JP5038771B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

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Description

本発明は、外気導入モードの選択時、車両に設定された外気吸入口から外気を取り入れる車両用空調装置に関する。
従来、暖房効率と冷房効率とを両立させることを目的とし、外気導入口と外気導出口を備えたカウルダクトの内部に、断熱ダクトを設定し、カウルダクトを通過する際にエンジンルームの熱で外気より高温となった高温外気と、断熱ダクトを通過することで高温外気より低温である低温外気と、の導出量を調整する導出外気調整手段を備えた車両用空調装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−96197号公報
しかしながら、従来の車両用空調装置にあっては、導入する外気の全てをカウル上端部の外気導入口により導入する構造となっていたため、夏場の炎天下駐車時等においては、空調ユニットへの吸入温度が上昇し、これにより初期の冷房性能の向上を図ることができず、快適な車室内温度まで低下させるのに長時間を要し、冷房負荷が大きくなって消費エネルギーが高くなる、という問題があった。
すなわち、例えば、夏場の炎天下駐車時等には、日射によりカウル上端部は加熱され、約80℃付近まで上昇する。これにより、カウル上端部の外気導入口から外気を取り入れても、熱せられたカウルダクトにより、空調ユニットへの吸入温度が上昇し、これにより初期の冷房性能の向上を図ることができず、快適な車室内温度まで低下させるのに長時間を要する。また、冷房負荷が大きくなり、コンプレッサを稼働する駆動トルクが上昇し、その結果、消費エネルギーが高くなってしまう。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、外気導入モードでの冷房効率アップと暖房効率アップとの両立を図ることができると共に、高日射状況での冷房開始時に初期冷房性能の向上と消費エネルギーの低減を達成することができる車両用空調装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、外気導入モードの選択時、車両に設定された外気吸入口から外気を取り入れる車両用空調装置において、
前記外気吸入口は、少なくとも太陽光の照射域に設定された第1外気吸入口と、太陽光の非照射域に設定された第2外気吸入口を有し、
外気導入モードの選択時、第1外気吸入口と第2外気吸入口のうち、何れかを選択可能な吸入口切替え構造を設けたことを特徴とする。
よって、本発明の車両用空調装置にあっては、外気導入モードを選択し、吸入した外気から温調空気を作り出す際、吸入口切替え構造により、冷房時には、第1外気吸入口と第2外気吸入口のうち、温度の低い外気を吸入することができ、暖房時には、第1外気吸入口と第2外気吸入口のうち、温度の高い外気を吸入することができる。
例えば、高日射状況の下に駐停車している車両に乗り込み冷房を行う時、太陽光の照射域に設定された第1外気吸入口を選択すると、吸入開始時に高温外気になるばかりでなく、吸入開始後も吸入経路が保有する熱により高温外気が継続する。
これに対し、太陽光の非照射域に設定された第2外気吸入口を選択すると、日射の影響を受けないため、吸入開始時に第1外気吸入口からの外気温度に比べ遙かに温度が低い低温外気になるし、吸入開始後も日射の影響により空気温度が上昇することがないため、低温外気が継続する。
したがって、太陽光の照射域に設定された第1外気吸入口を選択する場合に比べ、吸入した外気温度から車室内の設定温度までの低下させるべき温度幅が狭くなり、冷房開始直後から応答良く車室内温度を低下させて快適性を向上させることができる。さらに、低下させる温度幅が狭い分、冷房負荷も低減される。
この結果、外気導入モードでの冷房効率アップと暖房効率アップとの両立を図ることができると共に、高日射状況での冷房開始時に初期冷房性能の向上と消費エネルギーの低減を達成することができる。
以下、本発明の車両用空調装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1〜実施例4に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は実施例1の車両用空調装置が適用された自動車を示す概略平面図である。図2は実施例1の車両用空調装置が適用された自動車を示す概略側面図である。
実施例1の車両用空調装置が適用された自動車1は、図1及び図2に示すように、ボンネット2と、エンジンルーム3(パワーユニットルーム)と、カウルダクト4と、ダッシュパネル5と、エンジン6と、カウルトップ9と、断熱材12と、第2カウル外気吸入口13(第1外気吸入口)と、第1カウル外気吸入口14(第1外気吸入口)と、フェンダー外気吸入口17(第2外気吸入口)と、フェンダーダクト24と、を備えている。
自動車1の前部のエンジン6が搭載されたエンジンルーム3の後部には、図1及び図2に示すように、ボンネット2の後端部の下方で該後端部に近接して車幅方向に延びるカウルダクト4が設けられている。そして、前記カウルダクト4のカウルトップ9(上端部)には、図1に示すように、第1カウル外気吸入口14と第2カウル外気吸入口13が設定されている。
前記第1カウル外気吸入口14と第2カウル外気吸入口13が設定されたカウルダクト4の一端部には、駐車時に日射の影響により空気温度が上昇しない領域であるサイドフェンダーの内面に沿って下方に延びるフェンダーダクト24が設けられている。そして、前記フェンダーダクト24の下部位置には、図2に示すように、フェンダー外気吸入口17が設定されている。
前記カウルダクト4と前記フェンダーダクト24のうち、フェンダー外気吸入口17から外気導入口25(図4参照)に至るフェンダーダクト24の内面と第2カウル外気吸入口13のみに断熱材12を設定している。すなわち、両ダクト4,24の一部に断熱材12を設定することで、断熱領域と非断熱領域とに領域分けをしている。エンジンルーム3からの熱影響を遮断する断熱領域は、フェンダーダクト24の全体とカウルダクト4の第2カウル外気吸入口13までの領域としている。一方、エンジンルーム3からの熱影響を積極的に許容して受ける非断熱領域は、カウルダクト4のうち、第1カウル外気吸入口14から第2カウル外気吸入口13の手前までの領域としている。
図3は実施例1の車両用空調装置における第1カウル外気吸入口と第2カウル外気吸入口とフェンダー吸入口を示す斜視図である。図4は実施例1の車両用空調装置を示す概略側面図である。
実施例1の車両用空調装置は、図3及び図4に示すように、エンジンルーム3と、カウルダクト4と、ダッシュパネル5と、仕切り板7と、ブロワユニット8と、カウルトップ9と、空調ユニット10と、第1切替えドア11(吸入口切替え構造)と、断熱材12と、第2カウル外気吸入口13と、第1カウル外気吸入口14と、第2切替えドア16(吸入口切替え構造)と、フェンダー外気吸入口17と、フェンダーダクト24と、外気導入口25と、を備えている。
前記外気導入口25は、空調装置(HVAC)へ外気導入する場合に外気吸入口の選択にかかわらず共通する導入口であり、図3及び図4に示すように、カウルダクト4とフェンダーダクト24との連結位置に設けている。そして、エンジンルーム3側に設定された外気導入口25は、ダッシュパネル5の開口部を介して車室内に設定された空調装置に連結されている。空調装置には、仕切り板7、ブロワユニット8、図外のエバポレータやヒータコアやエアミックスドア等を内蔵する空調ユニット10を備えている。
前記第1カウル外気吸入口14は、図3に示すように、車幅方向に延びるカウルダクト4の前記外気導入口25から離れたカウルトップ9の位置に設定している。
前記第2カウル外気吸入口13は、図3に示すように、車幅方向に延びるカウルダクト4の前記外気導入口25に近接するカウルトップ9の位置に設定している。
外気導入モードの選択時、第1カウル外気吸入口14と第2カウル外気吸入口13とフェンダー外気吸入口17のうち、何れかの外気吸入口を選択可能な第1切替えドア11と第2切替えドア16は、第2カウル外気吸入口13と外気導入口25を挟んだ両側位置に、それぞれ上端部に回動軸を持つドアとして設定されている(図5参照)。
図5は実施例1の車両用空調装置における吸入空気温度制御系を示す制御ブロック図である。
実施例1の吸入空気温度制御系は、図5に示すように、吸込口スイッチ26と、温度調節ダイアル27(空調温度設定手段)と、外気温センサ28(外気温度検出手段)と、第1外気吸入口温度センサ29(第1外気吸入口温度検出手段)と、第2外気吸入口温度センサ30(第2外気吸入口温度検出手段)と、日射量センサ31(日射量検出手段)と、空調コントローラ32と、第1切替えドアアクチュエータ33(吸入口切替え構造)と、第2切替えドアアクチュエータ34(吸入口切替え構造)と、を備えている。
前記第1外気吸入口温度センサ29は、第2カウル外気吸入口13の位置に設けられ、第1外気吸入口温度T1を検出する(図8参照)。前記第2外気吸入口温度センサ30は、フェンダー外気吸入口17の位置に設けられ、第2外気吸入口温度T2を検出する(図8参照)。
前記空調コントローラ32は、吸込口スイッチ26、温度調節ダイアル27、外気温センサ28、第1外気吸入口温度センサ29、第2外気吸入口温度センサ30、日射量センサ31等からの信号を入力する。そして、入力情報を用いた所定の制御ロジックにしたがって演算処理や判断処理により1つの外気吸入口を選択し、選択した外気吸入口と外気導入口25を連通させるべく、第1切替えドアアクチュエータ33と第2切替えドアアクチュエータ34に対し駆動指令を出力する。そして、第1切替えドアアクチュエータ33により第1切替えドア11が動作し、第2切替えドアアクチュエータ34により第2切替えドア16が動作する。なお、第1切替えドア11と第2切替えドア16は、図5の実線位置を(1)とし、第2カウル外気吸入口13を塞ぐ位置を(2)とする。
図6は実施例1の空調コントローラ32にて実行される外気吸入口選択制御処理の流れを示すフローチャートであり、以下、各ステップについて説明する(吸入空気温度制御手段)。
ステップS1は、吸込口スイッチ26への操作により選択されたモードが、外気導入モード(FRESH)と内気循環モード(REC)のいずれであるかが判断される。
このステップS1において、内気循環モード(REC)であると判断されたときは、リターンへ移行し、外気導入モード(FRESH)であると判断されたときは、ステップS2へ移行する。
ステップS2は、ステップS1での外気導入モード(FRESH)の選択時であるとの判断に続き、温度調節ダイアル27によるエアコン設定温度と外気温センサ28による外気温度(AMB)との差温Tを演算し、この差温Tが設定温度(=0℃)より大きいか否かを判断する。ここでは、設定温度を0℃とする例を示したが、適宜の温度に設定しても良い。
ステップS3は、ステップS2でのT>0であるとの判断に続き、第1切替えドア11を、第2カウル外気吸入口13を塞ぐ位置(2)とする。このステップS3からはリターンへ移行する。
すなわち、エアコン設定温度が外気温度より高い冬場の暖房時には、第2切替えドア16を、図5の実線位置(1)のままとし、第1切替えドア11を、第2カウル外気吸入口13を塞ぐ位置(2)とすることで、第1カウル外気吸入口14を外気吸入口として選択する(HOT)。
ステップS4は、ステップS2でのT≦0であるとの判断に続き、第1切替えドア11を、図5の実線位置(1)のままとする。
ステップS5は、ステップS4での第1切替えドア11の位置(1)設定に続き、第1外気吸入口温度センサ29からの第1外気吸入口温度T1と、第2外気吸入口温度センサ30からの第2外気吸入口温度T2との差温T’を演算し、この差温T’が設定温度(=0℃)より大きいか否かを判断する。ここでは、設定温度を0℃とする例を示したが、適宜の温度に設定しても良い。
ステップS6は、ステップS5でのT’>0であるとの判断に続き、第2切替えドア16を、第2カウル外気吸入口13を塞ぐ位置(2)とする。このステップS6からはリターンへ移行する。
すなわち、エアコン設定温度が外気温度以下で、かつ、第2カウル外気吸入口13の温度がフェンダー外気吸入口17の温度より高くカウルダクト4の温度上昇がみられる夏場の冷房時には、第1切替えドア11を、図5の実線位置(1)のままとし、第2切替えドア16を、第2カウル外気吸入口13を塞ぐ位置(2)とすることで、フェンダー外気吸入口17を外気吸入口として選択する(FENDER)。
ステップS7は、ステップS5でのT’≦0であるとの判断に続き、第2切替えドア16を、図5の実線位置(1)のままとする。このステップS7からはリターンへ移行する。
すなわち、エアコン設定温度が外気温度以下で、かつ、第2カウル外気吸入口13の温度がフェンダー外気吸入口17の温度以下でカウルダクト4の温度上昇がない夏場の冷房時には、第1切替えドア11と第2切替えドア16を、共に図5の実線位置(1)のままとすることで、第2カウル外気吸入口13を外気吸入口として選択する(COWL TOP)。
次に、作用を説明する。
図7はエアコンシステムの性能評価に使用する試験装置であり、(a)は車両の熱試験状態を示し、(b)は車室内状態を示す。
一般的なセダンタイプの車両においては、温度40℃、湿度50%、日射量1024Wの熱負荷では、ルーフパネル19の温度は約100℃、ルーフパネル19とヘッドライニング21間の空気温度は約80℃、ヘッドライニング21の部材温度は約70℃、車室内の空気温度は約60℃、ドアパネル23の温度は約50℃、車両下部の温度は約45℃である。
すなわち、車両に日射量1024Wの熱負荷を与えた場合、ルーフパネル19の温度が最も高温(約100℃)で、車両下部の温度が最も低温(約45℃)というように、車両下部においては、ほぼ外気の温度と等しくなる。
この理由は、熱の流れとして、車両上端部では日射の影響により入熱し、この熱が車両の熱伝達性の高い金属製のパネルを伝わって車両下方へ向かう。そして、日射の影響を受けない車両下端部では、路面に向かって放熱されることになる。つまり、車両上端部では、日射入熱により高温となるものの、車両下端部のパネル温度は、前記放熱作用により低温(ほぼ外気温レベル)となる。
本発明者は、上記の車両上端部では日射入熱により高温となるものの、車両下端部では放熱により低温となる点に着目し、外気吸入口として、少なくとも太陽光の照射域に設定された第1外気吸入口と、太陽光の非照射域に設定された第2外気吸入口を有し、外気導入モードの選択時、第1外気吸入口と第2外気吸入口のうち、何れかを選択可能な吸入口切替え構造を設けた構成を採用した。
したがって、外気導入モードを選択し、吸入した外気から温調空気を作り出す際、吸入口切替え構造により、冷房時には、第1外気吸入口と第2外気吸入口のうち、温度の低い外気を吸入することができ、暖房時には、第1外気吸入口と第2外気吸入口のうち、温度の高い外気を吸入することができる。
例えば、高日射状況の下に駐停車している車両に乗り込み冷房を行う時、太陽光の照射域(車両上端部域)に設定された第1外気吸入口を選択すると、吸入開始時に高温外気になるばかりでなく、吸入開始後も吸入経路が保有する熱により高温外気が継続する。
これに対し、太陽光の非照射域(車両下端部域)に設定された第2外気吸入口を選択すると、日射の影響を受けないため、吸入開始時に第1外気吸入口からの外気温度に比べ遙かに温度が低い低温外気になるし、吸入開始後も日射の影響により空気温度が上昇することがないため、低温外気が継続する。
したがって、太陽光の照射域に設定された第1外気吸入口を選択する場合に比べ、吸入した外気温度から車室内の設定温度までの低下させるべき温度幅が狭くなり、冷房開始直後から応答良く車室内温度を低下させて快適性を向上させることができる。さらに、低下させる温度幅が狭い分、冷房負荷も低減される。
図8は実施例1の車両用空調装置における外気吸入口選択作用の説明図で、(a)は夏場1の冷房作用を示し、(b)は夏場2の冷房作用を示し、(c)は冬場の暖房作用を示す。
以下、実施例1の車両用空調装置における「冬場の暖房作用」、「夏場1の冷房作用」、「夏場2の冷房作用」に分けて説明する。
[冬場の暖房作用]
冬場の外気導入モードでの暖房時には、図6のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→リターンという流れが繰り返される。
すなわち、エアコン設定温度が外気温度より高い冬場の暖房時には、ステップS3において、第2切替えドア16が図5の実線位置(1)のままとされ、第1切替えドア11が第2カウル外気吸入口13を塞ぐ位置(2)とされることで、第1カウル外気吸入口14が外気吸入口として選択されることになる。
したがって、図8(c)に示すように、ブロワユニット8の作動による吸引力により、第1カウル外気吸入口14から外気が吸入され、吸入された外気はカウルダクト4を経過する間にエンジン6からの熱を受けて昇温し、外気導入口25からブロワユニット8を経過して空調ユニット10に導入され、空調ユニット10内でヒータコアにより外気が温められ、車室内のフット吹出し口等から車室内へ温風が送り込まれる。
このように、冬場の外気導入モードでの暖房時(ウォームアップ時)には、カウルダクト4から導入する空気温度は高いことが望まれる。これに対し、エンジンルーム3の排熱により、外気温よりもかなり高い温度に調整することができる。この結果、車室内温度を暖房開始から短時間にて応答良く上昇させることができるし、空調ユニット10に導入する外気の昇温により熱負荷を低減することができる。
[夏場1の冷房作用]
夏場の外気導入モードでの冷房時であるが、日射の影響を受けない雨天走行時等では、図6のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS4→ステップS5→ステップS7→リターンという流れが繰り返される。
すなわち、エアコン設定温度が外気温度以下で、かつ、第2カウル外気吸入口13の温度がフェンダー外気吸入口17の温度以下でカウルダクト4の温度上昇がない夏場の冷房時には、第1切替えドア11と第2切替えドア16が、共に図5の実線位置(1)のままとされることで、第2カウル外気吸入口13が外気吸入口として選択されることになる。
したがって、図8(a)に示すように、ブロワユニット8の作動による吸引力により、第2カウル外気吸入口13から外気が吸入され、吸入された外気は直ちに外気導入口25からブロワユニット8を経過して空調ユニット10に導入され、空調ユニット10内でエバポレータにより外気が冷却され、車室内のベント吹出し口等から車室内へ冷風が送り込まれる。
このように、夏場の外気導入モードでの冷房時(クールダウン時)には、カウルダクト4から導入する空気温度は低いことが望まれる。これに対し、フェンダー外気吸入口17から外気導入する場合に比べ、同じ温度または低い温度の外気を第2カウル外気吸入口13から導入することができる。この結果、車室内温度を冷房開始から短時間にて応答良く低下させることができるし、空調ユニット10に導入可能な2つの外気のうち、低い温度の外気を導入することにより熱負荷を低減することができる。
[夏場2の冷房作用]
夏場の外気導入モードでの冷房時であり、かつ、日射の影響を大きく受ける炎天下駐車時等では、図6のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS4→ステップS5→ステップS6→リターンという流れが繰り返される。
すなわち、エアコン設定温度が外気温度以下で、かつ、第2カウル外気吸入口13の温度がフェンダー外気吸入口17の温度より高くカウルダクト4の温度上昇がみられる夏場の冷房時には、第1切替えドア11が、図5の実線位置(1)のままとされ、第2切替えドア16が、第2カウル外気吸入口13を塞ぐ位置(2)とされることで、フェンダー外気吸入口17が外気吸入口として選択されることになる。
したがって、図8(b)に示すように、ブロワユニット8の作動による吸引力により、フェンダー外気吸入口17から外気温レベルの外気が吸入され、吸入された外気はフェンダーダクト24を経過する間においてもエンジン6からの熱影響が断熱材12により遮断されて昇温が抑えられる。そして、外気導入口25からブロワユニット8を経過して空調ユニット10に導入され、吸入された外気は外気導入口25からブロワユニット8を経過して空調ユニット10に導入され、空調ユニット10内でエバポレータにより外気が冷却され、車室内のベント吹出し口等から車室内へ冷風が送り込まれる。
このように、夏場の外気導入モードでの冷房時(クールダウン時)には、空調ユニット10内に導入する空気温度は低いことが望まれる。これに対し、カウルダクト4から吸入すると高温となる炎天下での駐車時等では、放熱領域に存在するフェンダー外気吸入口17から外気吸入することで、空調ユニット10内に導入する空気温度を、外気温に近い温度に調整することができる。この結果、炎天下での駐車時等であっても、車室内温度を冷房開始から短時間にて応答良く低下させることができるし、空調ユニット10に導入する空気温度を外気温度に近い温度に調整することにより、熱負荷を低減することができる。
例えば、夏場であって、外気温が41.4℃であるとき、エンジンの排熱と日射によりカウルトップが発熱し、カウルダクトから空気を吸入した場合、吸入空気の温度は、58.4℃まで上昇するというデータがある。
これに対し、実施例1では、フェンダー外気吸入口17から外気吸入により、吸入空気温度を外気温に近い温度に調整することができる。このため、冷房時にエバポレータ直後の温度を6℃にする場合、フェンダー外気吸入口17から外気吸入により、吸入空気温度を外気温である41.4℃に等しくできれば、カウルダクトからの外気吸入の場合(吸入空気温度が58.4℃)に比べ、冷却に使用するエネルギーの削減量が約32%程度となり、冷却に使用するエネルギーを大幅に節約することができる。
次に、効果を説明する。
実施例1の車両用空調装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 外気導入モードの選択時、車両に設定された外気吸入口から外気を取り入れる車両用空調装置において、前記外気吸入口は、少なくとも太陽光の照射域に設定された第1外気吸入口と、太陽光の非照射域に設定された第2外気吸入口を有し、外気導入モードの選択時、第1外気吸入口と第2外気吸入口のうち、何れかを選択可能な吸入口切替え構造を設けたため、外気導入モードでの冷房効率アップと暖房効率アップとの両立を図ることができると共に、高日射状況での冷房開始時に初期冷房性能の向上と消費エネルギーの低減を達成することができる。
(2) 前記第1外気吸入口は、エンジンルーム3の後部に配置された車幅方向に延びるカウルダクト4の上端部に設定されたカウル外気吸入口13,14であり、前記第2外気吸入口は、駐車時に日射の影響により空気温度が上昇しないサイドフェンダーの下部位置に設定されたフェンダー外気吸入口17であり、前記カウル外気吸入口13,14が設定されたカウルダクト4と、前記フェンダー外気吸入口17が設定されたフェンダーダクト24との連結位置に外気導入口25を設け、前記吸入口切替え構造は、前記外気導入口25の位置に設け、外気導入モードの選択時、カウル外気吸入口13,14とフェンダー外気吸入口17のうち、何れかを選択する切替えドア11,16を有するため、高日射状況の下に駐停車している車両に乗り込み冷房を行う時、車両下端部のフェンダーダクト24に設定されたフェンダー外気吸入口17を選択することにより、冷房開始直後から応答良く車室内温度を低下させて快適性を向上させることができると共に、低下させる温度幅が狭くなる分、冷房負荷を低減することができる。
(3) 前記カウル外気吸入口は、車幅方向に延びるカウルダクト4の前記外気導入口25から離れたカウルトップ9の位置に設定した第1カウル外気吸入口14と、車幅方向に延びるカウルダクト4の前記外気導入口25に近接するカウルトップ9の位置に設定した第2カウル外気吸入口13とを有し、前記切替えドアは、外気導入モードの選択時、第1カウル外気吸入口14と第2カウル外気吸入口13とフェンダー外気吸入口17のうち、何れかを選択可能な第1切替えドア11と第2切替えドア16を有するため、外気吸入口の選択自由度として、吸入空気温度を高めることができ冬場の暖房に好適な第1カウル外気吸入口14と、エンジン6からの熱影響を受けずに外気を吸入でき夏場の日陰冷房に好適な第2カウル外気吸入口13と、日射やエンジン6による熱影響を受けずに外気を吸入でき夏場の炎天下駐車冷房に好適なフェンダー外気吸入口17と、の3つの選択自由度を持たせることができる。
(4) 前記カウルダクト4と前記フェンダーダクト24のうち、フェンダー外気吸入口17から外気導入口25に至るフェンダーダクト4の内面のみに断熱材12を設定したため、暖房時にエンジン6からの熱を積極的に取り込むことでの吸入空気温度の上昇促進と、冷房時にエンジン6からの熱を遮断することでの空気温度の上昇抑制と、の両立を図ることができる。
(5) 前記第2カウル外気吸入口13の温度を検出する第1外気吸入口温度センサ29と、前記フェンダー外気吸入口17の温度を検出する第2外気吸入口温度センサ30と、日射量を検出する日射量センサ31と、前記外気導入モードの選択時、第1外気吸入口温度T1と第2外気吸入口温度T2の差温T’が設定温度より高いとき、フェンダー外気吸入口17を選択する制御指令をドアアクチュエータ33,34に出力し、第1外気吸入口温度T1と第2外気吸入口温度T2の差温T’が設定温度以下のとき、第2カウル外気吸入口13を選択する制御指令をドアアクチュエータ33,34に出力する吸入空気温度制御手段(図6)を設けたため、外気吸入口温度の比較により、第2カウル外気吸入口13とフェンダー外気吸入口17のうち、熱負荷を低減できる適切な外気吸入口の選択制御を行うことができる。
(6) 空調温度を設定する温度調節ダイアル27と、外気温度を検出する外気温センサ28と、を設け、前記第1外気吸入口は、エンジンルーム3の後部に配置された車幅方向に延びるカウルダクト4の上端部に設定され、外気導入口25から離れたカウルトップ9の位置に設定した第1カウル外気吸入口14と、外気導入口25に近接するカウルトップ9の位置に設定した第2カウル外気吸入口13とを有し、前記第2外気吸入口は、サイドフェンダーの下部位置に設定されたフェンダー外気吸入口17であり、前記吸入空気温度制御手段(図6)は、エアコン設定温度と外気温度の差温Tが設定温度より高いとき、第1カウル外気吸入口14を選択する制御指令をドアアクチュエータ33,34に出力し、エアコン設定温度と外気温度の差温Tが設定温度以下のとき、吸入口温度条件と日射量条件の少なくとも一方の条件により、第2カウル外気吸入口13とフェンダー外気吸入口17の選択制御を行うため、冬場の暖房時、吸入空気温度を高めることができる第1カウル外気吸入口14を選択でき、夏場の冷房時、エンジン6からの熱影響を受けずに外気を吸入できる第2カウル外気吸入口13と、日射やエンジン6による熱影響を受けずに外気を吸入できるフェンダー外気吸入口17のうち、最適な外気吸入口を選択できる。
実施例2は、カウルダクトの非断熱領域にエンジンからの熱吸収を促進するフィンを設定した例である。
まず、構成を説明する。
図9は実施例2の車両用空調装置における冬場の外気導入モードでの暖房時の外気導入作用を説明するためのカウルダクト及びフェンダーダクトを示す斜視図である。
実施例2の車両用空調装置は、図9に示すように、カウルダクト4と、カウルトップ9と、第1切替えドア11と、断熱材12と、第2カウル外気吸入口13と、第1カウル外気吸入口14と、フィン15と、第2切替えドア16と、フェンダー外気吸入口17と、フェンダーダクト24と、外気導入口25と、を備えている。
すなわち、カウルダクト4とフェンダーダクト24のうち、第1カウル外気吸入口14から外気導入口25に至るカウルダクト4のエンジン6側外面に、凹凸構造による熱吸収を促進するフィン15を設定している。なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。
次に、作用を説明すると、第1カウル外気吸入口14が外気吸入口として選択される冬場の外気導入モードでの暖房時、図9に示すように、ブロワユニット8の作動による吸引力により、第1カウル外気吸入口14から外気が吸入され、吸入された外気はカウルダクト4を経過する間にエンジン6からの熱をフィン15にて受けて昇温し、外気導入口25からブロワユニット8を経過して空調ユニット10に導入され、空調ユニット10内でヒータコアにより外気が温められ、車室内のフット吹出し口等から車室内へ温風が送り込まれる。
すなわち、この実施例2は、エンジンルーム3からの熱を吸熱するために、非暖悦領域である部分にフィン15を取り付け、カウルダクト4の表面積を増加することで、実施例1に比べ、さらに吸熱を促進しようとするものである。なお、他の作用は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例2の車両用空調装置にあっては、実施例1の(1)〜(6)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(7) 前記カウルダクト4と前記フェンダーダクト24のうち、第1カウル外気吸入口14から外気導入口25に至るカウルダクト4の外面に熱吸収を促進するフィン15を設定したため、冬場における吸入空気温度を、実施例1に比べ、更に高くすることができ、暖房時に更なる省動力を達成することができる。
実施例3は、実施例1が外気吸入口温度により第2カウル外気吸入口13とフェンダー外気吸入口17の選択制御を行うのに対し、日射量により第2カウル外気吸入口13とフェンダー外気吸入口17の選択制御を行うようにした例である。
まず、構成を説明する。
図10は実施例3の空調コントローラ32にて実行される外気吸入口選択制御処理の流れを示すフローチャートであり、以下、各ステップについて説明する(吸入空気温度制御手段)。
なお、ステップS31〜ステップS34,ステップS36,ステップS37は、図6のステップS1〜ステップS4,ステップS6,ステップS7と同様の処理を行うステップであるので、説明を省略する。
ステップS38は、ステップS34での第1切替えドア11の位置(1)設定に続き、日射量センサ31からのセンサ信号に基づきA/C用日射量センサ値Qsを演算し、このA/C用日射量センサ値Qsが規定値(例えば、700W)より大きいか否かを判断する。
このステップS38にて、Qs>規定値と判断されたときはステップS36へ移行し、フェンダー外気吸入口17を外気吸入口として選択し、Qs≦規定値と判断されたときはステップS37へ移行し、第2カウル外気吸入口13を外気吸入口として選択する。
次に、作用を説明すると、夏場の外気導入モードでの冷房時であるが、日射の影響を受けない雨天走行時等では、A/C用日射量センサ値Qsが規定値以下の値となるため、図10のフローチャートにおいて、ステップS31→ステップS32→ステップS34→ステップS38→ステップS37→リターンという流れが繰り返される。
また、夏場の外気導入モードでの冷房時であり、かつ、日射の影響を大きく受ける炎天下駐車時等では、A/C用日射量センサ値Qsが規定値より大きな値となるため、図10のフローチャートにおいて、ステップS31→ステップS32→ステップS34→ステップS38→ステップS36→リターンという流れが繰り返される。
このように、実施例3では、車載の空調システムに既存の日射量センサ31を用いて、外気吸入口の選択制御を行うことができる。
次に、効果を説明する。
実施例3の車両用空調装置にあっては、実施例1の(1)〜(4),(6)の効果、および、実施例2の(7)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(8) 日射量を検出する日射量センサ31と、前記外気導入モードの選択時、A/C用日射量センサ値Qsが規定値より高いとき、フェンダー外気吸入口17を選択する制御指令をドアアクチュエータ33,34に出力し、A/C用日射量センサ値Qsが規定値以下のとき、第2カウル外気吸入口13を選択する制御指令をドアアクチュエータ33,34に出力する吸入空気温度制御手段(図10)を設けたため、車載の空調システムに既存の日射量センサ31を用いてコスト低減を図りながら、第2カウル外気吸入口13とフェンダー外気吸入口17の選択制御を行うことができる。
実施例4は、外気吸入口温度と日射量との併用により第2カウル外気吸入口13とフェンダー外気吸入口17の選択制御を行うようにした例である。
まず、構成を説明する。
図11は実施例4の空調コントローラ32にて実行される外気吸入口選択制御処理の流れを示すフローチャートであり、以下、各ステップについて説明する(吸入空気温度制御手段)。
なお、ステップS41〜ステップS44,ステップS46,ステップS47は、図6のステップS1〜ステップS4,ステップS6,ステップS7と同様の処理を行うステップであるので、説明を省略する。
ステップS45は、ステップS44での第1切替えドア11の位置(1)設定に続き、第1外気吸入口温度センサ29からの第1外気吸入口温度T1と、第2外気吸入口温度センサ30からの第2外気吸入口温度T2との差温T’を演算し、この差温T’が設定温度(=0℃)より大きいか否かを判断する。
このステップS45でT’≦0と判断されたときは、ステップS47へ移行し、第2カウル外気吸入口13を外気吸入口として選択する。なお、設定温度を0℃とする例を示したが、適宜の温度に設定しても良い。
ステップS48は、ステップS45でのT’>0との判断に続き、日射量センサ31からのセンサ信号に基づきA/C用日射量センサ値Qsを演算し、このA/C用日射量センサ値Qsが規定値(例えば、700W)より大きいか否かを判断する。
このステップS48にて、Qs>規定値と判断されたときはステップS46へ移行し、フェンダー外気吸入口17を外気吸入口として選択し、Qs≦規定値と判断されたときはステップS47へ移行し、第2カウル外気吸入口13を外気吸入口として選択する。
次に、作用を説明すると、夏場の外気導入モードでの冷房時であるが、日射の影響を受けない雨天走行時等では、第1外気吸入口温度T1が第2外気吸入口温度T2以下となるため、図11のフローチャートにおいて、ステップS41→ステップS42→ステップS44→ステップS45→ステップS47→リターンという流れが繰り返される。
また、夏場の外気導入モードでの冷房時であるが、日射の影響を受けない雨天走行時等では、第1外気吸入口温度T1が第2外気吸入口温度T2より高くても、A/C用日射量センサ値Qsが規定値以下の値となるため、図11のフローチャートにおいて、ステップS41→ステップS42→ステップS44→ステップS45→ステップS48→ステップS47→リターンという流れが繰り返される。
一方、夏場の外気導入モードでの冷房時であり、かつ、日射の影響を大きく受ける炎天下駐車時等では、第1外気吸入口温度T1が第2外気吸入口温度T2より高く、かつ、A/C用日射量センサ値Qsが規定値より大きな値となるため、図11のフローチャートにおいて、ステップS41→ステップS42→ステップS44→ステップS45→ステップS48→ステップS46→リターンという流れが繰り返される。
このように、実施例4では、外気吸入口温度と日射量との併用により、精度の良い第2カウル外気吸入口13とフェンダー外気吸入口17の選択制御を行うことができる。
次に、効果を説明する。
実施例4の車両用空調装置にあっては、実施例1の(1)〜(4),(6)の効果、および、実施例2の(7)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(9) 前記第2カウル外気吸入口13の温度を検出する第1外気吸入口温度センサ29と、前記フェンダー外気吸入口17の温度を検出する第2外気吸入口温度センサ30と、日射量を検出する日射量センサ31と、前記外気導入モードの選択時、第1外気吸入口温度T1と第2外気吸入口温度T2の差温T’が設定温度より高く、かつ、A/C用日射量センサ値Qsが規定値より高いとき、フェンダー外気吸入口17を選択する制御指令をドアアクチュエータ33,34に出力し、第1外気吸入口温度T1と第2外気吸入口温度T2の差温T’が設定温度以下のとき、あるいは、第1外気吸入口温度T1と第2外気吸入口温度T2の差温T’が設定温度より高いがA/C用日射量センサ値Qsが規定値以下のとき、第2カウル外気吸入口13を選択する制御指令をドアアクチュエータ33,34に出力する吸入空気温度制御手段(図11)を設けたため、外気吸入口温度と日射量との併用により、誤判断を防止した精度の良い第2カウル外気吸入口13とフェンダー外気吸入口17の選択制御を行うことができる。
以上、本発明の車両用空調装置を実施例1〜実施例4に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1〜4では、第1カウル外気吸入口14と第2カウル外気吸入口13とフェンダー外気吸入口17のうち、1つの外気吸入口を選択する例を示したが、カウル外気吸入口とフェンダー外気吸入口のうち、1つの外気吸入口を選択する例としても良い。さらに、3つ以上の外気吸入口を選択する例であっても良い。要するに、外気吸入口は、少なくとも太陽光の照射域に設定された第1外気吸入口と、太陽光の非照射域に設定された第2外気吸入口を有し、外気導入モードの選択時、第1外気吸入口と第2外気吸入口のうち、何れかを選択可能な吸入口切替え構造を設けたものであれば、実施例1には限られることはない。
実施例1〜4では、外気吸入口温度条件と日射量条件の少なくとも一方の条件により、外気吸入口を自動的に選択制御する例を示したが、手動による選択操作で外気吸入口を選択するものであっても良い。
実施例1〜4では、外気吸入口を自動的に選択制御するにあたり、吸入空気温度制御手段として、外気吸入口温度条件と日射量条件の少なくとも一方の条件を用いる例を示したが、他の負荷条件等を用い、外気吸入口の自動選択制御を行うようにしても良い。
実施例1〜4では、エンジンを搭載した自動車へ車両用空調装置を適用する例を示したが、ハイブリッド車や電気自動車の車両用空調装置に対しても適用することができる。要するに、外気導入モードの選択時、車両に設定された外気吸入口から外気を取り入れる車両用空調装置であれば適用できる。
実施例1の車両用空調装置が適用された自動車を示す概略平面図である。 実施例1の車両用空調装置が適用された自動車を示す概略側面図である。 実施例1の車両用空調装置における第1カウル外気吸入口と第2カウル外気吸入口とフェンダー吸入口を示す斜視図である。 実施例1の車両用空調装置を示す概略側面図である。 実施例1の車両用空調装置における吸入空気温度制御系を示す制御ブロック図である。 実施例1の空調コントローラ32にて実行される外気吸入口選択制御処理の流れを示すフローチャートである。 エアコンシステムの性能評価に使用する試験装置であり、(a)は車両の熱試験状態を示し、(b)は車室内状態を示す。 実施例1の車両用空調装置における外気吸入口選択作用の説明図で、(a)は夏場1の冷房作用を示し、(b)は夏場2の冷房作用を示し、(c)は冬場の暖房作用を示す。 実施例2の車両用空調装置における冬場の外気導入モードでの暖房時の外気導入作用を説明するためのカウルダクト及びフェンダーダクトを示す斜視図である。 実施例3の空調コントローラ32にて実行される外気吸入口選択制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例4の空調コントローラ32にて実行される外気吸入口選択制御処理の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
1 自動車
2 ボンネット
3 エンジンルーム(パワーユニットルーム)
4 カウルダクト
5 ダッシュパネル
6 エンジン
7 仕切り板
8 ブロワユニット
9 カウルトップ
10 空調ユニット
11 第1切替えドア(吸入口切替え構造)
12 断熱材
13 第2カウル外気吸入口(第1外気吸入口)
14 第1カウル外気吸入口(第1外気吸入口)
15 フィン
16 第2切替えドア(吸入口切替え構造)
17 フェンダー外気吸入口(第2外気吸入口)
24 フェンダーダクト
25 外気導入口
26 吸込口スイッチ
27 温度調節ダイアル(空調温度設定手段)
28 外気温センサ(外気温度検出手段)
29 第1外気吸入口温度センサ(第1外気吸入口温度検出手段)
30 第2外気吸入口温度センサ(第2外気吸入口温度検出手段)
31 日射量センサ(日射量検出手段)
32 空調コントローラ
33 第1切替えドアアクチュエータ(吸入口切替え構造)
34 第2切替えドアアクチュエータ(吸入口切替え構造)

Claims (7)

  1. 外気導入モードの選択時、車両に設定された外気吸入口から外気を取り入れる車両用空調装置において、
    前記外気吸入口は、少なくとも太陽光の照射域に設定された第1外気吸入口と、太陽光の非照射域に設定された第2外気吸入口を有し、
    外気導入モードの選択時、第1外気吸入口と第2外気吸入口のうち、何れかを選択可能な吸入口切替え構造を設け、
    前記第1外気吸入口は、パワーユニットルームの後部に配置された車幅方向に延びるカウルダクトの上端部に設定されたカウル外気吸入口であり、
    前記第2外気吸入口は、駐車時に日射の影響により空気温度が上昇しないサイドフェンダーの下部位置に設定されたフェンダー外気吸入口であり、
    前記カウル外気吸入口が設定されたカウルダクトと、前記フェンダー外気吸入口が設定されたフェンダーダクトとの連結位置に外気導入口を設け、
    前記吸入口切替え構造は、前記外気導入口の位置に設け、外気導入モードの選択時、カウル外気吸入口とフェンダー外気吸入口のうち、何れかを選択する切替えドアを有し、
    前記カウル外気吸入口は、車幅方向に延びるカウルダクトの前記外気導入口から離れたカウルトップ位置に設定した第1カウル外気吸入口と、車幅方向に延びるカウルダクトの前記外気導入口に近接するカウルトップ位置に設定した第2カウル外気吸入口とを有し、
    前記切替えドアは、外気導入モードの選択時、第1カウル外気吸入口と第2カウル外気吸入口とフェンダー外気吸入口のうち、何れかを選択可能な第1切替えドアと第2切替えドアを有することを特徴とする車両用空調装置。
  2. 請求項1に記載された車両用空調装置において、
    前記カウルダクトと前記フェンダーダクトのうち、フェンダー外気吸入口から外気導入口に至るフェンダーダクトの内面と第2カウル外気吸入口のみに断熱材を設定したことを特徴とする車両用空調装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載された車両用空調装置において、
    前記カウルダクトと前記フェンダーダクトのうち、第1カウル外気吸入口から外気導入口に至るカウルダクトの外面に熱吸収を促進するフィンを設定したことを特徴とする車両
    用空調装置。
  4. 外気導入モードの選択時、車両に設定された外気吸入口から外気を取り入れる車両用空調装置において、
    前記外気吸入口は、少なくとも太陽光の照射域に設定された第1外気吸入口と、太陽光の非照射域に設定された第2外気吸入口を有し、
    外気導入モードの選択時、第1外気吸入口と第2外気吸入口のうち、何れかを選択可能な吸入口切替え構造と、
    前記第1外気吸入口の温度を検出する第1外気吸入口温度検出手段と、
    前記第2外気吸入口の温度を検出する第2外気吸入口温度検出手段と、
    前記外気導入モードの選択時、第1外気吸入口温度検出値と第2外気吸入口温度検出値の差が設定温度より高いとき、第2外気吸入口を選択する制御指令を吸入口切替え構造に出力し、第1外気吸入口温度検出値と第2外気吸入口温度検出値の差が設定温度以下のとき、第1外気吸入口を選択する制御指令を吸入口切替え構造に出力する吸入空気温度制御手段を設けたことを特徴とする車両用空調装置。
  5. 外気導入モードの選択時、車両に設定された外気吸入口から外気を取り入れる車両用空調装置において、
    前記外気吸入口は、少なくとも太陽光の照射域に設定された第1外気吸入口と、太陽光の非照射域に設定された第2外気吸入口を有し、
    外気導入モードの選択時、第1外気吸入口と第2外気吸入口のうち、何れかを選択可能な吸入口切替え構造と、
    日射量を検出する日射量検出手段と、
    前記外気導入モードの選択時、日射量検出値が規定値より高いとき、第2外気吸入口を選択する制御指令を吸入口切替え構造に出力し、日射量検出値が規定値以下のとき、第1外気吸入口を選択する制御指令を吸入口切替え構造に出力する吸入空気温度制御手段を設けたことを特徴とする車両用空調装置。
  6. 外気導入モードの選択時、車両に設定された外気吸入口から外気を取り入れる車両用空調装置において、
    前記外気吸入口は、少なくとも太陽光の照射域に設定された第1外気吸入口と、太陽光の非照射域に設定された第2外気吸入口を有し、
    外気導入モードの選択時、第1外気吸入口と第2外気吸入口のうち、何れかを選択可能な吸入口切替え構造と、
    前記第1外気吸入口の温度を検出する第1外気吸入口温度検出手段と、
    前記第2外気吸入口の温度を検出する第2外気吸入口温度検出手段と、
    日射量を検出する日射量検出手段と、
    前記外気導入モードの選択時、第1外気吸入口温度検出値と第2外気吸入口温度検出値の差が設定温度より高く、かつ、日射量検出値が規定値より高いとき、第2外気吸入口を選択する制御指令を吸入口切替え構造に出力し、第1外気吸入口温度検出値と第2外気吸入口温度検出値の差が設定温度以下のとき、あるいは、第1外気吸入口温度検出値と第2外気吸入口温度検出値の差が設定温度より高いが日射量検出値が規定値以下のとき、第1外気吸入口を選択する制御指令を吸入口切替え構造に出力する吸入空気温度制御手段を設けたことを特徴とする車両用空調装置。
  7. 請求項4乃至請求項6の何れか1項に記載された車両用空調装置において、
    空調温度を設定する空調温度設定手段と、
    外気温度を検出する外気温度検出手段と、を設け、
    前記第1外気吸入口は、パワーユニットルームの後部に配置された車幅方向に延びるカウルダクトの上端部に設定され、外気導入口から離れたカウルトップ位置に設定した第1カウル外気吸入口と、外気導入口に近接するカウルトップ位置に設定した第2カウル外気吸入口とを有し、
    前記第2外気吸入口は、サイドフェンダーの下部位置に設定されたフェンダー外気吸入口であり、
    前記吸入空気温度制御手段は、空調設定温度と外気温度の差が設定温度より高いとき、第1カウル外気吸入口を選択する制御指令を吸入口切替え構造に出力し、空調設定温度と外気温度の差が設定温度以下のとき、吸入口温度条件と日射量条件の少なくとも一方の条件により、第2カウル外気吸入口とフェンダー外気吸入口の選択制御を行うことを特徴とする車両用空調装置。
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