JP5031960B2 - 基板処理装置および半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板処理装置に関し、特に、二台以上のボートが使用される基板処理装置に係り、例えば、半導体装置の製造方法において半導体素子を含む半導体集積回路が作り込まれる基板としての半導体ウエハ(以下、ウエハという。)にアニール処理や酸化膜形成処理、拡散処理および成膜処理等の熱処理を施すのに利用して有効なものに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の製造方法においてウエハにアニール処理や酸化膜形成処理、拡散処理および成膜処理等の熱処理を施すのにバッチ式縦形ホットウオール形熱処理装置 (furnace 。以下、熱処理装置という。)が、広く使用されている。
【0003】
従来のこの種の熱処理装置として、特許第2681055号公報に記載されているものがある。この熱処理装置においては、ウエハ移載装置とプロセスチューブの真下空間との間にボート交換装置が配置されており、ボート交換装置の回転テーブルの上に一対(二台)のボートが載置され、回転テーブルを中心として一対のボートが180度ずつ回転することにより、未処理のボートと処理済みのボートとが交換されるようになっている。すなわち、この熱処理装置においては、ウエハ群を保持した一方のボート(第一ボート)がプロセスチューブの処理室で処理されている間に、他方のボート(第二ボート)に新規のウエハをウエハ移載装置によって移載されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記した熱処理装置においては、ボートの交換に際して、ボートと回転テーブルおよびボートエレベータのシールキャップとの間で位置合わせされるため、次のような問題点がある。石英や炭化シリコン(SiC)によって成形されたボートの底面に位置合わせのための位置決め部が一体成形されるために、高価なボートがより一層高価になってしまう。
【0005】
また、位置合わせ時には、ボート側の位置合わせ部と回転テーブルおよびシールキャップ側の位置合わせ部とが擦れ合うために、位置合わせ部同士が摩耗したり損傷したりする危惧がある。ボート側の位置決め部が摩耗または損傷すると、ボート全体を更新する必要があるため、基板処理装置のランニングコストの増加を招いてしまう。
【0006】
本発明の目的は、製造コストやランニングコストを低減することができる基板処理装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る基板処理装置は、基板をボートによって支持した状態で処理するプロセスチューブに対して前記ボートが搬入搬出される処理ステージと、この処理ステージから離間した位置に設定された待機ステージと、この待機ステージの前記ボートに対して前記基板を装填および脱装する基板移載装置と、前記ボートを前記処理ステージと前記待機ステージとの間で搬送するボート搬送装置とを備えている基板処理装置において、
前記ボートはボート載置板に載置された状態で前記ボート搬送装置によって搬送されることを特徴とする。
【0008】
前記した手段によれば、ボートと別体になったボート載置板に位置合わせ部を形成することにより、ボートに位置合わせ部を一体的に形成する場合に比べて製造コストを大幅に低減することができる。また、ボート載置板に位置合わせ部を形成することにより、万一、位置合わせ部が摩耗したり損傷したりしてもボート全体を更新せずにボート載置板を更新すれば済むため、基板処理装置のランニングコストの増加を防止することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面に即して説明する。
【0010】
本実施の形態において、本発明に係る基板処理装置は、バッチ式縦形ホットウオール形拡散・CVD装置(以下、CVD装置という。)として構成されており、ウエハにアニール処理や酸化膜形成処理、拡散処理および成膜処理等の拡散・CVD処理を施すのに使用される。なお、以下の説明において、前後左右は図1を基準とする。すなわち、ポッドステージ8側を前側、その反対側を後側、クリーンユニット3側を左側、その反対側を右側とする。
【0011】
図1に示されているように、本実施の形態に係るCVD方法が実施されるCVD装置1は、平面視が長方形の直方体の箱形状に形成された筐体2を備えている。筐体2の左側側壁にはクリーンユニット3が設置されており、クリーンユニット3は筐体2の内部にクリーンエアを供給するようになっている。筐体2の内部における後部の略中央には熱処理ステージ4が設定され、熱処理ステージ4の左脇の前後には空のボートを仮置きして待機させる待機ステージ(以下、待機ステージという。)5および処理済みボートを仮置きして冷却するステージ(以下、冷却ステージという。)6が設定されている。筐体2の内部における前部の略中央にはウエハ移載ステージ7が設定されており、その手前にはポッドステージ8が設定されている。ウエハ移載ステージ7の左脇にはノッチ合わせ装置9が設置されている。以下、各ステージの構成を順に説明する。
【0012】
図2に示されているように、熱処理ステージ4の上部にはプロセスチューブ11が、中心線が垂直になるように縦に配されている。図3に示されているように、プロセスチューブ11は互いに同心円に配置されたアウタチューブ12とインナチューブ13とを備えており、アウタチューブ12は石英ガラスが使用されて上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に一体成形されており、インナチューブ13は石英ガラスまたは炭化シリコンが使用されて上下両端が開口された円筒形状に形成されている。インナチューブ13の筒中空部はボートによって同心的に整列した状態に保持された複数枚のウエハが搬入される処理室14を形成しており、インナチューブ13の下端開口は被処理基板としてのウエハを出し入れするための炉口を構成している。
【0013】
プロセスチューブ11の下端にはマニホールド15が配設されており、マニホールド15が筐体2に支持されることにより、プロセスチューブ11は垂直に支持された状態になっている。マニホールド15の側壁の一部には排気管16が処理室14に連通するように接続されており、排気管16の他端は処理室14を所定の真空度に真空排気するための真空排気装置(図示せず)に接続されている。マニホールド15の側壁の他の部分にはガス導入管17が処理室14に連通するように接続されており、ガス導入管17の他端は原料ガスや窒素ガス等のガスを供給するためのガス供給装置(図示せず)に接続されている。
【0014】
プロセスチューブ11の外部にはヒータユニット18がプロセスチューブ11を包囲するように同心円に設備されており、ヒータユニット18は筐体2に支持されることにより垂直に据え付けられた状態になっている。ヒータユニット18はプロセスチューブ11の内部を全体にわたって均一に加熱するように構成されている。
【0015】
熱処理ステージ4におけるプロセスチューブ11の真下には、プロセスチューブ11の外径と略等しい円盤形状に形成されたシールキャップ20が同心的に配置されており、シールキャップ20は送りねじ機構によって構成されたボートエレベータ19により垂直方向に昇降されるようになっている。シールキャップ20の中心線上には回転軸21が垂直方向に挿通されて軸受装置22によって回転自在に支承されているとともに、メカニカルシール23によって気密封止されている。回転軸21はシールキャップ20の下面に据え付けられたロータリーアクチュエータ24によって回転駆動されるように構成されている。回転軸21の上端にはボート30を垂直に立脚して支持する受け台25が水平に固定されている。
【0016】
図4および図5に示されているように、受け台25の上面には断面が逆台形の細長い溝形状に形成された位置合わせ溝26が三条、受け台25の上面の中心点を中心にして放射状(略Y字形状)に配置されて没設されており、各位置合わせ溝26は後記するボート載置板35の下面に突設された三個の位置合わせピン37をそれぞれ嵌入し得るように形成されている。受け台25の上面には円形で一定深さの逃げ穴27が同心円に没設されており、逃げ穴27の底面には受け台25の上にボート30が有るかを検出するボート有無検出部(以下、有無検出部という。)28と、受け台25の上に乗ったボート30を識別するためのボート識別用検出部(以下、識別用検出部という。)29とが装備されている。有無検出部28および識別用検出部29は後記するボート載置板35の下面に突設された被検出子をリミットスイッチ等によって検出するように構成されており、その検出結果をCVD装置1のコントローラ(図示せず)に送信するようになっている。
【0017】
本実施の形態において、ボート30は二台が交互にシールキャップ20に乗せられて支持され、プロセスチューブ11に搬入搬出されるようになっている。二台のボート30、30は設計的には同一に構成されているが、例えば、加工誤差や組立誤差およびエッチング処理による洗浄等による個体差を備えている。但し、二台のボート30、30は設計的には同一に構成されているので、二台のボートを区別して説明する必要がある場合を除いて、一方を代表として説明する。
【0018】
図2〜図5に示されているように、ボート30は上下で一対の端板31および32と、両端板31、32間に垂直に配設された複数本(本実施の形態では三本)の保持部材33とを備えており、各保持部材33には複数条の保持溝34が長手方向に等間隔に配されて互いに同一平面内において開口するようにそれぞれ刻設されている。そして、ウエハWは複数条の保持溝34間に外周辺部が挿入されることにより、水平にかつ互いに中心を揃えた状態に整列されてボート30に保持されるようになっている。
【0019】
図4および図5に詳示されているように、ボート30の下側端板32の下面にはボート載置板35が着脱自在に当接されている。ボート載置板35はセラミックや樹脂等の非金属材料が使用されて、下側端板32の外径と等しい外径の円板形状に形成されている。ボート載置板35の下面には円形リング形状の当接部36が突設されており、当接部36の外径はシールキャップ20の受け台25の外径と等しく設定され、その内径は受け台25の逃げ穴27の内径と等しく設定されている。ボート載置板35の下面における当接部36の外側には後記するボート搬送装置40のアームが挿入されるスペースが形成されており、当接部36の外周面によってアームを係合するための係合部が構成されている。
【0020】
ボート載置板35の下面には三本の位置合わせピン37がボート載置板35の下面の中心点を中心にした同心円上で周方向に等間隔に配置されて垂直方向下向きに突設されており、各位置合わせピン37は受け台25の上面に没設された三条の位置合わせ溝26にそれぞれ嵌入し得るように形成されている。すなわち、三個の位置合わせピン37は位置合わせ溝26の逆台形に対応した錐面を有する台形円錐形状にそれぞれ形成されており、ボート30の下面の中心点を中心にした同心円上において三条の位置合わせ溝26に嵌入するように周方向に等間隔である120度置きにそれぞれ配置されている。ボート載置板35の当接部36の内径内の底面には受け台25の有無検出部28に対応した有無被検出子38と、識別用検出部29に対応した識別用被検出子39とが垂直方向下向きに突設されている。なお、本実施の形態において、有無被検出子38および識別用被検出子39はボルトによって構成されている。
【0021】
図1に示されているように、待機ステージ5と冷却ステージ6との間にはボート30を熱処理ステージ4と待機ステージ5および冷却ステージ6との間で移送するボート搬送装置40が設備されている。図6に示されているように、ボート搬送装置40はスカラ形ロボット(selective compliance assembly robot arm 。SCARA)によって構成されており、水平面内で約90度ずつ往復回動する一対の第一アーム41および第二アーム42を備えている。第一アーム41および第二アーム42はいずれも円弧形状に形成されており、ボート30の下面に当接されたボート載置板35の当接部36の外側に挿入された状態で当接部36の外周面に係合することにより、ボート載置板35を介してボート30全体を垂直に支持し得るように構成されている。
【0022】
図1および図6に示されているように、待機ステージ5にはボート30を垂直に支持する待機台43が設置されており、ボート搬送装置40の第一アーム41はボート30を待機台43と熱処理ステージ4のシールキャップ20との間で搬送するように構成されている。冷却ステージ6には冷却台44が設置されており、第二アーム42はボート30を冷却台44と熱処理ステージ4のシールキャップ20との間で搬送するように構成されている。待機台43、冷却台44の上面には位置合わせ溝45、45がシールキャップ20の受け台25の位置合わせ溝26と同様の構成に没設されているとともに、有無検出部46、46および識別用検出部47、47がそれぞれ装備されている。
【0023】
図1および図2に示されているように、ウエハ移載ステージ7にはウエハ移載装置50が設置されており、ウエハ移載装置50はウエハWをポッドステージ8とノッチ合わせ装置9と待機ステージ5との間で搬送して、ポッド60とノッチ合わせ装置9とボート30との間で着脱するように構成されている。すなわち、ウエハ移載装置50はベース51を備えており、ベース51の上にはロータリーアクチュエータ52が水平に設置されている。ロータリーアクチュエータ52の上には第一リニアアクチュエータ53が水平に設置されており、ロータリーアクチュエータ52は第一リニアアクチュエータ53を水平面内で旋回させるように構成されている。第一リニアアクチュエータ53の上には第二リニアアクチュエータ54が水平に設置されており、第一リニアアクチュエータ53は第二リニアアクチュエータ54を往復移動させるように構成されている。第二リニアアクチュエータ54の上には取付台55が水平に設置されており、第二リニアアクチュエータ54は取付台55を往復移動させるように構成されている。取付台55の一側面にはウエハWを下から支持するツィーザ56が複数枚(本実施の形態においては五枚)、上下方向に等間隔に配置されて水平に取り付けられている。ウエハ移載装置50のベース51は送りねじ機構によって構成されたエレベータ57によって昇降されるようになっている。
【0024】
ポッドステージ8にはウエハWを搬送するためのキャリア(収納容器)としてのFOUP(front opening unified pod 。以下、ポッドという。)60が一台ずつ載置されるようになっている。ポッド60は一つの面が開口した略立方体の箱形状に形成されており、開口部にはドア61が着脱自在に装着されている。ウエハのキャリアとしてポッドが使用される場合には、ウエハが密閉された状態で搬送されることになるため、周囲の雰囲気にパーティクル等が存在していたとしてもウエハの清浄度は維持することができる。したがって、CVD装置が設置されるクリーンルーム内の清浄度をあまり高く設定する必要がなくなるため、クリーンルームに要するコストを低減することができる。そのため、本実施の形態に係るCVD装置1においては、ウエハのキャリアとしてポッド60が使用されている。なお、ポッドステージ8にはポッド60のドア61を着脱することによってポッド60を開閉するポッドオープナ62が設置されている。
【0025】
以下、前記構成に係るCVD装置におけるボートの運用方法を説明する。
【0026】
ボート載置板35に載置された状態で、一方のボート(以下、第一ボート30Aとする。)が待機ステージ5の待機台43にボート搬送装置40によって搬送されて載置される。待機台43に載せられた第一ボート30Aにはポッドステージ8のポッド60に収納されたウエハWがウエハ移載装置50によって装填(チャージング)される。すなわち、図1および図2に示されているように、第一ボート30Aが待機ステージ5の待機台43にボート搬送装置40によって搬送されて載置される。他方、図1に示されているように、複数枚のウエハWが収納されたポッド60はポッドステージ8に供給され、図2に示されているように、ポッド60はドア61をポッドオープナ62によって外されて開放される。
【0027】
ここで、第一ボート30Aが待機台43にボート載置板35を介して載置されると、ボート載置板35に突設された三個の位置合わせピン37が待機台43に放射状に没設された三条の位置合わせ溝45にそれぞれ嵌入するため、第一ボート30Aは待機台43に正確に軸心合わせされるとともに、向きが予め指定された方向を向いた状態になる。すなわち、第一ボート30Aの三本の保持部材33が規定するウエハ挿入方向の向きはウエハ移載装置50のツィーザ56の進退方向と正確に一致した状態になる。したがって、ウエハ移載装置50による装填作業は適正に実行されることになる。
【0028】
また、待機台43においては有無検出部46および識別用検出部47がボート載置板35の有無被検出子38および識別用被検出子39を検出した状態になるため、コントローラは第一ボート30Aが待機台43の上に有ると判断する。そして、コントローラは第一ボート30Aに対応した制御条件をもってウエハ移載装置50を制御する。第一ボート30Aに対応した制御条件としては、例えば、ウエハWを保持するための保持溝34のピッチや三方向の保持溝34が規定する中心点がある。
【0029】
待機ステージ5にて指定の枚数のウエハWが第一ボート30Aに装填されると、第一ボート30Aは待機台43からボート搬送装置40の第一アーム41によってボート載置板35を介してピックアップされる。すなわち、第一アーム41は第一ボート30Aのボート載置板35の当接部36の外側に挿入してボート載置板35の下面に下から係合することによって第一ボート30Aを垂直に支持した状態となる。第一ボート30Aをピックアップした第一アーム41は約90度回動することによって、第一ボート30Aを待機ステージ5から熱処理ステージ4へ搬送し、シールキャップ20の受け台25の上に受け渡す。
【0030】
シールキャップ20の受け台25にも位置合わせ溝26、有無検出部28および識別用検出部29が待機台43と同様に配設されているため、ボート載置板35を介して受け台25に載置された第一ボート30Aは正確に位置合わせされ、有無を確認されるとともに識別されることになる。そして、コントローラは第一ボート30Aに対応した制御条件を温度制御サブコントローラ、圧力制御サブコントローラおよびガス制御サブコントローラ等に指令する。
【0031】
シールキャップ20の受け台25に垂直に支持された第一ボート30Aはボートエレベータ19によって上昇されて、図3に示されているように、プロセスチューブ11の処理室14に搬入される。第一ボート30Aが上限に達すると、シールキャップ20の上面の外周辺部がマニホールド15の下面に着座した状態になってマニホールド15の下端開口をシール状態に閉塞するため、処理室14は気密に閉じられた状態になる。
【0032】
処理室14がシールキャップ20によって気密に閉じられると、処理室14が所定の真空度に排気管16によって真空排気され、ヒータユニット18によって所定の処理温度(例えば、800〜1000℃)をもって全体にわたって均一に加熱される。処理室14の温度が安定すると、処理ガスが処理室14にガス導入管17を通じて所定の流量供給される。これらによって、所定のCVD膜がウエハWに形成される。
【0033】
この第一ボート30Aに対する成膜処理の間に、ボート載置板35に載置された状態で、他方のボート(以下、第二ボート30Bとする。)が待機ステージ5の待機台43の上にボート搬送装置40によって移載され、ポッド60のウエハWが第二ボート30Bにウエハ移載装置50によって装填される。この際も、第二ボート30Bのボート載置板35に突設された三個の位置合わせピン37が待機台43に放射状に没設された三条の位置合わせ溝45にそれぞれ嵌入するため、第二ボート30Bは待機台43に正確に軸心合わせされるとともに、向きが予め指定された方向を向いた状態になる。つまり、ウエハ移載装置50によるウエハWの第二ボート30Bへの装填作業は適正に実行される。
【0034】
ここで、第二ボート30Bのボート載置板35には識別用検出部47に対応した識別用被検出子39が取り付けられていないため、待機台43の有無検出部46は有無被検出子38を検出するが、識別用検出部47は識別用被検出子39を検出しない。その結果、コントローラは第二ボート30Bが待機台43の上に有ると判断する。そして、コントローラは第二ボート30Bに対応した制御条件をもってウエハ移載装置50を制御する。
【0035】
翻って、第一ボート30Aに対するプロセスチューブ11での所定の処理時間が経過すると、第一ボート30Aを支持したシールキャップ20がボートエレベータ19によって下降されて、第一ボート30Aがプロセスチューブ11の処理室14から搬出される。プロセスチューブ11の処理室14から搬出された第一ボート30A(保持されたウエハW群を含む)は高温の状態になっている。
【0036】
続いて、処理室14から搬出された高温状態の処理済みの第一ボート30Aはボート載置板35に載置された状態で、プロセスチューブ11の軸線上の熱処理ステージ4から冷却ステージ6へ、ボート搬送装置40の第二アーム42によって直ちに移送されて載置される。この際、第二アーム42は処理済みの第一ボート30Aのボート載置板35の当接部36の外側に挿入して下から垂直に支持し、第一ボート30Aをボート載置板35を介して約90度回動することにより、第一ボート30Aを熱処理ステージ4のシールキャップ20の受け台25の上から冷却ステージ6の冷却台44の上へ搬送し受け渡す。
【0037】
ここで、冷却台44にも位置合わせ溝45、有無検出部46および識別用検出部47が待機台43と同様に配設されているため、冷却台44に移載された第一ボート30Aは正確に位置合わせされ、有無を確認されるとともに識別されることになる。
【0038】
そして、冷却ステージ6はクリーンユニット3のクリーンエア吹出口の近傍に設定されているため、冷却ステージ6の冷却台44に移載された高温状態の第一ボート30Aはクリーンユニット3の吹出口から吹き出すクリーンエアによってきわめて効果的に冷却される。
【0039】
冷却台44において例えば150℃以下に冷却された第一ボート30Aは、ボート搬送装置40によって熱処理ステージ4を経由して待機ステージ5に移送される。待機台43に移載されると、第一ボート30Aの三本の保持部材33はウエハ移載装置50側が開放した状態になる。
【0040】
第一ボート30Aが待機台43に戻されると、ウエハ移載装置50は待機台43の第一ボート30Aから処理済みのウエハWを受け取って(ディスチャージングして)、ポッドステージ8のポッド60に収納して行く。この際も、第一ボート30Aのボート載置板35に突設された三個の位置合わせピン37が待機台43に放射状に没設された三条の位置合わせ溝45にそれぞれ嵌入するため、第一ボート30Aは待機台43に正確に軸心合わせされるとともに、向きが予め指定された方向を向いた状態になる。したがって、ウエハ移載装置50による第一ボート30Aからポット60へのウエハのディスチャージ作業は適正に実行されることになる。また、有無検出部46および識別用検出部47がボート載置板35の有無被検出子38および識別用被検出子39を検出するため、コントローラは第一ボート30Aに対応した制御条件をもってウエハ移載装置50を制御する。
【0041】
全ての処理済みウエハWがポッド60に戻されると、待機台43の上の第一ボート30Aには、次に処理すべき新規のウエハWがウエハ移載装置50によって装填されて行く。
【0042】
以降、前述した作用が第一ボート30Aと第二ボート30Bとの間で交互に繰り返されることにより、多数枚のウエハWがCVD装置1によってバッチ処理されて行く。
【0043】
前記実施の形態によれば、次の効果が得られる。
【0044】
1) ボートと別体になったボート載置板に位置合わせピンを突設することにより、ボートに位置合わせピンを一体的に形成する場合に比べてボートひいてはCVD装置の製造コストを大幅に低減することができる。
【0045】
2) ボート載置板に位置合わせピンを形成することにより、万一、位置合わせピンが摩耗したり損傷したりしてもボート全体を更新せずにボート載置板を更新すれば済むため、CVD装置のランニングコストの増加を防止することができる。
【0046】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変更が可能であることはいうまでもない。
【0047】
例えば、ボート載置板側に位置合わせピンを配設するに限らず、位置合わせ溝を配設してもよい。また、位置合わせ部としては溝とピンとの組合わせを使用するに限らない。
【0048】
ボート識別用検出部は、待機ステージ、冷却ステージおよび熱処理ステージにそれぞれ配設するに限らず、ウエハ移載作業が実施されるステージ(前記実施の形態においては待機ステージ)に少なくとも配設すればよい。また、ボート識別用検出部をボート搬送装置のアームにも配設することにより、ボート搬送途中においてもボートの所在場所を認識することができる。
【0049】
本発明はCVD装置に限らず、アニール装置や酸化膜形成装置、拡散装置および成膜装置等の基板処理装置全般に適用することができる。
【0050】
前記実施の形態ではウエハに処理が施される場合について説明したが、被処理基板はホトマスクやプリント配線基板、液晶パネル、コンパクトディスクおよび磁気ディスク等であってもよい。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、基板処理装置の製造コストやランニングコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であるCVD装置を示す平面断面図である。
【図2】その斜視図である。
【図3】熱処理ステージの処理中を示す一部省略縦断面図である。
【図4】シールキャップのボート支持状態を示す部分断面図である。
【図5】その分解斜視図である。
【図6】ボート搬送装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
W…ウエハ(基板)、1…CVD装置(基板処理装置)、2…筐体、3…クリーンユニット、4…熱処理ステージ、5…待機ステージ、6…冷却ステージ、7…ウエハ移載ステージ、8…ポッドステージ、9…ノッチ合わせ装置、11…プロセスチューブ、12…アウタチューブ、13…インナチューブ、14処理室、15…マニホールド、16…排気管、17…ガス導入管、18…ヒータユニット、19…ボートエレベータ、20…シールキャップ、21…回転軸、22…軸受装置、23…メカニカルシール、24…ロータリーアクチュエータ、25…受け台、26…位置合わせ溝、、27…逃げ穴、28…ボート有無検出部、29…ボート識別用検出部、30…ボート、30A…第一ボート、30B…第二ボート、31…上側端板、32…下側端板、33…保持部材、34…保持溝、35…ボート載置板、36…当接部、37…位置合わせピン、38…有無被検出子、39…識別用被検出子、40…ボート搬送装置、41…第一アーム、42…第二アーム、43…待機台、44…冷却台、45…位置合わせ溝、46…有無検出部、47…識別用検出部、50…ウエハ移載装置、51…ベース、52…ロータリーアクチュエータ、53…第一リニアアクチュエータ、54…第二リニアアクチュエータ、55…取付台、56…ツィーザ、57…エレベータ、60…ポッド、61…ドア、62…ポッドオープナ。
Claims (3)
- 基板をボートによって支持した状態で処理するプロセスチューブに対して前記ボートが搬入搬出される処理ステージと、
この処理ステージから離間した位置に設定された待機ステージと、
この待機ステージの前記ボートに対して前記基板を装填および脱装する基板移載装置と、
前記ボートに着脱自在に当接されるボート載置板と、
前記ボート載置板に載置された前記ボートを前記ボート載置板を介して支持しつつ、水平面内で往復回動するアームによって前記処理ステージと前記待機ステージとの間で搬送するボート搬送装置と、
を備えていることを特徴とする基板処理装置。 - 前記ボート載置板には、前記ボート載置板に載置された前記ボートを前記処理ステージ若しくは前記待機ステージに載置する際に、前記処理ステージ若しくは前記待機ステージ載置に対する前記ボート載置板の載置位置を合わせする位置合わせ部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
- 処理ステージから離間した位置に設定された待機ステージでボートに着脱自在に当接されるボート載置板に載置されたボートに対して基板移載装置が基板を装填する工程と、
ボート搬送装置が前記ボート載置板に載置された状態の前記ボートを前記ボート載置板を介して支持しつつ、水平面内で往復回動するアームによって前記待機ステージから前記処理ステージに搬送する工程と、
前記処理ステージで前記ボート載置板に載置された前記ボートによって支持した状態で基板を処理室へ搬入し、該処理室で前記基板を処理する工程と、
を有する半導体装置の製造方法。
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