JP5025366B2 - 可逆性感熱記録材料及びその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、支持体上に、加熱温度及び/又は加熱後の冷却速度の違いにより発色状態が変化する電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物との混合物を含む可逆性感熱組成物からなる可逆性感熱記録層と、ポリビニルアルコール系重合体及びエチレン−ビニルアルコール系共重合体からなる群より選択される少なくとも1種のガスバリア性樹脂と無機層状化合物とを含有するガスバリア層が順次積層されている可逆性感熱記録材料であって、前記可逆性感熱記録層と前記ガスバリア層との間に、前記可逆性感熱記録層と前記ガスバリア層との接着性を向上し、前記可逆性感熱記録層と前記ガスバリア層との間での添加剤の移行を防止する密着層、及び前記可逆性感熱記録層と前記ガスバリア層との接着性をさらに向上させるアンカーコート層を有することを特徴とする可逆性感熱記録材料を含む。
本発明は、前記密着層に塗工される接着剤はウレタン系、及びアクリル系から選ばれる少なくとも一種の接着剤を含み、前記アンカーコート層に塗工されるアンカーコート剤はチタン系、イソシアネート系、イミン系、及びポリブタジエン系から選ばれる少なくとも一種のアンカーコート剤を含むことを特徴とする前記可逆性感熱記録材料を含む。
本発明は、前記密着層は、アクリルポリオール樹脂を含むことを特徴とする前記可逆性感熱記録材料を含む。
本発明は、前記密着層は、酸化亜鉛粉末を含むことを特徴とする前記可逆性感熱記録材料を含む。
本発明は、前記ガスバリア性樹脂混合液は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属からなる群より選択される少なくとも1種のイオンを含有する化合物をさらに含むことを特徴とする前記可逆性感熱記録材料の製造方法を含む。
本発明におけるガスバリア層は、ガスバリア性樹脂と無機層状化合物とを含んでいる。ガスバリア層は、感熱記録層を被覆して感熱記録層に酸素が侵入して発色剤や顕色剤との反応により感熱記録層の褪色や変色を防ぐ機能を持っている。特に、可逆性感熱記録材料の使用期間の長期化に対応して、ガスバリア層のガスバリア性をさらに向上させる必要がある。感熱記録層への酸素の進入を防ぐことにより、可逆性感熱記録材料(1)は耐光性に優れ長期間褪色や変色することがなくなる。
本発明で用いられるガスバリア性樹脂のうち、ポリビニルアルコール系重合体としては、ポリビニルアルコール、及びその誘導体又は変性物のいずれであってもよく、これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記ポリビニルアルコール系重合体としては、重合度は好ましくは100〜5000、より好ましくは500〜3000、また、ケン化度は好ましくは60モル%以上、より好ましくは75モル%以上である。上記ポリビニルアルコールの誘導体としては、水酸基の40モル%程度までがアセタール化されているポリビニルアルコール誘導体等を挙げることができ、上記ポリビニルアルコールの変性物としては、カルボキシル基含有単量体、アミノ基含有単量体等を共重合して得られるポリビニルアルコール変性物等を挙げることができる。
無機層状化合物としては、無機の層状化合物であれば特に制限はないが、分散媒に膨潤・へき開する無機層状化合物が好ましく用いられ、カオリナイト族、アンチゴライト族、スメクタイト族、バーミキュライト族、マイカ族等の鉱物が挙げられる。例えば、フィロケイ酸塩の1:1構造をもつカオリナイト族、ジャモン石群に属するアンチゴライト族、層間カチオンの数によってスメクタイト族、含水ケイ酸塩鉱物であるバーミキュライト族、マイカ族等を使用できる。さらに具体的には、カオリナイト、ナクライト、ディッカイト、ハロイサイト、加水ハロイサイト、アンチゴライト、クリソタイル、パイロフィライト、モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチーブンサイト、テトラシリリックマイカ、ナトリウムテニオライト、白雲母、マーガライト、タルク、バーミキュライト、金雲母、ザンソフィライト、緑泥石等を挙げることができ、これらは天然物であっても膨潤性粘度鉱物の合成品であってもよい。また鱗片状シリカ等も使用できる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ガスバリア層として使用した場合のガスバリア性能からモンモリロナイト、雲母が好ましい。
ガスバリア層は、無機層状化合物を含有しているため、隣接層との接着性を向上させるための接着性向上剤を含有していることが好ましい。本発明の記録材料の基本特性である多数回にわたる記録画像の形成と消去、すなわち加熱冷却の繰り返しに耐えうるように、必要に応じて、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、イソシアネート化合物、アジリジン化合物等の隣接層に対する接着性向上剤を1種又は2種以上加えることが好ましい。
本発明におけるガスバリア層の形成方法は、可逆性感熱記録層等に塗工できればどのような方法でも良いが、可逆性感熱記録層上に、ガスバリア性樹脂混合液を塗工し、加熱乾燥する。ガスバリア性樹脂混合物の塗工方法としては、グラビアシリンダー等を用いたロールコーティング法、ドクターナイフ法やエアーナイフ・ノズルコーティング法、バーコーティング法、スプレーコーティング法、ディップコーティング法等の通常の塗工方法を用いることができ、これらの方法を組み合わせてもよい。ガスバリア層においては、無機層状化合物がガスバリア層に沿って平行に並んで分散していることが好ましい。その点、上記の塗工法によってガスバリア層を形成すると、無機層状化合物がガスバリア層に沿って平行に並んで分散しやすい。図5に本発明の可逆性感熱記録材料中のガスバリア層の断面図を模式的に示した。無機層状化合物は、図5に示すように溶剤や樹脂等の中に分散させて、その分散液をガスバリア層となるよう層状に形成すると双方向に沿って平らに並びやすい性質がある。特に、上述のガスバリア性樹脂中では図5に示すように層状に並びやすい。このようにガスバリア層中で層状に並ぶと、酸素や水蒸気ガスといった気体分子は、ガスバリア層の上から下へ透過しようとする場合、無機層状化合物を避けて透過していくことになる。そうすると、気体分子のガスバリア層を透過する経路は、かすバリア層の断面に比べ非常に長くなる。ガスバリア層を形成する樹脂は、本来的にガスバリアを有しているので、透過経路が長くなれば、これに比例してガスバリア層のガスバリア性が向上する。
可逆性感熱記録層上にガスバリア層を設ける際に、まず可逆性感熱記録層上に接着剤及び/又はアンカーコート剤を塗工して、1層又は2層以上の密着層及び/又はアンカーコート層を形成した後に、ガスバリア層を形成することが好ましい。密着層は、可逆性感熱記録層とガスバリア層の接着性向上、ガスバリア層の塗布による可逆性感熱記録層の変質防止、ガスバリア層に含まれる添加剤の可逆性感熱記録層への移行、あるいは可逆性感熱記録層に含まれる添加剤の保護層への移行を防止する機能を持たせることが出来る。アンカーコート層は、可逆性感熱記録層とガスバリア層又は密着層との接着性向上機能を持たせることが出来る。
密着層及びアンカーコート層を形成する層を設ける方法としては、ガスバリアと同様のコーティング方法などの塗工方法が利用できる。
密着層及びアンカーコート層の膜厚は0.1〜20μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.3〜10μmである。
本発明の可逆性感熱記録材料の感熱記録層は、基本的に発色剤と顕色剤とをバインダ樹脂中に分散させた組成物の薄膜層である。この組成物には必要に応じて、感熱記録層の塗布特性や発色消色特性を改善したり制御したりするための添加剤を用いることができる。これらの添加剤には、例えば制御剤、界面活性剤、導電剤、充填剤、酸化防止剤、光安定化剤、発色安定化剤などがある。
本発明で用いる発色剤は電子供与性呈色性化合物であり、それ自体無色あるいは淡色の染料前駆体(ロイコ染料)であり、例えばフルオラン系化合物、トリフェニルメタンフタリド系化合物、アザフタリド系化合物、フェノチアジン系化合物、ロイコオーラミン系化合物、インドリノフタリド系化合物など、とくに限定されずに使用できる。
本発明の可逆性感熱記録材料の感熱記録層に用いる顕色剤は、電子受容性化合物であり、上記発色剤(ロイコ染料)を発色させる作用を持つものであれば、どのような化合物でもよい。従来から知られている顕色剤としては、有機リン酸化合物、脂肪族カルボン酸化合物、フェノール化合物、メルカプト酢酸の金属塩及びリン酸エステルなどが挙げられる。これらは、融点、兼職性能などを勘案して、上述の発色剤との組み合わせで選択すればよい。
前記一般式(1)において、脂肪族炭化水素基は直鎖でも分枝していてもよく、不飽和結合を有していてもよい。炭化水素基につく置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基等がある。R1、R2の炭素の和が7以下では発色の安定性や消色性が低下するため、炭素数は8以上が好ましく、11以上であることが更に好ましい。
本発明において可逆性感熱記録層に用いられる制御剤は、発色濃度、消去特性の点からアミド基、ウレタン基、尿素基、ケトン基、ジアシルヒドラジド基等を部分構造として含有する化合物が好ましい。中でも、アミド基、2級アミド基、ウレタン基を有する化合物が特に好ましく、具体的な例として以下のものが挙げられる。
可逆性感熱記録層の形成に用いられるバインダ樹脂の役割は、組成物の各材料が記録消去の熱印加によって片寄ることなく均一に分散した状態を保つことにある。バインダ樹脂としては、例えばポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、エチルセルロース、ポリスチレン、スチレン系共重合体、フェノキシ樹脂、ポリエステル、芳香族ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、アクリル酸系共重合体、マレイン酸系共重合体、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプン類などがある。これらのバインダ樹脂としては、耐熱性の高い樹脂を用いることが好ましい。バインダ樹脂の耐熱性を向上させるため、例えば、熱、紫外線、電子線、架橋剤などで架橋させたバインダ樹脂を用いてもよい。
ゲル分率(%)=[乾燥後重量(g)/初期重量(g)]×100
。
本発明における感熱記録層は、バインダ樹脂中に発色剤と顕色剤が細かく均一に分散した状態の組成物からなる。発色剤と顕色剤は個々に粒子を形成していてもよいが、より好ましくは複合された粒子として分散された状態を形成する。これは発色剤と顕色剤を溶融したり溶解したりすることによって達成できる。このような可逆性感熱記記録層用組成物は、各材料をそれぞれ溶剤中で分散又は溶解した後混合した混合液、或いは各材料を混合して溶剤中で分散又は溶解した混合液として支持体上に塗布できる。発色剤と顕色剤はマイクロカプセル中に内包して用いることもできる。
本発明の可逆性感熱記録材料は、支持体上に前記の組成物を主成分として含む感熱記録層を設けたものである。支持体としては紙、樹脂フィルム、PETフィルム、合成紙、金属箔、ガラスまたはこれらの複合体などであり、記録層を保持できるものであればよい。必要に応じた厚みのものを単独あるいは貼り合わせる等して用いることができる。これらの支持体は可逆性感熱記録層と同一面、反対面、内部などに磁気記録層やICチップを有していても良い。支持体の厚みは、数μm程度から数mm程度まで任意の厚みの支持体が用いられる。感熱記録層が自己支持性である場合には支持体の使用を省略することができる。なお、通常の支持体は酸素バリア性や水分バリア性を備えていることが好ましいが、支持体の酸素バリア性や水分バリア性が不十分な場合は、支持体もガスバリア層で被覆すればよい。
支持体上に感熱記録層を形成するには、従来公知の方法を用いればよく、例えば、支持体上に、上述の感熱記録層用組成物の塗布液を塗布して乾燥させればよい。可逆性感熱記録層用組成物の塗布液の塗工方法については特に制限はなく、ブレード塗工、ワイヤーバー塗工、スプレー塗工、エアナイフ塗工、ビード塗工、カーテン塗工、グラビア塗工、キス塗工、リバースロール塗工、ディップ塗工、ダイ塗工等従来公知の方法を用いることができる。
本発明の可逆性感熱記録材料には、必要に応じて各種の添加剤を用いることができる。これらの添加剤には、例えば分散剤、界面活性剤、導電剤、充填剤、滑剤、酸化防止剤、光安定化剤、紫外線吸収剤、発色安定化剤、消色促進剤、フィラーなどがある。
本発明の可逆性感熱記録材料には、上記可逆性感熱記録層、密着層、ガスバリア層の他、可逆性感熱記録層と支持体の間にアンダーコート層を設けていてもよい。この場合、アンダーコート層は発色感度、消色感度を向上させる目的で、中空粒子を含むことが好ましい。好ましい中空粒子は、中空率が70%以上であれば特に制限はなく、公知の中空粒子を用いることができる。しかしながら、中空粒子は中空率が高くなると、壁材の厚みが薄くなり、壁材が薄くなると圧力等に対する強度が弱くなり破壊されやすくなってしまう。一方、単に壁材を固くして強度を持たせようとした場合、脆くなる傾向があり屈曲により破壊されやすくなってしまう。従って、中空粒子の壁材には固さと柔軟性のバランスが必要であり、アクリロニトリル樹脂、メタアクリロニトリル樹脂は固さと柔軟性を併せ持つ好ましい壁材として挙げられる。尚、本発明に好ましく用いられる中空粒子の具体的な例は、本発明者らがすでに出願している特開2005−199704号公報に記載されている。
可逆性感熱記録媒体の最外表面、すなわちガスバリア層の外側には、保護層を設けることが好ましい。保護層は、可逆性感熱記録材料に記録をするために、サーマルヘッドを用いて印字をすると、サーマルヘッドの熱と圧力のためガスバリア層及び感熱記録層の表面が変形し、いわゆる打痕ができることを防止するため、ガスバリア層の外側表面に設けることが好ましい。保護層5は、可逆性感熱記録材料の表面を機械的な応力や、水分などから保護する機能もあることが好ましい。また、ガスバリア層との密着性や透光性、耐候性などの点から好適な材料を選択することが好ましい。
本発明の可逆性感熱記録材料は粘着層等を介して、他の媒体へ貼り付けても良い。あるいは、PETフィルムなどの支持体の片面にバックコート層を設け、該バックコート層の反対面に熱転写リボンに用いられる剥離層、剥離層上に可逆性感熱記録層、更に表面上に紙、樹脂フィルム、PETフィルムなどに転写できる樹脂層を設け熱転写プリンターを用いて転写させても良い。本発明の可逆性感熱記録材料は、シート状あるいはカード状に加工されていても良く、その形状は任意の形状に加工することができ、また、可逆性感熱記録材料表面や裏面への印刷加工を施すことができる。カード状に加工された可逆性感熱記録材料は、磁気層やICチップを搭載して磁気カードやICカードとすることも出来る。また、本発明の可逆性感熱記録材料は、両面を可逆性感熱記録材料としたり、非可逆の感熱記録層を併用しても良く、このときそれぞれの記録層の発色色調は同じでも異なっても良い。
[実施形態1]
本発明の実施形態1の可逆性感熱記録材料(1)の構成を図1に示す。図1は、本発明の可逆性感熱記録材料(1)の部分断面図である。この可逆性感熱記録材料(1)においては、シート状の支持体2の表面に感熱記録層3、ガスバリア層4がこの順に積層されている。支持体2、感熱記録層3及びガスバリア層4は、これまでに詳述したそれぞれの層などである。
本発明の実施形態2の可逆性感熱記録材料(2)においては、可逆性感熱記録材料(1)のガスバリア層の表面を保護層で被覆している。図2には、可逆性感熱記録材料(2)の断面図を示している。可逆性感熱記録材料(2)の積層構造は、可逆性感熱記録材料(1)のガスバリア層4の表面に保護層5が積層されている。保護層5のない可逆性感熱記録材料(1)に記録をするために、サーマルヘッドを用いて印字をすると、サーマルヘッドの熱と圧力のためガスバリア層4及び感熱記録層3の表面が変形し、いわゆる打痕ができる場合がある。これを防止するため表面に保護層5を設けることが好ましい。保護層5は、すでに説明したように、可逆性感熱記録材料の表面を機械的な応力や、水分などから保護する機能もあることが好ましい。また、ガスバリア層4との密着性や透光性、耐候性などの点から好適な材料を選択することが好ましい。
実施形態3の本発明の可逆性感熱記録材料(3)を図3に示す。図3に示す可逆性感熱記録材料(3)においては、図2に示す可逆性感熱記録材料(2)の感熱記録層3と支持体2との中間に断熱性の高いアンダーコート層6が積層されている。
中空率(%)=[(中空粒子の内径)/(中空粒子の外径)]×100
。
本発明の実施形態4の感熱記録材料においては、図4に示したように、感熱記録層3とガスバリア層4の間に、感熱記録層3とガスバリア層4の接着性を向上させ、発色、消色の繰り返し性をより向上させる目的で密着層及び/又はアンカーコート層7を設けることが好ましい。この密着層及び/又はアンカーコート層7は、感熱記録層3とガスバリア層4との結合を強力にすることが第1の目的であり、塗工時あるいは感熱記録材料の使用中や保存中等に感熱記録材料1の特性を変化させない材料のなかから選択する。
本発明の可逆性感熱記録材料への画像形成方法としては、使用目的によって熱ペン、サーマルヘッド、レーザ加熱等の従来の可逆性感熱記録材料への発色方法及び消色方法による画像形成方法が利用できる。
本発明を実施例により更に詳細に説明する。なお、以下に示す部及び%はいずれも質量基準である。
(樹脂溶液の調製)
<ポリビニルアルコール溶液Aの調製>
精製水90部に、カルボキシ変性ポリビニルアルコール樹脂(商品名:ゴーセノールT−350、日本合成化学社製、以下、PVOHと略記することがある。)10部を加え、攪拌下で90℃に加温して固形分濃度10%の透明なポリビニルアルコール溶液A(PVOH溶液A)を得た。
精製水50%、iso−プロピルアルコール(IPA)50%を含む混合溶剤60部に、エチレン−ビニルアルコール共重合体(商品名:ソアノールD−2908、日本合成化学社製、以下、EVOHと略記することがある。)30部を加え、更に濃度が30%の過酸化水素水10部を添加して攪拌下で80℃に加温し、約2時間反応させた。その後冷却してカタラーゼを3000ppmになるように添加し、残存過酸化水素を除去し、これにより固形分30%のほぼ透明なエチレン−ビニルアルコール共重合体溶液A(EVOH溶液A)を得た。
<無機層状化合物分散液Aの調製>
無機層状化合物である天然品モンモリロナイト(商品名:クニピアF、クニミネ工業社製)5部を精製水95部中に攪拌しながら添加し、高速攪拌機にて充分に分散した。その後、40℃にて1日間保温し固形分5%の無機層状化合物分散液Aを得た。
上述の無機層状化合物分散液Aの調整時に、更に水酸化マグネシウム1部を添加した以外は、無機層状化合物分散液Aと同様に操作を行い、無機層状化合物分散液Bを得た。
上述の無機層状化合物分散液Aで使用した天然品モンモリロナイトを合成品雲母(商品名:ソマシフME100、コープケミカル社製)に変更した以外は、無機層状化合物分散液Aの作製と同様の操作を行い、無機層状化合物分散液Cを得た。
<PVOH系ガスバリア性樹脂混合液1の調製>
精製水40部にPVOH溶液Aを20部添加し、十分に攪拌混合した。更にこの溶液を高速で攪拌しながら、無機層状化合物分散液A40部を添加した。この混合溶液100部に対して、3部の陽イオン交換樹脂を添加しイオン交換樹脂の破砕が起きない程度の攪拌速度で1時間攪拌して、陽イオンの除去を行った後、陽イオン交換樹脂のみをストレーナで濾別した。以上の操作から得られた混合溶液を、更に高圧分散装置にて圧力50MPaの設定で分散処理した後、300メッシュのフィルターにて濾過し固形分5%のガスバリア性樹脂混合液1(PVOH/無機層状化合物=50/50、以下PV1と略記)を得た。
上記PV1のPVOH溶液Aを40部に、また無機層状化合物分散液Aを20部に変更した以外は、PV1と同様にして、PVOH/無機層状化合物=80/20のガスバリア樹脂混合液2(以下PV2と略記)を得た。
上記PV1のPVOH溶液Aを53部に、また無機層状化合物分散液Aを7部に変更した以外は、PV1と同様にして、PVOH/無機層状化合物=94/6のガスバリア樹脂混合液3(以下PV3と略記)を得た。
上記PV1の無機層状化合物分散液Aを無機層状化合物分散液Bに変更した以外は、PV1と同様にして、PVOH/無機層状化合物=50/50のガスバリア樹脂混合液4(以下PV4と略記)を得た。
上記PV2の無機層状化合物分散液Aを無機層状化合物分散液Bに変更した以外は、PV2と同様にして、PVOH/無機層状化合物=80/20のガスバリア樹脂混合液5(以下PV5と略記)を得た。
上記PV3の無機層状化合物分散液Aを無機層状化合物分散液Bに変更した以外は、PV3と同様にして、PVOH/無機層状化合物=94/6のガスバリア樹脂混合液6(以下PV6と略記)を得た。
上記PV1の無機層状化合物分散液Aを無機層状化合物分散液Cに変更した以外は、PV1と同様にして、PVOH/無機層状化合物=50/50のガスバリア樹脂混合液7(以下PV7と略記)を得た。
上記PV2の無機層状化合物分散液Aを無機層状化合物分散液Cに変更した以外は、PV2と同様にして、PVOH/無機層状化合物=80/20のガスバリア樹脂混合液8(以下PV8と略記)を得た。
上記PV3の無機層状化合物分散液Aを無機層状化合物分散液Cに変更した以外は、PV3と同様にして、PVOH/無機層状化合物=94/6のガスバリア樹脂混合液9(以下PV9と略記)を得た。
精製水50%、IPA50%の混合溶剤60部に、EVOH溶液Aを2.1部添加し、充分に攪拌混合した。更にこの溶液を高速で攪拌しながら、無機層状化合物分散液A37.9部を添加した。この混合溶液100部に対して、3部の陽イオン交換樹脂を添加しイオン交換樹脂の破砕が起きない程度の攪拌速度で1時間攪拌して、陽イオンの除去を行った後、陽イオン交換樹脂のみをストレーナで濾別した。以上の操作から得られた混合溶液を、更に高圧分散装置にて圧力50MPaの設定で分散処理した後、300メッシュのフィルターにて濾過し固形分3%のガスバリア性樹脂混合液1(EVOH/無機層状化合物=25/75、以下EV1と略記)を得た。
上記EV1のEVOH溶液Aを4.0部に、また無機層状化合物分散液Aを36.0部に変更した以外は、EV1と同様にして、EVOH/無機層状化合物=40/60のガスバリア樹脂混合液2(以下EV2と略記)を得た。
上記EV1のEVOH溶液Aを16.0部に、また無機層状化合物分散液Aを24.0部に変更した以外は、EV1と同様にして、EVOH/無機層状化合物=80/20のガスバリア樹脂混合液3(以下EV3と略記)を得た。
上記EV1のEVOH溶液Aを37.7部に、また無機層状化合物分散液Aを2.3部に変更した以外は、EV1と同様にして、EVOH/無機層状化合物=99/1のガスバリア樹脂混合液4(以下EV4と略記)を得た。
上記EV1のEVOH溶液Aを39.5部に、また無機層状化合物分散液Aを0.5部に変更した以外は、EV1と同様にして、EVOH/無機層状化合物=99.8/0.2のガスバリア樹脂混合液5(以下EV5と略記)を得た。
上記EV1の無機層状化合物分散液Aを無機層状化合物分散液Bに変更した以外は、EV1と同様にして、EVOH/無機層状化合物=25/75のガスバリア樹脂混合液6(以下EV6と略記)を得た。
上記EV2の無機層状化合物分散液Aを無機層状化合物分散液Bに変更した以外は、EV2と同様にして、EVOH/無機層状化合物=40/60のガスバリア樹脂混合液7(以下EV7と略記)を得た。
上記EV3の無機層状化合物分散液Aを無機層状化合物分散液Bに変更した以外は、EV3と同様にして、EVOH/無機層状化合物=80/20のガスバリア樹脂混合液8(以下EV8と略記)を得た。
上記EV1の無機層状化合物分散液Aを無機層状化合物分散液Cに変更した以外は、EV1と同様にして、EVOH/無機層状化合物=25/75のガスバリア樹脂混合液11(以下EV11と略記)を得た。
上記EV2の無機層状化合物分散液Aを無機層状化合物分散液Cに変更した以外は、EV2と同様にして、EVOH/無機層状化合物=40/60のガスバリア樹脂混合液12(以下EV12と略記)を得た。
上記EV3の無機層状化合物分散液Aを無機層状化合物分散液Cに変更した以外は、EV3と同様にして、EVOH/無機層状化合物=80/20のガスバリア樹脂混合液8(以下EV13と略記)を得た。
上記EV4の無機層状化合物分散液Aを無機層状化合物分散液Cに変更した以外は、EV4と同様にして、EVOH/無機層状化合物=99/1のガスバリア樹脂混合液14(以下EV14と略記)を得た。
上記EV5の無機層状化合物分散液Aを無機層状化合物分散液Cに変更した以外は、EV5と同様にして、EVOH/無機層状化合物=99.8/0.2のガスバリア樹脂混合液15(以下EV15と略記)を得た。
<アンカーコート層コーティング液Aの調製>
酢酸エチル130部に、エステルポリオール樹脂(商品名:タケラックA−3210(固形分濃度50%)、三井化学ポリウレタン社製)の15部、およびイソシアネート化合物(商品名:タケネートA−3070(固形分濃度75%)、三井化学ポリウレタン社製)の5部を混合し、全固形分濃度7.5%のアンカーコート層コーティング液Aを得た。
<アンダーコート層の作製>
中空粒子分散液(固形分濃度:30%)
(商品名:ニッポールMH5055、日本ゼオン社製) 30部
変性SBラテックス(固形分濃度:48%)
(商品名:ニッポールLX407S、日本ゼオン社製) 10部
完全ケン価ポリビニルアルコール水溶液(固形分濃度16%) 9部
水 50部
の混合物を攪拌分散して、アンダーコート層塗布液を調製した。このアンダーコート層塗布液を厚さ約188μmの白色PETフィルム(帝人デュポンフィルム社製)の支持体上にワイヤーバーを用い塗布し、115℃1分で乾燥して、膜厚約6.0μmのアンダーコート層を設けた。
2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン 2部
下記構造の顕色剤 8部
(水酸基価:70、酸価:1.0未満、分子量:35000、
ガラス転移温度:52℃、
水酸基モノマー:2−ヒドロキシエチルメタクリレート)
コロネートHL 10部
の組成物をボールミルを用いて平均粒径0.1〜3μmまでなるように粉砕分散した。得られた分散液で可逆性感熱記録層塗布液を調製した。この該可逆性感熱記録層塗布液を、前記アンダーコート層の上にワイヤーバーを用い塗布し、100℃で1分間乾燥した後、60℃で24時間加温して、膜厚約10.0μmの可逆性感熱記録層を設けた。
酸化亜鉛分散液(固形分濃度:32.4%)
(商品名:ZS−303T、住友大阪セメント社製) 30部
アクリルポリオール樹脂の15%メチルエチルケトン溶液 50部
(水酸基価:70、酸価:1.0未満、分子量:35000、
ガラス転移温度:52℃、
水酸基モノマー:2−ヒドロキシエチルメタクリレート)
コロネートHL 3.5部
の組成物を前記可逆性感熱記録層の上にワイヤーバーを用い塗布し、100℃で1分間乾燥した後、60℃で24時間加温して、膜厚約3.0μmの密着層を設けた。
PV1の10部に、シランカップリング剤(商品名:SH−6062、東レダウコーニング社製)の0.3部を、添加後攪拌混合した。次いで前記密着層の上にワイヤーバーを用い塗布し、100℃で1分間乾燥した後、50℃で24時間加温して、膜厚約1.0μmのガスバリア層を設けた。
ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂
(大日本インキ社製C7−157) 15部
酢酸エチル 85部
の組成の混合物を良く攪拌し保護層液を調製した。この塗液を、上記ガスバリア層の上にワイヤーバーを用いて塗工し、90℃で1分間乾燥させたのち、照射エネルギー80W/cmの紫外線ランプ下9m/分の搬送速度で通して硬化して膜厚約3μmの保護層を設けて本発明の可逆性感熱記録媒体を作製した。
比較例101において、PV1の替わりにPV2〜PV9を用いた以外は比較例101と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
PV1の調製の際に、無機層状化合物をPVOH溶液に分散させる圧力を200MPaに変更した以外は、比較例101と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
PV1の調製の際に、無機層状化合物をPVOH溶液に分散させる圧力を0.5MPaに変更した以外は比較例101と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
比較例101で用いたPV1を抜き、ガスバリア層を塗布しなかった以外は、比較例101と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
比較例101においてPV1の替わりにPVOH溶液Aを用いた以外は、比較例101と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
(画像濃度、地肌濃度、消去残りの評価)
作製した可逆性感熱記録媒体を、京セラ社製端面型サーマルヘッドKSB320AA(抵抗値1206オーム)とセラミックヒーター(4mm幅)を用いた感熱印字シミュレータを用いて下記の条件で印字及び消去を行い、濃度をマクベス濃度計RD−914を用いて測定した。
・評価条件:印字速度5インチ/s、副走査密度8dot/mm
・画像濃度:印加エネルギーを1V刻みで電圧を変化させて印字したときの最大濃度を用いる。
・消去濃度:前記画像濃度で最大濃度を得た印加エネルギーでベタ画像を形成したものに対し、セラミックヒーター設定温度を5℃刻みで変化させて消去したときの最小消去濃度を用いる。評価1による評価結果を表1示す。
(繰り返し耐久性の評価)
作製した可逆性感熱記録媒体を、パナソニックコニュニケーションズ社製カードプリンタKU−R2800を用いて印字及び消去を繰り返し100回行った。100回繰り返し後の可逆性感熱記録材料のカード表面を目視で観察し、下記レベルで評価した。評価2による評価結果を表1に示す。
◎:画像部の発色状態及び消去部の消色状態が良好で、塗膜剥離が観察されないレベル
○:発色及び消色状態は良好であるが、塗膜剥離がわずかに観察されるレベル
△:発色画像が隠蔽されてわずかに白化し、かつ塗膜剥離が観察されるレベル
×:塗膜剥離が激しく、繰り返し耐久性評価が継続できないレベル
をそれぞれ表す。
(耐光性の評価)
作製した可逆性感熱記録媒体を、評価1と同様にして発色画像を形成し、キセノン(照度:13万Lx、時間:144時間、温度:30℃、湿度:85%RH、セリック社製人工太陽照射装置)曝露を行った。曝露後の画像濃度、及び消去濃度を評価1と同様にして測定した。評価3による評価結果を表1に示す。
比較例101の可逆性感熱記録材料作製工程において可逆性感熱記録上に密着層を形成した段階で、密着層上に下記ガスバリア層及び保護層を作製した。
<ガスバリア層の作製>
EV1を密着層上にワイヤーバーを用い塗布し、100℃で1分間乾燥した後、50℃で24時間加温して、膜厚約1.0μmのガスバリア層を設けた。
<保護層の作製>
ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂
(大日本インキ社製C7−157) 15部
酢酸エチル 85部
の組成の混合物を良く攪拌し保護層液を調製した。この塗液を、上記ガスバリア層の上にワイヤーバーを用いて塗工し90℃で1分間乾燥させたのち、照射エネルギー80W/cmの紫外線ランプ下9m/分の搬送速度で通して硬化して膜厚約3μmの保護層を設けて本発明の可逆性感熱記録媒体を作製した。
比較例112において、EV1の替わりにEV2〜EV15を用いた以外は比較例112と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
比較例112において、EV1の代わりに、EV1を10部にカルボジイミド化合物(商品名:カルボジライトV−04、日清紡社製)の0.1部を添加後攪拌混合して混合液を作製した。次いで、この混合液を密着層上にワイヤーバーを用い塗布し、100℃で1分間乾燥した後、50℃で24時間加温して、膜厚約1.0μmのガスバリア層を設けた。ガスバリア層形成以外の工程は、比較例112と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
比較例112において、ガスバリア層を形成しなかった以外は、比較例112と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
比較例112において、EV1の替わりにEVOH溶液Aを用いた以外は比較例112と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
比較例112と同様の工程で作製した密着層上に、下記アンカーコート層を作製した。
<アンカーコート層の作製>
アンカーコート層コーティング剤Aを前記密着層の上にワイヤーバーを用い塗布し、80℃で30秒間乾燥して、膜厚約0.3μmのアンカーコート層を設けた。
上記アンカーコート層上に、それぞれ比較例112〜127の工程で形成したガスバリア層及び保護層をと同じガスバリア層及び保護層を形成した可逆性感熱記録媒体を作製し、それぞれ実施例28〜43の可逆性感熱記録媒体とした。
実施例28〜43の評価1〜3による評価結果を表3に示す。
4:ガスバリア層 5:保護層 6:アンダーコート層
7:中間層(密着層及び/又はアンカーコート層)
8:ガスバリア性樹脂 9:無機層状化合物
10:被加熱部 11:未加熱部 12:加熱ヘッド
13:未加熱部 14:消色部 15:加熱ローラ
Claims (18)
- 支持体上に、加熱温度及び/又は加熱後の冷却速度の違いにより発色状態が変化する電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物との混合物を含む可逆性感熱組成物からなる可逆性感熱記録層と、ポリビニルアルコール系重合体及びエチレン−ビニルアルコール系共重合体からなる群より選択される少なくとも1種のガスバリア性樹脂と無機層状化合物とを含有するガスバリア層が順次積層されている可逆性感熱記録材料であって、
前記可逆性感熱記録層と前記ガスバリア層との間に、前記可逆性感熱記録層と前記ガスバリア層との接着性を向上し、前記可逆性感熱記録層と前記ガスバリア層との間での添加剤の移行を防止する密着層、及び前記可逆性感熱記録層と前記ガスバリア層との接着性をさらに向上させるアンカーコート層を有することを特徴とする可逆性感熱記録材料。 - 前記密着層に塗工される接着剤はウレタン系、及びアクリル系から選ばれる少なくとも一種の接着剤を含み、前記アンカーコート層に塗工されるアンカーコート剤はチタン系、イソシアネート系、イミン系、及びポリブタジエン系から選ばれる少なくとも一種のアンカーコート剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の可逆性感熱記録材料。
- 前記密着層は、アクリルポリオール樹脂を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の可逆性感熱記録材料。
- 前記密着層は、酸化亜鉛粉末を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の可逆性感熱記録材料。
- 前記エチレン−ビニルアルコール系共重合体は、エチレン成分の比率が20〜60モル%であり、酢酸ビニル成分のけん化度が95モル%以上であり、非水溶性であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の可逆性感熱記録材料。
- 前記ガスバリア層は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属からなる群より選択される少なくとも1種のイオンを含有する化合物をさらに含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の可逆性感熱記録材料。
- 前記無機層状化合物が、カオリナイト族、アンチゴライト族、スメクタイト族、バーミキュライト族及びマイカ族からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の可逆性感熱記録材料。
- 前記無機層状化合物が、膨潤性粘土鉱物の合成品であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の可逆性感熱記録材料。
- 前記ガスバリア層中のガスバリア性樹脂と無機層状化合物との質量比率が、30対70乃至99対1の範囲であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の可逆性感熱記録材料。
- 前記無機層状化合物は、長さと幅がそれぞれ5〜5000nmで、厚さが長さの1/10〜1/10000であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の可逆性感熱記録材料。
- 前記ガスバリア層は、隣接する他の層との接着性を向上させる接着性向上剤を含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の可逆性感熱記録材料。
- 前記接着性向上剤は、シランカップリング剤、イソシアネート化合物、アジリジン化合物及びカルボジイミド化合物から選択される少なくとも1種の化合物を含有することを特徴とする請求項11に記載の可逆性感熱記録材料。
- 前記ガスバリア層が、ガスバリア性樹脂の溶液中に無機層状化合物を混合し、1〜100MPaの加圧下で分散させた樹脂組成物を、膜状にして乾燥させた層であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の可逆性感熱記録材料。
- 前記ガスバリア層の膜厚が、0.1〜5.0μmであることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の可逆性感熱記録材料。
- 支持体中にICチップを備えた請求項1〜14のいずれか一項に記載の可逆性感熱記録材料からなることを特徴とするICカード。
- 支持体中に磁気記録部を備えた請求項1〜14のいずれか一項に記載の可逆性感熱記録材料からなることを特徴とする磁気カード。
- 支持体上に加熱温度及び/又は加熱後の冷却速度の違いにより発色状態が変化する電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物との混合物を含む可逆性感熱組成物を塗工して可逆性感熱記録層を形成する工程と、前記可逆性感熱記録層上に前記可逆性感熱記録層と前記ガスバリア層との接着性を向上し、前記可逆性感熱記録層と前記ガスバリア層との間での添加剤の移行を防止する密着層、及び前記可逆性感熱記録層と前記ガスバリア層との接着性をさらに向上させるアンカーコート層を形成する工程と、前記密着層又はアンカーコート層上にポリビニルアルコール系重合体及びエチレン−ビニルアルコール系共重合体からなる群より選択される少なくとも1種のガスバリア性樹脂と無機層状化合物とを含有するガスバリア性樹脂混合液を塗工してガスバリア層を形成する工程とを含むことを特徴とする可逆性感熱記録材料の製造方法。
- 前記ガスバリア性樹脂混合液は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属からなる群より選択される少なくとも1種のイオンを含有する化合物をさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の可逆性感熱記録材料の製造方法。
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