JP5041958B2 - 防曇性多層フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、食品包装等の用途に使用される防曇性多層フィルムに関し、特に、冷蔵温度で流通・保存・販売される食品の包装に好適に用いることのできる、防曇性、透明性及び滑り性に優れる防曇性多層フィルムに関するものである。
従来、肉類、魚介類、青果、惣菜等の食品包装等の用途に使用されるフィルムとしては、塩化ビニル系樹脂組成物からなるストレッチフィルムが、透明性及び自己粘着性等において優れた性能を有しているので、最も多用されてきた。しかしながら、かかる塩化ビニル系樹脂組成物からなるストレッチフィルムは、大量の可塑剤を使用しているので、被包装物に可塑剤が移行して汚染する問題や、フィルム成形時或いは包装作業中のフィルム溶断時、又は廃棄焼却時に有毒ガスが発生する等の安全衛生上及び環境上の問題を有している。
そのため、近年のストレッチフィルムにおいては、ポリオレフィン系樹脂組成物が、塩化ビニル系樹脂組成物に替わり、使用されつつある。ポリオレフィン系樹脂フィルムの中でも、特に、メタロセン系触媒を用いて重合したエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂からなるフィルムは、透明性、耐衝撃強度、低温ヒートシール性及び柔軟性等において優れていることが知られている。
しかしながら、ストレッチフィルムによる包装は、包装物をタイトに仕上げて商品価値を高めるという点において不都合であるので、タイトで美しい仕上りが得られるシュリンクフィルムによる包装の需要も高まってきている。かかるシュリンクフィルムによる包装としては、ピローシュリンク包装とストレッチシュリンク包装とが知られている。
ピローシュリンク包装は、一般的には、容器やトレーに収容された食品等の被包装物を、シュリンクフィルムにて筒状に覆い、次に溶断シール等して袋状に成形した後、これをタイトに加熱収縮させる方法である。また、ストレッチシュリンク包装は、一般的には、シュリンクフィルムを用いて、従来のストレッチ包装のように被包装物をある程度緊張状態で包装した後、そのシュリンクフィルムの端を被包装物の底面に折り込み、かかる折り込み部をフィルム同士の自己密着力又は熱融着等により一次包装した後、ピローシュリンク包装と同様に加熱収縮処理を施して局部的なフィルムのタルミやシワを除去する方法である。
ピローシュリンク包装の特徴としては、その包装フィルムとして縦及び横方向ともに高い熱収縮率を有するシュリンクフィルムを使用することにより、丼等の球に近い形の容器であっても、容器全面にフィルムが密着した、角が目立たないタイトな包装ができることや、溶断シールが一般的に適用可能なので、フィルムを重ねてシールする必要がなく、よってフィルムの使用面積をストレッチシュリンク包装よりも少なくできること等が挙げられる。そのため、ピローシュリンク包装は、ストレッチシュリンク包装に替わって使用されることが多くなりつつある。
上記の通り、ピローシュリンク包装に使用されるシュリンクフィルムは、溶断シール性が要求されるので、表層を構成する樹脂として、溶断シール性の低いエチレン−酢酸ビニル共重合体ではなく、直鎖状低密度ポリエチレン等を用いることが多い。
ここで、エチレン−酢酸ビニル共重合体を表層に用いたフィルムは、溶断シール性は低いものの、被包装物の底面に折り込んでオーバーラップさせたフィルム同士を熱板に接触させて熱融着する等の、底シール性には優れている。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体は、防曇性を付与するために押出成形時に樹脂と混練される防曇剤との混練性に優れ、しかも、成形後にフィルム中からフィルム表面へと防曇剤をブリードアウトさせやすい性質を有している。
一方、直鎖状低密度ポリエチレンは、エチレン−酢酸ビニル共重合体と比較して、極性の高い防曇剤との混練性に劣るので、液状の防曇剤を多量に安定して押出溶融しながら混練することが困難である。また、直鎖状低密度ポリエチレンは、エチレン−酢酸ビニル共重合体と比較して、30℃以下の温度で数日という短時間内にフィルム中からフィルム表面へと防曇剤をブリードアウトさせる能力が低い。
そのため、表層が直鎖状低密度ポリエチレン等のオレフィン系樹脂から構成される、この種のフィルムは、フィルムの使用面積を少なくしてタイトな包装をできる点で優れているものの、エチレン−酢酸ビニル共重合体を表層に用いたフィルムに比べて、防曇性に劣るという欠点があった。
一方、オレフィン系樹脂を表層に用いたフィルムに防曇性を付与する技術としては、以下のものが知られている。
特開2002−20553号公報(特許文献1)には、グリセリン脂肪酸エステル及びソルビタン脂肪酸エステルからなる群より選ばれた防曇剤と、ポリオキシエチレンアルキルエーテルからなる防曇剤とを、1.0〜5.0重量部混合してなるポリオレフィン系樹脂組成物が開示されている。
特開2002−200672号公報(特許文献2)には、エチレン系重合体樹脂にグリセリン脂肪酸エステル系界面活性剤を添加したエチレン系重合体樹脂よりなる架橋された包装フィルムが開示されている。
特開2004−210967号公報(特許文献3)には、エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂100重量部に対し、(A)ジグリセリン混合脂肪酸エステルを0.04〜3.8重量部、(B)炭素数8〜22の脂肪酸のエチレンオキサイド1〜100モル付加物を0.005〜0.7重量部、(C)ポリグリセリンの平均重合度3〜10で脂肪酸との部分エステル化合物からなるポリグリセリン脂肪酸エステルを0.003〜0.7重量部からなり、且つ、(A)〜(C)合計添加量が0.1〜4重量部である食品包装用フィルムが開示されている。
また、特開2004−216825号公報(特許文献4)には、ビニルエステル単量体、脂肪族不飽和モノカルボン酸、及び該モノカルボン酸アルキルエステルより選ばれる少なくとも1種の単量体とエチレンとの共重合体、又はこれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種の共重合体とエチレン−α−オレフィン共重合体との混合樹脂からなる表層を有し、グリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、テトラグリセリン脂肪酸エステル、及びポリエチレングリコール脂肪酸エステルからなる界面活性剤組成物を、全層の合計質量(100質量部)に対して0.1〜5質量部含有したポリオレフィン系樹脂防曇・熱収縮性多層フィルムが開示されている。
さらに、特開2005−146184号公報(特許文献5)には、ポリオレフィン樹脂(A)100重量部に対し、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪族アルコールエーテル及びポリオキシエチレン脂肪酸エステルから選ばれた少なくとも1種の化合物である界面活性剤(B)を0.1〜20重量部、並びに溶解性パラメータが8〜11であり分子量が100〜10000である相溶化剤(C)0.05〜3重量部%を含むポリオレフィン樹脂組成物が開示されている。
また、特開平4−47936号公報(特許文献6)には、防曇性熱可塑性樹脂製多層構造フィルムであって、内層、中間層及び外層の3層を備え、内外層の防曇剤の添加量を0.07〜0.20重量%とし、中間層の防曇剤の添加量を0.35〜0.50重量%とすることにより、内層及び外層に比して中間層の防曇剤の添加量を大にして、中間層とこれら内外層との間に防曇剤含有濃度勾配をもたせた防曇性多層フィルムが開示されている。
特開2002−20553号公報 特開2002−200672号公報 特開2004−210967号公報 特開2004−216825号公報 特開2005−146184号公報 特開平4−47936号公報
しかしながら、上記特許文献1乃至5にて開示された技術において、良好な防曇性、光学特性及び滑り性を両立させるためには、防曇剤をフィルム中に高濃度で添加するか、又は特定の組成の防曇剤を使用しなければならない、という欠点があった。
また、上記特許文献6にて開示された技術においては、多層フィルムの厚みを厚くし、且つ、フィルムを40℃の恒温室にて保存しないと、良好な防曇性が得られないという欠点があった。
本発明は、かかる課題を鑑みて為されたものであり、厚みが比較的薄く、防曇剤の添加量が比較的少ないながらも、良好な防曇性、透明性及び滑り性を有する防曇性多層フィルムを提供することを目的とする。
本発明者は、上記の課題を解決するため鋭意検討した結果、下記(1)乃至(4)を満たす防曇性多層フィルムが、厚みが比較的薄く、防曇剤の添加量が比較的少ないながらも、良好な防曇性、透明性及び滑り性を有することを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、以下(I)〜(VII)を提供する。
(I) 表面層、中間層及び芯層の少なくとも3層を有するポリオレフィン系樹脂多層フィルムを備え、下記(1)乃至(5);
(1)前記多層フィルムの表面の接触角が30°〜70°である;
(2)前記多層フィルムの表面の表面粗さが5〜20nmである;
(3)前記多層フィルムに含まれる防曇剤の総含有量が固形分換算で0.1〜1.0重量%である;
(4)前記多層フィルムの厚みが5〜20μmである;
を満たす、防曇性多層フィルム。
(II) 前記多層フィルムは、押出溶融成形された未延伸多層フィルムを延伸して得られるものであり、前記押出溶融成形時の前記防曇剤の添加量を、前記表面層及び前記芯層においては0〜1.0重量%とし、前記中間層においては2.0〜10重量%とする、(I)記載の防曇性多層フィルム。
(III) 前記表面層と前記中間層との防曇剤の添加量の差を1.0〜10重量%とする、(II)記載の防曇性多層フィルム。
(IV) 前記表面層が、エチレン系重合体を含有する、(I)乃至(III)のいずれか一項記載の防曇性多層フィルム。
(V) 前記表面層、前記中間層及び前記芯層の少なくとも一層が架橋されたものである、(I)乃至(IV)のいずれか一項記載の防曇性多層フィルム。
(VI) (I)乃至(V)のいずれか一項記載の防曇性多層フィルムを用いた、シュリンク包装。
(VII) (I)乃至(V)のいずれか一項記載の防曇性多層フィルムを用いた、ピローシュリンク包装。
本発明によれば、厚みが比較的薄く、且つ、防曇剤の添加量が比較的少ないながらも、良好な防曇性、透明性及び滑り性を有する防曇性多層フィルムを提供することができる。
以下、本実施形態の防曇性多層フィルムについて、詳細に説明する。
本実施形態の防曇性多層フィルムは、表面層、中間層及び芯層の少なくとも3層を有するポリオレフィン系樹脂多層フィルムを備え、上記(1)乃至(4)を満たすものである。かかる防曇性多層フィルムは、各層の成形時における防曇剤の添加量を調整することにより得ることができる。その好ましい実施態様は、各層の押出溶融成形時における防曇剤の添加量を、表面層及び芯層においては0〜1.0wt%とし、中間層においては2.0〜10wt%とするものである。
このように各層における防曇剤の添加量を調整する、換言すれば、多層フィルムに特定の防曇剤含有濃度勾配を持たせることにより、多層フィルム表面へブリードアウトされる防曇剤の量、及び多層フィルム表面における防曇剤の分布状態が改質され、多層フィルムの特定の表面粗さ及び特定の接触角と相まって、従来に比してフィルムの厚みが薄く、且つ、防曇剤の添加量が少ないながらも、防曇性、滑り性及び透明性が有意に向上されたものと考えられる。
なお、本明細書において、上記(2)の多層フィルムの表面の表面粗さは、後述する実施例において定義された、以下の測定方法によって算出される値とする。
市販の走査プローブ顕微鏡(Veeco社製 NanoscopeIV及びNanoscopeIIIa)を用いて、表面粗さの評価を行う。プローブとしてSi単結晶プローブ(NCH−10)を用い、測定モードはTappingモードとし、測定エリアを30μm角として、画像の取り込みを行う。測定後の画像について、付属の解析ソフトウェアを用いて、うねりを除去するための画像処理としてFlatten処理(0次)を1回、及びPlanefit処理(XY)を1回行った後、表面粗さを算出する。
かかる防曇性多層フィルムの特徴は、多層フィルム中に含まれる防曇剤の総含有量(絶対量)が、固形分換算で1.0wt%以下と、従来に比して少ない量であるにも関わらず、良好な防曇性、滑り性及び透明性を示すことである。多層フィルム中に含まれる防曇剤の総含有量が少ない結果、多層フィルム表面に存在する防曇剤の量も少なくなると考えられるが、本実施形態の防曇性多層フィルムは、接触角が30°〜70°と高い値を示す。よって、本実施形態の防曇性多層フィルムにおいては、防曇剤がフィルム表面において比較的均一に存在することにより、良好な防曇性等が呈されているものと推定される。
多層フィルムを構成するポリオレフィン系樹脂は、炭素原子数が2〜18のα−オレフィンを主成分とする重合体であり、例えば、炭素原子数が2〜18のα−オレフィンの単独重合体、炭素原子数が2〜18のα−オレフィンの少なくとも2種の共重合体、炭素原子数が2〜18のα−オレフィンの少なくとも1種とビニルエステル、不飽和カルボン酸エステル、不飽和カルボン酸及びそのアイオノマーから選ばれる少なくとも1種のコモノマーとの共重合体等が挙げられる。
上記のポリオレフィン樹脂のなかでも、エチレン系共重合体が好ましい。かかるエチレン系共重合体としては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、チーグラー系マルチサイト触媒を用いた直鎖状低密度ポリエチレン及び超低密度ポリエチレン、エチレンと共重合可能なビニル化合物との共重合体、メタロセン触媒等のシングルサイト系触媒を用いたエチレン系重合体等が挙げられる。これらのエチレン系共重合体のうち、チーグラー系触媒を用いたエチレンとα−オレフィンとの重合体である直鎖状低密度ポリエチレン及び超低密度ポリエチレンや、シングルサイト系触媒を用いたエチレンとα−オレフィンとの共重合体がより好ましく、シングルサイト系触媒を用いたエチレンとα−オレフィンとの共重合体がさらに好ましい。
エチレン−α−オレフィン共重合体のコモノマー成分であるα−オレフィンとしては、炭素原子数が3〜18のα−オレフィンが好ましい。炭素原子数が3〜18のα−オレフィンの具体例としては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等が挙げられ、これらにポリエン構造を有する炭化水素、例えば、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、ノルボルネン系単量体(例えば、エチリデンノルボルネン)等を共重合させたものも好適に用いることができる。共重合体中のエチレン含量は、特に限定されるものではないが、好ましくは40〜95質量%、より好ましくは50〜90質量%、さらに好ましくは60〜85質量%である。
防曇剤の具体例としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリアルキレンングリコール等が挙げられる。かかる防曇剤に、脂肪酸エステル以外の界面活性剤や酸化防止剤、帯電防止剤、石油樹脂、ミネラルオイル等の液体添加剤等が添加されたものであっても好適に用いることができる。
グリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、炭素原子数が8〜24の長鎖脂肪酸とモノグリセリンからなるエステル、炭素原子数が8〜24の長鎖脂肪酸とジグリセリンからなるエステル、炭素原子数が8〜24の長鎖脂肪酸とテトラグリセリンからなるエステル等が挙げられる。より具体的には、例えば、モノグリセリンモノアセトモノラウレート、モノグリセリンジアセトモノラウレート、モノグリセリンモノアセトモノミリステート、モノグリセリンジアセトモノミリステート、モノグリセリンモノアセトモノパルミテート、モノグリセリンジアセトモノパルミテート、モノグリセリンモノアセトモノステアレート、モノグリセリンジアセトモノステアレート、モノグリセリンモノアセトモノオレート、モノグリセリンジアセトモノオレート、モノグリセリンモノアセトモノリノレート、モノグリセリンジアセトモノリノレート、ジグリセリンモノオレート、ジグリセリンジオレート、ジグリセリンモノラウレート、ジグリセリンモノラウレート、ジグリセリンジラウレート、ジグリセリンモノステアレート、テトラグリセリンモノオレート、テトラグリセリンジラウレート、テトラグリセリンモノラウレート、テトラグリセリンモノステアレート、ヘキサグリセリンモノオレート、ヘキサグリセリンモノラウレート、ヘキサグリセリンモノステアレート、デカグリセリンモノオレート、デカグリセリンモノラウレート、テトラグリセリンモノカプリレート等が挙げられる。
ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、炭素原子数が12〜18の飽和又は不飽和脂肪酸のポリグリセリンエステルが好ましい。具体的には、ポリグリセリンラウレート、ポリグリセリンミリステート、ポリグリセリンパルミテート、ポリグリセリンステアレート、ポリグリセリンオレート、ポリグリセリンリノレート等が挙げられる。
これらの防曇剤は、単独または二種以上を組み合わせて使用することができる。防曇剤を二種以上組み合わせて使用すると、防曇性と滑り性のバランスに優れる効果が発現し得る。二種以上の防曇剤の組み合わせとしては、例えば、炭素原子数が8〜24の長鎖脂肪酸とモノグリセリンからなるエステル及び炭素原子数が8〜24の長鎖脂肪酸とジグリセリンからなるエステルの組み合わせや、炭素原子数が8〜24の長鎖脂肪酸とモノグリセリンからなるエステル及び炭素原子数が12〜18の飽和又は不飽和脂肪酸のポリグリセリンエステルの組み合わせが望ましい。より具体的には、グリセリンモノオレート及びジグリセリンオレートの組み合わせや、グリセリンモノオレート及びジグリセリンラウレートの組み合わせが挙げられる。
上記の防曇剤は、多層フィルム中に含まれる総含有量が0.1〜1.0重量%となるように添加される。ここでいう総含有量とは、多層フィルム中に含まれる防曇剤の固形分換算の総量を意味する。多層フィルムに含まれる防曇剤の総含有量が0.1wt%を下回ると、ブリードアウトして多層フィルム表面を被覆する防曇剤の量が不足し、防曇性及び滑り性が悪化する傾向にある。一方、多層フィルムに含まれる防曇剤の総含有量が1.0wt%を上回ると、透明性が低下する傾向にある。
本実施形態の防曇性多層フィルムの層構成は、層間剥離の抑制や、裏と表を区別して使用しなくても良い点、延伸安定性の点から、表面層、中間層、芯層、中間層、表面層の順に積層された5層であることが好ましいが、表面層と芯層との間に配置される中間層を各々2層とし、合計で7層にしてもよい。
次に、本実施形態の防曇性多層フィルムの製造例について説明する。
まず、各層を構成するポリオレフィン系樹脂をそれぞれの押出機で溶融して、多層ダイで共押出しした後に急冷固化し、数十〜数百μmの多層のフィルム原反を得る。押出法は、Tダイ法、サーキュラー法等を用いることでき、好ましくは、後者がよい。かかる各層の成形時に、ポリオレフィン系樹脂に添加する防曇剤の添加量を各層毎に調整することにより、得られる多層フィルムに、特定の防曇剤含有濃度勾配を持たせることが容易となる。
次に、上記のようにして得たフィルム原反を加熱して、配向を付与するのに適当な温度条件下で延伸を行ない、表面粗さが5〜20nmであり、厚みが5〜20μmの多層フィルムを作製する。延伸方法としては、ロール延伸法、テンター法、インフレ法(ダブルバブル法を含む)等があり、同時二軸延伸で製膜する方法が、延伸性その他合理性等の観点から、より好ましい。延伸処理は、少なくとも1方向に、3〜60倍の面積延伸倍率で行うことが好ましく、より好ましくは4〜60倍である。延伸倍率は、目的とする用途により必要とされる熱収縮率等に応じて適宜選択される。また、必要に応じて後処理、例えば寸法安定性のためのヒートセット、他種フィルム等とのラミネーション等を行ってもよい。
ここで、各層の成形時に添加する防曇剤の添加量は、表面層及び芯層においては0〜1.0wt%とし、中間層においては2.0〜10wt%とすることが好ましく、より好ましくは、表面層及び芯層は0〜0.5wt%であり、中間層は3.0〜5wt%である。好ましくないケースとして、表面層及び中間層の防曇剤の添加量が1.0wt%を超えていて、フィルム表面の接触角が30°以下となり、濡れ性が高いにも関わらず防曇性が低いケースと、表面層及び中間層の防曇剤の添加量が1.0wt%を下回っていて、フィルム表面の接触角としては70°を超えているが、濡れ性が低く防曇性も低いケースが考えられる。前者において、濡れ性が高いにも関わらず防曇性が低下する原因としては、防曇剤の多層フィルム表面への付着状態が均一でないことが考えられる。後者において防曇性が低下する原因としては、多層フィルム表面を被覆する防曇剤の量が不足していることが考えられる。一方、表面層と中間層との防曇剤の添加量の差が10wt%を上回ると、防曇性及び透明性が低下する傾向にある。防曇剤の添加量をかかる範囲内とすることにより、防曇性、滑り性及び透明性に優れる防曇性多層フィルムが容易に得られる傾向にある。
さらに、表面層と中間層との防曇剤の添加量の差が、1.0〜10wt%であることが好ましく、より好ましくは、2.0〜5wt%である。ここで、表面層と中間層との防曇剤の添加量の差が1.0wt%を下回ると、防曇性が低下する傾向にある。
さらに、本実施形態の防曇性多層フィルムは、その少なくとも1つの層が架橋されていてもよい。架橋処理は、耐熱性やヒートシール性、特に高速包装におけるシール性のより一層の向上等を目的として、必要に応じて用いられる。かかる架橋処理により、耐熱性が向上して高温での高倍率延伸によるフィルム製膜が可能となり、また、得られる防曇性多層フィルムに高い熱収縮性を付与することが可能となる。架橋された多層フィルムは、厚み方向における架橋度が、ほぼ均一であっても、適時分布を有していてもよい。また、特定の層のみが架橋されていても、一方の表層が主に架橋され且つ厚み方向に架橋度が漸次変化するものであっても、両表層が主に架橋されたものであってもよい。
架橋処理は、フィルム原反を延伸する前後に、電子線(例えば、50〜1000kVのエネルギーのもの)、紫外線、X線、α線或いはγ線等のエネルギー線を照射する方法や、パーオキサイド等(場合により、特定層に架橋助剤、特定層に架橋遅延剤等を併用してもよい)の添加後に加熱処理を行なう方法、又はこれら両方法の併用等の他、公知の方法により改質処理を行なってもよい。架橋処理は、透過深度を所定にコントロールした電子線を多層フィルムの片面又は両面に照射する等して、その厚み方向に架橋分布、同傾斜(例えば、片側の表層のみが架橋されている)が生ずるように実施してもよい。
本実施形態においては、5〜20μmの多層フィルムを容易に製膜可能であるとの観点から、インフレ法(ダブルバブル法を含む)を用いることが好ましく、さらに、10μm以下の多層フィルムを安定して得る観点から、電子線等により架橋した厚み100〜600μmの未延伸の多層フィルムを、10〜60倍の面積延伸倍率で、樹脂の融点よりも5℃〜50℃高い温度にて延伸することが好ましい。
表面粗さを20nm以下に制御するために、架橋処理されていない未延伸の多層フィルムを延伸する場合は、表面層の樹脂の融点以下で延伸することが好ましい。表面層の樹脂の融点以上の温度で延伸すると、表面粗さが20nmを超える場合があり、かかる場合は、防曇剤の多層フィルム表面への付着状態の均一性が損なわれて防曇性の低下を引き起こし得るので、好ましくない。また、表面層の樹脂の融点以上で延伸すると、フィルム表面が荒れて、表面での光の乱反射によるフィルムの白色化が生じる場合があり、かかる場合は、多層フィルムの透明性が損なわれ得るので、好ましくない。
一方、架橋処理された未延伸の多層フィルムを延伸する場合の延伸温度は、表面層の樹脂の融点よりも5℃〜50℃高い温度にて延伸することが好ましい。表面層の樹脂の融点よりも50℃を超えて高い温度で延伸すると、表面粗さが20nmを超える場合があり、かかる場合は、防曇剤の多層フィルム表面への付着状態の均一性が損なわれて防曇性の低下を引き起こし得るので、好ましくない。表面層の樹脂の融点よりも5℃以上高い温度で延伸することが、製膜安定性の点から好ましい。
表面粗さを20nm以下に制御するために、多層フィルムの表面層の防曇剤の量としては、フィルムの一方の表面層の厚み比率が7%を超える場合、その一方の表面層に含まれる防曇剤の濃度が、3.5重量%以下であることが好ましい。また、フィルムの一方の表面層の厚み比率が7%以下である場合、表面層とその表面層に隣接する中間層との平均の防曇剤の濃度が、3.5重量%以下であることが好ましい。フィルムの表面層、或いはフィルムの表面層と中間層との平均の防曇剤の濃度が3.5重量%を超えると、表面粗さが20nmを超える場合があり、かかる場合は、防曇剤の多層フィルム表面への付着状態の均一性が損なわれて防曇性の低下を引き起こし得るので、好ましくない。
なお、延伸時の未延伸フィルムの表面に存在する防曇剤が多いと、得られる延伸フィルムの透明性の低下と表面粗さの増大とが同時に発生する傾向にある。したがって、かかる観点からも、多層フィルム中に含まれる防曇剤の総含有量を、0.1〜1.0重量%とすることが好ましく、また、上述したように、各層の成形時に添加する防曇剤の添加量を、表面層及び芯層においては0〜1.0wt%とし、中間層においては2.0〜10wt%とすることが好ましい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに特に限定されるものではない。なお、以下において、「部」及び「%」は、「重量」及び「重量%」を各々意味する。
各実施例及び各比較例において用いる測定方法及び評価方法は、以下のとおりである。
(1)接触角
市販の接触角計(協和界面化学社製 CA−W型)にて、水の接触角を評価する。接触角は、試料の平滑さの影響を受ける恐れがあることから極力フィルムを平坦な状態にする必要があるので、平滑なスライドグラスに水蒸気を付着させ、このスライドグラスに防曇性多層フィルムを徐々に貼り付けることで気泡等を除去して平坦な面を作成したものを、測定用の試料とする。接触角測定の際における1回の水の滴下量は約3μlとし、滴下後1秒間保持した後に液滴の撮影を行い、防曇性フィルム表面と水滴のなす角度を読み取る。接触角の読み取りにはθ/2法を用い、1試料につき10箇所の接触角測定を行い、その平均値をその試料の接触角とする。
(2)表面粗さ
市販の走査プローブ顕微鏡(Veeco社製 NanoscopeIV及びNanoscopeIIIa)を用いて、表面粗さの評価を行う。プローブとしてSi単結晶プローブ(NCH−10)を用い、測定モードはTappingモードとし、測定エリアを30μm角として、画像の取り込みを行う。測定後の画像について、付属の解析ソフトウェアを用いて、うねりを除去するための画像処理としてFlatten処理(0次)を1回、及びPlanefit処理(XY)を1回行った後、表面粗さを算出する。
(3)防曇剤の定量
防曇剤として添加したグリセリンエステル系化合物の定量分析を、以下の手順で検量線法にて行う。防曇性多層フィルム試料を凍結粉砕して得た粉末1gを精秤し、クロロホルム100mlで8時間ソックスレー抽出を行う。この抽出液をエバポレーターにて40℃アスピレーター減圧下で乾燥し、得られた調製物をピリジン2mlに溶解し、TMS誘導化剤({N,O−Bis(trimethylsilyl)acetamide})1mlを加え、90℃で30分間加熱し、試料溶液とする。定量用標準試料溶液としては、各々30mgのグリセリンモノオレート及びジグリセリンモノオレートをピリジン2mlに溶解したもの(対試料濃度:3.0wt%に相当)を、上記と同様に、TMS誘導体化したものを用いる。
GC−MS測定は、サーモエレクトロン社製のVoyagerを用い、電子衝撃イオン化法にて行う。分離カラムとして、DB−1(内径:0.25mm、長さ:30m、膜厚:0.25μm)を用いた。昇温条件は60℃から毎分10℃で昇温し320℃到達後10分間保持する。その際、注入口温度は320℃とし、注入法はスプリット(スプリット比:1/15)とし、カラム流量は1.0ml/分とする。
定量計算は、GC−MSで得られたイオンクロマトグラムにおける各試料溶液のピーク強度と、定量用標準試料溶液のピーク強度を比較することにより、1点検量法で算出する。この際に用いるピークとしては、モノグリセリンモノオレエートについては定量用標準試料溶液から検出された2本のピーク(保持時間19.3分、及び19.5分)を、ジグリセリンモノオレートについては定量用標準試料溶液から検出された4本のピーク(11.4分、11.5分、22.3分、及び22.5分)を用い、各面積強度の合計値を、その成分のピーク強度とする。
(4)ゲル分率
沸騰p−キシレン中で試料を12時間抽出し、不溶解部分の割合を下記式に基づいて算出したものをゲル分率とし、これを防曇性多層フィルムの架橋度の尺度として用いた。
ゲル分率(重量%)=(抽出後の試料重量/抽出前の試料重量)× 100
(5)滑り性
防曇性多層フィルムの表面の滑り性を、ASTMD−1894に準拠して測定した。本測定においては、測定に用いるライダーとして500gの梨地金属製のものを用いて測定した場合の動摩擦係数にて評価を行う。
[評価基準]
○:0.15以上0.30以下:包装機によるピローシュリンク包装において実用レベル
△:0.15未満及び、0.30を超えて0.35以下:包装機によるピローシュリンク包装において使用がかなり困難なレベル
×:0.35を超える:包装機によるピローシュリンク包装においてフィルム破れが多発する場合があり、実用レベルでない
(6)HAZE
熱収縮前及び熱収縮後の防曇性多層フィルムのHAZEを、ASTM D−1003に準拠して測定した。ここで、熱収縮後のフィルムのHAZEを測定する場合、電子線架橋を実施した防曇性多層フィルムについては、140℃の温風を3秒間あててフィルム面積を30%まで熱収縮させたものを試料とし、電子線架橋を実施していない防曇性多層フィルムについては、120℃の温風を3秒間あててフィルム面積を20%まで熱収縮させたものを試料とする。
[評価基準]
◎:2.5%以下:被包装物に曇りが感じられず、美麗に仕上がるレベル
○:2.5%を超えて3%以下:少し曇りを感じるが、美麗に仕上がるレベル
△:3%を超えて5%以下:曇りを感じるので使用がかなり困難なレベル
×:5%を超える:白っぽく感じるので実用レベルでない
(7)防曇性
電子線架橋を実施した防曇性多層フィルムについては、140℃の温度でフィルム面積を30%まで熱収縮させたものを試料とし、電子線架橋を実施していない防曇性多層フィルムについては、120℃の温度でフィルム面積を20%まで熱収縮させたものを試料として、防曇性の評価を行う。500mlのビーカーに20℃に調節した水を入れ、ビーカーの口をフィルムで密閉し、そのビーカーを2℃に調整した冷蔵ショーケースに保管し、120分後にフィルム表面に付着した水滴の状態を確認し、防曇性を評価した。
[評価基準]
○:全く曇りがない。
△:部分的に曇りがある。
×:全面的に曇っている。
(実施例1〜4)
表1に示す樹脂及び添加剤を用いて、3台の押出機を使用し、3種5層の環状ダイスより両表面層と両中間層と芯層からなる5層構成のチューブを溶融押出し、そのチューブを、水冷リングを用いて急冷し、約500μmの厚みの未延伸チューブ(フィルム原反)を得た。添加剤の添加手段としてはマスターバッチ法で行い、二軸押出機で混練してマスターバッチ化した。未延伸チューブ成形用の押出機は一軸のものを用い、スクリューはダルメージスクリューを用いた。押出機の温度設定は、長手方向で6つの温度調節ブロックにおいて、樹脂供給ホッパー側から、200℃、230℃、250℃、260℃、260℃、260℃とした。未延伸チューブの両表面層と両中間層と芯層の層比率を、表1に示す。
次に、得られた未延伸チューブに500kVの加速電圧で加速した電子線を4メガラッド照射して架橋処理を行った。引き続きインフラヒーターによる輻射加熱で、架橋処理された未延伸チューブを140℃まで加熱しつつ、2組のニップロール間の速度比により流れ方向に7倍延伸するとともに、チューブ内にエアーを注入することにより機械の流れ方向と直角方向に7倍延伸した後、エアーリングによりバブルの最大径の部分に冷風を当てて冷却した。その後、得られた延伸フィルムを折りたたんで、それぞれ厚み約10μmの防曇性多層フィルム(包装フィルム)を得た。
それぞれの防曇性多層フィルムを、25℃に温度調節した部屋で3日間保管した後、上述した測定方法及び評価方法に基づき、接触角、表面粗さ、防曇剤の定量、ゲル分率、滑り性、HAZE、防曇性の評価を行った。その結果を表3に示す。
(実施例5〜7)
表1に示す樹脂及び添加剤を用いて、3台の押出機を使用し、3種5層の環状ダイスより両表面層と両中間層と芯層からなる5層構成のチューブを溶融押出し、そのチューブを、水冷リングを用いて急冷し、約400μmの厚みの未延伸チューブ(フィルム原反)を得た。添加剤の添加手段としてはマスターバッチ法で行い、二軸押出機で混練してマスターバッチ化した。未延伸チューブ成形用の押出機は一軸のものを用い、スクリューはダルメージスクリューを用いた。押出機の温度設定は、長手方向で6つの温度調節ブロックにおいて、樹脂供給ホッパー側から、200℃、230℃、250℃、260℃、260℃、260℃とした。未延伸チューブの両表面層と両中間層と芯層の層比率を、表1に示す。
次に、得られた未延伸チューブにインフラヒーターによる輻射加熱を行い、未延伸チューブを110℃まで加熱しつつ、2組のニップロール間の速度比により流れ方向に6倍延伸するとともに、チューブ内にエアーを注入することにより機械の流れ方向と直角方向に5倍延伸した後、エアーリングによりバブルの最大径の部分に冷風を当てて冷却した。その後、得られた延伸フィルムを折りたたんで、それぞれ厚み約13μmの防曇性多層フィルム(包装フィルム)の原反を得た。
それぞれの防曇性多層フィルムを、25℃に温度調節した部屋で3日間保管した後、上述した測定方法及び評価方法に基づき、接触角、表面粗さ、防曇剤の定量、ゲル分率、滑り性、HAZE、防曇性の評価を行った。その結果を表3に示す。
(比較例1〜4)
樹脂及び添加剤の構成を表2に示すものに変更した他は、実施例1と同様にして、積層フィルムを作製した。その結果を表4に示す。
(比較例5〜7)
樹脂及び添加剤の構成を表2に示すものに変更した他は、実施例5と同様にして、積層フィルムを得た。その結果を表4に示す。
Figure 0005041958
Figure 0005041958
なお、上記の表1及び2にて表記したエチレン−α−オレフィン系共重合体における、コモノマー成分であるα−オレフィンは、以下の通りである。
エチレン−α−オレフィン系共重合体(ρ=0.914 MI=1.0 C6系)の場合;1−ヘキセン
エチレン−α−オレフィン系共重合体(ρ=0.926 MI=2.0 C8系)の場合;1−オクテン
エチレン−α−オレフィン系共重合体(ρ=0.870、MI=1.0)の場合;1−オクテン
Figure 0005041958
Figure 0005041958
本発明の防曇性多層フィルムは、厚みが比較的薄く、防曇剤の添加量が比較的少ないながらも、良好な防曇性、透明性及び滑り性を有するので、食品包装等の各種包装用フィルム、工業用保護フィルム、農業用フィルム及び粘着テープ等において、広く且つ有効に利用可能である。

Claims (6)

  1. 表面層、中間層及び芯層の少なくとも3層を有するポリオレフィン系樹脂多層フィルムを備え、下記(1)乃至(4);
    (1)前記多層フィルムの表面の接触角が30°〜70°である;
    (2)前記多層フィルムの表面の表面粗さが5〜20nmである;
    (3)前記多層フィルムに含まれる防曇剤の総含有量が固形分換算で0.1〜1.0重量%である;
    (4)前記多層フィルムの厚みが5〜20μmである;
    を満たし、
    前記多層フィルムは、押出溶融成形された未延伸多層フィルムを延伸して得られるものであり、
    前記押出溶融成形時の前記防曇剤の添加量を、前記表面層及び前記芯層においては0〜1.0重量%とし、前記中間層においては2.0〜10重量%とする、
    防曇性多層フィルム。
  2. 前記表面層と前記中間層との防曇剤の添加量の差を1.0〜10重量%とする、
    請求項1記載の防曇性多層フィルム。
  3. 前記表面層が、エチレン系重合体を含有する、
    請求項1又は2記載の防曇性多層フィルム。
  4. 前記表面層、前記中間層及び前記芯層の少なくとも一層が架橋されたものである、
    請求項1乃至3のいずれか一項記載の防曇性多層フィルム。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項記載の防曇性多層フィルムを用いた、
    シュリンク包装。
  6. 請求項1乃至4のいずれか一項記載の防曇性多層フィルムを用いた、
    ピローシュリンク包装。
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