以下、特に好ましくは30質量部以上50質量部以下である。含有量が上記数値範囲にあると、透明導電塗膜層の強度および導電性の向上効果をより高くすることができる。含有量が少なすぎる場合は、強度の向上効果が低くなる傾向にある。他方、多すぎる場合は、表面抵抗値が高くなる傾向にあり、導電性に劣る傾向にある。
また、このようなアルコキシシラン化合物の加水分解および縮合を効率よく進行させる目的で、アルコキシシラン化合物には触媒を併用することが好ましい。触媒は、酸性触媒または塩基性触媒のいずれであってもよい。
(界面活性剤)
本発明における透明導電塗膜層は、基材フィルムに対する濡れ性を向上させることを目的として、少量の界面活性剤を添加することができる。好ましい界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤、フルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルベンゼンスルホン酸塩、パーフルオロアルキル4級アンモニウム塩、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノール等のフッ素系界面活性剤が挙げられる。
(水溶性化合物)
本発明における透明導電塗膜層は、導電性をさらに向上させる目的でジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール等の水溶性化合物を任意成分として含有することができる。また、分子内にアミド結合を有する、室温で液体の水溶性化合物を含有することができる。
これらの水溶性化合物の含有量は、導電性高分子の固形分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上1000質量部以下、さらに好ましくは100質量部以上500質量部以下、特に好ましくは200質量部以上250質量部以下である。含有量が少なすぎる場合は、導電性の向上効果が低くなる傾向にある。他方、多すぎる場合は、透明導電塗膜層と基材フィルムとの密着性が低下する傾向にある。また、フィルムをロール状に巻き取る際に透明導電塗膜層が接触した裏面に転写しやすくなる傾向にある。
(その他の添加剤)
また、透明導電塗膜層には、本発明の効果が損なわれない範囲内で、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、透明導電剤、核剤等を配合することができる。
<基材フィルム>
本発明における基材フィルムは、特に限定されないが、ポリエステル、ポリスチレン、ポリイミド、ポリアミド、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、またはこれらのブレンド体もしくは共重合体、またはアクリル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ABS樹脂等からなるフィルムが好適に用いられる。
これらの基材フィルムのうち、寸法安定性、機械的特性、耐熱性、電気的特性等に優れるという観点からポリエステルフィルムが好ましく、とりわけ、高ヤング率である等の機械的特性に優れ、耐熱寸法安定性がよい等の熱的特性等に優れるという観点から、二軸延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルム、または二軸延伸されたポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルムが特に好ましい。なお、基材フィルムの厚みは特に限定されないが、好ましくは20μm以上500μm以下である。基材フィルムの厚みが上記数値範囲にあると、基材フィルムの剛性が適正となり、取り扱い性に優れる。厚みが薄すぎる場合は、基材フィルムの剛性が低くなる傾向にあり、得られた導電性フィルムをディスプレイ等に貼り付ける際に、導電性フィルムが撓んでしまう等により取り扱い性に劣る傾向にある。他方、厚すぎる場合は、基材フィルムの剛性が高くなる傾向にあり、透明導電塗膜層を塗設する際の取り扱い性に劣る傾向にある。
また、基材フィルムは、塗剤を塗工する前に、密着性、塗工性等を向上させることを目的として、必要に応じてフィルム表面に予備的処理を施してもよい。予備的処理としては、例えば、コロナ放電処理、プラズマ放電処理等の物理的表面処理、または製膜中あるいは製膜後に有機樹脂系あるいは無機樹脂系の塗料を塗工して、塗膜密着層を形成する化学的表面処理を挙げることができる。
<透明導電塗膜層の塗設方法>
本発明における透明導電塗膜層は、透明導電塗膜層を形成するための塗剤を、透明導電塗膜層を形成したい層の上に塗工し、乾燥することにより形成される。この塗剤は、必須成分として前述の導電性高分子と、任意成分として前述の任意成分とを水に溶解もしくは分散した水溶液もしくは水分散液を用いる。
塗剤の製造方法としては、透明導電塗膜層を構成する各構成成分が水に溶解もしくは分散されるならば特に限定されない。例えば、塗剤を構成する各構成成分を攪拌下で混合する方法を挙げることができる。特に、超音波処理をしながら分散させると、各構成成分をより均等に水に分散させることが可能となり、好ましい。
また、必要に応じて、前記有機高分子バインダーやアクリル−ポリエステル樹脂バインダーを溶解させることを目的として、あるいは基材フィルムへの濡れ性を向上させることを目的として、あるいは塗剤の固形分濃度を調整すること等を目的として、分散媒である水と相溶性のある溶媒を濡れ剤として、乾燥工程が許容する範囲で添加することができる。このような溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、n−プロパノール、イソブタノール、エチレングリコール、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ならびにこれらの混合溶媒等を挙げることができる。
本発明における透明導電塗膜層は、透明導電塗膜層を形成したい層の上に塗剤を塗工し、乾燥することにより形成される。塗剤の塗工方法は、特に限定されないが、コーターを用いて、塗剤を連続的に基材フィルム上に塗工することが好ましく、生産性が高く、透明導電塗膜層の厚み斑をより均一にすることができる。かかるコーターとしては、公知のコーターを採用することができ、例えば、リップダイレクト法、コンマコーター法、スリットリバース法、ダイコーター法、グラビアロールコーター法、ロールコーター法、ブレードコーター法、スプレーコーター法、エアーナイフコート法、ディップコート法、バーコーター法等を好ましい方法として挙げることができる。
透明導電塗膜層を得るための加熱乾燥条件は、好ましくは80℃以上160℃以下の温度範囲で10秒以上300秒以下の間乾燥することであり、さらに好ましくは100℃以上150℃以下の温度範囲で20秒以上120秒以下の間乾燥することである。
本発明においては、前述のとおり、透明導電塗膜層が含有するFe金属濃度を2000ppb以下とする方法は、特に限定されない。例えば上記製造方法において、各原料にFe金属が含有されている場合は、Fe金属濃度の低い原料を選定する、化学的かつ/または物理的な公知の手法により取り除く等によって透明導電塗膜層が含有するFe金属濃度を低くすることができる。また、これら各原料を配合して塗剤とする間や塗剤とした後に不純物として不可避的にFe金属が含有される場合は、塗剤の作成や保管、運搬、塗工等の作業を不純物の少ないクリーンルーム内等で実施する等によって透明導電塗膜層が含有するFe金属濃度を低くすることができる。
さらに本発明においては、特に以下の製造方法が、生産性が高く、安価に、品質の安定した本発明の導電性フィルムが得られるという観点から好ましい。すなわち、塗剤を作成する工程においては、塗剤を調製するための容器、攪拌子や攪拌羽、原料を取り扱うための配管や容器等の各原料や塗剤と接触する器具として、少なくとも各原料や塗剤と接触する部分が非鉄材料からなる器具(以下、非鉄製器具と呼称する場合がある。)を使用する、基材フィルムに透明導電塗膜層を塗工する工程においては、使用するコーターにおける塗剤と接触する部品として、少なくとも塗剤と接触する部分が非鉄材料からなる部品(以下、非鉄製部品と呼称する場合がある。)を使用する製造方法が好ましい。
コーターにおいて、非鉄製部品とすることができる部品としては、アプリケーターロールやグラビアロール等の各ロール、ノズル部、ドクターブレード、パン、ポンプの筐体および内部部品、塗剤貯蔵タンクや配管、配管のジョイント部分等が挙げられる。中でも、Fe金属濃度をより低くすることができるという観点から、塗剤を貯蔵するための塗剤貯蔵タンク、ドクターブレード、およびパンが非鉄製部品であるコーターを用いることが好ましい。これらに加えて、Fe金属濃度をさらに低くすることができるという観点から、塗剤貯蔵タンクとコーターとを接続する配管が、非鉄製部品である態様がさらに好ましい。
ここで、本発明において「非鉄材料」とは、実質的に鉄を含有しない材料、または、鉄を含有していても、水や有機溶剤等にFe金属が実質的に溶出しない材料を示す。これらは、本発明においては、本発明の目的を阻害する量のFe金属を塗剤に溶出させない材料であれば良く、その目的とするところは、本発明における透明導電塗膜層が含有するFe金属濃度を低くすることにある。したがって、本発明における非鉄製部品とは、主に非鉄材料を主たる構成成分とする部品を示すが、必ずしも部品全体が非鉄材料のみからなる必要はなく、前述のとおり、少なくとも塗剤と接触する部分が非鉄材料からなる部品であればよい。例えば、鉄製部品の表面を植物繊維系材料、プラスチック系材料、ガラス系材料、ゴム系材料、セラミックス系材料等の非鉄材料で被覆した部品等も包含する。非鉄製器具も同様である。
上記非鉄製器具および非鉄製部品は、それぞれ少なくとも塗剤と接触する部分が非金属材料からなる器具(以下、非金属製器具と呼称する場合がある。)および部品(以下、非金属製部品と呼称する場合がある。)であることがさらに好ましく、そのような態様とすることによって、透明導電塗膜層中におけるイオン性金属濃度をより低くすることができる。
ここで、本発明において「非金属材料」とは、有機物質、または無機物質のうち金属でない材料を示す。これらは、本発明においては、本発明の効果を低下させる量のイオン性金属を塗剤に溶出させない材料であれば良く、その目的とするところは、本発明における透明導電塗膜層が含有するイオン性金属濃度を低くすることにある。したがって、本発明における非金属製部品とは、主に非金属材料を主たる構成成分とする部品を示すが、必ずしも部品全体が非金属材料のみからなる必要はなく、前述のとおり、少なくとも塗剤と接触する部分が非金属材料からなる部品であればよい。例えば、金属製部品の表面を植物繊維系材料、プラスチック系材料、ガラス系材料、ゴム系材料、セラミックス系材料等の非金属材料で被覆した部品等も包含する。非金属製器具も同様である。
そのほか、塗剤がパンのドレイン孔を介して塗剤貯蓄タンクとコーターの間を循環する場合は、塗剤の循環時間を短くする、塗剤の温度が高くなり過ぎないようにすることによって、透明導電塗膜層が含有するFe金属濃度をさらに低くすることができるため好ましい。
また、本発明の導電性フィルムは、基材フィルムと透明導電塗膜層とを含む態様であれば、その他の層については特に限定されるものではない。したがって、その他の層を含む態様であっても、含まない態様であってもよい。その他の層を含む態様としては、例えば基材フィルムと透明導電塗膜層との間に他の層を有する態様、あるいは基材フィルムの上に保護膜を有する態様等が挙げられる。また、透明導電塗膜層は、基材フィルムの少なくとも片面に設けられていればよく、他方の面には必要に応じてアンカーコート層、ハードコート層等を設けることもできる。
<導電性フィルムの特性>
(表面抵抗値変化率)
本発明の導電性フィルムは、温度60℃かつ湿度90%で240時間処理する前後における表面抵抗値変化率が200%以下であることが好ましい。表面抵抗値変化率が上記数値範囲にあると、耐湿熱性の向上効果をより高くすることができる。表面抵抗値変化率が高すぎる場合は、導電性フィルムをタッチパネル等の入力装置として用いて高温高湿の雰囲気下に置いた場合に、誤作動を起こしやすくなる傾向にある。このような観点から、表面抵抗値変化率は、さらに好ましくは180%以下、特に好ましくは160%以下である。表面抵抗値変化率を200%以下にするには、透明導電塗膜層が含有しているFe金属濃度を2000ppb以下とする、透明導電塗膜層の厚み斑を10%以下とすることで達成される。
(表面抵抗値)
本発明の導電性フィルムにおいては、透明導電塗膜層が塗設されている表面における表面抵抗値が10Ω/□以上1×10Ω/□以下であることが好ましい。さらに好ましくは10Ω/□以上5×10Ω/□以下、特に好ましくは10Ω/□以上1×10Ω/□以下である。表面抵抗値が高すぎる場合は、例えばタッチパネル型入力装置の電極として使用した場合に、タッチパネルを押圧しても反応しない等の誤作動が生じやすくなる傾向にある。また、有機エレクトロルミネッセンス素子、無機エレクトロルミネッセンスランプ等の透明電極として使用した場合に、目的とする導電性が得られない場合がある。他方、表面抵抗値が低すぎる場合は、そのような低い表面抵抗値とするには、導電性高分子を著しく多量に使用する必要が生じ、結果として導電性フィルムの製造コストが上がる傾向にあり、経済性に劣る。導電性フィルムの表面抵抗値を上記数値範囲とするには、透明導電塗膜層中の導電性高分子の含有量、透明導電塗膜層の厚み等を適宜調整することにより達成される。
(全光線透過率)
本発明の導電性フィルムは、全光線透過率が80%以上であることが好ましい。さらに好ましくは85%以上、特に好ましくは90%以上である。全光線透過率が低すぎる場合は、透明性が不十分となり、例えば導電性フィルムを用いてタッチパネル型入力装置とした場合において、表示画面が暗くて画像を認識しにくくなる。全光線透過率を80%以上とする方法としては、例えば透明導電塗膜層の膜厚みを300nm以下にする、透明導電塗膜層に含有される有機高分子バインダー等の添加剤の添加量を調整する等がある。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例中における各評価は下記の方法に従った。
(1)透明導電塗膜層中のFe金属濃度およびイオン性金属濃度
塗剤を調製後、コーターにおいて所定の時間循環させた後、パンから塗剤をサンプリングした。サンプリングした塗剤を白金坩堝に秤取し、ホットプレート上にて溶媒を揮散させた後、灰化操作を行った。得られた灰分に濃酸を添加して加熱濃縮操作を行った後、希酸を添加して加熱回収操作を行った。放冷後、得られたサンプルをフッ素樹脂製の容器に移液し、ICP−MS分析装置(横河アナリティカルシステムズ株式会社製:商品名HP4500)を用いてICP−MS法によりイオン性金属の定量分析を行い、Fe金属濃度(単位:ppb)を求めた。また、求められたFe金属濃度、および同時に得られたB金属、Mg金属、Al金属、Ca金属、Ni金属、Cu金属、Zn金属、Sb金属、Ba金属の各濃度からそれらの合計を求め、イオン性金属濃度(単位:ppb)とした。なお、回収液には予め内部標準元素を添加しておいた。
(2)表面抵抗値
表面抵抗値測定装置(株式会社ダイアインスツルメンツ製:商品名Lorester MCP−T600)を用いて、JIS K7194に準拠して測定した。導電性フィルムにおける透明導電塗膜層側の表面について、任意の5箇所を測定し、それらの平均値を表面抵抗値(単位:Ω/□)とした。
(3)表面抵抗値変化率
サンプルを、温度60度、かつ湿度90%の恒温恒湿オーブン中に格納し、連続して240時間が経過したときにサンプルを取り出し、サンプル温度が室温に戻るのを待って、上記(2)の方法に従って表面抵抗値を測定し、それらの平均値を湿熱処理後の表面抵抗値(単位:Ω/□)とした。次いで、上記(2)で得られた表面抵抗値を用いて、下記式により表面抵抗値変化率(単位:%)を求めた。
Figure 0005046977
(4)光線透過率
JIS K7105に準じて、ヘーズ測定機(日本電色工業株式会社製:商品名NDH2000)を使用して光線透過率を測定した。導電性フィルムの任意の5箇所について測定し、それらの平均値を光線透過率(単位:%)とした。
(5)透明導電塗膜層の膜厚みと厚み斑
導電性フィルムの小片を、エポキシ樹脂を用いて樹脂カプセルに固定成形した。次いで、ミクロトームを用いて導電性フィルムの面方向と垂直な方向にスライスし、約600オングストローム厚みの超薄切片を作成した。得られた試料を透過型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製:商品名H−800型)にて観察し、透明導電塗膜層の膜厚みを求めた。この操作を50点について行い、それらの平均値を透明導電塗膜層の膜厚み(単位:nm)とした。
また、膜厚みの最大値と最小値との差を膜厚みの平均値で除して求めた比率を、透明導電塗膜層の厚み斑(単位:%)とした。
<塗剤の調製>
(導電性高分子の水分散体)
カチオン性のポリチオフェンとして、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)0.5質量%と、ポリアニオンとして数平均分子量Mn=1.5×10のポリスチレンスルホン酸0.8質量%とを含んでなる導電性高分子の水分散体(バイエルAG社製:商品名BaytronP)97質量部に対して、ジエチレングリコール3質量部、γ−グリシドキシトリメトキシシラン0.5質量部、濡れ剤としてイソプロパノール4質量部を混合した溶液に、界面活性剤としてフッ素化アルキル/エーテル/アルコール共重合系界面活性剤(大日本インキ化学工業株式会社製:商品名F−445)を、最終重量に対して400ppmとなるように添加した溶液を導電性高分子の水分散体(固形分濃度:4.6質量%)とした。
(有機高分子バインダーの水溶液)
互応化学株式会社製:商品名プラスコートRZ−570(Tg=60℃の水溶性ポリエステル樹脂の水溶液、固形分濃度25質量%)をそのまま用いた。
プラスコートRZ−570は、酸成分が、テレフタル酸(80モル%)、イソフタル酸(14モル%)、5−Naスルホイソフタル酸(6モル%)からなり、グリコール成分が、エチレングリコール(74モル%)、ジエチレングリコール(8モル%)、ヘキサメチレングリコール(18モル%)からなる水溶性ポリエステル樹脂である。RZ−570の重量平均分子量Mwは23000である。
(アクリル−ポリエステル樹脂の水分散体)
高松油脂株式会社製:商品名ペスレジンA−615GE(Tg=47℃のアクリル変性ポリエステル樹脂の水分散体、固形分濃度25質量%)をそのまま用いた。
ペスレジンA−615GEは、ポリエステルの酸成分100モル%に対して、メチルメタクリレート(225モル%)、グリシジルメタクリレート(17モル%)を有するアクリル変性ポリエステル樹脂である。グリシジル基は、アクリル成分100モル%に対して7モル%に相当する。ここで、ポリエステルは、酸成分が、テレフタル酸(55モル%)、イソフタル酸(40モル%)、5−Naスルホイソフタル酸(5モル%)、グリコール成分が、エチレングリコール(77モル%)、ジエチレングリコール(23モル%)からなる。ペスレジンA−615GEの数平均分子量Mnは7700であり、ポリエステル成分の数平均分子量Mnは3500、アクリル成分の数平均分子量Mnは4200である。
(塗剤A)
上記で得られた導電性高分子の水分散体120質量部、有機高分子バインダーの水溶液10質量部、アクリル−ポリエステル樹脂バインダーの水分散体1質量部を、攪拌下でイオン交換水400質量部に投入し、次いで固形分濃度が1.1質量%となるようにイオン交換水で希釈し、塗剤A(固形分濃度:1.1質量%)とした。塗剤Aの調製にあたっては、ポリプロピレン製の塗剤調製用タンクと、樹脂で表面被覆された攪拌羽を用いて調製した。
(塗剤B)
上記で得られた導電性高分子の水分散体を、塗剤の固形分濃度が1.1質量%となるようにイオン交換水で希釈して塗剤B(固形分濃度:1.1質量%)とした。塗剤Bの調製にあたっては、ポリプロピレン製の塗剤調製用タンクと、樹脂で表面被覆された攪拌羽を用いて調製した。
[実施例1]
上記で得られた塗剤Aをポリプロピレン製の塗剤貯蔵タンクに投入した。塗剤貯蔵タンクとコーターは第1の配管(内径15mm、長さ2m)を介して接続しており、塗剤はチューブポンプによって汲み上げられコーターのノズル部に供給される。ノズル部から出た塗剤は、幅300mmのグラビアロール上に供給され、ドクターブレードでグラビアロール上の余分な塗剤を掻き落とした後、グラビアロールにより基材フィルム上に塗剤が塗工される。ドクターブレードで掻き落とされた塗剤やノズル部から流れ落ちた塗剤は、グラビアロールとノズル部の下部に配置されているパンに集められる。パンは塗剤貯蔵タンク内の塗剤の水面よりも高い位置に配置されており、パンに集められた塗剤はパンのドレイン孔から第2の配管(内径15mm、長さ2m)を介して塗剤貯蔵タンクへ戻される。コーターの前後には、ロール状のフィルムを繰り出す装置と巻き取る装置、および熱風オーブンが設置されており、ロール・ツゥー・ロールプロセスにより基材フィルム上に塗剤を塗工し、乾燥させることができる。
コーターを構成する各部品の材質、塗剤の循環時間と循環温度を表1に示すとおりの条件として上記塗剤Aをコーターに循環させ、表1に示す時間が経過した時点で、ロール・ツゥー・ロールプロセスにより基材フィルム上に塗剤を塗工し、熱風オーブンにて温度140℃で1分間乾燥した後にフィルムを巻き取り、導電性フィルムを得た。この時、グラビアロールの回転速度は5m/分とした。また、基材フィルムとしては厚み100μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製:商品名O3PF8W−100)を用いた。得られた導電性フィルムとその透明導電塗膜層の特性を表2に示す。
実施例1で得られた導電性フィルムは、その透明導電塗膜層が含有しているFe金属濃度が低く、耐湿熱性に優れるものであった。そのため、実施例1で得られた導電性フィルムを用いて作成されたタッチパネル型入力装置は、高温高湿の雰囲気においても誤作動が少なく、良好なものであった。
[比較例1]
コーターを構成する各部品の材質、塗剤の循環時間と循環温度を表1に示すとおりの条件として前記塗剤Aをコーターに循環させ、表1に示す時間が経過した時点で、パンから塗剤をサンプリングした。サンプリングした塗剤を、マイヤーバーを用いて厚み100μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製:商品名O3PF8W−100)上に、乾燥後の膜厚みが100nmとなるように塗工し、熱風オーブンにて温度140℃で1分間乾燥し、導電性フィルムを得た。得られた導電性フィルムとその透明導電塗膜層の特性を表2に示す。
比較例1で得られた導電性フィルムは、その透明導電塗膜層が含有しているFe金属濃度は低いが、マイヤーバーを用いて塗工したため、厚み斑が大きく、耐湿熱性に劣るものであった。また、面内の表面固有抵抗値のバラツキが大きいものであった。さらに、比較例1で得られた導電性フィルムを用いて作成されたタッチパネル型入力装置は、高温高湿の雰囲気において誤作動が多く、不適なものであった。
[実施例2〜8、比較例2]
塗剤の種類、コーターを構成する各部品の材質、塗剤の循環時間と循環温度を表1に示すとおりとする以外は、実施例1と同様にして導電性フィルムを得た。得られた導電性フィルムとその透明導電塗膜層の特性を表2に示す。
実施例2〜8で得られた導電性フィルムは、その透明導電塗膜層が含有しているFe金属濃度が低く、耐湿熱性に優れるものであった。そのため、実施例2〜8で得られた導電性フィルムを用いて作成されたタッチパネル型入力装置は、高温高湿の雰囲気においても誤作動が少なく、良好なものであった。
比較例2で得られた導電性フィルムは、その透明導電塗膜層が含有しているFe金属濃度が高く、耐湿熱性に劣るものであった。また、比較例2で得られた導電性フィルムを用いて作成されたタッチパネル型入力装置は、高温高湿の雰囲気において誤作動が多く、不適なものであった。
[比較例3]
コーターを構成する各部品の材質、塗剤の循環時間と循環温度を表1に示すとおりの条件として前記塗剤Aをコーターに循環させた以外は、比較例1と同様にして導電性フィルムを得た。得られた導電性フィルムとその透明導電塗膜層の特性を表2に示す。
比較例3で得られた導電性フィルムは、その透明導電塗膜層が含有しているFe金属濃度が高く、さらにマイヤーバーを用いて塗工したため、厚み斑が大きく、耐湿熱性に劣るものであった。また、面内の表面固有抵抗値のバラツキが大きいものであった。さらに、比較例3で得られた導電性フィルムを用いて作成されたタッチパネル型入力装置は、高温高湿の雰囲気において誤作動が多く、不適なものであった。
Figure 0005046977
Figure 0005046977

Claims (7)

  1. 基材フィルムの少なくとも片面に、下記一般式で表される繰り返し単位からなるカチオン性のポリチオフェンとポリアニオンとからなる導電性高分子を含む透明導電塗膜層が積層された導電性フィルムであって、該透明導電塗膜層が含有しているFe金属濃度が500ppb以下であり、該透明導電塗膜層の厚み斑が10%以下である導電性フィルム。
    Figure 0005046977
    (式中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素または炭素数1以上4以下のアルキル基を表すか、あるいは一緒になって、任意に置換されていてもよい炭素数1以上12以下のアルキレン基を表す。)
  2. 透明導電塗膜層の膜厚みが20nm以上1000nm以下である請求項1に記載の導電性フィルム。
  3. 透明導電塗膜層がアクリル−ポリエステル樹脂バインダーを1質量%以上10質量%以下含有する請求項1または2に記載の導電性フィルム。
  4. 温度60℃かつ湿度90%で240時間処理する前後における表面抵抗値変化率が200%以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性フィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性フィルムを製造するに際して、塗剤を貯蔵するための塗剤貯蔵タンク、ドクターブレード、およびパンが、少なくとも塗剤と接触する部分が非鉄材料からなる部品であるコーターを用い、下記一般式で表される繰り返し単位からなるカチオン性のポリチオフェンとポリアニオンとからなる導電性高分子を含有する塗剤を連続的に基材フィルム上に塗工する、導電性フィルムの製造方法。
    Figure 0005046977
    (式中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素または炭素数1以上4以下のアルキル基を表すか、あるいは一緒になって、任意に置換されていてもよい炭素数1以上12以下のアルキレン基を表す。)
  6. 塗剤貯蔵タンクとコーターとを接続する配管が、少なくとも塗剤と接触する部分が非鉄材料からなる部品である請求項5に記載の導電性フィルムの製造方法。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性フィルムを用いたタッチパネル型入力装置。
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