JP5036165B2 - リング状品の型焼入れ方法および拘束型装置 - Google Patents

リング状品の型焼入れ方法および拘束型装置 Download PDF

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Description

この発明は、拘束型を用いて軸受軌道輪であるリング状品を焼入れするリング状品の型焼入れ方法および拘束型装置に関する。
軸受の軌道輪等のようなリング状品を焼入れする際、熱変形の防止や真円度の調整のために、図11に示すように、リング状品10を円筒状の拘束型13に入れて冷却することが行われている。詳しくは、リング状品10を焼入れ温度(850℃程度)まで加熱した後、マルテンサイト変態点(230℃)付近の温度までは型拘束しない状態で冷却し、同温度まで低下した時点でリング状品10を拘束型13に入れ、その状態のまま一定温度(110℃程度)まで冷却し、同温度まで冷却したなら拘束型13からリング状品10を取り出し、その後は常温まで自然冷却させる。
このような冷却の仕方をする理由は、図12のグラフによって説明することができる。すなわち、SUJ材等の軸受鋼は、焼入れ温度まで加熱した後、急速冷却した場合、マルテンサイト変態点Msまでは収縮するが、マルテンサイト変態点Ms以下になると膨張するという特徴がある。したがって、マルテンサイト変態点Ms付近でリング状品を型拘束することにより、それ以下に冷却されるのに伴ってリング状品が膨張して拘束型に押し付けられて、拘束型の形状と同一になるよう塑性変形する。このため、熱変形の少ない所定の形状および寸法が得られるのである。
しかし、上記方法で焼入れした場合、リング状品は膨張して拘束型にぴったりと嵌っているため、焼入れ終了後に拘束型からリング状品を分離して取り出すのが容易ではない。実際には、リング状品をパンチで軸方向の打撃を加えて拘束型から取り出すようにしているが、この作業は手間のかかるものである。また、径方向に完全に拘束されているため、型焼入れ時にリング状品に内部歪みが生じ、それが端面部の反り(図11にAで示す)となって現れやすい。
そこで、拘束型として軸方向に長い縦型円筒状のものを用い、この縦型円筒状の拘束型に対して上側から順にリング状品を押し込み、それによって型内のリング状品が下側から順に押し出されるようにし、型内に滞留している間にリング状品が冷却される構成とする提案が特許文献1に記載されている。この構成とすれば、拘束型からリング状品を取り出す作業が不要で、リング状品の焼入れと取り出しを連続して行うことができる。また、径方向の拘束が緩やかであるので、端面部の反りも現れにくい。
また、他の試案として、拘束型の有効径を変更可能とし、型拘束して焼入れした後に拘束型の有効径を広げることにより、リング状品を拘束型から容易に取り出せるようにすることが考えられている。
特開平09−176740号公報
しかし、特許文献1の提案例は、拘束型とリング状品との摩擦力によってリング状品が型内に保持されるようになっているため、大きなリング状品の場合は自重で拘束型から落下してしまう可能性がある。また、拘束型へのリング状品の押し込みと取り出しが連続して行われるため、少量生産のリング状品の製造には不向きである。したがって、この提案例は、大量に生産する比較的小さなリング状品という特殊な条件の場合にだけ適用することができ、リング状品全般の焼入れに適用できるものではない。
一方、前記試案の場合は、拘束型の有効径を変更するための機構を必要とし、また型焼入れ中に拘束型の有効径が変更してしまわないように圧力をかけておく必要があり、この圧力として数10トンないし100トンを超える荷重負荷が必要なため、装置が大型化するとともに、運転コストが高くなることが考えられる。
この発明の目的は、比較的簡単な作業手順および構成でありながら、熱変形が少なく、かつ真円度等につき精度の良い型焼入れを行うことのでき、しかもサイズの異なる複数種のリング状品に適用できるリング状品の型焼入れ方法および拘束型装置を提供することである。
この発明のリング状品の型焼入れ方法は、軸受の軌道輪であるリング状品を焼入れ温度まで加熱する加熱過程と、リング状品の上下両端面における外周縁および内周縁のうちの一方の周縁に、リング状品から軸方向に離れるに従って他方の周縁側に近づくように傾く接触面を有する拘束型を押し当てた状態で冷却する冷却過程とを含み、前記冷却過程では、求めるリング状品の真円度または平坦度に応じて、接触面の傾斜角度が異なる拘束型を用い、この拘束型は前記リング状品に対する前記押し当てを線接触で行うものとし、この拘束型として、前記リング状品の前記上下両端面における前記一方の周縁にそれぞれ押し当てられる上型と下型とを用い、前記上型は、昇降ガイドに沿って昇降自在に設置された上型取付ベースに取付け、これら上型および上型取付ベースの自重により前記リング状品への前記押し当てを行い、この押し当ては、前記リング状品の軸方向および径方向への変形を完全に拘束するのではなく、残留歪みが生じないように若干の変形を許容する程度とすることを特徴とする。
この方法によると、焼入れ温度まで加熱されたリング状品を冷却する際に、リング状品の周縁に上記のように接触面が傾いた拘束型が押し当てられるため、リング状品は、軸方向への伸びおよび径方向への拡張を拘束された状態で冷却されることとなり、両方向への熱変形が抑えられて、真円度および平坦度につき精度良く焼入れが行われる。ただし、両方向への変形を完全に拘束しているのではなく、若干の変形は許容しているため、内部歪み等が生じにくく、端面部の反りも少ない。焼入れ終了後、上下の拘束型を互いに離間させるだけで、拘束型からリング状品を簡単に取り出すことができる。
この型焼入れ方法は、リング状品の周縁を拘束型の接触面により線で拘束するものであるため、拘束型の接触面のいずれかの部分をリング状品の周縁に押し当てることができれば良い。したがって、拘束型の接触面の範囲内であれば、サイズの異なる複数種のリング状品に使用することができる。また、拘束型とリング状品とが線で接触するため、拘束型がリング状品からの熱の影響を受けにくく、拘束型の耐久性が良い。
拘束型をリング状品に押し当てる圧力は、拘束状態を維持できる程度あればよく、さほど大きくする必要がない。このため、拘束型および拘束型を支持する部材の自重を前記圧力として利用することができ、拘束型をリング状品に押し当てる機構を簡略なものとすることができる。
前記冷却過程では、リング状品に対し、拘束型を当接離隔させる動作を複数回繰り返した後、正規にリング状品を拘束しても良い。
前記拘束型は一体のリング状のものとすることができる。拘束型が一体のリング状であると、拘束型の取扱が容易である。
また、前記リング状品は軸受の軌道輪とすることができる。
この発明の拘束型装置は、焼入れ温度まで加熱された軸受の軌道輪であるリング状品を冷却して焼入れする際に、リング状品の上下両端面における外周縁に押し当てられる拘束型装置であって、外周縁に押し当てられる面が、リング状品から軸方向に離れるに従ってリング状品の内周縁側に近づくように傾く傾斜角度を成し、且つ、求めるリング状品の真円度または平坦度に応じて、前記傾斜角度が異なる拘束型を用い、この拘束型は前記リング状品に対する前記押し当てを線接触で行うものとし、この拘束型として、前記リング状品の前記上下両端面における前記外周縁にそれぞれ押し当てる上型と下型とを用い、前記上型は、昇降ガイドに沿って昇降自在に設置された上型取付ベースに取付け、これら上型および上型取付ベースの自重により前記リング状品への前記押し当てを行い、この押し当ては、前記リング状品の軸方向および径方向への変形を完全に拘束するのではなく、残留歪みが生じないように若干の変形を許容する程度とするものである。
この発明の他の拘束型装置は、焼入れ温度まで加熱された軸受の軌道輪であるリング状品を冷却して焼入れする際に、リング状品の上下両端面における内周縁に押し当てられる拘束型装置であって、内周縁に押し当てられる面が、リング状品から軸方向に離れるに従ってリング状品の外周縁側に近づくように傾く傾斜角度を成し、且つ、求めるリング状品の真円度または平坦度に応じて、前記傾斜角度が異なる拘束型を用い、この拘束型は前記リング状品に対する前記押し当てを線接触で行うものとし、この拘束型として、前記リング状品の前記上下両端面における前記内周縁にそれぞれ押し当てる上型と下型とを用い、前記上型は、昇降ガイドに沿って昇降自在に設置された上型取付ベースに取付け、これら上型および上型取付ベースの自重により前記リング状品への前記押し当てを行い、この押し当ては、前記リング状品の軸方向および径方向への変形を完全に拘束するのではなく、残留歪みが生じないように若干の変形を許容する程度とするものである。
この発明のリング状品の型焼入れ方法は、軸受の軌道輪であるリング状品を焼入れ温度まで加熱する加熱過程と、リング状品の上下両端面における外周縁および内周縁のうちの一方の周縁に、リング状品から軸方向に離れるに従って他方の周縁側に近づくように傾く接触面を有する拘束型を押し当てた状態で冷却する冷却過程とを含み、前記冷却過程では、求めるリング状品の真円度または平坦度に応じて、接触面の傾斜角度が異なる拘束型を用い、この拘束型は前記リング状品に対する前記押し当てを線接触で行うものとし、この拘束型として、前記リング状品の前記上下両端面における前記一方の周縁にそれぞれ押し当てられる上型と下型とを用い、前記上型は、昇降ガイドに沿って昇降自在に設置された上型取付ベースに取付け、これら上型および上型取付ベースの自重により前記リング状品への前記押し当てを行い、この押し当ては、前記リング状品の軸方向および径方向への変形を完全に拘束するのではなく、残留歪みが生じないように若干の変形を許容する程度とするものとしたため、比較的簡単な作業手順でありながら、熱変形が少なく、真円度等の精度の良い型焼入れを行うことができ、しかもサイズの異なる複数種のリング状品に適用できる優れた方法となった。
この発明の実施形態を図と共に説明する。このリング状品の型焼入れ装置1は、図1に示すように、加熱部2、一次冷却部3、二次冷却部4、空冷部5、洗浄部6および焼戻し部7よりなる。
加熱部2は、加熱炉を用いてリング状品を所定の焼入れ温度(例えば850℃)まで加熱する。この過程を加熱過程という。
一次冷却部3は、焼入れ温度まで加熱されたリング状品を、型拘束しない状態のまま油中に浸漬して、マルテンサイト変態点付近(例えば270℃)まで一次冷却する。二次冷却部4は、一次冷却されたリング状品を、拘束型に型入れした状態で油中に浸漬して、一定温度(例えば110℃)まで二次冷却する。一次冷却と二次冷却を合わせて冷却過程という。
冷却過程終了後、リング状品は、空冷部5で常温まで自然冷却され、洗浄部6で洗浄され、焼戻し部7で焼戻し処理される。
この型焼入れ装置1の特徴は、二次冷却部4での型焼入れ方法に有る。その型焼入れ方法とは、リング状品の両面における外周縁および内周縁のうちの一方の周縁に、リング状品から軸方向に離れるに従って他方の周縁側に近づくように傾く拘束型を押し当てた状態で冷却するというものである。ここで、「傾く」というのは、リング状品の周縁と接触する接触面のことであり、拘束型全体の形状や拘束型をリング状品に押し当てるために加圧する方向のことではない。
型焼入れ時におけるリング状品および拘束型の状態を図2に示す。図で符合10はリング状品であり、この例では軸受の外輪とされている。このリング状品10の上下両端面の外周縁に、拘束型である上型11および下型12が押し当てられている。上型11および下型12は、いずれも一体のリング状をしている。拘束型11,12のリング状品に対する接触面11a,12aは、リング状品10の外周面10aに対して傾斜していて、拘束型11,12とリング状品10とは線で接触する。前記接触面11a,12aの角度θは、通常は45°とされるが、これに限らない。接触面11a,12aの角度θの違いにより、型焼入れ時の変形防止効果に若干の違いがある。つまり、角度θが大きい場合は、径方向への変形を防止して真円度を高める効果が大きく、角度θが小さい場合は、反りを抑えて平坦度を高める効果が大きいという傾向がある。
図3はリング状品が軸受の内輪である例を示している。この場合、このリング状品10の上下両端面の内周縁に、拘束型である上型11および下型12が押し当てられる。上記同様に、拘束型11,12の接触面11a,12aは、リング状品10の内周面10aに対して傾斜していて、拘束型11,12とリング状品10とは線で接触する。
上記のように拘束型をリング状品に押し当てるために、図4に示す型押し当て機構が用いられる。この型押し当て機構20は、下型取付ベース21に複数本の昇降ガイド22が鉛直方向に立設され、この昇降ガイド22に沿って上型取付ベース23が摺動自在に設けられている。なお、各昇降ガイド22の上端は連結板24により互いに連結されている。上型取付ベース23は、その下面に上型11がボルト等により取付けられるものであって、上型保持手段となっている。また、下型取付ベース21は、その上面に下型12がボルト等により取付けられるものであって、下型保持手段となっている。上型取付ベース23には昇降ロッド26が連結されており、この昇降ロッド26を図示しない昇降駆動源により上下動させることにより、上型取付ベース23を昇降ガイド22に沿って昇降させるようになっている。昇降ガイド22は、上型・下型両保持手段23,21の中心を同心に維持する同心維持手段となっている。
一次冷却部3で一次冷却されたリング状品10が上型11と下型12の間に供給されると、下型12に対して上型11が下降してきて、両拘束型11,12によりリング状品10を拘束する。このとき、上型11の一度の下降動作でリング状品10を拘束するのではなく、上型11は、下降してきてリング状品10に当ると一旦浮上するという動作を数回(例えば3回)繰り返してから、正規にリング状品10を拘束する。このような動作を行うことにより、リング状品10が供給された段階では拘束型11,12とリング状品10との間に位置関係のわずかなズレがあった場合でも、そのズレを無くして拘束型11,12とリング状品10とが緊密に接触する状態、いわゆる馴染んだ状態とすることができる。
拘束型11,12に拘束されたリング状品10は、上型11および上型取付ベース23の自重で拘束型11,12をリング状品10の上下の外周縁に押し当てる状態で油中に浸漬され、260℃程度から110℃程度にまで冷却される。
上記方法で型焼入れを行うと、リング状品10の周縁に、リング状品10から軸方向に離れるに従って他方の周縁側に近づくように傾く拘束型11,12が押し当てられるため、リング状品10は、軸方向への伸びおよび径方向への拡張を拘束された状態で冷却されることとなり、両方向への熱変形が抑えられて、真円度および平坦度につき精度良く焼入れが行われる。ただし、両方向への変形を完全に拘束しているのではなく、若干の変形は許容しているため、残留歪み等が生じない。焼入れ終了後、上型11を上昇させて上下両型11,12を互いに離間させるだけで、拘束型11,12からリング状品10を簡単に取り出すことができる。
この型焼入れ方法は、リング状品10の周縁を拘束型11,12の接触面により線で拘束するものであるため、拘束型11,12の接触面11a,12aのいずれかの部分をリング状品の周縁に押し当てることができれば良い。したがって、拘束型11,12の接触面11a,12aの範囲内であれば、サイズの異なる複数種のリング状品に使用することができる。また、拘束型11,12とリング状品10とが線で接触するため、拘束型11,12がリング状品10からの熱の影響を受けにくく、拘束型11,12の耐久性が良い。
拘束型11,12をリング状品10の上下の外周縁に押し当てる圧力は、拘束状態を維持できる程度あればよく、さほど大きな圧力は必要としない。このため、上型11および上型取付ベース23の自重を上記圧力として利用することができ、機構が簡略なものとなっている。
この型焼入れ方法による変形量を確かめるためにテストを行った。テストピースは、図5に示す形状および寸法の軸受外輪を使用した。このテストピースを、840℃から230℃前後まで型拘束しない状態で一次冷却し、その後、型拘束して100℃前後まで二次冷却した。そして、一次冷却後および二次冷却後の外径を測定した。外径の測定位置は、両面の周縁付近(図5の丸1と丸3)とし、両者の平均値を算出した。そのテスト結果を表示したのが表1、表2で、表1は変形量を表し、表2は型焼入れ後の研削加工における取り代を表している。また、表1のテスト結果をグラフ化したのが図6である。
Figure 0005036165
Figure 0005036165
このテスト結果から、次のことが分かった。
(1)一次冷却後の変形量の平均が0.7mmであったものが、型焼入れを行うことにより0.2mm以下に修正できた。
(2)荷重を31kgから20kgに変更しても、変形量の大きさに差がなかった。
また、拘束型の接触面角度θの違いによる変形防止効果の違い効果を確かめるためにテストを行った。テストピースは、図7に示す形状および寸法の軸受外輪を使用した。拘束型としてθ=45°のもの、θ=55°のもの、θ=65°のものの3種類を用意し、それぞれの拘束型について、テストピースを、840℃から230℃まで型拘束しない状態で一次冷却し、その後拘束型に110℃まで二次冷却した。その際、一次冷却については、図8に示すように、テストピースであるリング状品の外径側および内径側から冷却油を噴射して冷却を行い、二次冷却については、図9に示すように、拘束型11,12の外周側およびリング状品10の中空部に下方から冷却油を噴射して冷却を行った。そして、二次冷却後のテストピースの外径について、肉厚が大きい側の周縁付近(図7の丸1)と肉厚が小さい側の周縁付近(図7の丸2)の2箇所を測定した。比較のため、型拘束せずにフリーに焼入れしたものについても、同様に測定した。そのテスト結果を表示したのが表3である。
Figure 0005036165
このテスト結果より次のことが分かった。
(1)変形量は、θ=45°の拘束型における肉厚が小さい側の周縁付近が最小で、修正効果が大きい。θ=55°、θ=65°の拘束型は、θ=45°の拘束型に比べ、修正効果がやや劣る。
(2)平均外径不同量は、フリー焼入れより拘束焼入れの方が大きいが、その差は0.1mm以下であり、大差はない。ここで、平均外径不同量とは、テストピース外径における最小径と最大径の差のことである。
この実施の形態では、リング状の拘束型を用いて、リング状品と拘束型とが連続する1本の線で接するようになっているが、図10に示すように、リング状品との接触部が複数の線または点になった拘束型を用いてもよい。
また、この実施の形態では、一次冷却および二次冷却において、リング状品を油中に浸漬して冷却するようにしたが、図9に示すように、リング状品10の外径側および内径側から、リング状品10に向けて冷却油を噴射して冷却するようにしてもよい。また、外径側および内径側のいずれかだけから冷却油を噴射してもよい。
この発明の型焼入れ装置の構成を示す図である。 拘束型でリング状品の外周縁を拘束した状態を示す断面図である。 拘束型でリング状品の内周縁を拘束した状態を示す断面図である。 型押し当て機構を示す図である。 テストピースの形状および寸法を示す図である。 テスト結果を示すグラフである。 異なるテストピースの形状および寸法を示す図である。 一次冷却の冷却方法を示す図である。 二次冷却の冷却方法を示す図である。 異なる拘束型の平面図である。 従来の型焼入れ方法を示す断面図である。 焼入れ時の温度と製品長さとの関係を示すグラフである。
符号の説明
1…型焼入れ装置
2…加熱部
3…一次冷却部
4…二次冷却部
5…空冷部
6…洗浄部
7…焼戻し部
10…リング状品
11…上型(拘束型)
12…下型(拘束型)
20…型押し当て機構
21…下型取付ベース(下型保持手段)
22…昇降ガイド(同心維持手段)
23…上型取付ベース(上型保持手段)

Claims (5)

  1. 軸受の軌道輪であるリング状品を焼入れ温度まで加熱する加熱過程と、リング状品の上下両端面における外周縁および内周縁のうちの一方の周縁に、リング状品から軸方向に離れるに従って他方の周縁側に近づくように傾く接触面を有する拘束型を押し当てた状態で冷却する冷却過程とを含み、前記冷却過程では、求めるリング状品の真円度または平坦度に応じて、接触面の傾斜角度が異なる拘束型を用い、この拘束型は前記リング状品に対する前記押し当てを線接触で行うものとし、この拘束型として、前記リング状品の前記上下両端面における前記一方の周縁にそれぞれ押し当てられる上型と下型とを用い、前記上型は、昇降ガイドに沿って昇降自在に設置された上型取付ベースに取付け、これら上型および上型取付ベースの自重により前記リング状品への前記押し当てを行い、この押し当ては、前記リング状品の軸方向および径方向への変形を完全に拘束するのではなく、残留歪みが生じないように若干の変形を許容する程度とするリング状品の型焼入れ方法。
  2. 請求項1において、前記冷却過程では、リング状品に対し、拘束型を当接離隔させる動作を複数回繰り返した後、正規にリング状品を拘束するリング状品の型焼入れ方法。
  3. 請求項1または請求項2において、前記拘束型は一体のリング状のものとしたリング状品の型焼入れ方法。
  4. 焼入れ温度まで加熱された軸受の軌道輪であるリング状品を冷却して焼入れする際に、リング状品の上下両端面における外周縁に押し当てられる拘束型装置であって、外周縁に押し当てられる面が、リング状品から軸方向に離れるに従ってリング状品の内周縁側に近づくように傾く傾斜角度を成し、且つ、求めるリング状品の真円度または平坦度に応じて、前記傾斜角度が異なる拘束型を用い、この拘束型は前記リング状品に対する前記押し当てを線接触で行うものとし、この拘束型として、前記リング状品の前記上下両端面における前記外周縁にそれぞれ押し当てる上型と下型とを用い、前記上型は、昇降ガイドに沿って昇降自在に設置された上型取付ベースに取付け、これら上型および上型取付ベースの自重により前記リング状品への前記押し当てを行い、この押し当ては、前記リング状品の軸方向および径方向への変形を完全に拘束するのではなく、残留歪みが生じないように若干の変形を許容する程度とする拘束型装置。
  5. 焼入れ温度まで加熱された軸受の軌道輪であるリング状品を冷却して焼入れする際に、リング状品の上下両端面における内周縁に押し当てられる拘束型装置であって、内周縁に押し当てられる面が、リング状品から軸方向に離れるに従ってリング状品の外周縁側に近づくように傾く傾斜角度を成し、且つ、求めるリング状品の真円度または平坦度に応じて、前記傾斜角度が異なる拘束型を用い、この拘束型は前記リング状品に対する前記押し当てを線接触で行うものとし、この拘束型として、前記リング状品の前記上下両端面における前記内周縁にそれぞれ押し当てる上型と下型とを用い、前記上型は、昇降ガイドに沿って昇降自在に設置された上型取付ベースに取付け、これら上型および上型取付ベースの自重により前記リング状品への前記押し当てを行い、この押し当ては、前記リング状品の軸方向および径方向への変形を完全に拘束するのではなく、残留歪みが生じないように若干の変形を許容する程度とする拘束型装置。
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