JP5033020B2 - 誘導加熱を用いた熱処理方法並びに誘導加熱装置 - Google Patents

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Description

本発明は、誘導加熱を利用した熱処理方法、並びに誘導加熱装置、および温度制御方法に係り、特に被処理部材の加熱を、輻射に加え伝熱を利用して行う場合に好適な熱処理方法、並びに誘導加熱装置、および温度制御方法に関する。
半導体ウェハ等の被処理部材を急速昇温させる技術として、誘導加熱を用いることは知られている。誘導加熱を用いて半導体ウェハ等を加熱する場合の技術としては、グラファイト等の高抵抗部材で構成したサセプタの上に半導体ウェハを載置し、前記サセプタを誘導加熱するというものである。このような技術によれば、半導体ウェハは、誘導加熱により急速昇温したサセプタからの輻射熱や伝達熱を受けて短時間で昇温されることとなる。このような技術を基幹として、本願出願人は特許文献1に開示するような誘導加熱を用いた熱処理技術を提案している。
特許文献1に開示されている技術は、複数の誘導加熱コイルを近接させて配置して加熱制御を行おうとする際に生ずる問題点である相互誘導による加熱制御の不具合を解決するための技術である。この技術を用いることによれば、近接配置した複数の誘導加熱コイルに対する投入電力の制御を確実に行うことが可能となる。そして、近接配置された各誘導加熱コイルに対する投入電力の制御を確実に行うことが可能となることにより、被誘導加熱部材であるグラファイトの温度分布を均一に、あるいは任意の温度勾配を持たせた状態で、急速昇温させることが可能となるのである。
特表2005−529475号公報
上記特許文献1に開示した技術を用いることによれば、誘導加熱コイルを用いて直接的に加熱制御を行うグラファイトの温度分布は高精度に制御することができるようになる。しかし、急速降温が要求される誘導加熱装置では、誘導加熱コイルの内部に挿通される冷媒の冷却熱を利用して降温を図ることが成されている。このため、誘導加熱コイルから半導体ウェハ(被処理部材)までの間の熱伝達の効率をいかにして向上させるかが問題となる。
また、誘導加熱装置を構成する部材は多岐にわたり、その部材の有する耐熱温度は、必ずしも被処理部材の熱処理温度よりも高いとは限らない。このため、被誘導加熱部材を加熱することにより、当該被誘導加熱部材に隣接する構成部材が劣化してしまうといった問題が生ずることがある。
例えば誘導加熱装置が、誘導加熱コイルと被誘導加熱部材を備えるコイル室と、被処理部材を配置するプロセス室とに分割される際、コイル室とプロセス室との隔離には、石英が採用されることがある。そして、この石英を抑える要素としてはOリングやパッキンが採用される。このようなOリングやパッキンは、樹脂により構成されるため、被処理部材の熱処理温度よりも耐熱温度が低い場合があり、このような場合に、熱伝達により石英が加熱された際、上記問題が生ずることとなる。
そこで本発明では、誘導加熱コイルから被処理部材までの間の熱伝達の効率を向上させることのできる誘導加熱を用いた熱処理方法、誘導加熱装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明に係る誘導加熱を用いた熱処理方法は、少なくとも、内部に冷媒を挿通可能とする誘導加熱コイルと、被誘導加熱部材とを積層配置して誘導加熱を利用して被処理部材を熱処理する方法であって、前記誘導加熱コイルと前記被誘導加熱部材を配置するコイル室と、前記被処理部材を配置するプロセス室とを隔てる隔離板により前記被誘導加熱部材を前記誘導加熱コイル側へ押圧することで、積層配置された部材を密着させて熱処理を行うことを特徴とする。
また、上記目的を達成するための本発明に係る誘導加熱装置は、少なくとも、内部に冷媒を挿通可能とする誘導加熱コイルと、当該誘導加熱コイルに密接させた被誘導加熱部材とを備えるコイル室と、加熱対象とする被処理部材を配置するためのプロセス室とを有する誘導加熱装置であって、前記被誘導加熱部材に密接し、前記コイル室と前記プロセス室とを隔てる隔離板を備え、前記プロセス室の気体圧力よりも前記コイル室の気体圧力を低くすることで前記隔離板により前記被誘導加熱部材を前記誘導加熱コイル側へ押圧したことを特徴とする。
また、上記のような特徴を有する誘導加熱装置では、前記コイル室に、密接配置された各部材の接触熱抵抗低減させるガスを充填すると良い。特に、前記ガスは、ヘリウムガス、または水素ガスとすることが望ましい。このような特徴を持たせることで、コイル室を構成する要素間の接触抵抗を低減することができる。よって、構成要素間における熱伝達の効率を向上させることができる。
また、上記のような特徴を有する誘導加熱装置では、前記誘導加熱コイルと前記被誘導加熱部材との間に、前記誘導加熱コイルと前記被誘導加熱部材との双方に密接させた第1の断熱部材を設けるようにすると良い。このような構成とすることにより、被誘導加熱部材の発熱により、誘導加熱コイル自体が過熱されてしまうことを防止することができる。
また、上記のような誘導加熱装置では、前記第1の断熱部材を複数の個片に分割すると良い。このような構成とすることにより、第1の断熱部材の表裏面における温度差によって生じる反りを個片単位に分割することができる。よって、第1の断熱部材全体としての反り量を低減することができる。また、熱膨張による予期せぬ割れや欠けを防止することができる。また、大きな反りの発生による構成部材間の隙間の発生を抑制することができるため、熱の伝達効率の低下を防ぐことができる。
また、上記のような構成の誘導加熱装置では、前記誘導加熱コイルと前記第1の断熱部材との間には、前記第1の断熱部材よりも熱伝導率の高い均熱部材を密接配置すると良い。このような特徴を有することで、冷却時における被処理物の温度の均熱化を図ることができると共に、加熱時に低温断熱部材へ伝達される熱を分散させることができ、低温断熱部材が高温により劣化することを防止することができる。
また、上記のような誘導加熱装置では、前記誘導加熱コイルと前記均熱部材との間に、前記第1の断熱部材よりも熱容量が小さい第2の断熱部材を密接配置すると良い。このような構成とすることで、第1の断熱部材の表裏面における温度差を軽減することが可能となる。よって、第1の断熱部材に生ずる反りを軽減することができ、加熱、伝熱の安定性を向上させることができる。
また、上記のような誘導加熱装置では、前記誘導加熱コイルは、近接させて複数配置し、各誘導加熱コイルに対して、投入電力の調整を可能とした電力制御ユニットを備えるようにすると良い。このような構成とすることにより、被誘導加熱部材の温度分布を任意に調整することが可能となり、被処理部材の熱処理精度を向上させることが可能となる。
また、上記のような特徴を有する誘導加熱装置では、前記電力制御ユニットと接続されている前記誘導加熱コイルを接地して、対地間および隣接する誘導加熱コイル間電圧を低減することが望ましい。このような特徴を持たせることで、誘導加熱コイルにおける対地間電圧、および隣接する誘導加熱コイル間の電圧を低減することができ、誘導加熱コイル間におけるパッシェン放電を防止することができる。
また、上記のような特徴を有する誘導加熱装置では、前記隔離板と前記被処理部材との間に気体層を介在させるようにすることができる。このような構成とした場合、隔離板表面に存在する微小な凹凸の影響による熱伝導率の違いが、被処理部材の温度分布に影響を与える虞がなくなる。このため、被処理部材の均熱化の精度を向上させることができる。
また、上記のような特徴を有する誘導加熱装置では、前記隔離板に対して前記被処理部材を密接させる構成としても良い。このような構成とすることによれば、誘導加熱コイルから被処理部材までの熱伝達の効率が良く、急速昇降温制御を行う上での反応性を高めることができる。
上記のような誘導加熱を用いた熱処理方法によれば、誘導加熱コイルから被処理部材までの間の熱伝達の効率を向上させることができる。
また、上記のような誘導加熱装置によれば、上記方法を実施することができ、誘導加熱コイルから被処理部材までの間の熱伝達の効率を向上させることが可能となる。
以下、本発明の誘導加熱を用いた熱処理方法、並びに誘導加熱装置に係る実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態は、本発明に係る一部の実施形態であって、本発明の技術的範囲は以下の実施形態のみに拘束されるものでは無い。
まず、図1を参照して、本発明の誘導加熱装置に係る第1の実施形態について説明する。図1に示す誘導加熱装置10は、コールドウォール式の加熱炉としての構成を示している。当該誘導加熱装置10は、ケーシング12と、加熱・冷却ユニット14、およびグラファイト24を基本構成とする。
前記ケーシング12は、熱処理炉13の外郭であり、プロセス室50を構成する。前記加熱・冷却ユニット14は、熱処理の対象とする半導体ウェハ等の被処理部材(以下、ウェハ30と称す)を加熱または冷却するためユニットである。具体的構成としては、セラミックや石英等の非導電性耐熱部材により形成されて加熱・冷却ユニット14の外殻を構成するステージ16と、当該ステージ16の内側に配設された誘導加熱コイル18(18a〜18f)、当該誘導加熱コイル18に一方の主面を密接させた第2の断熱部材20、当該第2の断熱部材20の他方の主面に一方の主面を密接させた第1の断熱部材22、当該第1の断熱部材22の他方の主面に一方の主面を密接させた被誘導加熱部材であるグラファイト24、および当該グラファイト24の他方の主面に一方の主面を密接させると共に、前記ケーシング12により構成されるプロセス室50と当該誘導加熱コイル18等が配設されたコイル室52とを隔離する隔離板26とより構成される。
ここで、誘導加熱コイル18は、管状部材(断面矩形を含む中空部材)により構成され、内部に冷却水や冷却ガス等の冷媒を挿通させることを可能な構成としている。誘導加熱コイル18をこのような構成とすることにより、誘導加熱により発熱したグラファイト24の熱によりコイル自体が過熱されることを防止することができると共に、コイルに投入(提供)する電力をカットまたは調整することで、冷却管としての役割を担うことが可能となる。そして、このような構成の誘導加熱コイル18には、当該誘導加熱コイル18に電力を提供し、グラファイト24、隔離板26、並びにウェハ30の加熱状態を制御するための、電力制御ユニット32が接続されている。
本実施形態における誘導加熱コイル18の全体構成は、例えば半径の異なる複数の円形(C型)コイルを同心円上に近接配置する形態を採ったものであれば良い(例えば、特開2006−278150号公報:図1参照)。このような構成の誘導加熱コイル18に対して電力の供給を行う電力制御ユニット32は、近接配置した誘導加熱コイル18間における相互誘導の影響を回避するために、例えば次のような構成のものとすると良い。
すなわち、図示しない位相検出器と、共振型インバータ34(34a〜34f)、並びに順変換部36、および電源部38とを基本とするユニットである。ここで、前記位相検出器とは、各誘導加熱コイル18に供給されている各電流波形のゼロクロスを検出することで、各誘導加熱コイル18に供給されている各電流波形の位相差を求める手段である。また、前記共振型インバータ34とは、各誘導加熱コイル18に対応させてそれぞれ設けられる直列共振型のインバータであり、例えば単相のフルブリッジインバータやハーフブリッジインバータなどであれば良い。本実施形態に係る共振型インバータ34は、入力電圧のパルス幅を制御してデューティ比を変化させる事で、誘導加熱コイル18に供給する電力の調整と、電流周波数の位相制御の双方を可能とする。前記順変換部36は、電源部38より供給される交流電流(例えば三相交流電流)を直流電流に変換する役割を担う。そして、前記電源部38は、各誘導加熱コイル18と接続された順変換部36へ交流電流を供給する役割を担う。なお、共振型インバータ34と順変換部36との間には、図示しない平滑回路が備えられている。また、各共振型インバータ34には、電流波形の位相を調整するための信号を各共振型インバータ34に出力する位相調整器40が接続されている。
このような構成の電力制御ユニット32を備えることによれば、各誘導加熱コイル18に投入した電流間の位相差を検出、制御し、当該位相差が零(同期させる)または予め設定された位相差となるように調整することができる。よって、円形を成す各誘導加熱コイル18には所望する電力を投入することが可能となり、誘導加熱コイル18に対する投入電力の多寡を調整することができる。したがって、被誘導加熱部材であるグラファイト24の加熱割合、すなわち温度分布の制御を自在に行うことが可能となり、隔離板26、気体層29を介したウェハ30の熱処理を高精度に行うことができる。
また、本実施形態に係る電力制御ユニット32は、図2に示す回路図のように(図2に示す回路図は2ゾーン)、電力制御ユニット32に接続された誘導加熱コイル18をそれぞれ接地している。具体的には、プロセス室50を構成する熱処理炉13の外部に端子42(42a,42b)を設け、これを接地するようにしているのである。接地箇所は、共振コンデンサ44(44a,44b)や回路抵抗R(Ra,Rb)といった電気要素の影響を受け難い熱処理炉13の外部近傍であって、誘導加熱コイル18との間に電気素子を介在させない位置とすることが望ましい。このような構成とすることで、誘導加熱コイル18の対地間電圧、および隣接する誘導加熱コイル18間の電圧を下げることができ、各構成要素間における接触抵抗を低減させることのできるヘリウム(He)ガスや水素(H)ガス雰囲気をコイル室に適用し、パッシェン放電の生じる最小の放電開始電圧が低下した場合であっても、誘導加熱コイル18間におけるパッシェン放電を防止することができる。
ここで、パッシェン放電は、電気素子が置かれた環境の圧力P、および電気素子間の距離Dによって、パッシェン放電が生ずる電圧Vsが求まる。例えば、コイル室52雰囲気をHeとした場合、圧力Pと距離Dの積P・Dが5.3(Pa・m)のときに156(V)という最小の放電開始電圧が求まる。上記のようにして接地箇所を定めることにより、対地間電圧は誘導加熱コイル18間の電圧のみを考慮したものとなり、上記のような最小の放電開始電圧よりも低くすることが可能となり、パッシェン放電を防ぐことができる。具体的な例を示すと、共振コンデンサ44、回路抵抗R間の端子間電圧を600V、誘導加熱コイル18の端子間電圧を100Vとした場合、接地端子との間に共振コンデンサ44と回路抵抗Rとを介在させると、誘導加熱コイル18に関する対地間電圧は700Vとなってしまう。これに対し、本実施形態のように接地端子42を配置することで、対地間電圧は誘導加熱コイル18の端子間電圧のみを対象とすることができ、100Vとなるのである。
前記第2の断熱部材20は、熱容量の小さな物質であると良く、例えばポリイミドフィルム、具体的にはカプトン(東レ・デュポン)を挙げることができる。また、第1の断熱部材22は、熱容量が大きくても良いが、耐熱温度の高いものであると良く、熱膨張の少ないもの、例えば石英を挙げることができる。断熱部材として、石英とカプトンを併設したのは、次のような理由からである。
すなわち、カプトンは熱容量を小さくすることができるが、耐熱温度は400℃程度と低い。これに対し、石英は熱容量がカプトンよりも大きくなるが、耐熱温度は高く、発熱源としてのグラファイト24に密接させた場合であっても、劣化するといった虞が無いといった理由である。
石英は比較的熱膨張の少ない物質であるが、一方の主面に冷却管としての誘導加熱コイル18を密着させ、他方の主面に発熱源としてのグラファイト24を密接させた場合、両主面間に極端な温度差を与えることとなり、第1の断熱部材(高温断熱部材)22としての石英生じる反りが、比較的大きなものになってしまう可能性もある。この場合、隣接して配置される部材との間に大きな隙間が生じてしまい、部材間での熱伝達の効率が悪くなるという懸念が生じる。このため、第1の断熱部材22としての石英と誘導加熱コイル18との間に温度緩和部材として、熱容量の小さな第2の断熱部材20、すなわちカプトンを配置したのである。
このような配置構成とすることで、石英と誘導加熱コイル18との間の熱伝達は遅延されることとなり、石英に生ずる反りを緩和することが可能となる。また、本実施形態に係る石英は、図3に示すように、半径方向、および円周方向のそれぞれに複数の個片へと分割されている。このような構成とすることで、石英に生ずる反りは個片単位に生ずることとなる。このため、石英全体としての反りを小さくすることができる。また、予め分割しておくことで、熱膨張の影響により石英が破損することを防ぐことができる。さらに、個片毎の反りは小さいため、隣接して配置される部材との間に隙間が生じる可能性も低く、部材間での熱伝達の効率の悪化を抑制することができる。
前記グラファイト24は、ウェハ30を加熱する際、および冷却する際の熱媒体としての役割を担う。例えば、ウェハ30を加熱する際には、誘導加熱コイル18に供給される電力によって生ずる磁束(渦電流)の作用により被誘導加熱部材として誘導加熱されて発熱する。一方、ウェハ30を冷却する際には、誘導加熱コイル18の内部に流し込まれた冷媒の作用により冷却され、加熱状態にあるウェハ30からの輻射熱を吸収する吸熱部材として働くと共に、熱伝達を行う媒体としても働くこととなる。なお、グラファイト24と誘導加熱コイル18の内部に流し込まれる冷媒との間の熱交換は、誘導加熱コイル18の構成部材(例えば銅)、第2の断熱部材20の構成部材(例えばカプトン)、第1の断熱部材22の構成部材(例えば石英)といった部材の熱伝達を介して成される。
グラファイト24の種類としては、他の構成要素の熱膨張等に対応して圧縮されることを可能とする、黒鉛シート等を採用することが望ましい。このような構成とすることで、グラファイト24の膨張率を考慮する必要が無くなると共に、グラファイト24を他の構成要素の熱膨張に対する緩衝部材とすることができる。
本実施形態に係るグラファイト24は、図4に示すように、半径方向に複数分割され、外側に配置されるグラファイトは、リング状の体を成した円状片となる。グラファイト24をこのような構成とすることによれば、隣接する加熱ゾーンとの間に生ずる熱伝達を抑えることができると共に、グラファイトと誘導加熱コイルとの配置位置のズレによって生ずる加熱ムラを低減することができる。このため、グラファイト24全体の均等加熱、および加熱ゾーン単位での温度制御を、より高精度に行うことが可能となる。
前記隔離板26は、次のような要素を持っていれば良い。すなわち、発熱源であるグラファイト24からの輻射熱を伝えるために透光性(赤外線透過性)を有すると共に、熱処理温度以上の耐熱性を有し、線膨張率が低く熱膨張が少ないものであると良い。具体的には、石英によって構成される板部材が望ましい。なお、熱容量を考慮した場合、隔離板26はできるだけ肉厚を薄くすることが望ましい。しかし、隔離板26を肉薄化した場合には、熱膨張の影響や、自重の影響による反りが生じ、その結果破損するといった虞が増すこととなる。このため本実施形態では、プロセス室50内部の気圧をコイル室52内部の気圧よりも高め(コイル室52の気体圧力をプロセス室50の気体圧力よりも低くし)、隔離板26をグラファイト24に密着させることで、隔離板26の反りを抑制するようにしている。また、プロセス室50内部の気圧を高くすることで、コイル室52内部のコンタミネーションがプロセス室50に侵入することを防ぐこともできる。さらに、コイル室52を吸引し、負圧にすることで、隔離板26が誘導加熱コイル18側へ引き付けられることとなる。このため、積層配置された誘導加熱コイル18、第2の断熱部材20、第1の断熱部材22、グラファイト24、及び隔離板26は、隔離板26によるグラファイト24の押圧で、密着されることとなり、誘導加熱コイル18から隔離板26までの熱伝達の効率を向上させることができる。
また、本実施形態では、コイル室52内部をヘリウム(He)ガス雰囲気としている。ヘリウムガスは、コイル室52内部に配置された各構成要素間の接触抵抗を低減させ、各構成要素間における熱伝達の効率を向上させることができる。
そして、本実施形態に係る誘導加熱装置10では、ウェハ30を載置する際に、隔離板26とウェハ30とを近接させると共に両者の間に気体層29を介在させるような構成が採られている。
具体的な構成としては、隔離板26の上面、すなわちウェハ30と対向する面に、ウェハ30の外周部を支持するリング状部材を配置したり、ブロック部材を点在させ、これらをサセプタ28とすれば良い。このような構成とすることで、ウェハ30が支持されている面積(接触面積)がウェハ30における処理面中に占める割合に対して非常に小さくなる。このため、ウェハ30とサセプタ28との接触点における熱伝導率の違いを殆ど無視することができるようになる。
ここで、気体層29は一般的に、液体や固体により構成される層に比べて伝熱効率が低い。このため、ウェハ30の加熱に熱伝達を利用する場合には、発熱源とウェハ30とを密着させることが一般的である。本発明では、発熱源であるグラファイト24とウェハ30との間に隔離板26である石英と、前記石英からの熱伝達を可能とする気体層29を介在させ、ウェハ30に接触する気体層29の占有面積を、ウェハ30に接触するサセプタ28が占有する面積よりも大きくなるようにすることで、熱伝導率のバラツキを抑え、ウェハ30の温度分布の均一化を図るようにしたのである。なお、本実施形態でいう気体層29とは、真空引きにより希薄になった大気の他、窒素(N)やヘリウム(He)、アルゴン(Ar)等のプロセスガスを含むこととする。
隔離板26とウェハ30との間に介在させる気体層29の厚みdの適正値は、当該気体層29を構成する気体の濃度、物性等にも影響されるが、前記ウェハ30の加熱時または冷却時に、当該気体層29を熱媒体として隔離板26とウェハ30との間で熱交換を行うことが可能な距離とすれば良い。もっとも、急速昇降温制御を行う上では、この気体層29の厚みdの値は可能な限り小さなものとすることが望ましい。気体層29の厚みdを小さくすることにより、ウェハ30と隔離板26との間の熱交換の即応性を高めることが可能となるからである。
上記のような構成の誘導加熱装置10におけるウェハ30の加熱処理、冷却処理は、気体層29を熱媒体とした熱伝達と、輻射線の吸収または放射との双方によって成される。このため、加熱効率が悪いとされる透光性を有するウェハ(例えば加熱温度500℃以下の半導体ウェハ)30に対しても、数十℃/S以上の昇降温速度を与えることができる。また、気体層29による温度分布の均熱化を図ったことより、ウェハ30の温度分布が良好となり、温度制御におけるオーバーシュートを10℃以下に制御することができる。
また、上記のような構成の誘導加熱装置10では、ウェハ30は、加熱時においても、誘導加熱コイル18の内部に流し込まれた冷媒による冷却作用の影響を受ける。このため、ウェハ30に所望の温度勾配を与えて目標温度に到達させるためには、環境温度を考慮したゲインを与えた制御を実施する必要がある。本実施形態では、制御系に比例ゲインKpと積分ゲインKiを含めたPI制御を行うことで、常温のウェハ30に対して所望する温度勾配を与え、目標温度に到達させることとした。具体的には、まず、ウェハ30を加熱する目標値までの温度勾配を指令値として与える。そして、ある時点における指令値とウェハ30の温度との偏差を埋めるための入力値である隔離板26(実質的にウェハ30との間で熱交換を行う物質)の設定温度を比例ゲインKpに基づいて算出する。
この時、環境温度に対して冷媒等による冷却作用が生じた場合、すなわち環境温度が変化した場合には、比例ゲインKpによって算出された設定温度では指令値に到達することができないことがある。つまり、設定温度で加熱されたウェハ30の温度勾配が指令値として与えられた温度勾配から乖離してしまうのである。こうした乖離によって生ずる偏差(残留偏差)が、積分ゲインKiを用いて算出される設定温度の補正値により補われることで、指令値とウェハ30の温度勾配が一致することとなる。このようなウェハ30の温度検出、隔離板26の設定温度の算出、および隔離板26を設定温度に昇温させるための電力制御を繰返しフィードバックして行うことで、上記誘導加熱装置10における加熱制御が成される。
ところで、ウェハ30が目標温度に到達した際には、温度勾配を0℃/sとした上で目標温度を維持させる必要がある。このような制御を実現するためには、ウェハ30の温度がオーバーシュートすることを防ぐために、加熱源である隔離板26の温度を目標温度以下にまで冷却する必要が生ずる。しかし、隔離板26の温度制御は誘導加熱コイル18に対する電力投入量の調整による昇温制御のみである。このため、誘導加熱コイル18に対する投入電力をカットしたとしても、その温度低下は環境温度に依存することとなり、急激な温度低下を望むことはできないことが一般的である。これに対して本実施形態では、隔離板26を冷媒の冷却作用により冷却することができるため、急激にその温度を低下させて、ウェハ30の温度がオーバーシュートすることを防止するという温度制御を実現することが可能となった。また、このような制御は気体層29を介して成されることとなるため、加熱・冷却制御に際してウェハ30の温度分布の均一化を図ることもできる。
ここで、上記のような構成の誘導加熱装置10によりウェハ30を昇温させる際の工程(昇温工程)についてのシミュレート結果を図5に示す。図5に示すシミュレートにおけるウェハ30の目標到達温度は500℃、目標とする昇温速度(指令値)は75℃/s、降温速度(指令値)は−50℃/s、気体層29の厚みdは0.15mm、プロセス室50内部の雰囲気Heガス雰囲気、プロセス室50内部の圧力は約399Pa(3Torr)、比例ゲインKp=5、積分ゲインKi=1として設定している。また、図5において実線はウェハ30の温度(℃)、一点鎖線は隔離板(石英)26の温度(℃)、破線は誘導加熱コイル18に投入される電力(kW)をそれぞれ示している。
加熱開始直後は、指令値とウェハ30の温度との偏差を無くすために、入力値、すなわち隔離板26の温度を急激に(指令値の温度勾配よりも急勾配となるように)上昇させる必要がある。図5から読み取れるように、隔離板26の温度を急激に上昇させるために、誘導加熱コイル18に対する電力投入量も急激な上昇を示している。このような急峻なPI制御を行う場合には、積分ゲインKiを小さく設定することが有利である。一方、積分ゲインKiの値が小さい場合には、ウェハ30の温度が指令値に対してオーバーシュートやハンチングといった現象が生ずる可能性が高まるため、これを防止する制御が必要となる。図5に示すシミュレーションでは、加熱開始後約1秒を境に冷媒による冷却作用で隔離板26を冷却し、ウェハ30の温度がオーバーシュートすることを防止している。この時、誘導加熱コイル18に対する電力の投入を零としていないにも関わらず隔離板26の温度勾配が大きく傾いていることからも、冷媒による冷却作用の大きさを読み取ることができる。
上記のようにしてウェハの温度勾配を指令値に合わせ込むフィードバック制御および隔離板26の温度が設定値を満足するための電力制御を、ウェハ30が目標値に到達するまで行う。
ウェハ30の目標値を500℃、昇温時の指令値を75℃/sとした場合、ウェハ30の温度が常温から目標値に到達するまでには約7秒かかることとなる。そして、目標値到達以降の指令値は−50℃/sでの降温処理ということになる。このため、図5に示すシミュレーションでは、目標温度到達後のオーバーシュートを防止するための制御が成されている。具体的には、ウェハ30が目標温度に到達する約1秒前に、熱媒体としての隔離板26の設定温度を急激に降温させているのである。
また、上記誘導加熱装置10を用いてウェハ30の冷却を行う場合には、冷媒による冷却作用を利用して急速冷却を行うこととなるが、過冷却が生じた場合には、誘導加熱により冷却率を調整するようにすることができる。このような降温工程においても、上記のようなフィードバック制御を実行することで、ウェハ30に対して、所望する温度勾配を与えることが可能となる。
なお実際の昇降温工程では、誘導加熱コイル18の形状や大きさ、および放射熱の影響等を受けて、グラファイト24に局所的な高温部や低温部が生じ、これによって隔離板26にも同様な温度勾配が生ずることがある。このため、上記構成の誘導加熱装置10では、各誘導加熱コイル18に対する電力の投入量を微調整し、グラファイト24の主面における温度分布の均熱化を図り、隔離板26全体の昇降温制御を行うこととなる。
上記実施形態では、ウェハは、点または線による軟接触により支持する旨記載した。しかしながらウェハは、ガスの噴出等により隔離板から浮上させるような構成(非接触)としても良い。つまり、本実施形態の誘導加熱装置は、ウェハを、隔離板に対して点接触または線接触、あるいは浮上させることにより、隔離板とウェハとの間に介在される気体層の占有面積を増加させる構成を採るものであれば良いということになる。また、上記実施形態において冷媒は、誘導加熱コイル18の内部に流し込む旨記載した。しかしながら冷媒の流し込み経路は、誘導加熱コイル18の配置形態に沿ったものであれば良く。誘導加熱コイル18とは別に設けた配管としても良い。この際、熱媒体を通す配管は、セラミックス等の耐熱性非導電性物質により構成することで、誘導加熱コイル18との間での短絡等を防止することができる。
なお、上記実施例では、気体層29の厚みdを0.15mmとしているが、dは0.15mmから0.5mm程度としても、本発明の効果を奏することができる。
ここで、加熱・冷却ユニット14の構成部材であり、グラファイト24に近接して配置されるOリング15(図1中:15a〜15c)は、耐熱温度が300℃程度までと比較的低い。また、隔離板26押さえ14aによって、周縁部を押さえられた隔離板26は、グラファイト24を加熱した際、内面部と周縁部との間で温度差が生じた場合、内面部の膨張による力が周縁部に引っ張りの力として作用し、破損する虞がある。このため本実施形態に係る誘導加熱装置10では、最外に配置した誘導加熱コイル18fが処理対象とするウェハ30の外側に位置するように構成し、当該最外に配置した誘導加熱コイル18fをウェハ30の加熱処理とは別に加熱制御するようにしている。最外に配置した誘導加熱コイル18fによって加熱されるのは、図5に示すグラファイト24における最外の円状片である。図5に示すように、加熱対称とするグラファイト24の円状片は、その内部に配置された円状片と物理的に分割されているため、熱伝導による温度勾配の変化についての危惧は無い。
最外に配置された誘導加熱コイル18fによるグラファイト24の温度制御は、加熱の影響を最も受けるOリング15aの温度が300℃以下となるように、かつ隔離板26の周縁部と内面部との温度差が大きくならないように、加熱時においては300℃程度までの昇温を内部の誘導加熱コイル18と同様な電力制御で行い、熱処理温度が300℃を超える範囲では、隔離板周縁部の温度が300℃を超えないように電力制御を行う。また、冷却時においても、処理温度が300℃以上の範囲では、隔離板26の周縁部が300℃程度の温度を維持するように電力制御を行い、処理温度が300℃未満となった場合には、内部の誘導加熱コイルと18と同様に、給電を停止するなどの制御を行う。
このような構成、制御により、誘導加熱装置10の構成部材の劣化、破損等を防止することが可能となる。
次に、図6を参照して、本発明の誘導加熱装置に係る第2の実施形態について説明する。本実施形態に係る誘導加熱装置と、第1の実施形態に係る誘導加熱装置とは、その殆どの構成を同一としている。よって、その機能を同一とする箇所には図面に100を足した符号を付して、その詳細な説明は省略することとする。
本実施形態に係る誘導加熱装置110の特徴的な構成は、第2の断熱部材120であるカプトンと、第1の断熱部材122である石英との間に、均熱部材121を配置した点にある。第2の断熱部材120と第1の断熱部材122との間に均熱部材121を配置することにより、誘導加熱コイル118の配置形態による冷却時の温度ムラが、第1の断熱部材122に対して無くなることとなる。これにより、ウェハ130冷却時の均熱化を容易にできるようになる。
また、第1の断熱部材122を介して第2の断熱部材120へ伝達されるグラファイト124からの熱が均熱部材121により拡散されることとなる。これにより、第2の断熱部材120に伝達される温度を下げることができる。よって第1の断熱部材122から第2の断熱部材120へ伝達される温度が全範囲に亙り第2の断熱部材120の耐熱温度範囲内とに収めることができ、第2の断熱部材120の部分的劣化等を防止することができる。
よって、誘導加熱装置110に上記のような特徴を持たせることで、冷却時の均熱化、および耐久性に優れた誘導加熱装置とすることができる。
次に、上記実施形態の他、本発明の誘導加熱装置に含まれる誘導加熱装置の構成例について説明する。なお、以下に示す形態は、上記第1、第2の実施形態に係る誘導加熱装置に対し、加熱・冷却ユニットの構成を異ならせるものであるため、図面には、特に当該箇所のみを示し、構成例としての説明もこれに限定するものとする。また、図面に付する符号としては、第2の実施形態で使用した符号をそのまま使用し、各構成要素の詳細な説明は省略することとする。
まず、図7を参照して第1の構成例について説明する。上記第1、第2の実施形態では、誘導加熱コイル18,118とウェハ30,130との間には、少なくとも第2の断熱部材20,120、第1の断熱部材22,122、グラファイト24,124、隔離板26,126、および気体層29,129を設ける構成としていた。しかし、本発明の課題を解決し、発明の効果の項で述べた効果を奏するためには、図7に示すように、第2の断熱部材20,120を排除した加熱・冷却ユニット114を採用しても良い。
また、さらに誘導加熱装置の構成を簡略化したい場合には、図8に示すように、均熱部材121を排除した形態としても良い。第1の断熱部材122における反りの影響が少ない場合には、このような構成例を採用した場合であっても、発明の効果を奏することができ、本発明の一部とみなすことができる。
さらに極端な構成例としては、図9に示すように、図8に示す形態から、隔離板126と第1の断熱部材122を排除したものを挙げることができる。隔離板126は、プロセス室150へのコンタミの侵入や、プロセス室150とコイル室152との気体圧力差を生じさせるための構成であるため、誘導加熱という側面から装置を見た場合、ウェハ130の加熱に直接的に寄与する構成では無い。また、隔離板126を排除することによれば、熱源となるグラファイト124とウェハ130との距離を近づけることが可能となるため、熱伝達の効率が向上し、加熱または冷却時における反応性が向上すると考えられる。
また、第1の断熱部材122は、グラファイト124の加熱に伴う誘導加熱コイル118の過熱、劣化を防止するための構成である。しかし、誘導加熱コイル118が十分な耐熱性を有しており、また加熱温度がそれほど高く無い場合などでは、当該グラファイト124からの熱の影響を受けることが無くなる。よって、当該第1の断熱部材122を排除した場合であっても、本発明の一部とみなすことができる。すなわち、誘導加熱コイル18に対して、グラファイト124を押し付けた状態で加熱冷却を行うことができれば、本発明の効果を奏することができるのである。
また、上記実施形態では、従来技術の項より、被処理部材についてウェハとし、当該ウェハは半導体であるように示しているが、本発明における被処理部材は、液晶材料や、太陽電池材料、燃料電池材料等、熱処理を必要とする様々なものを含むこととする。さらに、上記実施形態では、熱処理温度は500℃以下であるように記載したが、1000℃以上での熱処理にも対応させることができる。
なお、上記実施形態では、ウェハ30と隔離板26との間には、気体層を設ける旨記載したが、熱伝達の効率の向上のみを考慮した場合には、両者を密着させた状態で熱処理を行うようにしても良い。
第1の実施形態に係る誘導加熱装置の構成を示す図である。 電力制御ユニットに設けた接地端子の位置を示す等価回路図である。 断熱部材の構成を示す平面図である。 グラファイトの構成を示す平面図である。 実施形態に係る誘導加熱装置を用いたウェハの急速昇降温の様子を示すグラフである。 第2の実施形態に係る誘導加熱装置の構成を示す図である。 本発明の一部とみなすことができる誘導加熱装置の構成例を示す図である。 図7に示す誘導加熱装置の構成例から、均熱部材を排除した場合の構成例を示す図である。 図8に示す誘導加熱装置の構成例から、隔離板と第1の断熱部材を排除した場合の構成例を示す図である。
符号の説明
10………誘導加熱装置、12………ケーシング、13………熱処理炉、14………加熱・冷却ユニット、16………ステージ、18(18a〜18f)………誘導加熱コイル、20………低温断熱部材、22………断熱部材(高温断熱部材)、24………グラファイト、26………隔離板、28………サセプタ、29………気体層、30………ウェハ、32………電力制御ユニット、34(34a〜34f)………共振型インバータ、36………順変換部、38………電源部、40………位相制御器、42(42a,42b)………接地端子、44(44a〜44f)………共振コンデンサ。

Claims (12)

  1. 少なくとも、内部に冷媒を挿通可能とする誘導加熱コイルと、被誘導加熱部材とを積層配置して誘導加熱を利用して被処理部材を熱処理する方法であって、
    前記誘導加熱コイルと前記被誘導加熱部材を配置するコイル室と、前記被処理部材を配置するプロセス室とを隔てる隔離板により前記被誘導加熱部材を前記誘導加熱コイル側へ押圧することで、積層配置された部材を密着させて熱処理を行うことを特徴とする誘導加熱を用いた熱処理方法。
  2. 少なくとも、内部に冷媒を挿通可能とする誘導加熱コイルと、当該誘導加熱コイルに密接させた被誘導加熱部材とを備えるコイル室と、加熱対象とする被処理部材を配置するためのプロセス室とを有する誘導加熱装置であって、
    前記被誘導加熱部材に密接し、前記コイル室と前記プロセス室とを隔てる隔離板を備え、
    前記プロセス室の気体圧力よりも前記コイル室の気体圧力を低くすることで前記隔離板により前記被誘導加熱部材を前記誘導加熱コイル側へ押圧したことを特徴とする誘導加熱装置。
  3. 前記コイル室に、密接配置された各部材の接触熱抵抗低減させるガスを充填したことを特徴とする請求項2に記載の誘導加熱装置。
  4. 前記ガスは、ヘリウムガス、または水素ガスとしたことを特徴とする請求項3に記載の誘導加熱装置。
  5. 前記誘導加熱コイルと前記被誘導加熱部材との間に、前記誘導加熱コイルと前記被誘導加熱部材との双方に密接させた第1の断熱部材を設けたことを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか1に記載の誘導加熱装置。
  6. 前記第1の断熱部材を複数の個片に分割したことを特徴とする請求項5に記載の誘導加熱装置。
  7. 前記誘導加熱コイルと前記第1の断熱部材との間には、前記第1の断熱部材よりも熱伝導率の高い均熱部材を密接配置したことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の誘導加熱装置。
  8. 前記誘導加熱コイルと前記均熱部材との間に、前記第1の断熱部材よりも熱容量が小さい第2の断熱部材を密接配置したことを特徴とする請求項7に記載の誘導加熱装置。
  9. 前記誘導加熱コイルは、近接させて複数配置し、各誘導加熱コイルに対して、投入電力の調整を可能とした電力制御ユニットを備えたことを特徴とする請求項2乃至請求項8のいずれか1に記載の誘導加熱装置。
  10. 前記電力制御ユニットと接続されている前記誘導加熱コイルを接地して、対地間および隣接する誘導加熱コイル間電圧を低減したことを特徴とする請求項9に記載の誘導加熱装置。
  11. 前記隔離板と前記被処理部材との間に気体層を介在させたことを特徴とする請求項2乃至請求項10のいずれか1に記載の誘導加熱装置。
  12. 前記隔離板に対して前記被処理部材を密接させる構成としたことを特徴とする請求項2乃至請求項10のいずれか1に記載の誘導加熱装置。
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