JP5038639B2 - 培養人工骨 - Google Patents

培養人工骨 Download PDF

Info

Publication number
JP5038639B2
JP5038639B2 JP2006059392A JP2006059392A JP5038639B2 JP 5038639 B2 JP5038639 B2 JP 5038639B2 JP 2006059392 A JP2006059392 A JP 2006059392A JP 2006059392 A JP2006059392 A JP 2006059392A JP 5038639 B2 JP5038639 B2 JP 5038639B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
artificial bone
bone
cells
cultured
cultured artificial
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006059392A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007236450A (ja
Inventor
信幸 遠藤
真 佐竹
英一 北薗
博章 兼子
美佳 茅島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP2006059392A priority Critical patent/JP5038639B2/ja
Publication of JP2007236450A publication Critical patent/JP2007236450A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5038639B2 publication Critical patent/JP5038639B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Materials For Medical Uses (AREA)
  • Prostheses (AREA)

Description

本発明は培養人工骨に関する。
近年、損傷が大きい生体組織や臓器の治療法として、細胞の分化、増殖能を利用し、元の生体組織及び臓器に再構築する再生医療の研究が活発になってきている。骨再生もその1つである。
骨は再生能力に優れた組織であり、骨折した場合、適切に整復及び固定することにより、ほぼ元通りの形態に再生されることが可能である。しかし、その再生能力にも限界があり、骨形成条件が不良な大きな骨欠損を伴う場合、整復及び固定することだけでは再生は不可能である。
その場合の治療法として、自家骨移植が多く行われてきた。自家骨移植は、抗原性がなく、骨再生を誘導することができる骨芽細胞を含むため骨誘導能を持つという利点から最も優れた移植骨である。しかしながら、この手法は、自家骨を骨盤や腓骨など健常部から採取するために侵襲性が高く、また採取部の術後骨折などの合併症が起こり易く、さらには採取量に限界があるため大きな欠損には適用できないという欠点を有している。
そこで近年、自家骨の代わりに正常な骨に置き換わる生体吸収性の人工骨の研究が行われてきた。その理由として、人工骨移植は移植骨を採取するための侵襲がなく、多くの骨量を確保することができ、欠損の大きさに関係なく使用できるなど有用性が高いことが挙げられる。しかし、従来の人工骨には、自家骨が持つほどの骨誘導能がないという欠点があった。実際、人工骨として生体吸収性ポリマーの鋳造により作製された多孔体が知られている(特許文献1)。
このような背景から、大きな欠損を持つ骨を再生させるため、高い骨誘導能を持ち、正常な骨に置き換わる生体吸収性の移植用材料として、培養人工骨の開発が望まれている。
培養人工骨として、連通孔の少なくとも1つが直径20μm以上である多孔体に培養骨組織が組み込まれているものがすでに公知である(特許文献2)。しかしながら、多孔体の特性の好ましい形態として本発明で開示している繊維構造体については示唆されていない。また、繊維構造体にて、間葉系幹細胞を増殖させたもの、あるいは前骨芽細胞を増殖させたものについてそれぞれ開示されているが、繊維構造体としての好ましい形態については何ら記載がされていない(特許文献3)、あるいは実質的に平面の繊維構造体であり、本発明で開示している3次元構造を有するものではなく、さらには骨分化誘導因子なしでは骨誘導能も認められていない(非特許文献1)。補綴材として、好ましい形態について記載された3次元の繊維構造を持ち、かつ骨誘導能を有する材料については、まだ報告されていない。
米国特許第5863297号明細書 特開2003−199815号公報 WO03/018077号パンフレット Biomaterials 27,596−606(2006)
本発明は、損傷により大きな欠損を持つ骨を治療するため、骨誘導可能な細胞を骨再生の誘導に不可欠な骨芽細胞へと分化誘導する能力が高い補綴材、並びに骨分化誘導可能な細胞、からなる培養人工骨を提供することを目的とする。ここで損傷とは、外傷による外因性損傷や、疾患などによる内因性損傷を含む。また、本発明は、補綴材が生体吸収性多孔体からなる培養人工骨を提供することを目的とする。
本発明者は、生体吸収性ポリマーからなる特定の平均繊維径の繊維構造体で、特定の平均見かけ密度及び高さの多孔体からなる補綴材には、骨誘導可能な細胞を骨芽細胞へと分化誘導する能力が高いことを見出し、この補綴材と骨誘導可能な細胞を組み合わせることで、本発明を完成した。
すなわち本発明は、(i)平均繊維径が0.05〜10μmの生体吸収性ポリマーの繊維構造体から構成され、平均見かけ密度が10〜350kg/m、高さが0.5mm以上の多孔体からなる補綴材、並びに(ii)補綴材に含有された骨誘導可能な細胞、からなる培養人工骨である。
本発明の培養人工骨は、骨誘導可能な細胞を骨芽細胞へと分化誘導する能力が高い3次元構造を持つ補綴材、並びに骨誘導可能な細胞からなるため、骨の再生に有効である。本発明の培養人工骨は、補綴材による骨芽細胞への分化誘導能が高いので、損傷部位の大きい骨の再生に有効であることが期待される。また本発明の培養人工骨は、補綴材が生体吸収性材料により構成されているので生体に吸収されるという利点がある。
以下、本発明について詳述する。
なお、本明細書全体にわたって、細胞を含有していない人工骨と区別するために、細胞を補綴材に含有した本発明のような人工骨を「培養人工骨」と称す。
<培養人工骨>
(補綴材)
本発明の培養人工骨を構成する補綴材は、単数または複数の繊維が積層され、集積されて形成された自己支持能がある3次元の繊維構造体からなる。繊維構造体の平均繊維径は0.05〜10μmであり、鋳造により作製された多孔体よりも比表面積が大きく、細胞が接着する十分な面積を取ることができる。平均繊維径が、0.05μmよりも小さいと該繊維構造体の強度が保てないため好ましくない。また平均繊維径が10μmよりも大きいと繊維の比表面積が小さく生着する細胞数が少なくなるため好ましくない。より好ましくは平均繊維径が0.2〜10μm、さらに好ましくは平均繊維径が0.2〜8μmである。
また、繊維の任意の横断面は略真円でも異形でも良い。繊維の任意の横断面が異形であると、繊維の比面積は増大するので、細胞の培養時に、細胞が繊維表面に接着する十分な面積をとることができる。
ここで、繊維の任意の横断面が異形であるとは、繊維の任意の横断面が略真円形状をとらないいずれの形状も指し、繊維表面が一様に凹部及び/又は凸部を有して粗面化されている場合を含む。
前記異形形状は、繊維表面の微細な凹部、繊維表面の微細な凸部、繊維表面の繊維軸方向に筋状に形成された凹部、繊維表面の繊維軸方向に筋状に形成された凸部及び、繊維表面の微細孔部からなる群から選ばれた少なくとも1種によることが好ましく、これらは単独で形成されていても複数が混在していても良い。
ここで、上記の「微細な凹部」、「微細な凸部」、とは、繊維表面に0.1〜1μmの凹部または凸部が形成されていることをいい、「微細孔」とは、0.1〜1μmの径を有する細孔が繊維表面に存在することをいう。また、上記筋状に形成された凹部及び/又は凸部は、0.1〜1μm幅の畝形状が繊維軸方向に形成されていることをいう。
本発明の繊維構造体から構成される多孔体からなる補綴材は、平均見かけ密度が10〜350kg/mである。平均見かけ密度が10kg/mより低いと細胞侵入性は良いものの機械強度が低く、また350kg/mより高いと細胞が侵入するのが困難となり足場材料としては好ましくない。平均見かけ密度は得られた多孔体の体積(面積×厚み)と質量とを測定し算出することができる。平均見かけ密度は好ましくは50〜300kg/mである。さらに好ましくは、100〜250kg/mである。
本発明の多孔体からなる補綴材は、円柱、多角柱、円錐台、多角錐台などの三次元形であって、高さが0.5mm以上であり、高さの上限は問わず、細胞培養基材として使用する部位に依存するといえるが、好ましくは高さが1.0mm以上、さらに好ましくは高さが2.0mm以上である。高さが0.5mmより低いと機械強度が低く、膝関節など負荷の高い組織の細胞培養基材としては好ましくない。
本発明の多孔体からなる補綴材は、所望の形状に合わせた成形体が提供できるという特徴を有する。求められる厚みを持った基材が提供できるので、例えば不織布を重ねて圧着させたような積層体に比べて、界面剥離が無く形状安定性に優れることから、高い負荷が掛かるような部位における細胞培養基材として有用である。
本発明の補綴材を構成する生体吸収性ポリマーは、好ましくは主として脂肪族ポリエステルからなる。脂肪族ポリエステルとしては、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリジオキサノン、トリメチレンカーボネート、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、及びこれらの共重合体などが挙げられる。これらのうち、脂肪族ポリエステルとしては、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、及びこれらの共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の生体吸収性多孔体は、生体吸収性ポリマー以外の第2成分をさらに含有しても良い。該成分には、例えばFGF(繊維芽細胞増殖因子)、EGF(上皮増殖因子)、PDGF(血小板由来増殖因子)、TGF−β(β型形質転換増殖因子)、NGF(神経増殖因子)、HGF(肝細胞増殖因子)、BMP(骨形成因子)などの細胞増殖因子などが挙げられる。
(骨誘導可能な細胞)
本発明の培養人工骨は、補綴材に骨誘導可能な細胞が含有されている。骨組織は、骨芽細胞により形成されており、骨芽細胞が産生する細胞外基質が重要な役割を果たしていることが考えられる。よって、この骨芽細胞を移植することにより骨再生が促進される。しかし、骨芽細胞は、生体の骨組織の表面に存在するため、この細胞を採取するのは困難で、健常な組織を傷付けるという点で問題がある。そこで、注射針などで採取可能な骨髄由来細胞をはじめとする骨分化誘導が可能な細胞を利用することは、健常な骨組織を傷付けないという点から好ましい。
骨誘導可能な細胞は、骨髄由来細胞が好ましい。骨髄由来細胞としては、間葉系幹細胞などが挙げられる。また、骨芽細胞が含まれていても良い。
骨誘導可能な細胞は、自家細胞が好ましい。
骨誘導可能な細胞の継代数は、好ましくは7回以下、さらに好ましくは5回以下である。
(培養人工骨)
本発明の培養人工骨は、補綴材に骨誘導可能な細胞を播種し、含有させている。含有される骨誘導可能な細胞は、播種される時点及び播種されてからインビトロで培養された時点で細胞数が、1×10〜1×10個/cmであることが好ましい。より好ましくは細胞数が1×10〜1×10個/cm、さらに好ましくは細胞数が1×10〜1×10個/cmである。含有の仕方は、補綴材の表面でも、内部まで浸潤していても良い。
本発明の培養人工骨は、生体吸収性ポリマー、骨誘導可能な細胞以外の第3成分をさらに含有しても良い。該成分には、例えば、BMP(骨形成因子)やβ−glycerophosphate、Ascorbic acid、Dexamethasoneなどの骨分化誘導因子及びこれらの組み合わせなどが挙げられる。
(製造方法)
本発明の培養人工骨の製造方法は、(i)補綴材を準備する工程、(ii)補綴材に骨誘導可能な細胞を含有させる工程からなる。補綴材及び骨誘導可能な細胞は、培養人工骨の項で説明したとおりである。
(ii)の工程は、補綴材に骨誘導可能な細胞を播種しただけでも、播種してからインビトロで培養しても良い。
以下の実施例により本発明をより具体的に説明する。しかし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例で使用した材料、測定方法は以下の通りである。
(1)ポリ乳酸−ポリグルコール酸共重合体:Absorbable Polymers International社製の50/50 Poly(DY-lactide-co-glycolide)、固有粘度:1.05dL/g、30℃、ヘキサフルオロイソプロパノール
(2)塩化メチレン、エタノール:和光純薬工業(株)製
(3)ラット間葉系幹細胞:大日本住友製薬(株)ラボラトリープロダクツ部製
(4)PBS:Invitrogen社製
(5)α−MEM:Invitrogen社製
(6)Antibiotics Antimycotics:Invitrogen社製
(7)FBS:HYCLONE社製
(8)骨芽細胞分化用サプリメント:大日本住友製薬(株)ラボラトリープロダクツ部製
(9)トリプシン-EDTA(0.25%トリプシン、1mM EDTA・4Na):Invitrogen社製
(10)TritonX-100:Sigma社製
(11)Pico Green(登録商標) ds DNA Quantitationkit:Molecular Probe社製
(12)酢酸マグネシウム四水和物:和光純薬工業(株)製
(13)硫酸亜鉛七水和物:和光純薬工業(株)製
(14)N−(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン−N,N’,N’−三酢酸:同仁化学研究所(株)製
(15)2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール:シグマアルドリッチジャパン社製
(16)1mol/L 塩酸:和光純薬工業(株)製
(17)p−ニトロフェニルりん酸二ナトリウム六水和物:和光純薬工業(株)製
(18)1mol/L 水酸化ナトリウム溶液:和光純薬工業(株)製
(19)p−ニトロフェノール:Sigma社製
<実施例1>
(補綴材の製造)
ポリ乳酸−ポリグリコール酸(モル比50/50)共重合体1.5g、塩化メチレン/エタノール=7.5/1(重量部/重量部)8.5gを室温(25℃)で混合し15重量%のドープ溶液を調製した。図1に示す装置を用いて(ノズルと電極の間に静電除去器(春日電機(株))及び巻き取り機(HEIDON)を設置する)、120分間吐出し、巻き取り器7で紡糸された糸を巻き取り、繊維構造体を得た。このときの巻き取り機の回転数は100rpmであった。噴出ノズル1の内径は0.8mm、電圧は12kV、噴出ノズル1から巻き取り器7までの距離は20cm、噴出ノズル1から静電除去器8までの距離は35cm、噴出ノズル13から電極5までの距離は55cmであった。生検トレパンを用いて直径5mmの円柱状のものを切り出した。得られた補綴材の繊維径、高さ及び平均見かけ密度を表1に示す。繊維径については、試料をスパッタコーティング(Pt1.0nm)処理し、SEM(JSM−5310型(日本電子製)、加速電圧:2.0kV、撮影角度30°)により観察を行った。高さについてはノギスを用いて測定した。補綴材の見かけ密度については下記式により算出した。
ρ=4m/πd
(ρ:多孔体の見かけ密度、m:質量、d:直径、h:高さ)
図2に実施例1で得られた補綴材の光学顕微鏡写真(DIGITAL MICROSCOPEE,KEYENCE社、倍率:450倍)を示す。
(ラット間葉系幹細胞の調製)
大日本住友製薬(株)ラボラトリープロダクツ部から購入したラット間葉系幹細胞を15%FBS及び1%Antibiotics Antimycoticsを含むα−MEM中にて5%CO下で培養した。継代を繰り返し、継代数2で凍結保存しておいたラット間葉系幹細胞を37℃のウォーターバスで溶解し、あらかじめ37℃に保温しておいたPBS中に移した。数回ピペッティングした後、900rpm、室温で5分間遠心分離を行った。上清を除去し、15%FBS及び1%Antibiotics Antimycoticsを含むα−MEMに懸濁し、8.6×10個/mLのラット間葉系幹細胞の懸濁液を調製した。
(培養人工骨の製造)
先に製造した補綴材に先に調製したラット間葉系幹細胞を1×10個/cmとなるように含有させた。この培養人工骨を15%FBS及び1%Antibiotics Antimycoticsを含むα−MEMを用いて、2週間培養した(n=4)。培地交換は3回/週で行った。
(評価)
2週後に0.2%TritonX−100で室温、5分間処理し、細胞懸濁液を調製した。この細胞懸濁液からDNA及びアルカリフォスファターゼ(ALP)の抽出液を調製した。この抽出液から、Pico Green(登録商標) ds DNA Quantitationkitを用いてDNA量を、国際臨床化学会の勧告案に基づく反応緩衝液を用いてALP活性を測定し、DNA量当たりのALP活性を算出した。
(1)DNA量測定
キットに含まれているλDNAスタンダード及びTEを用いて、段階希釈系列の標準DNA溶液を調製した。これら標準DNA溶液及び試料を100μLずつ96穴マイクロプレートに入れた。キットに含まれているReagentを100μLずつ加え、よく撹拌後、室温で5分間静置した。その後、蛍光マイクロプレートリーダーにて485nmの波長で励起して535nmの波長にて蛍光を測定した。標準DNA溶液の値から検量線を作成し、それを基に試料のDNA量を算出した。その結果を表2に示す。
(2)ALP活性測定
骨芽細胞の指標とされているALPはp−ニトロフェノールリン酸を基質とし、p−ニトロフェノールとリン酸を生成する。そこで生成されるp−ニトロフェノールの吸光度変化を測定することでALP活性を算出した。ALP活性の測定に用いた反応緩衝液は活性化剤、AMP緩衝液、ALP基質液、反応停止液、p−ニトロフェノール希釈液及び1mmol/L p−ニトロフェノール原液であった。活性化剤は、酢酸マグネシウム四水和物(終濃度100mmol/L)、硫酸亜鉛七水和物(終濃度50mmol/L)及びN−(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン−N,N’,N’−三酢酸(終濃度100mmol/L)からなる。AMP緩衝液は、活性化剤(終濃度2%)及び2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(終濃度0.35mol/L)からなり、1mol/L塩酸でpH=10.4〜10.5に調整した。ALP基質液は、AMP緩衝液及びp−ニトロフェニルリン酸二ナトリウム六水和物(終濃度16mmol/L)からなる。反応停止液は1mol/L 水酸化ナトリウム溶液からなる。p−ニトロフェノール希釈液は、1mol/L 水酸化ナトリウム溶液(終濃度0.02mmol/L)からなる。1mmol/L p−ニトロフェノール原液は、p−ニトロフェノール希釈液及びp−ニトロフェノール(終濃度1mmol/L)からなる。
1mmol/L p−ニトロフェノール原液及びp−ニトロフェノール希釈液を用いて、段階希釈系列の標準p−ニトロフェノール溶液を調製した。これら標準p−ニトロフェノール溶液200μLに当量の1mol/L 水酸化ナトリウム溶液を加え、100μLずつ96穴マイクロプレートに入れた。マイクロプレートリーダーにて波長405nmの波長で吸光度を測定し、検量線を作成した。次に、試料10μLにALP基質液90μLを加え、37℃で10分間処理した。その後、1mol/L 水酸化ナトリウム溶液を100μLずつ加えて反応を停止させた。上清100μLを96穴マイクロプレートに移し、マイクロプレートリーダーにて405nmの波長で吸光度を測定した。標準p−ニトロフェノール溶液の検量線から、試料のp−ニトロフェノール量を算出してから、ALP活性を下記式により求めた。その結果を表3に示す。
ALP活性=試料のp−ニトロフェノール濃度×反応停止後の試料溶液量/反応時間
×(抽出液量/測定に使用した抽出液量)
(3)DNA量当たりのALP活性
(1)及び(2)で算出されたDNA量及びALP活性を用いて、下記式によりDNA量当たりのALP活性を求めた。その結果を表4に示す。
DNA量当たりのALP活性=ALP活性/DNA量
<参考例1>
コントロール群(n=3)として、補綴材を用いず、ラット間葉系幹細胞を12穴マイクロプレートに5×10個/cmとなるように播種し、2週間単層培養した。培地交換は3回/週で行った。実施例1と同様に評価を行いDNA量、ALP活性及びDNA量当たりのALP活性を求めた。その結果を表2〜4に示す。
実施例1の培養人工骨は参考例1のコントロール群に比べ、2.3倍高い骨分化誘導能が認められた。
<実施例2>
(補綴材の製造)
実施例1と同様に、表1に示すような補綴材を得て、ラット間葉系幹細胞を調製し、培養人工骨を体積比5%となるように骨芽細胞分化用サプリメントを添加した15%FBS及び1%Antibiotics Antimycoticsを含むα−MEMを用いて、2週間培養し培養人工骨(n=4)を得て、実施例1と同様にDNA量、ALP活性及びDNA量当たりのALP活性を求めた。その結果を表2〜4に示す。
<参考例2>
コントロール群として、補綴材を用いず、体積比5%となるように骨芽細胞分化用サプリメントを添加した15%FBS及び1%Antibiotics Antimycoticsを含むα−MEMを用いて、2週間培養した以外は、実施例2と同様に評価を行った。その結果を表2〜4に示す。
実施例2の培養人工骨は、参考例2のコントロール群に比べ、1.2倍高い骨分化誘導能が認められた。
Figure 0005038639
Figure 0005038639
Figure 0005038639
Figure 0005038639
以上の結果より、平均繊維径が0.05〜10μmの生体吸収性ポリマーの繊維構造体から構成され、平均見かけ密度が10〜350kg/m、高さが0.5mm以上の多孔体からなる補綴材は骨誘導可能な細胞を骨分化誘導する能力が高いことが確認できた。これにより、本発明の培養人工骨は、骨欠損治療用材料として優れていることが分かった。
本発明の培養人工骨は、再生医療における骨治療用材料として有用である。
補綴材の製造に用いる装置の一例である。 実施例1で得られた補綴材の光学顕微鏡写真である。
符号の説明
1. 溶液噴出ノズル
2. 紡糸液
3. 紡糸液保持槽
4. 電極
5. 電極
6. 高電圧発生器
7. 巻き取り装置
8. 静電除去装置

Claims (9)

  1. (i)平均繊維径が0.05〜10μmの生体吸収性ポリマーの繊維構造体から構成され、平均見かけ密度が50300kg/m、高さが2.0mm以上の多孔体からなる補綴材、並びに(ii)補綴材に含有された骨誘導可能な細胞、からなる培養人工骨。
  2. 該多孔体の平均繊維径が、0.2〜8μmであることを特徴とする請求項1に記載の培養人工骨。
  3. 該生体吸収性ポリマーが、主として脂肪族ポリエステルからなる請求項1に記載の培養人工骨。
  4. 該脂肪族ポリエステルが、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、及びそれらの共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項3に記載の培養人工骨。
  5. 平均見かけ密度が、100〜250kg/mであることを特徴とする請求項1に記載の培養人工骨。
  6. 骨誘導可能な細胞が、骨髄由来細胞であることを特徴とする請求項1に記載の培養人工骨。
  7. 該骨髄由来細胞が、間葉系幹細胞であることを特徴とする請求項6に記載の培養人工骨。
  8. 骨誘導可能な細胞が、7回以下の継代数であることを特徴とする請求項1に記載の培養人工骨。
  9. 骨誘導可能な細胞が、1×10〜1×10個/cmの濃度で補綴材に含有されていることを特徴とする請求項1に記載の培養人工骨。
JP2006059392A 2006-03-06 2006-03-06 培養人工骨 Expired - Fee Related JP5038639B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006059392A JP5038639B2 (ja) 2006-03-06 2006-03-06 培養人工骨

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006059392A JP5038639B2 (ja) 2006-03-06 2006-03-06 培養人工骨

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007236450A JP2007236450A (ja) 2007-09-20
JP5038639B2 true JP5038639B2 (ja) 2012-10-03

Family

ID=38582600

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006059392A Expired - Fee Related JP5038639B2 (ja) 2006-03-06 2006-03-06 培養人工骨

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5038639B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5541846B2 (ja) * 2008-04-22 2014-07-09 帝人株式会社 循環器治療用綿状構造物およびその製造方法
JP5896612B2 (ja) * 2011-03-17 2016-03-30 サンスター株式会社 細胞足場材
CN103957950B (zh) * 2011-12-02 2016-01-20 郡是株式会社 耳廓软骨组织的制造方法和耳廓软骨组织

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20040241145A1 (en) * 2001-08-22 2004-12-02 Jun-Ichi Hata Method of bone regeneration
JP4047739B2 (ja) * 2003-02-04 2008-02-13 日本バイリーン株式会社 静電紡糸方法及び静電紡糸装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007236450A (ja) 2007-09-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Volkov et al. Poly (3-hydroxybutyrate)/hydroxyapatite/alginate scaffolds seeded with mesenchymal stem cells enhance the regeneration of critical-sized bone defect
US8512741B2 (en) Electrospun calcium phosphate nanofibers
Diao et al. 3D‐plotted beta‐tricalcium phosphate scaffolds with smaller pore sizes improve in vivo bone regeneration and biomechanical properties in a critical‐sized calvarial defect rat model
JP5119144B2 (ja) 足場材料
JP5925185B2 (ja) 骨補填材含有不織布
Leong et al. Effect of electrospun poly (d, l‐lactide) fibrous scaffold with nanoporous surface on attachment of porcine esophageal epithelial cells and protein adsorption
Kim et al. Osteoinductive silk fibroin/titanium dioxide/hydroxyapatite hybrid scaffold for bone tissue engineering
Bye et al. Development of bilayer and trilayer nanofibrous/microfibrous scaffolds for regenerative medicine
Wang et al. Preparation, characterization and in vitro analysis of novel structured nanofibrous scaffolds for bone tissue engineering
Fan et al. The role of nanostructured mesoporous silicon in discriminating in vitro calcification for electrospun composite tissue engineering scaffolds
EP2070491A2 (en) Optimum density fibrous matrix
Kriebel et al. Three‐dimensional configuration of orientated fibers as guidance structures for cell migration and axonal growth
Chern et al. 3D scaffold with PCL combined biomedical ceramic materials for bone tissue regeneration
Sun et al. Development of biomimetic trilayer fibrous membranes for guided bone regeneration
US20150266225A1 (en) Facile Methods for Fabricating a Uniformly Patterned and Porous Nanofibrous Scaffold
Niu et al. HA-coated collagen nanofibers for urethral regeneration via in situ polarization of M2 macrophages
Guan et al. Bioinspired nanostructured hydroxyapatite/collagen three-dimensional porous scaffolds for bone tissue engineering
JP5247796B2 (ja) 細胞由来細胞外マトリックス支持体の製造方法
JP5038639B2 (ja) 培養人工骨
WO2006110110A1 (en) Tissue construct and method thereof
EP2878315A1 (en) Artificial tissue
JP6230332B2 (ja) 骨補填材含有不織布
EP3482781B1 (en) Method for preparing fibrous scaffold for personalized tissue engineering
Liu et al. Comparison studies of mineralized and non-mineralized SF/CS hybrid bone scaffolds co-cultured with the osteoblast cell line MC3T3-E1 in vitro
JP2012192105A (ja) 細胞足場材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081205

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20110708

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20110708

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110913

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111114

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120321

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120517

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120612

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120706

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150713

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5038639

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees