JP5030610B2 - 抗ウイルスタンパク質遺伝子ノックダウンによる有用タンパク質高発現カイコおよびその利用 - Google Patents
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Description
(1)Anti-Viral Protein (AVP) の発現または抗ウイルス活性が抑制された、カイコ形質転換体、
(2)Anti-Viral Proteinをコードする遺伝子に対してRNAi効果を有するRNA分子をコードするDNAを発現可能に保持することを特徴とする、上記(1)に記載のAnti-Viral Protein の発現が抑制されたカイコ形質転換体、
(3)前記RNAi効果を有するRNA分子をコードするDNAが、ヘアピン構造型のRNA分子をコードするDNAである、上記(2)に記載のカイコ形質転換体、
(4)前記ヘアピン構造型のRNA分子をコードするDNAが、Anti-Viral Protein遺伝子をコードするmRNAのいずれかの領域をコードするセンスコードDNAと、該センスDNAと相補的なDNAとを、リンカーを挟んで対向するように連結させたDNAである、上記(3)のカイコ形質転換体、
(5)前記RNAi効果を有するRNA分子が、配列番号:1に記載の塩基配列からなるDNAがコードするmRNAの、配列番号:1における第28位から第614位に相当する塩基配列のいずれかの部位を切断する、上記(2)から(4)のいずれかに記載のカイコ形質転換体、
(6)前記センスコードDNAが、以下の(a)または(b)に記載の塩基配列を含む、上記(4)または(5)に記載のカイコ形質転換体
(a)配列番号:1に記載の塩基配列の第28位から第614位に記載の塩基配列
(b)配列番号:1に記載の塩基配列の第28位から第614位において、1若しくは複数の塩基が置換、欠失、挿入、および/または付加した塩基配列、
(7)前記ヘアピン構造型のRNA分子をコードするDNAが、以下(a)に記載の塩基配列に以下(b)に記載の塩基配列が逆位に連結された塩基配列からなる、上記(3)から(6)のいずれかに記載のカイコ形質転換体
(a)配列番号:1記載の塩基配列の28番目から736番目までの塩基配列
(b)配列番号:1記載の塩基配列の28番目から614番目までの塩基配列の相補鎖、
(8)トランスジェニックカイコである、上記(1)から(7)のいずれかに記載のカイコ形質転換体、
(9)以下の(a)および(b)の工程を含む、タンパク質の製造方法
(a) Anti-Viral Proteinをコードする遺伝子の発現が抑制されたカイコに、プロモーターの下流に機能的に結合したタンパク質遺伝子を保持する組換えウイルスを感染させる工程
(b) 前記組換えウイルスに感染したカイコ由来形質転換体からタンパク質を回収する工程、
(10)以下の(a)から(d)の工程を含む、タンパク質の製造方法
(a) Anti-Viral Proteinをコードする遺伝子に対して、RNAi効果を有するRNA分子をコードするDNAを、カイコの卵に導入する工程
(b) 前記DNAが導入された卵から生じたカイコの中から、Anti-Viral Proteinをコードする遺伝子の発現が抑制されたトランスジェニックカイコを選抜する工程
(c) 前記トランスジェニックカイコに、プロモーターの下流に機能的に結合したタンパク質遺伝子を保持する組換えウイルスを感染させる工程
(d) 前記組換えウイルスに感染したカイコ由来形質転換体からタンパク質を回収する工程、
(11)前記RNAi効果を有するRNA分子が、配列番号:1に記載の塩基配列からなるDNAがコードするmRNAの、配列番号:1における第28位から第614位に相当する塩基配列のいずれかの部位を切断する、上記(10)に記載の製造方法、
(12)前記RNAi効果を有するRNA分子をコードするDNAが、ヘアピン構造型のRNA分子をコードするDNAである、上記(10)または(11)に記載の製造方法、
(13)前記ヘアピン構造型のRNA分子をコードするDNAが、抗ウイルス活性を有するペプチド遺伝子をコードするmRNAのいずれかの領域をコードするセンスコードDNAと、該センスDNAと相補的なDNAとを、リンカーを挟んで対向するように連結させたDNAである、上記(12)に記載の製造方法、
(14)前記センスコードDNAが、以下の(a)または(b)に記載の塩基配列を含む、上記(13)に記載の製造方法
(a)配列番号:1に記載の塩基配列の28番目から614番目までの塩基配列
(b)配列番号:1に記載の塩基配列の28番目から614番目までの塩基配列において、1若しくは複数の塩基が置換、欠失、挿入、および/または付加した塩基配列、
(15)前記ヘアピン構造型のRNA分子をコードするDNAが、以下(a)に記載の塩基配列に以下(b)に記載の塩基配列が逆位に連結された塩基配列からなる、上記(13)に記載の製造方法
(a)配列番号:1記載の塩基配列の28番目から736番目までの塩基配列
(b)配列番号:1記載の塩基配列の28番目から614番目までの塩基配列の相補鎖、
(16)下記(a)から(c)が挿入されたベクター、
(a)プロモーター
(b)Anti-Viral Protein遺伝子をコードするmRNAのいずれかの領域をコードするセンスコードDNAと、該センスコードDNAに相補的なDNAとが、リンカーを挟んで対向するように連結され、さらに前記(a)記載のプロモーターに機能的に結合されたDNA
(c)前記(a)記載のプロモーター及び(b)記載のDNAを挟むように配置された、トランスポゾンの2つの逆位末端反復配列、
(17)前記センスコードDNAが以下の(a)または(b)に記載の塩基配列を含む、上記(16)に記載のベクター
(a)配列番号:1に記載の塩基配列の28番目から614番目までの塩基配列
(b)配列番号:1に記載の塩基配列の28番目から614番目までの塩基配列において、1若しくは複数の塩基が置換、欠失、挿入、および/または付加した塩基配列、
(18)上記(16)または(17)に記載のベクターと、トランスポゾン転移酵素をコードするDNAを有するベクターとを含む、外来タンパク質生産量増強用キット。
具体的に説明すると、本発明のトランスジェニックカイコは、例えば、AVP遺伝子に対してRNAi効果を有するRNA分子をコードするDNAを作製し、該DNAをカイコの卵に導入し、該DNAが導入された卵から生じたカイコの中から、トランスジェニックカイコを選択することで製造できる。
例えば、トランスポゾンの逆位末端反復配列(Handler AM, McCombs SD, Fraser MJ, Saul SH.(1998) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 95(13):7520-5)の間に、AVP遺伝子を標的としたRNAi効果を有するRNA分子をコードするDNAが任意のプロモーターの下流に機能的に結合したDNAを挿入したベクターとともに、トランスポゾン転移酵素をコードするDNAを有するベクター(ヘルパーベクター)をカイコ卵に導入する。
また、本発明のプロモーターとして使用可能なプロモーターとして、例えば、SK18プロモーター、ヒートショックタンパク質遺伝子のプロモーター、細胞質アクチンやtRNA遺伝子のプロモーター等どの組織でも発現が期待されるプロモーターや転写制御系を利用したGAL4/UAS系などのヘテロなプロモーター系、脂肪体や中腸で特異的に発現する遺伝子のプロモーターなどを挙げることができるが、これらに限定されず、本発明のトランスジェニックカイコを作製可能な任意のプロモーターを使用できる。
本発明におけるトランスポゾンとしては、piggyBacが挙げられるが、これに限定されるものではなく、マリーナ(mariner)、ミノス (minos)等を用いることもできる(Shimizu, K., Kamba, M., Sonobe, H., Kanda, T., Klinakis, A. G., Savakis, C. and Tamura, T. (2000) Insect Mol. Biol., 9, 277-281;Wang W, Swevers L, Iatrou K.(2000) Insect Mol Biol 9(2):145-55)。
また、本発明では、バキュロウイルスベクターを使用することによりトランスジェニックカイコを作出することも可能である(Yamao, M., N. Katayama, H. Nakazawa, M. Yamakawa, Y. Hayashi et al., 1999, Genes Dev 13: 511-516)。
本発明において、「ほぼ垂直」とは、70°〜120°を意味し、好ましくは80°〜90°を意味する。本発明において、「将来的に生殖細胞になる位置」としては、通常、卵の腹側の卵表に近い位置(通常、卵表から0.01mm〜0.05mmの位置)であり、好ましくは、卵の腹側中央の卵表に近い位置でやや後極よりの位置である。
本発明のDNAの導入方法において、好ましい態様としては、上記のカイコ卵に物理的または化学的に穴を空け、DNA注入用の管を挿入角度が該卵の腹側の側面に対してほぼ垂直となるように該穴から卵内に挿入し、DNAを注入する工程を、針とDNA注入用の管が一体型となったマニュピュレーターを使用して行う。通常、該マニュピュレーターを構成要素の1つとする装置を使用して本発明は好適に実施される。
AGTC (センス鎖)
::::
TCAG (アンチセンス鎖)
である場合には、上記のセンスRNAをコードするDNA配列が、リンカーを挟んで、逆方向反復配列を形成した構造は、
AGTC-LLL-GACT
:::: ::::
TCAG-LLL-CTGA
と表わすことができる。(上記の「L」はリンカーの任意の塩基であり、「:」は水素結合を表す。)
本発明のリンカーを構成するDNAは、それに隣接する反復配列が水素結合をし得る限り、その長さは特に制限されないが、イントロンを含まない場合は通常、数塩基から100塩基程度であり、数十塩基が好ましい。
リンカーを構成するDNAの塩基配列は、特に限定されず、任意の配列とすることができる。また、上記のように逆方向反復配列間で水素結合を形成し得るものであれば、特にリンカーは必要とせず、リンカーを有しない場合であっても、本発明のDNAに含まれる。
また本発明において、RNA同士が対合した二重鎖RNAの部分は、完全に対合しているものに限らず、不対合部分が含まれていてもよい。不対合部分はRNA形成に支障がない範囲で設けることができる。
変異AVPを発現するカイコ形質転換体は、一例を示せば、AVP遺伝子に変異を導入し、上記と同様の方法で、該変異DNAをカイコの卵に導入する工程、該DNAが導入された卵から生じたカイコの中から、トランスジェニックカイコを選択する工程を行うことにより、製造可能である。
変異が導入されるAVP遺伝子上の場所は、発現する変異AVPの抗ウイルス活性が抑制される限り、特に制限はない。AVPの抗ウイルス活性と直接関係がある領域でもよいし、その他の領域であっても、例えば、3次元構造を変化させることにより抗ウイルス活性を抑制する位置でもよい。アミノ酸配列の解析から、AVPにはVon Willebrand Factorと相同性を示す領域や、システイン残基の位置がTrypsin inhibitor like cystein rich domein と類似している領域があることがわかっている。
本発明の製造方法は、(a)Anti-Virus Proteinをコードする遺伝子の発現が抑制されたカイコに、プロモーターの下流に機能的に結合したタンパク質遺伝子を保持する組換えウイルスを感染させる工程、(b)前記組換えウイルスに感染したカイコ由来形質転換体からタンパク質を回収する工程、を含む。また本発明の製造方法は、(a)Anti-Virus Proteinをコードする遺伝子に対して、RNAi効果を有するRNA分子をコードするDNAを、カイコの卵に導入する工程、(b)前記DNAが導入された卵から生じたカイコの中から、Anti-Virus Proteinをコードする遺伝子の発現が抑制されたトランスジェニックカイコを選抜する工程、(c)前記トランスジェニックカイコに、プロモーターの下流に機能的に結合したタンパク質遺伝子を保持する組換えウイルスを感染させる工程、(d)前記組換えウイルスに感染したカイコ由来形質転換体からタンパク質を回収する工程、を含む方法でもよい。さらに本発明の製造方法は、(a)Anti-Virus Proteinをコードする遺伝子の発現が抑制されたカイコの卵に、任意タンパク質をコードするDNAを導入する工程、(b)前記DNAが導入された卵から生じたカイコの中から、該タンパク質を発現するトランスジェニックカイコを選抜する工程、(c)前記トランスジェニックカイコからタンパク質を回収する工程、を含む方法でもよい。
[1]カイコの飼育
カイコの飼育は、全齢人工飼料無菌飼育を行った。供試蚕品種は、一般交雑種の錦秋×鐘和を用いた。蚕卵を催蚕させるために卵を25℃で、暗条件のもとに約10日間おいた。非休眠卵を産下させるための催青は、15℃、暗条件のもとで約30日間保管することで行った。孵化する2日前にクリーンベンチ内で、70%エタノールに5分間、4%ホルマリン液に15分間、70%エタノールに3分間、100%エタノールに1分間の順に浸漬することにより消毒を行った。消毒後、滅菌シャーレ内で蚕卵表面の水分とエタノールを乾燥させた後、再び暗条件のもと25℃で催青した。また、人工飼料は、全齢を通じて、KIT-2515M12(無菌養蚕システム研究所製)を用いた。乾燥飼料に2.4倍量の水を加え練合し、ポリプロピレンフィルムの間で平板状に延ばし、飼育容器の底面積(45mm×160mm×220mm)に成型した。そして、120℃で20分間、高圧蒸気滅菌した。
pVLpigEGFP A3(Yamamoto et al., )をPstI、BglII(TOYOBO社製)を用いて制限酵素処理をした。次に、図1の通りAVP遺伝子のRNAiを行うためのヘアピン構造を作る配列をpVLpigEGFP A3に挿入した。
本研究では、このAVP遺伝子のmRNAの一部をコードする、RNAのヘアピン構造によってRNAiを引き起こし、同遺伝子の発現制御を行う。そのためには、RNAiを行うためにAVP遺伝子の配列の25番目の塩基から736番目の塩基までの712bpと、28番目の塩基から614番目の塩基までの587bpがそれぞれ逆方向でカイコアクチンA3プロモーターにより転写され、615番目の塩基配列から736番目までの約100bpがヘアピン構造を作り、AVP遺伝子のmRNAの一部が二本鎖となるRNAを転写するようにすることが必要である。なお図1は作製したAVP遺伝子ノックダウン用トランスファーベクター及び下記リコンビナントウイルスAcpigAVPに共通する構造を模式的に示した図である。
35 mmシャーレにSf21細胞0.5 ml、10%の血清を含むGrace培地1.0 mlを加えて15分放置して細胞を底に吸着させた。血清入りGrace培地を捨て無血清のGrace培地を2.0 ml加え細胞を洗った後、無血清Grace培地を2.0 ml加えた。AVP遺伝子ノックダウン用トランスファーベクター、BaculogoldTMBculovirus、蒸留滅菌水、Lipofectin Reagentを混合し、Sf21細胞の無血清Grace培地に加え、27℃で24時間培養した。その後、血清入りGrace培地に交換して再び27℃で培養した。5日後培養液を回収し、ファルコンチューブに入れて100 Gで5分間遠心して細胞を沈殿させ、上清のウイルス液を回収した。次に、新しい35 mmシャーレのSf21細胞から培地を取り除き、ウイルス液を200 μl入れた後、27℃で1時間ウイルスを細胞に感染させた。1時間後、2 mlの血清入り培地を入れて27℃で培養し、4日後にウイルス液を回収した。さらにウイルス液を増やすため、フラスコ内で培養したSf21細胞に回収したウイルス液を200 μl接種し、27℃で培養した。培養した細胞をファルコンチューブにいれ、100 Gで5分間遠心し、上清を回収してリコンビナントウイルスAcpigAVPとした。
AcpigHspTrans、AcpigAVPとグリセロールを2:2:1の割合で混合し、インジェクション溶液を調整した。市販タングステン針を金属製のヤスリで削り先を尖らせ、その先に調整したインジェクション溶液をつけ実体顕微鏡下で産卵直後の卵にインジェクションを行った(図2)。インジェクションした卵は湿らした脱脂綿と共に滅菌シャーレの中に入れ、暗条件のもと25℃で保管した。孵化2日前に卵をクリーンベンチ内で消毒し、全齢人工飼料無菌飼育を行った。
インジェクションしたカイコは四齢起蚕時にプラスチック容器に約50頭移した。この際人工飼料は入れていない。蛍光ユニットを備えた実体顕微鏡(OLYMPAS製)を用いてUV照射下でEGFPの緑色蛍光を示す個体のみを選抜した(励起波長 490 nmで観察)。また個体の蛍光強度によりAクラス、Bクラスとランク付けした。EGFPの蛍光を確認できたノックダウンF0カイコが羽化して成虫になると、同時進行で飼育していたウイルス非接種のコントロール(錦秋×鐘和)と交配させ、ヘテロとなるF1卵を産卵させた。
その結果、リコンビナントウイルスAcpigAVPとトランスポゼースを発現するヘルパーウイルスAcpigHSPTransとグリセロールを混合したウイルス液をカイコの初期胚にインジェクションし、孵化率を算出したところ3843頭中1090頭(28.4%)であった。孵化したカイコの飼育を続け4齢起蚕時に蛍光実体顕微鏡下で490nmの励起波長を照射し、緑色蛍光を示す個体をスクリーニングした。蛍光の強いものからAクラス、Bクラスに分け、飼育を続けた。蛍光が非常に弱いCクラス、蛍光のない個体はそこで飼育をやめた。このEGFP遺伝子を発現していると思われる個体数を算出したところAクラスが676頭中28頭(2.6%)、Bクラスが676頭中34頭(3.1%)得られた。また、このF0世代と非インジェクションのコントロールカイコとの交配によるF1世代では孵化数は2627頭中(85.6%)であった。四齢起蚕時に行ったスクリーニングではAクラスは1743頭中83頭(47.6%)、Bクラスは1743頭中96頭(55.1%)の個体が得られた。このようにAVP遺伝子の二本鎖RNAを発現し、マーカーとしてEGFPも発現する配列がF1世代まで伝達されたものと期待される個体を得ることが出来た(表1)。
AVPノックダウンカイコにおけるウイルスの増殖を確認するため、蛹化後1日目のカイコ蛹(コントロールカイコ、AVP遺伝子ノックダウンカイコそれぞれ各6頭)に50 μlずつルシフェラーゼを発現する組み換えバキュロウイルス(BmLuci)(Mori et al., )を接種した。ウイルスを接種して2日目、3日目、5日目のものの体重を量り15 mlのファルコンチューブに入れて-80℃にて凍結保存した。
50 mlのファルコンチューブに蛹を入れ、体重の10倍量のPBSを加え、蛹をホモジナイザーでつぶしホモジネート液を作った。このホモジネート液から80 μlをとり20 μlの細胞溶解剤を加え15分放置した。各サンプル2.5 μlをルシフェリン50 μlに加えて混合後、ルミノメーター(ルミネッセンサーJNR、ATTO社製)にて測定した。ただし測定時間は1サンプルにつき5秒で行った。AVP遺伝子ノックダウンカイコ、コントロールカイコにおけるホモジネート液はLysis Bufferと蒸留滅菌水を用いて、ウイルス感染後2日目は500倍希釈、3日目は1000倍希釈、5日目は2.5×104倍希釈してある。
Claims (7)
- Anti-Viral Protein (AVP) の発現が抑制された、カイコ形質転換体であって、以下(a)に記載の塩基配列に以下(b)に記載の塩基配列が逆位に連結された塩基配列からなる、ヘアピン構造型のRNA分子をコードするDNAを保持する、前記カイコ形質転換体。
(a)配列番号:1記載の塩基配列の25番目から736番目までの塩基配列
(b)配列番号:1記載の塩基配列の28番目から614番目までの塩基配列の相補鎖 - トランスジェニックカイコである、請求項1に記載のカイコ形質転換体。
- 以下の(a)および(b)の工程を含む、タンパク質の製造方法。
(a) 請求項1に記載されたカイコ形質転換体に、プロモーターの下流に機能的に結合したタンパク質遺伝子を保持する組換えウイルスを感染させる工程
(b) 前記組換えウイルスに感染したカイコ由来形質転換体からタンパク質を回収する工程 - 以下の(a)から(d)の工程を含む、タンパク質の製造方法
(a) Anti-Viral Proteinをコードする遺伝子に対して、RNAi効果を有するRNA分子をコードするDNAを、カイコの卵に導入する工程
(b) 前記DNAが導入された卵から生じたカイコの中から、Anti-Viral Proteinをコードする遺伝子の発現が抑制されたトランスジェニックカイコを選抜する工程
(c) 前記トランスジェニックカイコに、プロモーターの下流に機能的に結合したタンパク質遺伝子を保持する組換えウイルスを感染させる工程
(d) 前記組換えウイルスに感染したカイコ由来形質転換体からタンパク質を回収する工程;
であって、前記RNAi効果を有するRNA分子をコードするDNAが、以下(1)に記載の塩基配列に以下(2)に記載の塩基配列が逆位に連結された塩基配列からなる、ヘアピン構造型のRNA分子をコードするDNAである、前記方法。
(1)配列番号:1記載の塩基配列の25番目から736番目までの塩基配列
(2)配列番号:1記載の塩基配列の28番目から614番目までの塩基配列の相補鎖 - 下記(a)から(c)が挿入されたベクター。
(a)プロモーター
(b)前記(a)記載のプロモーターに機能的に結合された、以下(1)に記載の塩基配列に以下(2)に記載の塩基配列が逆位に連結された塩基配列からなる、ヘアピン構造型のRNA分子をコードするDNA
(1)配列番号:1記載の塩基配列の25番目から736番目までの塩基配列
(2)配列番号:1記載の塩基配列の28番目から614番目までの塩基配列の相補鎖
(c)前記(a)記載のプロモーター及び(b)記載のDNAを挟むように配置された、トランスポゾンの2つの逆位末端反復配列 - 請求項5に記載のベクターと、トランスポゾン転移酵素をコードするDNAを有するベクターとを含む、外来タンパク質生産量増強用キット。
- 以下(a)に記載の塩基配列に以下(b)に記載の塩基配列が逆位に連結された塩基配列からなる、ヘアピン構造型のRNA分子をコードするDNA。
(a)配列番号:1記載の塩基配列の25番目から736番目までの塩基配列
(b)配列番号:1記載の塩基配列の28番目から614番目までの塩基配列の相補鎖
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