JP5025048B2 - 半導電性樹脂組成物およびそれを用いた電力ケーブル - Google Patents

半導電性樹脂組成物およびそれを用いた電力ケーブル Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導電性樹脂組成物およびそれを半導電層、あるいは外部半導電層に使用した電力ケーブルに関する。更に詳しくは、加工性、導電性等を確保したまま、ブロッキング性が改善された電力ケーブルの被覆材として使用される半導電性樹脂組成物、それに更に剥離剤を配合した半導電性樹脂組成物、及びそれらの半導電性樹脂組成物を被覆して作った、(易剥離性)電力ケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルは、内部から外部に向けて導体、内部半電層、絶縁層、外部半導電層からなり、内部および外部半導電層には、主にエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸ブチル共重合体、あるいはこれらの2種以上の混合物を主とするベース樹脂にカーボンブラックを配合した半導電性樹脂組成物が使用されている。
この理由は、酢酸ビニル、アクリル酸エチル、およびアクリル酸ブチル等のコモノマーの含有量が高く、また高いメルトマスフローレートのベース樹脂を使用すると、カーボンブラックとの混合性、電力ケーブル被覆時の成形加工性等を向上させ、更に製造された電力ケーブルの導体や絶縁層と半導電層との適切な接着性を持たせることができるからである。
しかしながら酢酸ビニル、アクリル酸エチル、およびアクリル酸ブチル等のコモノマーの含有量が高く、また高いメルトマスフローレートのベース樹脂を使用すると、コモノマー含有量が高くなる程、またメルトマスフローレートが高くなる程、ペレット同士の付着、即ちブロッキングが起り易くなることを確認した。
ペレットは、上記共重合体を主成分としているので、一般に低融点であり、低結晶性であり、酢酸ビニル基、アクリル酸エチル基、アクリル酸ブチル基等の極性基を有しているので、外気温の高い条件、温度変化の大きい条件、及び加圧下の条件等で保存すると、ペレット同士は相互に仮着、密着又は接着し、大きな塊(ブロック)となり易い。この現象をブロッキングと呼称している。
【0003】
上記ベース樹脂でつくった半導電性樹脂組成物で作ったペレットは、製造後、ペレット25kgを入れることができる防湿紙袋、ペレット1〜5tonを入れることができるポリエチレン内袋を有するフレキシブルコンテナー、ペレット1〜5tonを入れることができるアルミニウム製コンテナー等に充填され、倉庫で保管し、トラックで電線製造工場まで輸送されるが、この間にブロッキングが発生し易く、容器からのペレット取り出し作業がし難く、ペレットを空気輸送パイプラインで送るときもブロッキングを起こし詰まったり、電力ケーブル製造の際の被覆加工時に成形機のホッパー上でペレット同士のブロッキングによって供給口に所謂ブリッジを形成して成形機へのペレットの供給が不規則となるか、または中断してしまい規格通りの半導電層が形成されないという不具合が起きることがあり問題となっていた。この対策としては、各工程で、ブロッキング又はブリッジが発生をしたときは、人手をかけ、ブロッキング又はブリッジを解してペレットに戻せばよいが、コストがかかり経済的な対策ではない。
【0004】
エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸ブチル共重合体等のペレットのブロッキンク問題は、ホットメルト、フィルム、汎用成型品等の用途においても問題となっていたが、ペレット表面にワックスを湿式又は乾式で薄くコーティングしたり、シリカ、タルク、ゼオライト等のアンチブロッキング剤を配合することによって解決してきたが、電線の半導電層に用いるペレット表面にワックスを湿式又は乾式で薄くコーティングしたり、アルミノシリケート、カオリン、シリカ、タルク、ゼオライト等の無機系アンチブロッキング剤、ポリメタクリレート等のポリマー微粒子を配合したりすると、半導電層と絶縁層の界面が均一な平坦な平面とならなかったり、突起ができたりし、そこから電気トリーや水トリーが発生し電線の寿命を短くするという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記の事情を鑑みてなされたもので、加工性、導電性等を確保したまま、ブロッキング性が改善された電力ケーブルの被覆材として使用される半導電性樹脂組成物、それに更に剥離剤を配合した半導電性樹脂組成物、及びそれらの半導電性樹脂組成物を被覆して作った、(易剥離性)電力ケーブルを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、またはエチレン−アクリル酸ブチル共重合体から選ばれる1種以上のベース樹脂に対して、カーボンブラックと、各種の化合物を配合する多くの実験をおこなったところ、意外なことには、プラスチック業界では、静電(帯電)防止効果、水蒸気による曇防止効果、及びプラスチック配合剤の分散効果等を期待して使用されていた界面活性剤が、ペレットのブロッキング防止に効果があることを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
すなわち、本発明の第1の発明によれば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、またはエチレン−アクリル酸ブチル共重合体から選ばれる1種以上のベース樹脂(A)100重量部に対して、カーボンブラック(B)10〜400重量部、および以下に示す化学式1で表されるポリオキシエチレンラウリルエーテルからなる界面活性剤(C)0.01〜10重量部を配合することを特徴とする半導電性樹脂組成物が提供される。
【0008】
【化2】
RO(CHCHO)n−H (1)
(式中、Rは炭素数12のアルキル基、nは2〜30である。)
【0009】
また、本発明の第の発明によれば、第1の発明の半導電性樹脂組成物に、剥離剤(D)2〜50重量部を配合することを特徴とする半導電性樹脂組成物が提供される。
【0010】
また、本発明の第の発明によれば、第の発明において、剥離剤(D)が、ニトリルブタジエンゴムであることを特徴とする半導電性樹脂組成物が提供される。
【0011】
また、本発明の第の発明によれば、第1の発明に記載の半導電性樹脂組成物を半導電層に使用してなることを特徴とする電力ケーブルが提供される。
【0012】
また、本発明の第の発明によれば、第2又は第3のいずれかの発明に記載の半導電性樹脂組成物を外部半導電層に使用してなることを特徴とする電力ケーブルが提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の半導電性樹脂組成物、それに更に剥離剤を配合した半導電性樹脂組成物、及びそれらの半導電性樹脂組成物を被覆して作った、(易剥離性)電力ケーブルについて、各項目毎に詳細に説明する。
本発明で使用する、構成成分について、まず説明する。
【0014】
1.ベース樹脂(A)
本発明で使用されるベース樹脂(A)は、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、またはエチレン−アクリル酸ブチル共重合体から選ばれる1種以上が使用される。
このベース樹脂には、特に制限はないが、好ましくは、酢酸ビニル、アクリル酸エチルおよびアクリル酸ブチルのコモノマーの含有量が5〜45重量%、より好ましくは15〜30重量%の範囲のものが使用される。コモノマー含有量が5重量%未満であると、外部半導電層に使用した時に絶縁層との接着が強すぎ剥離性が低下し、剥離作業が困難になる。一方、これが45重量%を超えると、その融点(軟化温度)が大きく低下し、半導電層の機械的特性が弱くなり、かつ常温以上で絶縁層と密着しすぎ、不都合が生じる。また、ベース樹脂(A)としては、そのメルトマスフローレートが2〜1000g/10分、好ましくは10〜400g/10分の範囲のものが、加工性や半導電層としての機械的特性などの点から望ましい。
なお、本発明で使用されるベース樹脂(A)には、その耐熱性、高機械的特性など使用目的に合わせて他のオレフィン系樹脂を、本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。その他のオレフィン系樹脂としては、高圧法低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、マルチサイト触媒あるいはシングルサイト触媒で重合した直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共重合体、直鎖状超低密度エチレン−α−オレフィン共重合体等が例示できる。α−オレフィンとしてはプロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチル−ペンテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1などが選択して使用される。
【0015】
2.カーボンブラック(B)
本発明で使用されるカーボンブラック(B)は、導電材として作用し、本発明の半導電性樹脂組成物に半導電性を付与する。カーボンブラック(B)としては、公知のカーボンブラックであればよく、特に制限はなく、例えば、黒鉛化カーボン、ファーネスブラック、アセチレンブラックおよびケッチェンブラック等が例示できる。
カーボンブラック(B)の配合量は、ベース樹脂100重量部に対して、10〜400重量部、好ましくは30〜150重量部、更に好ましくは40〜120重量部である。カーボンブラック(B)の配合量が10重量部未満であると、電力ケーブルの半導電性層として必要な導電性を付与することができない。一方、400重量部を超えると、被覆の際の押出加工性が劣り、かつ半導電層の機械的特性が不適となる。
【0016】
3.界面活性剤(C)
本発明で使用される界面活性剤(C)は、ブロッキング性を改善させるために配合される界面活性剤である
【0017】
界面活性剤(C)は、1種または2種以上を混合して使用することができる。
【0018】
ベース樹脂(A)との親和性からノニオン系界面活性剤であり、また、その構造にポリオキシエチレン構造を持つものを使用し、具体的に好適な界面活性剤(C)は、以下に示す化学式1で表されるポリオキシエチレンラウリルエーテルである。
【0019】
【化3】
RO(CHCHO)n−H (1)
(式中、Rは炭素数12のアルキル基、nは2〜30である。)
上記化学式1のRは炭素数12のアルキル基、すなわちラウリル基である。Rの炭素数が7未満であると、ブロッキング性の改善が不十分であり、19を超えると、ポリオキシエチレンアルキルエーテルがペレット表面に移行(ブリード)する量が少なくなり、ブロッキング性の改善が不十分となり望ましくない。また、エチレンオキシドの数を表すnの範囲は、2〜30であり、2未満であるとポリオキシエチレンアルキルエーテルがペレット表面に移行(ブリード)する量が少なくなり、ブロッキング性の改善が不十分となり望ましくなく、30を超えると、ポリエチレンオキシド部分の吸湿性が大きくなりすぎ、半導電層中の水分量が多くなりすぎ、電気的特性を悪くし、ひいては電線寿命を短くし望ましくない。
【0020】
界面活性剤(C)の配合量は、ベース樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部、更に好ましくは0.5〜3重量部である。界面活性剤(C)の配合量が0.01重量部未満であると、ブロッキング性改善の効果を付与することができない。一方、10重量部を超えると、押出加工時に吐出量が一定せず、押出加工性が低下し、得られるペレットがかえってべたつき、取扱性が困難になる。
【0021】
4.剥離剤(D)
本発明で使用される剥離剤(D)は、本発明の半導電性樹脂組成物を外部半導電層に使用する場合に、必要に応じて配合される。電力ケーブルの外部半導電層には、絶縁層との剥離が容易なタイプと、困難なタイプがあり、剥離剤(D)は、この外部半導電層に剥離性を付与し、剥離作業を容易ならしめる作用を付与するために配合されるものである。使用する剥離剤(D)は、公知のものであれば、特に制限はない。
剥離剤(D)としては、ニトリルブタジエンゴム、ポリオルガノポリシロキサン、ポリプロピレン、スチレンブタジエンゴム、ポリスチレン、ナイロンなどが例示される。
これらのうち、ニトリルブタジエンゴムが、ベース樹脂(A)との相溶性がよく、剥離性付与効果も優れているので特に望ましい。
剥離剤(D)の配合量は、ベース樹脂(A)100重量部に対して、2〜50重量部、好ましくは4〜20重量部である。剥離剤(D)の配合量が2重量部未満であると、有効な剥離性の効果を付与することができない。一方、50重量部を超えると、剥離剤(D)が樹脂組成物中で均一に分散しづらくなり、押出加工性が低下する。
【0022】
5.添加剤等
本発明においては、上記の成分の他に、本発明の目的を損なわない範囲でその他の各種添加剤を配合してよい。各種添加剤としては、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、充填剤、分散剤、金属不活性剤、難燃剤、加工助剤、離型剤、殺菌剤、防カビ剤、気泡防止剤、発泡剤、導電剤、造核剤、等を挙げることができる。
本発明の半導電性樹脂組成物には、安定剤、特に酸化防止剤を配合することが好ましい。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等が挙げられ、単独で使用しても2種以上混合して使用してもよく、その配合量は、オレフィン系樹脂100重量部に対して、0.001〜5重量部程度である。
【0023】
6.半導電性樹脂組成物の調製
本発明の半導電性樹脂組成物は、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、またはエチレン−アクリル酸ブチル共重合体から選ばれる1種以上のベース樹脂(A)100重量部に、所定量のカーボンブラック(B)、界面活性剤(C)、必要に応じ剥離剤(D)や添加剤等を配合して、一般的な方法、例えばニーダー、バンバリーミキサー、コンティニュアスミキサーあるいは一軸または二軸押出機を使用して、均一に、例えば110〜200℃で溶融混練することにより調製することができる。
また、カーボンブラック(B)、剥離剤(D)、添加剤などは、本発明で使用するベース樹脂を含むエチレン系樹脂を使用してマスターバッチを調製して、配合、溶融混練しても勿論よい。これらの方法を、本発明では、単に溶融混練とも呼ぶ。
【0024】
本発明の好ましい態様として、界面活性剤(C)を除いて上記と同様に半導電性樹脂組成物を調製し、これを造粒して得たペレットを密閉容器に入れ、次いで所定量の界面活性剤(C)、あるいは所定量の界面活性剤(C)を溶媒(水を含む)に溶解した溶液を同容器に投入して、密閉後、室温あるいは必要により例えば50℃程度に加熱して、面界活性剤(C)をペレット表面に被覆あるいは界面活性剤(C)をペレット表面からペレットに含浸させて、溶媒を用いた場合はこれを除き、本発明の半導電性樹脂組成物を調製することもできる。本発明では、この好ましい態様を、単に表面被覆とも呼ぶ。
本発明の半導電性樹脂組成物は、架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの半導電層として被覆加工されるものであるので、作業性から平均粒径が2〜7mmのペレットであることが好ましい。
【0025】
【実施例】
以下、本発明の実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、本明細書中で用いられた物性値及び実施例等で評価された評価物性値は、それぞれ以下にまとめた測定方法によるものである。
【0026】
[測定方法]
【0027】
1.メルトマスフローレート(MFR)
JIS K 7210に準拠して行い、ベース樹脂(A)にあっては、荷重2.16kg、測定温度190℃で測定した値であり、半導電性樹脂組成物であっては、荷重21.6kg、測定温度190℃で測定した値である。
【0028】
2.密度
JIS K 7112に準拠して行った。
【0029】
3.加工性
半導電性樹脂組成物のペレットを、一軸押出機を用いて130℃で、直径3mmの金型から押出し成形し、得られた紐状成形物の表面状態を目視により観察し評価した。表面状態がざらざら状で突起物が認められるものを加工性が不良のものとして「×」とし、滑らかな状態で、突起物が認められないものを加工性が良好なものとして「○」で評価した。
【0030】
4.ブロッキング性試験
半導電性樹脂組成物のペレットを200g秤量し、プラスチック袋に入れ、次いで上面および下面の開口部の面積がそれぞれ100cmの円柱の内部に入れ、これに外上面から7kg重の荷重をかけながら40℃で24時間放置した。これを0℃に冷却し72時間放置したあと、以下の基準でもってブロッキング性を評価した。ブロッキング性が3以下のものを合格とした。
ブロッキング性1:プラスチック袋を開ける作業により、あるいは開封後直ちにペレットの塊(円柱状)が分離・崩壊する。
ブロッキング性2:ペレットの塊(円柱状)を指1本で軽く押さえると崩壊する。
ブロッキング性3:ペレットの塊(円柱状)を指1本で強く押さえると崩壊する。
ブロッキング性4:ペレットの塊(円柱状)を片手でねじりながら押さえると崩壊する。
ブロッキング性5:ペレットの塊(円柱状)を両手でねじりながら押さえると崩壊する。
ブロッキング性6:ペレットの塊(円柱状)を両手でねじりながら押さえても崩壊しない。
【0031】
実施例1、比較例1
エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量34重量%、メルトマスフローレート37g/10分、日本ユニカー社製 NUC-3166)をベース樹脂とし、この100重量部と、表1の組成に示したカーボンブラック(ファーネスブラック、新日化カーボン社製 HTC−#100)95重量部、酸化防止剤テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(チバスペシャリティケミカル社製 イルガノックス1010)1重量部を配合をバンバリーミキサーに入れ180℃で10分間混練した後、造粒して、平均粒径約4mmのペレットを得た。得られたペレットは比較例1の半導電性樹脂組成物として評価した。また得られたペレットを密閉容器に移し、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(重合度n=23)を、上記ベース樹脂100重量部あたり1重量部となるように添加し、密閉後室温でよく振り混ぜて、界面活性剤がペレット表面に均一に被覆させ、得られた本発明の半導電性樹脂組成物を実施例1の半導電性樹脂組成物として評価した。
評価結果は、表1に示したが、両者とも良好な加工性を示したが、界面活性剤を表面被覆していない比較例1のブロッキング性試験ではブロッキング性が4であったが、実施例1はこれが2と有意に低減されていて耐ブロッキング性のある半導電性樹脂組成物であった。
【0032】
実施例2
界面活性剤を直接バンバリーミキサーに投入する他は、実施例1と同様にして、界面活性剤を溶融混練して本発明の半導電性樹脂組成物を得た。組成および評価結果は表1に示したが、実施例2は、実施例1と同様にブロッキング性が2である良好な耐ブロッキング性を有していた。
【0033】
実施例3、4
界面活性剤の配合量を、ベース樹脂100重量部あたりそれぞれ0.05重量部および8重量部とした以外は実施例1と同様にして本発明の半導電性樹脂組成物を得た。結果は、表1に示したが、耐ブロッキング性は、実施例3が3、実施例4が1となり、良好な値であった。
【0034】
比較例2
界面活性剤の配合量を20重量部とした以外は、実施例1と同様にして半導電性樹脂組成物を得た。実施例2の耐ブロッキング性は良好であったが、加工性評価で表面状態がざらざら状して突起物が認められ、また押出加工時に吐出量が一定しなかった。
【0035】
実施例5
剥離剤としてニトリルブタジエンゴム(JSR社製、N241)を10重量部追加し、溶融混練した以外は、実施例1と同様にして本発明の半導電性樹脂組成物を得た。
結果は、表1に示したが、加工性に優れ、耐ブロッキング性も2と良好な、外部半導電層用半導電性樹脂組成物であった。
【0036】
比較例3
界面活性剤を配合しない以外は、実施例5と同様にして本発明の半導電性樹脂組成物を得た。
結果は、表1に示したが、加工性は合格であったが、耐ブロッキング性は4とブロッキング性のある外部半導電層用半導電性樹脂組成物であった。
【0037】
【表1】
Figure 0005025048
【0038】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明は、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、またはエチレン−アクリル酸ブチル共重合体から選ばれる1種以上のベース樹脂に、それぞれ特定量のカーボンブラックおよび界面活性剤が配合されているので、加工性を保持したまま、ブロッキング性を有意に改善できるので、外気温の高い条件や温度変化の大きい条件で保存で保存した際も、半導電層として電線被覆作業時にブロキングが起こることがない半導電性樹脂組成物が得られ、これを半導電層としてケーブルに被覆する際も、効率良く電力ケーブルを得ることができる。該半導電性樹脂組成物に、さらに剥離剤を配合した半導電性樹脂組成物は、電線の外部半導電層として被覆でき、易剥離性外部半導電層をもつ電線が得られる効果がある。

Claims (5)

  1. エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、またはエチレン−アクリル酸ブチル共重合体から選ばれる1種以上のベース樹脂(A)100重量部に対して、カーボンブラック(B)10〜400重量部、および以下に示す化学式1で表されるポリオキシエチレンラウリルエーテルからなる界面活性剤(C)0.01〜10重量部を配合することを特徴とする半導電性樹脂組成物。
    【化1】
    RO(CHCHO)n−H (1)
    (式中、Rは炭素数12のアルキル基、nは2〜30である。)
  2. さらに、剥離剤(D)2〜50重量部を配合することを特徴とする請求項1に記載の半導電性樹脂組成物。
  3. 剥離剤(D)が、ニトリルブタジエンゴムであることを特徴とする請求項2に記載の半導電性樹脂組成物。
  4. 請求項1に記載の半導電性樹脂組成物を半導電層に使用してなることを特徴とする電力ケーブル。
  5. 請求項2又は3に記載の半導電性樹脂組成物を外部半導電層に使用してなることを特徴とする電力ケーブル。
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