JP5038387B2 - プロジェクタのレンズ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、フォーカシング用モータによりフォーカスリングを回動させてフォーカシング調整を行う電動フォーカシング機構を備えるプロジェクタのレンズ装置に関する。
一般に、プロジェクタは投射用のレンズ装置を搭載するが、特に、リモートコントロール(リモコン)等によりフォーカシングを行うことができる電動式のレンズ装置では、フォーカシングレンズ部を支持するフォーカスリングの外周部の周方向に沿って設けたラック部に、フォーカシング用モータの回転シャフトに設けたピニオン部を噛合させ、前記フォーカシング用モータの作動によりフォーカスリングを回動させてフォーカシング調整を行う電動フォーカシング機構を備えている。
従来、このような電動フォーカシング機構を備えたレンズ装置(プロジェクタ)としては、特許文献1に開示されるレンズ装置が知られており、同文献1には、外周部にギア部が設けられ、このギア部の回転状態に応じて光軸方向に移動される投射レンズと、ギア部を回転駆動する駆動モータと、投射レンズの光軸方向の位置を調整するための操作部と、この操作部による入力状態およびこの入力状態の継続時間を検出し、この検出結果に応じて駆動モータの回転方向および連続駆動時間をそれぞれ駆動制御するCPUとを備えているプロジェクタ(レンズ駆動装置)が記載されている。
特開2006−106581号公報
しかし、上述した従来のプロジェクタに備えるレンズ装置は、次のような問題点があった。
第一に、駆動モータが回転を開始する際に、ショック(衝撃)によりレンズ装置に無用な振れを生じる場合がある。この現象は、レンズ装置が小型の場合にはほとんど生じないが、レンズ装置が大型化して重量(モーメント)が大きくなった場合には、駆動モータが回転を開始してもフォーカスリングがスムースに追従せず、また、駆動モータとフォーカシングレンズ部間にはギア噛合部分が存在することから、少なからずレンズ装置に振れを生じてしまう。特に、レンズ装置の振れは、スクリーン上の画面の揺れとなるため、画面品位を損ねてしまう。この問題は、プロジェクタの大型化や交換レンズタイプの商品化に伴う様々な交換レンズの装着により顕在化し、業務用プロジェクタの場合には無視できない重要な課題となる。
第二に、このような衝撃の発生する現象をできるだけ抑制するには、例えば、レンズ装置における機械的な精度をより高めたり、プロジェクタ本体の剛性をより高めるなどの対策を行うことも可能であるが、十分な抑制効果を得るためには、相応のコストが必要になるなど、実施の容易性及び低コスト性の観点から難があるとともに、対策を講じるとしても限界がある。
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決したプロジェクタのレンズ装置の提供を目的とするものである。
本発明は、上述した課題を解決するため、フォーカシングレンズ部2を支持するフォーカスリング3の外周部3sの周方向に沿って設けたラック部4に、フォーカシング用モータ5の回転シャフト5sに設けたピニオン部6を噛合させ、フォーカシング用モータ5の作動によりフォーカスリング3を回動させてフォーカシング調整を行う電動フォーカシング機構Mfを備えるプロジェクタPのレンズ装置1を構成するに際して、フォーカスリング3を、前リング部3fと後リング部3rに二分割することにより、フォーカシングレンズ部2側とラック部4側を機械的に分離する分離部Smを設け、前リング部3fと後リング部3r間の軸方向Faに、所定の弾性を有するゴム素材を用いた弾性部材7を圧縮させた状態で介在させて、フォーカシングレンズ部2とラック部4を、軸方向Faの所定範囲にわたって相対的に弾性変位可能に結合するとともに、前リング部3fと後リング部3r間の放射方向Frに当該前リング部3fと当該後リング部3rが所定範囲にわたって相対変位可能な所定のクリアランスCrを設けてなることを特徴とする。
この場合、発明の好適な態様により、弾性部材7による加圧力の大きさを調整可能な加圧力調整部9を設けることもできる。また、クリアランスCrには弾性部材7eを介在させることもできる。
このような構成を有する本発明に係るプロジェクタのレンズ装置1によれば、次のような顕著な効果を奏する。
(1) フォーカシングレンズ部2とラック部4間の分離部Smに、所定の弾性を有するゴム素材を用いた弾性部材7を介在させたため、フォーカシング用モータ5が回転を開始する際に、ショック(衝撃)が発生した場合であっても、弾性部材7により当該衝撃を有効に吸収することができる。これにより、フォーカシングレンズ部2側への衝撃の伝播を遮断することができ、スクリーン上における無用な画面の揺れを防止して画面品位が損なわれる不具合を解消できる。特に、レンズ装置1が大型化(重量アップ)した場合に、より大きな効果を得ることができる。
(2) 基本的には、フォーカシングレンズ部2とラック部4間に、所定の弾性を有するゴム素材を用いた弾性部材7を介在させれば足りるため、少ない部品点数と一部改良により容易に実施できる。したがって、レンズ装置1の機械的な精度を高めたり、プロジェクタ本体の剛性を高めるなどの他の対策はほとんど不要になるなど、実施の容易性及び低コスト性に優れる。
(3) フォーカスリング3を前リング部3fと後リング部3rに二分割し、この前リング部3fと後リング部3r間の軸方向Faに、ゴム素材を用いた弾性部材7を介在させ、かつ軸方向Faの所定範囲にわたって相対的に弾性変位可能に結合するとともに、前リング部3fと後リング部3r間の放射方向Frに所定のクリアランスCrを設けることにより、所定範囲にわたって相対変位可能に構成したため、弾性部材7は、フォーカシング用モータ5(ラック部4)に対してより近い位置に配することができ、衝撃吸収に係わる効果をより高めることができる。
(4) 好適な態様により、弾性部材7による加圧力の大きさを調整可能な加圧力調整部9を設ければ、使用状態等に応じて加圧力の大きさを最適化し、衝撃吸収に係わる効果をより高めることができる。
(5) 好適な態様により、クリアランスCrに、弾性部材7eを介在させれば、フォーカシングレンズ部2側とラック部4側の放射方向Fr及び軸方向Faの双方における位置的な安定性及び精度をより高めることができる。
本発明の好適実施形態に係るレンズ装置の平面断面図、 同レンズ装置の要部を示す図1中A部の部分抽出拡大図、 同レンズ装置の要部の変更例を示す図1中A部の部分抽出拡大図、 同レンズ装置の要部を示す一部を破断した部分抽出外観側面図、 同レンズ装置の一部を破断した外観正面図、 同レンズ装置を搭載したプロジェクタの側面図、 参考例に係るレンズ装置の要部を示す図1中A部の構成に対応する部分の抽出拡大図、 他の参考例に係るレンズ装置の平面断面図、 他の参考例に係るレンズ装置の要部を示す図8中B部の構成に対応する部分の抽出拡大図、 他の参考例に係るレンズ装置の要部を示す図8中B部の構成に対応する部分の抽出拡大図、
次に、本発明に係る好適実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
まず、本実施形態に係るレンズ装置1の全体的な概略構成について、図1を参照して説明する。
レンズ装置1は、レンズ鏡筒11を備え、このレンズ鏡筒11の内部には複数のレンズ群Lf,La,Lb,Lc,Lrを収容する。この場合、最も前側に位置するレンズ群Lfは、フォーカシングレンズ部2となる。なお、各レンズ群Lf,La…Lrには、一枚又は二枚以上のレンズが含まれる。例示のレンズ群Lf…Lrは五群であるが、この群数は任意である。
レンズ鏡筒11は、固定筒部12を備え、この固定筒部12は内側の内筒部12iと外側の外筒部12oを備えるとともに、内筒部12iの内部にはカム筒部13を回動自在に収容する。また、内筒部12iの筒体には、前後方向(軸方向)に沿って形成し、かつ周方向に等間隔で配した複数の直線溝14…を有するとともに、カム筒部13の筒体には、螺旋方向に沿って形成した複数のカム溝15aa…,15ab…,15b…,15c…を有する。さらに、内筒部12iの外周面上における軸方向中間位置には、ズームリング16を回動自在に配するとともに、内筒部12iの筒体には、軸方向に対する直角方向(周方向)に、ズームリング16の回動範囲に対応させたガイド溝17…を形成する。そして、ガイド溝17…には、コロ部材18…を収容し、このコロ部材18…によりズームリング16とカム筒部13を連結する。一方、カム筒部13の内部には、複数のレンズ群枠19aa,19ab,19b,19cを収容し、各レンズ群枠19aa…の外周面から放射方向に突出し、かつ周方向に等間隔で配した複数のコロ部材20aa…,20ab…,20b…,20c…を、上述したカム筒部13のカム溝15aa…,15ab…,15b…,15c…及び内筒部12iの直線溝14…にそれぞれ係合させる。
また、ズームリング16の外周部16sには、周方向に沿ってラック部21を設けるとともに、外筒部12oの外周面を利用して、ズーミング用モータ22を取付ける。そして、ズーミング用モータ22の回転シャフト22sに設けたピニオン部23はラック部21に噛合させる。これにより、ズーミング用モータ22を作動させれば、ズームリング16を回動させることができ、このズームリング16の回動変位は、コロ部材18…を介してカム筒部13に伝達される。この結果、各レンズ群枠19aa,19ab,19b,19cは前後方向に変位し、レンズ装置1のズーミング調整を行うことができる。なお、各レンズ群枠19aa…は、同様に組付けるが、各レンズ群枠19aa…に対応する各カム溝15aa…の傾斜角は同一又は異なせて設定する。以上の構成が電動ズーミング機構Mzとなる。他方、ズームリング16の前方には、本発明の要部を構成する電動フォーカシング機構Mfを配設する。
次に、本実施形態に係るレンズ装置1の要部を構成する電動フォーカシング機構Mfについて、図1〜図5を参照して説明する。
内筒部12iの外周面上におけるズームリング16の前方であって、当該ズームリング16に近接する位置には、フォーカスリング3を回動自在に配する。フォーカスリング3の前端は、内筒部12iの前端よりも前方に突出させ、フォーカスリング3の前部における内周面には、レンズホルダ8をネジ31…により固定する。そして、このレンズホルダ8の内周部により、最も前側に位置するレンズ群Lfであるフォーカシングレンズ部2を支持する。また、レンズホルダ8の外周部の後部に設けたヘリコイドネジ(雄側ネジ)32mは、内筒部12iの内周部の前部に設けたヘリコイドネジ(雌側ネジ)32fに螺合する。
さらに、外筒部12oの外周面を利用して、フォーカシング用モータ5を取付けるとともに、フォーカシング用モータ5の回転シャフト5sにはピニオン部6を設ける。この場合、フォーカシング用モータ5は、図5に示すように、ズーミング用モータ22に対して180゜反対側の位置に配設する。一方、フォーカスリング3の外周部3sの後部には周方向に沿ってラック部4を設け、このラック部4にピニオン部6を噛合させる。以上が、電動フォーカシング機構Mfの基本的な構成となる。これにより、フォーカシング用モータ5を作動させれば、フォーカスリング3を回動させることができ、このフォーカスリング3の回動変位は、レンズホルダ8を回動変位となる。レンズホルダ8はヘリコイドネジ32mが内筒部12iのへリコイドネジ32fに螺合しているため、フォーカスリング3は、自身の回動変位に対応して前後方向に変位し、レンズ装置1のフォーカシング調整を行うことができる。なお、フォーカスリング3は、回動変位するとともに、前後方向にも移動するため、ラック部4の幅方向長さ(軸方向長さ)は、フォーカスリング3の前後方向の移動を許容する長さ(幅)に設定される。
ところで、図1からも明らかなように、通常、フォーカシングレンズ部2は、レンズ装置1の最も前側に位置するレンズ群Lfになるとともに、その重量も最も大きくなる。また、フォーカシング用モータ5の回転は、ピニオン部6とラック部4を介してフォーカスリング3に伝達されるため、フォーカシングレンズ部2側の重量(モーメント)が大きくなった場合には、フォーカシング用モータ5が回転を開始しても、フォーカシングレンズ部2側は追従しにくく、結局、フォーカスリング3側に少なからずショック(衝撃)が発生し、レンズ装置1に振れを生じる。
このため、本実施形態に係るレンズ装置1では、このときの衝撃を吸収するため、フォーカシングレンズ部2とラック部4間に、フォーカシングレンズ部2側とラック部4側を機械的に分離する分離部Smを設け、この分離部Smに弾性部材7を介在させてフォーカシングレンズ部2側とラック部4側を結合し、フォーカシングレンズ部2とラック部4を相対的に弾性変位可能に構成した。
この場合、フォーカスリング3は、図1に示すように、前リング部3fと後リング部3rの二分割形式に構成する。したがって、前リング部3fの後端部と後リング部3rの前端部間が分離部Smとなる。この分離部Smは、図1に示すように、できるだけラック部4に近い位置を選定することが、より有効な衝撃吸収作用を得る上で望ましい。図2は、図1におけるA部の部分抽出拡大図を示している。図2に示すように、後リング部3rの前端部には、前リング部3fの後端に設けた挿入部33を挿入できる大径のフランジ部34を形成する。フランジ部34は、後リング部3rの前端から放射方向Frへ直角に立ち上げた起部34sと、この起部34sの先端から前方ヘ突出させた筒部34cからなり、この筒部34cの内側に挿入部33を挿入することができる。この際、挿入部33と筒部34c間に、放射方向Frに僅かなクリアランスCrを設け、これにより、所定範囲にわたって相対変位可能に構成する。また、挿入部33は厚肉形成し、外周面から径方向にネジ孔部35…を形成する。この場合、図5に示すように、周方向に等間隔により複数のネジ孔部35…を設ける。そして、筒部34cには、これらのネジ孔部35…に対応する複数の規制孔部36…を形成する。
一方、ネジ孔部35…に螺着する規制ネジ37…を用意する。規制ネジ37…は、規制孔部36…に収容する円柱形の頭部37h…を有し、この頭部37h…の外径は、図4に示すように、規制孔部36…の内径よりも小さく選定し、頭部37h…と規制孔部36…間には所定のクリアランス(遊び)Caを設ける。これにより、前リング部3fと後リング部3rは、軸方向Faへ所定範囲にわたって相対変位可能となる。さらに、起部34sと挿入部33間に介在させる弾性部材7を用意する。例示の弾性部材7は、所定の弾性を有するゴム素材により、全体をドーナツ形のゴムリング7gとして一体形成したものである。このため、起部34sの内面(前面)には、ゴムリング7gを保持可能な保持凹部38を周方向に沿ってリング形に設ける。
このようなフォーカスリング3は、次のように組立てることができる。まず、フランジ部34の内側、即ち、保持凹部38にゴムリング7gを嵌め入れる。そして、前リング部3fの挿入部33をフランジ部34の内側、即ち、筒部34cの内側に挿入し、この状態において、規制ネジ37…を、規制孔部36…を通して各ネジ孔部35…に螺着する。図2はこの状態を示す。これにより、フォーカシングレンズ部2側に位置する前リング部3fとラック部4側に位置する後リング部3rは、分離部Smに配したゴムリング7gを介して結合される。なお、フランジ部34と挿入部33間のゴムリング7gは圧縮させて介在させる。
このように、フォーカスリング3を前リング部3fと後リング部3rに二分割し、この前リング部3fと後リング部3r間の軸方向Faに、圧縮させたゴムリング7gを介在させ、かつ軸方向Faの所定範囲にわたって相対的に弾性変位可能に結合するとともに、前リング部3fと後リング部3r間の放射方向Frに所定のクリアランスCrを設けることにより、所定範囲にわたって相対変位可能に構成すれば、ゴムリング7gは、フォーカシング用モータ5(ラック部4)に対してより近い位置に配することができるため、衝撃吸収に係わる効果をより高めることができる。
他方、図3は、ゴムリング7gの変更例に係るゴムリング7eを示す。変更例に係るゴムリング7eは、前述したゴムリング7gに対して、さらに、筒部34cと挿入部33間のクリアランスCrに、圧縮させた薄い第二ゴムリング部7esを介在させたものであり、ゴムリング7eは、前述したゴムリング7gに第二ゴムリング部7esを一体に形成したものとなる。このようなゴムリング7eを使用すれば、フォーカシングレンズ部2側とラック部4側の放射方向Fr及び軸方向Faの双方における位置的な安定性及び精度をより高めることができる。
次に、本実施形態に係るレンズ装置1に備える電動フォーカシング機構Mfの動作(機能)について、図1〜図6を参照して説明する。
例示のレンズ装置1は交換式レンズであり、固定筒部12の後部は図6に示すプロジェクタPに対して着脱することができる。プロジェクタPは、光源部から射出された光束を画像情報に応じて変調して拡大投射するため、図6に示すように、支持部61を用いて天吊り設置する場合も多い。したがって、この場合、図示を省略したリモコン等を用いてフォーカシング調整を行うことができる。
フォーカシング調整時には、フォーカシング用モータ5が作動し、回転シャフト5sに設けたピニオン部6が回転する。これにより、ピニオン部6に噛合するラック部4も回動変位し、一体のフォーカスリング3も回動する。フォーカスリング3の回動変位により、一体のレンズホルダ8も回動変位する。この際、レンズホルダ8のヘリコイドネジ32mは、内筒部12iのへリコイドネジ32fに螺合しているため、フォーカスリング3が回動変位した際には、この回動に対応して前後方向に変位する。即ち、レンズ装置1のフォーカシング調整を行うことができる。
一方、前述したように、レンズ装置1が大型の場合、停止しているフォーカシング用モータ5が回転を開始した際に、フォーカスリング3が追従しにくい故に、フォーカスリング3側にショック(衝撃)が発生する。しかし、本実施形態に係るレンズ装置1によれば、フォーカシングレンズ部2側となる前リング部3fとラック部4側となる後リング部3rは、軸方向Faの所定範囲(クリアランスCaの相当分)にわたって相対的に弾性変位可能になるとともに、放射方向Frの所定範囲(クリアランスCrの相当分)にわたって相対変位可能となる。図2に仮想線で示す後リング部3rは、この後リング部3rが相対的に弾性変位した状態を示している。
したがって、フォーカシング用モータ5が回転を開始する際に、ショック(衝撃)が発生した場合であっても、ゴムリング7gにより当該衝撃を有効に吸収することができる。これにより、フォーカシングレンズ部2側への衝撃の伝播を遮断することができ、スクリーン上における無用な画面の揺れを防止して画面品位が損なわれる不具合を解消できる。特に、レンズ装置1が大型化(重量アップ)した場合には、より大きな効果を得ることができる。また、基本的には、フォーカシングレンズ部2とラック部4間に、ゴムリング7gを介在させれば足りるため、少ない部品点数と一部改良により容易に実施でき、レンズ装置1の機械的な精度を高めたり、プロジェクタ本体の剛性を高めるなどの他の対策はほとんど不要になるなど、実施の容易性及び低コスト性に優れる。
次に、参考例に係るレンズ装置1について、図7〜図10を参照して説明する。
図7(a),(b)には、弾性部材7を変更した参考例を示す。図7(a)は、弾性部材7として、スプリング7s…を用いたものである。スプリング7s…はネジ孔部35…を設けた位置に対応させて配する。この参考例であっても、前述したゴムリング7gを介在させる場合と同様であり、フランジ部34と挿入部33間に圧縮させたスプリング7s…を介在させるとともに、起部34sの内面には、各スプリング7s…を保持可能な断面円形をなす保持凹部39…を各規制孔部36…に対応させて設ける。なお、例示のスプリング7s…はコイルスプリングであるが、その他、板バネやウェーブワッシャ等の各種スプリング類を利用可能である。
図7(b)は、図7(a)の各スプリング7s…に加え、各スプリング7s…(弾性部材7)の弾性による加圧力の大きさを調整可能な加圧力調整部9を設けたものである。このため、各保持凹部39…の中央から起部34sの外面(後面)に貫通するネジ孔部40…を形成し、このネジ孔部40…に起部34sの外面側から調整用ネジ41…を螺合するとともに、各保持凹部39…に露出(突出)する調整用ネジ41…の先端と各保持凹部39…に収容するスプリング7s…間にスプリング受盤42…を介在させる。これにより、調整用ネジ41…をドライバ等で回せば、スプリング受盤42…を軸方向Faに進退変位させることができため、スプリング7s…の圧縮度合を変更できる。このような加圧力調整部9を設ければ、使用状態等に応じて加圧力の大きさを最適化し、衝撃吸収に係わる効果をより高めることができる。
図8は、弾性部材7を介在させる位置を変更した参考例を示す。したがって、図8に示すレンズ装置1では、フォーカスリング3は一体形成する。即ち、図1に示した実施形態のように、前リング部3fと後リング部3rの二分割形式には構成しない。図8に示すレンズ装置1は、フォーカシングレンズ部2を支持するレンズホルダ8とフォーカスリング3間に分離部Smを設けた。通常、フォーカシングレンズ部2を支持するレンズホルダ8とフォーカスリング3は別体に構成する場合も多いため、僅かな形状変更等により、レンズホルダ8とフォーカスリング3間を、フォーカシングレンズ部2側とラック部4側を機械的に分離する分離部Smとして用いることができる。
図9及び図10は、図8中B部の部分抽出拡大図を示す。通常、フォーカスリング3とレンズホルダ8を結合する場合、フォーカスリング3の内周部に、中心方向に突出したリング形の結合凸部45を設けるとともに、レンズホルダ8の外周部に、放射方向に突出したリング形の結合凸部46を設け、組付時に、結合凸部45の先端と結合凸部46の先端を衝き合わせることにより、周方向に等間隔となる複数の位置を固定ネジ31…により固定(結合)する。このため、図9に示すように、一方の結合凸部45に係合片部45sを突出形成するとともに、他方の結合凸部46に切欠部46sを形成し、この切欠部46sと係合片部45s間に弾性部材7を介在させた。また、固定ネジ31…が挿通するフォーカスリング3に設けた挿通孔部48…の内径を、挿通する当該固定ネジ31…の部位の外径よりも大きく形成し、挿通孔部48…と固定ネジ31…間に所定のクリアランス(遊び)Caを設けた。これにより、フォーカシングレンズ部2側となるレンズホルダ8とラック部4側となるフォーカスリング3間の軸方向Faに対して、弾性部材7を圧縮させて介在させることができ、レンズホルダ8とラック部4は、軸方向Faの所定範囲(クリアランスCaの相当分)にわたって相対的に弾性変位可能となる。さらに、結合凸部45の内径に対して結合凸部46の外径を小さく選定して結合凸部45と結合凸部46間に所定のクリアランスCrを設ける。これにより、レンズホルダ8とラック部4は、放射方向Frの所定範囲(クリアランスCrの相当分)にわたって相対変位可能となる。
図9は、弾性部材7としてスプリング7s…を用いた参考例を示すとともに、図10は、弾性部材7としてゴムリング7gを用いた参考例を示す。なお、基本的な構成は、図1〜図7に示した実施形態と同様に実施することができる。したがって、図9及び図10において、図1〜図7と同一の部分には同一の符号を付してその構成を明確にするとともに、その詳細な説明は省略する。
このように、フォーカスリング3の内部に配したフォーカシングレンズ部2を支持するレンズホルダ8と当該フォーカスリング3とを別体に構成し、このフォーカスリング3とレンズホルダ8間の軸方向Faに、圧縮させた弾性部材7を介在させ、かつ軸方向Faの所定範囲にわたって相対的に弾性変位可能に結合するとともに、フォーカスリング3とレンズホルダ8間の放射方向Frに所定のクリアランスCrを設けることにより、所定範囲にわたって相対変位可能に構成した場合であっても、前述した図7(a)に示す参考例と同様の機能(作用)を発揮させることができる。図8の参考例によれば、本来、別体に構成することが多いレンズホルダ8とフォーカスリング3間に、弾性部材7を配することができるため、更なる実施の容易化に寄与できる。
以上、好適実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数量等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。例えば、フォーカスリング3を前リング部3fと後リング部3rに二分割し、この前リング部3fと後リング部3r間に弾性部材7を配する場合と、フォーカスリング3とレンズホルダ8間に弾性部材7を配する場合の二つの形態を示したが、これらは一方のみの実施でもよいし、双方を組合わせた実施であってもよい。また、フォーカスリング3を前リング部3fと後リング部3rに二分割した例を挙げたが、三分割以上を排除するものではない。
本発明に係るレンズ装置は、フォーカシング用モータによりフォーカスリングを回動させてフォーカシング調整を行う各種プロジェクタに利用できる。
1:レンズ装置,2:フォーカシングレンズ部,3:フォーカスリング,3s:フォーカスリングの外周部,3f:前リング部,3r:後リング部,4:ラック部,5:フォーカシング用モータ,5s:回転シャフト,6:ピニオン部,7:弾性部材,7e:弾性部材,8:レンズホルダ,9:加圧力調整部,Mf:電動フォーカシング機構,P:プロジェクタ,Sm:分離部,Fa:軸方向,Fr:放射方向,Cr:クリアランス

Claims (3)

  1. フォーカシングレンズ部を支持するフォーカスリングの外周部の周方向に沿って設けたラック部に、フォーカシング用モータの回転シャフトに設けたピニオン部を噛合させ、前記フォーカシング用モータの作動により前記フォーカスリングを回動させてフォーカシング調整を行う電動フォーカシング機構を備えるプロジェクタのレンズ装置において、前記フォーカスリングを、前リング部と後リング部に二分割することにより、前記フォーカシングレンズ部側と前記ラック部側を機械的に分離する分離部を設け、前記前リング部と前記後リング部間の軸方向に、所定の弾性を有するゴム素材を用いた弾性部材を圧縮させた状態で介在させて、前記フォーカシングレンズ部と前記ラック部を、軸方向の所定範囲にわたって相対的に弾性変位可能に結合するとともに、前記前リング部と前記後リング部間の放射方向に当該前リング部と当該後リング部が所定範囲にわたって相対変位可能な所定のクリアランスを設けてなることを特徴とするプロジェクタのレンズ装置。
  2. 前記弾性部材による加圧力の大きさを調整可能な加圧力調整部を備えることを特徴とする請求項1記載のプロジェクタのレンズ装置。
  3. 前記クリアランスには、弾性部材を介在させることを特徴とする請求項1又は2記載のプロジェクタのレンズ装置。
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