JP5018599B2 - 交通信号制御装置及び方法、到着プロファイルの推定装置、並びに、コンピュータプログラム - Google Patents

交通信号制御装置及び方法、到着プロファイルの推定装置、並びに、コンピュータプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP5018599B2
JP5018599B2 JP2008092792A JP2008092792A JP5018599B2 JP 5018599 B2 JP5018599 B2 JP 5018599B2 JP 2008092792 A JP2008092792 A JP 2008092792A JP 2008092792 A JP2008092792 A JP 2008092792A JP 5018599 B2 JP5018599 B2 JP 5018599B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
intersection
arrival profile
signal control
information
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008092792A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009245294A (ja
Inventor
茂樹 西村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP2008092792A priority Critical patent/JP5018599B2/ja
Publication of JP2009245294A publication Critical patent/JP2009245294A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5018599B2 publication Critical patent/JP5018599B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Traffic Control Systems (AREA)

Description

本発明は、交差点の停止線に到着する車両の予測交通量の時系列データである到着プロファイルを用いて行う、交通需要を予測した信号制御の改良に関する。
より詳しくは、上記到着プロファイルを用いて交差点での変動状況を動的に予測し、交通信号機の信号灯色を効率的に制御する交通信号制御装置等に関する。
従来の系統制御や広域制御による交通信号の信号制御方式を、信号制御パラメータ(スプリット、サイクル長及びオフセット等)の設定方式の視点で大別すると、時間帯に応じて信号制御パラメータを設定する定周期制御と、交通状況に応じて信号制御パラメータを設定する交通感応制御の2種類がある。
このうち、後者の交通感応制御は、端末の交通信号制御機ごとに行う端末感応制御と、路線系統制御或いは面制御される複数の交差点を対象に信号制御パラメータを変化させる中央感応制御に分類される。
上記中央感応制御は、交通流の変動に対応した高度な系統制御や広域制御(面制御)を行えるため、交通量の時間変動が激しくかつ交通量が多く、高い交通処理効率が要求される道路に適用され、プログラム選択制御又はプログラム形成制御が採用される。
プログラム選択制御とは、予め設定された複数のプログラムの中から、車両感知器情報に基づいてそのときの交通状態に最適な一つのプログラムを選択する方式である。また、プログラム形成制御とは、予め有限個のパラメータ値を設定するのではなく、車両感知器情報に基づいてオンラインで信号制御パラメータや信号表示の切り替えタイミングを決定する方式である。
交通管制センターが行う中央感応制御では、一般にプログラム選択制御が採用されているが、これには次のような短所がある。
(1)パラメータの設計に多大な労力を要する。
(2)交通状況の経年変化で状況が大きく変化した時の再設計が必要となる。
(3)評価指標(交通量と占有率の加重和)が経験的かつ曖昧である。
(4)余裕を持たせるためにサイクル長が長くなる傾向にあり、無駄な青時間が発生したり、歩行者待ち時間が大きくなったりし易い。
そこで、上記短所を解決するために、交通管制センターの中央装置が交通状況に応じて信号制御パラメータを自動的に更新するプログラム形成制御が行われており、この制御方式はMODERATO(Management by Origin-DEstination Related Adaptation for Traffic Optimization)制御と呼ばれている(非特許文献1参照)。
一方、上記MODERATO制御に加えて、一部の交差点に関して、信号制御に未来の予測情報を用いて青時間を最適化することにより、更にリアルタイム性を高めたUTMS(Universal Traffic Management Systems)という制御方式を採用する場合がある。このUTMS制御の特徴は次の通りである(非特許文献2参照)。
(1) 現在から1サイクル未来の交通需要の予測
(2) 車両の時間遅れの直接評価に基づいたリアルタイム制御の実現
(3) 分散型の制御意思決定:中央制御と連携するハイブリッド型または隣接交差点が強調して動作する自律型の制御モードが選択可能
かかるUTMS制御では、車両が交差点の停止線に到着する予測交通量の時系列データである到着プロファイルを所定時間ごとに推定しており、この到着プロファイルと他の信号制御情報に基づいてシミュレーション演算を実行する。
上記シミュレーション演算は、具体的には、交差点全体の待ち行列台数の変動状況である遅れ時間(信号停止待ち時間)を算出し、この遅れ時間に基づく評価値が最も小さくなる青終了タイミングを探索し、最適な青終了タイミングを決定するものである(非特許文献2参照)。
「改訂 交通信号の手引き」 編集・発行 社団法人 交通工学研究会(16〜18頁、83〜87頁) 「次世代信号制御方式の開発と実証実験」 SEIテクニカルレビュー 2004年3月 第166号 51〜55頁
上記のように、UTMS制御を行うには到着プロファイルを推定することが不可欠であるが、従来では、その到着プロファイルを次のようにして求めている。
すなわち、交差点の上流側に設置された車両感知器を通過した車両台数を1秒から数秒単位ごとに集計し、次に、集計された車両グループが所定の車両速度(設定値又は計測値のいずれでもよい。)で走行するとの仮定の下で、その車両グループが停止線に到達する予測時刻を特定する。この車両グループを予測時刻順に並べたものが到着プロファイルである。
また、UTMS制御では、通常、隣接する上流側の交差点から当該交差点に向かって流出する予測交通量の時系列データである隣接データを取得しており、この隣接データも加味して当該交差点の到着プロファイルを生成することにより、現在から1サイクル先未来までの当該交差点に対する流入交通の予測精度を向上させている。
従って、各予測時刻での当該交差点への流入交通量は、流入リンクごとに作成された到着プロファイルによって予測できることになる。
しかしながら、従来のUTMS制御に用いる到着プロファイルにおける予測交通量は、すべて車両感知器による地点観測で得られた情報であるから、車両感知器の下流側や上流側での事情変更に対応することができない。
例えば、車両感知器の下流側から当該交差点の停止線までの間に脇道があり、車両感知器でカウントされた車両がその脇道から流出したり、逆に車両感知器を通過していない脇道からの車両が当該交差点に流入したりした場合には、到着プロファイルを構成する各車両グループ(予測交通量)に誤差が生じ、到着プロファイルを用いた交通需要の予測に基づく信号制御の精度が悪化することになる。
また、車両感知器の上流側で隣接する交差点で隣接データを収集していなかったり、その隣接する交差点が制御エリア外であったりして、当該交差点において隣接データが得られない場合には、現在から1サイクル未来までの当該交差点に対する流入交通を正確に予測できない。
従って、この場合にも、到着プロファイルを用いた交通需要の予測に基づく信号制御の精度が悪化することになる。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、到着プロファイルをより正確に推定できるようにして、到着プロファイルを用いた交通需要の予測に基づく信号制御を高精度で行うことができる交通信号制御装置等を提供することを目的とする。
本発明の交通信号制御装置(請求項1)は、交差点の停止線に到着する車両の予測交通量の時系列データである到着プロファイルを用いて、交通需要を予測した信号制御を行う制御手段と、前記交差点の上流側での地点観測による車両台数を用いて前記到着プロファイルを推定する推定手段と、を備えており、前記推定手段は、推定した前記到着プロファイルを、前記交差点の上流側を走行する前記車両の位置情報を含む車両情報を用いて増加又は減少させる補正処理を行うことを特徴とする。
上記交通信号制御装置によれば、推定手段が、交差点の上流側での地点観測による車両台数に加えて、交差点の上流側を走行する現時点の車両の位置情報を含む車両情報を用いて到着プロファイルを推定するので、地点観測による車両台数(例えば、車両感知器の感知情報で計測される車両台数)では捕捉できない車両を到着プロファイルに含めることができ、その車両台数だけで到着プロファイルを推定する場合に比べて、到着プロファイルをより正確に推定できるようになる。
本発明の交通信号制御装置において、前記車両の通過を感知する車両感知器が前記交差点の上流側に設置され、前記車両の位置情報を外部に送信可能な端末装置が当該車両に設けられている場合には、前記推定手段は、前記車両感知器の感知情報で計測される車両台数を用いて前記到着プロファイルを推定し、前記端末装置が送信した前記車両の位置情報を用いて前記補正処理を行うことができる(請求項2)。
上記端末装置は、代表的な具体例としては、ナビゲーション機能を有する車載装置が採用されるが、搭乗者が任意に車両に持ち込める携帯電話機、PHS端末及び無線通信可能なノートPC等であってもよい。
上記車両感知器の感知情報と端末装置が送信した位置情報を利用する場合、前記推定手段は、前記車両感知器よりも上流側にある前記車両の位置情報を取得し、その位置情報に対応して前記到着プロファイルの予測交通量を増加させるようにすればよい(請求項3)。
この場合、推定手段が、車両感知器よりも上流側の車両の現在位置に基づいて到着プロファイルの予測交通量を増加するので、現時点の感知情報には含まれていないが、実際には当該交差点に流入する車両(図6の車両5Aや図7の車両5D〜5F)についても到着プロファイルの予測交通量として含めることができ、当該到着プロファイルをより正確に推定できる。
一方、車両感知器よりも上流側の車両の位置情報に基づいて到着プロファイルの予測交通量を増加させると、その車両が車両感知器を通過したときに、当該車両が更に到着プロファイルの予測交通量として二重でカウントされてしまう恐れがある。
そこで、前記車両情報に更に前記車両の識別情報を含ませておき、前記推定手段において、前記車両の識別情報に基づいて前記車両の位置情報と前記車両感知器の感知情報との対応付けを行うことが好ましい(請求項4)。
この場合、現時点において車両感知器の上流側にあると認識された位置情報に対応して到着プロファイルの予測交通量としてカウントされた車両については、その車両が車両感知器を通過した場合に再び予測交通量としてカウントしないように処理することにより、一つの車両が到着プロファイルの予測交通量として二重でカウントされるのを未然に防止することができる。
また、本発明の交通信号制御装置において、前記推定手段は、前記車両の車両情報に基づいて前記車両感知器と前記停止線との間で流出した前記車両を検出し、この流出した前記車両の台数分だけ前記到着プロファイルの予測交通量を減少させることが好ましい(請求項5)。
この場合、推定手段が、流出した車両の台数分だけ到着プロファイルの予測交通量を減少させるので、かかる流出車両があっても到着プロファイルを構成する予測交通量に誤差が生じることがなく、到着プロファイルを正確に推定することができる。
同様の理由で、本発明の交通信号制御装置において、前記推定手段は、前記車両の車両情報に基づいて前記車両感知器と前記停止線との間で流入した前記車両を検出し、この流入した前記車両の台数分だけ前記到着プロファイルの予測交通量を増加させることが好ましい(請求項6)。
この場合、推定手段が、流入した車両の台数分だけ到着プロファイルの予測交通量を減少させるので、かかる流入車両があっても到着プロファイルを構成する予測交通量に誤差が生じることがなく、到着プロファイルを正確に推定することができる。
また、二重カウント防止のための別の方策として、前記推定手段は、前記車両感知器よりも下流側にある前記車両の位置情報は用いず、同車両感知器よりも上流側にある前記車両の位置情報のみを用いて前記到着プロファイルの予測交通量を増加させることにしてもよい(請求項7)。
この場合、車両感知器よりも下流側の車両の現在位置を捨象しているので、その上流側の車両の現時点での位置情報に基づいてカウントされた予測交通量が、車両感知器で二重にカウントされることがなく、位置情報と感知情報との対応付けを行わなくても、二重カウントを防止することができる。
一方、前記交差点の上流側を走行する前記車両の位置データを検出する位置検出器がインフラ側に設けられている場合には、前記車両感知器が設置されていなくかつ車両が端末装置を有していなくても、本発明を実施することができる。
すなわち、インフラ側に上記位置検出器がある場合には、前記推定手段として、前記位置データが所定の基準地点を通過したことで計測される車両台数を用いて前記到着プロファイルを推定し、前記位置検出器が検出した位置データで特定される前記車両の位置情報を用いて前記補正処理を行うものを採用することができる(請求項8)。
なお、上記位置検出器は、代表的な具体例としては、撮像された車両の画像データからその位置データを生成するビデオカメラを採用することができる。
インフラ側に上記位置検出器を設けた場合には、本発明の到着プロファイルの推定処理に必要な車両の位置情報を、当該位置検出器の位置データから取得できる。このため、走行中の車両が前記端末装置を有していなくても、交差点に流入する全車両の位置情報を利用した推定処理が可能となり、この点で本発明の適用範囲が広がる。
また、上記位置データが所定の基準地点を通過したことで計測される車両台数を用いるので、車両感知器の感知情報は不要であり、地点観測による車両台数の検出と車両の位置情報の検出とを1つの位置検出器で行えるという利点もある。
本発明の交通信号制御方法(請求項9)は、本発明の交通信号制御装置(請求項1)が行う制御方法であり、当該制御装置と同様の作用効果を奏する。
また、本発明のコンピュータプログラム(請求項10)は、本発明の交通信号制御方法(請求項9)をコンピュータに実行させるためのプログラムであり、当該制御方法と同様の作用効果を奏する。
更に、本発明の到着プロファイルの推定装置(請求項11)は、本発明の交通信号制御装置(請求項1)の推定手段として使用される装置であり、当該制御装置と同様の作用効果を奏する。
以上の通り、本発明によれば、到着プロファイルを正確に推定することができるので、到着プロファイルを用いた交通需要の予測に基づく信号制御の精度を向上することができる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。
〔第一実施形態〕
〔システムの全体構成〕
図1は、本発明の第一実施形態に係る交通信号制御装置を含む交通信号制御システムの全体構成を示している。図1に示すように、本実施形態の交通信号制御システムは、交通信号機1、車載装置2(図2参照)、車両感知器3、中央装置4、車載装置2を搭載した車両5などを含んでいる。
各交通信号機1は、複数の交差点Ci(i=1〜12)のそれぞれに設置され、電話回線等の通信回線6を介してルータ7に接続されている。このルータ7は交通管制センター内の中央装置4に接続され、中央装置4は、所定エリア内の交差点Ciの各交通信号機1とLAN(Local Area Network)を構成している。
従って、中央装置4は、各交通信号機1と双方向通信が可能であり、各交通信号機1は他の交通信号機1とも双方向通信が可能である。なお、中央装置4は、交通管制センターではなく道路上に設置してもよい。
車両感知器3は、各交差点Ciに流入する車両台数をカウントするために、対応する各交差点Ciの上流側に設置されており、図示しない通信回線を介して対応する各交通信号機1と繋がっている。
なお、図1では、図示を簡略化するために、各交差点Ciに信号灯器1bが1つだけ描写されているが、実際の各交差点Ciには、例えば図2に示すように、互いに交差する道路の上り下り用として4つの信号灯器1bが設置されている。
〔中央装置〕
図3は、本発明の交通信号制御装置を構成する中央装置4を示すブロック図である。
図3に示すように、中央装置4は、制御部401、表示部402、通信部403、記憶部404及び操作部405を含んでいる。
中央装置4の制御部401は、ワークステーション(WS)やパーソナルコンピュータ(PC)等よりなり、交通信号機1や車両感知器3からの各種の交通情報の収集・処理(演算)・記録、信号制御及び情報提供を統括的に行う。制御部401は、内部バスを介して上記ハードウェア各部と繋がっており、これら各部の動作も制御する。
中央装置4の制御部401は、自身のネットワークに属する交差点Ciの交通信号機1に対して、同一道路上の交通信号機1群を調整する系統制御や、この系統制御を道路網に拡張した広域制御(面制御)を行うとともに、前記MODERATO制御やUTMS制御を行うことができる。
MODERATO制御は、ネットワークに属するすべての交通信号機1をマクロ制御するもので、近飽和の交通状態に対応するために、負荷率という交通指標を用いて各交通信号機1に最適な信号制御パラメータをサイクルごとに自動生成する。
例えば、スプリット制御の場合には、各交差点Ciについて、現示ごとの各流入路の負荷率の最大値を求め、現示負荷率の比で正規化されたスプリットを配分する負荷率比配分方式が採用される。
上記負荷率ρは、車両の流入流量Q(台/時)、待ち行列台数E(台/時)及び飽和交通流率s(台/時)を用いて、ρ=(Q+E)/s で定義される。
一方、UTMS制御は、ネットワークに属する一部の交通信号機1をミクロ制御するものであり、着目する交差点Ciの上流側で観測された情報を基に交通状況の変化を事前に予測し、その予測に基づいて交差点Ciでの信号待ちによる遅れ時間を最小にするように、最適な青の打ち切りタイミングを決定する。
かかるUTMS制御では、ある交差点Ciにおける、停止線の到着プロファイルPF(図6参照)の情報と信号制御情報とに基づいてシミュレーション演算を行い、現時点から1サイクル以上未来までの待ち行列台数Eの変動状況を計算する。
本実施形態では、中央装置4の制御部401が上記UTMS制御を行うことから、当該中央装置4の制御部401は、この制御部401が実行するコンピュータプログラムの機能部分として、交差点Ciの停止線に到着する車両5の予測交通量の時系列データである到着プロファイルPFの推定部401Aと、その到着プロファイルPFを用いて交通需要を予測した信号制御を行う予測制御部401Bとを備えている(図3参照)。
従って、上記プロファイル推定部401Aを有する中央装置4の制御部401は、到着プロファイルPFの推定装置としての機能も併有する。
なお、プロファイル推定部401Aと予測制御部401Bが行う制御処理の内容については、後述する。
中央装置4の通信部403は、通信回線6を介してLAN側と接続された通信インタフェースであり、所定時間ごとに信号灯器1bの灯色切り替えタイミング等に関する信号制御指令S1と、渋滞情報等を含む交通情報S2とを各交通信号機1に送信している。信号制御指令S1は、信号制御パラメータの演算周期(例えば、1.0〜2.5分)ごとに送信され、交通情報S2は例えば5分ごとに送信される。
また、中央装置4の通信部403は、各交通信号機1から、車載装置2が搭載されている車両5に関する情報である車両情報と、車両5通過時に生じるパルス信号よりなる車両感知器3の感知情報S5とをリアルタイム(例えば、0.1〜1.0秒周期)で受信している。車両情報には、少なくとも車両5の位置情報S3及び識別情報S4が含まれているが、車両5の速度情報が含まれていてもよい。
中央装置4の記憶部404は、ハードディスクや半導体メモリ等から構成されており、前記MODERATO制御やUTMS制御を行う制御プログラムと、この制御に用いる交通指標や到着プロファイルPF等の演算プログラムを記憶している。
また、記憶部404は、制御部401が生成した前記信号制御指令S1及び交通情報S2と、LAN側から取得した位置情報S3、識別情報S4及び感知情報S5を一時的に記憶する。
中央装置4の表示部402は、自身が管理するエリアの道路地図と、この道路地図上のすべての交通信号機1や光ビーコン(図示せず)等の位置が表示された表示画面により構成され、中央オペレータに渋滞や事故等の交通状況を報知するものである。
中央装置4の操作部405は、キーボードやマウス等の入力インタフェースよりなり、この操作部405によって中央オペレータが上記表示部402に対する表示切り替え操作等を行えるようになっている。
〔交通信号機〕
図2は、交通信号機1の全体構成を示す模式図である。
図2では、交通量の多い主道路RM1,RM2と交通量の少ない従道路RS1,RS2とが合流した交差点Cを例示している。
この交通信号機1は、主道路RM1,RM2及び従道路RS1,RS2のそれぞれに設置された4つの信号灯器1bと、この信号灯器1bと通信回線8を介して接続された交通信号制御機1aとを備えている。
交通信号制御機1aは、中央装置4から信号制御指令S1を受信し、当該信号制御指令S1に基づいて、各信号灯器1bの青、黄、赤及び右折矢等の各信号灯の点灯、消灯及び点滅を制御する。
交通信号制御機1aは、中央装置4から受信した交通情報S2と自身が記憶している交差点IDを、所定周期(例えば、0.1秒ごと)で車載装置2に送信する。また、交通信号制御機1aは、車載装置2から車両5の位置情報S3及び識別情報S4を受信し、車両感知器5から感知情報S5を受信する。
図4は、上記交通信号制御機1aの構成を示すブロック図である。
図4に示すように、交通信号制御機1aは、制御部101、灯器駆動部102、有線通信部103、無線通信部105及び記憶部104を含んでいる。
交通信号制御機1aの制御部101は、一又は複数のマイクロコンピュータから構成されている。制御部101には、内部バスを介して灯器駆動部102、通信部103及び記憶部104が接続されており、制御部101はこれらのハードウェア各部の動作を制御する。
この交通信号制御機1aの制御部101は、中央装置4が系統制御や広域制御(MODERATO制御やUTMS制御等)を行った結果の出力である信号制御指令S1に従って各信号灯器1bを駆動し、その指令S1に基づく所定のタイミングで各信号灯器1bの信号灯色を切り替える。
灯器駆動部102は、半導体リレー(図示せず)を備え、上記制御部101から入力された出力指令S1に基づいて、複数の信号灯器1bの青色灯、黄色灯、赤色灯それぞれに対応して各色の信号灯に供給される交流電圧(AC100V)又は直流電圧をオン/オフする。
交通信号制御機1aの有線通信部103は、中央装置4及び車両感知器3との間で有線通信を行う通信インタフェースであり、中央装置4から信号制御指令S1及び交通情報S2を受信し、車両感知器3から車両の感知情報S5を受信する。
また、交通信号制御機1aの無線通信部105は、交差点Ciに流入する車両5の車載装置2との間で無線通信を行う通信インタフェースであり、交通情報S2を車載装置2に送信し、車両5の位置情報S3及び識別情報S4を車載装置2から受信する。
上記無線通信部105は、DSRC(Dedicated Short Range Communication)、無線LANやWiMAX(World Interoperability for Microwave Access)などの通信装置よりなり、車両5に搭載された車載装置2との間で各種情報を無線通信することができる。
図2に示す例では、無線通信部105は、交差点Cに流入する複数の道路RM1,RM2,RS1,RS2のうち、1本の道路RM2を交差点Cに向かって流入する車両5の車載装置2のみと通信可能となっている。
そして、本実施形態の無線通信部105は、車載装置2に対して交差点IDとともに対象となるリンク(図2の例では主道路RM2)のリンクIDを送信する。車載装置2は、無線通信部105から受信した情報に付されたリンクIDと走行中のリンクのリンクIDを照合することにより、自身に必要な情報を選択する。
また、無線通信部105の通信領域の延長(主道路RM2の走行方向長さ)は、50〜200m程度に設定されている。
交通信号制御機1aの記憶部104は、ハードディスクや半導体メモリ等から構成されており、有線通信部103が受信した信号制御指令S1及び交通情報S2と、無線通信部105が受信した車両5の位置情報S3及び識別情報S4等を記憶している。
〔車載装置〕
車両5に搭載された車載装置2は、交通信号制御機1aとの間で各種情報を無線通信する通信機能と、搭乗者が設定した目的地に案内するナビゲーション機能を有する。
図5は、その車載装置2の構成を示すブロック図である。
図5に示すように、車載装置2は、GPS処理部201、方位センサ202、車速取得部203、通信部204、記憶部205、操作部206、表示部207、音声出力部208及び処理部209等を含んでいる。
GPS処理部201は、GPS衛星からのGPS信号を受信し、GPS信号に含まれる時刻情報、GPS衛星の軌道、測位補正情報等に基づいて、車両5の位置(緯度、経度及び高度)を計測する。
方位センサ202は、光ファイバジャイロなどで構成されており、車両5の方位及び角速度を計測する。車速取得部203は、車速センサ(図示せず)が車輪の角速度を検出することにより計測した車両5の速度データを取得する。
車載装置2の通信部204は、車両5がある交差点Ciに向かって走行中に、交通信号制御機1aの無線通信部105の通信領域に入ると、その無線通信部105から交通情報S2を受信し、自身の位置情報S3及び速度情報S4をリアルタイム(例えば、0.1〜1.0秒周期)に無線通信部105に送信する。
車載装置2の記憶部205は、ハードディスクや半導体メモリ等から構成されており、通信部204が受信した交通情報S2を記憶する。また、記憶部205は、道路地図データを記憶している。
この道路地図データには、交差点IDと交差点の位置とを対応付けた交差点データ、リンクIDと、リンクの始点・終点・補間点(道路が折れ曲がる地点に対応)それぞれの位置と、リンクの始点に接続するリンクのリンクIDと、リンクの終点に接続するリンクのリンクIDと、リンクコストとを対応付けたリンクデータなどから構成されている。
リンクコストは、例えば、リンクとその終点に接続するリンクの組み合わせの数だけ用意されており、リンクの始点に進入してから当該リンクの終点を退出し、次に接続するリンクの始点に進入するまでに要する時間が設定されている。
すなわち、リンクコストには、リンクの始点から終点までを走行するのに要するコスト(時間)と、リンクの終点から次のリンクの始点までを走行するのに要するコスト(時間)、つまり、交差点を通過するのに要するコストが含まれている。
車載装置2の操作部206は、タッチパネルやボタン等から構成されており、ドライバを含む車両5の搭乗者が目的地の設定等を行えるようになっている。
車載装置2の表示部207は、車両5のダッシュボード部分に取り付けられたモニタ装置(図示せず)よりなり、作成した画像データを搭乗者に表示する。
また、音声出力部208は、処理部209が作成した音声データをスピーカー(図示せず)から出力する。
車載装置2の処理部209は、1又は複数のマイクロコンピュータ等から構成されており、GPS処理部201、方位センサ202、車速取得部203、通信部204、記憶部205、操作部206、表示部207、音声出力部208の各処理を制御する。
また、処理部209は、GPS処理部201が計測した車両5の位置、方位センサ202が計測した車両5の方位及び角速度、車速取得部203が取得した車両5の速度の各データ、記憶部205に記憶している道路地図データに基づいてマップマッチング処理を行い、道路地図データのリンク上における車両5の位置を求める。
〔到着プロファイルの推定処理〕
図6は、到着プロファイルの推定処理を示すための、道路の平面形状と到着プロファイルとの対応関係図である。
前記した通り、中央装置4の制御部401は、到着プロファイルPFの推定部401Aと、その到着プロファイルPFを用いて交通需要を予測した信号制御を行う予測制御部401Bとを備えるが、本発明の特徴は推定部401Aが行う到着プロファイルPFの推定処理の点にある。そこで、以下において、図6を参照しつつ、プロファイル推定部401Aが行う到着プロファイルの推定処理について説明する。
図6に示すように、プロファイル推定部401Aは、交差点C1の上流側に位置する車両感知器3から逐次受信する感知情報S5に基づいて、車両感知器3を通過した車両台数(地点観測による車両台数)を1秒から数秒単位ごとに集計した通過データD1を常時収集している。
プロファイル推定部401Aは、通過データD1を構成する各時点の車両グループ(台数)が所定の車両速度vで走行するとの仮定の下で、その車両グループが停止線Pに到達する予測時刻を特定し、この各車両グループよりなる通過データD1を予測時刻順に並べて到着プロファイルPFを生成する。
一方、プロファイル推定部401Aは、車両感知器3の上流側で隣接する交差点C2から交差点C1に向かって流出する予測交通量の時系列データである隣接データD2を、その交差点C2の交通信号制御機1aから取得している。この隣接データD2は、交差点C2から交差点C1に向かって流出する車両台数を予測し、1秒から数秒単位ごとに集計した時系列データになっている。
そこで、プロファイル推定部401Aでは、隣接データD2を構成する各時点の車両グループ(台数)についても、所定の車両速度vで走行するとの仮定の下で、その車両グループが停止線Pに到達する予測時刻を特定し、この各車両グループよりなる隣接データD2を予測時刻順に並べて到着プロファイルPFを生成している。
なお、上記所定の車両速度vは、予め設定された固定値であってもよいし、車載装置2からの車両情報に車両速度が含まれている場合には、車載装置2から取得した車両速度を使用することもできる。
本実施形態のプロファイル推定部401Aは、感知情報S5に基づく車両台数の時系列データである通過データD1及び隣接交差点C2からの流出交通量に基づく時系列データである隣接データD2の他に、車両5に搭載された車載装置2が送信する現時点の当該車両5の位置情報S3を用いて、停止線Pに到着する車両5の予測交通量を増減する補正処理を行い、到着プロファイルPFの推定精度を向上させる。
〔車両感知器の上流側の場合〕
具体的には、プロファイル推定部401Aは、記憶部404に記憶している道路地図データと現時点の車両5の位置情報S3とを対比して、交差点C1を含むリンクを走行する当該車両5の現在位置(現時点t0における車両5の位置)を逐次特定している。
そして、車両5の現在位置が車両感知器3の位置よりも上流側であるか否かを判定し、上流側である場合には、その判定された車両5の台数分だけ、到着プロファイルPFの予測交通量を増加させる処理を行う。
例えば、図6に示すように、車両感知器5と交差点C2の間に脇道R1があり、現時点t0においてその脇道R1から車両5Aが流入してきた場合、プロファイル推定部401Aは、この車両5Aが所定の車両速度vで走行するとの仮定の下で当該車両5Aが停止線Pに到達する予測時刻を特定し、その予測時刻での車両台数を、到着プロファイルPFの予測交通量に加える。
この車両5Aは、現時点t0での通過データD1や隣接データD2には含まれることはないが、実際には、通過データD1と隣接データD2の間の時間帯に停止線Pに到着する車両であるから、かかる車両5Aの台数分を到着プロファイルPFの予測交通量に含めることにより、到着プロファイルPFをより正確に推定することができる。
〔位置情報と感知情報とのマッチング処理〕
ところで、車両5の位置情報S3に基づく予測交通量の補正処理を、車両感知器3の下流側でも行う場合には、現時点t0において車両感知器3の上流側の車両5Aがその後に車両感知器3を通過すると、この通過に伴う感知情報S5によっても到着プロファイルPFの予測交通量がカウントされ、一つの車両5Aに対して予測交通量のカウントが二重で行われてしまう。
そこで、このような二重カウントを防止するため、本実施形態のプロファイル推定部401Aは、車両5の位置情報S3と車両感知器3の感知情報S5との対応付けを行うマッチング処理を行っている。
具体的には、プロファイル推定部401Aは、車両5Aの位置情報S3によって現時点t0の予測交通量をカウントした場合には、そのカウントデータに対して車両5Aの識別情報S4(例えば、車両ID)を付する。
そして、プロファイル推定部401Aは、上記識別情報S4付きのカウントデータに対応する車両5Aが車両感知器3を通過する通過時刻を車両速度vに基づいて予測し、この通過時刻(又はこれに近い時刻)に感知された感知情報S5については、既に位置情報S3に基づいてカウント済みであるとみなし、到着プロファイルPFの予測交通量としてはカウントしない。
なお、上記位置情報S3と感知情報S5との対応付けは、車両5Aが上流側にある場合だけでなく、車両5Aが車両感知器3の下流側にある場合も行うことができる。
すなわち、現時点t0において車両5Aが車両感知器3の下流側にある場合でも、その車両5Aの位置情報S3を用いて、当該車両5Aが車両感知器3を過去に通過した時刻を逆算することにより、特定の車両IDを有する車両5Aの位置情報S3と感知情報S5とを対応付けることができる。
〔車両感知器の下流側の場合〕
一方、図6に示すように、車両感知器3の下流側から交差点C1の停止線Pまでの間に脇道R2,R3があり、車両感知器3でカウントされた車両5がその脇道R3から流出したり、逆に車両感知器3を通過していない脇道R2からの車両5Bが交差点C1に流入したりした場合には、到着プロファイルPFの予測交通量に誤差が生じてしまう。
そこで、プロファイル推定部401Aは、車両5の現在位置が車両感知器3よりも下流側である場合(図6の車両5B,5Cの場合)には、その車両5の位置情報S3に基づいて、当該車両5B,5Cが車両感知器3と停止線Pとの間でリンク外に流出するか、或いは、リンク内に流入するかを判定する。
なお、この判定は、記憶部404に記憶している道路地図データに含まれるリンクの座標と車両5の位置情報S3とを対比することによって行うことができる。
そして、プロファイル推定部401Aは、上記判定によって車両5Cの流出を検出した場合には、その流出した車両5Cの台数分だけ、到着プロファイルPFの予測交通量を減少させる処理を行う。また、プロファイル推定部401Aは、上記判定によって車両5Bの流入を検出した場合には、その流入した車両5Bの台数分だけ、到着プロファイルPFの予測交通量を増加させる処理を行う。
従って、本実施形態のプロファイル推定部401Aによれば、車両感知器3の下流側で流入車両5Bや流出車両5Cがあっても、到着プロファイルPFを構成する予測交通量に誤差が生じることがなく、到着プロファイルPFを正確に推定することができる。
〔予測制御部によるUTMS制御〕
上記プロファイル推定部401Aが推定する到着プロファイルPFは、交差点C1に繋がる各方向の流入リンクごとに生成される。
そこで、予測制御部401Bは、この各到着プロファイルPFを用いて現在から1サイクル未来までの当該交差点C1に対する流入交通を予測し、到着プロファイルPFと他の信号制御情報に基づいてシミュレーション演算を実行する。
かかるシミュレーション演算は、具体的には、交差点Ci全体の待ち行列台数の変動状況である遅れ時間(信号停止待ち時間)を算出し、この遅れ時間に基づく評価値が最も小さくなる青終了タイミングを探索し、最適な青終了タイミングを決定することによって行われる。
このように、本実施形態の交通信号制御システムによれば、中央装置4の制御部401が、交通需要を予測した信号制御の一つであるUTMS制御を行うに当たって、交差点C1の上流側に設置された車両感知器3からの感知情報S5に加えて、車両5に搭載された車載装置2が送信する現時点の当該車両5の位置情報S3に基づいて到着プロファイルPFを推定するので、地点観測による車両感知器3の感知情報S5のみで到着プロファイルPFを推定する従来法に比べて、到着プロファイルPFをより正確に推定でき、UTMS制御をより高精度で実施することができる。
〔第一実施形態の変形例〕
図7は、図6とは異なる別の推定処理を示すための、道路の平面形状と到着プロファイルとの対応関係図である。
図7に示すように、この変形例では、車両感知器3の上流側に隣接する交差点C2がないか又は遠方にあり、或いは、隣接する交差点C2が中央装置4の制御エリア外になっているため、前記隣接データD2を収集していない。
そして、この変形例に係るプロファイル推定部401Aの推定処理においても、現時点t0において車両感知器3の上流側にある車両5D〜5Fの位置情報S3を用いて、到着プロファイルPFの予測交通量を増加させる処理を行っている。
この場合、現時点t0における位置情報S3に対応する予測交通量が到着プロファイルPFに加えられるので、車両感知器3による地点観測(感知情報S5)のみで到着プロファイルPFを生成する場合に比べて、到着プロファイルPFを用いた需要予測期間を長く取ることができる。このため、上流側の隣接データD2がなくても、到着プロファイルPFを正確に推定することができる。
また、図7の推定処理では、二重カウント防止のための前記マッチング処理を行う代わりに、現時点t0において、車両感知器3よりも下流側にある車両5の位置情報S3は用いず、車両感知器3よりも上流側にある車両5D〜5Fの位置情報S3のみを用いて、到着プロファイルPFの予測交通量を増加させるようにしている。
この場合、車両感知器3よりも下流側の車両5の現在位置が捨象されるので、その上流側の車両5D〜5Fの現在位置に基づく現時点t0の予測交通量が、車両感知器3の感知情報S5に基づく現時点t0の予測交通量と重なることがない。
このため、車両5の位置情報S3と感知情報S5との対応付けを行わなくても、一つの車両5D〜5Fが到着プロファイルPFの予測交通量として二重でカウントされるのを防止することができる。
〔第二実施形態〕
図8は、本発明の第二実施形態を示すための、道路の平面形状と到着プロファイルとの対応関係図である。
この第二実施形態が第一実施形態(図1〜図7)と異なる点は次の(1)〜(3)の通りであり、これ以外の装置構成や、中央装置4が行う予測制御の内容等は、第一実施形態の場合と同様である。
(1) 交差点C1の上流側に車両感知器3が設けられておらず、その代わりに、交差点C1に向かって走行する車両5を撮影してその画像データを取得するビデオカメラ9が設けられている。
(2) ビデオカメラ9は、画像データに基づいて車両5の位置データS6を生成する位置検出器としての機能を有し、この位置データS6を、交通信号制御機1aを介して中央装置4の制御部401にリアルタイムに送信する。
(3) 中央装置4のプロファイル推定部401Aは、取得した位置データS6に基づいて地点観測による車両台数と、現時点t0の車両5の位置情報S3とを生成し、これらを用いて到着プロファイルPFを推定する。
以下、図8を参照しつつ、上記相違点(1)〜(3)を有する第二実施形態の説明を敷衍する。
図8に示すように、ビデオカメラ9は、交差点C1から上流側に離れた所定位置に設置されており、このビデオカメラ9の撮影方向は、設置位置から上流側(交差点C1の反対側)に向けられている。従って、ビデオカメラ9の撮影エリアA(図8のハッチング部分)は当該カメラ9の設置位置から上流側の所定長さ範囲に設定されている。
なお、赤信号1回で車両が捌ける待ち行列長は概ね150mであるから、上記撮影エリアAの長さはその待ち行列長を概ねカバーできる程度であればよい。
ビデオカメラ9は、撮影したリアルタイムの画像データに基づいて、車両5の車頭や車尾などを抽出し、車両5の現在位置を検出する。このビデオカメラ9が検出する車両5の現在位置は、車両5の進行方向位置(例えば、交差点の停止線からの距離)である。
また、ビデオカメラ9は、撮影時刻の異なる画像データに基づいて車両5の速度を検出したり、車両5全体の特徴から車種や車色を検出したりすることもできる。なお、このビデオカメラ9は、単眼カメラでもステレオカメラでもいずれでもよい。
ビデオカメラ9は、検出した車両5の位置データS6を、通信回線を通じて交通信号制御機1aにリアルタイムに送信し、中央装置4の通信部404は、その位置データS6を交通信号制御機1aからリアルタイムで受信する。
中央装置4のプロファイル推定部401Aは、撮影エリアAの上流側端部に基準地点P0を設定しており、この位置データS6が基準地点P0を通過した数を1秒から数秒単位ごとに集計した通過データD1を収集している。
すなわち、上記位置データS6の基準地点P0に対する通過数は、車両感知器3の感知情報S5で得られる車両台数と等価であるから、感知情報S5の代わりにその通過数を用いて前記通過データD1を収集する。
また、プロファイル推定部401Aは、第一実施形態の場合と同様に、上記通過データD1を構成する各時点の車両グループ(台数)が所定の車両速度vで走行するとの仮定の下で、その車両グループが停止線Pに到達する予測時刻を特定し、この各車両グループよりなる通過データD1を予測時刻順に並べて到着プロファイルPFを生成する
一方、プロファイル推定部401Aは、ビデオカメラ9からの位置データS6に基づいて、現時点t0において基準位置P0よりも上流側にある車両5D〜5Fの位置情報S3を特定し、かかる車両5の位置情報S3を用いて、到着プロファイルPFの予測交通量を増加させる処理を行う。
このように、本実施形態の交通信号制御システムにおいても、現時点t0における位置情報S3に対応する予測交通量が到着プロファイルPFに加えられるので、地点観測(基準位置P0に対する通過数)のみで到着プロファイルPFを生成する場合に比べて、到着プロファイルPFを用いた需要予測期間を長く取ることができる。このため、上流側の隣接データD2がなくても、到着プロファイルPFを正確に推定することができる。
また、本実施形態では、プロファイル推定部401Aでの推定処理に必要な車両5の位置情報S3を、インフラ側のビデオカメラ9の位置データS6から取得するので、走行中の車両5が車載装置2を有していなくても、交差点に流入する全車両5の位置情報S3を利用した高精度の推定処理が可能となる
更に、本実施形態では、位置データS6の基準地点P0に対する通過数で地点観測による車両台数を求めるので、車両感知器3の感知情報S5は不要である。従って、1台のビデオカメラ9を設置するだけで、地点観測による車両台数と車両5の位置情報S5の双方を検出することができる。
なお、上記第二実施形態において、インフラ側において車両5の位置データS6を検出する位置検出器としては、前記ビデオカメラ9だけでなく、例えば、音波や電波の反射波によって車両5の現在位置を計測するレーダー装置を採用してもよい。
〔その他の変形例〕
これまで開示した実施形態はすべて例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の構成と均等の範囲内のすべての変更が本発明に含まれる。
例えば、上記実施形態では、到着プロファイルPFの推定処理を含めたUTMS制御を、すべて中央装置4の制御部401が行っているが、これらの算出及び制御を、交通信号制御機1aの制御部101に行わせることもできる。
また、本発明は、中央装置4が広域制御を行う場合に限らず、LANに含まれる複数の交通信号機1が、中央装置4による制御とは別個のグループ単位での系統制御又は広域制御を行う場合にも適用することができる。
更に、上記実施形態では、車両5が車両情報を外部に送信する装置として、ナビゲーション機能を有する車載装置2を採用しているが、これ以外にも、搭乗者が任意に車両に持ち込める携帯電話機、PHS及び無線通信可能なノートPC等であってもよい。
すなわち、車両5側からインフラ側への位置情報S3の通信装置は、車両5に固定的又は一時的に搭載され、交通インフラ側と無線通信して車両5の位置情報S3や識別情報S4等を含む車両情報を提供できる端末装置であればよい。
第一実施形態の交通信号制御システムの全体構成を示す模式図である。 交通信号機の全体構成を示す模式図である。 中央装置の構成を示すブロック図である。 交通信号制御機の構成を示すブロック図である。 車載装置の構成を示すブロック図である。 道路の平面形状と到着プロファイルとの対応関係図である。 第一実施形態の変形例を示すための、道路の平面形状と到着プロファイルとの対応関係図である。 第二実施形態を示すための、道路の平面形状と到着プロファイルとの対応関係図である。
符号の説明
1 交通信号機
1a 交通信号制御機
1b 信号灯器
101 制御部
102 灯器駆動部
103 有線通信部
104 記憶部
105 無線通信部
2 車載装置(端末装置)
201 GPS処理部
202 方位センサ
203 車速取得部
204 通信部
205 記憶部
206 操作部
207 表示部
208 音声出力部
209 処理部
3 車両感知器
4 中央装置(交通信号制御装置)
401 制御部(推定装置)
401A プロファイル推定部(推定手段)
401B 予測制御部(制御手段)
402 表示部
403 通信部(取得手段)
404 記憶部
405 操作部
5 車両
9 ビデオカメラ(位置検出器)
Ci 交差点
P 停止線
S1 信号制御指令
S2 交通情報
S3 位置情報
S4 識別情報
S5 感知情報
S6 位置データ

Claims (11)

  1. 交差点の停止線に到着する車両の予測交通量の時系列データである到着プロファイルを用いて、交通需要を予測した信号制御を行う制御手段と、
    前記交差点の上流側での地点観測による車両台数を用いて前記到着プロファイルを推定する推定手段と、を備えており、
    前記推定手段は、推定した前記到着プロファイルを、前記交差点の上流側を走行する前記車両の位置情報を含む車両情報を用いて増加又は減少させる補正処理を行うことを特徴とする交通信号制御装置。
  2. 前記車両の通過を感知する車両感知器が前記交差点の上流側に設置され、前記車両の位置情報を外部に送信可能な端末装置が当該車両に設けられており、
    前記推定手段は、前記車両感知器の感知情報で計測される車両台数を用いて前記到着プロファイルを推定し、前記端末装置が送信した前記車両の位置情報を用いて前記補正処理を行う請求項1に記載の交通信号制御装置。
  3. 前記推定手段は、前記車両感知器よりも上流側にある前記車両の位置情報に対応して、前記到着プロファイルの予測交通量を増加させる請求項2に記載の交通信号制御装置。
  4. 前記車両情報には更に前記車両の識別情報が含まれており、
    前記推定手段は、前記車両の識別情報に基づいて前記車両の位置情報と前記車両感知器の感知情報との対応付けを行う請求項2又は3に記載の交通信号制御装置。
  5. 前記推定手段は、前記車両の位置情報に基づいて前記車両感知器と前記停止線との間で流出した前記車両を検出し、この流出した前記車両の台数分だけ前記到着プロファイルの予測交通量を減少させる請求項2〜4のいずれか1項に記載の交通信号制御装置。
  6. 前記推定手段は、前記車両の位置情報に基づいて前記車両感知器と前記停止線との間で流入した前記車両を検出し、この流入した前記車両の台数分だけ前記到着プロファイルの予測交通量を増加させる請求項2〜5のいずれか1項に記載の交通信号制御装置。
  7. 前記推定手段は、前記車両感知器よりも下流側にある前記車両の位置情報は用いず、同車両感知器よりも上流側にある前記車両の位置情報のみを用いて前記到着プロファイルの予測交通量を増加させる請求項2又は3に記載の交通信号制御装置。
  8. 前記交差点の上流側を走行する前記車両の位置データを検出する位置検出器がインフラ側に設けられており、
    前記推定手段は、前記位置データが所定の基準地点を通過したことで計測される車両台数を用いて前記到着プロファイルを推定し、前記位置検出器が検出した位置データで特定される前記車両の位置情報を用いて前記補正処理を行う請求項1に記載の交通信号制御装置。
  9. 交差点の停止線に到着する車両の予測交通量の時系列データである到着プロファイルを用いて、交通需要を予測した信号制御を行う交通信号制御方法であって、
    前記交差点の上流側での地点観測による車両台数を用いて前記到着プロファイルを推定し、推定した前記到着プロファイルを、前記交差点の上流側を走行する前記車両の位置情報を含む車両情報を用いて増加又は減少させる補正処理を行い、このようにして補正された当該到着プロファイルを用いて前記信号制御を行うことを特徴とする交通信号制御方法。
  10. 交差点の停止線に到着する車両の予測交通量の時系列データである到着プロファイルを用いて行う、交通需要を予測した信号制御をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
    前記交差点の上流側での地点観測による車両台数を用いて前記到着プロファイルを推定するステップと、
    推定した前記到着プロファイルを、前記交差点の上流側を走行する前記車両の位置情報を含む車両情報を用いて増加又は減少させる補正処理を行うステップと、
    補正された前記到着プロファイルを用いて前記信号制御を行うステップと、を含むことを特徴とするコンピュータプログラム。
  11. 交差点の停止線に到着する車両の予測交通量の時系列データである到着プロファイルを推定する推定装置であって、
    前記交差点の上流側での地点観測による車両台数と、前記交差点の上流側を走行する前記車両の位置情報を含む車両情報とを取得する取得手段と、
    取得された前記地点観測による車両台数を用いて前記到着プロファイルを推定する推定手段と、を備えており、
    前記推定手段は、推定した前記到着プロファイルを、取得された前記車両情報を用いて増加又は減少させる補正処理を行うことを特徴とする到着プロファイルの推定装置。
JP2008092792A 2008-03-31 2008-03-31 交通信号制御装置及び方法、到着プロファイルの推定装置、並びに、コンピュータプログラム Expired - Fee Related JP5018599B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008092792A JP5018599B2 (ja) 2008-03-31 2008-03-31 交通信号制御装置及び方法、到着プロファイルの推定装置、並びに、コンピュータプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008092792A JP5018599B2 (ja) 2008-03-31 2008-03-31 交通信号制御装置及び方法、到着プロファイルの推定装置、並びに、コンピュータプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009245294A JP2009245294A (ja) 2009-10-22
JP5018599B2 true JP5018599B2 (ja) 2012-09-05

Family

ID=41307087

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008092792A Expired - Fee Related JP5018599B2 (ja) 2008-03-31 2008-03-31 交通信号制御装置及び方法、到着プロファイルの推定装置、並びに、コンピュータプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5018599B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106504548A (zh) * 2016-10-27 2017-03-15 李永刚 交通灯智能控制方法及***

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101808118B1 (ko) * 2010-11-10 2017-12-15 에스케이텔레콤 주식회사 교통정보 예측 장치 및 방법
WO2012086301A1 (ja) * 2010-12-21 2012-06-28 住友電気工業株式会社 信号制御装置、コンピュータプログラム及び信号制御方法
JP6503611B2 (ja) * 2015-07-27 2019-04-24 住友電工システムソリューション株式会社 信号制御装置、及びコンピュータプログラム
CN113313944B (zh) * 2021-05-27 2023-02-24 阿波罗智联(北京)科技有限公司 灯态数据的处理方法、装置及***
CN113763726A (zh) * 2021-09-10 2021-12-07 北京航空航天大学 一种面向网联自动驾驶混行环境的交叉口信号优化方法
KR102602802B1 (ko) * 2021-10-14 2023-11-15 안상욱 스마트 신호등 시스템

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11126296A (ja) * 1997-10-23 1999-05-11 Nippon Signal Co Ltd:The 交通信号制御装置
JP3834971B2 (ja) * 1997-12-01 2006-10-18 株式会社日立製作所 交通軌跡監視方法及び装置
JP2001126185A (ja) * 1999-10-27 2001-05-11 Nec Software Okinawa Ltd 交通渋滞緩和システム及び交通渋滞緩和方法
JP3399421B2 (ja) * 1999-11-05 2003-04-21 住友電気工業株式会社 交通信号制御装置
JP2006343814A (ja) * 2005-06-07 2006-12-21 Sumitomo Electric Ind Ltd 交通管制システム及び交通管制システムに情報を送信するための車載器

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106504548A (zh) * 2016-10-27 2017-03-15 李永刚 交通灯智能控制方法及***
CN106504548B (zh) * 2016-10-27 2019-04-09 广州子灵信息科技有限公司 交通灯智能控制方法及***

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009245294A (ja) 2009-10-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5482827B2 (ja) 交通指標算出装置、方法及びコンピュータプログラム
WO2015166876A1 (ja) 交通信号制御装置、交通信号制御方法、及びコンピュータプログラム
JP5471212B2 (ja) 交通信号制御装置及びコンピュータプログラム
JP5018600B2 (ja) 交通信号制御装置及び方法、到着プロファイルの推定装置、並びに、コンピュータプログラム
JP5018599B2 (ja) 交通信号制御装置及び方法、到着プロファイルの推定装置、並びに、コンピュータプログラム
CN109564728A (zh) 无线通信***、信息获取终端、计算机程序、用于确定是否采用提供的信息的方法
JP5304409B2 (ja) 経路選定装置及び方法、交通情報提供装置及び方法、コンピュータプログラム
EP3951743A1 (en) Vehicle travel route control system, vehicle travel route control device, and vehicle travel route control method
US20210311491A1 (en) Intelligent roadside toolbox
US20190206244A1 (en) Traffic light control device, traffic light control method, and recording medium
JP2008305084A (ja) 交通信号制御システム、交通信号制御装置、車載装置及び交通信号制御方法
JP5223533B2 (ja) 交通信号制御装置、交通パラメータ算出装置、コンピュータプログラム、交通信号制御方法、及び交通パラメータ算出方法
JP2011039704A (ja) プローブ情報の処理装置、コンピュータプログラム及び路車間通信システム
JP5045253B2 (ja) 交通信号制御装置及び方法
JP5732929B2 (ja) 交通指標算出装置、交通指標算出方法および交通指標算出プログラム
JP2016133942A (ja) 交通指標算出装置、交通指標算出方法及びコンピュータプログラム
JP4998504B2 (ja) プローブ情報生成装置及び方法
JP5169140B2 (ja) リンクコスト算出装置及び方法、経路誘導システム、並びに、コンピュータプログラム
JP6947350B2 (ja) 交通感応制御装置
JP2012168992A (ja) 情報提供装置及び方法、コンピュータプログラム
JP5381808B2 (ja) 交通情報処理装置とこれを用いた渋滞情報の検出方法
JP5803162B2 (ja) 交通指標算出装置、交通指標算出方法および交通指標算出プログラム
JP5741326B2 (ja) 交通指標決定装置、交通指標決定方法および交通指標決定プログラム
JP5633116B2 (ja) 交通情報提供装置及び方法
JP2021163040A (ja) 待ち行列台数の算出装置及び算出方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120228

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120229

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120417

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120515

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120528

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150622

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees