JP5034299B2 - 表示方法、表示媒体、及び表示素子 - Google Patents

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Description

本発明は、表示方法、この表示方法を用いた表示媒体及び表示素子に関し、特に電子ペーパー等への利用に好適な表示方法、この表示方法を用いた表示媒体及び表示素子に関するものである。
近年、森林資源保護等の地球環境保全や、省スペース等の理由から、紙に替わるハードコピー技術としてはリライダブルマーキング技術への期待が大きい。リライダブルマーキング技術としては、各種電子ペーパーやフレキシブルディスプレイの表示技術として、液晶を利用したものや、有機エレクトロルミネッセンス(所謂、有機EL)等の先端技術を駆使したものの他に、粒子を電場あるいは磁場によって移動させることで画像を表示させる簡易的な方法も各種提案されている。上記に挙げた以外にも、リライダブルマーキング技術には様々な種類があり、それぞれが異なる表示原理に基づいて動作するものである。そのうちの一つとして、金属の析出、溶解により表示を行う電解析出型の電子ペーパーの技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような電解析出型の電子ペーパーは、その他の種類のリライダブルマーキング技術に比べて優れていると言われ、その理由は、表示画像のコントラストの高さにある。この電解析出型の電子ペーパーには、金属として金や銀のナノ粒子が多く用いられている。この金や銀のナノ粒子は、局在プラズモン共鳴の効果により、その粒径の違いによって異なる色を発することから、粒径を調整することにより所定の色を表示することが可能となる。このような金や銀のナノ粒子を電解析出型の電子ペーパーに用いる技術として、例えば、非特許文献1では、印加電圧を調整することにより析出される銀の粒径をナノオーダーで制御している。
特開平11−101994号公報 G.Sandmann et al.:"Preparation of silver nanoparticles on ITO surfaces by a double−pulse method",J.Electroanal.Chem.491(2000)pp.7 8−86
しかし、上記従来技術では、略一定の電圧を印加することにより粒子を析出させていることから、析出した粒子の粒径にばらつきがあり、表示濃度、色再現性、及び解像度に劣るという懸念があった。また、上記技術では、画像表示時に一定の電圧を印加することによって粒子を析出させて、画像非表示時には、画像表示時とは異なる電圧値の一定の電圧を印加することにより析出させた粒子を溶解させているため、画像表示と非表示のための電圧印加が繰り返されるほど、溶解時に全ての粒子が溶解されない事などにより、粒度分布が広がり、均一な表示濃度及び高解像度を得ることが困難となる懸念があった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、電解析出方式を用いた表示方法、表示媒体、及び表示素子において、均一な表示濃度及び高解像度を実現可能な表示方法、表示媒体、及び表示素子を提供することを目的とする。
上記課題は以下の本発明により達成される。すなわち、本発明は、
<1> 金属イオンを含む電解液からなる電解液層に少なくとも第1の電圧波形で変化する電圧を印加することにより、前記電解液層中の前記金属イオンを金属微粒子として析出させる析出工程を有する表示方法であって、前記第1の電圧波形は、前記金属イオンが還元されて析出される析出電位と、前記金属微粒子が溶解される溶解電位と、の間で周期的に変化し、且つ前記析出電位が継続される時間T1と前記溶解電位が継続される時間T2との関係が、下記式(1)の関係を満たすことを特徴とする表示方法である。
Figure 0005034299
<2> 前記第1の電圧波形は、高電位部分と低電位部分とに平坦部を有することを特徴とする上記<1>に記載の表示方法である。
<3> 前記第1の電圧波形は、矩形状であることを特徴とする上記<1>に記載の表示方法である。
<4> 前記第1の電圧波形は、電位が連続的に変化するサイン波状であることを特徴とする上記<1>に記載の表示方法である。
<5> 前記第1の電圧波形の周波数は、100Hz〜10kHzである上記<1>〜<4>の何れか1つに記載の表示方法である。
<6> 前記電解液層に前記溶解電位を前記時間T2より長時間継続する第2の電圧波形で変化する電圧が印加されることにより、析出した前記金属微粒子の略全てが前記電解液中に溶解される溶解工程を有することを特徴とする上記<1>〜<5>の何れか1つに記載の表示方法である。
<7> 前記金属微粒子がプラズモン発色することを特徴とする上記<1>〜<6>の何れか1つに記載の表示方法である。
<8> 金属イオンを含む電解液からなる電解液層を少なくとも備え、前記電解液層に少なくとも第1の電圧波形で変化する電圧が印加されることにより、前記電解液層中の前記金属イオンが金属微粒子として析出されて画像を表示する表示媒体であって、前記第1の電圧波形は、前記金属イオンが還元されて析出される析出電位と、前記金属微粒子が溶解される溶解電位と、の間で周期的に変化し、且つ前記析出電位が継続される時間T1と前記溶解電位が継続される時間T2との関係が、下記式(1)の関係を満たすことを特徴とする表示媒体である。
Figure 0005034299
<9> 前記第1の電圧波形は、高電位部分と低電位部分とに平坦部を有することを特徴とする上記<8>に記載の表示媒体である。
<10> 前記第1の電圧波形は、矩形状であることを特徴とする上記<8>に記載の表示媒体である。
<11> 前記第1の電圧波形は、電位が連続的に変化するサイン波状であることを特徴とする上記<8>に記載の表示媒体である。
<12> 前記第1の電圧波形の周波数は、100Hz〜10kHzである上記<8>〜<11>の何れか1つに記載の表示媒体である。
<13> 前記電解液層に前記溶解電位を前記時間T2より長時間継続する第2の電圧波形で変化する電圧が印加されることにより、析出された前記金属微粒子の略全てが前記電解液中に溶解されることを特徴とする上記<8>〜<12>の何れか1つに記載の表示媒体である。
<14> 少なくとも一方が透光性を有し、且つ前記電解液層を介して対向配置された一対の基板を更に備えた上記<8>〜<13>の何れか1つに記載の表示媒体である。
<15> 前記金属微粒子がプラズモン発色することを特徴とする上記<8>〜<14>の何れか1つに記載の表示媒体である。
<16>金属イオンを含む電解液からなる電解液層と、第1の電圧波形で変化する電圧を前記電解液層に印加する電圧印加手段と、を備え、前記第1の電圧波形は、前記金属イオンが還元されて析出される析出電位と、前記金属微粒子が溶解される溶解電位と、の間で周期的に変化し、且つ前記析出電位が継続される時間T1と前記溶解電位が継続される時間T2との関係が、下記式(1)の関係を満たすことを特徴とする表示素子である。
Figure 0005034299
<17> 前記第1の電圧波形は、高電位部分と低電位部分とに平坦部を有することを特徴とする上記<16>に記載の表示素子である。
<18> 前記第1の電圧波形は、矩形状であることを特徴とする上記<16>に記載の表示素子である。
<19> 前記第1の電圧波形は、電位が連続的に変化するサイン波状であることを特徴とする上記<16>に記載の表示素子である。
<20> 前記第1の電圧波形の周波数は、100Hz〜10kHzである上記<16>〜<19>の何れか1つに記載の表示素子である。
<21> 前記電圧印加手段は第2の電圧波形で変化する電圧を前記電解液層に印加し、前記第2の電圧波形は、前記溶解電位を前記時間T2より長時間継続することを特徴とする上記<16>〜<20>の何れか1つに記載の表示素子である。
<22> 少なくとも一方が透光性を有し、且つ前記電解液層を介して対向配置された一対の基板を更に備えた上記<16>〜<21>の何れか1つに記載の表示素子である。
<23> 前記電解液中から析出した前記金属微粒子がプラズモン発色することを特徴とする上記<16>〜<22>の何れか1つに記載の表示素子である。
以上説明したように本発明の表示方法、表示媒体、及び表示素子によれば、均一な表示濃度及び高解像度を実現可能な表示方法、表示媒体、及び表示素子を提供することができる。
以下、本発明の表示素子及び表示媒体の構成について、図1を用いて説明する。
図1(A)に示すように、本発明の表示素子10は、電解液層34を含んで構成される表示媒体12と、電解液層34に電圧を印加するための電圧印加部14と、電解液層34内に印加する電圧値を調整するために電圧印加部14を制御するための制御部15と、を含んで構成されている。
なお、表示素子10が本発明の表示素子に相当し、表示媒体12が本発明の表示媒体に相当し、電解液層34が本発明の表示素子及び表示媒体の電解液層に相当する。
表示媒体12は、背面基板16、該背面基板16に間隙をもって対向して設けられた表示基板20、複数の間隙部材26、電解液層34、第2の電極22、及び第1の電極24を含んで構成されている。
なお、背面基板16及び表示基板20を、電気伝導性を有する材料により構成する場合には、表示基板20及び背面基板16の各々が、第2の電極22及び第1の電極24として機能するため、第2の電極22及び第1の電極24を設けない構成も可能である。
表示媒体12は、背面基板16に、第2の電極22、電解液層34、第1の電極24、及び表示基板20を順に積層して構成されている。
間隙部材26は、背面基板16と表示基板20との間隙を所定間隔となるように保持すると共に、電解液層34の電解液が表示媒体12の外部に流れ出すことを抑制するための部材であって、背面基板16と表示基板20との間に複数設けられている。
電解液層34は、背面基板16に積層された第2の電極22、間隙部材26、及び表示基板20に積層された第1の電極24によって囲まれることによって形成された各領域(以下、適宜、区画と称する)の総称であり、電解液32によって構成され、色を表示する機能を発揮する層である。
すなわち、間隙部材26によって、背面基板16と表示基板20との間の領域が、複数の区画に区切られることにより、電解液層34(詳細後述)は、複数の領域に分割される。
第2の電極22及び第1の電極24には、第2の電極22及び第1の電極24に電圧を印加することにより、電解液層34内に電界を形成するための電圧印加部14が信号授受可能に接続されている。なお、上記第2の電極22、第1の電極24、電圧印加部14、及び制御部15は、本発明の表示素子10の電圧印加手段に相当する。
表示基板20及び背面基板16の内の少なくとも表示基板20は、透明基板によって構成されている。
表示基板20及び背面基板16としては、その表面に金属微粒子が析出されることから、電解液や刺激の付与によって劣化したり腐食したりせず、また電解液から析出した金属微粒子が再度溶解するまでの間、金属微粒子を安定的に同じ位置に保持できるものであれば特に限定されない。
透明基板としては、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、)、ポリイミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォン、シリコーン樹脂、ポリアセタール樹脂、フッ素樹脂、セルロース誘導体、ポリオレフィンなどの高分子のフィルムや板状基板、ガラス基板、金属基板、セラミック基板等の無機基板などが好ましく用いられる。なお、透明基板としては、少なくとも50%以上の光透過率(可視光)を有することが好ましい。
間隙部材26の材料としては、特に限定されず、公知の樹脂材料を用いることができるが、製造上の観点から、感光性樹脂を用いることが好ましい。
間隙部材26の幅(表示媒体12の積層方向に直交する方向の長さ)は、特に限定されるものではないが、一般的には幅が小さい方が表示素子10の解像度の観点より有効であり、通常、1μm〜1mm程度であることが好ましい。
間隙部材26の高さ、すなわち、電解液層34の層厚は、製造される表示媒体12のサイズや重さ、発色性等により、適宜決定されるが、1μm〜200μm、好ましくは、3μmから100μmが好ましい。
なお、この間隙部材26は、粒子状であってもよい。粒度分布は、狭いことが好ましく、単分散であることが、より好ましい。色は、淡色、より好ましくは、白色が良い。材質は、上記、ポリマー微粒子、もしくは、二酸化珪素、酸化チタンが好ましい。これらの粒子表面は、溶媒への分散性、溶媒からの保護の目的で、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤等の表面処理剤で、処理されることが、好ましい。
上記部材及び各層は、図示を省略する接着層を介して接着されている。接着層の材料としては、特に限定されず、熱硬化性樹脂、紫外光硬化性樹脂等を使用することができるが、間隙部材26の材料や、電解液層34に含まれる電解液32等の表示媒体12を構成する各部材の材料に影響を与えない材料が選択される。
第2の電極22及び第1の電極24の内の少なくとも表示媒体12の視認方向X側に設けられた第1の電極24は、少なくとも50%以上の光透過率(可視光)を有する透明電極が用いられる。
具体的には、酸化錫−酸化インジウム(ITO)、酸化錫、酸化亜鉛などに代表される金属酸化物層が好ましく用いられる。また、電極は、これらの材料を単独で用いて形成されていてもよいし、複数種の材料を積層したものであってもよい。
なお、第2の電極22及び第1の電極24の厚みや大きさは、表示媒体12によって様々なものが利用でき、特に限定されるものではない。
なお、表示素子10の高解像度を実現するために、表示媒体12では、電解液層34が、背面基板16の基板面に沿った方向に複数区画に区切られるように、間隙部材26によって背面基板16と表示基板20との間を複数の区画に区切ることによって、複数の区画が背面基板16の板面に沿った方向に配列された構成としてもよい。
この区画を、例えば、表示媒体12に画像を表示したときの、該画像の各画素に対応して1または複数区画設けるようにすれば、各画素に対応する領域毎に表示色を調整することが可能となり好ましいが、画素や特定の領域に対応していなくてもよい。
また、このように間隙部材26によって表示媒体12の電解液層34を複数領域に区切ることによって、表示媒体12の一部の領域が破損した場合であっても、表示媒体12全体の機能が損なわれることを抑制することが可能となる。
また、本発明の表示媒体12は、可撓性を有していることが好ましい。この場合、本発明の表示媒体12を、電子ペーパーや携帯型電子機器等の可撓性が求められる用途に利用することが容易となる。なお、このような用途に用いる場合には、表示基板20、背面基板16、間隙部材26、第1の電極24、及び第2の電極22として、可撓性を有する材料を用いることが好ましい。
次に、電解液層34について説明する。
電解液層34は、電解液32によって構成され、電解液32中には、金属イオン30が溶解されている。電解液層34は、この金属イオン30を含む電解液32によって構成され、表示素子10及び表示媒体12として使用する場合には、種々の色を表示する機能を発揮する。
金属イオン30は、析出電位の電圧が電解液層34に印加されることにより還元されて金属微粒子として析出する。析出された金属微粒子は、プラズモン発色を呈し、溶解電位の電圧が印加されることにより酸化されて金属イオン30となり電解液32中に溶解される。
この析出電位は、電解液32中に溶解されている金属イオン30を還元させて金属微粒子として析出させうる電位であり、溶解電位は、析出された金属微粒子の少なくとも1部を還元させて金属イオン30として溶解させうる電位である。
具体的には、図2に示すように、析出電位と溶解電位との閾値、すなわち金属イオン30が還元される閾値としての還元電位以上の電圧が印加されると、電解液32中の金属イオン30の還元反応により金属微粒子が析出する。また、この還元電位未満の電圧が印加されると、酸化反応により析出された金属微粒子が酸化して金属イオン30となり電解液32中に溶解する。
ここで、上記「還元電位以上」とは、金属微粒子の酸化反応に対して金属イオン30の還元反応が優位となるような電位であることを示している。同様に、上記「還元電位未満」とは、金属イオン30の還元反応に対して、金属微粒子の酸化反応が優位となるような電位であることを示している。
析出した金属微粒子は、上述のようにプラズモン発色を呈する。
上記「プラズモン発色を呈する」とは、析出した上記金属微粒子が、可視光領域にプラズモン吸収波長を有し、このプラズモン吸収波長に応じた色(発色性)を呈することを示している。この「可視光領域にプラズモン吸収波長を有する」とは、可視光の波長域において、金属微粒子の表面プラズモン共鳴による光吸収ピークを有することを意味する。
このようなプラズモン吸収による発色は、体積平均粒径が数nm〜数十nm程度の所謂ナノ粒子において見られ、彩度や光線透過率が高く、耐久性等に優れている。本発明の表示素子及び表示媒体は、このプラズモン吸収による発色を利用した表示を行うことで、彩度、耐久性、及び光線透過率に優れた表示素子及び表示媒体を提供することができる。
本発明の電解液32中に含有される金属イオンとしては、金属微粒子として析出したときに可視光領域の光の波長である400nm〜800nmにおいて、金属粒子の表面プラズモン共鳴による光吸収ピークを有するという観点から、例えば、金、銀、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、ニッケル、鉄、コバルト、亜鉛、鉛、クロム、スズ等の金属のイオンが挙げられる。これらの中でも、
金属粒子の形状の違いによる吸収波長の変化が大きいという観点から、金、銀等が好適に用いられる。
析出される金属微粒子の平均粒子径としては、効率よくプラズモン共鳴するという理由から、1〜100nmであることが好ましく、2〜50nmであることが特に好ましい。100nm以上になると、プラズモン共鳴が起こらない場合が起こり得る。1〜100nmの範囲にある金属微粒子は、実用的で色の強さが良好な点で有意である。特に、2〜50nmの範囲にあると色の強さをより向上させることができる。そのため、視野角依存性をより低くし、コントラストをより向上させることができる。
なお、平均粒子径の測定方法としては、粒子群にレーザ光を照射し、そこから発せられる回折、散乱光の強度分布パターンから平均粒径を測定する、レーザ回折散乱法や、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した粒子の写真から、画像解析あるいは、直接計測する方法等がある。本発明における平均粒子径の測定方法としては、上記記載のSEM写真から直接計測する方法を採用する。
電解液層34を構成する成分の全質量に対する、該電解液層34に含まれる金属イオン30の濃度としては、所望の色相が得られる濃度であれば特に限定されるものではないが、電解液32の安定性、発色濃度の確保、刺激を付与してから画像が表示されるまでの応答速度等の観点から0.0001〜5mol/lの範囲内であることが好ましい。
電解液32中に含まれる金属イオン30は、上記金属を含む金属化合物を原料とすることにより得ることができる。金属化合物としては、上記金属を含むものであれば特に限定されず、例えば、塩化金酸、硝酸銀、酢酸銀、過塩素酸銀、ヨウ化銀、塩化白金酸、塩化白金酸カリウム、塩化銅(II)、酢酸銅(II)、硫酸銅(II)等を挙げることができる。
これらの金属化合物を電解液32に溶解させることにより、電解液層34中に上記金属の金属イオン30を含有させることができる。
電解液層34を構成する電解液32は、上記金属イオン30と、金属イオン30を溶解させるための溶媒と、を少なくとも含んで構成されていれば特に限定されるものではないが、必要に応じて種種の材料を用いることができる。
上記溶媒としては水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール、その他の非水溶媒(有機溶媒等)などを1種類または2種類以上を組み合わせて利用することができる。
上記非水溶媒としては、たとえば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸エチル、ジメチルスルホキシド、γ―ブチロラクトン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、プロピオニトリル、メチルピロリドン等、シリコーンオイル等の非プロトン性非水溶媒を上げることができる。
電解液32には、添加剤として、水溶性樹脂、界面活性剤、金属微粒子として析出する金属イオン以外の電解物質、ポリマー微粒子、金属酸化物微粒子等を適宜含有させることができる。すなわち、上記溶媒としては、上記金属を溶解するとともに、電解物質、ポリマー、及び界面活性剤を溶解または分散させることが可能なものが選択される。
上記水溶性樹脂としては、ポリエチレンオキサイド等のポリアルキレンオキサイド、ポリエチレンイミン等のポリアルキレンイミン、ポリエチレンスルフィド、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、等のポリマーを単独、あるいは複数組み合わせて使用することができる。
水溶性樹脂を、電解液中に溶解または分散させることにより、電解液層中の金属イオンの移動速度の制御、及び析出した金属微粒子の安定化を図ることができる。水溶性樹脂の電解液への添加量は、金属イオンの種類や、その他の添加量との関係から適宜調整すればよい。
上記界面活性剤としては、カチオン型界面活性剤(アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩等)、ノニオン型界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド等)、アニオン型界面活性剤(アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォン酸塩、アルキルスルフホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸塩、脂肪酸塩、ポリカルボン酸型高分子界面活性剤、芳香族スルフォン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩、β-ナフタレンスルフォン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩等)、及び両性界面活性剤、等をから選択することができる。
界面活性剤を電解液中に溶解又は分散させることによって、析出した金属微粒子の安定化、及び析出する金属微粒子の体積平均一次粒径の制御を行うことができる。具体的には、界面活性剤の添加量が多くなるほど、析出させる金属微粒子の体積平均一次粒径を小さくすることが可能となる。
なお、電解液32中には、金属イオンのカウンターイオンを含むことが好ましい。
このカウンターイオンとしては、電解液層34に上記析出電圧が印加されない限り、電解液32中で金属イオン30がイオン状態で安定に存在できるものであれば特に限定されないが、例えば、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ブロムイオン、ヨウ素イオン、過塩素酸イオン、ホウフッ化イオン等を挙げることができる。
なお、電解液32はゲル状であってもよい。電解液32をゲル状とすることにより、表示媒体12の一部が破損したような場合でも、電解液32が表示媒体12外へ流失したり漏れたりすることを防ぐことが容易になる。なお、電解液32をゲル状とするには、水溶性樹脂などを利用することができる。
制御部15は、第1の電圧波形で変化する電圧を電解液層34に印加するように、電圧印加部14を制御する。
この第1の電圧波形とは、図2に示すように、析出電位と溶解電位との間で周期的に変化し、且つ析出電位が継続される時間T1と溶解電位が継続される時間T2との関係が、下記式(1)の関係を満たす電圧波形である。
Figure 0005034299
なお、上記式(1)中のT1×100/(T1+T2)の値は、上記式(1)に示されるように、50より大きく100未満であることが必須であるが、より好ましくは、55以上95以下の範囲内であり、特に好ましくは、60以上90以下の範囲内である。
上記式(1)中のT1×100/(T1+T2)の値が100%であると、溶解電位が第1の電圧波形に含まれず、本発明の効果を得ることが困難となるという問題があり、50%以下であると、溶解電位の継続電圧印加時間T2が析出電位の継続電圧印加時間T1より長くなることから、析出より溶解の方が優位となり、第1の電圧波形で変化する電圧の印加による金属微粒子の析出が生じず、好ましくない。
上記第1の電圧波形で変化する電圧が電解液層34に印加されると、析出電位の電圧の印加が継続される間(時間T1)においては、電解液32中に溶解されている金属イオン30の還元反応が進行し、金属イオン30が還元されて金属微粒子として析出される。さらに、溶解電位の電圧印加が継続される間(時間T2)においては、析出した金属微粒子の酸化反応が進行し、酸化反応により析出された金属微粒子の内の小径のものは金属イオン30として電解液32中に溶解され、粒子としては存在しなくなり、大きな粒径のものは、その粒径が小さくなる。
このため、第1の電圧波形で変化する電圧が電解液層34に印加されると、金属微粒子の析出と、金属微粒子の溶解とが周期的に生じ、且つ析出電位の電圧印加が継続される時間T1は溶解電位の電圧印加が継続される時間T2より長いことから、粒子径のばらつきが抑制された金属微粒子の析出を実現することができる。
このため、従来のように析出電位の電圧を所定時間以上継続して電解液層34に印加する場合に比べて、析出される金属微粒子の粒子径のばらつきを抑制することが可能となる。
なお、図2に示す例では、第1の電圧波形40は、矩形波である場合を説明するが、上記条件(析出電位と溶解電位との間で周期的に変化し、且つ析出電位が継続される時間T1と溶解電位が継続される時間T2との関係が、上記式(1)の関係を満たす)を満たす電圧波形であればどのような波形であってもよく、高電位部分と低電位部分とに平坦部を有する波形、矩形状、電位が連続的に変化するサイン波状、及び三角波状等の何れの形状の波形であってもよい。
この第1の電圧波形の周波数は、金属イオンの拡散速度および、酸化還元の反応速度の観点から、10Hz〜100MHzであることが好ましく、50Hz〜10MHzであることがさらに好ましく、100Hz〜1MHzであることが特に好ましい。
第1の電圧波形の周波数が10Hz未満であると、拡散速度、反応速度の方が速いため、ほぼ全金属イオンの析出、溶解の繰り返しになってしまうと言う問題があり、100MHzより大きいと、拡散速度より電圧の切り替え速度の方が速いため、金属イオンが電圧に追従しないので析出しないという問題がある。
なお、この第1の電圧波形40を規定するための還元電位、第1の電圧波形40の形状(サイン波、矩形波等)、及び周波数は、電解液32の種類、第2の電極22及び第1の電極24の種類、間隙部材26の厚み(即ち、第2の電極22と第1の電極24との間の距離)、金属イオン30の種類等によって定まる。
具体的には、還元電位は、電解液32に溶解されている金属イオン30の種類、金属イオン30の溶媒の種類や、濃度、その他の添加物の種類、濃度等の条件により定まる。
また、第1の電圧波形40の形状(サイン波、矩形波等)や、還元電位からの振幅幅は、電解液中に含まれる金属イオン以外の物質が可能な限り還元、酸化されないという条件によって定まる。
また、この第1の電圧波形で変化する電圧の印加時間は、電極表面上に目的の色、濃度で表示されるまで印加すればよい。ただし、その印加時間は、電解液32の種類、第2の電極22及び第1の電極24の種類、間隙部材26の厚み(即ち、第2の電極22と第1の電極24との間の距離)、金属イオン30の種類等によって異なる。
制御部15は、さらに、第2の電圧波形で変化する電圧を電解液層34に印加するように、電圧印加部14を制御する。この第2の電圧波形とは、上記溶解電位の電圧もしくは、それ以上(溶解が進む方に)の電圧を、上記時間T2より長時間継続する波形である。第2の電圧波形で変化する電圧が電解液層34に印加されると、上記第1の電圧波形で変化する電圧の印加によって析出された金属微粒子の略全てが酸化されて電解液32中に溶解する。
この第2の電圧波形における溶解電位の電圧の継続印加時間は、上記時間T2より長く、且つ第1の電圧波形で変化する電圧の印加によって析出された金属微粒子の略全てが酸化されて電解液32中に溶解しうる時間であればよく、電解液層34中の金属微粒子の種類、溶媒の種類および、印加する電圧の大きさ等によって適宜定められる。例えば、上記第1の電圧波形で変化する電圧の印加によって析出された全ての金属微粒子を溶解可能な時間を予め測定し、第2の電圧波形における溶解電位の継続印加時間として定めるようにすればよい。
次に、図1に示す本発明における表示素子10における表示方法の一例を説明する。
なお、本例では、第2の電極22に酸化チタンを用い、第1の電極24としてITOからなる透明電極を用い、金属イオン30として銀イオンを電解液32中に含む表示素子10に、第1の電圧波形として図2に示す矩形波を印加するものとして説明する。なお、この第1の電圧波形は、上述のように、上記式(1)の関係を満たすものである。
金属イオン30としての銀イオンが電解液32中に溶解された状態にあるときには、表示媒体12が視認方向(図1中矢印X方向)から視認されると、表示媒体12は、表示基板20、透明な第1の電極24、及び電解液層34を介して、第2の電極22の酸化チタンによる色が視認されるため、白色として視認される。
制御部15の制御によって、第1の電圧波形で変化する電圧を、第1の電極24及び第2の電極22に印加するように電圧印加部14が制御されると、電圧印加部14は、第1の電圧波形で変化する電圧を、第1の電極24及び第2の電極22に印加する。
なお、このとき、表示媒体12の視認方向X上流側に金属微粒子が析出されるようにするために、金属イオン30は陽イオンであることから、視認方向X上流側に設けられた第1の電極24側をマイナス極とし、視認方向X下流側に設けられた第2の電極22側をプラス極とする。
この第1の電極24と第2の電極22とを介して電解液層34に第1の電圧波形で変化する電圧が印加されると、析出電位が印加されているときには、電解液層34内の金属イオン30の還元反応が生じ、溶解電位が印加されているときには、析出された金属微粒子の酸化反応が生じる。
この還元反応と酸化反応とが、上記式(1)を満たす条件下で繰り返し生じることにより、まず析出電位の電圧が継続印加されているときの金属イオン30の還元反応の進行により金属微粒子の析出が起こり、次に溶解電位の電圧が継続印加されているときの金属微粒子の酸化反応の進行により、析出した金属微粒子の内の小径の金属微粒子から順に電解液層34中への溶解が生じる。この金属微粒子の析出と溶解とが交互に生じ、且つ第1の電圧波形40によって示されるように析出電位の電圧の継続電圧印加時間T1の方が溶解電位の電圧の継続電圧印加時間T2より長時間継続印加される。
このため、第1の電圧波形40で変化する電圧が所定時間印加されることで、表示媒体12には、第1の電極24側に体積平均粒径が略一定の金属微粒子36の析出された状態となる(図1(B)参照)。
そして、視認方向X側から視認されると、第1の電極24側に析出された金属微粒子36としての銀微粒子の体積平均粒径に応じたプラズモン共鳴による発色の色が、表示素子10の色として視認される。
さらに、制御部15の制御によって、第2の電圧波形で変化する電圧を、第1の電極24及び第2の電極22に印加するように電圧印加部14が制御されると、電圧印加部14は、第2の電圧波形で変化する電圧を、第1の電極24及び第2の電極22に印加する。
第2の電圧波形によって示される電圧が印加されると、図1(B)に示すように、第1の電圧波形で変化する電圧の印加により析出した金属微粒子36が、図1(A)に示すように電解液32中に溶解して金属イオン30となるため、表示素子10は、視認方向X側から視認されると、第2の電極22の色として視認される。
以上説明したように、本発明の表示素子10、及び表示媒体12によれば、第1の電圧波形で変化する電圧を電解液層34に印加することにより、金属イオン30が還元されて金属微粒子として析出しうる析出電位と、析出された金属微粒子の少なくとも一部が酸化されて金属イオンとなりうる溶解電位と、の間で周期的に変化し、且つ析出電位が継続される時間T1と溶解電位が継続される時間T2との関係が上記式(1)を満たすので、析出電位の電圧が時間T1の間継続して印加されることによって析出された金属微粒子の内の粒子径のより小さい金属微粒子を、溶解電位の電圧が時間T2の間継続して印加されることによって電解液32中に金属イオン30として溶解させて、再度、析出電位の電圧を時間T1の間継続して印加することが繰り返される事により金属微粒子36として析出させる反応を繰り返し生じさせることができるので、従来の、一定の析出電位の電圧を印加する場合に比べて粒度分布幅が狭くなるように金属微粒子を析出させることができる。
従って、均一な表示濃度及び高解像度の双方を実現しうる表示媒体12及び表示素子10、そして表示方法を提供することができる。
(実施例1)
図1に示す構成を有する表示媒体を以下の手順で作製した。
まず、表示基板として、厚1mm、3×3cmのガラス基板を用意した。このガラス基板上にITO(酸化錫−酸化インジウム)をスパッタリング法により200nmの厚さで成膜し第1の電極を形成した。
背面基板としては、上記表示基板上にITOからなる第1の電極が形成されたITOガラス基板を用いた。このITOガラス基板上に、体積平均粒径略20nmの酸化チタンコロイド溶液(オルトチタン酸テトライソプロピル25mlを、純水150mlと濃硝酸1.54g(比重:1.38)から調製した溶液中に、激しく撹拌しながら徐々に加えた。さらに撹拌を続けながら80℃に昇温し、同温度で8時間撹拌を続け、乳白色の安定な酸化チタンコロイド溶液を得た。このコロイド溶液を30mmHgの減圧下30℃で40mlまで濃縮することにより得たもの)をスピンコート法でコーティングし、500℃で1時間焼成した。この操作を3回繰り返し、膜厚約5μmの第2の電極としての酸化チタン膜を形成した。
次に、電解液として、ヨウ化銀(アルドリッチ社製)と、ヨウ化リチウム(アルドリッチ社製)と、を各々ジメチルスルホキシド(DMSO、アルドリッチ社製)に溶解させ、それぞれの濃度が5mmol/lとなるように調整した。さらに、それらのヨウ化銀溶液、ヨウ化リチウム溶液を等量ずつ混合した。
なお、上記第1の電極及び第2の電極各々に電圧印加可能となるように、適当な長さの引き出し配線を接続した。
次に、第1の電極が形成されたガラス基板上の該第1の電極上に、間隙部材として、第1の電極と第2の電極との間隙が200mmとなるように、高さ200mmのポリイミド樹脂からなる間隙部材を第1の電極上の析出部分の面積が1.5cm2となるように配置した。その後、表示基板上の第1の電極と背面基板上の第2の電極とが互いに対向されるように重ね合わせて積層体を形成し、続いて、この積層体端面の全周を、一部を除いてエポキシ系接着剤のアラルダイト(ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製)で硬化させた。
次に、積層体端面のシールがされていない部分(電解液注入口)から後述する電解液を積層体内に充填した後、上記のアラルダイトにより電解液注入口をシールして紫外線を照射して硬化させ、表示媒体を作製した。
上記第1の電極及び第2の電極は、各々引き出し配線を介して、電圧印加部としてのファンクションジェネレータ(テクトロニクス社製:AFG310)に信号授受可能に接続した。さらにこのファンクションジェネレータには、制御部として、パーソナルコンピュータを接続することにより、表示素子を作製した。表示素子をこのように構成することにより、表示媒体の電解液層に任意の波形の電圧を印加可能な状態とした。
次に、上記作製した表示媒体の電解液層中に溶解されている銀イオンの還元電位を測定した。
還元電位の測定は、サイクリックボルタンメトリー(CV)の技法により測定した。
具体的には、
測定機器:ALS製電気化学アナライザー(CHI604A)
作用電極/対向電極:Pt電極
参照電極:Pt電極
試料溶液:電解液
測定モード:DC
Scan Range:1.0〜−1.50V
Scan Rate:0.1V/s
上記測定機器および測定条件により得られた測定データの解析方法について説明する。
図3および図4に上記条件にて測定したデータの具体例を示す。なお、グラフ中の上の曲線は酸化体の還元反応を、下の曲線は還元体の酸化反応をそれぞれ示す。
図3の場合には、下の曲線のピーク値における電位E1と上の曲線のピーク値における電位E2の平均値が本発明にいう還元電位である。
還元電位=(E1+E2)/2
また、図4のような複数ピークを有する曲線が得られる場合には、還元波として大きい方(0に近い方)の値を代表値とした。即ち図4におけるE'1およびE'2の値を採用し、その平均値が本発明にいう還元電位である。
還元電位=(E'1+E'2)/2
実施例1において調整した電解液を用いて上記測定方法により還元電位を測定したところ、図5に示す結果が得られた。この結果から、上記解析方法から算出した該電解液中における還元電位は、約−300mVであることがわかった。ただし、本実施例では、析出を確実にするため、還元電位を還元反応のピーク値である約−900mVにとる。。
次に、第1の電極に、上記電圧印加部としてのファンクションジェネレータのマイナス端子を接続し、第2の電極にファンクションジェネレータのプラス端子を接続し、第1の電圧波形として、図6に示す矩形波で変化する電圧を印加した。
図6に示す矩形波は、該矩形波の半値線に相当する電位(パルス振幅の中間)を還元電位である−900mVとした。また、図5に示す測定結果から、−1400mV以上の電圧印加(−1400mVの絶対値以上のマイナス電圧印加)により再び電流値の増加が見られることから、第1の電圧波形としての矩形波のパルス振幅を、900mVとし、−1400mV以上の電圧、例えば−1600mV等の電圧が印加されないようにした。なお、この矩形波の周波数は、100Hz、析出電位の継続電圧印加時間T1と、溶解電位の継続電圧印加時間T2と、の上記式(1){T1×100/(T1+T2)}によって示される値は、85%であるものとした。
この図6によって示される第1の電圧波形としての矩形波を、第1の電極及び第2の電極を介して上記作製した表示媒体の電解液層に180秒印加したところ、第1の電極部分が薄い黄色に着色した。この第1の電極表面の吸収ピーク波長を日立分光光度計 U−4100を用いて測定しところ、約410nmであった。
さらに、この第1の電極表面を、日立製作所製走査型電子顕微鏡(FE-SEM:S-4500)で観察したところ、粒子径約20nm〜30nmの球状の粒子の析出が観察された。さらに、FE−SEMのエネルギー分散型X線分析装置(EDX)で分析したところ、析出した粒子は銀であることが確認できた。すなわち第1の電極表面に析出した金属微粒子は、電解液中の銀イオンが還元析出したものであることが確認された。
なお、上記粒子径は、上記日立製作所走査型電子顕微鏡(FE−SEM:S―4500)を用い、倍率×10万倍にて撮像した画像から、実測し、倍率で換算し求めた。
さらに、上記粒子径の測定と同様に、上記日立製作所走査型電子顕微鏡(FE−SEM:S―4500)を用い、第1の電極表面の任意の5点について、倍率×5万倍にて撮像した画像中の全ての粒子を実測し、倍率換算することによって粒度分布(5nm範囲で粒子数を数えた)を測定した。測定結果を図7に示す。
図7に示す結果から、析出された金属微粒子としての銀微粒子の平均粒径は25nmであり、標準偏差(σ)は、5.2であった。
また、標準偏差は、((測定粒径-平均粒径)2の和/データ数)1/2 の式で算出したものである。この実施例1により析出した金属微粒子の平均粒径及び標準偏差(σ)の測定結果を表1に示した。
(比較例1)
実施例1で作製した表示素子を用い、第1の電極に、上記電圧印加部としてのファンクションジェネレータのマイナス端子を接続し、第2の電極にファンクションジェネレータのプラス端子を接続し、−1450mVの直流電圧を180秒間継続して印加したところ、第1の電極部分が薄い灰色に着色した。
さらに、この第1の電極表面を、日立製作所製走査型電子顕微鏡(FE-SEM:S-4500)で観察したところ、粒子径約40nm〜60nmの粒子の析出が観察された。だたし、観察されたこれらの粒子は、粒子同士が凝集している場合が多かった。
なお、粒子径は、実施例1と同様にして測定した。
さらに、走査型電子顕微鏡(FE-SEM:S-4500)のエネルギー分散型X線分析装置(EDX)で分析したところ、析出した粒子は銀であることが確認できた。すなわち第1の電極表面に析出した金属微粒子は、電解液中の銀イオンが還元析出したものであることが確認された。
さらに、実施例1と同様にして、第1の電極表面に析出された金属微粒子の粒度分布を測定した。測定結果を図8に示す。
図8に示す結果から、析出された金属微粒子としての銀微粒子の平均粒径は42nmであることが分かった。ただし、銀微粒子は凝集されて析出しているため、本来のプラズモン共鳴の効果が現れず、灰色を呈したと考えられる。なお、この平均粒径は、実施例1と同様にして求めた。
また、析出された銀微粒子の標準偏差(σ)を実施例1と同様にして測定したところ、11.0であった。この比較例1により析出した金属微粒子の平均粒径及び標準偏差(σ)の測定結果を表1に示した。
(比較例2)
実施例1で作製した表示素子を用い、第1の電極に、上記電圧印加部としてのファンクションジェネレータのマイナス端子を接続し、第2の電極にファンクションジェネレータのプラス端子を接続し、第1の電圧波形として、析出電位の継続電圧印加時間T1と、溶解電位の継続電圧印加時間T2と、の上記式(1){T1×100/(T1+T2)}によって示される値が50%である以外は、実施例1と同様の第1の電圧波形で変化する電圧を印加した。
この析出電位の継続電圧印加時間T1と、溶解電位の継続電圧印加時間T2と、の上記式(1){T1×100/(T1+T2)}によって示される値が、50%である矩形波形で変化する電圧を180秒間継続して印加したところ、第1の電極部分への着色は見られなかった。
さらに、この第1の電極表面を、日立製作所製走査型電子顕微鏡(FE-SEM:S-4500)で観察したところ、粒子径約20nm以下の粒子の球状の粒子が、5μm四方あたり数個析出されていた。なお、比較例2では、着色するほど多くの粒子の析出が観察されず、粒度分布の測定はできなかった。この比較例2により析出した金属微粒子の平均粒径及び標準偏差(σ)の測定結果を表1に示した。
(実施例2)
実施例1で作製した表示素子を用い、第1の電極に、上記電圧印加部としてのファンクションジェネレータのマイナス端子を接続し、第2の電極にファンクションジェネレータのプラス端子を接続し、第1の電圧波形として、析出電位の継続電圧印加時間T1と、溶解電位の継続電圧印加時間T2と、の上記式(1){T1×100/(T1+T2)}によって示される値が、95%である以外は、実施例1と同様の第1の電圧波形で変化する電圧を印加した。
この析出電位の継続電圧印加時間T1と、溶解電位の継続電圧印加時間T2と、の上記式(1){T1×100/(T1+T2)}によって示される値が、95%である矩形波形で変化する電圧を180秒間継続して印加したところ、第1の電極部分が黄色に着色した。この第1の電極表面の吸収ピーク波長を日立分光光度計 U−4100を用いて測定しところ、約410nmであった。
さらに、この第1の電極表面を、日立製作所製走査型電子顕微鏡(FE-SEM:S-4500)で観察したところ、粒子径約20nm〜30nmの粒子の析出が観察された。なお、粒子径は、実施例1と同様にして測定した。
さらに、走査型電子顕微鏡(FE-SEM:S-4500)のエネルギー分散型X線分析装置(EDX)で分析したところ、析出した粒子は銀であることが確認できた。すなわち第1の電極表面に析出した金属微粒子は、電解液中の銀イオンが還元析出したものであることが確認された。
さらに、上記日立製作所走査型電子顕微鏡(FE−SEM:S―4500)を用い、第1の電極表面の任意の3点について倍率×5万倍にて撮像した画像中の粒子を実施例1同様に実測して粒度分布(対象となる粒子径の範囲を分割し、それぞれの粒子径区間に存在する粒子数で表示した頻度分布)を測定した。測定結果を図9に示す。
図9に示す結果から、析出された金属微粒子としての銀微粒子の平均粒径は32nmであることが分かった。なお、この平均粒径は、実施例1と同様にして求めた。
また、析出された銀微粒子の標準偏差(σ)を実施例1と同様にして測定したところ、6.8であった。この実施例2により析出した金属微粒子の平均粒径及び標準偏差(σ)の測定結果を表1に示した。
(実施例3)
実施例1で作製した表示素子を用い、第1の電極に、上記電圧印加部としてのファンクションジェネレータのマイナス端子を接続し、第2の電極にファンクションジェネレータのプラス端子を接続し、第1の電圧波形として、析出電位の継続電圧印加時間T1と、溶解電位の継続電圧印加時間T2と、の上記式(1){T1×100/(T1+T2)}によって示される値が、65%である以外は、実施例1と同様の第1の電圧波形で変化する電圧を印加した。
この析出電位の継続電圧印加時間T1と、溶解電位の継続電圧印加時間T2と、の上記式(1){T1×100/(T1+T2)}によって示される値が、65%である矩形波形で変化する電圧を180秒間継続して印加したところ、第1の電極部分が薄い黄色に着色した。この第1の電極表面の吸収ピーク波長を日立分光光度計 U−4100を用いて測定しところ、約410nmであった。
さらに、この第1の電極表面を、日立製作所製走査型電子顕微鏡(FE-SEM:S-4500)で観察したところ、粒子径約20nm〜30nmの粒子の析出が観察された。なお、粒子径は、実施例1と同様にして測定した。
さらに、走査型電子顕微鏡(FE-SEM:S-4500)のエネルギー分散型X線分析装置(EDX)で分析したところ、析出した粒子は銀であることが確認できた。すなわち第1の電極表面に析出した金属微粒子は、電解液中の銀イオンが還元析出したものであることが確認された。
さらに、実施例1と同様にして、第1の電極表面に析出された金属微粒子の粒度分布を測定した。測定結果を図10に示す。
図10に示す結果から、析出された金属微粒子としての銀微粒子の平均粒径は23nmであることが分かった。なお、この平均粒径は、実施例1と同様にして求めた。
また、析出された銀微粒子の標準偏差(σ)を実施例1と同様にして測定したところ、6.7であった。この実施例3により析出した金属微粒子の平均粒径及び標準偏差(σ)の測定結果を表1に示した。
(実施例4)
実施例1で作製した表示素子を用い、第1の電極に、上記電圧印加部としてのファンクションジェネレータのマイナス端子を接続し、第2の電極にファンクションジェネレータのプラス端子を接続し、第1の電圧波形として、周波数が10kHzである以外は、実施例1と同様の第1の電圧波形で変化する電圧を印加した。
この第1の電圧波形で変化する電圧を180秒間継続して印加したところ、第1の電極部分が薄い黄色に着色した。この第1の電極表面の吸収ピーク波長実施例1と同様に測定したところ、約410nmであった。
さらに、この第1の電極表面を、日立製作所製走査型電子顕微鏡(FE-SEM:S-4500)で観察したところ、粒子径約20nm〜30nmの粒子の析出が観察された。なお、粒子径は、実施例1と同様にして測定した。
さらに、走査型電子顕微鏡(FE-SEM:S-4500)のエネルギー分散型X線分析装置(EDX)で分析したところ、析出した粒子は銀であることが確認できた。すなわち第1の電極表面に析出した金属微粒子は、電解液中の銀イオンが還元析出したものであることが確認された。
さらに、実施例1と同様にして、第1の電極表面に析出された金属微粒子の粒度分布を測定した。
この測定結果から、析出された金属微粒子としての銀微粒子の平均粒径は25nmであることが分かった。なお、この平均粒径は、実施例1と同様にして求めた。
また、析出された銀微粒子の標準偏差(σ)を実施例1と同様にして測定したところ、5.1であり、実施例1と略同様の結果が得られた。
この実施例4により析出した金属微粒子の平均粒径及び標準偏差(σ)の測定結果を表1に示した。
(実施例5)
実施例1で作製した表示素子を用い、第1の電極に、上記電圧印加部としてのファンクションジェネレータのマイナス端子を接続し、第2の電極にファンクションジェネレータのプラス端子を接続し、第1の電圧波形として、実施例1と同一の第1の電圧波形で変化する電圧を印加した。
この第1の電圧波形で変化する電圧を180秒間継続して印加した後に、溶解電位としての−450mVの直流電圧を180秒間印加することにより第1の電圧波形で変化する電圧の印加により析出した金属微粒子を溶解した。
この第1の電圧波形の180秒間の印加の後に、−450mVの直流電圧を180秒間印加する一連の処理を10回繰り返した後に、さらにこの第1の電圧波形を180秒間印加した。
上記電圧の印加により、第1の電極部分が薄い黄色に着色した。この第1の電極表面の吸収ピーク波長を実施例1同様に測定しところ、約410nmであった。
さらに、この第1の電極表面を、日立製作所製走査型電子顕微鏡(FE-SEM:S-4500)で観察したところ、粒子径約20nm〜30nmの球状の粒子の析出が観察された。なお、粒子径は、実施例1と同様にして測定した。
さらに、走査型電子顕微鏡(FE-SEM:S-4500)のエネルギー分散型X線分析装置(EDX)で分析したところ、析出した粒子は銀であることが確認できた。すなわち第1の電極表面に析出した金属微粒子は、電解液中の銀イオンが還元析出したものであることが確認された。
さらに、実施例1と同様にして、第1の電極表面に析出された金属微粒子の粒度分布を測定した。測定結果を図11に示す。
この測定結果から、析出された金属微粒子としての銀微粒子の平均粒径は33nmであることが分かった。なお、この平均粒径は、実施例1と同様にして求めた。
また、析出された銀微粒子の標準偏差(σ)を実施例1と同様にして測定したところ、7.7であり、実施例1と略同様の結果が得られた。
この実施例5により析出した金属微粒子の平均粒径及び標準偏差(σ)の測定結果を表1に示した。
Figure 0005034299
表1及び図7〜図11に示すように、析出電位と溶解電位との間で周期的に変化し且つ析出電位が継続される時間T1と溶解電位が継続される時間T2との関係が上記式(1)を満たす第1の電圧波形で変化する電圧を印加する実施例1〜実施例5では、析出電位の電圧を継続して所定時間以上印加することによって金属微粒子を析出させる比較例1に比べて、粒度分布が狭いことがわかる。このため、実施例1〜実施例5では、比較例1に比べて均一な表示濃度及び高解像度を実現し得ることが分かる。
また、比較例2に示されるように、析出電位と溶解電位との間で周期的に変化するものの、析出電位が継続される時間T1と溶解電位が継続される時間T2とが同一の場合には、着色するほどの金属微粒子の析出が見られないことから、表示媒体及び表示素子として用いることは困難であるといえる。
また、実施例5に示されるように、析出電位と溶解電位との間で周期的に変化し且つ析出電位が継続される時間T1と溶解電位が継続される時間T2との関係が上記式(1)を満たす第1の電圧波形で変化する電圧の印加と、析出した金属微粒子を溶解させるための溶解電位の時間T2以上の印加と、を繰り返し実行した後に、さらに第1の電圧波形で変化する電圧を印加した後においても、析出電位の電圧を継続して所定時間以上印加することによって金属微粒子を析出させる比較例1に比べて、粒度分布のばらつきが小さいことが分かる。従って、本発明の表示媒体、表示素子、及び表示方法においては、第1の電圧波形で変化する電圧を印加することにより電解液層中に金属イオンを金属微粒子として析出させ、この第1の電圧波形を、析出電位と溶解電位との間で周期的に変化し、且つ析出電位が継続される時間T1と溶解電位が継続される時間T2との関係が、100>T1×100/(T1+T2)>50の関係を満たすことにより、高解像度及び均一な表示濃度の表示媒体、表示素子、及び表示方法を提供することができる、といえる。
本発明の表示媒体及び表示素子の一例を示す模式断面図であり、(A)は、金属微粒子が析出されていない状態を示し、(B)は、金属微粒子が析出された状態を示す。 第1の電圧波形の一例を示す模式図である。 還元電位測定データの一例を示す模式図である。 還元電位測定データの図3とは異なる例を示す模式図である。 実施例1における還元電位測定データを示す線図である。 実施例1において用いた第1の電圧波形を示す模式図である。 実施例1における粒度分布の測定結果を示すグラフである。 実施例1及び比較例1における粒度分布における測定結果を示すグラフである。 実施例2における粒度分布の測定結果を示すグラフである。 実施例1〜3及び比較例1における粒度分布の測定結果を示すグラフである。 実施例1及び実施例5における粒度分布における測定結果を示すグラフである。
符号の説明
10 表示素子
12 表示媒体
14 電圧印加部
15 制御部
16 背面基板
20 表示基板
22 第2の電極
24 第1の電極
30 金属イオン
32 電解液
34 電解液層
36 金属微粒子

Claims (23)

  1. 金属イオンを含む電解液からなる電解液層に少なくとも第1の電圧波形で変化する電圧を印加することにより、前記電解液層中の前記金属イオンを金属微粒子として析出させる析出工程を有する表示方法であって、
    前記第1の電圧波形は、前記金属イオンが還元されて析出される析出電位と、前記金属微粒子が溶解される溶解電位と、の間で周期的に変化し、且つ前記析出電位が継続される時間T1と前記溶解電位が継続される時間T2との関係が、下記式(1)の関係を満たすことを特徴とする表示方法。
    Figure 0005034299
  2. 前記第1の電圧波形は、高電位部分と低電位部分とに平坦部を有することを特徴とする請求項1に記載の表示方法。
  3. 前記第1の電圧波形は、矩形状であることを特徴とする請求項1に記載の表示方法。
  4. 前記第1の電圧波形は、電位が連続的に変化するサイン波状であることを特徴とする請求項1に記載の表示方法。
  5. 前記第1の電圧波形の周波数は、100Hz〜10kHzである請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の表示方法。
  6. 前記電解液層に前記溶解電位を前記時間T2より長時間継続する第2の電圧波形で変化する電圧が印加されることにより、析出した前記金属微粒子の略全てを前記電解液中に溶解させる溶解工程を更に有することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の表示方法。
  7. 前記金属微粒子がプラズモン発色することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の表示方法。
  8. 金属イオンを含む電解液からなる電解液層を少なくとも備え、前記電解液層に少なくとも第1の電圧波形で変化する電圧が印加されることにより、前記電解液層中の前記金属イオンが金属微粒子として析出されて画像を表示する表示媒体であって、
    前記第1の電圧波形は、前記金属イオンが還元されて析出される析出電位と、前記金属微粒子が溶解される溶解電位と、の間で周期的に変化し、且つ前記析出電位が継続される時間T1と前記溶解電位が継続される時間T2との関係が、下記式(1)の関係を満たすことを特徴とする表示媒体。
    Figure 0005034299
  9. 前記第1の電圧波形は、高電位部分と低電位部分とに平坦部を有することを特徴とする請求項8に記載の表示媒体。
  10. 前記第1の電圧波形は、矩形状であることを特徴とする請求項8に記載の表示媒体。
  11. 前記第1の電圧波形は、電位が連続的に変化するサイン波状であることを特徴とする請求項8に記載の表示媒体。
  12. 前記第1の電圧波形の周波数は、100Hz〜10kHzである請求項8乃至請求項11の何れか1項に記載の表示媒体。
  13. 前記電解液層に前記溶解電位を前記時間T2より長時間継続する第2の電圧波形で変化する電圧が印加されることにより、析出された前記金属微粒子の略全てが前記電解液中に溶解されることを特徴とする請求項8乃至請求項12の何れか1項に記載の表示媒体。
  14. 少なくとも一方が透光性を有し、且つ前記電解液層を介して対向配置された一対の基板を更に備えた請求項8乃至請求項13の何れか1項に記載の表示媒体。
  15. 前記金属微粒子がプラズモン発色することを特徴とする請求項8乃至請求項14の何れか1項に記載の表示媒体。
  16. 金属イオンを含む電解液からなる電解液層と、
    第1の電圧波形で変化する電圧を前記電解液層に印加する電圧印加手段と、
    を備え、
    前記第1の電圧波形は、前記金属イオンが還元されて析出される析出電位と、前記金属微粒子が溶解される溶解電位と、の間で周期的に変化し、且つ前記析出電位が継続される時間T1と前記溶解電位が継続される時間T2との関係が、下記式(1)の関係を満たすことを特徴とする表示素子。
    Figure 0005034299
  17. 前記第1の電圧波形は、高電位部分と低電位部分とに平坦部を有することを特徴とする請求項16に記載の表示素子。
  18. 前記第1の電圧波形は、矩形状であることを特徴とする請求項16に記載の表示素子。
  19. 前記第1の電圧波形は、電位が連続的に変化するサイン波状であることを特徴とする請求項16に記載の表示素子。
  20. 前記第1の電圧波形の周波数は、100Hz〜10kHzである請求項16乃至請求項19の何れか1項に記載の表示素子。
  21. 前記電圧印加手段は第2の電圧波形で変化する電圧を前記電解液層に印加し、前記第2の電圧波形は、前記溶解電位を前記時間T2より長時間継続することを特徴とする請求項16乃至請求項20の何れか1項に記載の表示素子。
  22. 少なくとも一方が透光性を有し、且つ前記電解液層を介して対向配置された一対の基板を更に備えた請求項16乃至請求項21の何れか1項に記載の表示素子。
  23. 前記電解液中から析出した前記金属微粒子がプラズモン発色することを特徴とする請求項16乃至請求項22の何れか1項に記載の表示素子。
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