JP5038233B2 - 帯電ロール - Google Patents

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本発明は、電子写真方式を利用した複写機やプリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置において、電子写真感光体や静電記録誘電体等からなる像担持体を帯電せしめるために用いられる帯電ロールに関するものである。
電子写真方式を利用した複写機やプリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置においては、感光体(ドラム)等の像担持体を、帯電ロールの外周面に接触せしめて、それら像担持体と帯電ロールとを相互に回転させるようにすることによって、かかる像担持体の表面を帯電させる、所謂ロール帯電方式が広く採用されている。
また、そのような接触帯電方式に係るロール帯電方式に用いられる帯電ロールとしては、従来より様々な構造を有するものが提案され、使用されているのであり、例えば、導電体たる軸体(芯金)の周りに、低硬度のゴム層からなる導電性弾性体層が設けられ、更に必要に応じて、導電性弾性体層の外周面上に、抵抗調整層や保護層が順次積層形成されてなる構造のものが、採用されている。
かかる構造を呈する帯電ロールの導電性弾性体層は、従来より、天然ゴムや各種合成ゴムにカーボンブラック等の電子導電剤を始めとする各種添加剤を配合してなるゴム組成物を用いて、作製されている。具体的には、かかるゴム組成物を成形材料として用いて、種々の成形方法に従い、軸体の周りに所定厚さの未加硫(未架橋)のゴム組成物層を形成せしめた後、そのゴム組成物層に対して加硫乃至は架橋操作を施すことにより、導電性弾性体層とされているのである。
そして、かかる導電性弾性体層には、帯電ロールが像担持体の表面を効率良く帯電させることが可能となるように、また、像担持体との接触性が有利に確保され得るように、耐ヘタリ性及び帯電均一性に優れ、可能な限り硬度が低く抑えられていることが要求される。
ところで、近年、帯電ロールの導電性弾性体層を作製する際に、エピクロルヒドリンゴム等のイオン導電性ゴムをゴム成分とするゴム組成物が用いられるようになってきているが、かかるゴム組成物を用いて既存の射出成形法(型注入成形法)に従って成形すると、得られる成形体(未加硫(未架橋)のゴム組成物層)の表面性が悪い等の問題があるため、そのようなイオン導電性ゴムをゴム成分とするゴム組成物を成形する際には押出成形法が広く採用されている。また、かかるゴム組成物には、押出成形の際の成形性を確保すると共に、最終的に得られる加硫(架橋)物の研削を容易にすべく、特許文献1(特許第3724465号公報)に開示の如き炭酸カルシウムやシリカ等の無機充填物(フィラー)が配合され、用いられているのが一般的である。
しかしながら、それら炭酸カルシウムやシリカ等の無機充填物(フィラー)が配合されたゴム組成物を用いて、押出成形の後に加硫(架橋)して得られる導電性弾性体層にあっては、フィラーの存在により、かかる導電性弾性体層の硬度、ひいては帯電ロール全体の硬度が必然的に高くなるという問題を内在していた。かかる問題を解決すべく、例えば液状ポリマー等が配合されたゴム組成物を用いて導電性弾性体層を形成せしめることが知られているが、電子写真方式を利用した複写機等の画像形成装置には更なる小型化及び高機能化が求められ、これに伴って帯電ロールに対してもより厳しい特性が要求されるようになってきている現状においては、優れた耐ヘタリ性を有しつつも硬度が低く、また要求される導電性を有利に発揮し得る帯電ロールの開発が、望まれているのである。
特許第3724465号公報
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決すべき課題とするところは、優れた耐ヘタリ性を有しつつも硬度が低く、また要求される導電性を有利に発揮し得る帯電ロールを提供することにある。
そして、本発明者等は、射出成形(型注入成形)技術の改良と共に、イオン導電性ゴムであるエピクロルヒドリンゴム及び/又はニトリルゴム(NBR)をゴム成分とするゴム組成物について鋭意検討を重ねたところ、所定の組成を有するゴム組成物を用いて形成された導電性弾性体層を有する帯電ロールにあっては、上記課題を悉く解決することを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、軸体の周りに導電性弾性体層を設けてなる帯電ロールにおいて、該導電性弾性体層が、イオン導電性ゴムたるエピクロルヒドリンゴム及び/又はニトリルゴムの100重量部に、過酸化物架橋剤の0.7〜1.0重量部を配合してなる、電子導電剤が配合されていないゴム組成物にて形成されており、且つ、熱重量測定による該導電性弾性体層におけるゴム成分の存在割合が90重量%以上であることを特徴とする帯電ロールを、その要旨とするものである。
なお、かかる本発明に従う帯電ロールにおける好ましい態様の一つにおいては、前記ゴム組成物を構成するイオン導電性ゴムがエピクロルヒドリンゴムであって、かかるエピクロルヒドリンゴムの100重量部に対して、0.5重量部以下のイオン導電剤が更に配合されている。
また、本発明に係る帯電ロールにおける好ましい態様の他の一つにおいては、前記ゴム組成物を構成するイオン導電性ゴムがニトリルゴムであって、かかるニトリルゴムの100重量部に対して、1〜2重量部のイオン導電剤が更に配合されている。
さらに、上述したような本発明の帯電ロールにあっては、有利には、前記導電性弾性体層が、円筒状の成形キャビティを有する金型内の中心軸上に配置された前記軸体の周りに、該金型内に前記ゴム組成物を射出乃至は注入することにより設けられた該ゴム組成物よりなる層を過酸化物架橋して形成されているものである。
このように、本発明に従う帯電ロールにあっては、その導電性弾性体層が、所定のイオン導電性ゴムに過酸化物架橋剤を配合してなるゴム組成物を過酸化物架橋せしめることによって形成されたものであり、且つ、熱重量測定によるゴム成分の存在割合が90重量%以上の架橋物にて構成されているところから、従来の、シリカ等の無機充填物(フィラー)を配合したゴム組成物を用いて得られた導電性弾性体層を有する帯電ロールと比較して、優れた耐ヘタリ性を有しつつも硬度が低いものとなっているのである。
また、かかる帯電ロールにおける導電性弾性体層は、従来より広く行なわれている硫黄加硫に代えて、過酸化物を架橋剤として用いる過酸化物架橋により形成されているのであり、このように過酸化物架橋によって導電性弾性体層が形成せしめられていることも、優れた耐ヘタリ性の発揮に大きく寄与している。
さらに、本発明の帯電ロールにおける導電性弾性体層は、イオン導電性ゴムであるエピクロルヒドリンゴム及び/又はニトリルゴムをゴム成分とするゴム組成物を用いて形成されており、それらエピクロルヒドリンゴム及びニトリルゴムは、何れもゴムとしては体積抵抗率が比較的小さいものであるため、帯電ロールとして要求される導電性を有利に発現させることが可能である。
さらにまた、導電性弾性体層に対してより優れた導電性が要求される場合には、イオン導電剤を配合したゴム組成物を用いて導電性弾性体層を形成すれば良く、具体的には、イオン導電性ゴムとしてエピクロルヒドリンゴムのみを用いる場合には、かかるエピクロルヒドリンゴムの100重量部に対して0.5重量部以下のイオン導電剤を、また、ニトリルゴムのみを用いる場合には、かかるニトリルゴムの100重量部に対して1〜2重量部のイオン導電剤を、各々、配合してなるゴム組成物を用いて導電性弾性体層を形成することで、導電性の向上を有利に図ることが可能である。
加えて、従来の導電性カーボンブラックを配合してなるゴム組成物を用いて形成された導電性弾性体層には、像担持体表面との間のリークを防止するために、その軸方向の両端部に所謂C面処理を施すことが必要とされていたが、本発明に係る帯電ロールの導電性弾性体層は、イオン導電性ゴムをゴム成分とするものであり、また、導電性カーボンブラック等の電子導電剤を含有するものではないところから、本発明の帯電ロールにおける導電性弾性体層には、従来は必要とされていたC面処理は不要である。
また、本発明に係る帯電ロールの中でも、特に、その導電性弾性体層が、円筒状の成形キャビティを有する金型内の中心軸上に軸体を配し、かかる金型内に上述したゴム組成物を射出乃至は注入して軸体の周りにゴム組成物層を設け、その後にゴム組成物層を過酸化物架橋することにより形成された帯電ロールにあっては、上述の如き優れた特性を発揮することは勿論のこと、導電性弾性体層の表面性が非常に優れており、従来のゴム組成物を用いて作製された導電性弾性体層には必要とされていた架橋(加硫)後の研削乃至は研磨工程は不要である。
ところで、本発明に従う帯電ロールを製造するに際しては、先ず、所定長さの導電体からなる軸体(芯金)が準備されると共に、かかる軸体上に導電性弾性体層を形成するためのゴム組成物が調製されることとなる。かかるゴム組成物の調製には、主成分たるゴム成分として、イオン導電性ゴムであるエピクロルヒドリンゴム及び/又はニトリルゴムが用いられる。
ここで、本発明においては、エピクロルヒドリンゴムとして、エピクロルヒドリン単独重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド共重合体、及びこれらの共重合体に更にアリルグリシジルエーテルを共重合させたもの等の何れをも用いることが可能であり、また、これらの二種以上を併用することも可能である。
また、そのような一種又は二種以上のエピクロルヒドリンゴムとニトリルゴム(NBR)とを併用することも、更にはニトリルゴムを単独で使用することも、本発明においては可能である。
それらエピクロルヒドリンゴム等のイオン導電性ゴムを架橋させるための架橋剤として、本発明においては過酸化物架橋剤が用いられる。従来より広く採用されている硫黄ではなく、過酸化物にてイオン導電性ゴムを架橋せしめることにより、得られる導電性弾性体層ひいては帯電ロールにおける耐ヘタリ性が優れたものとなる。
ここで、本発明において、過酸化物架橋剤は、イオン導電性ゴムの100重量部に対して0.7〜1.0重量部となるような割合において、配合される。過酸化物架橋剤の配合量が0.7重量部未満では、イオン導電性ゴムの架橋が十分に進行せず、その結果、得られる導電性弾性体層が十分な耐ヘタリ性を発揮し得ない恐れがあり、その一方、配合量が1.0重量部を超えると、導電性弾性体層の硬度が高くなり過ぎる恐れがあるからである。
なお、本発明において用いられる過酸化物架橋剤としては、従来より公知のものであれば何れも用いることが可能である。具体的には、パーヘキサHC、パーヘキサV やパーヘキサC (何れも商品名、日本油脂株式会社製)等のパーオキシケタール系架橋剤、パーヘキサ25B 、ペロキシモンF 、パークミルD 、パーブチルC 、パーヘキシルD やパーブチルD (何れも商品名、日本油脂株式会社製)等のジアルキルパーオキサイド系架橋剤、パーブチルE 、パーブチルI やパーブチルZ (何れも商品名、日本油脂株式会社製)等のパーオキシエステル系架橋剤、ケトンパーオキサイド系架橋剤、パーオキシジカーボネート系架橋剤、ジアシルパーオキサイド系架橋剤、ハイドロパーオキサイド系架橋剤等を、例示することが可能である。これら公知の過酸化物架橋剤の中から、目的に応じた一種又は二種以上のものが適宜に選択されて、使用される。
ところで、上述したイオン導電性ゴムたるエピクロルヒドリンゴム及びニトリルゴムは、何れもゴムとしては体積抵抗率が比較的小さいものではあるが、より導電性の優れた帯電ロールが求められる場合には、イオン導電剤(イオン導電系の導電剤)が、イオン導電性ゴム及び過酸化物架橋剤からなるゴム組成物に更に配合される。
かかるイオン導電剤は、その配合量が少な過ぎると配合効果は認められず、一方、多量に配合しても顕著な導電性の向上は認められず、むしろブリード等の発生する確率が高くなることから、目的とする帯電ロールに要求される導電性等に応じた配合量が適宜に決定されることとなる。好ましくは、ゴム組成物を構成するゴム成分がエピクロルヒドリンゴムである場合には、かかるエピクロルヒドリンゴムの100重量部に対して0.5重量部以下の割合において、また、ゴム組成物を構成するゴム成分がニトリルゴムである場合には、かかるニトリルゴムの100重量部に対して1〜2重量部の割合において、イオン導電剤がゴム組成物に配合される。なお、本発明において使用可能なイオン導電剤としては、従来より公知の各種のもの、例えば、トリブチルエチルアンモニウムエチル硫酸塩、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムヨーダイドやテトラブチルアンモニウムパークロレート等の第4級アンモニウム塩、過塩素酸リチウムや過塩素酸カリウム等の過塩素酸塩、有機ホウ素錯体等を挙げることが出来る。
但し、本発明に係る帯電ロールの導電性弾性体層を作製するに際して、導電性カーボンブラック等の電子導電剤(電子導電系の導電剤)は使用されない。かかる導電性カーボンブラック等をゴム組成物に配合すると、得られる導電性弾性体層の硬度が上昇し、耐ヘタリ性を悪化させる恐れがあるからである。
このように、本発明に係る帯電ロールにあっては、その導電性弾性体層が、エピクロルヒドリンゴム等のイオン導電性ゴムをゴム成分とする、導電性カーボンブラック等の電子導電剤が配合されていないゴム組成物にて形成されたものである。従って、従来の電子導電剤が配合されたゴム組成物にて形成された導電性弾性体層においては、多くの場合、像担持体表面との間のリークを防止するために、かかる弾性体層の軸方向の両端部に所謂C面処理を施すことが必要とされていたが、かかるC面処理は、本発明の帯電ロールにおける導電性弾性体層には不要となる。
本発明に従う帯電ロールの導電性弾性体層を作製するに際しては、上述したイオン導電性ゴム及び過酸化物架橋剤(更に必要に応じてイオン導電剤)に対して、従来のゴム組成物と同様に、架橋助剤、架橋促進剤やその他の各種添加剤を配合することが可能である。しかしながら、それら添加剤は、ゴム組成物を架橋して得られる導電性弾性体層が、熱重量測定(TG)によるゴム成分の存在割合が90重量%以上となるような量においてのみ、配合することが可能である。
すなわち、本発明に係る帯電ロールにあっては、その導電性弾性体層が、熱重量測定によるゴム成分の存在割合が90重量%以上の架橋物にて構成されているのであり、従来の導電性弾性体層よりゴム成分の存在割合が高くされていることから、優れた耐ヘタリ性を有しつつ、硬度も低く抑えられているのである。
ここで、本発明における、熱重量測定によるゴム成分の存在割合とは、以下の手法に従って算出されたものである。
先ず、ゴム組成物を過酸化物架橋して得られた導電性弾性体層(若しくは、同一組成のゴム組成物を、導電性弾性体層を形成する際の条件と同一条件にて架橋、成形して得られた架橋物)より試料をサンプリングする。かかる試料を用いて、試料に含まれる抽出分(微量添加剤等の揮発成分)の定量分析を行なう。具体的には、1)試料の重量を測定した後、2)溶媒としてアセトン等を用いてソックスレー抽出法(条件:80℃×16時間)に従い、試料より揮発成分を抽出し、3)抽出後の試料を風乾後、70℃に設定された真空乾燥機内に一晩、載置して乾燥せしめ、4)かかる乾燥後に試料の重量を測定する。揮発成分抽出前の試料の重量と、抽出後の試料の重量より、試料中の揮発成分の存在割合(A[重量%])を算出する。
一方、サンプリングした他の試料について、熱重量測定装置(熱天秤)を用いて、昇温速度:20℃/分にて熱重量測定を行なう。この際、常温から600℃に至るまでは窒素雰囲気下(窒素気流中)において昇温を行ない、600℃から900℃に至るまでは酸化雰囲気下(空気気流中)において昇温を行なう。窒素雰囲気下における重量減少分は、試料に含まれる揮発成分の気化とゴム成分の分解によるものとし、また、酸化雰囲気下における重量減少分はカーボンの酸化分解によるものとし、更に、900℃まで昇温した後に残存している分については灰分とする。かかる測定の後、それぞれの重量減少分から、「揮発成分とゴム成分」、「カーボン分」及び「灰分」の存在割合(重量%)を定量する。そして、熱重量測定により定量された「揮発成分とゴム成分」の存在割合から、別途算出した試料中の揮発成分の存在割合(A[重量%])を減じたものが、ゴム成分の存在割合(重量%)である。
ところで、本発明に従う帯電ロールを作製するに際しては、上述したゴム組成物を用いて、有利には射出成形法(型注入成形法)に従って、軸体(芯金)の周りにゴム組成物層(架橋前の導電性弾性体層)が形成される。具体的には、円筒状の成形キャビティを有する金型内の中心軸上に軸体(芯金)を配置し、その状態にて、金型内へゴム組成物を射出乃至は注入し、軸体(芯金)の周りにゴム組成物層を形成せしめる。そして、かかるゴム組成物層に対して架橋操作を施すことにより、本発明の導電性ロールが得られるのである。このようにして得られた帯電ロールにあっては、その導電性弾性体層の表面性が非常に優れている。なお、射出成形の際の各種条件や、架橋する際の温度条件等は、ゴム組成物の組成等に応じたものが、適宜に選択されることとなる。
なお、そのようにして作製された導電性ロールの表面(導電性弾性体層の外周面)上には、更に必要に応じて、保護層が形成される。この保護層は、ロール表面にトナー等が付着、堆積等することを抑制するために設けられるものであり、例えば、フッ素変性アクリレート樹脂等のフッ素系樹脂を含む樹脂組成物材料や、N−メトキシメチル化ナイロン等のナイロン系材料等に、カーボンブラックや金属酸化物等の導電剤が配合されて、その体積抵抗率が、一般に1×105 〜1×1013Ω・cm程度となるように形成される。なお、このような保護層の作製は、例えばディッピング等の公知のコーティング手法に従って行なわれ、その厚さは、導電性ロールの大きさ(直径、長さ)に応じて適宜に設定されることとなるが、通常、1〜20μm程度とされる。
また、従来の帯電ロールにおいては、導電性弾性体層と上記保護層との間に、帯電ロール全体の電気抵抗を制御して、耐電圧性(耐リーク性)を高めることを目的とする抵抗調整層が設けられるのが一般的であるが、本発明の帯電ロールにあっては、その導電性弾性体層がイオン導電性ゴムをゴム成分とするものであることから、そのような抵抗調整層は一般的に不要となる。
そして、このようにして得られた帯電ロールにあっては、その導電性弾性体層が、優れた耐ヘタリ性を有しつつも硬度が低く抑えられているのである。
以下に、本発明の実施例を幾つか示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記した具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等が加え得るものであることが、理解されるべきである。
先ず、下記表1及び表2に示す配合割合に従い、組成の異なる16種類のゴム組成物(ゴム組成物No.1〜16)を調製した。なお、かかる調製に際して、エピクロルヒドリンゴムとしてはダイソー株式会社製のエピクロマーCG102 (商品名)を、ニトリルゴムとしては日本ゼオン株式会社製のニポール3335(商品名)を、受酸剤たるハイドロタルサイトとしては協和化学工業株式会社製のDHT4A (商品名)を、過酸化物架橋剤としてはジクミルペルオキシド(商品名:パークミルD 、日本油脂株式会社製)を、イオン導電剤としては第4級アンモニウム塩を、それぞれ用いた。また、下記表1において、加硫促進剤Aは三新化学工業株式会社製のサンセラーCZ(商品名)を、加硫促進剤Bは大内新興化学工業株式会社製のノクセラーTRA (商品名)を、加硫促進剤Cは大内新興化学工業株式会社製のノクセラーTT(商品名)を、それぞれ示す。
Figure 0005038233
Figure 0005038233
調製した16種類のゴム組成物を用いて、先ず、以下の各物性を、各々の手法に従って測定した。その測定結果を、下記表3及び表4に材料特性として示す。
−ゴム分率−
各ゴム組成物を架橋(加硫)して得られた架橋物(加硫物)を試料として用いて、かかる試料中のゴム成分の存在割合(ゴム分率)を、先に説明した手法に従って熱重量測定を行ない、算出した。
−圧縮永久歪み−
各ゴム組成物を用いて、160℃で30分間、プレス架橋(加硫)成形を行ない、所定形状を呈する架橋物(加硫物)サンプルを得た。得られたサンプルを用いて、JIS−K−6262に準拠して、圧縮永久歪み(%)を測定した。
−体積抵抗率−
各ゴム組成物を用いて、160℃で30分間、プレス架橋(加硫)成形を行ない、厚さ:2mmのシート状サンプルを得た。得られたシート状サンプルにおける一方の表面上に銀ペーストを塗布することにより、10mm×10mmの大きさの電極を設ける(ガード電極付き)一方、電極を設けた面と反対側の面に対向電極を設け、印加電圧:100Vの条件下における両電極間の抵抗をJIS−K−6911に記載の方法に準じて測定し、体積抵抗率(Ω・cm)を算出した。
次いで、得られた各ゴム組成物を用いて、以下の手法に従って帯電ロールを作製した。
すなわち、所定の円筒状の成形キャビティを有する成形型(金型)を準備し、金型内の中心軸上に軸体(芯金)を配置した後、かかる金型内にゴム組成物を射出した。その後、所定の架橋(加硫)操作を施すことにより、軸体上に導電性弾性体層を形成せしめた。更に、導電性弾性体層の表面に、N−メトキシメチル化ナイロン:100重量部と導電性カーボンブラック:8重量部とからなる保護層形成用の樹脂液をスプレーコーティングした後、乾燥せしめた。このようにして、それぞれのゴム組成物を用いて、芯金(直径:6mm)の周りに導電性弾性体層(厚さ:3mm)を有し、かかる導電性弾性体層の表面に更に保護層(厚さ:10μm)を有する帯電ロールを作製した。
このようにして得られた各ゴム組成物を用いた帯電ロールについて、各種物性を測定し、評価した。かかる物性の評価及び測定は、各々、以下の手法に従って実施し、その評価(測定)結果を、下記表3及び表4にロール評価として併せて示す。
−マイクロゴム硬度−
片持ち梁板ばね式の荷重方式が採用されてなるスプリング式硬さ試験機(マイクロゴム硬度計・MD−1型、高分子計器株式会社製)を用いて、Vブロックにて両端が支持された状態で水平に保持された各導電性ロールの軸方向中央部の表面に、かかるスプリング式硬さ試験機の押針の先端を接触させ、更にかかる試験機を33.85gの荷重で垂直に加圧して、直ちに目盛りを読み取ることにより、測定した。
−ロール抵抗−
図1に示すように、作製した導電性ロールの両端を所定の荷重にて金属ロール(直径:24mm)に押圧した状態で、かかる金属ロールを所定の回転数にて図中の矢印方向に回転させることにより、導電性ロールを連れ回りさせた。かかる状態を保ちながら(金属ロール及び導電性ロールを共に回転させながら)、導電性ロールと金属ロールの端部間に300Vの電圧を印加して、流れる電流値を測定し、電気抵抗値(ロール抵抗:Ω)を求めた。
−ヘタリ量、ヘタリ評価−
作製した帯電ロールを金属ロール(直径:24mm)上に載置し、帯電ロールの両端の軸体(芯金)上にそれぞれ500gの荷重をかけ、その状態を保持したまま、温度:40℃、湿度:95%の雰囲気下に2週間、放置した。その後、かかる雰囲気中より帯電ロールを取り出し、室内にて30分間放置した後、帯電ロール表面に生じた凹み(mm)を測定し、ヘタリ量とした。また、かかる帯電ロールを実機(ヒューレット・パッカード社製、商品名:CNJ3000 )に取り付け、この実機にて所定の画像(テストパターン)を出力した。出力された画像を目視で観察し、帯電ロールの凹み(ヘタリ)に起因する変形スジの有無によってヘタリ評価を行なった。なお、評価基準は、以下の通りである。
○:出力された画像中に変形スジが存在しない。
×:出力された画像中に変形スジが存在する。
−耐久汚れ評価−
作製した帯電ロールを実機(富士ゼロックス株式会社製、商品名:DocuPrint C3530 )に取り付け、かかる実機を用いて、温度:32.5℃×湿度:83%の環境下にて5000枚の印字テスト(印字率:5%)を行なった。その後、実機より帯電ロールを取り出し、その表面におけるトナー又は外添剤の固着状態を目視で観察し、評価した。なお、評価基準は以下の通りである。
○:ロール表面に、トナー及び外添剤の固着がほとんどない。
△:ロール表面に、トナー又は外添剤の固着が僅かに存在する。
×:ロール表面に、画像に著しい影響を与える程のトナー又は外添剤の固着が存在する。
−ブリード評価−
作製した帯電ロールを、温度:50℃×湿度:90%の雰囲気下に2週間放置した後、ロール表面のブリードの有無を目視にて観察した。次いで、帯電ロールを実機(ヒューレット・パッカード社製、商品名:CNJ3000 )に取り付け、この実機にて所定の画像(テストパターン)を出力し、出力された画像を目視にて観察した。そして、画像出力前のロール表面の観察結果及び出力された画像の観察結果に基づいて、ブリード評価を行なった。なお、評価基準は、以下の通りである。
○:ロール表面にブリードが認められず、出力画像中に画像不具合が存在しない。
△:ロール表面にブリードが認められるが、出力画像中に画像不具合は存在しない。
×:ロール表面にブリードが認められ、出力画像中に画像不具合が存在する。
Figure 0005038233
Figure 0005038233
かかる表2の結果からも明らかなように、本発明に従う帯電ロール(導電性弾性体層がゴム組成物No.1〜11を用いて形成された帯電ロール)にあっては、優れた耐ヘタリ性を発揮しつつも硬度が低く、また、イオン導電剤の配合量を変えることにより、要求される導電性を有利に発揮し得るものであることが、確認されたのである。
実施例における帯電ロールの抵抗値(ロール抵抗)の測定方法を、模式的に示す説明図である。

Claims (4)

  1. 軸体の周りに導電性弾性体層を設けてなる帯電ロールにおいて、
    該導電性弾性体層が、イオン導電性ゴムたるエピクロルヒドリンゴム及び/又はニトリルゴムの100重量部に、過酸化物架橋剤の0.7〜1.0重量部を配合してなる、電子導電剤が配合されていないゴム組成物にて形成されており、且つ、熱重量測定による該導電性弾性体層におけるゴム成分の存在割合が90重量%以上であることを特徴とする帯電ロール。
  2. 前記ゴム組成物を構成するイオン導電性ゴムがエピクロルヒドリンゴムであって、かかるエピクロルヒドリンゴムの100重量部に対して、0.5重量部以下のイオン導電剤が更に配合されている請求項1に記載の帯電ロール。
  3. 前記ゴム組成物を構成するイオン導電性ゴムがニトリルゴムであって、かかるニトリルゴムの100重量部に対して、1〜2重量部のイオン導電剤が更に配合されている請求項1に記載の帯電ロール。
  4. 前記導電性弾性体層が、円筒状の成形キャビティを有する金型内の中心軸上に配置された前記軸体の周りに、該金型内に前記ゴム組成物を射出乃至は注入することにより設けられた該ゴム組成物よりなる層を過酸化物架橋して形成されている請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の帯電ロール。
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